JP2000159047A - エアバッグドア用開裂予定部を有する表皮の製造方法 - Google Patents
エアバッグドア用開裂予定部を有する表皮の製造方法Info
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Abstract
成でき、開裂予定部の形成に高価な装置が必要なく、経
済的に表皮を製造できる方法を提供する。 【解決手段】 エアバッグドアを有する車室側部材のた
めの表皮を真空成形する際、表皮用シート11を加熱軟
化させて真空成形型30に吸引することによって賦形
し、前記真空成形型30に表皮用シートを吸引保持した
状態で当該表皮用シートの前記エアバッグドアに対する
表皮10の開裂予定部20形成位置を加工刃40で押圧
し、溝状の開裂予定部20を形成する。
Description
速やかに展開させるためのエアバッグドア用開裂予定部
を有する表皮の製造方法に関する。
ら安全に保護するために、エアバッグ装置が設けられて
いる場合がよくある。図8および図9に示す様に、この
エアバッグ装置50は、例えば助手席側にあっては、イ
ンストルメントパネル等の車室側部材60の内部に設け
られている。
撃を受けた時には、エアバッグ装置50のインフレータ
ーIが作動し、エアバッグドア収容ケース51内に収容
されているエアバッグAが膨張し、エアバッグドア61
を裏側から押し開いて車室内に展開する。
ッグ収容ケース51に蓋をして車室内の美観を向上さ
せ、また衝撃時にエアバッグ収容ケース51を開いてエ
アバッグAが車室内に展開できるようにするものであ
る。
しては、車室側部材の成形後にエアバッグバッグドアを
組み付ける後付けタイプと、車室側部材の製造時にエア
バッグドアも一体に成形する一体成形タイプとがある。
しかし、後付けタイプは、エアバッグドアを組み付ける
作業が煩わしく、しかもその組み付け時のバラツキ等に
よってエアバッグドア周囲に見苦しい隙間を生じ易い問
題等があるため、一体成形タイプが好んで用いられてい
る。前記車室側部材60はエアバッグドア一体成形タイ
プである。
室側部材60には、この例のようにドア基材67の取り
付けられたインストルメントパネル基材66と表皮62
間で発泡体63を発泡成形したものと、図示しないが、
表面の裏面に射出成形等によって直接インストルメント
パネル基材やドア基材を成形したものとがある。さら
に、前記表皮としては、塩化ビニル樹脂等からなる非発
泡の合成樹脂シートから成形されたものと、非発泡の合
成樹脂層の裏面に発泡層を有する複層の合成樹脂シート
がある。いずれの場合であってもエアバッグ一体成形タ
イプの車室側部材においては、前記表皮62にあらかじ
めエアバッグドア61部分を画定する開裂予定部64が
形成され、エアバッグドア61裏面がエアバッグAの膨
張により押された際に、前記開裂予定部64に沿って車
室側部材60が破断し、エアバッグドア61が開くよう
にされる。なお、図示のものはエアバッグドアが両開き
タイプのものであって、開裂予定部が平面視略H字形状
になっているが、片開きの場合には平面視略コ字形状の
開裂予定部とされる。
アバッグAの押圧によってスムーズに破断するように、
溝やスリット等によって周囲より脆弱にされている。こ
の開裂予定部64の形成は、公知のパウダースラッシュ
成形や真空成形等により車室側部材形状に成形した合成
樹脂製表皮を、受け治具の受け面に配置して開裂予定部
形成位置を加工刃で押圧したり、また、レーザー加工に
よって溝やスリットを形成すること等により行われてい
る。
表皮の成形後、独立した別の工程で行われるため面倒で
あるのみならず、レーザー加工の場合には高価な装置も
必要なため、表皮のコストが上昇するという問題があ
る。また、前記開裂予定部は、1mm厚程度の表皮に対
し約0.5ないし0.7mmの深さの溝状とされるた
め、該開裂予定部の形成作業を慎重に行わなければなら
なかった。しかも、加工刃の押圧によって表皮の開裂予
定部を形成する場合には、表皮が受け治具の受け面で滑
ってずれ易く、所定の開裂予定部を正確かつ一定して形
成しにくい問題がある。
点に鑑みてなされたもので、表皮の真空成形時に開裂予
定部を効率良く形成でき、しかも開裂予定部の形成に高
