JP2001152888A - 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置 - Google Patents
内燃機関の可変バルブタイミング制御装置Info
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Abstract
ック解除不良の発生率を少なくして可変バルブタイミン
グ制御の信頼性を向上する。 【解決手段】 可変バルブタイミング装置のロック機構
のロック解除制御を行った後、ロック解除されたか否か
を判定し、ロック解除されていなければ、油圧制御弁の
異常解除制御を実行し、油圧制御弁の弁体を所定ストロ
ークで往復動させる動作を繰り返す(ステップ101〜
103)。このようにすれば、油圧制御弁の異物噛み込
み等による一時的な動作不良の場合には、異常解除制御
により油圧制御弁を正常に動作できる状態に戻すことが
できる。異常解除制御の終了時までに油圧制御弁が正常
に動作したか否かを判定し(ステップ104)、油圧制
御弁が正常であれば、再度、ロック解除制御を実行する
(ステップ106)。このとき、ロック機構が正常であ
れば、再度のロック解除制御によりロック解除できる。
Description
ルブと排気バルブの少なくとも一方に、ロック機構付き
の可変バルブタイミング装置を設けた内燃機関の可変バ
ルブタイミング制御装置に関するものである。
ては、出力向上、燃費節減、排気エミッション低減を目
的として、可変バルブタイミング装置を採用したものが
増加しつつある。一般に、可変バルブタイミング装置
は、エンジンで駆動されるオイルポンプの吐出油圧を駆
動源としているため、エンジン始動後に油圧がある程度
上昇するまでは、油圧でバルブタイミングを一定位相に
保持することができない。このため、従来より、可変バ
ルブタイミング装置にロック機構を設け、ロック機構に
よりバルブタイミングを一定位相に機械的にロックした
状態でエンジンを始動し、始動後に油圧がある程度上昇
した時点で、ロック機構に対して油圧をロック解除方向
にかけてロック解除した後に、油圧制御によってバルブ
タイミングを可変制御するようにしている。
制御を行っても、何等かの原因で、ロック機構をロック
解除できない場合があるため、ロック解除できない場合
は、再度、ロック解除制御を行うことが考えられる。こ
のようにすれば、ロック機構の異物噛み込み等による一
時的なロック解除不良であれば、再度のロック解除制御
によりロック解除できる場合があるが、ロック解除不良
の原因としては、ロック機構の動作不良の他に、油圧制
御弁の動作不良が考えられる。油圧制御弁の動作不良の
場合は、ロック解除制御の信号を油圧制御弁に出力して
も、油圧制御弁が正常に動作しないため、ロック機構自
体が正常であっても、ロック解除することはできない。
たものであり、従ってその目的は、可変バルブタイミン
グ装置のロック機構のロック解除不良の発生率を少なく
することができ、可変バルブタイミング制御の信頼性を
向上することができる内燃機関の可変バルブタイミング
制御装置を提供することにある。
に、本発明の請求項1の内燃機関の可変バルブタイミン
グ制御装置は、ロック解除制御時にロック機構に対して
油圧をロック解除方向にかけるように油圧制御弁をロッ
ク解除制御手段により制御した後、ロック機構のロック
解除の有無をロック解除判定手段により判定する。その
結果、ロック解除されていないと判定された時は、油圧
制御弁を異常解除制御の駆動パターンで駆動した後に再
度ロック解除制御を行う。
除制御を行う前に、油圧制御弁を異常解除制御の駆動パ
ターンで駆動するため、油圧制御弁の異物噛み込み等に
よる一時的な動作不良であれば、異常解除制御により油
圧制御弁を正常に動作できる状態に戻してから、再度の
ロック解除制御を行うことができる。このため、ロック
機構が正常であれば、再度のロック解除制御によりロッ
ク解除することができて、ロック解除不良の発生率を従
来より少なくすることができ、可変バルブタイミング制
御の信頼性を向上することができる。
御では、油圧制御弁の弁体を所定ストロークで往復動さ
せる動作を繰り返すようにすると良い。このようにすれ
ば、油圧制御弁の異物噛み込み等による一時的な動作不
