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JP2000256999A - 活性炭成型体、その製造方法及びそれを用いた浄水器 - Google Patents

活性炭成型体、その製造方法及びそれを用いた浄水器

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JP2000256999A
JP2000256999A JP11062466A JP6246699A JP2000256999A JP 2000256999 A JP2000256999 A JP 2000256999A JP 11062466 A JP11062466 A JP 11062466A JP 6246699 A JP6246699 A JP 6246699A JP 2000256999 A JP2000256999 A JP 2000256999A
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activated carbon
water
water purifier
pore volume
cartridge
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JP4043634B2 (ja
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Tetsuya Tsushima
哲也 津島
Hiroe Takatori
寛枝 鷹取
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Kuraray Chemical Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 飲料水中の遊離塩素、黴臭、トリハロメタン
及び重金属を除去することのできる浄水器を提供する。 【解決手段】 繊維状活性炭、二酸化チタン、二酸化ケ
イ素及びバインダーからなる混合物を成型して成型体と
し、カートリッジに作製してハウジングに挿入し、浄水
器であり、繊維状活性炭は、比表面積が1300m
g以上であり、累積細孔容積が0.20cc/g以上で
あり、かつ累積細孔容積が、細孔半径100Å以下の細
孔の占める累積細孔容積の50%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は活性炭成形体、その
製造方法及びそれを用いた浄水器に関する。さらに詳し
くは、繊維状活性炭、二酸化チタン、二酸化ケイ素及び
バインダーからなる混合物を成型した活性炭成型体、そ
の製造方法及びそれを用いた浄水器に関する。本発明の
活性炭成型体は、水中の遊離塩素、黴臭及びトリハロメ
タンの吸着除去性能に優れているだけでなく、鉛などの
重金属の吸着除去性能に優れているので、カートリッジ
に作製してハウジングに装填し、浄水器として好適に使
用される。
【0002】
【従来の技術】活性炭は各種汚染物質の吸着能に優れて
いるので、浄水用に多く使用されている。近年、飲料
水、とくに水道水の水質に関する安全衛生上の関心が高
まってきており、飲料水中に含まれる塩素、トリハロメ
タン、黴臭などの有害物質を除去することが望まれてい
る。これらの要求に対しては、従来から粒状の活性炭を
ハウジングに充填した浄水器が主として検討されてきた
が、通水時の圧損が大きくなるため、活性炭として繊維
状の活性炭を使用することが多くなっている。
【0003】例えば、特開平6−106162号公報及
び特開平6−106162号公報に、繊維状活性炭を使
用して水道水中の遊離塩素及び黴臭を吸着する浄水器が
提案され、特開昭62−152533号公報、特開平6
−99064号公報、特開平6−99065号公報及び
特開平6−106161号公報に、特定の繊維状活性炭
を使用して水道水中のトリハロメタンを除去することが
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した浄水器によれ
ば、特定の繊維状活性炭を使用することにより、水道水
中の遊離塩素、黴臭及びトリハロメタンを吸着除去する
ことができ、しかも、充填材が繊維状であるため、粒状
の吸着剤を使用する場合に比べて通水時の抵抗が低いと
