JP2001078487A - 同期電動機のロータ磁極位置検出方法 - Google Patents
同期電動機のロータ磁極位置検出方法Info
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Abstract
ロータ磁極位置を検出できる同期電動機のロータ磁極位
置検出方法を得る。 【解決手段】 最初は180度の励磁位相に直流電流を
流しロータが回転すると止める(S1〜S12)。正回
転ならロータ磁極位置は180度〜360度の領域にあ
り、その始点180度を推定磁極位置θとする。負の回
転であれは゛磁極位置は0度〜180度の領域にあり、
その始点0度を推定磁極位置θとする(S13,S1
4)。逆電流を流しロータを元の位置に戻す(S15〜
S17)。検出領域の幅の1/2の位相量β(今回は9
0度となる)を推定磁極位置に加算し、励磁位相とす
る。以下、同様の処理を行い、磁極位置の存在すると推
定される領域を順次狭める。繰り返し行い、磁極位置が
存在する領域幅を90、45、25.5・・と小さなも
のとする。ロータを格別移動させずに磁極位置を検出で
きる。
Description
れる工作機械、産業機械、ロボット等の各種機械、装置
の駆動源として使用される同期電動機のロータ磁極位置
検出方法に関する。
に対して、ある角度(電気角90度)を持ったステータ
励磁位相に電流を流すことによってトルクを発生させる
ことができるものである。このロータ磁極位置に対して
90度の角度を持つようにステータ励磁位相を励磁する
には、ロータ磁極位置とステータ励磁位相との位置関係
を知る必要がある。通常この磁極位置検出は電動機のロ
ータに取り付けられたエンコーダやレゾルバなどのセン
サにより検出している。
は、ロータの絶対位置が必要なため、高価なエンコーダ
やレゾルバなどが必要になる。また、センサを電動機に
取り付ける際、センサと電動機の磁極位置との位置合わ
せが必要となるが、この位置合わせが難しく、結果的に
電動機の生産効率を悪化させ、コストがかかるという問
題がある。
ータ励磁位相の0度に直流電流を流して、ロータが停止
したところをロータの磁極位置とする検出方法が採用さ
れていた。しかし、この方法は検出時にロータが任意の
方向に電気角で最大180度動いてしまうため、電動機
が機械に取り付けられている状態で行うことは非常に危
険であった。
磁極位置を検出できる同期電動機のロータ磁極位置検出
方法を提供することにある。
ロータと、励磁巻線を施したステータと、ロータ位置を
検出するセンサからなる同期電動機におけるロータ磁極
位置の検出方法であって、(1)ステータの所定励磁位
相に電流を印加する工程、(2)前記電流の印加による
ロータの移動方向を得る工程、(3)得られた移動方向
に基づいてロータの磁極位置を推定する工程、(4)前
記ロータの推定磁極位置に基づいて次回に電流を印加す
る所定励磁位相を特定する工程、(5)前記(1)〜
(4)の工程を繰り返す工程によりロータの磁極位置を
検出するものである。更には、前記(5)の繰り返す工
程により最終的に得られたロータ磁極位置から、そのと
きセンサで検出されるロータ位置との差を不揮発性メモ
リに書き込む工程を含むようにする。前記(3)の工程
では、ロータ移動方向に基づいて、電流を印加した励磁
位相で2分割された位相領域によってロータ磁極位置を
推定し、前記(4)の工程では、ロータ磁極位置がある
と推定された位相領域をさらに分割する所定励磁位相を
特定し、前記(1)〜(4)の工程を繰り返すことによ
って、ロータ磁極位置があると推定される位相領域を順
次狭めることによって最終的にロータ磁極位置を検出す
る。又、ロータの移動を少なくするために、前記工程
(2)の後に工程(1)での電流印加の逆極性の電流を
所定励磁位相へ印加してロータの位置を元の位置に戻す
ようにする。さらに、前記ロータ磁極位置の検出中に移
動したロータ移動量を補正量として前記推定ロータ磁極
位置に加算することにより、より正確にロータ磁極位置
を求める。ステータ励磁位相とロータ磁極位置の位相が
近づくにつれて発生トルクが低下するから、前記所定励
磁位相への印加電流値は繰り返し時点で変化させるよう
にする。
形態のCNC(数値制御装置)で制御される工作機械等