良の場合には、異常解除制御により油圧制御弁の弁体を
所定ストロークで往復動させる動作を繰り返すうちに動
作不良の原因(異物等)が取り除かれて油圧制御弁が正
常に動作できる状態に戻る。
常解除制御の駆動パターンで駆動した時に該油圧制御弁
の弁体が正常に動作すれば、ロック機構の動作不良によ
るロック解除不良と判定するようにしても良い。つま
り、ロック解除不良の原因は、ロック機構の動作不良と
油圧制御弁の動作不良のいずれかであるため、異常解除
制御により油圧制御弁の弁体が正常に動作すれば、油圧
制御弁が正常であることが確認され、ロック機構の動作
不良によるロック解除不良と判定できる。
ングシステムは、エンジン運転状態に応じて吸気バルブ
のバルブタイミングを進角制御するものが多いが、最近
では、可変バルブタイミング制御性能を更に高めるため
に、吸気バルブと排気バルブの両方に可変バルブタイミ
ング装置を設けたものが開発されている。このもので
は、ロック機構のロックが解除されない状態で可変バル
ブタイミング制御が行われた場合、正常に動作する可変
バルブタイミング装置のみが通常通り動作するため、吸
排気バルブのバルブオーバーラップ量等が異常になっ
て、筒内の排気残留割合(内部EGR量)が過多となる
おそれがあり、それによって、筒内の燃焼状態が悪化し
て失火が発生したり、ドライバビリティや排気エミッシ
ョンが悪化し、最悪の場合は、エンジンストールに至る
おそれがある。
可変バルブタイミング装置を設けた内燃機関に本発明を
適用する場合は、請求項4のように、ロック解除制御終
了後にロック解除されていないと判定された時に、再度
のロック解除制御によりロック機構のロック解除が検出
されるまで、正常に動作する方の可変バルブタイミング
装置の可変バルブタイミング制御を停止又は筒内の排気
残留割合が少なくなるように制御すると良い。このよう
にすれば、仮に、異常解除制御の時間が長くなったとし
ても、ロック解除が検出されるまでは、正常に動作する
方の可変バルブタイミング装置の可変バルブタイミング
制御を停止又は筒内の排気残留割合が少なくなるように
制御するため、異常解除制御中の筒内の排気残留割合の
増加を抑えることができ、異常解除制御中の燃焼状態の
悪化を少なくして失火を防止することができ、ドライバ
ビリティや排気エミッションを改善できると共に、エン
ジンストールを防止できる。
は、請求項5のように、ロック解除制御終了後にロック
解除されていないと判定された時に、再度のロック解除
制御によりロック機構のロック解除が検出されるまで、
排気環流装置による排気環流量(外部EGR量)を少な
くするように制御しても良い。つまり、内部EGRも外
部EGRも燃焼性に及ぼす影響は同じであり、内部EG
R量と外部EGR量との合計が全EGR量となるため、
異常解除制御中に内部EGR量が増加したとしても、外
部EGR量を少なくすれば、全EGR量の増加を抑える
ことができ、異常解除制御中の燃焼状態の悪化を防ぐこ
とができる。
を吸気バルブの可変バルブタイミング制御装置に適用し
た実施形態(1)を図1乃至図10に基づいて説明す
る。図1に示すように、内燃機関であるDOHCエンジ
ン11は、クランク軸12からの動力がタイミングチェ
ーン13により各スプロケット14,15を介して吸気
側カム軸16と排気側カム軸17とに伝達されるように
なっている。但し、吸気側カム軸16には、クランク軸
12に対する吸気側カム軸16の進角量を調整する可変
バルブタイミング装置18が設けられている。
筒判別のために複数のカム角でカム角信号を出力するカ
ム角センサ19が設置され、一方、クランク軸12の外
周側には、所定のクランク角毎にクランク角信号を出力
するクランク角センサ20が設置されている。これらカ
ム角センサ19及びクランク角センサ20の出力信号
は、エンジン制御回路21に入力され、このエンジン制
御回路21によって吸気バルブの実バルブタイミングが
演算されると共に、クランク角センサ20の出力パルス
の周波数からエンジン回転速度が演算される。また、エ
ンジン運転状態を検出する各種センサ(吸気圧センサ2
2、水温センサ23、スロットルセンサ24等)の出力
信号がエンジン制御回路21に入力される。
の入力信号に基づいて燃料噴射制御や点火制御を行うと
共に、可変バルブタイミング制御を行い、吸気バルブの
