JP2000186244A - インク組成物およびカラー画像形成方法 - Google Patents
インク組成物およびカラー画像形成方法Info
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Abstract
た,シアン色または二次色(オレンジ色,グリーン色)
の水性インク組成物を得る。また,印刷品質に優れ,よ
り演色範囲の大きい印刷方法を提供する。 【解決手段】 樹脂で被覆されたオレンジ色顔料を着色
剤とする記録用水性インクにおいて,顔料がイミダゾロ
ン顔料であるインク組成物(1)。樹脂で被覆されたグ
リーン色顔料を着色剤とする記録用水性インクにおい
て,顔料が少なくとも一部が臭素化されたフタロシアニ
ン顔料であるインク組成物(2)。樹脂で被覆されたシ
アン色顔料を着色剤とする記録用水性インクにおいて,
顔料がハロゲン化されていないフタロシアニン顔料と少
なくとも一部が臭素化されたフタロシアニン顔料の混合
体であるインク組成物(3)。これらのうち少なくとも
一つを用いた3色以上の多色のカラー画像形成方法。
Description
料を着色剤とするインクを用いたカラー画像形成方法に
関し,詳しくは,特定の化学構造を有する顔料を樹脂で
被覆した着色剤とするインクと,そのインクを組み合わ
せて画像形成を行うカラー画像形成方法に関する。
記録用水性インクの多くは着色剤として水溶性染料を用
いているため耐水性や耐光性が悪いという欠点を有して
いた。また,染料が分子レベルで溶解しているため,オ
フィスで一般に使用されているコピー用紙などのいわゆ
る普通紙に印刷すると髭状のフェザリングと呼ばれるブ
リードを生じて著しい印刷品質の低下を招いていた。
ンクが過去に様々に提案されており,例えばバインダー
兼分散剤として水溶性樹脂を用いてカ−ボンブラックや
有機顔料を分散させた樹脂溶解型のインクやポリマーラ
テックスあるいはマイクロカプセルとして着色剤を被覆
する樹脂分散型のインクが各種提案されている。
得るには,用いる顔料の種類とその組合せに大きく影響
する。そのため,特開平5−155006号公報では特
定のカラーインデックス(C.I.)番号を有するイエ
ロー,マゼンタ,シアンの顔料を含有する各色インクを
組み合わせて画像形成を行うカラー画像形成方法が,特
開平5−320551号公報では少なくともイエロー,
マゼンタ,シアン,ブラック色を呈する顔料を樹脂成分
を溶解した非水系溶媒に分散したインクジェットプリン
タ用カラーインクが提案されている。さらに本発明者
は,特開平10−52925号公報で,少なくともイエ
ロー,マゼンタ,シアン,ブラック色を呈するマイクロ
カプセル化した顔料を水性媒体に分散したインクジェッ
トプリンタ用カラーインクが提案した。
色系に比べて,より演色範囲の大きい印刷方法としてシ
アン,イエロー,マゼンタ,ブラックに加えてそれらを
組み合わせた二次色に相当する色のうち,イエローとマ
ゼンタを組み合わせた二次色に相当するオレンジ,シア
ンとイエローを組み合わせた二次色に相当するグリーン
を加えた6色のインクを用いたいわゆるハイファイカラ
ーも知られている。
いられていたインクにおいて,色純度に優れた顔料を安
定して分散するのは容易でなく,かつ,これら顔料を着
色剤として組み合わせたインクを用いてカラー印刷を行
う場合,各インクの色のバランス,日光等の曝露に伴う
退色バランスが画質及びその安定性に大きく影響してい
た。
マイクロカプセルにおいて,4色系に限らず6色系にお
いても,当然のことながら,各色顔料によってマイクロ
カプセル化にバラツキを生じ,一定粒子径のマイクロカ
プセルが得られず,各色の分散安定性を一定レベルに保
つことが難しいという問題を有していた。
する課題は,フルカラーの色再現性・耐候性に優れ,か
つ分散性に優れたインクおよびそのインクを組み合わせ
たカラー画像形成方法を提供することにある。
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果,本発明を解
決するに至った。
着色剤とする記録用水性インクにおいて,オレンジ顔料
がイミダゾロン顔料で,好ましくはC.I.ピグメント
オレンジ36からなるオレンジ色インク組成物,グリー
ン色顔料が少なくとも一部が臭素化されたフタロシアニ
ン顔料で,好ましくはC.I.ピグメントグリーン36
からなるグリーン色インク組成物,シアン色顔料がハロ
ゲン化されていないフタロシアニン顔料と多臭化フタロ
シアニン顔料の混合体で,好ましくはハロゲン化されて
いないフタロシアニン顔料が少なくともC.I.ピグメ
ントブルー15:3か15:4から選ばれ,多臭化フタ
ロシアニン顔料がC.I.ピグメントグリーン36から
なるシアン色インク組成物を提供する。
着色剤とする記録用水性インクにおいて,顔料がハロゲ
ン化されていないフタロシアニン顔料のみからなるシア
ン色インクか,あるいはハロゲン化されていないフタロ
シアニン顔料と少なくとも一部が臭素化されたフタロシ
アニン顔料からなるシアン色インク(以下,顔料がハロ
ゲン化されていないフタロシアニン顔料を必須成分とし
てなるシアン色インク,という場合がある。)と,キナ
クリドン顔料からなるマゼンタ色インクと,ベンズイミ
ダゾロン顔料からなるイエロー色インクの少なくとも3
色のインクを用いて画像形成を行うカラー画像形成方法
と,さらに加えて前述のオレンジ色およびグリーン色の
インクの少なくとも計5色のインクを用いて画像形成を
行うカラー画像形成方法を提供する。
ラックを着色剤とするブラック色インクを組み合わせる
ことによってより色再現性に富んだフルカラー画像形成
が可能になる。
例えば,樹脂で被覆された顔料として,樹脂で被覆され
たハロゲン化されていないフタロシアニン顔料を必須成
