JP2000239319A - ブテンポリマーの製造方法 - Google Patents
ブテンポリマーの製造方法Info
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Abstract
リマー中の残留フッ素を実用上問題のない程度まで低減
したブテンポリマーを提供する。 【解決手段】 下記工程(I)〜(III)からなるブテン
ポリマーの製造方法、(I)特定組成のC4供給原料
と、原料中のイソブテンに対し特定のモル比範囲にある
三フッ化ホウ素および錯化剤を、重合帯域に添加して連
続的に液相重合し、(II)重合帯域から流出する反応液
中の触媒を失活させ、必要により蒸留を行い、残留フッ
素が1ppm 以上、末端ビニリデン含有率が60%以上の
ブテンポリマーを得た後、(III)ブテンポリマーの残
留フッ素濃度を低減し、かつ末端ビニリデン含有率を処
理前の含有率の60%以上に保持するように、アルミナ
含有無機物により上記ブテンポリマーを処理する。
Description
フッ化ホウ素の触媒とを用い、触媒に由来して残留する
フッ素(以下「残留フッ素」という)を実質的に含ま
ず、かつ末端ビニリデン構造の含有率の高いブテンポリ
マーを製造する方法に関するものである。
は、水またはアルコールを錯化剤とする三フッ化ホウ素
錯体触媒を用いてイソブテンを重合することにより得ら
れる重合体は、ビニリデン構造の二重結合形式を高い割
合で含有するブテンポリマーであって、無水マレイン酸
等との間で高率のマレイン化反応が進行することが開示
されている。このようにして製造されるマレイン化ポリ
ブテンは、燃料油または潤滑油添加剤などに使用される
ので、ポリブテンはその使用時または廃棄時に燃焼等に
より大気中に放出される。ここで、イソブテンを原料と
して重合する場合、純イソブチレンを原料とするよりも
n−ブテン等も含むいわゆるC4留分を原料とする方が
経済的である。しかるに、三フッ化ホウ素錯体を触媒と
してC4留分を重合する場合には、得られた重合体に触
媒に起因するフッ素が含まれる。前記のように、得られ
たポリブテンは、結局燃焼されて大気中に放出されるの
で、その中に含まれるフッ素も同時に大気中に放出さ
れ、そのフッ素は場合により大気汚染の原因となる。近
年、環境保全に対する要望が高まり、たとえわずかな汚
染物質であっても問題視されるため、残留フッ素の少な
いものが望まれている。このような事情に鑑み、本発明
者らは、三フッ化ホウ素錯体を触媒とし、C4留分を重
合して得られる重合体中の残留フッ素を減少させる後処
理方法として、多くの重合体についてフッ素除去の方法
を検討した。
4留分を重合して得られる重合体中のフッ素は、無機フ
ッ素のみではなく、有機フッ素としてポリマー鎖に結合
しているものもあることが確認された。無機フッ素は水
洗、中和等により除去することができるが、これらの常
法によって有機フッ素を完全に除去することはできな
い。このようなフッ素を除去するには従来公知の吸着等
では不十分であり、いわばフッ化炭化水素からのフッ素
原子の脱離反応によって除去する必要があると考えられ
る。そのため、各重合反応ごとに除去のための特定の後
処理方法を探索する必要がある。例えば、特開昭57―
183726号公報では、フッ素を含むニッケル系触媒
によりブテン留分をオリゴマー化し、得られたオレフィ
ン3量体中に含まれるフッ素を、具体的にはシリカゲル
で処理することにより除去することを提案している。し
かしながら、後記の比較例が示すように、三フッ化ホウ
素錯体を触媒としてC4留分を重合して得られる重合体
の場合には、シリカゲルによる処理では十分にフッ素を
除去することはできない。さらに問題となるのは、処理
の際に重合体中の二重結合が異性化し、その結果、重合
で得られた高い末端ビニリデン結合の含有率が低下する
現象が見られる場合がある。なお、重合体中の炭素―炭
