JP4228170B2 - 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを油圧により可変する可変バルブタイミング装置の作動状態に基づいて該可変バルブタイミング装置の異常の有無を判定する機能を備えた内燃機関の可変バルブタイミング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両に搭載される内燃機関においては、出力向上、燃費節減、排気エミッション低減等を目的として、吸気バルブや排気バルブのバルブタイミングを可変する可変バルブタイミング装置を採用したものが増加しつつある。一般に、可変バルブタイミング装置は、エンジンを駆動源とするオイルポンプから吐出されるオイルの圧力(油圧)によって駆動されるため、エンジン回転速度の低下(オイルポンプの回転速度)の低下による油圧低下によって可変バルブタイミング装置の作動遅れ時間が増加することがある。
【0003】
そこで、特開平7−127407号公報に示すように、オイルポンプから吐出される油圧が所定値以下のときに、可変バルブタイミング装置の異常判定を禁止して、オイルポンプの吐出油圧低下による可変バルブタイミング装置の作動遅れを可変バルブタイミング装置の異常と誤判定することを防止することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、今後、益々厳しくなる排出ガス規制に対応するために、始動直後の触媒早期暖機制御時から吸気バルブのバルブタイミングを遅角制御して排気エミッションを低減することが提案されている。しかし、エンジンを長時間停止した後やオイル交換後には、可変バルブタイミング装置の油圧回路内のオイルが抜けてしまっていることがある。このようなオイル抜けの状態でエンジンを始動したときには、オイルポンプから吐出されたオイルが可変バルブタイミング装置の油圧回路に充填されて、該油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇するまでには、ある程度の時間がかかる。このため、始動完了直後からバルブタイミングを可変制御しようとしても、油圧が不足して可変バルブタイミング装置が正常に動作しないことがある。
【0005】
このような場合、上記公報の技術では、エンジン始動後にオイルポンプの吐出油圧が所定値を越えるまで可変バルブタイミング装置の異常判定が禁止されるが、オイルポンプの吐出油圧が所定値を越えてから、その油圧が可変バルブタイミング装置の油圧回路に供給されて、該油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇するまでには時間遅れがあるため、上記公報のように、エンジン始動後にオイルポンプの吐出油圧が所定値を越えた時点で異常判定の禁止を解除すると、可変バルブタイミング装置自体が正常であるにも拘らず、オイル抜けによって可変バルブタイミング装置が正常に動作しない状態を可変バルブタイミング装置の異常と誤判定してしまう可能性がある。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、オイル抜けによって可変バルブタイミング装置が正常動作しない状態を可変バルブタイミング装置の異常と誤判定することを未然に防止することができ、異常判定の信頼性を向上することができる内燃機関の可変バルブタイミング制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1乃至5,7の内燃機関の可変バルブタイミング制御装置は、異常判定手段によって機関始動後に可変バルブタイミング装置を駆動する油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる油圧充填完了推定条件が成立するまで可変バルブタイミング装置の異常有りと判定しないようにすることを共通の特徴とする。このようにすれば、可変バルブタイミング装置のオイル抜け状態で始動したとしても、可変バルブタイミング装置の油圧回路にオイルが充填されて、該油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇するまでは、可変バルブタイミング装置が正常動作しなくても可変バルブタイミング装置の異常有りと判定されない。これにより、可変バルブタイミング装置自体が正常であるにも拘らず、オイル抜けによって可変バルブタイミング装置が正常動作しない状態を可変バルブタイミング装置の異常と誤判定することを未然に防止することができる。
【0008】
この場合、油圧充填完了推定条件は、請求項1乃至5にそれぞれ記載した条件で判定すれば良い。
【0009】
具体的には、請求項1のように、油圧充填完了推定条件は、機関始動後の内燃機関の累積回転数が所定判定値以上となったときに成立するようにしても良い。機関始動後の内燃機関の累積回転数は、機関始動後のオイルポンプの累積回転数(累積オイル吐出量)と比例関係にあり、オイルポンプの累積回転数(累積オイル吐出量)が増加するほど、可変バルブタイミング装置の油圧回路への累積オイル供給量が増加するという関係がある。従って、機関始動後の内燃機関の累積回転数が所定判定値以上となれば、可変バルブタイミング装置の油圧回路のオイル充填量が所定値以上になって、該油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇したと推定することができる。尚、内燃機関の累積回転数は、機関回転速度を検出するセンサの検出値を単位時間毎に積算することで容易に求められる。
【0010】
