JP2000255499A - スラスタの故障検出装置 - Google Patents
スラスタの故障検出装置Info
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- JP2000255499A JP2000255499A JP11059620A JP5962099A JP2000255499A JP 2000255499 A JP2000255499 A JP 2000255499A JP 11059620 A JP11059620 A JP 11059620A JP 5962099 A JP5962099 A JP 5962099A JP 2000255499 A JP2000255499 A JP 2000255499A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 人工衛星の推進装置故障に対する故障耐性を
向上させ、人工衛星の信頼度を高め、機能を喪失する危
険性を低減させるため、従来のテレメトリデータを介し
た地上における故障の判定・対処ではなく、人工衛星の
搭載側において推進装置故障への判定・対処を実施する
必要がある。 【解決手段】 推薬弁と遮断弁との間に圧力センサを設
置し、推薬弁開故障に対して圧力センサによる圧力低下
を検知することにより推薬弁開故障への判定・対処を行
う。
向上させ、人工衛星の信頼度を高め、機能を喪失する危
険性を低減させるため、従来のテレメトリデータを介し
た地上における故障の判定・対処ではなく、人工衛星の
搭載側において推進装置故障への判定・対処を実施する
必要がある。 【解決手段】 推薬弁と遮断弁との間に圧力センサを設
置し、推薬弁開故障に対して圧力センサによる圧力低下
を検知することにより推薬弁開故障への判定・対処を行
う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人工衛星の軌道
制御、姿勢制御に使用される推進装置の故障検出に係
り、特にスラスタの推薬弁故障に対する耐性を向上する
ための推進装置故障検出装置に関する。
制御、姿勢制御に使用される推進装置の故障検出に係
り、特にスラスタの推薬弁故障に対する耐性を向上する
ための推進装置故障検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の人工衛星の推進装置故障検
知方法を示した図である。図5において、2は人工衛星
の推進装置であるスラスタの推薬弁であり、通常は閉状
態であるが、スラスタ駆動コマンドを受けて開状態とな
り、推薬をスラスタ燃焼室に送り込み推力を発生させ
る。3は遮断弁であり、スラスタの推薬弁2の上流側に
配置され、推薬のスラスタへの供給を開閉によりコント
ロールする。7は人工衛星の推進装置各機器のステータ
ス、圧力、温度などのテレメトリを地上局に送信するテ
レメトリ送信装置を表わす。8は人工衛星からのテレメ
トリを受信し、モニタを実施し、推進装置の故障判定を
行う地上局を表わす。
知方法を示した図である。図5において、2は人工衛星
の推進装置であるスラスタの推薬弁であり、通常は閉状
態であるが、スラスタ駆動コマンドを受けて開状態とな
り、推薬をスラスタ燃焼室に送り込み推力を発生させ
る。3は遮断弁であり、スラスタの推薬弁2の上流側に
配置され、推薬のスラスタへの供給を開閉によりコント
ロールする。7は人工衛星の推進装置各機器のステータ
ス、圧力、温度などのテレメトリを地上局に送信するテ
レメトリ送信装置を表わす。8は人工衛星からのテレメ
トリを受信し、モニタを実施し、推進装置の故障判定を
行う地上局を表わす。
【0003】次に動作について説明する。図5において
推進装置各機器のステータス・圧力・温度テレメトリは
テレメトリ送信装置7を介して、地上局8に配信され
る。地上局8においてはテレメトリのモニタを実施し、
テレメトリ値の挙動から推進装置の故障判定を実施す
る。スラスタ推薬弁2が開故障や閉故障を発生した時
は、地上局8に配信される推進装置のテレメトリである
ステータス・圧力、温度に異常な挙動が示されるため、
地上局8において注意深くテレメトリの挙動変化をモニ
タすることにより推進装置の故障を判定する。
推進装置各機器のステータス・圧力・温度テレメトリは
テレメトリ送信装置7を介して、地上局8に配信され
る。地上局8においてはテレメトリのモニタを実施し、