分として含むシアン色インク組成物であり,ここには,
当該樹脂被覆された顔料が,樹脂被覆されたハロゲン化
されていないフタロシアニン顔料のみである場合(I)
と,結果的に,ハロゲン化されていないフタロシアニン
顔料と,少なくとも一部が臭素化されたフタロシアニン
顔料とが,結果的に両方含まれている場合(II)の両
方が包含される。
で用いるシアン色樹脂被覆顔料は,粒子内混合系たる,
ハロゲン化されていないフタロシアニン顔料と,少なく
とも一部が臭素化されたフタロシアニン顔料の顔料混合
体を樹脂被覆した樹脂被覆顔料(II−a),または,
粒子間混合系たる,ハロゲン化されていないフタロシア
ニン顔料のみの樹脂被覆顔料と,少なくとも一部が臭素
化されたフタロシアニン顔料のみの樹脂被覆顔料との混
合体たる樹脂被覆顔料(II−b)である場合がある。
樹脂で被覆されたシアン色顔料を着色剤とする記録用水
性インクにおいて,顔料がハロゲン化されていないフタ
ロシアニン顔料と少なくとも一部が臭素化されたフタロ
シアニン顔料との混合体たる樹脂被覆顔料であるインク
組成物である。
ンク組成物は,樹脂で被覆された顔料を着色剤とするシ
アン色記録用水性インクにおいて,樹脂で被覆されたハ
ロゲン化されていないフタロシアニン顔料と,樹脂で被
覆された少なくとも一部が臭素化されたフタロシアニン
顔料と樹脂被覆顔料の混合体であるインク組成物であ
る。
アニン顔料(X)と,少なくとも一部が臭素化されたフ
タロシアニン顔料(Y)の両方を用いてシアン色インク
とする場合には,次の2通りがある。
なる様に混合して顔料混合体とし,これの全体を樹脂被
覆して樹脂被覆顔料として用いる場合。この場合には,
樹脂被覆顔料粒子1粒子中に顔料(X)と(Y)とが併
存する(上記II−aの場合)。 2)これら各顔料を各々別々に樹脂被覆して個々の色の
樹脂被覆顔料を予め得て,これらをシアン色となる様に
混合して用いる場合。この場合には,顔料(X)のみの
樹脂被覆顔料粒子と,顔料(Y)のみの樹脂被覆顔料粒
子との樹脂被覆顔料の混合体となる(上記II−bの場
合)。
−a)でも形態(II−a)でも用いる顔料そのものに
ついての好適な使用形態等は共通である。
ン色顔料としては,色調及び耐候性の点からフタロシア
ニン顔料であることが必要である。フタロシアニン顔料
としては,具体的には無金属フタロシアニン,銅フタロ
シアニンあるいはクロル化銅フタロシアニン,その他各
種金属フタロシアニン等が挙げられる。シアン色顔料
は,これらのなかでも銅フタロシアニンから選択される
のが好ましい。
いないフタロシアニン顔料を必須成分として含むのが好
ましく,ハロゲン化されていないフタロシアニン顔料
と,少なくとも一部が臭素化されたフタロシアニン顔料
の混合体であることがより好ましく,前記混合体のなか
でも,ハロゲン化されていないフタロシアニン顔料と,
少なくとも一部が臭素化されたフタロシアニン顔料が混
在した二次粒子であることが,特に好ましい。
料としては,特に他のカラー顔料と組み合わせた時の色
調及び分散性の点でC.I.ピグメントブルー15:3
または15:4がより好ましい。これらの顔料による色
調はやや赤みがかったシアン色であり,必要に応じてグ
リーン色のフタロシアニン顔料を併用して調色すること
が可能であるが,色分離がなく,樹脂で被覆された顔料
着色剤の分散安定性を損ねないハロゲン化されたフタロ
シアニン顔料との組み合わせ,及び樹脂で被覆された顔
料を着色剤とするシアン色記録用水性インクにおいて,
樹脂で被覆されたハロゲン化されていないフタロシアニ
ン顔料と,樹脂で被覆されたハロゲン化されたフタロシ
アニン顔料との組み合わせとして,ハロゲン化されたフ
タロシアニン顔料としては,少なくとも一部が臭素化さ
れたフタロシアニン顔料,より好ましくは,塩素化構造
部分を有しない臭素化のみの構造を有する臭素化フタロ
シアニン顔料,特に多臭化フタロシアニン顔料を用いる
のが好ましい。C.I.ピグメントブルー15:3また
は15:4との組み合わせにおいて,より少ない使用量
でシアン色に調色できる点で,特に好ましいハロゲン化
されたフタロシアニン顔料はC.I.ピグメントグリー
ン36である。
アニン顔料と,少なくとも一部が臭素化されたフタロシ
アニン顔料自体の混合体,及び樹脂で被覆された顔料を
着色剤とするシアン色記録用水性インクにおいて,樹脂
で被覆されたハロゲン化されていないフタロシアニン顔
料と樹脂で被覆された少なくとも一部が臭素化されたフ
タロシアニン顔料の樹脂被覆顔料の混合体に用いる顔料
としては,ハロゲン化されていないフタロシアニン顔料
が少なくともC.I.ピグメントブルー15:3か1
5:4から選ばれ,少なくとも一部が臭素化されたフタ
ロシアニン顔料がC.I.ピグメントグリーン36であ
る場合が最適である。この組み合わせは,本来のシアン
色より赤味が強くなってしまうブルー15:4単独系よ
り,色調補正が容易に可能であるうえ,耐光性が低下す
る心配も少ない。
は,例えば,顔料がキナクリドン顔料からなるインク組
成物であり,好ましくは樹脂で被覆されたキナクリドン
顔料を着色剤とする記録用水性インクである。
の点からキナクリドン顔料であることが必要である。キ
ナクリドン顔料としては,具体的にはジメチルキナクリ
ドン,ジクロルキナクリドン等が挙げられる。これらの
なかでも,特に他のカラー顔料と組み合わせた時の色調
及び分散性の点でC.I.ピグメントレッド122が好
ましい。
は,例えば,顔料がベンズイミダゾロン顔料からなるイ
ンク組成物であり,好ましくは樹脂で被覆されたベンズ
イミダゾロン顔料を着色剤とする記録用水性インクであ
る。
の点からベンズイミダゾロン顔料であることが必要であ
る。ベンズイミダゾロン顔料としては,具体的にはC.