また、請求項2のように、油圧充填完了推定条件は、機関始動後の累積吸入空気量が所定判定値以上となったときに成立するようにしても良い。或は、請求項3のように、油圧充填完了推定条件は、機関始動後に所定周期で吸気圧を積算して求めた累積吸気圧が所定判定値以上となったときに成立するようにしても良い。累積吸入空気量と累積吸気圧は、いずれも機関始動後の内燃機関の累積回転数、ひいては機関始動後のオイルポンプの累積オイル吐出量を反映するパラメータとなるため、累積吸入空気量や累積吸気圧が所定判定値以上となれば、可変バルブタイミング装置の油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる。
【0011】
また、請求項4のように、油圧充填完了推定条件は、機関始動後のオイルポンプの累積オイル吐出量が所定判定値以上となったときに成立するようにしても良い。前述したように、オイルポンプの累積オイル吐出量の増加に伴って可変バルブタイミング装置の油圧回路への累積オイル供給量が増加するので、オイルポンプの累積オイル吐出量が所定判定値以上となれば、可変バルブタイミング装置の油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる。
【0012】
また、請求項5のように、油圧充填完了推定条件は、機関始動後の走行距離が所定判定値以上となったときに成立するようにしても良い。機関始動後の走行距離は、機関始動後の内燃機関の累積回転数と同じく、機関始動後のオイルポンプの累積オイル吐出量を反映するパラメータとなるため、機関始動後の走行距離が所定判定値以上となれば、可変バルブタイミング装置の油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる。
【0013】
ところで、内燃機関の停止時間が長くなるほど、可変バルブタイミング装置のオイルの抜け量が増加する。また、冷却水温(油温)に応じてオイルの粘度(流動性)が変化して可変バルブタイミング装置へのオイル充填性が変化する。
【0014】
このような事情を考慮して、請求項6のように、油圧充填完了推定条件の判定に用いる所定判定値を内燃機関の停止時間と冷却水温と吸気温のうちのいずれか1つ以上の条件に応じて設定すると良い。このようにすれば、内燃機関の停止時間や冷却水温に応じて可変バルブタイミング装置のオイルの抜け量や可変バルブタイミング装置へのオイル充填性が変化するのに対応して油圧充填完了推定条件の判定に用いる所定判定値を必要最小限の値に設定することができ、機関始動後の異常判定禁止期間が必要以上に長くなることを回避することができる。
【0015】
更に、請求項7のように、油圧充填完了推定条件の成立前に目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差が異常判定値よりも大きいときに、異常の可能性ありを意味する仮異常と判定するようにしても良い。このようにすれば、油圧充填完了推定条件が成立する前でも、可変バルブタイミング装置が正常動作しているか、異常の可能性あり(仮異常)かを確認することができる。
【0016】
ところで、油圧充填完了推定条件の成立前に可変バルブタイミング装置のオイル抜けが原因で仮異常と判定された場合には、その後、可変バルブタイミング装置にオイルがある程度充填されたときに、実バルブタイミングが目標バルブタイミング付近まで一気に大きく変化する可能性があり、それによって、空燃比が急変して排気エミッションやドライバビリティが一時的に悪化する可能性がある。
【0017】
この対策として、請求項7のように、油圧充填完了推定条件が成立する前に仮異常と判定したときに目標バルブタイミングを実バルブタイミングとの偏差が異常判定値以下とならない範囲で該実バルブタイミングに近付けたタイミングに変更し、変更後の目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差が異常判定値以下となったときに該目標バルブタイミングを運転状態に応じた目標バルブタイミングに徐々に戻すようにしても良い。
【0018】
このようにすれば、可変バルブタイミング装置のオイル抜けが原因で仮異常と判定された場合には、その後、可変バルブタイミング装置にオイルがある程度充填されたときに、まず、実バルブタイミングが、その近傍に変更された目標バルブタイミングに向かって少しだけ変化する。そして、変更後の目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差が異常判定値以下となって該目標バルブタイミングがそのときの運転状態に応じた目標バルブタイミングに徐々に変更されると、それに追従して実バルブタイミングが徐々に変化する。これにより、可変バルブタイミング装置にオイルがある程度充填されたときに、実バルブタイミングが一気に大きく変化することを防止できて、排気エミッションやドライバビリティの悪化を防止することができる。
【0019】
以上説明した各請求項1〜7に係る発明は、請求項8のように、可変バルブタイミング装置に、機関始動時に吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを始動に適した位置でロックするロック機構を設け、機関始動直後からロック機構のロックを解除してバルブタイミングを可変するシステムに適用すると良い。機関始動直後からバルブタイミングを可変するシステムでは、可変バルブタイミング装置のオイル抜けの状態で始動した場合、機関始動直後の油圧が不足する時期に、可変バルブタイミング装置が正常に動作しないので、本発明を適用する効果が大きい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。まず、図1に基づいてシステム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11は、クランク軸12からの動力がタイミングチェーン13(又はタイミングベルト)により各スプロケット14,15を介して吸気側カム軸16と排気側カム軸17とに伝達されるようになっている。但し、吸気側カム軸16には、クランク軸12に対する吸気側カム軸16の回転位相を変化させて吸気バルブ(図示せず)のバルブタイミングを可変する可変バルブタイミング装置18が設けられている。この可変バルブタイミング装置18の油圧回路には、オイルパン19内のオイルがオイルポンプ20により供給され、その油圧を油圧制御弁21(OCV)で制御することで、吸気バルブのバルブタイミングが制御される。