テレメトリ値の挙動から推進装置の故障判定を実施す
る。スラスタ推薬弁2が開故障や閉故障を発生した時
は、地上局8に配信される推進装置のテレメトリである
ステータス・圧力、温度に異常な挙動が示されるため、
地上局8において注意深くテレメトリの挙動変化をモニ
タすることにより推進装置の故障を判定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】人工衛星の推進装置で
あるスラスタにより推力を得るには、スラスタの推薬弁
2に開コマンドを送出し、推薬弁2を開く必要がある。
推薬弁2が開いた状態においては搭載された推薬がスラ
スタ燃焼室に噴射し、推薬燃焼が起こり、推力を得るこ
とができる。スラスタの推薬弁2は開コマンドによる駆
動電気信号を受けない限りは閉状態を保つ機構である。
推薬弁2は推力発生のたびに開閉を繰り返し、過酷な使
用環境にあるため、推薬弁2が閉じることのできない故
障を起こし推薬が漏洩し続ける状況が発生したり、推薬
弁2を開くことのできない故障を発生し、スラスタを使
用する必要がある時に推力が得られない状況が発生した
りする。前者を推薬弁2の開故障、後者を閉故障と呼
ぶ。
あるスラスタにより推力を得るには、スラスタの推薬弁
2に開コマンドを送出し、推薬弁2を開く必要がある。
推薬弁2が開いた状態においては搭載された推薬がスラ
スタ燃焼室に噴射し、推薬燃焼が起こり、推力を得るこ
とができる。スラスタの推薬弁2は開コマンドによる駆
動電気信号を受けない限りは閉状態を保つ機構である。
推薬弁2は推力発生のたびに開閉を繰り返し、過酷な使
用環境にあるため、推薬弁2が閉じることのできない故
障を起こし推薬が漏洩し続ける状況が発生したり、推薬
弁2を開くことのできない故障を発生し、スラスタを使
用する必要がある時に推力が得られない状況が発生した
りする。前者を推薬弁2の開故障、後者を閉故障と呼
ぶ。
【0005】従来の人工衛星においては、上記の推薬弁
2の開故障や閉故障が発生した場合は、人工衛星より地
上局8に送られるテレメトリデータをもとに地上におい
て故障の判定/対処を実施しており、適切な処置が取ら
れるまでに時間を要するため、推薬弁2の開故障のため
推薬が漏洩し続け推薬が枯渇したり、異常燃焼を起こし
てスラスタの破損が起こり、人工衛星の機能を喪失する
ような重大な事態に陥る危険性が高い。したがって、地
上局8を介さずに人工衛星の搭載側において推薬弁故障
への検知/対処を実施する必要がある。また、人工衛星
に搭載された姿勢検出機器、搭載計算機を利用して、姿
勢異常を検知し推進装置を安全化する方法が取られてい
るが、姿勢異常の原因が推進装置故障であるかどうかの
特定までは人工衛星の搭載側で判断することは不可能で
あり、原因特定は地上において実施せざる得ない。さら
に、姿勢検出機器に検出されないような微小推薬漏洩を
発生するような推薬弁開故障時には姿勢異常による推進
装置の安全化は機能しない。
2の開故障や閉故障が発生した場合は、人工衛星より地
上局8に送られるテレメトリデータをもとに地上におい
て故障の判定/対処を実施しており、適切な処置が取ら
れるまでに時間を要するため、推薬弁2の開故障のため
推薬が漏洩し続け推薬が枯渇したり、異常燃焼を起こし
てスラスタの破損が起こり、人工衛星の機能を喪失する
ような重大な事態に陥る危険性が高い。したがって、地
上局8を介さずに人工衛星の搭載側において推薬弁故障
への検知/対処を実施する必要がある。また、人工衛星
に搭載された姿勢検出機器、搭載計算機を利用して、姿
勢異常を検知し推進装置を安全化する方法が取られてい
るが、姿勢異常の原因が推進装置故障であるかどうかの
特定までは人工衛星の搭載側で判断することは不可能で
あり、原因特定は地上において実施せざる得ない。さら
に、姿勢検出機器に検出されないような微小推薬漏洩を
発生するような推薬弁開故障時には姿勢異常による推進
装置の安全化は機能しない。
【0006】推進装置故障として特に懸念される推薬弁
開故障・閉故障に対する故障耐性を向上させることは人
工衛星の信頼度を高めることとなり、人工衛星の機能を
喪失する危険性を低減することが可能である。長寿命を
要求される人工衛星や有人宇宙機の場合においては、信
頼性・安全性は最重要課題であり、推薬弁故障に対する
耐性を有することは必須であると考えられる。本発明に
おいては、推薬弁故障への耐性を向上させることが可能
な推進装置故障検出装置が実現され、将来型人工衛星や