実バルブタイミング(吸気側カム軸16の実進角量)を
目標バルブタイミング(目標進角量)に一致させるよう
に可変バルブタイミング装置18をフィードバック制御
する。この可変バルブタイミング装置18の油圧制御回
路には、オイルパン27内のオイルがオイルポンプ28
により油圧制御弁29を介して供給され、その油圧を油
圧制御弁29によって制御することで、吸気バルブの実
バルブタイミングが制御される。
機構付きの可変バルブタイミング装置18の構成を説明
する。可変バルブタイミング装置18のハウジング31
は、吸気側カム軸16の外周に回動自在に支持されたス
プロケット14にボルト32で締め付け固定されてい
る。これにより、クランク軸12の回転がタイミングチ
ェーン13を介してスプロケット14とハウジング31
に伝達され、スプロケット14とハウジング31がクラ
ンク軸12と同期して回転する。
ド33とベアリングキャップ34により回転可能に支持
され、この吸気側カム軸16の一端部に、ロータ35が
ストッパ36を介してボルト37で締め付け固定されて
いる。このロータ35は、ハウジング31内に相対回動
自在に収納されている。
1の内部には、複数の流体室40が形成され、各流体室
40が、ロータ35の外周部に形成されたベーン41に
よって進角室42と遅角室43とに区画されている。そ
して、ロータ35の外周部とベーン41の外周部には、
それぞれシール部材44が装着され、各シール部材44
が板ばね45(図2参照)によって外周方向に付勢され
ている。これにより、ロータ35の外周面とハウジング
31の内周面との隙間及びベーン41の外周面と流体室
40の内周面との隙間がシール部材44でシールされて
いる。
周部に形成された環状の進角溝46と遅角溝47が、そ
れぞれ油圧制御弁29の所定ポートに接続され、エンジ
ン11の動力でオイルポンプ28が駆動されることによ
り、オイルパン27から汲み上げたオイルが油圧制御弁
29を介して進角溝46や遅角溝47に供給される。進
角溝46に接続された進角油路48は、吸気側カム軸1
6の内部を貫通してロータ35の左側面に形成された円
弧状進角油路49(図3参照)に連通するように形成さ
れ、この円弧状進角油路49が各進角室42に連通して
いる。一方、遅角溝47に接続された遅角油路50は、
吸気側カム軸16の内部を貫通してロータ35の右側面
に形成された円弧状遅角油路51(図4参照)に連通す
るように形成され、この円弧状遅角油路51が各遅角室
43に連通している。
リング54で弁体を駆動する4ポート3位置切換弁であ
り、弁体の位置を、進角室42に油圧を供給する位置
と、遅角室43に油圧を供給する位置と、進角室42と
遅角室43のいずれにも油圧を供給しない位置との間で
切り換えるようになっている。ソレノイド53の通電停
止時には、スプリング54によって弁体が進角室42に
油圧を供給する位置に自動的に切り換えられ、カム軸位
相を進角させる方向に油圧が働くようになっている。こ
の油圧制御弁29の弁体のストロークを検出する弁スト
ロークセンサ25(図1参照)が設けられ、この弁スト
ロークセンサ25の出力信号がエンジン制御回路21に
入力される。
圧が供給された状態では、進角室42と遅角室43の油
圧でベーン41が固定されて、クランク軸12の回転に
よるハウジング31の回転がオイルを介してロータ35
(ベーン41)に伝達され、ロータ35と一体的に吸気
側カム軸16が回転駆動される。エンジン運転中は、進
角室42と遅角室43の油圧を油圧制御弁29で制御し
てハウジング31とロータ35(ベーン41)とを相対
回動させることで、クランク軸12に対する吸気側カム
軸16の回転位相(以下「カム軸位相」という)を制御
して吸気バルブのバルブタイミングを可変する。尚、ス
プロケット14には、進角制御時にロータ35を進角方
向に相対回動させる油圧力をばね力で補助するねじりコ
イルばね55(図2参照)が収容されている。
か1つのベーン41の両側部には、ハウジング31に対
するロータ35(ベーン41)の相対回動範囲を規制す
るストッパ部56が形成され、このストッパ部56によ
ってカム軸位相の最遅角位相と最進角位相が規制されて
いる。更に、他のベーン41に形成されたロックピン収
容孔57には、ハウジング31とロータ35(ベーン4