【0021】
また、吸気側カム軸16の外周側には、気筒判別のために複数のカム角でカム角信号を出力するカム角センサ22が設置され、一方、クランク軸12の外周側には、所定クランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサ23が設置されている。これらカム角センサ22及びクランク角センサ23の出力信号は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)24に入力され、このECU24によって吸気バルブの実バルブタイミング(実カム軸位相)が演算されると共に、クランク角センサ23の出力パルスの周波数からエンジン回転速度が演算される。
【0022】
また、図示しない各種センサ(スロットルセンサ、吸気管圧力センサ、冷却水温センサ等)の出力信号もECU24に入力される。このECU24は、これら各種の入力信号に基づいて燃料噴射制御や点火制御を行うと共に、可変バルブタイミング制御を行い、吸気バルブの実バルブタイミング(吸気側カム軸16の実カム軸位相)を目標バルブタイミング(目標カム軸位相)に一致させるように可変バルブタイミング装置18の油圧制御弁21をフィードバック制御する。
【0023】
次に、図1及び図2に基づいて中間ロック機構付きの可変バルブタイミング装置18の構成を説明する。図2に示すように、可変バルブタイミング装置18のハウジング25は、吸気側カム軸16の外周に回動自在に支持されたスプロケット14にボルト26で締め付け固定されている。これにより、クランク軸12の回転がタイミングチェーン13を介してスプロケット14とハウジング25に伝達され、スプロケット14とハウジング25がクランク軸12と同期して回転する。一方、吸気側カム軸16の一端部には、ロータ27がストッパ28を介してボルト29で締め付け固定されている。このロータ27は、ハウジング25内に相対回動自在に収納されている。
【0024】
図1に示すように、ハウジング25の内部には、複数の流体室30が形成され、各流体室30が、ロータ27の外周部に形成されたベーン31によって進角室32と遅角室33とに区画されている。
【0025】
また、図2に示すように、エンジン11の動力でオイルポンプ20が駆動されることにより、オイルパン19から汲み上げたオイルが油圧制御弁21を介して吸気側カム軸16の進角溝34や遅角溝35に供給される。進角溝34に接続された進角油路36は、各進角室32に連通している。一方、遅角溝35に接続された遅角油路37は、各遅角室33に連通している。油圧制御弁21は、弁体の位置を、進角室32に油圧を供給する位置と、遅角室33に油圧を供給する位置と、進角室32と遅角室33のいずれにも油圧を供給しない位置との間で切り換えるようになっている。
【0026】
進角室32と遅角室33に所定圧以上の油圧が供給された状態では、進角室32と遅角室33の油圧でベーン31が固定されて、クランク軸12の回転によるハウジング25の回転がオイルを介してロータ27(ベーン31)に伝達され、ロータ27と一体的に吸気側カム軸16が回転駆動される。エンジン運転中は、進角室32と遅角室33の油圧を油圧制御弁21で制御してハウジング25とロータ27(ベーン31)とを相対回動させることで、クランク軸12に対する吸気側カム軸16の回転位相(カム軸位相)を制御して吸気バルブのバルブタイミングを可変する。
【0027】
また、ベーン31には、ハウジング25とロータ27(ベーン31)との相対回動をロックするためのロックピン38が収容され、このロックピン38がハウジング25に設けられたロック穴39に嵌り込むことで、吸気バルブのバルブタイミングがその調整可能範囲の略中間のロック位置でロックされる。このロック位置は、始動に適した位置に設定されている。ロックピン38は、スプリング40によってロック方向(突出方向)に付勢されている。これらロックピン38、ロック穴39、スプリング40等からロック機構が構成されている。
【0028】
エンジン停止中は、スプリング40によってロックピン39がロック穴39に嵌まり込んだロック状態に保持され、吸気バルブのバルブタイミングがロック位置でロックされる。従って、エンジン始動は、ロックピン39がロック穴39に嵌まり込んだロック状態で行われ、オイルポンプ30の吐出圧がある程度上昇した時点で、油圧によってロックピン38がロック穴39から押し出されてロック解除位置に移動し、ロックピン38のロックが解除される。
【0029】
エンジン運転中は、油圧でロックピン38がロック解除位置に保持され、ハウジング25とロータ27とが相対回動可能な状態(つまり可変バルブタイミング制御が可能な状態)に保持される。ECU24は、吸気バルブの実バルブタイミング(吸気側カム軸16の実カム軸位相)を目標バルブタイミング(吸気側カム軸16の目標カム軸位相)に一致させるように可変バルブタイミング装置18の油圧制御弁21をフィードバック制御する。これにより、進角室32と遅角室33の油圧を制御してハウジング25とロータ27とを相対回動させることで、カム軸位相を変化させて吸気バルブの実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させる。
【0030】