価な装置が必要なく、経済的に表皮を製造できる方法を
提供するものである。
明は、エアバッグドアを有する車室側部材のための表皮
を真空成形する際、表皮用シートを加熱軟化させて真空
成形型に吸引することによって賦形し、前記真空成形型
に表皮用シートを吸引保持した状態で当該表皮用シート
の前記エアバッグドアに対する表皮の開裂予定部形成位
置を加工刃で押圧し、溝状の開裂予定部を形成すること
を特徴とするエアバッグドア用開裂予定部を有する表皮
の製造方法に係る。
を有する車室側部材のための表皮を真空成形する際、真
空吸引用貫通孔が形成された基材を真空成形型の型面に
保持し、表皮用シートを加熱軟化させて前記基材表面に
接着剤を介して吸引することによって、前記表皮用シー
トを賦形するとともに基材と接着一体化し、前記真空成
形型に基材及び表皮用シートを吸引保持した状態で当該
表皮用シートの前記エアバッグドアに対する表皮の開裂
予定部形成位置を加工刃で押圧し、溝状の開裂予定部を
形成することを特徴とするエアバッグドア用開裂予定部
を有する表皮の製造方法に係る。
を詳細に説明する。図1はこの発明の一実施例における
真空成形時の加熱工程と賦形工程を示す断面図、図2は
加工刃による押圧工程と脱型工程を示す断面図、図3は
加工刃による押圧時の拡大断面図、図4はこの発明のそ
の他の例における真空成形時の基材配置工程から賦形工
程を示す断面図、図5は加工刃による押圧工程と脱型工
程を示す断面図、図6はトリミング工程を示す断面図、
図7は加工刃による押圧時の拡大断面図である。
プの車室側部材に用いられる表皮の製造方法に関し、以
下に詳述するように表皮を真空成形する際にエアバッグ
ドア用開裂予定部を形成するものである。なお、以下の
実施例は、先に従来技術の項で説明した図8と同様の外
形からなるインストルメントパネル用表皮を製造する例
であり、エアバッグドアに対する開裂予定部は前記のよ
うに略H字形あるいは略コ字形等、適宜の形状に形成さ
れる。また、インストルメントパネル(車室側部材)
は、前記のように表皮とインストルメントパネル基材間
で発泡体が成形されるもの、あるいはインストルメント
パネル基材の表面に直接表皮が積層されるもののいずれ
であってもよい。
シート11の加熱工程を行う。この工程では、表皮用シ
ート11をヒーター等の加熱手段Mで加熱軟化させて賦
形可能な状態とする。表皮用シート11は、加熱により
軟化して賦形可能になる熱可塑性合成樹脂からなり、例
えば、軟質塩化ビニル樹脂やポリオレフィン樹脂等から
なる非発泡の合成樹脂シート、あるいはポリオレフィン
系熱可塑性エラストマー(TPO)等からなる非発泡層
の裏面にポリエチレン発泡体等からなる発泡層を有する
複層合成樹脂シート等、適宜の材質が選択される。この
例の表皮用シート11は、厚み0.6mmのポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーからなる非発泡層12の裏
面に、厚み1.0mmのポリエチレン発泡層13(図3
に示す)を有する二層構造のものである。
程を行う。この賦形工程では、前記加熱軟化した表皮用
シート11を、真空成形型30の型面31に真空吸引し
て真空成形型30の型面31形状に賦形する。真空成形
型31は、目的とする車室側部材の外形に応じた形状の
型面31を有し、その型面31に多数の吸引孔35,3
5,…が形成されている。前記型面の吸引孔35は、台
部33の吸引口34を介して真空吸引装置(図示せず)
に通じ、その真空吸引装置の作動により型面31と表皮
用シート11間を減圧にして表皮用シート11を型面3
1に吸着する。
0による押圧工程を行う。この工程では、前記表皮用シ
ート11の賦形後、該表皮用シート11が未だ真空成形
型30に吸引保持されている状態で、加工刃40を表皮
用シート11の表面における表皮10の開裂予定部20
形成位置に押圧し、開裂予定部20形成位置に断面略V
字形の溝からなる開裂予定部20を形成する。その際、
表皮用シート11は真空成形型30に吸引保持されてい
るため、加工刃40で押圧しても表皮用シート11が位
置ずれせず、正確に押圧でき、一定の開裂予定部20を
形成できる。開裂予定部20の深さは、表皮用シート1
