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JP2000142460A - 自動車の車体フレーム構造 - Google Patents

自動車の車体フレーム構造

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JP2000142460A JP10323402A JP32340298A JP2000142460A JP 2000142460 A JP2000142460 A JP 2000142460A JP 10323402 A JP10323402 A JP 10323402A JP 32340298 A JP32340298 A JP 32340298A JP 2000142460 A JP2000142460 A JP 2000142460A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 居住性や乗降性の低下を招かずにリアフレー
ムのキックアップ部の剛性をより一層高めることができ
るように構成された自動車の車体フレーム構造を提供す
る。 【解決手段】 リアクロスメンバ３の側端、リアサイド
フレーム４の前端、並びにサイドシル５の後端との各接
合部を、ダイキャスト成型で形成されたアウトリガー１
０に一体形成する。これにより、リアクロスメンバに対
するリアサイドフレームとサイドシルとの接合部に設け
たダイキャスト成型によるアウトリガーが接合部の補強
部材となるので、接合部の剛性を向上し得る。また、ダ
イキャスト成型は、最適強度の設定が肉厚設定によって
比較的自由に行える上、部品点数の増大も招かずに済
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
材で構成した自動車の車体フレーム構造に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】近年、車体の軽量化をより一層推進しよ
うとする要望に応えるべく、アルミニウム合金材で構成
された車体構造を実用に供する機運が高まっている。
【０００３】しかしながら、アルミニウム合金材はスポ
ット溶接が容易ではないため、モノコック形式の車体構
造を採用すると、製造コストが嵩みがちとなる。そこ
で、押出成型された中空材の溶接構造からなるスペース
フレーム形式の車体フレームとすることが考えられる
が、この形式の車体フレームの場合、一般に、居室の床
の側端にサイドシルが延設され、リアサイドフレームが
後輪の内側に延設され、リアサイドフレームの前端とサ
イドシルの後端とが共にリアクロスメンバの側端に接続
されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、この形式に
よると、リアクロスメンバに対するリアサイドフレーム
とサイドシルとの連結端が車幅方向について互いにオフ
セットした位置となるため、車両が追突された際のリア
フレームのキックアップ部（リアサイドフレームとサイ
ドシルとの接続部）の変形が居室にまで及ぶことのない
ようにしようとすると、リアクロスメンバやサイドシル
の断面積を大きくして居室のフロア部の剛性を高めるよ
うにしなければならない。このようなリアクロスメンバ
やサイドシルの大型化は、居住性や乗降性の低下を招く
という不都合がある。
【０００５】本発明は、このような従来技術の不都合を
改善するべく案出されたものであり、その主な目的は、
居住性や乗降性の低下を招かずにリアフレームのキック
アップ部の剛性をより一層高めることができるように構
成された自動車の車体フレーム構造を提供することにあ
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】このような目的を果たす
ために、本発明においては、リアクロスメンバ３の側
端、リアサイドフレーム４の前端、並びにサイドシル５
の後端との各接合部を、ダイキャスト成型で形成された
アウトリガー１０に一体形成するものとした。このよう
にすれば、リアクロスメンバに対するリアサイドフレー
ムとサイドシルとの接合部に設けたダイキャスト成型に
よるアウトリガーが接合部の補強部材となるので、接合
部の剛性を向上し得る。また、ダイキャスト成型は、最
適強度の設定が肉厚設定によって比較的自由に行える
上、部品点数の増大も招かずに済む。特に、リアトレー
リングアーム２４の支持部２２およびサイドジャッキア
ップポイント２３をもアウトリガーに一体形成するもの
とすれば、より一層部品点数を削減し得る。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された一実
施の形態を参照して本発明について詳細に説明する。
【０００８】図１は、本発明が適用された車体下部フレ
ームの全体を示している。このフレームは、アルミニウ
ム合金で形成された種々の部材を互いに溶接結合して構
成されており、ダッシュボードロワクロスメンバ１にそ
の後端を結合して前方へ延出された左右一対のフロント
サイドフレーム２と、リアクロスメンバ３にその前端を
結合されて後方へ延出された左右一対のリアサイドフレ
ーム４と、ダッシュボードロワクロスメンバ１とリアク
ロスメンバ３との両側端間を連結するべく前後方向に延
設された左右一対のサイドシル５と、ダッシュボードロ
ワクロスメンバ１とリアクロスメンバ３との中央部同士
間を連結するべく前後方向に延設されたフロアトンネル
６と、居室の前後方向中間部にて左右のサイドシル５同
士間を連結するミドルクロスメンバ７と、ダッシュボー
ドロワクロスメンバ１に於けるフロントサイドフレーム
２の接続部とリアクロスメンバ３の側端との間を連結す
るべく後側が開いたハ字形に配設された一対のフロアビ