また、ECU24は、ROM(記憶媒体)に記憶された図3及び図4のバルブタイミング制御及び異常判定プログラムを実行することで、始動直後の触媒早期暖機制御中に、吸気バルブの開弁タイミングを遅角して触媒早期暖機制御時の排気エミッションを向上させると共に、吸気バルブの目標開弁位置と実開弁位置の偏差が異常判定値よりも大きいか否かを判定する。その際、可変バルブタイミング装置18のオイル抜けの状態で始動した場合、始動後に可変バルブタイミング装置18の油圧回路の油圧が適正範囲に上昇するまでに暫く時間がかかり、それまでは、可変バルブタイミング装置18が正常に動作しないので、可変バルブタイミング装置18を駆動する油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる所定の油圧充填完了推定条件が成立するまでは、吸気バルブの目標開弁位置と実開弁位置の偏差が異常判定値よりも大きくても、可変バルブタイミング装置18の異常有りと判定しない。
【0031】
以下、ECU24が実行する図3及び図4のバルブタイミング制御及び異常判定プログラムの具体的な処理内容を説明する。本プログラムは、所定時間毎又は所定クランク角毎に繰り返し実行される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン回転速度NEが完爆判定値(例えば400rpm)を越えたか否かによって、始動完了か否かを判定し、もし、始動完了前であれば、そのまま本プログラムを終了する。始動完了前は、可変バルブタイミング装置18のロック機構により吸気バルブの開弁タイミングが始動時の開弁位置[例えば吸入TDC(上死点)]でロックされている。
【0032】
その後、ステップ101で、始動完了と判定されたときに、ステップ102に進み、触媒早期暖機実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、触媒早期暖機実行条件は、例えば、▲1▼冷間始動(始動時の冷却水温が所定温度以下)であること、▲2▼アイドル運転状態であること等であり、これらの条件を全て満たせば、触媒早期暖機実行条件が成立し、いずれか1つでも満たさない条件があれば、触媒早期暖機実行条件が不成立となる。もし、触媒早期暖機実行条件が不成立となれば、そのまま本プログラムを終了する。この場合、通常制御によって始動完了後も吸気バルブの開弁タイミングが始動時の開弁位置(例えば吸入TDC)付近に制御される。
【0033】
一方、触媒早期暖機実行条件が成立していれば、触媒(図示せず)が活性化していないと判断して、ステップ103に進み、点火時期遅角制御を実施して、点火プラグ(図示せず)の点火時期を触媒早期暖機用の目標点火時期[例えばATDC5℃A(上死点後5℃A)]まで遅角する。これにより、排出ガス温度を上昇させて、触媒の暖機(昇温)を促進する。
【0034】
この後、ステップ104に進み、触媒早期暖機制御時の排気エミッションを低減するために、吸気バルブの開弁タイミングを触媒早期暖機用の目標開弁位置[例えばATDC20℃A(上死点後20℃A)]まで遅角する。
【0035】
そして、次のステップ105で、吸気バルブの実開弁位置が触媒早期暖機用の目標開弁位置となったか否かを判定し、もし、吸気バルブの実開弁位置が触媒早期暖機用の目標開弁位置となっていれば、次のステップ106に進み、触媒早期暖機終了条件が成立したか否かを、例えば始動後の経過時間が所定時間以上になったか否かにより判定する。触媒早期暖機終了条件が成立するまでは、吸気バルブの開弁タイミングを触媒早期暖機用の目標開弁位置に保持する(ステップ104〜106)。
【0036】
その後、ステップ106で、触媒早期暖機終了条件が成立したと判定された時点で、ステップ107に進み、吸気バルブの開弁タイミングを触媒早期暖機用の目標開弁位置から通常の目標開弁位置まで徐々に進角する。そして、次のステップ108で、吸気バルブの実開弁位置が通常の目標開弁位置となったか否かを判定し、それによって吸気バルブの実開弁位置が通常の目標開弁位置となったことを確認してから、本プログラムを終了する。
【0037】
これに対して、上記ステップ105で、吸気バルブの実開弁位置が触媒早期暖機用の目標開弁位置となっていないと判定された場合には、図4のステップ109に進み、吸気バルブの目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTを算出した後、ステップ110に進み、目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値(例えば2℃A)よりも大きいか否かを判定する。
【0038】
後述する油圧充填完了推定条件の成立前に目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値よりも大きいと判定された場合は、その原因が可変バルブタイミング装置18のオイル抜けである可能性があるため、まだ可変バルブタイミング装置18の異常有りとは判定せずに、ステップ111に進み、仮異常判定フラグを「1」にセットして仮異常と判定する。この場合、触媒早期暖機制御(点火時期遅角制御)を中止するようにしても良い。
【0039】
仮異常と判定した場合は、ステップ112に進み、吸気バルブの目標開弁位置を、現在の実開弁位置から例えば4℃Aだけ遅角側のタイミングに変更する。これにより、吸気バルブの目標開弁位置を、現在の実開弁位置との偏差ΔVTが異常判定値(例えば2℃A)以下とならない範囲で実開弁位置に近付ける。
【0040】
この後、ステップ113に進み、油圧充填完了推定条件が成立したか否かを、始動後の経過時間が所定判定時間KT以上になったか否かにより判定する。この所定判定時間KTは、始動からオイル抜け状態の可変バルブタイミング装置18の油圧回路にオイルが充填されて該油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇するのに必要な時間(例えば50s)に設定される。