有人宇宙機への応用が可能である。
開故障・閉故障に対する故障耐性を向上させることは人
工衛星の信頼度を高めることとなり、人工衛星の機能を
喪失する危険性を低減することが可能である。長寿命を
要求される人工衛星や有人宇宙機の場合においては、信
頼性・安全性は最重要課題であり、推薬弁故障に対する
耐性を有することは必須であると考えられる。本発明に
おいては、推薬弁故障への耐性を向上させることが可能
な推進装置故障検出装置が実現され、将来型人工衛星や
有人宇宙機への応用が可能である。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明のスラスタの
故障検出装置は、推薬タンク、燃焼室を有するスラス
タ、上記推薬タンクの推薬を上記スラスタへの供給を開
閉する遮断弁、上記スラスタの燃焼室と上記遮断弁間に
有し、通常は閉状態にあり、コマンドにより開状態とな
る推薬弁とを備え、上記遮断弁と推薬弁を開状態にする
ことにより上記スラスタから推力を得る人工衛星におい
て、上記推薬弁と遮断弁間を結ぶ推薬ラインに設けら
れ、上記推薬ライン内の圧力を計測する圧力計測セン
サ、上記コマンドを発生する手段を有し、上記遮断弁を
閉状態としたときの上記圧力計測センサの計測値に基づ
き推薬弁の開故障を検出する検出手段とを具備したもの
である。
故障検出装置は、推薬タンク、燃焼室を有するスラス
タ、上記推薬タンクの推薬を上記スラスタへの供給を開
閉する遮断弁、上記スラスタの燃焼室と上記遮断弁間に
有し、通常は閉状態にあり、コマンドにより開状態とな
る推薬弁とを備え、上記遮断弁と推薬弁を開状態にする
ことにより上記スラスタから推力を得る人工衛星におい
て、上記推薬弁と遮断弁間を結ぶ推薬ラインに設けら
れ、上記推薬ライン内の圧力を計測する圧力計測セン
サ、上記コマンドを発生する手段を有し、上記遮断弁を
閉状態としたときの上記圧力計測センサの計測値に基づ
き推薬弁の開故障を検出する検出手段とを具備したもの
である。
【0008】また第2の発明のスラスタの故障検出装置
は、スラスタの燃焼室の圧力を計測する圧力計測セン
サ、推薬弁を開とするコマンドを発生する手段を有し、
上記コマンドが発生されたときの上記圧力計測センサの
圧力値に基づき推薬弁の閉故障を検出する検出手段とを
具備したものである。
は、スラスタの燃焼室の圧力を計測する圧力計測セン
サ、推薬弁を開とするコマンドを発生する手段を有し、
上記コマンドが発生されたときの上記圧力計測センサの
圧力値に基づき推薬弁の閉故障を検出する検出手段とを
具備したものである。
【0009】第3の発明のスラスタの故障検出装置は、
スラスタの推力発生による加速度を計測する加速度計測
センサ、推薬弁を開とするコマンドを発生するコマンド
発生手段を有し、上記コマンド未発生時における上記加
速度計測センサの出力有無に基づき推薬弁の開故障を検
出し、又上記コマンド発生時における上記加速度計測セ
ンサの計測値に基づき推薬弁の閉故障を検出する検出手
段とを具備したものである。
スラスタの推力発生による加速度を計測する加速度計測
センサ、推薬弁を開とするコマンドを発生するコマンド
発生手段を有し、上記コマンド未発生時における上記加
速度計測センサの出力有無に基づき推薬弁の開故障を検
出し、又上記コマンド発生時における上記加速度計測セ
ンサの計測値に基づき推薬弁の閉故障を検出する検出手
段とを具備したものである。
【0010】また第4の発明のスラスタの故障検出装置
は、スラスタのトルク発生による角速度を計測する角速
度計測センサ、推薬弁を開とするコマンドを発生するコ
マンド発生手段を有し、上記コマンド未発生時における
上記角速度計測センサの出力有無に基づき推薬弁の開故
障を検出し、又、上記コマンド発生時における上記角速
度計測センサの計測値に基づき推薬弁の閉故障を検出す
る検出手段とを具備したものである。
は、スラスタのトルク発生による角速度を計測する角速
度計測センサ、推薬弁を開とするコマンドを発生するコ
マンド発生手段を有し、上記コマンド未発生時における
上記角速度計測センサの出力有無に基づき推薬弁の開故
障を検出し、又、上記コマンド発生時における上記角速
度計測センサの計測値に基づき推薬弁の閉故障を検出す
る検出手段とを具備したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1を示す図である。図1はスラスタ推薬弁と
