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JP2001135480A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

Info

Publication number
JP2001135480A
JP2001135480A JP31218899A JP31218899A JP2001135480A JP 2001135480 A JP2001135480 A JP 2001135480A JP 31218899 A JP31218899 A JP 31218899A JP 31218899 A JP31218899 A JP 31218899A JP 2001135480 A JP2001135480 A JP 2001135480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
light emitting
emitting device
light
metal complex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31218899A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Kitazawa
大輔 北澤
Akira Makiyama
暁 槙山
Toru Kohama
亨 小濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP31218899A priority Critical patent/JP2001135480A/ja
Publication of JP2001135480A publication Critical patent/JP2001135480A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発光効率が高く、色純度に優れた発光素子を提
供する。 【解決手段】正極と負極の間に発光を司る物質が存在
し、電気エネルギーにより発光する素子において、ジピ
リジルアミン骨格を有する配位子からなる金属錯体を含
むことを特徴とする発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機、光信号発生器などの分野に利用
可能な発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】負極から注入された電子と正極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光する有機積層薄膜発光素子の研究が近年活発に
行われている。この素子は、薄型、低駆動電圧下での高
輝度発光、蛍光材料を選ぶことによる多色発光が特徴で
ある。
【0003】有機積層薄膜素子が高輝度に発光すること
は、コダック社のC.W.Tangらによって初めて示
された(Appl.Phys.Lett.51(12)
21、p.913、1987)。コダック社の提示した
有機積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス
基板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層であり、
電子輸送性も併せ持った8−ヒドロキシキノリンアルミ
ニウム、そして負極としてMg:Agを順次設けたもの
であり、10V程度の駆動電圧で1000カンデラ/平
方メートルの緑色発光が可能であった。現在の有機積層
薄膜発光素子は、上記の素子構成要素の他に、電子輸送
層を別に設けているものなど構成を変えているものもあ
るが、基本的にはコダック社の構成を踏襲している。
【0004】発光層はホスト材料のみや、ホスト材料に
ゲスト材料をドーピングして構成される。ホスト材料と
しては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを始
めとする金属キレート化オキシノイド化合物、ジアリー
ルブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、ベンズオキサ
ゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体などがあげられ
る。
【0005】一方、ゲスト材料としてのドーパント材料
には、ピロロピリジン化合物、フロピリジン化合物など
が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術に用
いられる発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)に
は、発光効率が低く消費電力が高いものや、化合物の耐
久性が低く素子寿命の短いものが多かった。また、フル
カラーディスプレイとして赤色、緑色、青色の三原色発
光が求められているが、赤色、青色発光においては、発
光波長を満足させるものは少なく、発光ピークの幅も広
く色純度が良いものは少ない。中でも青色発光におい
て、耐久性に優れ十分な色純度特性を示すものが必要と
されている。
【0007】本発明は、かかる従来技術の問題を解決
し、発光効率が高く、色純度に優れた発光素子を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、正極と負極の
間に発光を司る物質が存在し、電気エネルギーにより発
光する素子であって、該素子がジピリジルアミン骨格を
有する配位子からなる金属錯体を含むことを特徴とする
発光素子である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における正極は、光を取り
出すために透明であれば、酸化錫、酸化インジウム、酸
化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、あ
るいは、金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅
などの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロー
ル、ポリアニリンなどの導電性ポリマなど特に限定され
るものでないが、ITOガラスやネサガラスを用いるこ
とが特に望ましい。透明電極の抵抗は素子の発光に十分
な電流が供給できればよいので限定されないが、素子の
消費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例