【0041】
もし、油圧充填完了推定条件が成立していなければ、可変バルブタイミング装置18の異常と判定することなく、ステップ109に戻り、変更後の目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値よりも大きいか否かを判定し、変更後の目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値よりも大きければ、仮異常判定フラグ=1に保持すると共に、吸気バルブの目標開弁位置を変更後の目標開弁位置に保持する(ステップ109〜113)。
【0042】
また、油圧充填完了推定条件が成立する前に、変更後の目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値以下となった場合には、ステップ110からステップ115に進み、仮異常判定フラグ=1であるか否かを確認して、仮異常判定フラグ=1であれば、ステップ116に進み、仮異常判定フラグを「0」にリセットして仮異常の判定を解除した後、ステップ117に進み、変更後の目標開弁位置を触媒早期暖機用の目標開弁位置(例えばATDC20℃A)まで徐々に戻した後、図3のステップ106に戻る。
【0043】
一方、変更後の目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値以下となることなく、ステップ113で、始動後の経過時間が所定判定時間KT以上と判定されて油圧充填完了推定条件が成立した場合には、ステップ114に進み、異常判定フラグを「1」にセットして可変バルブタイミング装置18の異常有りと判定し、次のステップ118で、異常情報をECU24のバックアップRAM等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶すると共に、警告ランプ(図示せず)を点灯して運転者に警告し、本プログラムを終了する。これらステップ109〜117の処理が特許請求の範囲でいう異常判定手段に相当する役割を果たす。
【0044】
以上説明した本実施形態のバルブタイミング制御及び異常判定の実行例を図5のタイムチャートを用いて説明する。
図5のタイムチャートは、可変バルブタイミング装置18のオイル抜けの状態でエンジン11を始動した場合の実行例を示している。始動完了前は、可変バルブ装置18のロック機構により吸気バルブの開弁タイミングが始動時の開弁位置(例えば吸入TDC)でロックされている。始動完了後に触媒早期暖機実行条件が成立して点火時期が遅角された後に、吸気バルブの開弁タイミングを触媒早期暖機用の目標開弁位置(例えばATDC20℃A)に遅角制御して、触媒早期暖機制御時の排気エミッションを低減する。
【0045】
可変バルブタイミング装置18のオイル抜けの状態で始動した場合、始動完了直後は、可変バルブタイミング装置18に油圧が十分に供給されず、可変バルブタイミング装置18が正常に動作しないため、吸気バルブの目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値(例えば2℃A)よりも大きくなるが、油圧充填完了推定条件の成立前(始動後の経過時間が所定判定時間KTに達する前)は、まだ可変バルブタイミング装置18の異常有りとは判定せずに、仮異常と判定する(仮異常判定フラグ=1)。
【0046】
仮異常と判定すると、吸気バルブの目標開弁位置を、現在の実開弁位置から例えば4℃Aだけ遅角側のタイミングに変更して実開弁位置に近付ける。これにより、可変バルブタイミング装置18にオイルがある程度充填されたときに、吸気バルブの実開弁位置が、その近傍に変更された目標開弁位置に向かって少しだけ変化する。そして、変更後の目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値以下となったときに、仮異常判定を解除して変更後の目標開弁位置を触媒早期暖機用の目標開弁位置まで徐々に戻す。これにより、目標開弁位置の変化に追従して実開弁位置が徐々に変化し、最終的に吸気バルブの実開弁位置が目標開弁位置に収束する。
【0047】
以上説明した本実施形態では、エンジン始動後の経過時間が所定判定時間KT以上となって油圧充填完了推定条件が成立するまで可変バルブタイミング装置18の異常有りと判定しないようにしたので、可変バルブタイミング装置18のオイル抜け状態で始動したとしても、可変バルブタイミング装置18の油圧回路にオイルが充填されて該油圧回路の油圧が適正範囲に上昇するまでは、吸気バルブの目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値よりも大きいと判定されても、可変バルブタイミング装置18の異常有りと判定されない。これにより、可変バルブタイミング装置18自体が正常であるにも拘らず、オイル抜けによって可変バルブタイミング装置18が正常動作しない状態を可変バルブタイミング装置18の異常と誤判定することを未然に防止することができる。
【0048】
また、本実施形態では、油圧充填完了推定条件の成立前に吸気バルブの目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値よりも大きいときに仮異常と判定するようにしたので、油圧充填完了推定条件が成立する前でも、可変バルブタイミング装置18が正常動作しているか、異常の可能性あり(仮異常)かを確認することができる。
【0049】