スラスタ上流遮断弁との間に圧力センサを設置し、推薬
弁開故障を検知する推進装置故障検出装置の概念図であ
る。本図において1は搭載計算機であり、推力・トルク
を得るためスラスタ駆動コマンドを送出し、また圧力セ
ンサ4の示す圧力値を読み取り、圧力低下を検知し、推
薬弁開故障による推進装置異常を判定する機器である。
2は推薬弁であり、通常は閉状態であるが、搭載計算機
1からのスラスタ駆動コマンドを受けて開状態となり、
推薬をスラスタ燃焼室に送り込み推力を発生させる。3
は遮断弁であり、スラスタの推薬弁2の上流側に配置さ
れ、推薬のスラスタへの供給を開閉によりコントロール
する。4は圧力センサであり、推薬弁2と遮断弁3の間
に配置され、配管内の圧力を計測する。
実施の形態1を示す図である。図1はスラスタ推薬弁と
スラスタ上流遮断弁との間に圧力センサを設置し、推薬
弁開故障を検知する推進装置故障検出装置の概念図であ
る。本図において1は搭載計算機であり、推力・トルク
を得るためスラスタ駆動コマンドを送出し、また圧力セ
ンサ4の示す圧力値を読み取り、圧力低下を検知し、推
薬弁開故障による推進装置異常を判定する機器である。
2は推薬弁であり、通常は閉状態であるが、搭載計算機
1からのスラスタ駆動コマンドを受けて開状態となり、
推薬をスラスタ燃焼室に送り込み推力を発生させる。3
は遮断弁であり、スラスタの推薬弁2の上流側に配置さ
れ、推薬のスラスタへの供給を開閉によりコントロール
する。4は圧力センサであり、推薬弁2と遮断弁3の間
に配置され、配管内の圧力を計測する。
【0012】この実施の形態について動作を説明する。
スラスタ使用時においては、遮断弁3を開状態にして、
搭載計算機1よりスラスタ駆動コマンドを推薬弁2に送
出して、推薬弁2を開状態にすることにより推力を得る
ことができる。推薬弁2の開故障が発生した場合、宇宙
空間のため推薬が真空中に流れだし、漏洩が発生する。
推薬弁2の開故障点検のため、スラスタ使用を一旦停止
し、遮断弁3を閉状態にして圧力センサ4により圧力値
を計測する。推薬弁2の開故障が発生している場合には
圧力センサ4による圧力値の低下が搭載計算機1により
検知され、推薬弁2の開故障が特定できる。開故障が特
定された場合は、故障したスラスタを冗長系に切り替え
ることにより継続して推力を得ることが可能となる。
スラスタ使用時においては、遮断弁3を開状態にして、
搭載計算機1よりスラスタ駆動コマンドを推薬弁2に送
出して、推薬弁2を開状態にすることにより推力を得る
ことができる。推薬弁2の開故障が発生した場合、宇宙
空間のため推薬が真空中に流れだし、漏洩が発生する。
推薬弁2の開故障点検のため、スラスタ使用を一旦停止
し、遮断弁3を閉状態にして圧力センサ4により圧力値
を計測する。推薬弁2の開故障が発生している場合には
圧力センサ4による圧力値の低下が搭載計算機1により
検知され、推薬弁2の開故障が特定できる。開故障が特
定された場合は、故障したスラスタを冗長系に切り替え
ることにより継続して推力を得ることが可能となる。
【0013】実施の形態2.図2はこの発明の実施の形
態2を示す図である。図2はスラスタ燃焼室に圧力セン
サを設置し、推薬弁閉故障を検知する推進装置故障検出
装置の概念図である。本図において1は搭載計算機であ
り、推力・トルクを得るためスラスタ駆動コマンドを送
出し、また燃焼室内の圧力センサ4の示す圧力値を読み
取り、スラスタ駆動コマンド送出時に圧力上昇がないこ
とを検知し、推薬弁閉故障を判定する。4はスラスタ燃
焼室内に配置された圧力センサであり、スラスタ駆動時
の燃焼室内圧力を計測する。
態2を示す図である。図2はスラスタ燃焼室に圧力セン
サを設置し、推薬弁閉故障を検知する推進装置故障検出
装置の概念図である。本図において1は搭載計算機であ
り、推力・トルクを得るためスラスタ駆動コマンドを送
出し、また燃焼室内の圧力センサ4の示す圧力値を読み
取り、スラスタ駆動コマンド送出時に圧力上昇がないこ
とを検知し、推薬弁閉故障を判定する。4はスラスタ燃
焼室内に配置された圧力センサであり、スラスタ駆動時
の燃焼室内圧力を計測する。
【0014】この実施の形態について動作を説明する。
搭載計算機1よりスラスタ駆動コマンドが送出されると
推薬弁2が開状態となり、推薬がスラスタ燃焼室に流れ
込み、反応を起こして推力が発生する。この時、スラス
タ燃焼室内において圧力が上昇し、圧力センサ4により