のサーボモータ制御システムのブロック図である。符号
1はCNCで、プログラム等に基づいて、機械の各軸を
駆動する同期電動機で構成されたサーボモータ5への移
動指令の分配を行い、共有メモリ2に書き込む、サーボ
モータを制御するディジタルサーボ回路3は、プロセッ
サ(CPU)、ROM、RAM、不揮発性メモリ(RA
M)で構成され、ソフトウエアによるサーボ制御を行
う。ディジタルサーボ回路3のプロセッサは、共有メモ
リ2書き込まれた移動指令と、後述するモータのロータ
位置を検出するセンサ(エンコーダ)6からフィードバ
ックされるサーボモータの回転位置、速度で位置、速度
のループ制御を行いさらに、フィードバック電流に基づ
いて電流ループ制御を行ってサーボ制御を行い、電力増
幅器4を介して同期電動機で構成されたサーボモータ5
を駆動制御する。
施するデジタルサーボソフトエアの所定サンプリング周
期毎実施する機能ブロック図である。共有メモリ2を介
してCNC1から送られてくる移動指令からセンサとし
てのエンコーダ6からの位置フィードバック移動量を減
じて位置の偏差を求め、該位置偏差に位置ループゲイン
を乗じて速度指令を求める位置の制御器10の処理を行
い、速度制御器20では、この位置制御器10から出力
される速度指令からエンコーダ(センサ)6から速度フ
ィードバック信号を減じて速度偏差を求め、比例・積分
制御等の処理を行いトルク指令を求める。電流制御器3
0では、このトルク指令と電流検出器で検出され、フィ
ードバックされる実電流、さらにセンサのエンコーダ6
で検出されるサーボモータ5のロータ位置に基づいて電
流ループ処理を行いサーボモータのU、V、W相―の電
圧指令を求めインバータ等で構成される電力増幅器4に
出力する。電力増幅器4では、前記電圧指令に基づいて
サーボモータ5の各相に対する電流を求め各相に流す。
施している処理の機能ブロック図である。速度制御器2
0から出力されるトルク指令(電流指令)Iに、エンコ
ーダ6で検出されたロータ位置の位相θsに90度を加
算した励磁位相ψ(37)よりU、V、W相に対するそ
れぞれ2π/3(電気角)ずれた正弦波を乗じて各相の
電流指令を求め、該電流指令から電流検出器で検出され
た各相の実電流Iu、Iv、Iwを減じて電流偏差を求
め、各相電流制御器38u、38v、38wで比例積分
制御等を行って各相指令電圧Vu、Vv、Vwを電力増幅
器4に出力し、電力増幅器4では、インバータ等でPW
M制御を行って各相電流Iu、Iv、Iwをサーボモータ
5に流し駆動する。
を行う従来の電流制御器30の機能ブロック図である。
この電流制御器30では、d相の電流指令を「0」と
し、q相の電流指令を速度制御器20から出力されるト
ルク指令Iとする。また、電流検出器で検出される各相
の実電流(いずれか2つの相の実電流でよく、図では
U、V相の実電流Iu、Iv)、エンコーダ6で検出され
るロータ位置の位相θsに90度を加算した励磁位相ψ
(37)に基づいて、3相電流から2相電流に変換する
変換器34でd相、q相の電流Id、Iqを求める。前記
各d、q相への指令値からこの変換されたフィードバッ
ク電流Id、Iqをそれぞれ減じて電流偏差を求め、d相
電流制御器31、q相電流制御器32で比例積分等の処
理を行い、d相指令電圧Vd、q相指令電圧Vqを求め、
この2相の指令電圧Vd、Vqより、2相電圧から3相電
圧に変換する変換器33で、U、V、W相の指令電圧V
u、Vv、Vwを求め、電力増幅器4に出力し、電力増幅
器4ではサーボモータ5の各相に流す電流Iu、Iv、I
wを求め、この各相電流をサーボモータ5に流し駆動制
御する。
として用いるサーボ制御システムにおける電流制御器3
0では、図3、図4に示すようにエンコーダ等のセンサ
6で検出されるロータ位置の位相θsに90度を加算し
た励磁位相ψに基づいてサーボモータ各励磁相への電圧
指令Vu、Vv、Vwを求めている。エンコーダ等のセン
サ6でロータ位置の位相θsを検出するには、ステータ
への励磁電流の励磁位相基準とエンコーダで検出される
ロータ位置が所定位置関係になければならない。
ると、同期電動機に発生するトルクTは、 T=a(I×Φ)・・・・・(1) である。なお、aは定数、×は外積を意味する。このト