1の厚みや材質によっても異なるが、この例では0.3
mmとされる。
ト11が賦形直後のまだ十分に温度が高い軟化状態の時
点で行うのが好ましい。軟化している表皮用シート11
は加工がし易いため、強く押圧しなくても溝21が形成
されるとともに、薄肉とする開裂予定部20の微妙な厚
み調節が容易になる。
みが厚すぎると、表皮用シート11表面の押圧部両側、
すなわち開裂予定部の両側に沿って土手状の盛り上がり
を生じ易く、得られる表皮の開裂予定部の外観が損なわ
れるため、0.4mm〜0.8mm厚程度の細い刃先4
1にするのが好ましい。また、加工刃40はその刃先4
1が開裂予定部20の形状に応じて略H字形あるいは略
コ字形等とされ、エアーあるいは油圧シリンダー装置等
の作動装置45で表皮用シート11の開裂予定部20形
成位置に向けて前進後退可能とされる。さらに、加工刃
の刃先が連続してなく、のこぎりの歯のように凹凸のあ
るものとして、薄肉部が断続する溝状開裂予定部として
もよい。
あるいは冷風や冷水の吹き付け等による強制冷却によっ
て形状が固定された後、図2の(D)に示すように表皮
用シート11を真空成形型30の型面31から剥がす脱
型工程を行い、その後必要に応じて表皮用シート11の
不要部をトリミングして所望の表皮10を得る。このよ
うにして得られた表皮10は、所要形状に賦形されてい
ると共に、エアバッグドアに対応する開裂予定部20を
有しており、従来のように後加工によって開裂予定部2
0を形成する必要がない。
その後車室側部材の成形に供される。その際、車室側部
材が表皮10と、ドア基材の取り付けられたインストル
メントパネル基材間に発泡体を有する構造の場合には、
発泡成形型に前記表皮と、ドア基材の取り付けられたイ
ンストルメントパネル基材をセットし、表皮10とイン
ストルメントパネル基材間に発泡原料を注入し発泡させ
ることによって車室側部材が成形される。
裂予定部を有する表皮を基材と一体に成形する場合を図
4ないし図7に従って説明する。なお、基材は、あらか
じめ射出成形等によって所定形状に成形されたものであ
って、図示しないがインストルメントパネル基材の一部
にスリットやノッチ等によって略U字形あるいはH字形
等にエアバッグドア基材部分が区画形成されたもの、あ
るいはインストルメントパネル基材にエアバッグ開口部
が形成され、該開口部にエアバッグドア基材が開閉可能
に取り付けられたもの等、適宜のものが用いられる。
引用貫通孔15が形成されている基材14を真空成形型
30aの型面31aに保持する基材配置工程を行う。基
材14は真空成形型30aの所定の位置に配置されて型
面31aに保持される。基材14に形成されている該真
空吸引用貫通孔15は、真空成形型30aの型面31a
に形成されている真空吸引孔35aと対応する位置や、
その他適宜の位置に設けることが望ましい。また、基材
14の表面には接着剤が塗布され、後述する表皮用シー
トが基材14と接着できるようにされる。
シート11aの加熱工程を行う。表皮用シート11aを
ヒーター等の加熱手段Mで加熱軟化させて賦形可能な状
態とする。表皮用シート11aは、前記した実施例と同
様の原料および構造のものを使用している。
行う。賦形工程では、加熱軟化した表皮用シート11a
を、前記真空成形型30aの基材14表面に真空吸引し
て吸着させ、基材14の表面形状に賦形する。真空吸引
装置(図示せず)は基材14の真空吸引貫通孔15およ
び真空成形型31aの真空吸引孔35に通じ、その装置
の作動により型面31aと基材14間および基材14表
面と表皮用シート11aの間を減圧し、基材14を型面
31aにまた表皮用シート11aを基材14表面に吸着
している。さらに、この吸着によって表皮用シート11
aは、基材14表面の接着剤を介して基材14と接着一
体化する。なお、符号33aは真空成形型の台部、符号
34aは真空吸引装置に通じる吸引口である。
大する図7に示すように加工刃40aによる押圧工程を
行う。この工程では、前記真空成形型30aに基材14
及び表皮用シート11aを吸引保持した状態で、前記実
施例と同様に、賦形された表皮用シート11aの表面に
おける表皮の開裂予定部形成位置に加工刃40aを押圧
し、開裂予定部形成位置に断面略V字形の溝からなる開