圧力上昇が計測される。推薬弁2の閉故障が発生した場
合、搭載計算機1よりスラスタ駆動コマンドが送出され
ているにも関わらず、スラスタ燃焼室内の圧力上昇が起
こらないため、圧力センサ4の圧力計測値を搭載計算機
1に取り込み、スラスタ駆動コマンドの送出と比較して
圧力上昇が得られないことから、推薬弁2の閉故障を検
知することが可能である。
搭載計算機1よりスラスタ駆動コマンドが送出されると
推薬弁2が開状態となり、推薬がスラスタ燃焼室に流れ
込み、反応を起こして推力が発生する。この時、スラス
タ燃焼室内において圧力が上昇し、圧力センサ4により
圧力上昇が計測される。推薬弁2の閉故障が発生した場
合、搭載計算機1よりスラスタ駆動コマンドが送出され
ているにも関わらず、スラスタ燃焼室内の圧力上昇が起
こらないため、圧力センサ4の圧力計測値を搭載計算機
1に取り込み、スラスタ駆動コマンドの送出と比較して
圧力上昇が得られないことから、推薬弁2の閉故障を検
知することが可能である。
【0015】実施の形態3.図3はこの発明の実施の形
態3を示す図である。図3は圧力センサによる推進装置
故障検出装置に加速度計による故障検知機能を付加した
装置の概念図である。本図において5は人工衛星に搭載
された加速度計であり、搭載計算機1において加速度計
測値を使用して推進装置故障検知を行う。
態3を示す図である。図3は圧力センサによる推進装置
故障検出装置に加速度計による故障検知機能を付加した
装置の概念図である。本図において5は人工衛星に搭載
された加速度計であり、搭載計算機1において加速度計
測値を使用して推進装置故障検知を行う。
【0016】この実施の形態について動作を説明する。
推薬弁2の開故障に関しては、推薬漏洩による推力が発
生し加速度を生じる。加速度計5により、この加速度を
計測し、搭載計算機1において、スラスタ駆動コマンド
未送出時に発生する加速度を検知して推薬弁開故障を判
定する。この時、遮断弁3は開状態のままでよく、実施
の形態1のように遮断弁3を閉じる必要がないため、短
時間に推薬弁2の開故障が検知できる。また、推薬弁2
の閉故障に関しては、加速度計5により、スラスタ駆動
コマンド送出時に所定の推力発生による加速度が計測さ
れるかにより推薬弁2の閉故障を検知することが可能で
ある。
推薬弁2の開故障に関しては、推薬漏洩による推力が発
生し加速度を生じる。加速度計5により、この加速度を
計測し、搭載計算機1において、スラスタ駆動コマンド
未送出時に発生する加速度を検知して推薬弁開故障を判
定する。この時、遮断弁3は開状態のままでよく、実施
の形態1のように遮断弁3を閉じる必要がないため、短
時間に推薬弁2の開故障が検知できる。また、推薬弁2
の閉故障に関しては、加速度計5により、スラスタ駆動
コマンド送出時に所定の推力発生による加速度が計測さ
れるかにより推薬弁2の閉故障を検知することが可能で
ある。
【0017】実施の形態4.図4はこの発明の実施の形
態4を示す図である。図4は圧力センサによる推進装置
故障検出装置に慣性角速度計による故障検知機能を付加
した装置の概念図である。本図において6は人工衛星に
搭載された慣性角速度計であり、搭載計算機1において
角速度計測値を使用して推進装置故障検知を行う。
態4を示す図である。図4は圧力センサによる推進装置
故障検出装置に慣性角速度計による故障検知機能を付加
した装置の概念図である。本図において6は人工衛星に
搭載された慣性角速度計であり、搭載計算機1において
角速度計測値を使用して推進装置故障検知を行う。
【0018】この実施の形態について動作を説明する。
推薬弁2の開故障に関しては、推薬漏洩によるトルクが
発生し角速度を生じる。慣性角速度計6により、この角
速度を計測し、搭載計算機1において、スラスタ駆動コ
マンド未送出時に発生する角速度を検知して推薬弁開故
障を判定する。この時、遮断弁3は開状態のままでよ
く、実施の形態1のように遮断弁3を閉じる必要がない
ため、短時間に推薬弁2の開故障が検知できる。また、
推薬弁2の閉故障に関しては、慣性角速度計6により、
スラスタ駆動コマンド送出時に所定のトルク発生による
角速度が計測されるかにより推薬弁2の閉故障を検知す
ることが可能である。
推薬弁2の開故障に関しては、推薬漏洩によるトルクが
発生し角速度を生じる。慣性角速度計6により、この角
速度を計測し、搭載計算機1において、スラスタ駆動コ
マンド未送出時に発生する角速度を検知して推薬弁開故
