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JP2000141768A - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置

Info

Publication number
JP2000141768A
JP2000141768A JP10318083A JP31808398A JP2000141768A JP 2000141768 A JP2000141768 A JP 2000141768A JP 10318083 A JP10318083 A JP 10318083A JP 31808398 A JP31808398 A JP 31808398A JP 2000141768 A JP2000141768 A JP 2000141768A
Authority
JP
Japan
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image
recording
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read
image data
Prior art date
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Pending
Application number
JP10318083A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Hirose
正幸 広瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP10318083A priority Critical patent/JP2000141768A/ja
Publication of JP2000141768A publication Critical patent/JP2000141768A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでかつ、処理速度が低下しない画像
濃度補正を行う画像記録装置を提供する。 【解決手段】 画像を1ライン1サイクルの単位で読み
取り、この1サイクルで読み取った画像データに対応す
る吐出口の特性に応じた補正テーブルを選び出し、画像
処理テーブルと合成することにより、画像処理と補正と
を同時に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像記録装置に関
し、詳しくは複数の記録素子を有した印字ヘッドにより
記録を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機などの画像記録装置で
は、再生対象の原稿を画像読み取りセンサーで読み取
り、信号化した画像データとし、この画像データをもと
に記録媒体に画像を形成することで、原稿を再生してい
る。
【0003】ところで、画像記録装置の記録ヘッドにお
ける複数の記録素子は、度重なる使用などにより、各記
録素子の記録特性にばらつきが生じる場合がある。例え
ば、インクジェット方式の画像記録装置では、吐出口に
よって、インク吐出量に差を生じ、これによって記録さ
れる画素において吐出口ごとの濃度ムラが生じる場合が
ある。
【0004】このような濃度ムラに対し、従来から、数
々の方法がとられてきたが、主に次の二つの方法が一般
的に用いられてきた。
【0005】まず、第一の方法として、記録ヘッドの操
作により記録可能な領域である1バンド分の画像を複数
のスキャンで印字する複数パス印字を行うものである。
【0006】最初に、複数パス印字の方法を説明する前
に、比較のため1パス印字の方法を説明する。図29に
示すように、キャリッジ60を記録媒体である用紙15
の左端から矢印Aで示す方向に移動させ、この移動の際
に各印字ヘッドからインク滴を吐出することにより、印
字を行う。キャリッジ60が用紙15の右端まで移動す
ると、キャリッジ60を左端に戻すとともに、用紙15
を矢印Bで示す方向に、印字ヘッドの幅分(矢印Cで示
す幅)だけ移動させる、といった作業を繰り返してい
く。したがって、一つの印字領域に注目すると1回のス
キャンで印字される領域は、図30に示すように、その
領域全体となる。つまり、用紙15上の各印字領域は一
回のスキャンによって印字されるので、吐出口ごとの吐
出特性のばらつきがそのまま印字領域に反映され、濃度
ムラが顕著に現れることがある。
【0007】これに対する複数パス印字の一例として、
2パス印字について説明する。図31に示すように、印
字ヘッド61、62、63、64の下半分の領域をF領
域、上半分の領域をR領域とする。まず、キャリッジ6
0を矢印Aで示す方向に移動させる。このようにキャリ
ッジ60を用紙15の左端から移動させる際に、印字ヘ
ッド61、62、63,64のF領域からそれぞれ印字
データに応じてインク滴を吐出することにより、印字を
行う。キャリッジ60が用紙15の右端まで移動する
と、用紙15を矢印Bで示す方向に、印字ヘッドの幅の
半分(図中C/2で示す幅)だけ移動するとともに、キ
ャリッジ60を用紙15の左端に戻す。再びキャリッジ