I.ピグメントイエロー120,C.I.ピグメントイ
エロー151,C.I.ピグメントイエロー154,
C.I.ピグメントイエロー156,C.I.ピグメン
トイエロー175が挙げられる。これらのなかでも他の
カラー顔料と組み合わせた時の色調及び分散性の点で
C.I.ピグメントイエロー151が最も好ましい。
は,前記3色の顔料を混合するようにして得たブラック
色インク組成物であってもよいが,例えば,顔料がカー
ボンブラックからなるインク組成物であり,好ましくは
樹脂で被覆されたカーボンブラックを着色剤とする記録
用水性インクである。
が色調及び耐候性の点からカーボンブラックが好まし
い。
オレンジ色インク組成物と,グリーン色インク組成物に
最大の特徴を有する。
で被覆されたオレンジ色顔料を着色剤とする記録用水性
インクにおいて,顔料がイミダゾロン顔料であるインク
組成物である。オレンジ色顔料としては,ジスアゾ,ピ
ラゾロン系のオレンジ色顔料であるC.I.ピグメント
オレンジ13より鮮やかなオレンジ色が得られるC.
I.ピグメントオレンジ36が特に好ましい。
は,樹脂で被覆されたグリーン色顔料を着色剤とする記
録用水性インクにおいて,顔料が少なくとも一部が臭素
化されたフタロシアニン顔料であるインク組成物であ
る。この少なくとも一部が臭素化されたフタロシアニン
顔料には,臭素化のみがなされたフタロシアニン顔料
と,臭素化と塩素化の両方がなされたフタロシアニン顔
料がある。グリーン色顔料としては,塩素化フタロシア
ニン系のグリーン色顔料であるC.I.ピグメントグリ
ーン7より,さらに明るいグリーン色が得られる,臭素
化と塩素化の両方がなされたフタロシアニン顔料である
C.I.ピグメントグリーン36が特に好ましい。
用いることが可能で,必要に応じて他の種類の染顔料を
併用してインクとし,カラー画像形成を行っても良い。
媒は環境衛生上の点から水が好ましく,その他の成分と
して必要に応じて分散剤,バインダー樹脂,有機溶剤,
防菌防腐剤,安定剤等の各種添加剤を用いることができ
るが,分散剤を用いる従来の顔料分散では顔料の分散安
定性や色再現範囲が狭いため,着色剤としては顔料を樹
脂で被覆したいわゆるマイクロカプセルを分散媒に分散
したいわゆるマイクロカプセルインクが好ましい。
と,オレンジ色インク組成物と,グリーン色インク組成
物は,いずれも,顔料を樹脂で被覆したマイクロカプセ
ルを分散媒に分散した,その他の分散剤やバインダー樹
脂を実質的に含まないインクとすれば良いが,その他の
マゼンタ色インク組成物,イエロー色インク組成物,ブ
ラック色インク組成物の1色,2色または3色の全て
を,顔料を樹脂で被覆したマイクロカプセルを分散媒に
分散した,その他の分散剤やバインダー樹脂を実質的に
含まないインクとするほうが,技術的にも好ましい。
に当たっての,顔料のマイクロカプセル化には従来知ら
れている様々な手法が応用可能であるが,本発明カラー
画像形成方法で用いる顔料を安定性の高いマイクロカプ
セルインクとするには,顔料を被覆する樹脂が,酸価が
50以上280以下の合成樹脂(a)の少なくとも一部
の酸基が塩基(b)で中和されてなる自己水分散性樹脂
(A)で,該着色樹脂粒子が水を必須成分とする水性媒
体中に分散しているインクとすることが好ましい。
されていてもよく,架橋手段としては,従来から知られ
ている方法が利用可能であり,たとえば顔料と架橋性モ
ノマー成分を含有させて重合を行う方法,顔料を分散さ
せかつ架橋性モノマーを含む合成樹脂溶液をマイクロカ
プセル化後,カプセル内部に取り込まれた架橋性モノマ
ーを架橋させる方法,自己水分散性樹脂(A)のアニオ
ン性の官能基の少なくとも一部が一価の塩基で中和さ
れ,かつ該官能基の他の少なくとも一部が多価金属イオ
ンによるイオン結合により分子間架橋した構造となる自
己水分散性アイオノマー樹脂(B)によって顔料表面を
被覆する方法等が挙げられる。
ルボン酸基,スルホン酸基,スルフィン酸基等であって
特に限定されるものではないが,このうちカルボン酸基
は一般的であり,良好な自己水分散性樹脂(A)を与え
る。
特性を満足していればどれでも良いが,具体例としてス
チレンあるいはα−メチルスチレンのような置換スチレ
ン,アクリル酸メチルエステル,アクリル酸エチルエス
テル,アクリル酸ブチルエステル,アクリル酸2−エチ
ルヘキシルエステル等のアクリル酸エステル,メタクリ
ル酸メチルエステル,メタクリル酸エチルエステル,メ
タクリル酸ブチルエステル,メタクリル酸2−エチルヘ
キシル等のメタクリル酸エステルから選ばれる少なくと
も一つ以上のモノマー単位と,アクリル酸,メタクリル
酸から選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位を含
む共重合体が使用可能であり,特に自己水分散性樹脂
(A)の必須モノマー成分としてスチレンモノマー,ア
クリル酸モノマー,メタアクリル酸モノマーを用いてな
る共重合体であり,特にこれら必須モノマー成分の構成
比率がスチレンモノマー65〜85モル%,アクリル酸
モノマー5〜15モル%,メタアクリル酸モノマー10
〜20モル%を必須とする場合には,少なくともオレン
ジ色,グリーン色,シアン色の3色の各インク組成物に
この共重合体を適用すると,本発明の顔料着色剤の分散