ところで、油圧充填完了推定条件の成立前に可変バルブタイミング装置18のオイル抜けが原因で仮異常と判定された場合(吸気バルブの目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値よりも大きい場合)には、その後、可変バルブタイミング装置18にオイルがある程度充填されたときに、吸気バルブの実開弁位置が目標開弁位置付近まで一気に大きく変化する可能性があ、それによって、空燃比が急変して排気エミッションやドライバビリティが一時的に悪化する可能性がある。
【0050】
その点、本実施形態では、油圧充填完了推定条件が成立する前に仮異常と判定したときに、吸気バルブの目標開弁位置を、実開弁位置との偏差が異常判定値以下とならない範囲で実開弁位置に近付けたタイミングに変更し、変更後の目標開弁位置と実開弁位置の偏差ΔVTが異常判定値以下となったときに、変更後の目標開弁位置を触媒早期暖機用の目標開弁位置に徐々に戻すようにしたので、可変バルブタイミング装置18にオイルがある程度充填されたときに、吸気バルブの実開弁位置が一気に大きく変化することを防止できて、排気エミッションやドライバビリティの悪化を防止することができる。
【0051】
尚、本実施形態では、油圧充填完了推定条件が成立したか否かを始動後の経過時間が所定判定時間KT以上になったか否かによって判定する際に、所定判定時間KTを固定値(例えば50s)としたが、冷却水温(油温)に応じてオイルの粘度(流動性)が変化して可変バルブタイミング装置18へのオイル充填性が変化するため、図6に示すテーブル又は数式により所定判定時間KTを冷却水温に応じて変化させても良い。
【0052】
或は、エンジン停止時間に応じて可変バルブタイミング装置18のオイルの抜け量が変化するため、図7に示す補正係数のマップ又は数式によりエンジン停止時間に応じた補正係数を算出し、この補正係数を基本判定時間に乗算して所定判定時間KT(所定判定時間KT=基本判定時間×補正係数)を求めるようにしても良い。
更に、冷却水温に応じて変化させた所定判定時間に、エンジン停止時間に応じた補正係数を乗算して最終的な所定判定時間KTを求めるようにしても良い。
【0053】
このようにエンジン停止時間や冷却水温に応じて所定判定時間KTを設定するようにすれば、エンジン停止時間や冷却水温に応じて可変バルブタイミング装置18のオイルの抜け量や可変バルブタイミング装置18へのオイル充填性が変化するのに対応して所定判定時間KTを必要最小限の値に設定することができ、異常判定禁止期間が必要以上に長くなることを回避することができる。
【0054】
また、前記実施形態では、始動後の経過時間が所定判定時間KT以上になったときに油圧充填完了推定条件が成立するようにしたが、始動後の累積エンジン回転数ΣNEが所定判定値KNE以上となったときに油圧充填完了推定条件が成立するようにしても良い。始動後の累積エンジン回転数ΣNEは、始動後のオイルポンプ20の累積回転数(累積オイル吐出量)と比例関係にあり、オイルポンプ20の累積回転数(累積オイル吐出量)が増加するほど、可変バルブタイミング装置18の油圧回路への累積オイル供給量が増加するという関係がある。
【0055】
従って、始動後の累積エンジン回転数ΣNEが所定判定値KNE以上となれば、可変バルブタイミング装置18の油圧回路のオイル充填量が所定値以上になって、該油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇したと推定することができる。尚、累積エンジン回転数ΣNEは、クランク角センサ23で検出したエンジン回転速度NE(rpm)を単位時間毎(例えば1分毎)に積算することで求められる。
【0056】
この場合、所定判定値KNEを固定値(例えば90000rpm)としても良いが、図8に示すテーブル又は数式により所定判定値KNEを冷却水温に応じて変化させても良い。或は、エンジン停止時間に応じてた補正係数を基本判定値に乗算して所定判定値KNE(所定判定値KNE=補正係数×基本判定値)を求めるようにしても良い。更に、冷却水温に応じて変化させた所定判定値に、エンジン停止時間に応じた補正係数を乗算して最終的な所定判定値KNEを求めるようにしても良い。
【0057】
また、吸入空気量を検出するエアフローメータを備えたシステムでは、始動後に所定周期(例えば1s周期)で吸入空気量を積算して累積吸入空気量を求め、この累積吸入空気量が所定判定値KGA以上となったときに油圧充填完了推定条件が成立するようにしても良い。累積吸入空気量は、始動後の累積エンジン回転数ΣNE、ひいては始動後のオイルポンプ20の累積オイル吐出量を反映するパラメータとなるため、累積吸入空気量が所定判定値KGA以上となれば、可変バルブタイミング装置18の油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇したと推定することができる。
【0058】
この場合、所定判定値KGAを固定値(例えば900g/s)としても良いが、図9に示すテーブル又は数式により所定判定値KGAを冷却水温に応じて変化させても良い。或は、エンジン停止時間に応じてた補正係数を基本判定値に乗算して所定判定値KGA(所定判定値KGA=補正係数×基本判定値)を求めるようにしても良い。更に、冷却水温に応じて変化させた所定判定値に、エンジン停止時間に応じた補正係数を乗算して最終的な所定判定値KGAを求めるようにしても良い。
【0059】
また、吸気圧センサを備えたシステムでは、始動後に所定周期(例えば1s周期)で吸気圧を積算した累積吸気圧が所定判定値KPM以上となったときに油圧充填完了推定条件が成立するようにしても良い。累積吸気圧も、累積吸入空気量と同じく、始動後のオイルポンプ20の累積オイル吐出量を反映するパラメータとなるため、累積吸気圧が所定判定値KPM以上となれば、可変バルブタイミング装置18の油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇したと推定することができる。
【0060】
この場合、所定判定値KPMを固定値(例えば12000mmHg)としても良いが、図10に示すテーブル又は数式により所定判定値KPMを冷却水温に応じて変化させても良い。或は、エンジン停止時間に応じてた補正係数を基本判定値に乗算して所定判定値KPM(所定判定値KPM=補正係数×基本判定値)を求めるようにしても良い。更に、冷却水温に応じて変化させた所定判定値に、エンジン停止時間に応じた補正係数を乗算して最終的な所定判定値KPMを求めるようにしても良い。
【0061】
また、始動後の累積オイルポンプ吐出量が所定判定値KOIL以上となったときに油圧充填完了推定条件が成立するようにしても良い。前述したように、オイルポンプ20の累積オイル吐出量の増加に伴って可変バルブタイミング装置18の油圧回路への累積オイル供給量が増加するので、累積オイルポンプ吐出量が所定判定値KOIL以上となれば、可変バルブタイミング装置18の油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇したと推定することができる。
【0062】
この場合、所定判定値KOILを固定値(例えば15L)としても良いが、図11に示すテーブル又は数式により所定判定値KOILを冷却水温に応じて変化させても良い。或は、エンジン停止時間に応じてた補正係数を基本判定値に乗算して所定判定値KOIL(所定判定値KOIL=補正係数×基本判定値)を求めるようにしても良い。更に、冷却水温に応じて変化させた所定判定値に、エンジン停止時間に応じた補正係数を乗算して最終的な所定判定値KOILを求めるようにしても良い。
【0063】
また、油圧制御弁21の吐出圧が所定判定値(例えば20kPa)以上となったときに油圧充填完了推定条件が成立するようにしても良い。油圧制御弁21の吐出圧が高くなれば、可変バルブタイミング装置18の油圧回路の油圧が高くなるという関係があるためである。
【0064】
更に、始動後の走行距離が所定判定値以上となったときに油圧充填完了推定条件が成立するようにしても良い。始動後の走行距離は、始動後の累積エンジン回転数と同じく、始動後のオイルポンプ20の累積オイル吐出量を反映するパラメータとなるため、始動後の走行距離が所定判定値以上となれば、可変バルブタイミング装置18の油圧回路の油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる。
【0065】
尚、前記実施形態では、本発明を、始動完了直後の触媒早期暖機制御時に吸気バルブのバルブタイミングを遅角制御するシステムに適用したが、本発明を、触媒早期暖機制御の実施の有無に拘らず始動完了直後に吸気バルブのバルブタイミングを遅角制御するシステムに適用しても良く、勿論、始動完了直後に吸気バルブのバルブタイミングを進角制御するシステムに本発明を適用しても良い。
また、始動完了直後に排気バルブのバルブタイミングを進角制御又は遅角制御するシステムに本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における可変バルブタイミング制御システムを概略的に示す図
【図2】可変バルブタイミング装置の縦断面図
【図3】バルブタイミング制御及び異常判定プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図4】バルブタイミング制御及び異常判定プログラムの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図5】本実施形態の実行例を示すタイムチャート
【図6】冷却水温に応じた所定判定時間KTのテーブルの一例を示す図
【図7】エンジン停止時間に応じた補正係数のマップの一例を示す図
【図8】冷却水温に応じた所定判定値KPMのテーブルの一例を示す図
【図9】冷却水温に応じた所定判定値KNEのテーブルの一例を示す図
【図10】冷却水温に応じた所定判定値KGAのテーブルの一例を示す図
【図11】冷却水温に応じた所定判定値KOILのテーブルの一例を示す図
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、16…吸気側カム軸、17…排気側カム軸、18…可変バルブタイミング装置、20…オイルポンプ、21…油圧制御弁、22…カム角センサ、23…クランク角センサ、24…ECU(異常判定手段)、25…ハウジング、27…ロータ、31…ベーン、32…進角室、33…遅角室、38…ロックピン(ロック機構)、39…ロック穴(ロック機構)、40…スプリング(ロック機構)。
Claims (8)
- 内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを油圧により可変する可変バルブタイミング装置と、この可変バルブタイミング装置の作動状態に基づいて該可変バルブタイミング装置の異常の有無を判定する異常判定手段とを備えた内燃機関の可変バルブタイミング制御装置において、
前記異常判定手段は、機関始動後に前記可変バルブタイミング装置を駆動する油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる油圧充填完了推定条件が成立したか否かを機関始動後の内燃機関の累積回転数が所定判定値以上となったか否かで判定し、前記油圧充填完了推定条件が成立するまで前記可変バルブタイミング装置の異常有りと判定しないことを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。 - 内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを油圧により可変する可変バルブタイミング装置と、この可変バルブタイミング装置の作動状態に基づいて該可変バルブタイミング装置の異常の有無を判定する異常判定手段とを備えた内燃機関の可変バルブタイミング制御装置において、