1)との相対回動をロックするためのロックピン58が
収容され、このロックピン58がハウジング31に設け
られたロック穴59(図2参照)に嵌り込むことで、カ
ム軸位相がその調整可能範囲の略中間位置(中間ロック
位置)でロックされる。この中間ロック位置は、始動に
適した位置に設定されている。
8は、ロックピン収容孔57の内周に嵌合された円筒部
材61内に摺動可能に挿入され、スプリング62によっ
てロック方向(突出方向)に付勢されている。また、ロ
ックピン58の中央外周部に形成された弁部63によっ
て、円筒部材61とロックピン58との隙間が、ロック
油圧室64とロック解除保持用の油圧室65とに区画さ
れている。そして、ロック油圧室64とロック解除保持
用の油圧室65に進角室42から油圧を供給するため
に、ベーン41には、進角室42に連通するロック油路
66とロック解除保持用の油路67が形成されている。
また、ハウジング31には、ロック穴59と遅角室43
とを連通するロック解除油路68が形成されている。
ク時には、ロックピン58の弁部63がロック解除保持
用の油路67を塞いで、ロック油路66をロック油圧室
64に連通させた状態となる。これにより、進角室42
からロック油圧室64に油圧が供給され、この油圧とス
プリング62によってロックピン58がロック穴59に
嵌まり込んだ状態に保持され、カム軸位相が中間ロック
位置でロックされる。
圧(進角室42の油圧)が低下するが、スプリング62
によってロックピン58がロック位置に保持される。従
って、エンジン始動は、ロックピン58がロック位置に
保持された状態(中間ロック位置)で行われ、エンジン
始動後に、オイルポンプ28の吐出圧がある程度上昇し
た時点で、ロック解除制御が行われる。このロック解除
制御により、ロック穴59の油圧(遅角室43の油圧)
が高くなると、その油圧によって次のようにしてロック
ピン58のロックが解除される。エンジン始動後のロッ
ク解除制御により、遅角室43からロック解除油路68
を通してロック穴59に供給される油圧(ロック解除方
向の力)が、ロック油圧室64の油圧(進角室42の油
圧)とスプリング62のばね力との合力(ロック方向の
力)よりも大きくなると、ロック穴59の油圧によって
ロックピン58がロック穴59から押し出されて図7の
ロック解除位置に移動し、ロックピン58のロックが解
除される。
に、ロックピン58の弁部63がロック油路66を塞い
で、ロック解除保持用の油路67をロック解除保持用の
油圧室65に連通させた状態となる。これにより、進角
室42からロック解除保持用の油圧室65に油圧が供給
され、このロック解除保持用の油圧室65の油圧(進角
室42の油圧)とロック穴59の油圧(遅角室43の油
圧)とによってロックピン58がスプリング62に抗し
てロック解除位置に保持される。
3のいずれかの油圧が高くなっているため、その油圧で
ロックピン58がロック解除位置に保持され、ハウジン
グ31とロータ35とが相対回動可能な状態(つまりバ
ルブタイミング制御が可能な状態)に保持される。
は、クランク角センサ20及びカム角センサ19の出力
信号に基づいて吸気バルブの実バルブタイミング(吸気
側カム軸16の実進角位置)を演算すると共に、吸気圧
センサ22、水温センサ23等のエンジン運転状態を検
出する各種センサの出力に基づいて吸気バルブの目標バ
ルブタイミング(吸気側カム軸17の目標進角位置)を
演算する。そして、吸気バルブの実バルブタイミングを
目標バルブタイミングに一致させるように可変バルブタ
イミング装置18の油圧制御弁29をフィードバック制
御する。これにより、進角室42と遅角室43の油圧を
制御してハウジング31とロータ35とを相対回動させ
ることで、カム軸位相を変化させて吸気バルブの実バル
ブタイミングを目標バルブタイミングに一致させる。
エンジン回転速度が低下すると、オイルポンプ28の吐
出圧が低下するため、進角室42や遅角室43の油圧が
低下してくる。これにより、ロック解除保持用の油圧室
65の油圧(進角室42の油圧)とロック穴59の油圧
(遅角室43の油圧)が低下して、スプリング62のば
ね力がこれらの油圧に打ち勝つようになると、スプリン
グ62のばね力によってロックピン58が突出してロッ
