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JP2000272451A - エアバッグカバーの製造方法 - Google Patents

エアバッグカバーの製造方法

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JP2000272451A
JP2000272451A JP11079796A JP7979699A JP2000272451A JP 2000272451 A JP2000272451 A JP 2000272451A JP 11079796 A JP11079796 A JP 11079796A JP 7979699 A JP7979699 A JP 7979699A JP 2000272451 A JP2000272451 A JP 2000272451A
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engraving
blade
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Tomoji Yamada
智司 山田
Nakao Takayanagi
仲夫 高柳
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Nihon Plast Co Ltd
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Nihon Plast Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグカバーの破断予定線である薄
肉部の形成にあたり、表面側に外観上の欠陥が生じない
製法を提供すること。 【解決手段】 樹脂製のエアバッグカバーの、エアバッ
グの膨脹によって破断する被覆部の内面に弱部を被覆部
の全体としての厚み寸法(t0)よりも小さい厚み寸法
(t1)に形成するエアバッグカバーの製造方法におい
て、この弱部を溝状に彫刻することにより形成すること
を特徴とするエアバッグカバーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、破断予定部の形成
法を改良したエアバッグカバーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エアバッグは衝突などを検出した起動装
置によりインフレータが作動してそのインフレータが発
生する大量の不活性ガスにより膨脹し、乗員と車両室内
の部位、例えばインスツルメントパネルやステアリング
ホイールなどとの間に展開し、衝突時に車両室内に乗員
がぶつかる、いわゆる二次衝突による乗員の負傷を防止
しまたは低減している。
【0003】起動前のエアバッグは、折り畳まれ樹脂製
のカバー体に覆われ、前記の室内の部位に取り付けられ
ており、そのようなエアバッグを覆うカバー体は車両の
内装の一部として、周囲に調和的に配置されている。す
なわち例えばインスツルメントパネルの表皮に近い色調
・光沢になるような樹脂材料と革調などのシボを転写す
る金型を使用して射出成形されている。
【0004】エアバッグカバーのエアバッグ膨出用の開
口が形成される被覆部は所定の肉厚とし、そこに例えば
平面略H字状あるいはU字状の溝部を設けてこの溝部か
ら破断して開口ができるようにするが、溝部で切れて開
口ができるよう、被覆部全般の肉厚に対して急激な薄肉
になるような深溝にするためにエアバッグカバーの溝部
を設けた被覆部の表面側の光沢が周縁部と異なるとの問
題を有している。すなわち、エアバッグカバーを射出成
形するときには、深溝の底部である薄肉部で樹脂の流動
断面が急激に減少して流速が上がり、剪断発熱などし、
樹脂圧力が加わらず、また急激に薄肉になるために成形
後の樹脂収縮差により表面にいわゆるヒケと呼ばれる微
小な凹部、あるいは光沢ムラが生ずる。通常のエアバッ
グカバーおいては被覆部の通常の肉厚は4mm程度であ
るのに対して、深溝部は肉厚が0.8mmを下回るよう
に寸法設定され、深溝部の幅も数mm程度でしかない。
そのため、金型面には表面の微小欠陥を視覚的に隠蔽す
るために均一にシボが付けられていても、製品表面には
光沢の差異がでるのである。そこで、エアバッグカバー
に塗装を施すことにより外観を改良することも行われて
いるが、この方法では製造コストが上昇する。また、別
の外観の改良法として、上記条件における薄肉部とその
周縁部との光沢差の出にくい特殊のエラストマー樹脂を
特定の成形条件のもとで利用し、無塗装で上記課題に対
処する方法もある。しかし、そのようなきわめて特殊な