裂予定部20aを形成する。その際、基材14及び表皮
用シート11aは真空成形型30aの型面31aに吸引
保持され、さらに基材14と表皮用シート11aは接着
一体化しているため、表皮10aがずれることなく正確
な位置に加工刃40aを押圧でき、一定位置に開裂予定
部20aを形成できる。また、賦形直後の未だ柔らかい
表皮用シート11aに対して加工刃による押圧を行え
ば、強く押圧しなくても溝21aが形成され、薄肉の開
裂予定部20aの微妙な厚み調節が容易になる。
1aが強制冷却によって形状固定された後、図5の
(D)に示すように真空成形型30aの型面31aから
剥がす脱型工程を行い、図6に示すように不要部分16
のトリミング工程を必要に応じて行う。このようにし
て、基材14と一体になった所望の表皮10aを得る。
エアバッグドア用開裂予定部を有する表皮の製造方法に
よれば、表皮を賦形するための真空成形の工程で、加工
刃を用いて開裂予定部を成形するため、表皮成形後の余
分な後工程によって開裂予定部を形成する必要がなくコ
ストを抑えることができ効率もよくなる。
た表皮用シートに対して開裂予定部を形成しているた
め、基材に対する開裂予定部の位置も考慮して表皮を一
体化することができ、後工程との際に表皮と基材を一体
化するものに比べてより開裂予定部の成形位置が正確に
行え、作業も簡単に行える。
ような高価、複雑な装置を必要としないため、経済的で
ある。さらに、表皮用シートを真空成形型に吸引保持し
た状態で加工刃により押圧して開裂予定部を形成するた
め、開裂予定部形成時に表皮用シートが位置ずれせず、
開裂予定部を所定の位置に正確に形成できる。
工程と賦形工程を示す断面図である。
である。
工程と加熱工程と賦形工程を示す断面図である。
である。
トパネルを示す斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 エアバッグドアを有する車室側部材のた
めの表皮を真空成形する際、 表皮用シートを加熱軟化させて真空成形型に吸引するこ
とによって賦形し、前記真空成形型に表皮用シートを吸
引保持した状態で当該表皮用シートの前記エアバッグド
アに対する表皮の開裂予定部形成位置を加工刃で押圧
し、溝状の開裂予定部を形成することを特徴とするエア
バッグドア用開裂予定部を有する表皮の製造方法。 - 【請求項2】 エアバッグドアを有する車室側部材のた
めの表皮を真空成形する際、 真空吸引用貫通孔が形成された基材を真空成形型の型面
に保持し、表皮用シートを加熱軟化させて前記基材表面
に接着剤を介して吸引することによって、前記表皮用シ
ートを賦形するとともに基材と接着一体化し、前記真空
成形型に基材及び表皮用シートを吸引保持した状態で当
該表皮用シートの前記エアバッグドアに対する表皮の開
裂予定部形成位置を加工刃で押圧し、溝状の開裂予定部
を形成することを特徴とするエアバッグドア用開裂予定
部を有する表皮の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP10340377A JP2000159047A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | エアバッグドア用開裂予定部を有する表皮の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP10340377A JP2000159047A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | エアバッグドア用開裂予定部を有する表皮の製造方法 |
Publications (1)
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JP (1) | JP2000159047A (ja) |
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- 1998-11-30 JP JP10340377A patent/JP2000159047A/ja active Pending
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