前記異常判定手段は、機関始動後に前記可変バルブタイミング装置を駆動する油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる油圧充填完了推定条件が成立したか否かを機関始動後の累積吸入空気量が所定判定値以上となったか否かで判定し、前記油圧充填完了推定条件が成立するまで前記可変バルブタイミング装置の異常有りと判定しないことを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。 - 内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを油圧により可変する可変バルブタイミング装置と、この可変バルブタイミング装置の作動状態に基づいて該可変バルブタイミング装置の異常の有無を判定する異常判定手段とを備えた内燃機関の可変バルブタイミング制御装置において、
前記異常判定手段は、機関始動後に前記可変バルブタイミング装置を駆動する油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる油圧充填完了推定条件が成立したか否かを機関始動後に所定周期で吸気圧を積算して求めた累積吸気圧が所定判定値以上となったか否かで判定し、前記油圧充填完了推定条件が成立するまで前記可変バルブタイミング装置の異常有りと判定しないことを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。 - 内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを油圧により可変する可変バルブタイミング装置と、この可変バルブタイミング装置の作動状態に基づいて該可変バルブタイミング装置の異常の有無を判定する異常判定手段とを備えた内燃機関の可変バルブタイミング制御装置において、
前記異常判定手段は、機関始動後に前記可変バルブタイミング装置を駆動する油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる油圧充填完了推定条件が成立したか否かを機関始動後のオイルポンプの累積オイル吐出量が所定判定値以上となったか否かで判定し、前記油圧充填完了推定条件が成立するまで前記可変バルブタイミング装置の異常有りと判定しないことを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。 - 内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを油圧により可変する可変バルブタイミング装置と、この可変バルブタイミング装置の作動状態に基づいて該可変バルブタイミング装置の異常の有無を判定する異常判定手段とを備えた内燃機関の可変バルブタイミング制御装置において、
前記異常判定手段は、機関始動後に前記可変バルブタイミング装置を駆動する油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる油圧充填完了推定条件が成立したか否かを機関始動後の走行距離が所定判定値以上となったか否かで判定し、前記油圧充填完了推定条件が成立するまで前記可変バルブタイミング装置の異常有りと判定しないことを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。 - 前記異常判定手段は、前記所定判定値を内燃機関の停止時間と冷却水温と吸気温のうちのいずれか1つ以上の条件に応じて設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
- 内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを油圧によ り可変する可変バルブタイミング装置と、この可変バルブタイミング装置の作動状態に基づいて該可変バルブタイミング装置の異常の有無を判定する異常判定手段とを備えた内燃機関の可変バルブタイミング制御装置において、
前記異常判定手段は、機関始動後に前記可変バルブタイミング装置を駆動する油圧が適正範囲まで上昇したと推定できる油圧充填完了推定条件が成立するまで前記可変バルブタイミング装置の異常有りと判定しない手段と、前記油圧充填完了推定条件の成立前に目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差が異常判定値よりも大きいときに異常の可能性ありを意味する仮異常と判定する手段と、前記油圧充填完了推定条件の成立前に前記仮異常と判定したときに目標バルブタイミングを実バルブタイミングとの偏差が前記異常判定値以下とならない範囲で該実バルブタイミングに近付けたタイミングに変更し、変更後の目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差が前記異常判定値以下となったときに該目標バルブタイミングを運転状態に応じた目標バルブタイミングに徐々に戻す手段とを有することを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。 - 前記可変バルブタイミング装置には、機関始動時に吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを始動に適した位置でロックするロック機構が備えられ、機関始動直後から前記ロック機構のロックを解除してバルブタイミングを可変することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
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