いう利点がある。しかしながら、飲料水の味を改善する
意味では勿論、最近では、環境ホルモン問題が大きく取
り上げられるようになり、環境庁が定めた内分泌攪乱作
用が疑われている物質として鉛があげられていることも
あり、水道水から鉛などの重金属を極力除去する要求が
強くなってきている。
【0005】これまで、水中の鉛除去に関し、エンゲル
ハルド社からATSの商品名で二酸化チタン及び二酸化
ケイ素を主成分とする粒状体が市販されており、これを
活性炭に担持した商品名ATCが水処理に使用され、鉛
の除去性能に優れていることが報告されている(Rep
ort on UltraPure Systems,
Inc.WP―500LR Countertop D
rinking Water Treatment S
ystem、1992年)。また、本出願人は、重金属
イオンの除去性に優れる浄水器用カートリッジとして、
繊維状活性炭、二酸化ケイ素、及び酸化マグネシウム又
は酸化アルミニウムを主成分とする焼成物を成型したカ
ートリッジを特願平5−180839号(特開平7−2
56239号)としてすでに特許出願した。
【0006】水道水基準によると、水道水中の鉛の許容
含有量は50ppb以下と規定され、浄水器協議会の基
準でも同様であるが、上述したように、最近では飲料水
の味については勿論、鉛などの重金属に対する要求は極
めて厳しいものがあり、遊離塩素、黴臭の除去性能に加
え、トリハロメタンや重金属イオンの除去性能にも優れ
る浄水器が要望されている。したがって、本発明の目的
は、水中の遊離塩素及び黴臭の除去性能に優れ、しかも
トリハロメタンや重金属の除去性能にも優れた、通水抵
抗が低い浄水器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ね、繊維状活性炭、二酸化チタン及び二酸化ケイ素
を混合して成型した成型体により上記目的を達成するこ
とができることを見出し、本発明に到達した。すなわち
本発明は、繊維状活性炭、二酸化チタン、二酸化ケイ素
及びバインダーからなる混合物を成型せしめてなる活性
炭成型体である。
【0008】本発明のもう一つの発明は、繊維状活性
炭、二酸化チタン、二酸化ケイ素及びバインダーからな
る混合物を水中に分散してスラリーとし、該スラリーを
通液性の容器に注入して成型せしめ、乾燥することを特
徴とする活性炭成型体の製造方法である。
【0009】本発明の別の発明は、このような活性炭成
型体を、好ましくはカートリッジに作製してハウジング
に装填してなる浄水器である。
【0010】本発明のさらに別の発明は、空間速度が2
000(1/Hr)以下で累積透過水量が140(L/
cc)のときに鉛の除去率が80%以上である浄水器で
ある。1/Hrは時間の逆数であり、Lはリットルを表
す。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において使用される繊維状
活性炭としては、ピッチ系、フェノール系、セルロース
系などの繊維を炭化した後、水蒸気、ガス又は薬品で賦
活して調製されたものが使用される。これらの繊維状活
性炭は3〜5mm程度に切断して使用する方が成型体に
成型しやすく、好ましい。水道水中の遊離塩素をよく除
去するには、ヨウ素吸着量が1200〜3000mg/
gの繊維状活性炭を使用するのが好ましい。
【0012】水道水中のトリハロメタンの除去性能をよ
くするには、比表面積1300m/g以上で、水蒸気
吸着法で測定した細孔半径が9Å〜16Åの細孔の占め
る累積細孔容積が0.25cc/g以上で、かつ上記累
積細孔容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める累
積細孔容積の50%以上の繊維状活性炭を使用するのが
好ましい。また、比表面積800m/g以上で、水蒸
気吸着法で測定した細孔半径が9Å以下の細孔の占める
累積細孔容積が0.20cc/g以上で、かつ上記累積
細孔容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める累積
細孔容積の50%以上の繊維状活性炭を使用してもよ
い。さらに、不活性ガス雰囲気中で、温度1200℃〜
1700℃で加熱処理された繊維状活性炭を使用しても
よい。