ク穴59に嵌まり込むようになる。但し、ロックピン5
8がロック穴59に嵌まり込むには、両者の位置が一致
していること、つまり、カム軸位相が中間ロック位置に
一致していることが条件となる。
回転速度(オイルポンプ28の回転速度)が低下して油
圧が低下するため、カム軸16の負荷トルクによりカム
軸位相が自然に遅角側に変化していき、その過程で、図
6に示すように、ロックピン58をロック穴59に嵌ま
り込ませて、カム軸位相を中間ロック位置でロックす
る。
ピン58がロック位置に保持された状態(中間ロック位
置)で行われ、エンジン始動後に、オイルポンプ28の
吐出圧がある程度上昇した時点で、ロック解除制御が行
われる。このロック解除制御により、ロック穴59の油
圧(遅角室43の油圧)が高くなると、その油圧によっ
てロックピン58のロックが解除され、このロック解除
によって、吸気バルブのバルブタイミング(カム軸位
相)のフィードバック制御が実行可能な状態となる。
かの原因で、ロックピン58のロックを解除できない場
合があるため、ロック解除できない場合は、再度、ロッ
ク解除制御を行うことが考えられる。このようにすれ
ば、ロック機構の異物噛み込み等による一時的なロック
解除不良であれば、再度のロック解除制御によりロック
解除できる場合があるが、ロック解除不良の原因として
は、ロック機構の動作不良の他に、油圧制御弁29の動
作不良が考えられる。油圧制御弁29の動作不良の場合
は、ロック解除制御の信号を油圧制御弁29に出力して
も、油圧制御弁29が正常に動作しないため、ロック機
構自体が正常であっても、ロック解除することはできな
い。
制御回路21は、内蔵したROM(記憶媒体)に記憶し
た図8のロック解除プログラムを実行することで、ロッ
ク解除制御終了後にロック解除されていないと判定され
た時には、油圧制御弁29を異常解除制御の駆動パター
ン(図9参照)で駆動して動作不良の原因(異物等)を
取り除いた後に再度ロック解除制御を行うようにしてい
る。本プログラムは、イグニッションスイッチ(図示せ
ず)のオン後に起動され、特許請求の範囲でいうロック
解除制御手段としての役割を果たす。
プ101で、エンジン始動後にロック解除制御が終了す
るまで待機する。その後、ロック解除制御が終了した時
点で、ステップ102に進み、ロック解除されたか否か
(つまりロックピン58がロック穴59から抜け出たか
否か)を、次のようにして判定する。まず、現在の実進
角位置(実バルブタイミング)VTが中間ロック位置付
近の所定範囲内(VTA<VT<VTB)であるか否か
を判定する。ここで、所定範囲(VTA<VT<VT
B)は、中間ロック位置から所定値(例えば実進角位置
VTの検出誤差、製造ばらつき、経時変化等の誤差要因
を最大限見込んだ値)以内の範囲に設定されている。も
し、現在の実進角位置VTが中間ロック位置付近の所定
範囲内でなければ、検出誤差等の誤差要因を最大限考慮
しても、カム軸位相が中間ロック位置から離れているこ
とは明らかであるため、ロック解除と判定する。
位置付近の所定範囲内であれば、ロック解除したか否か
をカム角信号の進角量のばらつき度合から判定する。つ
まり、ロック解除されると、カム軸位相が油圧で中間ロ
ック位置付近に制御されていても、カム軸位相が微振動
するため、カム角信号の進角量のばらつき度合が増大す
る。この特性を利用して、カム角信号の進角量のばらつ
き度合の大小からロック解除の有無を判定する。尚、こ
のステップ102の処理は、特許請求の範囲でいうロッ
ク解除判定手段としての役割を果たす。
と判定されれば、本プログラムを終了するが、ロック解
除されていなければ、ステップ103に進み、油圧制御
弁29の異常解除制御を実行する。この異常解除制御で
は、図9に示すように、油圧制御弁29の印加電流を例
えば100mAと1000mAとに交互に一定周期で切
り換えることで、油圧制御弁29の弁ストロークを0と
フルストロークとの間で往復動させる動作を所定時間繰
り返す。このようにすれば、油圧制御弁29の異物噛み
込み等による一時的な動作不良の場合には、異常解除制
御により油圧制御弁29の弁体をフルストロークで往復
動させる動作を繰り返すうちに、動作不良の原因(異物
等)が取り除かれて油圧制御弁29が正常に動作できる
状態に戻る。
のストロークを検出する弁ストロークセンサ25の出力