ルクの大きさは、 |I||Φ|sinα・・・・(2) である。なお、αは電流ベクトルIと磁束ベクトルΦの
なす角であり、励磁位相とロータ磁極位置との角度であ
る。そこで従来は、ステータ励磁位相0度に直流電流を
流し、ロータを回転させ、ロータの回転が停止した位
置、すなわち上記α=0またはα=180度の位置を検
出し、励磁位相基準に対するロータ位置を検出してい
た。しかし、この方法では、上述したように、ロータが
最大180度回転するという欠点があった。
せるだけで、ステータ励磁位相基準に対するロータ位置
を検出する方法を提供するものである。同期電動機を駆
動したとき、そのトルクTの大きさは上述したように
「|I||Φ|sinα」であり、その回転方向は、電
流ベクトルIと磁束ベクトルΦのなす角αで決まる。こ
の角αが0〜180度の区間では、sinα>0で正方
向にロータは回転する。また、α=180〜360度で
は、sinα<0でロータは負方向に回転することにな
る。これを利用して本実施形態では、まず、ステータ励
磁位相180度に直流電流を流しロータの回転方向を検
出する。正方向に回転すれば、ロータ磁極位置(磁束Φ
の位置)はステータ励磁位相の180〜360度の領域
幅内にあり、負方向に回転すれば、ロータ磁極位置は0
〜180度の領域幅内にあることになる。次にロータ磁
極位置がある領域(180〜360度の領域か、0〜1
80度の領域)の中間の励磁位相に直流電流を同様に流
し、ロータの回転方向を検出し、ロータの磁極位置のあ
る領域を検出する。以下これを繰り返し、このロータ磁
極位置のある領域を順次小さな領域とすることによっ
て、このロータ磁極位置を最終的に検出するものであ
る。
相350度にあったと仮定する。まず、180度の励磁
位相に電流を流すと、α=350−180=170とな
り、sin170>0で、ロータは正方向に回転し、ロ
ータ磁極位置は180〜360度の領域にあることが判
別される。次にこの領域を2分する270度の励磁位相
に直流電流を流す。α=350−270=80度で、s
in80>0でロータは正方向に回転する。これによ
り、ロータ磁極位置は270〜360度の領域にあるこ
とが判別される。そこで、270〜360度の領域の中
間の315度の励磁位相に直流電流を流す。この場合も
α=35で、回転方向は正方向となり、315度と36
0度の中間の337.5度の励磁位相に直流電流を流
す。この場合もα=12.5で、正方向に回転するか
ら、337.5度と360の中間の348.75度の励
磁位相に電流を流す。この場合も正方向に回転するか
ら、348.75度と360度の中間の354.375
度の励磁位相に電流を流す。このとき、α=350−3
54.374=−4.375度となり、sinα<0
で、ロータは負方向に回転するので、次に励磁する位相
は、348.75度と354.375度の領域の中間の
351.5627度の励磁位相に直流電流を流し回転方
向を検出する。以下、このようにロータ磁極位置が存在
すると判断される領域を順次狭めて、ロータの回転がな
くなるまで、もしくは所定回数だけの領域判断を行うこ
とによってロータ磁極位置を求める。
ーボ回路3のプロセッサが実行する磁極位置検出処理の
フローチャートである。システムに電源が投入され、C
NC1の入力手段から磁極位置検出指令が入力される
と、ディジタルサーボ回路3のプロセッサは図5、図6
の処理を開始する。
憶するレジスタに初期値「0」をセットし、ロータ移動
量δを記憶するレジスタに初期ロータ移動量として
「0」をセットし、励磁する直流電流Iを記憶するレジ
スタに初期励磁電流として設定された値Irをセットす
る(ステップS1〜S3)。エンコーダ6からの信号に
基づいてサーボモータ(同期電動機)5の位置(ロータ
の位置)を記憶する現在値レジスタの値を「0」にクリ
アし(ステップS4)、後述するステップS6〜ステッ
プS20の処理の繰り返し数を計数する試行カウンタn
を「1」にセットする(ステップS5)。
いる繰り返し数Nを越えているか判断し(ステップS
6)、越えてなければ360度を2nで割って、ロータ
磁極位置(磁束位置)が予想される領域の位相幅の1/
2の位相量βを求める。最初は、ロータ磁極位置は電気
角0〜360度の全領域にあることが推定され、試行カ