素二重結合の異性化(移動)も化学反応の一種であり、
それぞれ特定の触媒により促進されることがある。
ッ化ホウ素を触媒としてC4供給原料を重合し、得られ
る末端ビニリデン結合の含有率が高い重合体を後処理工
程に供することにより、末端ビニリデン構造の含有率が
処理前の含有率の60%以上に維持され、かつポリマー
中の残留フッ素が実用上問題の無い程度まで低減された
ブテンポリマーを提供することにある。
工程(I)〜(III)からなることを特徴とする、フッ素
含有率が低くかつ末端ビニリデン含有率の高いブテンポ
リマーの製造方法に関するものである。 (I)50重量%未満のブテン−1、50重量%未満の
ブテン−2、100重量%未満のイソブテン、50重量
%未満のブタン類および10重量%未満のブタジエンか
らなるC4供給原料、上記原料中に含まれるイソブテン
1モルに対し 0.1〜500ミリモルの三フッ化ホウ
素、ならびに上記原料中に含まれるイソブテン1モルに
対し0.03〜1,000ミリモルの錯化剤としてのアル
コール類および/またはジアルキルエーテル類を、それ
ぞれ重合帯域に添加し、重合温度−100℃〜+50℃
および滞留時間5分〜4時間の範囲で連続的に液相重合
し、(II)前記重合帯域から流出する反応液中の触媒を
失活させた後、必要により蒸留を行い、残留フッ素が1
ppm 以上、末端ビニリデン含有率が60%以上のブテン
ポリマーを得て、次に、(III)該ブテンポリマーの残
留フッ素濃度を低減し、かつ末端ビニリデン含有率を処
理前の上記含有率の60%以上に保持するように、アル
ミナを含有する無機処理剤(以下「アルミナ含有無機
物」という)により上記ブテンポリマーを処理する。本
発明の第二は、本発明の第一において、工程(III)終
了後の残留フッ素含有量が40ppm 未満であるブテンポ
リマーの製造方法に関する。本発明の第三は、本発明の
第一において、工程(III)終了後の末端ビニリデン構
造の含有率が工程(III)処理前の含有率の70%以上
であるブテンポリマーの製造方法に関する。本発明の第
四は、本発明の第一の工程(III)において、アルミナ
含有無機物と、残留フッ素を含有するポリマーとの接触
温度が20℃以上220℃以下、好ましくは 50℃以
上200℃以下であるブテンポリマーの製造方法に関す
る。本発明の第五は、本発明の第一の工程(III)にお
いて、アルミナ含有無機物と、残留フッ素を含有するポ
リマーとの平均接触時間が1分以上5時間未満であるブ
テンポリマーの製造方法に関する。
する。本発明においては、反応器を備えた重合帯域(反
応帯域)において前記C4供給原料を連続的に重合す
る。連続反応器としては、攪拌型反応器、ループ型反応
器など任意の形式のものを採用することができる。重合
帯域からは未反応成分ならびに生成したブテンポリマー
および触媒を含む反応液が流出する。C4供給原料は、
50重量%未満のブテン−1、50重量%未満のブテン
−2、100重量%未満のイソブテン、50重量%未満
のブタン類および10重量%未満のブタジエンからなる
もの(合計で100重量%)である。この供給原料は、イ
ソブテンのほかに、ブテン−1、ブテン−2およびブタ
ジエンの一定量以上を含むC4炭化水素の混合物であ
り、例えば、ブテン−1、ブテン−2およびブタジエン
を合計で5重量%以上含むものであることが好ましい。
このようにイソブテンのほかにブテン−1、ブテン−2
等の一定量を含有するC4炭化水素供給原料を三フッ化
ホウ素錯体触媒により重合するときは、多くの場合、か
なりの割合のフッ素原子が生成重合体へ混入することを
避け得ない。
は、いわゆるC4留分があり、例えばエチレンやプロピ
レンを製造するために、ナフサ、灯油、軽油、ブタン等
を分解するクラッカーから流出するC4ラフィネートで
あって、ブタジエンを抽出等により除去したものが例示
される。C4留分の代表的な組成は、不飽和成分とし
て、約1〜40重量%、好ましくは約10〜40重量%