信号に基づいて、油圧制御弁29が正常に動作したか否
かを判定し(ステップ104)、異常解除制御の終了時
までに油圧制御弁29が正常に動作しなければ、油圧制
御弁29の動作不良と判定する(ステップ105)。油
圧制御弁29の動作不良の場合は、再度のロック解除制
御を行っても、無駄であるので、本プログラムを終了す
る。尚、油圧制御弁29の動作不良と判定された場合
は、その情報を不揮発性メモリ(バックアップRAM
等)に記憶すると共に、警告ランプの点灯等によって運
転者に異常を知らせ、更に、可変バルブタイミング装置
18をロックした状態でエンジン11を運転できるよう
に燃料噴射量や点火時期等を制御する。
御弁29が正常に動作すれば、ステップ106に進み、
再度、ロック解除制御を実行する。このとき、ロック機
構が正常であれば、再度のロック解除制御によりロック
解除することができる。この後、ステップ107に進
み、前記ステップ102と同様の方法で、ロック解除さ
れたか否かを判定し、ロック解除されていれば、そのま
ま本プログラムを終了する。もし、ロック解除されてい
なければ、ステップ108に進み、ロックピン58のロ
ック解除不良(ロック固着)と判定する。つまり、前記
ステップ104で、油圧制御弁29が正常に動作するこ
とが確認されているため、再度のロック解除制御を行っ
ても、ロック解除されなければ、ロックピン58のロッ
ク解除不良(ロック固着)と判定することができる。
尚、ロックピン58のロック解除不良と判定された場合
は、その情報を不揮発性メモリ(バックアップRAM
等)に記憶すると共に、警告ランプの点灯等によって運
転者に異常を知らせ、更に、可変バルブタイミング装置
18をロックした状態でエンジン11を運転できるよう
に燃料噴射量や点火時期等を制御する。
の実行例を図10のタイムチャートを用いて説明する。
図10はロックピン58のロック解除不良(ロック固
着)が発生している場合の制御例である。この場合は、
ロック解除制御を行っても、ロック解除できないため、
油圧制御弁29の異常解除制御が行われた後、再度、ロ
ック解除制御が行われる。再度のロック解除制御を行っ
ても、ロック解除されなければ、ロックピン58のロッ
ク解除不良(ロック固着)と判定される。
のロック解除制御を行う前に、油圧制御弁29を異常解
除制御の駆動パターンで駆動するため、油圧制御弁29
の異物噛み込み等による一時的な動作不良であれば、異
常解除制御により油圧制御弁29を正常に動作できる状
態に戻してから、再度のロック解除制御を行うことがで
きる。このため、ロック機構が正常であれば、再度のロ
ック解除制御によりロック解除することができて、ロッ
ク解除不良の発生率を従来より少なくすることができ、
可変バルブタイミング制御の信頼性を向上することがで
きる。
制御中に、油圧制御弁29の弁体のストロークを弁スト
ロークセンサ25により検出し、油圧制御弁29が正常
に動作したか否かを判定するようにしたので、ロック解
除不良の原因が、ロック機構の動作不良(ロック固着)
と油圧制御弁29の動作不良のいずれかであるかを特定
することができ、この情報を不揮発性メモリ(バックア
ップRAM等)に記憶することで、故障修理時の故障診
断を容易に行うことができる。
解除制御を行う前に、油圧制御弁29の動作不良である
か否かを判定するようにしたが、再度のロック解除制御
の終了後にロック解除不良と判定された場合に、エンジ
ン停止後の電源メインリレーのオン中(電源オン中)
に、油圧制御弁29の異常解除制御を行って油圧制御弁
29の動作不良であるか否かを判定するようにしても良
い。
出するセンサは、1個の弁ストロークセンサ25に限定
されず、例えば、油圧制御弁29の弁ストロークが0の
位置とフルストロークの位置にそれぞれ弁体を検出する
センサを設置して、2個のセンサで油圧制御弁29の弁
体の動作状態を検出するようにしても良い。
を省いて油圧制御弁29の動作不良を検出しない構成と
しても良く、この場合でも、本発明の所期の目的を十分
に達成することができる。
御中に油圧制御弁29をフルストロークで駆動するよう
にしたが、フルストロークよりも小さいストロークで駆
動するようにしても良い。また、本実施形態(1)で
は、異常解除制御中に油圧制御弁29を一定のストロー