材料とそれを好適な外観となるように加工できる成形機
を適用し、極めて限定された加工条件を確保すること
は、製品コストの上昇につながる。
【0005】このように従来のエアバッグカバーは成形
時に破断部の最終形状を得るように成形する方法がある
一方、破断部を成形後に加工するやりかたもある。例え
ば特開平6−218811号には、表皮に超音波振動を
加えた押圧部材を当てて、表皮を溶融させ溝を形成する
技術についての開示がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記超
音波を利用する方法は、加熱による樹脂の溶融を伴うた
めに、表面の光沢への影響が避けられず、したがって、
破断確実性を維持するには表面の外観を良好にするにも
自ずと限界がある。
【0007】本発明の目的は、エアバッグカバーの薄肉
部(破断部)の形成による表面側の外観上の問題を、塗
装を要することなく、また特殊な樹脂を使用することな
く、簡易な方法により解消することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、エアバッグカバーの破断用溝部を彫刻すること
により形成することが有効であることを見出し、本発明
に至った。
【0009】即ち、本発明は、(1)樹脂製のエアバッ
グカバーの、エアバッグの膨脹によって破断する被覆部
の内面に弱部を被覆部の全体としての厚み寸法(t0
よりも小さい厚み寸法(t1)に形成するエアバッグカ
バーの製造方法において、この弱部を溝状に彫刻するこ
とにより形成することを特徴とするエアバッグカバーの
製造方法、(2)溝状に彫刻した後、彫刻部とその周縁
部との境界部をエアバッグカバーをなす樹脂を溶融する
ように加熱し、境界部を整形することを特徴とする前記 (1)記載のエアバッグカバーの製造方法、(3)溝状
の弱部は予め被覆部の全体としての厚み寸法よりも小さ
い厚み寸法(tm)に成形され、その後さらに彫刻刃を
用いて所定の厚み寸法(tl)になるように彫刻する前
記(1)又は(2)記載のエアバッグカバーの製造方
法、(4)前記予め成形される厚み寸法(tm)は被覆
部の全体としての厚み(t0)の1/3以上である前記
(3)記載のエアバッグカバーの製造方法、(5)被覆
部には溝状をなす弱部に沿う突条が予め形成され、突条
から弱部の深さ方向に傾斜する傾斜面を有する弱部を形
成する前記(1)に記載のエアバッグカバーの製造方
法、に関する。
【0010】本発明のエアバッグカバーの製造方法にお
いては、被覆部の内面側に設ける溝状の破断予定部であ
る弱部の形成法が重要であり、その他の事項については
とくに制限されるものではない。たとえば、本発明のエ
アバッグカバーは射出成形により予め成形される。そし
て、その被覆部の内面側の所定位置に溝状の弱部を彫刻
することにより形成する。
【0011】彫刻は、彫刻刃、好ましくは回転刃を用い
て所定の溝を形成するのが好ましい方法である。加熱溶
融によらずに、彫刻により溝を形成するので、その表面
側が加熱により影響されることなく、また射出成形によ
り溝を形成する場合に見られるヒケなどの欠陥も生じる
ことがないので、見栄えのよい外観とすることができ
る。また、溝形成部にエアバッグカバーの射出成形の際
に予めある程度薄肉部として形成しておき、次の彫刻量
を低減することができ、加工が容易であるとともに、加
工に伴い発生する切りくずを低減でき樹脂を有効に利用
できる。予め薄肉部を形成する場合においては、被覆部
の表面側に樹脂成形時欠陥が現われないような厚みを確
保することが好ましく、該薄肉部の厚みを被覆部の全体
としての厚みの1/3以上とするのがよい。
【0012】また、彫刻により溝状弱部を形成する際
に、彫刻部とその周縁部との境界部(溝のコーナー部)
には細毛状あるいは薄皮状の切削バリが発生することが
ある。その場合においては、境界部に加熱したこてを当
ててその粗面を溶融し、滑らかに整形することが好まし
い。しかし、加熱は、溝の底部には適用されることがな
いので、その反対側である被覆部の表面側の外観に何ら
影響することがない。前記境界部の粗面を整形して滑ら
かにすることにより、破断時にバリが飛散することを未
然に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例であるエ
アバッグカバーについて図面に基づいて説明する。
【0014】図1はエアバッグカバー11の単体斜視
図、図2は図1のA−A断面におけるエアバッグカバー
11を助手席乗員用のエアバッグモジュール10に組み
付けて車体のインスツルメントパネルに取り付けた状態
を示す断面図である。
【0015】エアバッグモジュール10はエアバッグカ