安定性とカラー画像形成方法における色再現を最大にす
ることが可能で,かつインクジェット記録用インクとし
てノズル目詰まりのない優れた着色樹脂粒子を可能とす
る。
は特に制限はないが1000以上10万以下の分子量の
ものがより好ましい。勿論,かかる合成樹脂(a)から
得られた自己水分散性樹脂(A)が水性媒体との組み合
わせで安定な着色樹脂粒子を形成するものであれば,こ
れらに特に限定されるものではなく,同時に2種類以上
を混合して使用しても良い。
色剤(B)が内包された着色樹脂粒子を作製する方法は
特に限定されるものではないが,より好ましい具体的な
例は,下記工程にて得ることが出来る。
なくとも着色剤(B)を分散または溶解して固形着色コ
ンパウンドを得る樹脂着色工程。 (2)少なくとも,水,合成樹脂(a)を溶解する有機
溶媒,塩基(b),前記樹脂着色工程で得られた固形着
色コンパウンドを混合し,分散によって少なくとも樹脂
の一部が溶解している着色剤懸濁液を得る懸濁工程。 (3)前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液中の着色剤
表面に溶解樹脂成分を沈着させる再沈殿工程。
成樹脂(a)に,少なくとも着色剤(B)を分散または
溶解して固形着色コンパウンドを得る工程である。この
工程は,例えば従来知られているロールやニーダーやビ
ーズミル等の混練装置を用いて,溶液や加熱溶融された
状態で,着色剤(B)を,酸価を有する合成樹脂(a)
に均一に溶解または分散させ,最終的に固体混練物(固
形着色コンパウンド)として取り出すことにより行うこ
とが出来る。
成樹脂(a)を溶解する有機溶媒,塩基(b),前記樹
脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し,
分散によって少なくとも樹脂の一部が溶解している着色
剤懸濁液を得る工程である。
コンパウンドを,分散媒として水,酸価を有する合成樹
脂(a)を溶解する有機溶媒,塩基(b)を必須とする
混合溶媒に加えて,均一に分散する様に攪拌することに
よって,固形着色コンパウンド表面から,着色剤(B)
を包含する酸価を有する合成樹脂(a)が,有機溶媒と
塩基の助けを借りて,溶解または自己乳化し,いずれの
場合も少なくとも当該樹脂の一部が溶解している着色剤
懸濁液が得られる。
知慣用の手法がいずれも採用でき,例えば従来の1軸の
プロペラ型の撹拌翼の他に,目的に応じた形状の撹拌翼
や撹拌容器を用いて容易に懸濁可能である。
或いは相対的に小さい,単なる混合撹拌のみで,或い
は,着色剤(B)が比較的凝集しやすい場合には,それ
に加えて更に,次いで高せん断力下において,より分散
を安定させてもよい。この場合の分散機としては,従来
知られているビーズミルや,高圧ホモジナイザーや商品
名マイクロフルイダイザーやナノマイザーで知られるビ
ーズレス分散装置等を用いることができる。
られた着色剤懸濁液中の着色剤表面に,当該溶解樹脂成
分を沈着させる工程である。本発明において「再沈殿」
とは,着色剤,或いは当該溶解樹脂が着色剤表面に吸着
した着色剤を懸濁液の液媒体から,分離沈降させること
を意味するものではない。従って,この工程で得られる
ものは,固形成分と液体成分とが明らか分離した単なる
混合物ではなく,当該溶解樹脂が着色剤表面に吸着した
着色剤が懸濁液の液媒体に安定的に分散した着色樹脂粒
子水性分散液である。
着色剤表面へ溶解樹脂の沈着は,例えば,少なくとも
一部当該樹脂が溶解している着色剤懸濁液に,当該樹脂
に対して貧溶媒として機能する水または水性媒体を加え
て行うか,及び/又は,着色剤懸濁液から有機溶媒を
除去して行うことによって容易に行うことが出来る。
液から共存している有機溶媒を更に除いて,皮膜形成性
樹脂(A)によって着色剤(B)が内包された着色樹脂
粒子の安定な水分散液を得る。
過や遠心分離等で大粒径粒子を除去することが好まし
い。このようにして得られたインクは,フルカラーの色
再現性・耐候性に優れ,かつ分散性に優れたインクとし
て本発明のカラー画像形成方法,とりわけインクジェッ
ト記録方法に最適である。
(b)によって中和する,即ちアルカリ性中和剤による
中和は,水分散性樹脂が水に溶解しない程度に中和する
必要があり,溶解しない程度であればアルカリ性中和剤
を過剰に加えても良いが,合成樹脂(a)の酸基の40
モル%以上を中和するのが好ましい。中和率が40モル
%以上であると,着色樹脂粒子は粒子径が小さいものが
得られ,分散安定性に優れている。
されていないフタロシアニン顔料と,少なくとも一部が
臭素化されたフタロシアニン顔料から構成されたシアン
色の未樹脂被覆顔料混合体であること,及び樹脂で被覆
された顔料においては,樹脂で被覆されたハロゲン化さ
れていないフタロシアニン顔料と,樹脂で被覆された少
なくとも一部が臭素化されたフタロシアニン顔料とから
構成されたシアン色の樹脂被覆顔料の混合体であること
が,より好ましい。
されていないフタロシアニン顔料と,少なくとも一部が
臭素化されたフタロシアニン顔料の混合体である場合に
は,前記混合体のなかでも,ハロゲン化されていないフ
タロシアニン顔料と,少なくとも一部が臭素化されたフ
タロシアニン顔料が混在した二次粒子であることが特に
好ましい。
ハロゲン化されていないフタロシアニン顔料と少なくと