クで駆動するようにしたが、異常解除制御中に油圧制御
弁29の駆動ストロークを徐々に大きくする等、駆動ス
トロークを徐々に変化させるようにしても良い。
9の動作不良と判定された場合に、再度、異常解除制御
を繰り返すようにしても良い。また、油圧制御弁29の
動作が正常と判定された場合は、再度のロック解除制御
でロック解除できなければ、更にロック解除制御を1回
又は2回以上繰り返すようにしても良い。
は、吸気バルブのみに可変バルブタイミング装置18を
設けた実施形態であるが、図11及び図12に示す本発
明の実施形態(2)は、吸気バルブと排気バルブの両方
に可変バルブタイミング装置を設けた実施形態である。
本実施形態(2)においても、吸気側の可変バルブタイ
ミング装置は、前記実施形態(1)の中間ロック機構付
きの可変バルブタイミング装置18と同じ構成であり、
排気側の可変バルブタイミング装置は、中間ロック機構
の無い従来の可変バルブタイミング装置と同じ構成であ
る。エンジン始動時の排気バルブタイミングは、最進角
位相であるため、可変バルブタイミング制御が開始され
ると、排気バルブタイミングは遅角側に制御される(図
12参照)。
ング装置のロックが解除されない状態で可変バルブタイ
ミング制御が行われた場合、排気側可変バルブタイミン
グ装置のみが通常通り動作するため、吸排気バルブのバ
ルブオーバーラップ量等が異常になって、筒内の排気残
留割合(内部EGR量)が過多となるおそれがあり、そ
れによって、筒内の燃焼状態が悪化して失火が発生した
り、ドライバビリティや排気エミッションが悪化し、最
悪の場合は、エンジンストールに至るおそれがある。
ロック解除プログラムによって、ロック解除が検出され
るまでは、筒内の排気残留割合(内部EGR量)の増加
を抑えるように排気バルブタイミングを制御する。図1
のプログラムは、前記実施形態(1)で説明した図8の
プログラムにステップ102a,109の処理を追加し
たものである。
にロック解除されていないと判定されると、ステップ1
02aに進み、排気バルブタイミングを進角補正して、
吸排気バルブのバルブオーバーラップ量を少なくするこ
とで、異常解除制御中のエンジンの内部EGR量を少な
くして燃焼状態の悪化を抑える。尚、排気バルブタイミ
ングの進角補正は、最進角位相となるように制御した
り、或は、排気バルブタイミングを通常よりも所定の補
正量αだけ進角させるようにしても良い。この補正量α
は、エンジン運転状態に応じてマップ等により変化させ
ても良く、勿論、固定値としても良い。
制御を行って、ロック解除されれば、ステップ109に
進み、排気バルブタイミング制御を通常の制御に戻す
が、再度のロック解除制御を行っても、ロック解除され
なければ、その後も、排気バルブタイミングの進角補正
が継続され、内部EGR量を少なくした状態でエンジン
が運転される。これにより、ロック解除不良時のエンジ
ンの燃焼状態の悪化を少なくして失火を防止することが
でき、ドライバビリティや排気エミッションを改善でき
ると共に、エンジンストールを防止できる。
中に排気バルブタイミングの進角補正するようにした
が、異常解除制御中に排気バルブタイミングの制御を停
止して排気バルブタイミングを固定するようにしても良
い。このようにしても、異常解除制御中の内部EGR量
を増加を抑えることができ、燃焼状態の悪化を少なくす
ることができる。
の構成に排気環流装置(EGR装置)を追加したシステ
ムに本発明を適用する場合は、ロック解除制御終了後に
ロック解除されていないと判定された時に、排気バルブ
タイミングを進角補正して内部EGR量を減量補正し、
且つ排気環流装置による外部EGR量を減量補正するよ
うにしたり、或は、排気バルブタイミングの進角補正を
行わずに、外部EGR量の減量補正のみを行うようにし
ても良い。つまり、内部EGRも外部EGRも燃焼性に
及ぼす影響は同じであり、内部EGR量と外部EGR量
との合計が全EGR量となるため、異常解除制御中に内
部EGR量が増加したとしても、外部EGR量を少なく
すれば、全EGR量の増加を抑えることができ、エンジ
ンの燃焼状態の悪化を防ぐことができる。
グ装置にロック機構を設けても良く、勿論、吸気側及び
排気側の両可変バルブタイミング装置にそれぞれロック