バー11とリテーナ21とエアバッグ22、インフレー
タ23などからなり、リテーナ21は底部にブラケット
35を溶接して取り付け、ブラケット35のスタッドボ
ルト34をインスツルメントパネル1のスチール製のレ
インフォース2の取り付けプレート3にナット4で固定
する。
【0016】リテーナ21の開口側の周縁部にはフック
21aが設けられ、エアバッグカバー11は縦壁13の
矩形の通孔17にフック21aを引っ掛けるようにして
取り付けられる。フック21aは通孔17に対してルー
ズに係合し、インスツルメントパネル1の開口5を塞ぐ
ように位置し、レインフォース2とインスツルメントパ
ネル1の外表面との距離の微小個体差(ばらつき)を吸
収可能になされる。すなわち、開口5のフチに爪16に
よって係合し、エアバッグカバー11はインスツルメン
トパネル1の外表面から浮き上がったり、落ち込んだり
することなく定位する。
【0017】エアバッグカバー11はオレフィン系エラ
ストマー樹脂(TPO)を用いて射出成形したもので、
エアバッグ22の膨脹による圧力で開裂しドア18を形
成する基板部12があり、上面側は図1においてその一
部のみを示す微細の凹凸であるシボ12aが上面全体に
均一に刻まれている。また12bは、微小段差で凹陥
し、シボ12aとは異なるパターンの微細凹凸と文字を
刻んだ凹陥部である。この凹陥部12bを除いて、エア
バッグカバー11の基板部12は外観としてシボ12a
のみの全体フラットな形状で、内面には、平面略U字状
の凹溝であるテアライン30が設けてある。
【0018】テアライン30の形成方法を図3乃至図7
に基づいて説明する。図3において内面を上にして支持
型51に置き、上方からクランプ52を押し当てて浮き
上がらないよう固定するとともに、支持型51に吸引口
53を設けて図示しない真空ポンプに接続し吸着する。
これにより隙間なくエアバッグカバー11を支持型51
に保持できる。射出成形されたエアバッグカバー11に
は薄肉部が全く設けられていない。したがって、テアラ
インに起因する表面外観への影響が全くない、きわめて
均一な質感を有している。なお、基板部12の一般肉厚
はt0であり、実施例のものは4.3mmである。
【0019】54は回転チャックであり、図示しないフ
ライス機により三軸(X軸、Y軸、Z軸)方向に数値制
御装置(図示しない)により制御がされ、加工対象物で
あるエアバッグカバー11に対して相対的に上下左右所
定の軌跡を描くように可動である。
【0020】回転チャック54の先端にはフライス刃5
6が取り付けられている。フライス刃56の詳細を図6
に示す。この実施例における刃57は周方向に1枚であ
り、15°の傾斜角をつけてある。また傾斜角のついた
切削刃57はテアライン30の深さよりも長いので、基
板部12の平面部に交叉する斜面をなす側壁を形成す
る。基板部12の厚みの微小の高低に対しても切削刃5
7の高さ範囲で対応できる。
【0021】テアライン30は図1に示すように、エア
バッグカバー11の左右方向に延びる第1テアライン部
30aと、第1テアライン部30aの端末を始点に前方
向に延びる第2テアライン部30bと、前記第1テアラ
イン部に平行するように延び第2テアライン部30bの
端末を始点とする第3テアライン部30cと、このさら
に端末から第1テアライン部に向けて延びる第4テアラ
イン部30dとからなり、略左右対称形の溝である。
【0022】フライス刃56を一方の第4テアライン部
30dの終端部30eに対応する位置に下降させ、彫刻
を始める。第4テアライン部は厚み1.0mmを残すよ
うに彫る。それから向きを変えて第3テアライン部を彫
る。第3テアライン部の厚みは同じく1.0mmとす
る。さらに向きを変え、縦壁14に平行して縦壁14の
内側直近に、厚み0.8mmを残すように第2テアライ
ン部30bを彫る。縦壁13の手前で向きを変え、第1
テアライン部30dを厚みを0.5mmを残すように彫
り込む。縦壁14の手前で向きを変え、前記と逆順に、
第2、第3、第4テアライン部30b、30c、30d
の順に前記の肉厚を残すように一筆書き状に彫り進ん
で、終端部30fに到達する。これらの厚みは図4のt
1に相当し、好適なテアライン30の破断のために厚み
1は各部位で微妙に異なる。ここで彫刻を終え、フラ
イス刃56を上昇させる。彫刻を終えた状態のテアライ
ン30の断面概要を図5に示す。テアライン30の溝の
コーナー部(周縁部との境界部)32に細毛状あるいは
薄皮状の切削バリ33が形成される。
【0023】次に、押し型58を当てて、コーナー部3
2の面取りを行う。押し型58は各テアライン部30a
〜30dの形状に合せて各別に形成してもよいし、一つ
の押し型でテアライン30の全体形状をカバーするよう
