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JP3551914B2 - 自動車の車体前部構造 - Google Patents

自動車の車体前部構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の車体前部構造、特に、エンジンルームの左右の側壁に設けたサスペンションタワーを支えるエプロンアッパメンバの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10および図11に示すように、一般に、車両のエンジンルームの左右の側壁は、エプロン3の前後中間位置に筒状のサスペンションタワー2を設け、サスペンションタワー2の上端をサスペンションプレート20で塞ぎ、サスペンションプレート20によりサスペンションのストラッドSの上端を支持している。サスペンションタワー2は、下端をフロントサイドメンバ4に結合するとともに、上端のサスペンションプレート20の車外側の側縁を、エプロン3の上縁に沿って前後方向に延び、インナパネル1aとアウタパネル1dとで閉断面をなし、後端をフロントピラー5に結合したエプロンアッパメンバ1Aの下縁に結合している。図10に示す7はエプロンアッパメンバ1A後端とフロントピラー5とを結合した左右の両者結合部間に車幅方向に架設したカウルである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車室前方にエンジンルームを形成したセミボンネットタイプのワゴン車など車高の高い車両では、エンジンルームの側壁上縁を構成するエプロンアッパメンバ1Aを縦長の閉断面形状に形成してその高さ寸法を大きくし、ボンネットの高さ位置を高くしている。しかしながら、縦長閉断面形状のエプロンアッパメンバ1Aでは、その下縁に結合したサスペンションプレート20を介して作用するサスペンションのストラッドSの振動、特に左右方向の振動に対する剛性が必ずしも充分ではなく、エプロンアッパメンバ1Aの断面形状が崩れるおそれがある。エプロンアッパメンバ1Aの断面崩れは、車両の操縦安定性に影響をおよぼすおそれがある。
【0004】
また、従来、左右のサスペンションプレート20間に車幅方向にパフォーマンスロッドRを架設してサスペンションプレート20の振動を抑制することがなされている。しかし、パフォーマンスロッドRを設けた分、コストが増加し、かつ、パフォーマンスロッドRはエンジンルーム内を車幅方向に横切るので、エンジンルーム内に設置する部品との配置関係や、エンジンルーム内のサービス時の作業性に難点があった。
【0005】
そこで本発明は、エプロンアッパメンバのサスペンションからの振動入力に対する剛性を強化し、エプロンアッパメンバの断面崩れを抑制して車両の操縦安定性を向上する自動車の車体前部構造を提供することを課題としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エンジンルームの左右の側壁に設置した筒状のサスペンションタワーと、サスペンションタワーの上端を塞いでサスペンションの上端を支持するサスペンションプレートと、上記左右の側壁の上縁に沿って前後方向に設けて後端をフロントピラーと結合した閉断面のエプロンアッパメンバとを備え、上記サスペンションプレートの周縁の車外側の側縁部を上記エプロンアッパメンバの下縁に沿って結合した自動車の車体前部構造において、上記エプロンアッパメンバにこれを上下に仕切る仕切壁を設けて上記エプロンアッパメンバを上側の第1の閉断面と下側の第2の閉断面とからなる上下二層の閉断面構造とし、上記第2の閉断面の後端部を後方へ向けて下方に拡大する形状として上記エプロンアッパメンバの後端部を縦長形状に形成し、エプロンアッパメンバの後端末をフロントピラーの前面に結合する。かつ本発明は、上記エプロンアッパメンバの車内側の側面と上記サスペンションプレートとの間に、ブレースを架設し、該ブレースの車外側の端縁をエプロンアッパメンバの上記車内側の側面の中間部に上記仕切壁と一体に結合するとともに、ブレースの車内側の端縁をサスペンションプレートに結合する(請求項1)。
【0007】
エプロンアッパメンバを上下二層の閉断面で構成し、かつ、後端部のみを一般部よりも縦長としてフロントピラーに結合したことで、サスペンションプレートから作用する横方向の振動に対する剛性が強化される。二層の閉断面として剛性を強化したエプロンアッパメンバとサスペンションプレートとをブレースに結合することで、サスペンションプレートから作用する横方向の振動に対してさらに剛性の高い構造が実現できる。