も一部が臭素化されたフタロシアニン顔料の混合体から
着色樹脂粒子を形成する,及び樹脂で被覆された顔料を
着色剤とするシアン色記録用水性インクにおいて,樹脂
で被覆されたハロゲン化されていないフタロシアニン顔
料と,樹脂で被覆された少なくとも一部が臭素化された
フタロシアニン顔料の各着色樹脂粒子を形成するには,
前記(1)の樹脂着色工程で両顔料を混合分散するか,
(1)の樹脂着色工程で各顔料を別個に分散しておき
(2)の懸濁工程で両顔料が混在する着色剤懸濁液を得
るか,(3)の再沈殿工程で両顔料が混在した着色剤表
面に溶解樹脂成分を沈着させるか,あるいは別個に得た
着色樹脂粒子水分散液を合わせて調色してもよい。
に当たっては,より好適な形態として上記した通り,前
記(1)の樹脂着色工程で両顔料を混合分散する場合に
は,最終的に得られる着色樹脂粒子中のコアとなる顔料
はハロゲン化されていないフタロシアニン顔料と少なく
とも一部が臭素化されたフタロシアニン顔料の一次粒子
が混在した二次粒子を多く含むため,より均一な調色が
可能となる。
限定されるものではないが,最終的に得られる水性イン
ク中で0.5〜20重量%となるような量が好ましい。
は,例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化
リチウム等のアルカリ金属の水酸化物,アンモニア,ト
リエチルアミン,モルホリン等の塩基性物質の他,トリ
エタノールアミン,ジエタノールアミン,N−メチルジ
エタノールアミン等のアルコールアミンが使用可能であ
る。
しては,樹脂を溶解するものであればどのような有機溶
媒であっても使用可能であるが,例えばアセトン,ジメ
チルケトン,メチルエチルケトン等のケトン系溶媒,メ
タノール,エタノール,イソプロピルアルコール等のア
ルコール系溶媒,クロロホルム,塩化メチレン等の塩素
系溶媒,ベンゼン,トルエン等の芳香族系溶媒,酢酸エ
チルエステル等のエステル系溶媒,エチレングリコール
モノメチルエーテル,エチレングリコールジメチルエー
テル等のグリコールエーテル系溶媒,アミド類等が挙げ
られる。
リル系樹脂の場合にはケトン系溶媒とアルコール系溶媒
から選ばれる少なくとも1種類以上の組み合わせが好ま
しい。かかる有機溶媒の使用量は,本発明における効果
を達成すれば特に規定されないが,合成樹脂/該有機溶
媒の重量比が1/1〜1/20となるような量が好まし
い。
可塑剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤等を溶媒,樹脂,着
色剤と共に用いても良い。
おいて用いる水は,主としてジェットインクとして用い
る場合にはノズル目詰まりを回避するためにイオン交換
水以上のグレードの水が好ましい。
るのを防止するためには,水溶性有機溶媒を乾燥防止剤
として当該インク中に存在させておくのが好ましい。当
該乾燥防止剤は,乳化時にあるいは乳化後に,水性媒体
中に添加すれば良い。かかる乾燥防止剤は,インクジェ
ットの噴射ノズル口でのインクの乾燥を防止する効果を
与えるものであり,通常水の沸点以上の沸点を有するも
のが使用される。
従来知られているエチレングリコール,プロピレングリ
コール,ジエチレングリコール,ジプロピレングリコー
ル,ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコー
ル,グリセリン等の多価アルコール類またはそれらのア
ルキルエーテル類,N−メチル−2−ピロリドン,2−
ピロリドン等のピロリドン類,アミド類,ジメチルスル
ホオキサイド,イミダゾリジノン等が挙げられる。前記
乾燥防止剤の使用量は,種類によって異なるが,通常,
水100重量部に対して1〜150重量部の範囲から適
宜選択される。この範囲のうち,グリセリン及びそれに
他の乾燥防止剤を併用したものを使用する場合には10
〜50重量部が好ましい。
性インクの場合には,必要に応じて水溶性樹脂,pH調
整剤,分散・消泡・紙への浸透のための界面活性剤,防
腐剤,キレート剤等の添加剤を加えることができる。
画像形成する方法の場合には,必要に応じてジェット噴
射して付着したインクを紙によりよく浸透させるため
に,浸透性付与剤として浸透性付与効果を示す水溶性有
機溶媒を加えてもよい。
イソプロピルアルコール等の低級アルコール,ジエチレ
ングリコール−N−ブチルエーテル等のグリコールエー
テル等を用いることができるが,これらに限定されるも
のではない。浸透性付与剤の使用量は,本発明における
効果を達成すれば特に規定されないが,最終的に得られ
る水性インク中で0.1〜10重量%となるような量が
好ましい。
ても,着色剤を含む自己水分散性樹脂溶液と水性媒体と
を混合するときに添加しても,また,それらの混合後に
添加してもよいが,好ましくは最終ろ過後の添加剤の添
加は避けたほうがよい。
と,マゼンタ色インク組成物と,イエロー色インク組成
物の少なくとも3色を用いて,これら色の重ね合わせを
含めた多色の画像形成をすることが可能であるが,少な
くとも3色を用いる場合には,樹脂で被覆されたシアン
色顔料を着色剤とする各色記録用水性インクにおいて,
顔料がハロゲン化されていないフタロシアニン顔料と少
なくとも一部が臭素化されたフタロシアニン顔料の混合
体であるシアン色インク組成物と,キナクリドン顔料か