のブテン−1、約1〜40重量%のブテン−2および約
10〜80重量%、好ましくは約40〜70重量%のイ
ソブテン、飽和成分として約10〜30重量%のブタン
類、ならびに約10重量%未満、好ましくは約0.5重
量%以下のブタジエンからなる(合計で100重量
%)。この組成範囲である限り特に限定されるものでは
なく、流動接触分解(FCC)装置からの分解生成物な
どに含有されるイソブテンを含むC4留分であってもよ
い。そのほか、組成を適宜の手段により変更したものも
使用することができる。具体的には、蒸留により組成を
変更したり、イソブチレンを追加してイソブチレン濃度
を増加させたり、軽度の重合によりイソブチレンをオリ
ゴマー化しイソブチレン濃度を低減し、あるいは接触ヒ
ドロ異性化等の反応によりブテン−1濃度を低減したも
の、各種の物理的または化学的操作により組成変成した
ものなども、上記組成範囲である限り本発明において使
用することができる。C4留分は、イソブテンの含有率
が大きいほど好ましい。しかしながら、例えばC4ラフ
ィネートにおいても、イソブテンの含有量は最大70重
量%程度である。FCCなどからのC4留分では通常さ
らに低い。またC4留分中のブタジエンは存在する場合
でも約0.5重量%以下であり、通常は不純物程度の微
量である。また原料中の水分は通常10ppm 以下に調整
することが好ましい。ただし数十ppm 程度の水分が含ま
れていても特に支障なく重合を行うことができる。
ホウ素を用いる。触媒としての三フッ化ホウ素は、原料
のC4炭化水素供給原料中に含まれるイソブテン1モル
に対して0.1〜500ミリモルの割合で重合帯域中に
供給する。本発明により得られるポリブテンの分子量の
調整は、反応温度と触媒投入量を調節することにより行
うことができる。触媒としての三フッ化ホウ素がこの範
囲より少ないと反応が進行し難く、一方これより多いと
きは副反応等が多く生起するため、いずれも好ましくな
い。
テル類またはそれらの混合物を、錯化剤として、C4炭
化水素供給原料中に含まれるイソブテン1モルに対し合
計で0.03〜1,000ミリモルの割合で重合帯域に添
加する。錯化剤がこの範囲より少ないと反応が進行し難
く、一方これより多いときは副反応等が多く生起し、い
ずれも好ましくない。ここで、上記アルコール類、ジア
ルキルエーテル類等はいずれも反応系内において三フッ
化ホウ素と錯体を生じ得るものである。したがって本発
明においては、アルコール類、ジアルキルエーテル類ま
たはそれらの混合物と三フッ化ホウ素との錯体を反応系
外において別途に予備調製し、これを反応系に供給する
方法も態様の一つとして採用することができる。このよ
うに別途に調製した錯体触媒を反応系に供給する場合に
おいても、C4炭化水素供給原料に対する錯体の供給割
合は、錯体成分としての三フッ化ホウ素、アルコール類
およびジアルキルエーテル類に換算し、それぞれ前記の
範囲とすることができる。
しろ重合禁止剤として作用することが多く、そのため緊
急停止時の安全性等の観点からは、前記錯化剤としての
アルコール類、ジアルキルエーテル類またはそれらの混
合物を三フッ化ホウ素とは別個に反応系に供給する方法
が好ましい。一方、錯体を予備調製しておく場合には、
重合においてガスとしての三フッ化ホウ素を用いないの
で取り扱いが容易であり、また触媒供給ラインが1系統
ですむ等の利点がある。それぞれの事情に応じて予備調
製の錯体を利用したり、または錯化剤を別個に供給する
方法を採用することができる。場合によっては両方法を
同時に採用することもできる。
およびジアルキルエーテル類は以下の通りである。アル
コール類としては、芳香族またはC1〜C20の脂肪族
アルコールが例示され、具体的には、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘ
キサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノー
ル、デカノールあるいはベンジルアルコール、シクロヘ
キサノール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
上記C1〜C20のアルコール類の炭素骨格は、分岐度
に制限がなく、直鎖アルキル基、sec-、tert- 等の分岐
アルキル基または脂環式アルキル基、あるいは環を含む
アルキル基でも差し支えない。これらのアルコールは、
単独または適宜の割合で混合して使用することができ
る。
たはC1〜C20の脂肪族の同一または異なる炭化水素
基を有するジアルキルエーテルが例示され、具体的に
は、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルプロピルエー
テル、エチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メ
チルブチルエーテル、エチルブチルエーテル、プロピル
ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、あるいは、フェ
ニルメチルエーテル、フェニルエチルエーテル、ジフェ
ニルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロ
ヘキシルエチルエーテル等が挙げられる。上記C1〜C
20の炭化水素基の骨格は、分岐度に制限がなく、直鎖
アルキル基、sec-、tert- 等の分岐アルキル基または脂
環式アルキル基、あるいは環を含むアルキル基でも差し
支えない。これらジアルキルエーテルは、単独または適
宜の割合で混合して使用することができる。なお、上記
アルコール類およびジアルキルエーテル類は、前記の通
り適宜の割合で混合して使用することもできる。
り、その温度は−100℃〜+50℃、好ましくは−4
0℃〜+10℃の範囲である。この範囲より低温ではイ
ソブテンを含有する液状炭化水素のオレフィン成分の転
化率が抑制される。一方、これより高温になると転化率
が抑制されるとともに異性化や転位反応等の副反応が起
こり、本発明の目的生成物を得ることが困難になる。工
業的生産の点からは連続式による方法が経済的かつ効率
的であるので、本発明においては連続的に重合を行う。
連続式では供給原料の触媒との接触時間が重要であり、
本発明による重合反応では接触時間として5分〜4時間
の範囲であることが望ましい。接触時間が5分未満では
十分なイソブテン成分の転化率が得られず、逆に4時間
を超えると経済的な損失も多く、また触媒と長時間接触
させる場合には、生成したブテンポリマーの異性化や転
位反応等の副反応が促進されるため、いずれも好ましく
ない。ブテンポリマーの製造における商業的な採算性を
良好にするには、C4留分、例えばC4ラフィネート中
のイソブテン成分の転化率がより高いことが望ましい
が、本発明の重合条件を採用すればイソブテンの転化率
として80〜100%を達成することが可能である。
応成分ならびに生成したブテンポリマーおよび触媒を含
む反応液が流出する。工程(II)においては、上記反応
液について、常法に従い、適宜の失活剤、例えば水、ア
ルカリ水、アルコール等により触媒を失活させる。触媒
の失活後、必要に応じ中和、水洗を行って触媒残さを除
去し、適宜に蒸留を行うことによりブテンポリマーが得
られる。
ウ素を、錯化剤としてアルコール、ジアルキルエーテル
等を用い、イソブテンを含有するC4炭化水素供給原料
を液相重合することによって、末端ビニリデン含有率を
60%以上の高い割合で含むブテンポリマーを得ること
ができる。しかしながら、このポリマー中には触媒に由
来する残留フッ素が1ppm 以上、通常は5ppm 以上、例
えば数十ppm の濃度で含まれている。この残留フッ素
は、常法により失活およびそれに続く水洗を行っても除
去することが困難な有機フッ素である。