【0013】本発明でいう比表面積とは、液体窒素温度
での窒素ガス吸着等温線を作成し、BET法により求め
られる値であり、また、細孔半径は水蒸気吸着法により
測定されるものである。水蒸気吸着法により測定される
細孔半径とは、例えば特開平7−171385号公報な
どに詳述されているように、硫酸水溶液の硫酸濃度と平
衡水蒸気圧との間に一定の関係があることを利用し、繊
維状活性炭の各種濃度の硫酸水溶液における飽和吸着量
を求め、対応する細孔半径をKelvinの式に基づい
て算出し、対応する細孔半径以下の累積細孔容積を求
め、細孔半径に対してプロットして細孔分布曲線を作成
し、求められるものである。
【0014】本発明に使用される二酸化チタンとして
は、触媒機能に優れる点で、結晶構造がアナターゼ型の
ものが好ましい。粒径は小さい方が重金属イオンの吸着
速度に優れるので好ましいが、あまり小さいと繊維状活
性炭の繊維間に固定するのが困難となり、固定のために
バインダーを多く必要とするので、通水抵抗が大きくな
る傾向にある。したがって、粒子の粒径は、好ましくは
100μm以下、さらに好ましくは3μm〜90μmの
ものを使用するのが望ましい。二酸化ケイ素粒子の粒径
も上述した同じ理由から、好ましくは100μm以下、
さらに好ましくは3μm〜90μmである。
【0015】二酸化チタンと二酸化ケイ素は別々に調合
してもよいが、二酸化チタン及び二酸化ケイ素を混合物
として予め成形された無機化合物を使用すると、効率よ
く成型することができ、また重金属イオンの除去効果に
優れる傾向にあり好ましい。このような無機化合物とし
ては、例えばエンゲルハルド社からATSの商品名で市
販されている粒状に成形された化合物を例示することが
できる。二酸化チタンは、あまり少ないと効果の発現に
乏しく、またあまり多くてもそれほどの効果が発現しな
いので、二酸化ケイ素100重量部に対し、20〜20
0重量部で使用される。
【0016】バインダーは、繊維状活性炭、二酸化チタ
ン及び二酸化ケイ素を成型するのにバインダー効果を発
揮するものであればよいが、本発明の成型体は飲料水の
浄水用に使用する点で、ミクロフィブリル化繊維、熱融
着繊維、熱融着樹脂粉末又は熱硬化性樹脂粉末を使用す
るのが好ましい。ミクロフィブリル化繊維としては、ミ
クロフィブリル化ポリエチレン、ミクロフィブリル化ポ
リプロピレン、ミクロフィブリル化ナイロン、ミクロフ
ィブリル化セルロースなどを例示することができる。
【0017】熱融着繊維としては、例えば、ポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリ
アクリル系繊維、ポリエステルーポリエチレン芯鞘繊維
などをあげることができる。また、熱融着性の樹脂粉末
としては、例えば、ポリエチレン粉末、ポリプロピレン
粉末などをあげることができる。粉末の中心平均粒子径
は1〜50μmのものが活性炭を固定化する効果が大き
く、好ましい。
【0018】本発明の成型体を製造するには、先ず、繊
維状活性炭、二酸化チタン、二酸化ケイ素及びバインダ
ーをよく混合する。これらの混合割合は、繊維状活性炭
100重量部に対し、二酸化チタン及び二酸化ケイ素5
〜400重量部、バインダー5〜50重量部で実施され
る。次いで、該混合物を、固形物濃度が1〜5重量%と
なるように水中に分散させ、スラリーを調製する。そし
て、予め作製しておいた所望の形状の通水性の容器に該
スラリーを流し込んで乾燥し、成型体とする。
【0019】バインダーとして熱融着繊維又は熱融着樹
脂粉末を使用する場合は、上記のようにして成型し、乾
燥した後、さらに加熱処理することにより、成型物が強
固に融着され、一層成型物の形状安定性及び強度を高め
ることができる。熱融着する方法は、とくに限定され
ず、例えば遠赤外線を照射して熱融着繊維又は熱融着樹
脂粉末を溶融する方法によってもよいが、単に乾燥機な
どに成型体を静置して熱処理してもよい。この場合、熱
処理は通常、80〜140℃程度、8〜16時間程度で
行われる。
【0020】容器の形状としては種々の通水性のものが
作製可能であり、種々の成型体に成型することができ
る。成型体をカートリッジに作製すると、それをハウジ
ングに装填して浄水器として使用することができるが、
成型体を浄水器用のカートリッジとして使用する場合