60を用紙15の右端まで移動させ、印字を行う。この
とき、先のスキャンにてF領域で印字した部分を、R領
域で印字し、F領域は用紙15の新しい領域を印字す
る。したがって、図32に示すように、例えば1ライン
分の画素が異なる吐出口で印字されるので、各吐出口ご
とのばらつきによる濃度ムラの発生を緩和することがで
きる。
【0008】このように、記録媒体の同じ部分をN回印
字する印字方法をNパス印字方法と称している。
【0009】しかしながら、上述した複数パス印字方法
は、用紙の同じ場所を複数回スキャンして印字するもの
であるため、1パス印字に比べて時間を要すという問題
がある。
【0010】次に、第二の方法は、吐出口に対応して、
読み取りセンサーで読み取った濃度データに基づき、画
像データを補正するヘッドシェーディング(以下、HS
ともいう)であり、この方法は、上述の第一の方法のよ
うに、印字動作自体に時間を要することはない。
【0011】ヘッドシェーディングは次のようにして行
われる。
【0012】まず、図33に示すように、矢印Aで示す
方向に対して、読み取り画素が垂直に並んでいる読み取
りセンサー70を矢印Aで示す方向にスキャンする。こ
の1スキャンで読み取りセンサー70が読み取る領域を
1バンドとする。1バンド分の画像を読み取ると、矢印
Bに示す方向に読み取り画素の並び幅だけ読み取りセン
サー70を移動し、次の1バンド分を読み取っていく。
【0013】一方、この読み取りデータに基づく印字
は、図34に示すように、前述した1パス印字を行う。
すなわち、キャリッジ60を用紙15の矢印Cで示す方
向にスキャンし、印字ヘッドの幅を1単位として印字し
ていく。1バンド分の印字が終了すると、用紙15を矢
印Dで示す方向に1バンド分移動させ、次の印字を同様
にして行う。
【0014】読み取りセンサー70で読み取った画素と
印字ヘッド60における吐出口との関係は図35に示す
ように、読み取りセンサー70の先頭となる画素G1で
読み取られた画像データは、印字ヘッドの先頭の吐出口
N1で印字される。同様に、読み取りセンサー70の画
素G2,..,G8で読み取られた画像情報は、対応す
る各吐出口N2,..,N8で印字される。そして、こ
の読み取りセンサー70で読み取った画像データに対
し、ヘッドシェーディング、すなわち、各吐出口ごとに
画像データに対する濃度補正を行う。
【0015】図36は、このヘッドシェーディングのた
めの構成を示すブロック図である。
【0016】カウンタ71は、画像信号が、画像読み取
りセンサー70のどの画素に対応するものなのかを示す
ものである。すなわち、読み取りセンサー70が1バン
ド分のスキャンを開始するタイミングでリセット信号が
入力され、カウンター71がクリアされる。そして、画
像読み取りセンサー70が先頭の画素G1から1画素分
の読み取りデータを出力するごとにカウント値を1つ加
算するようになっている。カウンタ71はRAM72の
アドレスバス(AB)に接続されており、カウンタ71
のカウント値はRAM72に送られる。
【0017】RAM72には、各吐出口ごとの吐出特性
が記憶されており、アドレスバス0に対応するエリアに
は吐出口N1の特性、アドレスバス1に対応するエリア
には吐出口N2の特性というように吐出口の並び順に記
憶されている。なお、各吐出口の特性は次のようにし
て、RAM72に格納される。すなわち、印字ヘッドの
所定のROMなどに格納されている吐出特性を読み出
し、それをRAM72に書き込んだり、または、予めプ
リンタにより所定のパターンを印字し、その印字結果を
読み取った濃度に基づきRAM72に書き込むことによ
って可能としている。
【0018】RAM72は、入力したカウント値に対応
するアドレスに格納されている吐出口の特性をデータバ
ス(DB)に出力する。出力した吐出口の特性はROM
73に入力される。ROM73には、吐出口の特性に合
わせて画像データをどのように補正したらよいかの補正
テーブルが記憶されている。
【0019】図37〜図39にそれぞれ補正テーブル例
を示す。図37に示す補正テーブル(1)は、入力した
画像信号の値がそのまま出力されるものである。図38
に示す補正テーブル(2)は、入力した画像信号の値よ
りも大きい値が補正値として出力されるものである。図
39に示す補正テーブル(3)は、入力した画像信号の
値よりも小さい値が補正値として出力されるものであ
る。入力した画像信号よりも補正値を大きくすると、印
字濃度は濃くなり、補正値を小さくすると印字濃度は薄
くなる。
【0020】ROM73の上位アドレスバスには、RA
M72のデータバスが接続され、上述した吐出口の特性
が入力される。これにより、この特性に応じた補正テー
ブルが選択される。そしてROM73の下位アドレスバ
スに接続されている画像信号すなわち画像データは、上
述のように選択された補正テーブルによって補正され
る。以上のようにして、ROM73から吐出口ごとに補
正された画像データが出力される。
【0021】図40は、以上説明した画像読み取りセン
サー70の読み取り画素、補正テーブルの補正値、およ
び印字ヘッドの各吐出口についてそれらの対応関係を示
したものである。すなわち、読み取りセンサー70の先
頭に位置する画素G1で読み取られた画像データは、吐
出口N1で印字されるものなので、吐出口N1の特性か