ウンタnは「1」にセットされているから、推定領域の
位相幅の1/2の位相量β=180度が求められる(ス
テップS7)。次に、現時点までに推定されている磁極
位置(推定領域の一端であり、この実施形態では始点で
位相角度が小さい方)θに推定領域の位相幅の1/2の
位相量β及びロータ移動量δを加算してステータ励磁位
相φを求める(ステップS8)。最初は、θ=0、β=
180度、δ=0であるから、ステータ励磁位相φは
「180度」として求まる。
コーダ6からフィードバックパルスが帰還されたか否か
により判別する)(ステップS9)、ロータが停止して
いれば、ステップS8で求めた励磁位相φにレジスタに
記憶する直流の励磁電流I(最初は設定値Ir)を流す
と共にタイマをスタートさせる(ステップS10)。
けるデイジタルサーボ回路におけるd−q変換して電流
制御を行う電流制御の機能ブロック図である。この図7
に示すように、トルク指令としてレジスタに記憶する直
流電流Iが指令され、励磁位相としてステップS8で求
めた励磁位相φが指令されることになる。その他は図4
に示す従来の処理と同一であるので、説明は省略する。
コーダからフィードバックパルスが帰還されたか否かに
より判別する)、ロータが移動したことが判別されると
励磁電流を停止し、かつタイマーを停止させる(ステッ
プS11,S12)。そして、ロータの回転方向を判別
しロータ磁極位置の領域を判別する(ステップS1
3)。
たとき発生するトルクの大きさは第2式で表され、その
トルクの向きは、磁束ベクトルと電流ベクトルとのなす
角αが0度〜180度の間では正(sinα>0)、1
80度〜360度の間では負(sinα<0)であるか
ら、励磁位相φ=180度に直流電流Iを流して、ロー
タが正方向に回転したときは、ロータの磁極位置は18
0度〜360度の領域にある。そこで、この場合には、
推定されていた磁極位置θ(=0)に磁極があると推定
されていた領域の位相幅の1/2の位相量β(=180
度)を加算し、新たな推定磁極位置θ(=180)を求
める。すなわち、推定磁極位置θとして磁極位置が存在
すると推定される領域の始点の位相が記憶されることに
なる。この場合では、ステータ励磁位相180度〜36
0度の領域にロータ磁極位置があるものと推定されたこ
とから、新たな推定磁極位置θとして180度が記憶さ
れる(ステップS14)。
と判別された場合には、ロータの磁極位置は0度〜18
0度の領域にあるものであり、このときは、推定磁極位
置θは更新せず、ロータ磁極位置があると推定された領
域の0度〜180度の始点「0度」がそのまま記憶され
る。
位置に戻すため、ステップS10で励磁した励磁位相φ
に今回は極性が逆の直流電流−Iを流しタイマにステッ
プS12で測定した経過時間をセットしてスタートさせ
る(ステップS15)。そしてタイマーがタイムアップ
すると(ステップS16)、励磁電流を停止する(ステ
ップS17)。すなわち、同じ大きさで極性が逆の励磁
電流を同一時間流すことにより、ロータが移動した分、
逆方向に移動させロータを元の位置に戻すようにする。
も、正確に元の位置に戻るとはいえないことから、現在
位置レジスタの値を読み出し、その値をロータ移動量δ
としてレジスタに格納する(ステップS18)。試行カ
ウンタnを「1」インクリメントし(ステップS1
9)、次に励磁する直流電流Iの大きさを次の第3式の
演算を行い求める(ステップS20)。
位置が一致するように順次近づけるものである。すなわ
ち、磁束ベクトルと電流ベクトルが一致するように両者
を近づけるものである。そのため上述した第1式、第2
式で示されるように、ロータを回転させるトルクは、直
流電流値Iが一定であると、だんだん小さくなってゆ
く。そのため、本実施形態では、直流電流を励磁する位
相を変える(ロータ磁極位置に近づける)毎に、励磁直
流電流値Iを大きくするようにしたものである。
6からステップS20までの処理を試行カウンタnが設
定値Nを越えるまで、繰り返し実行する。
90度となり、1回前の(ステップS)13,S14の
処理で更新された推定磁極位置θと、ステップS18で
求めたロータ移動量δと、この推定領域幅の1/2の位
相量βを加算して今回のステータ励磁位相φが求められ
る。