得られたブテンポリマーについてアルミナ含有無機物に
より脱フッ素処理を行う。この工程においては、残留フ
ッ素を除去する際に、高い末端ビニリデン結合の含有率
を少なくともそのまま維持することが肝要である。具体
的には、末端ビニリデン含有率が本工程による脱フッ素
処理前の含有率の60%以上、好ましくは70%以上を
保持するように残留フッ素濃度を低減する。本工程でア
ルミナ含有無機物と接触させるブテンポリマーは、触媒
失活後のものであればよく、失活、水洗後における蒸留
の有無に制限はない。粘度が高い場合は、アルミナ含有
無機物との接触効率を高めるため、不活性な溶媒で希釈
することが好ましい。このような不活性な溶剤として
は、ノルマルヘキサン、イソヘキサン等の脂肪族炭化水
素溶剤が好ましい。
機物の種類によって異なるが、好ましくは20℃〜22
0℃、さらに好ましくは50℃〜200℃である。この
範囲より処理温度が高いと残留フッ素は低減されるが、
末端ビニリデンの異性化が進行して末端ビニリデン構造
が損なわれ、一方、温度が低いと異性化は生じないが、
ポリマー中の残留フッ素が低減されないかまたは十分な
低減効果が得られないため、いずれも目的を達すること
ができない。接触時間は、粘度および温度により影響を
受けるが、約1分〜5時間の範囲である。この範囲より
短いと接触が不十分であり、長いと設備費が増大し好ま
しくない。
ルミナを主として含む限り特に限定されない。シリカ・
アルミナを用いることもできる。また、これらを適宜に
アルカリおよびアルカリ土類金属により含浸処理するこ
とができる。しかしながら、通常は、ナトリウム等のア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の含有量が0.5重
量%以下のアルミナ等を用いれば十分である。また処理
のし易さという工業的見地から考えれば、アルミナ含有
無機物は粉末状よりも球状、円柱状、リング状などの形
状の成形品の方が好ましい。
どの常法を採用することができる。好ましくは固定床流
通式により接触させる。脱フッ素処理後、溶媒を使用し
た場合などには、適宜に蒸留することによりブテンポリ
マーを得ることができる。本工程の処理によりブテンポ
リマーを回収することにより、残留フッ素濃度が好まし
くは40ppm 未満まで低減され、かつ末端ビニリデン含
有率が当該処理前の末端ビニリデン含有率の値に対して
60%以上、好ましくは70%以上の高い値に保持され
たブテンポリマーが得られる。このブテンポリマーは、
末端ビニリデン結合の含有割合が高いので無水マレイン
酸等との間で高率のマレイン化反応が進行するため有用
である。また実質的に残留フッ素が存在しないので、得
られたブテンポリマーまたはその変性物を燃料とともに
燃焼するような場合においても、大気中へのフッ素の放
出が少なく、したがって環境保全の面からも有用であ
る。
する。
(23.8重量%のブテン−1、12.4重量%のブテン
−2および51.6重量%のイソブテン、飽和成分とし
て12.2重量%のブタン類ならびにトレースのブタジ
エン(合計で100重量%)を含む)を毎時4リットルの
流量で供給し、イソブチレンに対して0.15重量%の
三フッ化ホウ素および0.14重量%のエタノールをそ
れぞれ別に反応槽に供給した。反応温度を−10℃、L
HSVを約1hr−1として連続的に重合を行った。
NaOH水溶液で処理して、触媒の失活および中和を行
い、さらに脱イオン水で2回洗浄を行った。洗浄後、乾
燥して蒸留することにより、数平均分子量1,300、
末端ビニリデン含有率91%、残留フッ素濃度78ppm
のブテンポリマーが得られた。
固定床容器に、150℃で2時間減圧乾燥した活性アル
ミナ(PROCATALYSE社製、商品名:PSG−D25)を
粒径0.5mmから1.4mmに粉砕して充填した。この
充填容器に、先のブテンポリマーをイソパラフィン溶剤
で粘度30ポイズになるように希釈したものを、温度と