ら、図39に示す補正テーブル(3)が選択されるとす
ると、ROM73では画素G1で読み取られた画像デー
タは補正テーブル(3)により変換され、吐出口N1の
画像データとして補正値H1が出力される。
【0022】このようなヘッドシェーディングによる濃
度補正により、1パス印字であっても濃度ムラの少ない
画像を形成することができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のヘッドシェーディングにおいて、次のような問題点
があった。
【0024】すなわち、画像形成装置の制御LSIに吐
出口ごとに補正テーブルを対応づけるためのカウンタ7
1などの回路を組み込む必要があり、この回路によりコ
ストアップとなるという問題がある。
【0025】本発明の目的は、画像の濃度補正に関し
て、低コストでかつ、処理速度が低下しない濃度補正を
行う画像記録装置を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の画
像記録装置は、原稿を読み取る画像読み取り手段と、こ
の画像読み取り手段で読み取った原稿の画像データに基
づき、複数の記録素子を有した記録ヘッドによって記録
を行う画像記録装置において、画像読み取り手段は前記
複数の記録素子のうち、同一の記録素子によって記録さ
れる所定単位ごとに原稿を読み取り、読み取った単位ご
とに、画像データに記録素子の特性に合わせた補正を行
う補正手段を設けたことを特徴とするものである。
【0027】また、原稿を読み取る画像読み取り手段
と、この画像読み取り手段にて読み取った画像データを
処理する画像処理手段と、この画像処理手段にて処理さ
れた画像データを複数の記録素子によって記録する記録
手段とからなる画像記録装置において、前記画像処理手
段が1サイクルで処理する画像データはすべて同一記録
素子によって記録されるものとし、この画像データが画
像処理手段に入力される前に、該当する記録素子を検知
し、各記録素子の特性ごとに設けられた補正データの中
から、該当する記録素子の特性に応じた補正を行う補正
データを選択し、画像処理手段の画像処理データに合成
し、画像処理手段が、この画像処理データにて画像デー
タを処理することにより、画像処理と補正とを同時に行
うことを特徴とするものである。
【0028】以上のような画像記録装置によれば、画像
読み取り手段にて読み取った画像データに対応する記録
素子の特性に応じた補正が行われるので、記録素子ごと
の印字ムラを防ぐことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の画像記録装置について、
以下に図面を参照して説明する。
【0030】図1は画像記録装置の構成を示す模式図で
ある。
【0031】画像記録装置1は、画像読み取り部2で再
生対象の原稿を読み取り、読み取った画像データを画像
処理部で処理し、画像印字部3で印字するという構成で
ある。
【0032】まず、画像読み取り部2で、再生対象の原
稿4は、原稿台22の上に置かれ、圧板21と原稿台2
2とで動かないように固定される。原稿照明ランプ24
は、原稿4と白色板23とを照射する。反射された光
は、反射ミラー25、26、27によって、レンズ28
を通過する。レンズ28を通過した光は、画像読み取り
センサー(以下「CCD」ともいう)30に導かれ、C
CD30では画像読み取りが行われる。
【0033】なお、原稿照明ランプ24には、蛍光灯、
ハロゲンランプ、キセノンランプ、LEDアレーなど発
光部が直線となる形状のものが用いられる。また、原稿
照明ランプ24と反射ミラー25、26、27とは、駆
動手段(図示省略)により、矢印Pで示す方向に移動し
て原稿の全面に光を照射し、端まで照射し終わったら、
最初の位置に戻るという一連の動作を繰り返す。
【0034】読み取られた画像データは、画像処理部で
印字に適した形に処理され、画像印字部3に送られる。
なお、画像処理の詳細については、後述する。
【0035】画像印字部3は、紙などの記録媒体(以下
「用紙」という)15を収納したカセット12を備え、
このカセット12内に収納された用紙15は、給紙ロー
ラ13が回転することによってカセット12から引き出
される。カセット12から引き出された用紙15は、用
紙搬送ガイド板14上を通り、搬送ローラ16、17の
回転によって移動し、用紙搬送ガイド板19上を通り、
排紙ローラ18の回転で排紙トレー20まで搬送され
る。
【0036】搬送ローラ16と搬送ローラ17の間に設
けられた印字ヘッド5から、シアン(以下Cともい
う)、マゼンタ(以下Mともいう)、イエロー(以下Y
ともいう)、ブラック(以下Kともいう)の各インク滴
を吐出して、そのインク滴が用紙15に付着し、ドット
を生成することにより、画像が形成されていく。
【0037】このような構成の画像記録装置において、
画像読み取り部2により読み込まれた画像データは画像
処理部でどのようにして処理されていくかを以下に説明
する。
【0038】図2の画像処理ブロック図に示すように、
レンズ28に結像された光による画像データは、CCD
30により、電気信号に変換される。電気信号に変換さ
れた画像データは、アナログ信号処理部31に入力され
る。アナログ信号処理部31は、入力された画像データ