は、円筒状の容器とするのが通水抵抗を低下することが
でき、しかもカートリッジの装填・交換作業が簡単であ
り、好ましい。
【0021】円筒状のカートリッジは、例えば200メ
ッシュのステンレス製の金網で通水性の円筒形容器を作
製しておき、この中に同じ長さの金網で小径の円筒形容
器を作製して挿入することによって二重管状容器とし、
該二重管状容器の内管と外管との間にスラリーを流し込
むことによって成型することができる。
【0022】カートリッジはハウジングに装填し、通水
に供されるが、通水方式としては、原水を全量濾過する
全濾過方式や循環濾過方式が採用される。原水及び透過
水中の遊離塩素、鉛、トリハロメタンなどの濃度は、公
知の分析方法によって測定することができ、例えば遊離
塩素の濃度はO―トリジン法、鉛の濃度は原子吸光光度
法などにより測定することができる。トリハロメタンの
濃度は、試料を容器に採取し、密閉して気相部分をサン
プリングし、ガスクロマトグラフで分析することによっ
て測定することができる。また、2−メチルイソボネオ
ール(2−MIB)は、濃縮してガスクロマトグラフー
質量分析によって測定することができる。通水は200
0(1/Hr)以下、好ましくは1000〜2000
(1/Hr)の空間速度(SV)で実施され、原水及び
透過水中の遊離塩素、トリハロメタン、鉛などの濃度か
ら計算される各除去率と、通水開始から流した水量
(L)とカートリッジの容積(cc)の比(累積透過水
量L/cc)との関係をプロットすることにより、浄水
器の性能を確認することができる。
【0023】本発明の浄水器は、とくに鉛の除去性能に
優れており、SVが2000(1/Hr)以下で累積透
過水量が140(L/cc)のときに80%以上の鉛除
去率を示す。本発明の活性炭成型体によれば、鉛イオン
の他、コロイド状鉛も除去可能である。浄水器に装填す
るカートリッジは、繊維状活性炭、二酸化チタン、二酸
化ケイ素及びバインダーからなる混合物を成型せしめて
なる活性炭成型体を使用するのが好ましい。以下、本発
明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0024】
【実施例】実施例1 ヨウ素吸着量1500mg/g、平均繊維径15μmの
繊維状活性炭(クラレケミカル株式会社製FR―15)
を長さ3mmにカットし、粒径3〜20μmのエンゲル
ハルド社製ATS(二酸化チタン55重量%、二酸化ケ
イ素35重量%)及びユニチカ株式会社製の熱融着繊維
アピエールA―1AWと、繊維状活性炭:ATS:バイ
ンダーを8:2:1(重量比)の割合で混合した後、固
形物濃度が3重量%になるように水中に分散し、スラリ
ーを調製した。
【0025】200メッシュのステンレス金網で、直径
3.6cm、長さ8cmの円筒状の容器を作製し、この
中に同じ金網で作製した直径1cm、長さ8cmの円筒
状の容器を挿入して、二重管状の容器を作製した。該二
重管状容器の内管と外管との間に上記スラリーを注入
し、乾燥して円筒状の成型体を作製した。
【0026】該成型体を長さ7cmに切断し、外径3.
6cm、内径1cm、長さ7cm(容積65ml、重量
16g)のカートリッジとし、ハウジングに装填し、浄
水器とした。水道水に次亜塩素酸ナトリウムと硝酸鉛を
加えて、遊離塩素濃度が2ppm、鉛イオンを50pp
bになるように調整した原水をカートリッジの外側から
1.3L/分の割合で全濾過式に通水し、試験を行っ
た。このときのSVは1200(1/Hr)であった。
透過した水について、遊離塩素をO―トリジン法により
分光光度計で測定し、鉛イオンを原子吸光光度法により
分析した。試験開始から流した水量とカートリッジの容
積の比を累積透過水量(L/cc)とし、遊離塩素の除
去率(%)及び鉛除去率(%)との関係を調べた。結果
を図1に示す。また、原水を2L/分で通水したときの
初期通水抵抗は0.35kg・f/cmであった。1
は遊離塩素の除去率(%)、2はトリハロメタンの除去
率(%)、3は鉛の除去率(%)である。
【0027】実施例2〜4 次の3種類の繊維状活性炭を準備した。 1.平均繊維径が14μmのフェノール系樹脂繊維(日
本カイノール社製KT2400)を、1300℃のLP
Gガス(プロパン/空気の容積比が約1/24の混合ガ
スを燃焼させて得られたHO、CO、CO、H