にしてもよい。あるいは、最小の長さのテアライン部、
例えば第4テアライン部30dの長さを有する押し型と
して、テアライン30の溝に沿って順送りするように押
し当て、コーナー部32を溶融させ、面取りを行い切削
バリ33を溶着しあるいは一体化させる。押し型58は
鋼材でできており、押し型58を収容可能な大きさの外
部加熱装置である高周波加熱装置に入れて所定の温度に
昇温し、直後にテアライン部に当てる。コーナー部32
が溶融されてバリ33とともに整形される。
【0024】好ましくはこの状態で押し型58を急冷
し、すなわち、押し型内部に流体を流す通路を形成して
おき、そこに低温の水、オイルなどの流体を流して冷却
し、押し型58の温度を下げ、押し型に接触するエアバ
ッグカバー11の樹脂を固化させ、押し型58をエアバ
ッグカバー11から引き離す。こうして押し型の形状に
したがってコーナー部32を整形する。
【0025】押し型は内部加熱型(棒ヒーターなどを内
蔵させるもの)でもよいし、超音波振動を印加して接面
の発熱を生起させてもよい。
【0026】またフライス刃56は上記のような直線状
の刃形でもよいし、あるいは最終形状に近い形状に予め
彫り込み可能な形状とし、たとえば図7の押し型58に
ならって略S字状にしてもよい。
【0027】図7の断面で示すように、底部31には到
達しない高さであるから、表面外観に影響するような熱
を底部31に与えない。よって、成形した均一な表面外
観が維持できる。
【0028】発明の他の実施例を図8に基づいて説明す
る。前記実施例と同様の箇所は同一の符号を付して説明
を省略する。エアバッグカバー11は予め溝部40を一
体に成形してある(図8I)。エアバッグカバー11の
基板部12の肉厚t0は4.3mm、肉厚tmは2.0m
mである。エアバッグカバー11の基板部の一般肉厚t
0は通常4.0mm内外であって、溝部40の底36の
厚みはその1/3である1.3mm程度を好適な寸法と
する。t0は3.0mmが通常の限界であり、したがっ
て、この場合における肉厚tmは1.0mmが実用上の
下限である。この底36の厚みとすることにより、射出
成形時の溝部の表面側に現われるヒケや光沢ムラなどを
隠蔽するために通常塗装仕上を要していた熱可塑性エラ
ストマー樹脂であっても光沢ムラが出ないので、あえて
塗装をすることを要しない外観とすることができるフラ
イス刃56は溝部40の幅よりも小径であり、溝部40
の底36にさらに溝を彫刻する(図8II)。このときの
肉厚t1は前記の実施例の寸法に準ずる。溝は二段状に
なり、フライス刃56と底36との境界部32に切削バ
リ33ができる。次に押し型58を当てて切削バリ33
を均すようにして面取りをし、整形して断面略S字状の
側壁とする(図8III)。このとき、押し型58の先端
は底部31には届かないので、表面側に光沢変化を生じ
ない。このように予め浅い溝部40を形成しておくこと
により、フライス刃56の切削する量が少なくできるの
で、加工が容易になるとともに、切り屑となる樹脂量を
低減できるので、切り屑の処理が容易であり、吸引シス
テムの能力が小さくて済み、あるいはその維持の手間が
少なくて済み、全体としてコストの低減につながる。
【0029】図10は基板部12の変形例である。予め
テアライン30の彫刻箇所に例えば断面半円状のビード
37を設けておく(図10 I)。ビード37により、
基板部12とフライス刃56の刃57との接触角度が近
くなりまたは一致し、鋭角なエッジとならない(図10
II)ので、切削バリが極少になりまたは出なくなるの
で、整形工程が容易であり、あるいは整形工程を要しな
い。なお、基板部12は4.3mm、ビードの高さは
0.5〜0.8mm程度でよく、射出成形における表面
外観への問題はない。ビード37はドア18の周縁に沿
って滑らかに形成されているので、ドア18の補強効果
とエアバッグ22の摺接抵抗低減の効果もあり、ビード
37を検出する手段を用いることにより、エアバッグカ
バー11の個体差、支持型51へのセット状態の微小な
ばらつきを容易に検出することもできる。ビード37を
検出しながら加工すれば、さらにバリが少なくテアライ
ンの仕上がりがよくなる。
【0030】また、図1に示したエアバッグカバー11
は、フライス刃56のカットパスを一筆書きとするよう
にU字状としたが、H字状など種々の形状に適用可能で
あることは勿論である。さらに上記実施例は回転刃によ
る実施の形態について説明したが、通常の樹脂材を切り
出すための非回転のカッター刃を使用することもでき
る。このようなカッター刃にあっては、刃の進行方向に
刃先を向けるような制御を行うことにより、テアライン
30を形成できる。またこのようなカッター刃にあって