ーム８と、サイドシル５とフロアビーム８との間を連結
するべくミドルクロスメンバ７の後方に設けられたシー
トレールブラケット９と、リアクロスメンバ３とリアサ
イドフレーム４とサイドシル５とフロアビーム８との連
結部に設けられたアウトリガー１０とを備えている。
【０００９】これらの各部材は、ダッシュボードロワク
ロスメンバ１、シートレールブラケット９、並びにアウ
トリガー１０がダイキャスト成型されたものであること
を除き、他は押出成型された中空材によって構成されて
いる。
【００１０】なお、図１においては図示省略している
が、居室並びに荷室部分にはアルミニウム合金板をプレ
ス成型してなる床板が張られる。
【００１１】フロアトンネル６の後端に接続されるリア
クロスメンバ３は、長手方向に直行する断面の形状が、
図２に示すように、２つの閉断面部Ｃ１・Ｃ２を上下に
重ね合わせた日の字形をなす第１の部分３ａと、第１の
部分３ａの前壁から下向きに延出されかつその下縁部が
前方へ延出されたエプロン状をなす第２の部分３ｂと、
第１の部分３ａの頂部から後方へ延出された庇状部分３
ｃとを有するように、アルミニウム合金の押出成型材で
形成されている。
【００１２】リアクロスメンバ３の第２の部分３ｂの中
央には、図３に示すように、フロアトンネル６の輪郭に
合わせた切欠部１１が形成されており、第１の部分３ａ
における日の字の第４画目に相当する底壁１２の下面
が、長手方向に直行する断面が平坦な頂面６ａの山形を
なすフロアトンネル６の後端部の頂面６ａに当接するよ
うにされている。そしてこの互いの当接部を隅肉溶接す
ることにより、リアクロスメンバ３の中央部が、フロア
トンネル６の後端部に結合されている。
【００１３】リアクロスメンバ３の両側端部は、後方へ
向けて湾曲させられると共に、第１の部分３ａの２つの
閉断面部Ｃ１・Ｃ２の中間隔壁１３から上側の部分が切
除されており、下側の閉断面部Ｃ２と第２の部分３ｂと
の端末が、図３に示すように、サイドシル５の内側面に
隅肉溶接されている。これにより、左右のサイドシル５
同士間は、車幅方向の全長に渡って中空閉断面部Ｃ２が
連続するリアクロスメンバ３で連結されることとなる。
【００１４】リアサイドフレーム４は、長手方向に直行
する断面が概ね矩形をなし、その上下、左右の各壁の内
面間を結んで互いに交差する縦リブ１４と横リブ１５と
を設けた田の字形をなしている。
【００１５】サイドシル５は、長手方向に直行する断面
が、大小二つの四角形を上下に重ね合わせた形状をなし
側方に段部１６が形成されている。
【００１６】フロアビーム８は、幅寸法よりも高さ寸法
が小さく、かつ上辺よりも下辺が狭い逆台形をなし、そ
の上下壁の対向内面間が縦リブ１７で結ばれている。
【００１７】リアクロスメンバ３とリアサイドフレーム
４とサイドシル５とフロアビーム８との連結部に介設さ
れたアウトリガー１０は、前述の通りダイキャスト成型
されており、図４に示したように、適宜にリブを設けて
補強され、リアクロスメンバ３の側端部における第１の
部分の背面及び底面、並びに第２の部分の背面を当接さ
せるための階段状をなすリアクロスメンバ接続部１８
と、リアサイドフレーム４の前端部の両側面を接合させ
るべく三角形のリブで補強された側壁１９ａ並びにリア
サイドフレーム４の前端部の底面を接合させるべく緩い
円弧を描く底壁１９ｂからなるリアサイドフレーム接続
部１９と、サイドシル５の後端部内側面を接合させるた
めのサイドシル接続部２０と、フロアビーム８の後端部
上面を接合させるためのフロアビーム接続部２１と、リ
アトレーリングアームを枢着させるためのアームブラケ
ット部２２と、サイドジャッキアップポイント２３とが
一体形成されている。
【００１８】このアウトリガー１０に対し、図３に示し
たように、リアクロスメンバ３、リアサイドフレーム
４、サイドシル５、並びにフロアビーム８の各押出材の
端部が溶接付けされると共に、図５に示したように、ア
ームブラケット部２２にリアトレーリングアーム２４が
枢着される。
【００１９】
【発明の効果】このように本発明によれば、ダイキャス
ト成型によるアウトリガーを介設することにより、サイ
ドシル並びにリアクロスメンバの断面積を大きくせずに
キックアップ部の剛性を高めることができるので、部品
点数の増大を招かずに、かつ居住性や乗降性を犠牲にせ
ずに、後方からの衝突荷重による車体変形が居室に及ぶ
ことを抑制することができる。また、トレーリングアー
ム支持部の剛性増強により、ＮＶＨ性能（音、振動性
能）の向上をも企図し得る。
【図面の簡単な説明】
【図１】車体下部フレームの全体斜視図
【図２】アウトリガーに対する各部材の接続状態を示す
要部斜視図
【図３】フロアトンネルとリアクロスメンバとの接続部
の一部切除した正面図
【図４】アウトリガー単体の斜視図
【図５】アウトリガーに対するリアトレーリングアーム
の取付状態を示す要部斜視図
【符号の説明】
３ リアクロスメンバ ４ リアサイドフレーム ５ サイドシル １０ アウトリガー ２２ アームブラケット部 ２３ サイドジャッキアップポイント ２４ リアトレーリングアーム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 サイドシルの後端、リアクロスメンバの
    側端、並びにリアサイドフレームの前端との各接合部
    を、ダイキャスト成型で形成されたアウトリガーに一体
    形成したことを特徴とする自動車の車体フレーム構造。
  2. 【請求項２】 リアトレーリングアームの支持部および
    サイドジャッキアップポイントを、さらに前記アウトリ
    ガーに一体形成したことを特徴とする請求項１に記載の
    自動車の車体フレーム構造。
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