らなるマゼンタ色インク組成物と,ベンズイミダゾロン
顔料からなるイエロー色インク組成物を,少なくとも用
いてカラー画像を形成することが出来る。
ときの比較において,従来の3色のみの各色インク組成
物を用いた場合よりは,良好な技術的効果が得られる。
て,カーボンブラックを着色剤とするブラック色インク
組成物を組み合わせて,少なくとも4色のインク組成物
を組み合わせて用いて画像形成を行うことも出来る。
と,マゼンタ色インク組成物と,イエロー色インク組成
物に,更に,オレンジ色インク組成物と,グリーン色イ
ンク組成物の2色を加えて計5色を少なくとも用いて,
これら色の重ね合わせを含めた多色の画像形成をするこ
とも可能であるが,この場合には,樹脂で被覆された顔
料を着色剤とする記録用水性インクにおいて,顔料がハ
ロゲン化されていないフタロシアニン顔料を必須成分と
してなるシアン色インクと,キナクリドン顔料からなる
マゼンタ色インクと,ベンズイミダゾロン顔料からなる
イエロー色インクの少なくとも3色のインクと,樹脂で
被覆されたオレンジ色顔料を着色剤とする記録用水性イ
ンクにおいて,顔料がイミダゾロン顔料であるオレンジ
色インク組成物と,樹脂で被覆されたグリーン色顔料を
着色剤とする記録用水性インクにおいて,顔料が少なく
とも一部が臭素化されたフタロシアニン顔料であるグリ
ーン色インク組成物を用いて画像形成を行うことも出来
る。
ク組成物を用いた場合や,本発明の上記3色のみの各色
インク組成物を用いた場合や,従来の5色のみの各色イ
ンク組成物を用いた場合よりは,良好な技術的効果が得
られる。
いる画像形成方法においても,シアン色インク組成物と
しては,3色での画像形成方法において好適であるとし
たのと同じ,樹脂で被覆されたシアン色顔料を着色剤と
する各色記録用水性インクにおいて,顔料がハロゲン化
されていないフタロシアニン顔料と少なくとも一部が臭
素化されたフタロシアニン顔料の顔料混合体の樹脂被覆
顔料,あるいは樹脂で被覆された顔料を着色剤とするシ
アン色記録用水性インクにおいて,樹脂で被覆されたハ
ロゲン化されていないフタロシアニン顔料と,樹脂で被
覆された少なくとも一部が臭素化されたフタロシアニン
顔料とから構成される樹脂被覆顔料の混合体であるシア
ン色インク組成物を用いるのが同様に好ましい。
ーボンブラックを着色剤とするブラック色インク組成物
を組み合わせて,少なくとも6色のインク組成物を組み
合わせて用いて画像形成を行うことも出来,これが最適
な実施形態である。
ンク分野に適用可能であるが,インクジェット記録用イ
ンクとして用いられるのが好ましい。つまり,本発明の
インク組成物をインクジェット記録方法を用いて画像形
成を行うことが出来る。
媒体としては,例えば普通紙,樹脂被覆紙,表面処理樹
脂フィルム,布帛等が挙げられる。
着色剤とする記録用水性インクにおいて,顔料がイミダ
ゾロン顔料であるインク組成物。
着色剤とする記録用水性インクにおいて,顔料が少なく
とも一部が臭素化されたフタロシアニン顔料であるイン
ク組成物。
色剤とする記録用水性インクにおいて,顔料がハロゲン
化されていないフタロシアニン顔料と少なくとも一部が
臭素化されたフタロシアニン顔料の混合体であるインク
組成物。
るシアン色記録用水性インクにおいて,樹脂で被覆され
たハロゲン化されていないフタロシアニン顔料と樹脂で
被覆された少なくとも一部が臭素化されたフタロシアニ
ン顔料の混合体であるインク組成物。
ントオレンジ36である上記1記載のインク組成物。
ロシアニン顔料がC.I.ピグメントグリーン36であ
る上記2記載のインク組成物。
ニン顔料が少なくともC.I.ピグメントブルー15:
3か15:4から選ばれ,少なくとも一部が臭素化され
たフタロシアニン顔料がC.I.ピグメントグリーン3
6である上記3および4記載のインク組成物。
ロゲン化されていないフタロシアニン顔料と少なくとも
一部が臭素化されたフタロシアニン顔料の混在した二次
粒子からなることを特徴とする上記3および7記載のイ
ンク組成物。
%のスチレンモノマーと,5〜15モル%のアクリル酸
マノマーと,10〜20モル%のメタアクリル酸モノマ
ーを必須とする共重合体であることを特徴とする上記1
〜8のいずれか1項記載のインク組成物。
る記録用水性インクにおいて,顔料が上記3または4ま
たは7または8または9のいずれか1項記載のシアン色
インクと,キナクリドン顔料からなるマゼンタ色インク
と,ベンズイミダゾロン顔料からなるイエロー色インク
の少なくとも3色のインクを用いて画像形成を行うこと
を特徴とするカラー画像形成方法。
する記録用水性インクにおいて,顔料がハロゲン化され
ていないフタロシアニン顔料を必須成分としてなるシア
ン色インクと,キナクリドン顔料からなるマゼンタ色イ
ンクと,ベンズイミダゾロン顔料からなるイエロー色イ
ンクの少なくとも3色のインクと,上記1または5また
は9のいずれか1項記載のオレンジ色インクと,上記2
または6または9いずれか1項記載のグリーン色インク
を用いて画像形成を行うことを特徴とするカラー画像形
成方法。
する記録用水性インクにおいて,上記3または4または
7または8または9のいずれか1項記載のシアン色イン
クと,キナクリドン顔料からなるマゼンタ色インクと,
ベンズイミダゾロン顔料からなるイエロー色インクの少