障を判定する。この時、遮断弁3は開状態のままでよ
く、実施の形態1のように遮断弁3を閉じる必要がない
ため、短時間に推薬弁2の開故障が検知できる。また、
推薬弁2の閉故障に関しては、慣性角速度計6により、
スラスタ駆動コマンド送出時に所定のトルク発生による
角速度が計測されるかにより推薬弁2の閉故障を検知す
ることが可能である。
【0019】
【発明の効果】本発明の推進装置故障検出装置において
は、推薬弁と遮断弁の間に圧力センサを設置することに
より、推薬弁の開故障に対する推進装置故障検知機能が
実現でき、人工衛星の故障耐性を向上させ、信頼度を高
めることが可能である。
は、推薬弁と遮断弁の間に圧力センサを設置することに
より、推薬弁の開故障に対する推進装置故障検知機能が
実現でき、人工衛星の故障耐性を向上させ、信頼度を高
めることが可能である。
【0020】また、スラスタ燃焼室に圧力センサを設置
することにより、推薬弁の閉故障に対する推進装置故障
検知機能が実現でき、人工衛星の故障耐性を向上させ、
信頼度を高めることが可能である。
することにより、推薬弁の閉故障に対する推進装置故障
検知機能が実現でき、人工衛星の故障耐性を向上させ、
信頼度を高めることが可能である。
【0021】また、圧力センサによる推進装置故障検出
装置に加速度計を付加することにより、推進装置故障検
知手段を複数有することが可能であり、人工衛星の故障
耐性、信頼度をさらに向上させることが可能である。
装置に加速度計を付加することにより、推進装置故障検
知手段を複数有することが可能であり、人工衛星の故障
耐性、信頼度をさらに向上させることが可能である。
【0022】また、圧力センサによる推進装置故障検出
装置に慣性角速度計を付加することにより、推進装置故
障検知手段を複数有することが可能であり、人工衛星の
故障耐性、信頼度をさらに向上させることが可能であ
る。
装置に慣性角速度計を付加することにより、推進装置故
障検知手段を複数有することが可能であり、人工衛星の
故障耐性、信頼度をさらに向上させることが可能であ
る。
【図1】 この発明の実施の形態1を示す推薬弁開故障
に対する推進装置故障検出装置の概念図である。
に対する推進装置故障検出装置の概念図である。
【図2】 この発明の実施の形態2を示す推薬弁閉故障
に対する推進装置故障検出装置の概念図である。
に対する推進装置故障検出装置の概念図である。
【図3】 この発明の実施の形態3を示す圧力センサと
加速度計による推進装置故障を検知する装置の概念図で
ある。
加速度計による推進装置故障を検知する装置の概念図で
ある。
【図4】 この発明の実施の形態4を示す圧力センサと
慣性角速度計による推進装置故障を検知する装置の概念
図である。
慣性角速度計による推進装置故障を検知する装置の概念
図である。
【図5】 従来の人工衛星において実施されている推進
装置故障の検出方法を示す概念図である。
装置故障の検出方法を示す概念図である。
1 搭載計算機、2 推薬弁、3 遮断弁、4 圧力セ
ンサ、5 加速度計、6 慣性角速度計、7 テレメト
リ送信装置、8 地上局。
ンサ、5 加速度計、6 慣性角速度計、7 テレメト
リ送信装置、8 地上局。
Claims (4)
- 【請求項1】 推薬タンク、燃焼室を有するスラスタ、
上記推薬タンクの推薬を上記スラスタへの供給を開閉す
る遮断弁、上記スラスタの燃焼室と上記遮断弁間に有
し、通常は閉状態にあり、コマンドにより開状態となる
推薬弁とを備え、上記遮断弁と推薬弁を開状態にするこ
とにより上記スラスタから推力を得る人工衛星におい
て、上記推薬弁と遮断弁間を結ぶ推薬ラインに設けら
れ、上記推薬ライン内の圧力を計測する圧力計測セン
サ、上記コマンドを発生する手段を有し、上記遮断弁を
閉状態としたときの上記圧力計測センサの計測値に基づ
き推薬弁の開故障を検出する検出手段とを具備したこと
を特徴とする人工衛星搭載用スラスタの故障検出装置。 - 【請求項2】 推薬タンク、燃焼室を有するスラスタ、
上記推薬タンクの推薬を上記スラスタへの供給を開閉す
る遮断弁、上記スラスタの燃焼室と上記遮断弁間に有
し、通常は閉状態にあり、コマンドにより開状態となる
推薬弁とを備え、上記遮断弁と推薬弁を開状態にするこ
とにより上記スラスタから推力を得る人工衛星におい
て、上記燃焼室の圧力を計測する圧力計測センサ、上記
コマンドを発生する手段を有し、上記コマンドが発生さ
れたときの上記圧力計測センサの圧力値に基づき推薬弁