えば300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極と
して機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給
も可能になっていることから、20Ω/□以下の低抵抗
の基板を使用することが特に望ましい。ITOの厚みは
抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常100
〜300nmの間で用いられることが多い。
【0010】また、ガラス基板はソーダライムガラス、
無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械的強
度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.7mm
以上あれば十分である。ガラスの材質については、ガラ
スからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガ
ラスの方が好ましいが、SiO2などのバリアコートを
施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを
使用できる。ITO膜形成方法は、電子ビーム蒸着法、
スパッタリング法、化学反応法など特に制限を受けるも
のではない。
【0011】本発明における負極は、電子を効率よく、
発光を司る物質または発光を司る物質に隣接する物質
(例えば電子輸送層)に注入できる物質であれば特に限
定されない。一般的には白金、金、銀、銅、鉄、錫、ア
ルミニウム、インジウム、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マグネシウムなどがあげられる。電
子注入効率を上げて素子特性を向上させるためには、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシ
ウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合金が有効であ
る。しかし、これら低仕事関数金属は一般に大気中で不
安定であることが多く、電極保護のために白金、金、
銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウムなどの金
属、またはこれらの金属を用いた合金、そしてシリカ、
チタニアなどの無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビ
ニルなどのポリマを積層することが好ましい。これらの
電極の作製法も、抵抗加熱法蒸着、電子ビーム蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法、コーティ
ング法など導通を取ることができれば、特に制限されな
い。
【0012】本発明における発光を司る物質の構成は、
1)正孔輸送材料/発光材料、2)正孔輸送材料/発光
材料/電子輸送材料、3)発光材料/電子輸送材料、そ
して、4)以上の組合わせ物質を一層に混合した形態、
のいずれであってもよい。即ち、上記1)〜3)の多層
積層構造の他に、4)のように発光材料単独または発光
材料と正孔輸送材料、あるいは発光材料と正孔輸送材料
および電子輸送材料を含む層を一層設けるだけでもよ
い。
【0013】本発明における発光材料はホスト材料のみ
でも、ホスト材料とドーパント材料の組み合わせでも、
いずれであってもよい。また、ドーパント材料はホスト
材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていて
も、いずれであってもよい。ドーパント材料は積層され
ていても、分散されていても、いずれであってもよい。
【0014】本発明における正孔輸送材料としては、電
界を与えられた電極間において正極からの正孔を効率良
く輸送することが必要で、正孔注入効率が高く、注入さ
れた正孔を効率良く輸送することが望ましい。そのため
にはイオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度
が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物
が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが
要求される。このような条件を満たす物質として、特に
限定されるものではないが、ビスカルバゾリル誘導体、
TPD、m−MTDATA、α−NPDなどのトリフェ
ニルアミン誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化
合物、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体や
フタロシアニン誘導体に代表される複素環化合物、ポリ
ビニルカルバゾール、ポリシランなどの既知の正孔輸送
材料を使用できる。これらの正孔輸送材料は単独でも用
いられるが、異なる正孔輸送材料と積層または混合して
使用しても構わない。
【0015】本発明における発光材料は下記一般式
(1)で表されるジピリジルアミン骨格を有する配位子
からなる金属錯体を有する。
【0016】
【化2】
【0017】(ここでR1〜R9はそれぞれ同じでも異な
っていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル
基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル
基、アルキニル基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチ
オエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロ
アルカン、ハロアルケン、ハロアルキン、シアノ基、ア
ルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル
基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、
シロキサニル基、隣接置換基との間に形成される環構
造、の中から選ばれる。) これらの置換基の内、アルキル基とは例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和脂肪族炭化
水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかま
わない。また、シクロアルキル基とは例えばシクロプロ
ピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルな
どの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置
換されていてもかまわない。また、アラルキル基とは例
えばベンジル基、フェニルエチル基などの脂肪族炭化水
素を介した芳香族炭化水素基を示し、脂肪族炭化水素と
芳香族炭化水素はいずれも無置換でも置換されていても
かまわない。また、アルケニル基とは例えばビニル基、
アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和
脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されて
いてもかまわない。また、シクロアルケニル基とは例え
ばシクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シク
ロヘキセン基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水
素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわ
ない。また、アルキニル基とは例えばアセチレニル基な
どの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、こ
れは無置換でも置換されていてもかまわない。また、ア
ルコキシ基とは例えばメトキシ基などのエーテル結合を
介した脂肪族炭化水素基を示し、脂肪族炭化水素基は無
置換でも置換されていてもかまわない。また、アルキル
チオ基とはアルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫
黄原子に置換されたものである。また、アリールエーテ
ル基とは例えばフェノキシ基などのエーテル結合を介し
た芳香族炭化水素基を示し、芳香族炭化水素基は無置換
でも置換されていてもかまわない。また、アリールチオ
エーテル基とはアリールエーテル基のエーテル結合の酸
素原子が硫黄原子に置換されたものである。また、アリ
ール基とは例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル
基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基な
どの芳香族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換さ
れていてもかまわない。また、複素環基とは例えばフリ
ル基、チエニル基、オキサゾリル基、ピリジル基、キノ
リル基、カルバゾリル基などの炭素以外の原子を有する
環状構造基を示し、これは無置換でも置換されていても
かまわない。ハロゲンとはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素
を示す。ハロアルカン、ハロアルケン、ハロアルキンと
は例えばトリフルオロメチル基などの、前述のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基の一部あるいは全部
が、前述のハロゲンで置換されたものを示し、残りの部
分は無置換でも置換されていてもかまわない。アルデヒ
ド基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、ア
ミノ基には脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭
化水素、複素環などで置換されたものも含み、さらに脂
肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素
環は無置換でも置換されていてもかまわない。シリル基
とは例えばトリメチルシリル基などのケイ素化合物基を
示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。
シロキサニル基とは例えばトリメチルシロキサニル基な
どのエーテル結合を介したケイ素化合物基を示し、これ
は無置換でも置換されていてもかまわない。隣接置換基
との間に形成される環構造は無置換でも置換されていて
もかまわない。
【0018】金属錯体を形成する金属については特に限
定されるものではないが、色純度に優れた青色発光を得
るためには、亜鉛、マグネシウム、ベリリウムを用いる
ことが好ましい。
【0019】上記金属は、上記ジピリジルアミン骨格を
有する配位子に含まれる2つのピリジン環の窒素原子に
配位する。
【0020】上記のジピリジルアミン骨格を有する配位
子からなる金属錯体として、具体的には下記のような構
造があげられる。もちろん本発明に用いることのできる
化合物は、これらに限定されるものではない。
【0021】
【化3】
【0022】本発明におけるジピリジルアミン骨格を有
する金属錯体はドーパント材料として用いてもホスト材
料として用いてもかまわない。
【0023】本発明における発光材料のホスト材料はジ
ピリジルアミン骨格を有する金属錯体を有する化合物一
種のみに限る必要はなく、複数のジピリジルアミン骨格
を有する金属錯体を混合して用いたり、既知のホスト材
料の一種類以上をジピリジルアミン骨格を有する金属錯
体と混合して用いてもよい。既知のホスト材料としては
特に限定されるものではないが、以前から発光体として
知られていたアントラセンやピレンなどの縮合環誘導
体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを始めと
する金属キレート化オキシノイド化合物、ビススチリル
アントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などの
ビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導
体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロ
ピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン
誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾロピリジ
ン誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘
導体、ポリパラフェニレン誘導体、そして、ポリチオフ