【0008】
上記エプロンアッパメンバを、上記側壁の上縁に沿って前後方向に設けた縦壁状のインナパネルと、車内側に向けて開口する断面ほぼコ字形で上縁を上記インナパネルの中間部外面に沿って結合するとともに下縁をインナパネルの下縁に沿って結合したアウタパネルとで上記第2の閉断面を構成し、上記インナパネルと、上縁をインナパネルの上縁に沿って結合するとともに下縁を上記アウタパネルの車外側の側面に沿って結合したガセットと、上記第2の閉断面との間を仕切る仕切壁たる上記アウタパネルの上面部とで上記第1の閉断面を構成して、第1および第2の両閉断面からなる上下二層の閉断面構造とする。上記インナパネルの下縁後端部およびこれと結合した上記アウタパネルの下縁後端部とを後斜め下方へ向かう傾斜状に形成してエプロンアッパメンバの後端部を下方へ拡大する縦長形状に形成し、エプロンアッパメンバの後端末を上記フロントピラーの前面に縦長に結合し、エプロンアッパメンバの下縁と上記サスペンションプレートの車外側の側縁部とを結合する(請求項2)。上下二層の閉断面を備え、かつ、後端部を一般部よりも縦長としたエプロンアッパメンバが効果的に実現される
【0009】
上記サスペンションプレートと、その上方位置で、車幅方向に延び左右の両側端が上記エプロンアッパメンバの後端と上記フロントピラーとの結合位置に結合されたカウルの底壁との間に、上記カウルの底壁、上記サスペンションプレートおよび上記エプロンアッパメンバの車内側の側面とを連結するリインフォースメントを設ける。サスペンションプレートに加えられる横方向および縦方向の振動入力は、リインフォースメントを介してカウルおよびフロントピラーに伝達され、エプロンアッパメンバの荷重負担が軽減される。
【0010】
そして上記リインフォースメントに加え更に、上記エプロンアッパメンバの上記第2の閉断面内には、上記リインフォースメントに対応する位置に、第2の閉断面を前後に仕切るバルクヘッドを設ける(請求項3)上記リインフォースメントとともにバルクヘッドを設けたことで、エプロンアッパメンバの振動入力に対する剛性が更に強化される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1ないし図3に基づいて説明する。図1は本発明を適用したエンジンルームの側壁を車内側から見た斜視図、図2は側壁を車外側から見た斜視図を示し、図3(A)に側壁の車内側の側面図を、図3(B)に図3(A)のIII B−III B線に沿う断面図を示す。尚、エンジンルームの側壁は左右同一構造で、以下、一方の側壁を中心に説明する。図1および図3(A)に示すように、エンジンルームの側壁は、車両前後方向に延びる閉断面のフロントサイドメンバ4の外板に立設したエプロン3で構成してあり、エプロン3の下半部はアーチ状にフロントタイヤ(図略)のホイールハウス30を形成している。
【0012】
ホイールハウス30の前後中間位置には筒状のサスペンションタワー2が立設してある。サスペンションタワー2はその縦壁21の下縁をフロントサイドメンバ4に、縦壁21の前後両縁をエプロン3に結合してある。図1および図3(A),(B)に示すように、サスペンションタワー2の上端開口にはこれを塞ぐようにサスペンションプレート20が設けてある。サスペンションプレート20は車内側の周縁を縦壁21の上縁に溶接し、車外側の外側縁22がエンジンルーム側壁の上縁に沿って前後方向に延びるエプロンアッパメンバ1の下縁に溶接してある。そして、サスペンションタワー2は内部にフロントタイヤを支えるサスペンションのストラッドSを立設し、サスペンションプレート20にストラッドSの上端を連結してストラッドSを支持する。
【0013】
上記エプロンアッパメンバ1は、図1、図2および図3(A),(B)に示すように、インナパネル1aと、インナパネル1aの外側に設けたアウタパネル1bおよびガセット1cで構成してある。インナパネル1aは前後方向に延びる縦壁状の側面部10と、上端を車外側へ折り曲げた上面部11とを備えた断面ほぼ逆L字形をなし、インナパネル1aは上面部11を若干前下り傾斜状とした先細り形状に形成してある。インナパネル1aはその下縁をエプロン3の前半部上縁およびサスペンションプレート20の外側縁22に沿ってほぼ水平方向に結合し、サスペンションタワー2より後方に延びる下縁後端部を後斜め下方へ向かって延びる傾斜状に形成してエプロン3の後半部上縁に沿って結合してあり、インナパネル1aの後端部は下方に向かって上下幅が拡大している。