及びNの混合ガス)を供給しながら12分処
理して、平均繊維径10μm、比表面積2100m
g、水蒸気吸着法で測定した細孔半径が9Å〜16Åの
細孔の占める累積細孔容積が0.57cc/g、上記累
積細孔容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める累
積細孔容積の76.0%であるヨウ素吸着量が2000
mg/gの繊維状活性炭を得た。
【0028】2.同じフェノール系樹脂繊維(日本カイ
ノール社製KT2400)を、980℃のLPGガス
(プロパン/空気の容積比が約1/24の混合ガスを燃
焼させて得られたHO、CO、CO、H、C
及びNの混合ガス)を供給しながら10分処理し
て、平均繊維径10μm、比表面積1310m/g、
水蒸気吸着法で測定した細孔半径が9Å以下の細孔の占
める累積細孔容積が0.465cc/g、上記累積細孔
容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める累積細孔
容積の87.4%であるヨウ素吸着量が1280mg/
gの繊維状活性炭を得た。
【0029】3.クラレケミカル株式会社製の繊維状活
性炭(商品名クラクテイブFT300−20)に、窒素
ガスを0.5l/分導入しながら、昇温速度10℃/分
で1500℃まで昇温し、ひき続き窒素中1500℃6
0分で熱処理し、冷却後取り出した。以上の3種類の繊
維状活性炭を使用し、実施例1と同様にして成型体を作
製し、ハウジングに充填して浄水器とした(各々実施例
2〜4)。
【0030】水道水に、黴臭成分として2−MIBを1
00ppt(parts pertrillion)、
トリハロメタンとしてクロロホルム25ppb、ブロモ
ジクロロメタン10ppb、ジブロモクロロメタン10
ppb及びブロモホルム5ppbの濃度になるように加
え、さらに次亜塩素酸ナトリウムと硝酸鉛を加えて、遊
離塩素濃度が2ppm、鉛イオンが50ppbになるよ
うに調整し、試験用の原水とした。実施例1と同様にし
て、上記3種類の成型体を充填した浄水器について通水
試験を実施した。上記3種類についての通水試験の結果
を各々図2〜図4に示す。透過水の黴臭は殆どなかっ
た。
【0031】実施例5〜7 熱融着繊維として、東洋紡績株式会社製のアクリル繊維
からなるR56F、旭化成工業株式会社製のアクリル繊
維からなるA―104及び株式会社クラレ製のPET繊
維EP101を使用し、成型して乾燥した後、900℃
で5時間の熱処理を施す以外は実施例1と同様にして通
水試験を実施したところ、図1とほぼ同じ結果を得た。
【0032】比較例1 エンゲルハルド社製の浄水用の粒状活性炭(商品名AT
C:活性炭に二酸化ケイ素及び二酸化チタンを担持)を
使用して通水試験を行った。原水を2L/分で通水した
ときの初期通水抵抗は0.46kg・f/cmであ
り、図5に示すように、鉛除去性能は本発明の成型体を
使用した場合よりも50%低かった。
【0033】比較例2 特開平7―256239号公報の実施例2に従って実施
例1と同じ大きさのカートリッジを作製し、ハウジング
に装填して浄水器とし、実施例1と同様に原水を通水し
て試験した。結果を図6に示す。以上の結果から本発明
の効果は明らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明により、繊維状活性炭、二酸化チ
タン、二酸化ケイ素及びバインダーからなる混合物を成
型した成型体を得ることができる。本発明の成型体は、
遊離塩素及び黴臭の他、トリハロメタンや鉛などの重金
属の除去性能に優れているので、カートリッジに作製
し、ハウジングに挿入して浄水器として好適に使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した浄水器の試験結果を示すグ
ラフである。
【図2】実施例2で作製した浄水器の試験結果を示すグ
ラフである。
【図3】実施例3で作製した浄水器の試験結果を示すグ
ラフである。
【図4】実施例4で作製した浄水器の試験結果を示すグ
ラフである。
【図5】比較例1で作製した浄水器の試験結果を示すグ
ラフである。
【図6】比較例2で作製した浄水器の試験結果を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1…遊離塩素除去率(%) 2…トリハロメタン除去率(%) 3…鉛除去率(%)