ェン誘導体などが使用できる。
【0024】発光材料に添加するドーパント材料は、特
に限定されるものではないが、具体的には従来から知ら
れている、ペリレン、ルブレンなどの縮合環誘導体、キ
ナクリドン誘導体、フェノキサゾン660、DCM1、
ペリノン、クマリン誘導体などがそのまま使用できる
が、特にイソベンゾフラン誘導体が好適に用いられる。
【0025】本発明における電子輸送性材料としては、
電界を与えられた電極間において負極からの電子を効率
良く輸送することが必要で、電子注入効率が高く、注入
された電子を効率良く輸送することが望ましい。そのた
めには電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大き
く、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造
時および使用時に発生しにくい物質であることが要求さ
れる。このような条件を満たす物質として、8−ヒドロ
キシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘
導体金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属
錯体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、ナフタレン、
クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン
誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナ
ントロリン誘導体などがあるが特に限定されるものでは
ない。本発明におけるジピリジルアミン骨格を有する金
属錯体も電子輸送能を有することから、電子輸送材料と
しても用いることができる。これらの電子輸送材料は単
独でも用いられるが、異なる電子輸送材料と積層または
混合して使用しても構わない。
【0026】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に
用いられる材料は単独で各層を形成することができる
が、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロー
ス、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂などの
溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹脂、石
油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂
などの硬化性樹脂などに分散させて用いることも可能で
ある。
【0027】本発明における発光を司る物質の形成方法
は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング
法、分子積層法、コーティング法など特に限定されるも
のではないが、通常は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着
が特性面で好ましい。層の厚みは発光を司る物質の抵抗
値にもよるので限定できないが、10〜1000nmの
間から選ばれる。
【0028】本発明における電気エネルギーとは主に直
流電流を指すが、パルス電流や交流電流を用いることも
可能である。電流値および電圧値は特に制限はないが、
素子の消費電力、寿命を考慮すると、できるだけ低いエ
ネルギーで最大の輝度が得られるようにするべきであ
る。
【0029】本発明の発光素子はマトリクスまたはセグ
メント方式、あるいはその両者を組み合わせることによ
って表示するディスプレイを構成することが好ましい。
【0030】本発明におけるマトリクスは、表示のため
の画素が格子状に配置されたものをいい、画素の集合で
文字や画像を表示する。画素の形状、サイズは用途によ
って決まる。例えばパソコン、モニター、テレビの画像
および文字表示には、通常、一辺が300μm以下の四
角形の画素が用いられるし、表示パネルのような大型デ
ィスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用い
ることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を
配列すればよいが、カラー表示の場合には赤、緑、青の
画素を並べて表示させる。この場合典型的にはデルタタ
イプとストライプタイプがある。尚、本発明における発
光素子は、赤、緑、青色発光が可能であるので、前記表
示方法を用いれば、マルチカラーまたはフルカラー表示
もできる。そして、このマトリクスの駆動方法として
は、線順次駆動方法やアクティブマトリックスのどちら
でもよい。線順次駆動の方が構造が簡単という利点があ
るが、動作特性を考慮するとアクティブマトリックスの
方が優れる場合があるので、これも用途により使い分け
ることが必要である。
【0031】本発明におけるセグメントタイプは、予め
決められた情報を表示するようにパターンを形成し、決
められた領域を発光させる。例えば、デジタル時計や温
度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調
理器などの動作状態表示、自動車のパネル表示などがあ
げられる。そして、前記マトリクス表示とセグメント表
示は同じパネルの中に共存していてもよい。
【0032】本発明の発光素子はバックライトとしても
好ましく用いられる。本発明におけるバックライトは、
主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に
使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動
車パネル、表示板、標識などに使用される。特に液晶表
示装置、中でも薄型化が課題となっているパソコン用途
のバックライトとしては、従来方式のものが蛍光灯や導
光板からなっているため薄型化が困難であることを考え
ると、本発明におけるバックライトは薄型、軽量が特徴
になる。
【0033】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0034】実施例1 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を30
×40mmに切断、エッチングを行った。得られた基板
をアセトン、セミコクリン56で各々15分間超音波洗
浄してから、超純水で洗浄した。続いてイソプロピルア
ルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに
15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を素子を作製
する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内
に設置して、装置内の真空度が5×10-5Pa以下にな
るまで排気した。抵抗加熱法によって、まず正孔輸送材
料として4,4’−(ビス(N−(m−トリル)−N−
フェニルアミノ)ビフェニル(TPD)を100nm蒸
着した。次に発光材料として2,2’−ジピリジルアミ
ンー二酢酸亜鉛錯体を100nmの厚さに積層した。次
にリチウムを0.5nm、アルミニウムを200nm蒸
着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここ
で言う膜厚は表面粗さ計での測定値で補正した水晶発振
式膜厚モニター表示値である。この発光素子からは明瞭
な青色発光が得られた。
【0035】比較例1 発光材料としてビス(2−メチルキノリノラート)(2
−ピリジノラート)アルミニウム(III)を用いた以外
は実施例1と全く同様にして作製した発光素子からは、
青緑発光しか得られなかった。
【0036】実施例2 発光材料として2,2’−ジピリジルアミンー二塩化亜
鉛錯体を用いた以外は実施例1と全く同様にして作製し
た発光素子からは明瞭な青色発光が得られた。
【0037】実施例3 発光材料としてトリス(8−キノリノラト)アルミニウ
ム(Alq3)を50nmの厚さに積層し、次に電子輸
送層として2,2’−ジピリジルアミンー二酢酸亜鉛錯
体を50nmの厚さに積層した後にリチウムを0.5n
m、アルミニウムを200nm蒸着して陰極とした以外
は実施例1と全く同様にして作製した発光素子からはA
lq3に基づく緑色発光が得られた。
【0038】実施例4 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を30
×40mmに切断、フォトリソグラフィ法によって30
0μmピッチ(残り幅270μm)×32本のストライ
プ状にパターン加工した。ITOストライプの長辺方向
片側は外部との電気的接続を容易にするために1.27
mmピッチ(開口部幅800μm)まで広げてある。得
られた基板をアセトン、セミコクリン56で各々15分
間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いてイソ
プロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから熱メ
タノールに15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を
素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空
蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10-4
a以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず
TPDを100nm蒸着した。次に発光材料として2,
2’−ジピリジルアミンー二酢酸亜鉛錯体を100nm
の厚さに積層した。次に厚さ50μmのコバール板にウ
エットエッチングによって16本の250μmの開口部
(残り幅50μm、300μmピッチに相当)を設けた
マスクを、真空中でITOストライプに直交するように
マスク交換し、マスクとITO基板が密着するように裏
面から磁石で固定した。そしてマグネシウムを50n
m、アルミニウムを150nm蒸着して32×16ドッ
トマトリクス素子を作製した。本素子をマトリクス駆動
させたところ、クロストークなく文字表示できた。
【0039】
【発明の効果】本発明は、発光効率が高く、色純度に優
れた発光素子を提供できるものである。本発明の発光素
子は、特に青色発光に対して有効なものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極と負極の間に発光を司る物質が存在
    し、電気エネルギーにより発光する素子において、該素
    子がジピリジルアミン骨格を有する配位子からなる金属
    錯体を含むことを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】前記金属錯体を構成するジピリジルアミン
    骨格を有する配位子が下記一般式(1)で表されること
    を特徴とする請求項1記載の発光素子。 【化1】 (ここでR1〜R9はそれぞれ同じでも異なっていてもよ
    く、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル
    基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル
    基、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチ
    オ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、
    アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、ハロ
    アルケン、ハロアルキン、シアノ基、アルデヒド基、カ
    ルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイ
    ル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル
    基、隣接置換基との間に形成される環構造、の中から選
    ばれる。)
  3. 【請求項3】前記金属錯体の金属が亜鉛、マグネシウ
    ム、ベリリウムから選ばれる少なくとも一種であること
    を特徴とする請求項1記載の発光素子。
  4. 【請求項4】前記金属錯体が発光材料であることを特徴
    とする請求項1記載の発光素子。
  5. 【請求項5】前記金属錯体が電子輸送材料であることを
    特徴とする請求項1記載の発光素子。
  6. 【請求項6】発光素子がマトリクスおよび/またはセグ
    メント方式によって表示するディスプレイを構成するこ
    とを特徴とする請求項1記載の発光素子。
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