【0014】
アウタパネル1bは、車外側の垂直な側面部12と、上下端を車内側へ折り曲げた上面部13および下面部14を備えた車内側へ開口する断面ほぼコ字形である。アウタパネル1bは側面部12の上下幅をインナパネル1aの上下幅の半分程度とし、かつ、前後長は前端側がインナパネル1aよりも短くしてある。アウタパネル1bの上面部13はその左右幅をインナパネル1aの上面部11とほぼ同幅とし、インナパネル1aの上面部11と同様に若干前下り傾斜状に形成してある。
【0015】
アウタパネル1bは、サスペンションタワー2のやや前方位置からインナパネル1aの後端に至る長さで、上面部13の端縁に形成した上縁フランジをインナパネル1aの側壁部10外面の上下中間位置に前後方向に沿って溶接するとともに、アウタパネル1bの下面部14の端縁に形成した下縁フランジをインナパネル1aの下縁に溶接して、アウタパネル1bとインナパネル1aの側面部10の下半部とで閉断面X2を構成している。サスペンションタワー2より後方に延びるアウタパネル1bの下縁後端部は、インナパネル1aの下縁後端部に対応して後斜め下方へ向かって傾斜状に延び、閉断面X2の後端部は後方に向かって断面積が漸次拡大している。尚、閉断面X2の前端はアウタパネル1bの前面部により閉じてある。
【0016】
更に、インナパネル1aの外側にはアウタパネル1bの直上位置にガセット1cが設けてある。ガセット1cはほぼ平坦な板体で、その上縁をインナパネル1aの上面部11の上縁フランジに沿って溶接するとともに、ガセット1cの下縁をアウタパネル1bの側面部12の外面上縁に沿って溶接して、ガセット1cと、インナパネル1aの上半部、および、アウタパネル1bの上面部13とで閉断面X1を構成している。
【0017】
このように、エプロンアッパメンバ1は、サスペンションタワー2の前方位置から後端に至る部分が上側の第1の閉断面X1と下側の第2の閉断面X2とからなる上下二層の閉断面構造としてあり、かつ、後端部の断面積が下方へ拡大せしめてあり、後端末がフロントピラー5の中間部前面に溶接してある。フロントピラー5の中間部は三角形状のフィックスウィンド開口50を備え、前方に突出する張出部51が形成してある。エプロンアッパメンバ1は、第1の閉断面X1の後端をフロントピラー5の張出部51前面に結合するとともに、第2の閉断面X2の後端をピラー5の張出部51前面から下面側にかけて結合してある。
【0018】
また、左右のエプロンアッパメンバ1の後端とフロントピラー5との結合部間には車幅方向にカウル7が架設してある(図1)。カウル7は、カウルアッパ70とダッシュパネル71の上端部およびカウルロア72からなる閉断面構造で、サスペンションタワー2の上方位置で車幅方向に延び、左右の両側端をエプロンアッパメンバ1の第1の閉断面X1後端とフロントピラー5の張出部51前面との結合位置に結合してある。図3(A)のMはラジエーターサポートメンバである。
【0019】
車両走行時、サスペンションのストラッドSからサスペンションプレート20を介してエプロンアッパメンバ1の下端に振動が作用する。この場合、エプロンアッパメンバ1は、全体の断面形状は縦長であるが、アウタパネル1bの上面部13を仕切壁として、エプロンアッパメンバ1を第1の閉断面X1および第2の閉断面X2からなる上下二層の閉断面構造としてあるので、上記振動、特に左右方向の振動に対するエプロンアッパメンバ1の剛性は強化される。また、エプロンアッパメンバ1は、その後端部を下方に拡大して縦長とし、該後端部をフロントピラー5の前面に上下方向縦長に結合したので、エプロンアッパメンバ1とフロントピラー5との結合強度が強化され、エプロンアッパメンバ1はフロントピラー5に強固に支持される。かくして、エプロンアッパメンバ1の断面崩れを防ぎ、サスペンションプレート20の振動を効果的に抑制できる。
【0020】
次に、図4および図5に基づいて本発明の他の実施形態を説明する。基本構造は先の実施形態と同一で、本実施形態はエプロンアッパメンバ1の内側面とサスペンションプレート20の上面との間にブレース6を架けわたしたものである。ブレース6は、前後に対向する略直角三角形状の前壁部61および後壁部62と、両者61,62の傾斜辺間を連結した傾斜面状の連結部63を備えたプレス成形品で構成してある。ブレース6は、前壁部61および後壁部62の垂直縁と連結部63の上縁がエプロンアッパメンバ1の車内側面に溶接してあり、尚、連結部63の上縁はエプロンアッパメンバ1のインナパネル1aにアウタパネル1bの上縁フランジと一体に溶接してある。そして、前壁部61がサスペンションタワー2の前縁部に、後壁部62の底縁と連結部63の下縁はサスペンションプレート20の上面に溶接してある。