ータ磁極位置が180度と360度の領域にあると推定
されたときには、上述したように推定磁極位置θは18
0度が記憶され、これに推定領域幅の1/2の位相量β
=90度が加算され270度となり、それにロータ移動
量δが加算された「270度+δ」が今回の励磁位相と
なる。
合には、ロータ磁極位置が0度と180度の領域にあ
り、推定磁極位置θは0度が記憶されている。これに推
定領域幅の1/2の位相量β=90度が加算され90度
となり、それにロータ移動量δが加算された「90度+
δ」が今回の励磁位相となる。
電流Iを流した、ステップS13でロータが正方向に移
動したときは、ロータの磁極位置は270度〜360度
の間の領域にあり、推定磁極位置θ=180+90=2
70度と推定し、負方向に移動したときは、ロータの磁
極位置は180度〜270度の間の領域にあり推定磁極
位置θ=180度と推定する。
流を流し他ときロータが負方向に回転し、次に、ステー
タ励磁位相「90度+δ」に直流電流Iを流し、ステッ
プS13でロータが正方向に移動したときは、ロータの
磁極位置は90度〜180度の間の領域にあり推定磁極
位置θ=0+90=90度と推定し、負方向に移動した
ときは、ロータの磁極位置は0度〜90度の間の領域に
あり推定磁極位置θ=0度と推定する。
してロータ磁極位置がある領域を推定し、かつその領域
幅を順次小さくし(この実施形態では、この領域幅を1
/2に減少させる)、推定磁極位置θ求める。
磁極位置がある領域幅βを360度の半分の180度に
小さくすることができ、n=2でβ=90、n=3でβ
=45、n=4でβ=22.5・・・n=10でβ=
0.3516、n=11でβ=0.1758とすること
ができる。そして、その領域の始点が推定磁極位置θと
して求められる。そこで、必要とする精度が得られる程
度の設定値Nを設定しておき、必要とする精度の推定磁
極位置θを求める。
の値が設定値Nを越えた場合には、ステップS21に進
み、推定磁極位置θにロータの移動量δを加算して最終
的な推定磁極位置θを求める。そして、現在位置レジス
タをクリアし、ロータを一回転位置信号が検出されるま
で負方向に回転させる(ステップS22、S23)。一
回転位置信号が検出されるとロータの回転を停止させ、
現在位置レジスタから移動量εを読みとる(ステップS
24)。
2〜ステップS24の処理の説明図である。ステップS
21までの処理でステータの励磁位相におけるロータの
磁極位置(磁束位置)θが求められている。すなわちス
テータの励磁基準(電気角「0」)から見てθの位相位
置にロータ磁極位置があるとして求められている。この
とき、図9(a)に示すように、エンコーダ6の原点、
すなわち、エンコーダ6のステータ側に取り付けられロ
ータ位置を検出する位置と、ロータ側に取り付けられた
エンコーダの回転盤上の一回転信号位置とが正方向にε
だけずれているものとする。
ロータを負方向に回転させると、現在値レジスタの値が
移動量εに達したとき、図9(b)に示すように、一回
転位置信号が検出される。このとき、ロータ磁極位置と
ステータの励磁基準との誤差は(θ−ε)である。すな
わちエンコーダでロータ位置「0」を検出した際には、
磁極位置は励磁基準に対して位相(θ−ε)の位置にあ
ることを意味する。なお、エンコーダ6が符号を含めて
移動量を検出するものであれば、この移動量と推定磁極
位置θを加算して上記誤差を求めればよい。
量θamrとして不揮発性メモリに書き込み(ステップS
25,S26)、この磁極位置検出処理は終了する。
には、この不揮発性メモリに記憶された補正量θamrを
エンコーダ6で検出される位置θsに加算した値が励磁
位置として検出されることになる。
励磁位相を求める処理の説明図である。エンコーダ6で
θsを検出した場合には、この検出値θsにメモリに記
憶する上記補正量θamrを加算することによって、ステ
ータ励磁基準に対するロータ磁極位置(θs+θamr)
が求まり、これに「90度」を加えた(θs+θamr+
90)が励磁位相ψとして求められることになる。
θamrを用いて、d−q変換を行って電流制御する場合
の機能ブロック図である。この図8と図4に示す従来例
との相違は、励磁位相ψが(θs+θamr+90)とな
っている点のみである。他は図4の処理と同一であるの