は、所期の深さに溝を彫るに際して、数回に分け所定の
彫刻を行い、刃に掛かる荷重と、したがってワーク(エ
アバッグカバー)に加わる力を適正な範囲とすることが
可能である。
【0031】さらにまた、コーナー部は加熱による整形
の他、非回転のカッター刃による面取り加工によること
もできる。
【0032】フライス刃56は回転して樹脂との摩擦熱
を発生する。このため、刃57の切削能力に影響するの
で、刃57の温度上昇を防ぐように冷却する。金属のフ
ライス加工に常用される水やオイルなどの液体を用いる
方法は、洗浄や切削屑の除去などの後工程が煩雑さを考
慮する必要がある。そこで例えば図示しないエアーノズ
ルを刃57の先端近くに位置させ、エアーを吹き付け、
または図9に示すようにフライス刃56内にエアー通路
59を設け、刃57に向かってエアーを吹き付けるよう
にする。この冷却のエアーによってまた切削屑を溝部4
0などから除去できる。
【0033】以上に説明した助手席用エアバッグモジュ
ール用カバーの他に、運転席用エアバッグモジュールな
どにも適用でき、テアラインの形状は平面状のU字状の
ほかH字状などでもよく、また立体的に起伏のある被覆
部形状に沿って通常の数値制御(NC)加工機を適用し
て製造することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はエアバッ
グカバーの破断部である溝の形成にあたり、樹脂の加熱
溶融によらない彫刻手段を利用したことにより、従来該
溝部に対応する表面側にヒケや光沢が現われるのを防止
することができる。このため従来、表面側の欠陥を隠蔽
するため、必要とされた塗装を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグカバーの斜視図。
【図2】図1A−A断面説明図で、エアバッグモジュー
ルを組み付けた状態を示す。
【図3】エアバッグカバー被覆部の内面側に溝を形成す
る方法の説明図で、エアバッグカバーを支持型51に保
持した状態を示す。
【図4】同上説明図で、回転刃により彫刻して溝の形成
する状態を示す。
【図5】同上説明図で、形成された溝の断面状態を示
す。
【図6】回転刃の一例の先端拡大説明図。
【図7】溝部のコーナー部(彫刻部と周縁との境界部)
を加熱押し型(こて)により整形面とりしている状態を
示す。
【図8】本発明の別の実施例を説明する図で、溝構成位
置を予め薄肉とした場合を示す。
【図9】本発明に用いる回転刃の例を示す斜視図。
【図10】本発明において弱部(溝)を形成する別の実
施例の説明図で、Iはテアラインの彫刻予定箇所に予め
ビード37を設けた状態を示す。IIは回転刃により彫刻
して弱部(溝)を形成している状態を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製のエアバッグカバーの、エアバッ
    グの膨脹によって破断する被覆部の内面に弱部を被覆部
    の全体としての厚み寸法(t0)よりも小さい厚み寸法
    (t1)に形成するエアバッグカバーの製造方法におい
    て、この弱部を溝状に彫刻することにより形成すること
    を特徴とするエアバッグカバーの製造方法。
  2. 【請求項2】 溝状に彫刻した後、彫刻部とその周縁部
    との境界部をエアバッグカバーをなす樹脂を溶融するよ
    うに加熱し、境界部を整形することを特徴とする請求項
    1記載のエアバッグカバーの製造方法。
  3. 【請求項3】 溝状の弱部は予め被覆部の全体としての
    厚み寸法よりも小さい厚み寸法(tm)に成形され、そ
    の後さらに彫刻刃を用いて所定の厚み寸法(tl)にな
    るように彫刻する請求項1又は2記載のエアバッグカバ
    ーの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記予め成形される厚み寸法(tm)は
    被覆部の全体としての厚み(t0)の1/3以上である
    請求項3記載のエアバッグカバーの製造方法。
  5. 【請求項5】 被覆部には溝状をなす弱部に沿う突条が
    予め形成され、突条から弱部の深さ方向に傾斜する傾斜
    面を有する弱部を形成する請求項1に記載のエアバッグ
    カバーの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007145183A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Inoac Corp エアバッグドア
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