機構を設けても良い。この場合、排気側可変バルブタイ
ミング装置のロック機構のロック解除制御終了後にロッ
ク解除されていないと判定された時に、吸気バルブタイ
ミングを内部EGR量が少なくなるように遅角補正した
り、或は、外部EGR量を少なくするようにEGR弁の
開度を制御すれば良い。
機構は、中間ロック位置でロックするものに限定され
ず、中間ロック位置以外の位置(例えば最遅角位置又は
最進角位置)でロックする構成のものにも本発明を適用
して実施することができる。
装置の構成やロック機構の構成を適宜変更しても良い
等、要旨を逸脱しない範囲内で、種々変更して実施する
ことができる。
体の概略構成図
面図
の流れを示すフローチャート
ート
すタイムチャート
理の流れを示すフローチャート
性を示す図
…タイミングチェーン、14,15…スプロケット、1
6…吸気カム軸、17…排気カム軸、18…可変バルブ
タイミング装置、19…カム角センサ、20…クランク
角センサ、21…エンジン制御回路(ロック解除判定手
段,ロック解除制御手段)、25…弁ストロークセン
サ、28…オイルポンプ、29…油圧制御弁、31…ハ
ウジング、35…ロータ、40…流体室、41…ベー
ン、42…進角室、43…遅角室、53…ソレノイド、
54…スプリング、58…ロックピン(ロック機構)、
59…ロック穴(ロック機構)、62…スプリング(ロ
ック機構)。
Claims (5)
- 【請求項1】 内燃機関の吸気バルブと排気バルブの少
なくとも一方に、バルブタイミングを可変する可変バル
ブタイミング装置を設けると共に、この可変バルブタイ
ミング装置に、可変バルブタイミング制御を行わない時
にバルブタイミングを所定位相でロックするロック機構
を設け、このロック機構及び前記可変バルブタイミング
装置を油圧制御回路で駆動する内燃機関の可変バルブタ
イミング制御装置において、 前記ロック機構のロック解除制御時に該ロック機構に対
して油圧をロック解除方向にかけるように前記油圧制御
回路の油圧制御弁を制御するロック解除制御手段と、 前記ロック機構のロック解除の有無を判定するロック解
除判定手段とを備え、 前記ロック解除制御手段は、ロック解除制御終了後にロ
ック解除されていないと判定された時に前記油圧制御弁
を異常解除制御の駆動パターンで駆動した後に再度ロッ
ク解除制御を行うことを特徴とする内燃機関の可変バル
ブタイミング制御装置。 - 【請求項2】 前記異常解除制御では、前記油圧制御弁
の弁体を所定ストロークで往復動させる動作を繰り返す
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変バル
ブタイミング制御装置。 - 【請求項3】 前記ロック解除制御手段は、前記油圧制
御弁を前記異常解除制御の駆動パターンで駆動した時に
該油圧制御弁の弁体が正常に動作すれば前記ロック機構
の動作不良によるロック解除不良と判定することを特徴
とする請求項1又は2に記載の内燃機関の可変バルブタ
イミング制御装置。 - 【請求項4】 前記可変バルブタイミング装置は、内燃
機関の吸気バルブと排気バルブにそれぞれ設けられ、前
記ロック機構は、少なくとも一方の可変バルブタイミン
グ装置に設けられ、 前記ロック解除制御手段は、ロック解除制御終了後にロ
ック解除されていないと判定された時には、再度のロッ
ク解除制御により前記ロック機構のロック解除が検出さ
れるまで、正常に動作する方の可変バルブタイミング装
置の可変バルブタイミング制御を停止又は内燃機関の筒
内の排気残留割合が少なくなるように制御することを特
徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の
可変バルブタイミング制御装置。 - 【請求項5】 内燃機関の排気の一部を吸気系に環流さ
せる排気環流装置を備え、 前記ロック解除制御手段は、ロック解除制御終了後にロ
ック解除されていないと判定された時には、再度のロッ
ク解除制御により前記ロック機構のロック解除が検出さ
れるまで、前記排気環流装置による排気環流量を少なく
するように制御することを特徴とする請求項1乃至4の
いずれかに記載の内燃機関の可変バルブタイミング制御
装置。
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