フロントページの続き Fターム(参考) 4D024 AA02 AB11 AB16 BA02 BA14 BB02 BB05 CA04 CA11 4G046 HA05 HB03 HB05 HB07 HC12 4G066 AA05B AA10D AA22B AA23B AC17D AC23D AC25A AE11D AE12D BA01 BA16 BA20 BA24 BA25 BA26 BA36 CA02 CA21 CA33 CA46 DA07 FA18 FA28 FA34 4L037 AT18 CS06 FA02 FA12 FA20 PA38 UA20 4L055 AF03 AF46 AG18 AG19 AG96 AG98 AH37 AH48 AH49 BF08 EA17 EA18 EA20 FA30 GA31

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状活性炭、二酸化チタン、二酸化ケ
    イ素及びバインダーからなる混合物を成型せしめてなる
    活性炭成型体。
  2. 【請求項2】 該二酸化チタン及び二酸化ケイ素が混合
    物として予め成形された無機化合物である請求項1記載
    の活性炭成形体。
  3. 【請求項3】 該繊維状活性炭が、比表面積1300m
    /g以上であり、水蒸気吸着法で測定した細孔半径が
    9Å〜16Åの細孔の占める累積細孔容積が0.25c
    c/g以上であり、かつ上記累積細孔容積が、細孔半径
    100Å以下の細孔の占める累積細孔容積の50%以上
    である請求項1又は2記載の活性炭成型体。
  4. 【請求項4】 該繊維状活性炭が、比表面積800m
    /g以上であり、水蒸気吸着法で測定した細孔半径が9
    Å以下の細孔の占める累積細孔容積が0.20cc/g
    以上であり、かつ上記累積細孔容積が、細孔半径100
    Å以下の細孔の占める累積細孔容積の50%以上である
    請求項1又は2記載の活性炭成型体。
  5. 【請求項5】 該繊維状活性炭が、不活性ガス雰囲気中
    で、温度1200℃〜1700℃で加熱処理されたもの
    である請求項1又は2記載の活性炭成型体。
  6. 【請求項6】 該バインダーが、ミクロフィブリル化繊
    維、熱融着繊維、熱融着樹脂粉末又は熱硬化性樹脂粉末
    である請求項1〜5いずれかの活性炭成型体。
  7. 【請求項7】 該成型体が浄水器用カートリッジである
    請求項1〜6いずれかの活性炭成型体。
  8. 【請求項8】 該カートリッジが、円筒状のカートリッ
    ジである請求項7記載の活性炭成型体。
  9. 【請求項9】 繊維状活性炭、二酸化チタン、二酸化ケ
    イ素及びバインダーからなる混合物を水中に分散してス
    ラリーとし、該スラリーを通液性の容器に注入して成型
    体を成型せしめ、乾燥することを特徴とする活性炭成型
    体の製造方法。
  10. 【請求項10】 該容器が通液性の二重管状の容器であ
    り、該二重管状容器の内管と外管との間隙にスラリーを
    注入して成型体を成型せしめ、乾燥する請求項9記載の
    活性炭成型体の製造方法。
  11. 【請求項11】 該二重管状容器の内管と外管との間隙
    にスラリーを注入して成型体を成型せしめ、乾燥し、さ
    らに熱処理する請求項9又は10記載の活性炭成型体の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜8いずれかの活性炭成型体
    をハウジングに装填してなる浄水器。
  13. 【請求項13】 空間速度が2000(1/Hr)以下
    で累積透過水量が140(L/cc)のときに鉛の除去
    率が80%以上である浄水器。
  14. 【請求項14】 該浄水器のカートリッジが、繊維状活
    性炭、二酸化チタン、二酸化ケイ素及びバインダーから
    なる混合物を成型せしめてなる活性炭成型体である請求
    項13記載の浄水器。
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