なくとも3色のインクと,上記1または5または9のい
ずれか1項記載のオレンジ色インクと,上記2または6
または9のいずれか1項記載のグリーン色インクを用い
て画像形成を行うことを特徴とするカラー画像形成方
法。
ブラック色インクを組み合わせた少なくとも4色のイン
クを組み合わせて用いて画像形成を行うことを特徴とす
る上記10記載のカラー画像形成方法。
ブラック色インクを組み合わせた少なくとも6色のイン
クを組み合わせて用いて画像形成を行うことを特徴とす
る上記11または12記載のカラー画像形成方法。
メントレッド122であることを特徴とする上記10〜
14のいずれか1項記載のカラー画像形成方法。
I.ピグメントイエロー151であることを特徴とする
上記10〜15のいずれか1項記載のカラー画像形成方
法。
画像形成を行うことを特徴とする上記10〜16のいず
れか1項記載のカラー画像形成方法。
脂粒子水分散液を製造する。 (1)ガラス転移温度が70〜120℃の合成樹脂
(a)(スチレン−アクリル酸−メタクリル酸樹脂)と
着色剤(B)(顔料)を二本ロールで分散して固形着色
コンパウンドを得る樹脂着色工程。 (2)少なくとも,水,合成樹脂(a)を溶解する有機
溶媒(メチルエチルケトン・イソプロピルアルコー
ル),塩基(b)(アルコールアミン),前記樹脂着色
工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し,分散撹
拌機を用いて分散して着色剤懸濁液を得る懸濁工程。 (3)前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液に水を添加
して,着色剤表面に溶解樹脂成分を沈着させる再沈殿工
程。 2.(3)の再沈殿工程後に脱溶剤を行って水分散物を
得る。 3.得られた水分散液をインク調整用薬剤の水溶液に徐
々に加え,濃度・物性を調整した後,ろ過を行いインク
ジェット記録用水性インクとする。
具体的に説明する。尚,以下の実施例中における「部」
は『重量部』を表わす。
36の20部とスチレン−アクリル酸−メタクリル酸樹
脂(スチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10
/13;分子量5万・酸価160,ガラス転移温度10
7℃)20部の二本ロール混練物を,水210部,グリ
セリン35部,トリエタノールアミン8部,メチルエチ
ルケトン90部,イソプロピルアルコール40部の混合
溶液に入れ,室温で3時間撹拌し着色剤懸濁液を得た。
ン30部と水210部の混合液を毎分5mlの速度で滴
下し,オレンジ色着色樹脂粒子水分散液を得た。得られ
たカプセル液をロータリーエバポレーターを用いてメチ
ルエチルケトンとイソプロピルアルコールと水の一部を
留去し,顔料分8質量%の最終のオレンジ色着色樹脂粒
子水分散液を得た。
ルプロピルエーテル2質量%の混合水溶液50部に前記
着色樹脂粒子水分散液50部を攪拌しながら徐々に加
え,0.5μmフィルターを用いてろ過を行い,インク
ジェット記録用水性インクとした。得られたインクのp
Hは8.4であった。
わたって安定な分散を示した。このインクは,C.I.
ピグメントオレンジ13を同量用いた以外は同様にして
調製したインクに比べて,より鮮やかなオレンジ色を呈
した。このインクの耐候性は良好であった。
トオレンジ36に替えてC.I.ピグメントグリーン3
6を用いて同様にインクを得た。
わたって安定な分散を示した。このインクは,C.I.
ピグメントグリーン7を同量用いた以外は同様にして調
製したインクに比べて,より明るいグリーン色を呈し
た。このインクの耐候性は良好であった。
トオレンジ36に替えてC.I.ピグメントブルー1
5:4の15部とC.I.ピグメントグリーン36の5
部を用いて同様にインクを得た。
わたって安定な分散を示した。このインクは,C.I.
ピグメントブルー15:4とC.I.ピグメントグリー
ン7を併用してインクを調製するのに比べて,より少な
いグリーン色顔料の使用量で,鮮やかなシアン色を呈し
た。このインクの耐候性は良好であった。
36の20部とスチレン−アクリル酸−メタクリル酸樹
脂(スチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10
/13;分子量5万・酸価160,ガラス転移温度10
7℃)20部の二本ロール混練物を,水210部,グリ
セリン35部,トリエタノールアミン8部,メチルエチ
ルケトン90部,イソプロピルアルコール40部の混合
溶液に入れ,室温で3時間撹拌し着色剤懸濁液を得た。
実施例1のC.I.ピグメントオレンジ36に替えて
C.I.ピグメントブルー15:4を用いたブルーの着
色懸濁液を得た。同様に実施例1のC.I.ピグメント
グリーン36を用いたグリーンの着色懸濁液を得た。こ
のブルーの着色懸濁液の15部とグリーンの着色懸濁液
の5部を用いて同様にインクを得た。
わたって安定な分散を示した。このインクは,C.I.
ピグメントブルー15:4とC.I.ピグメントグリー
ン7を用いて同様にしてインクを調製するのに比べて,
より少ないグリーン色顔料の使用量で,鮮やかなシアン
色を呈した。このインクの耐候性は良好であった。
トオレンジ36に替えてC.I.ピグメントレッド12
2を用いて同様にマゼンタインクを得た。 同様にC.