でその説明は省略する。
を検出するセンサとしてインクリメンタル型のエンコー
ダ6を用いたが、絶対値検出器を用いれば、ステップS
21で磁極位置θを求めたとき絶対位置検出器で位置ε
が検出されることになるから、この検出位置εをステッ
プS21で求めた磁極位置θから減じた値(θ−ε)を
補正量θamrとして記憶すればよい。
せずロータの磁極位置を検出するものであり、そのため
に上述した実施形態ではロータを僅か移動させるもので
ある。しかし、同期電動機にトルクセンサを取り付けて
おき、所定励磁位相に直流電流を流したとき発生するト
ルク方向を検出し(この場合ロータは回転する必要はな
い)、このトルク方向によって、ロータ磁極位置を検出
するようにしてもよい。
ステップS20の処理を試行カウンタnが設定数Nを越
えるまで実行するようにしたが、この繰り返し数Nを設
定するのではなく、求めれたステータ励磁位相に直流電
流を流してもロータが回転しなくなるまで実行するよう
にしてもよい。すなわち、ステップS11でロータが回
転しない場合(もしくはトルクが発生しない場合)に
は、そのときのステップS8で求めた励磁位相φが推定
磁極位置θとなる。
求めたθamrを不揮発性メモリに記憶するようにした
が、必ずしも不揮発性メモリに記憶する必要はない。不
揮発性メモリに記憶しない場合は、この同期電動機を使
用とするシステムに電源を投入した際に図5、図6に示
す処理を実行し、ステップS26で求められた補正量θ
amrを不揮発性メモリの変わりにRAMに記憶するよう
にすればよい。
となく、ロータ磁極位置を検出することができるから、
同期電動機が機械に取り付けられている状態でもロータ
磁極位置の検出ができるので、安全にかつ簡単にロータ
磁極位置検出ができる。
ブロック図である。
回路が実行するサーボ制御の機能ブロック図である。
ック図である。
回路のプロセッサが実行する磁極位置検出処理のフロー
チャートである。
制御器の機能ブロック図である。
て励磁位相を求め電流制御するd−q変換を行う電流制
御器の機能ブロック図である。
る際の説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 磁極を配したロータと、励磁巻線を施し
たステータと、ロータ位置を検出するセンサからなる同
期電動機において、(1)ステータの所定励磁位相に電
流を印加する工程、(2)前記電流の印加によるロータ
の移動方向を得る工程、(3)得られた移動方向に基づ
いてロータの磁極位置を推定する工程、(4)前記ロー
タの推定磁極位置に基づいて次回に電流を印加する所定
励磁位相を特定する工程、(5)前記(1)〜(4)の
工程を繰り返す工程によりロータの磁極位置を検出する
同期電動機のロータ磁極位置検出方法。 - 【請求項2】 前記(5)の繰り返す工程により最終的
に得られたロータ磁極位置から、そのときセンサで検出
されるロータ位置との差を不揮発性メモリに書き込む工
程を含む請求項1記載のロータ磁極位置検出方法。 - 【請求項3】 前記(3)の工程では、ロータ移動方向
に基づいて、電流を印加した励磁位相で2分割された位
相領域によってロータ磁極位置を推定し、前記(4)の
工程では、ロータ磁極位置があると推定された位相領域
をさらに分割する所定励磁位相を特定し、前記(1)〜
(4)の工程を繰り返すことによって、ロータ磁極位置
があると推定される位相領域を順次狭めることによって
最終的にロータ磁極位置を検出する請求項1又は請求項
2記載の同期電動機のロータ磁極位置検出方法。 - 【請求項4】 前記工程(2)の後に、工程(1)での
電流印加の逆極性の電流を所定励磁位相へ印加する請求
項1乃至3の内1項記載の同期電動機のロータ磁極位置
検出方法。 - 【請求項5】 前記ロータ磁極位置の検出中に移動した
ロータ移動量を補正量として前記推定ロータ磁極位置に
加算する請求項1乃至4の内1項記載の同期電動機のロ
ータ磁極位置検出方法。 - 【請求項6】 前記所定励磁位相への印加電流値は繰り
返し時点で変化させる請求項1乃至5の内1項記載の記
載の同期電動機のロータ磁極位置検出方法。
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