【0021】
本実施形態では、先の実施形態と同様な作用効果が得られるとともに、エプロンアッパメンバ1とサスペンションプレート20間にブレース6を架設し、かつ、ブレース6の一端をエプロンアッパメンバ1内の仕切壁13と一連に結合したので、サスペンションからの振動入力に対するエプロンアッパメンバ1下縁への応力集中を防ぐことができ、ブレース6を介してエプロンアッパメンバ1とサスペンションプレート20とが互いに支えあうので、振動に対するエプロンアッパメンバ1の剛性がより強化され、サスペンションプレート20の振動を効果的に抑制できる。
【0022】
更に、図6ないし図9に基づいて本発明の更に他の実施形態を説明する。基本構造は先の実施形態と同一で、本実施形態はサスペンションタワー2上端のサスペンションプレート20と、その上方に位置するカウル7の底壁をなすカウルロア72、およびエプロンアッパメンバ1の内側面とを結合するリインフォースメント8を設けるとともに、エプロンアッパメンバ1の下側の第2の閉断面X2内にこれを前後に仕切るバルクヘッド9を設けたものである。
【0023】
図6ないし図9に示すように、リインフォースメント8は縦壁状の鋼板で構成してある。リインフォースメント8は、カウル7のカウルロア72後端とサスペンションタワー2の後壁面上端間に車幅方向に沿って立設し、上縁フランジをカウルロア72の後縁フランジとダッシュパネル71との結合部に重合溶接し、車外側の側縁フランジをエプロンアッパメンバ1の第2の閉断面X2の車内側の側面を構成するインナパネル1aの側面部10下半部に重合溶接するとともに、下縁をサスペンションプレート20の後縁フランジと縦壁21上縁との結合部に重合溶接してある。
【0024】
図6、図7および図9に示すように、バルクヘッド9は鋼板で、上記リインフォースメント8に対応する位置で、エプロンアッパメンバ1の第2の閉断面X2内に立設してあり、車内側の側縁フランジをエプロンアッパメンバ1のインナパネル1aの側面部10下半部とリインフォースメント8の車外側の側縁フランジとの結合部に重合溶接するとともに、上縁フランジ、車外側の側縁フランジおよび下縁フランジをエプロンアッパメンバ1のアウタパネル1bの内面に重合溶接して第2の閉断面X2内を前後に仕切るように設置してある。
【0025】
本実施形態によれば先の実施形態と同様な作用効果に加えて、リインフォースメント8を設けることにより、サスペンションプレート20はリインフォースメント8を介してカウル7およびフロントピラー5に結合され、かつ、サスペンションプレート20はエプロンアッパメンバ1に、リインフォースメント8を介してバルクヘッド9で強化された部分に結合されているから、サスペンションプレート20からの振動入力に対するエプロンアッパメンバ1の剛性は大きく強化されて断面崩れが防止され、サスペンションプレート20の振動も効果的に抑制できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の車体前部構造によれば、エプロンアッパメンバを上下二層の閉断面構造とし、かつ、エプロンアッパメンバの後端を一般部よりも縦長としてフロントピラーに上下方向に沿って縦長状に結合することでフロントピラーとの結合力を強化したので、サスペンションプレートから作用する振動入力に対する剛性が強化でき、かつ、サスペンションプレートの振動も抑制される。更に、エプロンアッパメンバとサスペンションプレートとを架けわたすブレースや、エプロンアッパメンバとサスペンションプレートおよびカウルとを結合するリインフォースメントや、エプロンアッパメンバの閉断面内にバルクヘッドを設けることで振動入力に対するエプロンアッパメンバの剛性をより効果的に向上でき、同時にサスペンションプレートの振動をより効果的に抑制することができる。これにより、車両の操縦安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車体前部構造の車内側の斜視図である。
【図2】本発明の車体前部構造の車外側の斜視図である。
【図3】図3(A)は本発明の車体前部構造の車内側の側面図、図3(B)は図3(A)のIII B−III B線に沿う断面図である。