I.ピグメントイエロー151を用いて同様にイエロー
インクを得た。同様にカーボンブラックを用いて同様に
ブラック色インクを得た。これらのインクと実施例1〜
3で得られた計6色のインクを組み合わせて6色ヘッド
を有するピエゾ式カラープリンタを用いて印刷を行っ
た。
噴射を示し,得られた印刷物は滲みがなく,単色は勿
論,フルカラー印刷で従来のシアン,マゼンタ,イエロ
ー,ブラックの4色の組み合わせと比較して極めて高い
発色度を示した。
時間(日光曝露1年相当)照射したところ,一次色,二
次色,三次色及びフルカラーの色は照射前と比較してほ
とんど退色もなかった。さらにキセノンランプで150
時間照射(合計300時間,日光曝露2年相当)をした
ところ全体にわずかに退色が認められたが,各色とも退
色の仕方はバランスがとれており,著しい色変化は認め
られなかった。
トオレンジ36に替えてC.I.ピグメントオレンジ1
3(ピラゾロン系),C.I.ピグメントグリーン36
に替えてC.I.ピグメントグリーン7(多塩素化フタ
ロシアニン)を用いてオレンジとグリーンのインクを得
た。これらのインクを用いて実施例4と同様に計6色の
インクを組み合わせて6色ヘッドを有するピエゾ式カラ
ープリンタを用いて印刷を行った。
噴射を示し,得られた印刷物は滲みがなかったが,単色
は勿論,フルカラー印刷で実施例4と比較してややくす
んだ色調で得られた色バランスは十分ではなかった。
時間(日光曝露1年相当)照射したところ,照射前と比
較して若干の退色を示した。
れた特定シアン色顔料,同オレンジ色顔料または同グリ
ーン色顔料を着色剤とする記録用水性インク組成物であ
るので,従来のより色調や耐候(耐光)性に優れ,これ
らインク組成物を用いた本発明のカラー画像形成方法
は,特にノズル目詰まりもなく,安定したインクジェッ
ト噴射特性を可能にし,かつ印刷品質・耐候性(耐光)
に優れた記録を可能にする。
Claims (17)
- 【請求項1】 樹脂で被覆されたオレンジ色顔料を着色
剤とする記録用水性インクにおいて,顔料がイミダゾロ
ン顔料であるインク組成物。 - 【請求項2】 樹脂で被覆されたグリーン色顔料を着色
剤とする記録用水性インクにおいて,顔料が少なくとも
一部が臭素化されたフタロシアニン顔料であるインク組
成物。 - 【請求項3】 樹脂で被覆されたシアン色顔料を着色剤
とする記録用水性インクにおいて,顔料がハロゲン化さ
れていないフタロシアニン顔料と少なくとも一部が臭素
化されたフタロシアニン顔料の混合体であるインク組成
物。 - 【請求項4】 樹脂で被覆された顔料を着色剤とするシ
アン色記録用水性インクにおいて,樹脂で被覆されたハ
ロゲン化されていないフタロシアニン顔料と樹脂で被覆
された少なくとも一部が臭素化されたフタロシアニン顔
料の混合体であるインク組成物。 - 【請求項5】 イミダゾロン顔料がC.I.ピグメント
オレンジ36である請求項1記載のインク組成物。 - 【請求項6】 少なくとも一部が臭素化されたフタロシ
アニン顔料がC.I.ピグメントグリーン36である請
求項2記載のインク組成物。 - 【請求項7】 ハロゲン化されていないフタロシアニン
顔料が少なくともC.I.ピグメントブルー15:3か
15:4から選ばれ,少なくとも一部が臭素化されたフ
タロシアニン顔料がC.I.ピグメントグリーン36で
ある請求項3および4記載のインク組成物。 - 【請求項8】樹脂で被覆されたシアン色顔料がハロゲン
化されていないフタロシアニン顔料と少なくとも一部が
臭素化されたフタロシアニン顔料の混在した二次粒子か
らなることを特徴とする請求項3および7記載のインク
組成物。 - 【請求項9】 樹脂が,モノマー比65〜85モル%の
スチレンモノマーと,5〜15モル%のアクリル酸マノ
マーと,10〜20モル%のメタアクリル酸モノマーを
必須とする共重合体であることを特徴とする請求項1〜
8のいずれか1項記載のインク組成物。 - 【請求項10】 樹脂で被覆された顔料を着色剤とする
記録用水性インクにおいて,顔料が請求項3または4ま
たは7または8または9のいずれか1項記載のシアン色
インクと,キナクリドン顔料からなるマゼンタ色インク
と,ベンズイミダゾロン顔料からなるイエロー色インク
の少なくとも3色のインクを用いて画像形成を行うこと
を特徴とするカラー画像形成方法。 - 【請求項11】 樹脂で被覆された顔料を着色剤とする
記録用水性インクにおいて,顔料がハロゲン化されてい
ないフタロシアニン顔料を必須成分としてなるシアン色
インクと,キナクリドン顔料からなるマゼンタ色インク
と,ベンズイミダゾロン顔料からなるイエロー色インク
の少なくとも3色のインクと,請求項1または5または
9のいずれか1項記載のオレンジ色インクと,請求項2
または6または9いずれか1項記載のグリーン色インク
を用いて画像形成を行うことを特徴とするカラー画像形
成方法。 - 【請求項12】 樹脂で被覆された顔料を着色剤とする
記録用水性インクにおいて,請求項3または4または7
または8または9のいずれか1項記載のシアン色インク
と,キナクリドン顔料からなるマゼンタ色インクと,ベ
ンズイミダゾロン顔料からなるイエロー色インクの少な
くとも3色のインクと,請求項1または5または9のい
ずれか1項記載のオレンジ色インクと,請求項2または
6または9のいずれか1項記載のグリーン色インクを用
いて画像形成を行うことを特徴とするカラー画像形成方
法。 - 【請求項13】 カーボンブラックを着色剤とするブラ
ック色インクを組み合わせた少なくとも4色のインクを
組み合わせて用いて画像形成を行うことを特徴とする請
求項10記載のカラー画像形成方法。 - 【請求項14】 カーボンブラックを着色剤とするブラ
ック色インクを組み合わせた少なくとも6色のインクを
組み合わせて用いて画像形成を行うことを特徴とする請
求項11または12記載のカラー画像形成方法。 - 【請求項15】 キナクリドン顔料がC.I.ピグメン
トレッド122であることを特徴とする請求項10〜1
4のいずれか1項記載のカラー画像形成方法。 - 【請求項16】 ベンズイミダゾロン顔料がC.I.ピ
グメントイエロー151であることを特徴とする請求項
10〜15のいずれか1項記載のカラー画像形成方法。 - 【請求項17】 インクジェット記録方法を用いて画像
形成を行うことを特徴とする請求項10〜16のいずれ
か1項記載のカラー画像形成方法。
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JP36451898A JP2000186244A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | インク組成物およびカラー画像形成方法 |
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