WHSVを変えて通過させ、充填容積に対する通油倍数
24における時点のサンプルを採取し、ブテンポリマー
の末端ビニリデン含有率と残留フッ素濃度とを測定し
た。なお、数平均分子量をGPC((株)島津製作所製)
により、末端ビニリデン含有率をNMR(日本電子(株)
製)により、また残留フッ素濃度を Wickbold−比色法
によりそれぞれ測定した。処理後の残留フッ素濃度、お
よび末端ビニリデン含有率の測定結果を第1表に示す。
素濃度130ppm、末端ビニリデ含有率88%のブテン
ポリマーを、シリカゲルとの接触効率を高める目的でノ
ルマルヘキサンを用いて50%に希釈した。このとき液
の粘度は5センチポイズであった。この希釈ポリマー1
00mlに、燥窒素気流下において150℃で予め加熱
したシリカゲル(商品名:シルビード(Silbead)N、水
沢化学工業(株)製)27gを投入し、室温で1時間攪拌
した。処理後のブテンポリマーの末端ビニリデン含有率
は88%であり、フッ素含有量は66ppm であった。し
たがって、三フッ化ホウ素錯体を触媒としてC4留分を
重合して得られるブテンポリマーの場合には、シリカゲ
ルによる処理を行ってもフッ素を十分に除去することは
できない。
ポリマーの末端ビニリデン結合の含有割合が高いので、
無水マレイン酸等との間で高率のマレイン化反応が進行
するため好ましい。また実質的に残留フッ素が存在しな
いので、ブテンポリマーまたはその変性物を燃料ととも
に燃焼するような場合においても大気中へのフッ素の放
出が少なく、環境保全の面において有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記の工程(I)〜(III)からなること
を特徴とする、フッ素含有率が低くかつ末端ビニリデン
含有率の高いブテンポリマーの製造方法、(I)50重
量%未満のブテン−1、50重量%未満のブテン−2、
100重量%未満のイソブテン、50重量%未満のブタ
ン類および10重量%未満のブタジエンからなるC4供
給原料、該原料中に含まれるイソブテン1モルに対し
0.1〜500ミリモルの三フッ化ホウ素、ならびに該
原料中に含まれるイソブテン1モルに対し0.03〜1,
000ミリモルの錯化剤としてのアルコール類および/
またはジアルキルエーテル類を、それぞれ重合帯域に添
加し、重合温度 −100℃〜+50℃および滞留時間
5分〜4時間の範囲で連続的に液相重合し、(II)前記
重合帯域から流出する反応液中の触媒を失活させた後、
必要により蒸留を行い、残留するフッ素(以下「残留フ
ッ素」という)が1ppm 以上、末端ビニリデン含有率が
60%以上のブテンポリマーを得て、次に、(III)該
ブテンポリマーの残留フッ素濃度を低減し、かつ末端ビ
ニリデン含有率を処理前の該含有率の60%以上に保持
するように、アルミナを含有する無機処理剤(以下「ア
ルミナ含有無機物」という)により該ブテンポリマーを
処理する。 - 【請求項2】 前記工程(III)により得られる重合体
中の残留フッ素含有量が40ppm 未満である請求項1記
載のブテンポリマーの製造方法。 - 【請求項3】 前記工程(III)により得られる重合体
中の末端ビニリデン構造の含有率が、工程(III)によ
る処理前の該含有率の70%以上である請求項1記載の
ブテンポリマーの製造方法。 - 【請求項4】 前記工程(III)において、アルミナ含
有無機物と、残留フッ素を含有するブテンポリマーとの
接触温度が20℃以上220℃以下、好ましくは50℃
以上200℃以下である請求項1記載のブテンポリマー
の製造方法。 - 【請求項5】 前記工程(III)において、アルミナ含
有無機物と、残留フッ素を含有するブテンポリマーとの
平均接触時間が1分以上5時間未満である請求項1記載
のブテンポリマーの製造方法。
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