の閉故障を検出する検出手段とを具備したことを特徴と
する人工衛星搭載用スラスタの故障検出装置。 - 【請求項3】 推薬タンク、燃焼室を有するスラスタ、
上記推薬タンクの推薬を上記スラスタへの供給を開閉す
る遮断弁、上記スラスタの燃焼室と上記遮断弁間に有
し、通常は閉状態にあり、コマンドにより開状態となる
推薬弁とを備え、上記遮断弁と推薬弁を開状態にするこ
とにより上記スラスタから推力を得る人工衛星におい
て、上記スラスタの推力発生による加速度を計測する加
速度計測センサ、上記コマンドを発生するコマンド発生
手段を有し、上記コマンドが未発生時における上記加速
度計測センサの出力有無に基づき推薬弁の開故障を検出
し、又上記コマンド発生時における上記加速度計測セン
サの計測値に基づき推薬弁の閉故障を検出する検出手段
とを具備したことを特徴とする人工衛星搭載用スラスタ
の故障検出装置。 - 【請求項4】 推薬タンク、燃焼室を有するスラスタ、
上記推薬タンクの推薬を上記スラスタへの供給を開閉す
る遮断弁、上記スラスタの燃焼室と上記遮断弁間に有
し、通常は閉状態にあり、コマンドにより開状態となる
推薬弁とを備え、上記遮断弁と推薬弁を開状態にするこ
とにより上記スラスタから推力を得る人工衛星におい
て、上記スラスタのトルク発生による角速度を計測する
角速度計測センサ、上記コマンドを発生するコマンド発
生手段を有し、上記コマンド未発生時における上記角速
度計測センサの出力有無に基づき推薬弁の開故障を検出
し、又、上記コマンド発生時における上記角速度計測セ
ンサの計測値に基づき推薬弁の閉故障を検出する検出手
段とを具備したことを特徴とする人工衛星搭載用スラス
タの故障検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11059620A JP2000255499A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | スラスタの故障検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11059620A JP2000255499A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | スラスタの故障検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000255499A true JP2000255499A (ja) | 2000-09-19 |
Family
ID=13118480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11059620A Pending JP2000255499A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | スラスタの故障検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000255499A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005129392A (ja) * | 2003-10-24 | 2005-05-19 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システムの異常検出装置 |
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US9614235B2 (en) | 2004-04-02 | 2017-04-04 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fuel cell system and method of controlling the system |
KR101853591B1 (ko) | 2017-10-30 | 2018-04-30 | 한국항공우주연구원 | 추력기 성능 저하 검출 방법 및 추력기 성능 저하 검출 장치 |
-
1999
- 1999-03-08 JP JP11059620A patent/JP2000255499A/ja active Pending
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