【図4】本発明の他の車体前部構造の車内側の斜視図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】本発明の更に他の車体前部構造の車内側の斜視図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図7のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】従来の車体前部構造の車内側の斜視図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 エプロンアッパメンバ
1a インナパネル
1b アウタパネル
1c ガセット
13 仕切壁(アウタパネルの上面部)
2 サスペンションタワー
20 サスペンションプレート
22 車外側の側縁部
6 ブレース
7 カウル
72 底壁(カウルロア)
8 リインフォースメント
9 バルクヘッド
X1 第1の閉断面
X2 第2の閉断面

Claims (3)

  1. エンジンルームの左右の側壁に設置した筒状のサスペンションタワー(2)と、サスペンションタワー(2)の上端を塞いでサスペンションの上端を支持するサスペンションプレート(20)と、上記左右の側壁の上縁に沿って前後方向に設けて後端をフロントピラー(5)と結合した閉断面のエプロンアッパメンバ(11)とを備え、上記サスペンションプレート(20)の周縁の車外側の側縁部を上記エプロンアッパメンバ(1)の下縁に沿って結合した自動車の車体前部構造において、
    上記エプロンアッパメンバ(1)にこれを上下に仕切る仕切壁(13)を設けて上記エプロンアッパメンバ(1)を上側の第1の閉断面(X1)と下側の第2の閉断面(X2)とからなる上下二層の閉断面構造とし、
    上記エプロンアッパメンバ(1)の車内側の側面と上記サスペンションプレート(20)との間に、ブレース(6)を架設し、該ブレース(6)の車外側の端縁をエプロンアッパメンバ(1)の上記車内側の側面の中間部に上記仕切壁(13)と一体に結合するとともに、ブレース(6)の車内側の端縁をサスペンションプレート(20)に結合し、
    上記第2の閉断面(X2)の後端部を後方へ向けて下方に拡大する形状として上記エプロンアッパメンバ(1)の後端部を縦長形状に形成し、エプロンアッパメンバ(1)の後端末をフロントピラー(5)の前面に結合したことを特徴とする自動車の車体前部構造。
  2. 上記エプロンアッパメンバ(1)を、上記側壁の上縁に沿って前後方向に設けた縦壁状のインナパネル(1a)と、車内側に向けて開口する断面ほぼコ字形で上縁を上記インナパネル(1a)の中間部外面に沿って結合するとともに下縁をインナパネル(1a)の下縁に沿って結合したアウタパネル(1b)とで上記第2の閉断面(X2)を構成し、上記インナパネル(1a)と、上縁をインナパネル(1a)の上縁に沿って結合するとともに下縁を上記アウタパネル(1b)の車外側の側面に沿って結合したガセット(1c)と、上記第2の閉断面との間を仕切る仕切壁たる上記アウタパネルの上面部(13)とで上記第1の閉断面(X1)を構成して、第1および第2の両閉断面(X1,X2)からなる上下二層の閉断面構造とし、
    かつ、上記インナパネル(1a)の下縁後端部およびこれと結合した上記アウタパネル(1b)の下縁後端部とを後斜め下方へ向かう傾斜状に形成してエプロンアッパメンバ(1)の後端部を下方へ拡大する縦長形状に形成し、
    エプロンアッパメンバ(1)の後端末を上記フロントピラー(5)の前面に縦長に結合し、エプロンアッパメンバ(1)の下縁と上記サスペンションプレート(20)の車外側の側縁部とを結合した請求項1に記載の自動車の車体前部構造。
  3. 上記サスペンションプレート(20)と、その上方位置で、車幅方向に延び左右の両側端が上記エプロンアッパメンバ(1)の後端と上記フロントピラー(5)との結合位置に結合されたカウル(7)の底壁との間に、上記カウル(7)の底壁、上記サスペンションプレート(20)および上記エプロンアッパメンバ(1)の車内側の側面とを連結するリインフォースメント(8)を設け,かつ上記エプロンアッパメンバ(1)の上記第2の閉断面(X2)内には、上記リインフォースメント(1)に対応する位置に、第2の閉断面(X2)を前後に仕切るバルクヘッド(9)を設けた請求項1ないし請求項2に記載の自動車の車体前部構造。
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