を次のA/D変換器32の入力ダイナミックレンジに適
合するように増幅する。なお、アナログ信号処理部31
は、複数のOPアンプなどを使用した回路や専用のIC
を使用した回路が用いられ、任意の増幅幅が選択できる
ように構成されている。A/D変換器32は入力された
アナログの信号である画像データを、デジタルの信号に
変換し出力する。
【0039】デジタルに変換された画像データは、シェ
ーディング補正処理部33により原稿照明ランプ24の
光量分布ムラやCCD30の各読み取り画素の感度差に
よる画像データのばらつきを補正する。シェーディング
補正された画像データは、入力マスキング処理部34に
よりCCD30のレッド(以下Rともいう)、グリーン
(以下Gともいう)、ブルー(以下Bともいう)による
色空間の画像をカラーの標準色空間の画像データに変換
する。カラーの標準色空間に変換された画像情報は、セ
レクタ48を通り、黒文字検出処理部35に送られる。
セレクタ48は、入力マスキング処理部34からの画像
データか、または、CPU処理部45からの画像データ
かを選択するものである。黒文字検出処理部35によ
り、画像データのなかに黒色の文字情報があるかどうか
の判定処理が実施される。黒色の文字と判定された画像
データには、黒文字信号情報が付加される。黒文字検出
された画像データは、次にフィルター処理部36におい
て、画像のエッジ部を強調したり、階調表現を滑らかに
する処理が施される。フィルター処理部36にて、この
ような処理がなされた画像データは、次に変倍処理部3
7にて目的の倍率に拡大したり縮小したりする処理が施
される。変倍された画像データは、LOG変換処理部3
8により、R,G,Bの輝度信号から、C,M,Yの濃
度信号に変換される。
【0040】濃度信号に変換された画像データは、出力
マスキング/UCR処理部39により、カラーの標準色
空間から画像印字部3の印字特性を考慮した色空間の画
像データに変換される。つまり、C,M,Yの信号から
C,M,Y,Kの信号に変換される。
【0041】次にC,M,Y,Kの信号に変換された画
像データは、γ変換処理部40により、画像形成に適し
た濃度に変換される。目的の濃度に変換された画像デー
タは、ADD−ON処理部41により、前もって決まっ
ている情報を埋め込む処理が行われる。
【0042】ADD−ON処理された画像データは、二
値化/パレット処理部42により必要な処理が施され
る。例えば、二値化モード時は、8ビットの多値信号で
構成されている画像データを1ビットの二値信号に変換
される。パレットモード時は、各エリア8ビットの多値
信号で構成されている画像データを、2×4エリア単位
で4ビット(16通り)の前もって決まったパターン信
号に対応する信号に変換する。二値化/パレット処理さ
れた画像データのうち、黒文字検出処理部35にて黒文
字と判断されている部分については、黒文字変換処理部
43にてC,M,Y画像信号をK信号に変換する処理が
実施される。ただし、パレットモード時には、黒文字変
換処理は実行されない。黒文字変換処理部43の出力
は、CPU処理部45に入力される。
【0043】CPU処理部45に入力された画像データ
は、CPU内のメモリに一時的に保存された後、必要な
処理ブロックへ送られる。例えば、黒文字変換処理部4
3から入力した画像データは画像印字部3や、または、
CPU処理部45に接続されているコンピュータ47に
送られる。また、コンピュータ47からの画像データを
画像印字部3やまたはセレクタ48に送る。画像印字部
3の入力信号としては、二値のビットデータかパレット
データを受け付けるようになっている。
【0044】コンピュータ47は、本発明の画像記録装
置1とインターフェースコネクタ46を介して接続され
ている。画像形成装置1は、原稿台に置かれた原稿4の
画像情報をコンピュータ47に送ったり、コンピュータ
47より送られてきた画像データを画像印字部3で印字
する機能を有している。画像記録装置1は、コンピュー
タ47が接続されていなくても、動作することは言うま
でもない。
【0045】次に画像処理に関する4モードの画像デー
タの流れを説明する。
【0046】第一のモードは、原稿台に置かれた原稿4
を読み取り、コンピュータ47に原稿の画像情報を送る
モードである。画像信号の流れは、図3の画像処理ブロ
ック図の矢印で示すものである。ただし、黒文字検出処
理部35、フィルタ処理部36、変倍処理部37、LO
G変換処理部38、出力マスキング/UCR処理部3
9、γ変換処理部40、ADD−ON処理部41、二値
化/パレット化処理部42、黒文字変換処理部43にお
いては、処理が不要な場合があるため、各ブロックごと
に設定する定数や内部回路で処理をスルーすることが可
能になっている。
【0047】第二のモードは、コンピュータ47で作成
した画像データをプリンタ44で印字するモードであ
る。画像データの流れは、図4の画像処理ブロック図に
矢印で示すものである。コンピュータ47の使用者によ
って作成された原稿は、コンピュータ47のドライバー
ソフトにより、二値データに変換されるか、またはパレ
ットデータに変換される。二値データかパレットデータ
に変換された画像データはコンピュータ47よりインタ
ーフェースコネクタ46、CPU処理部45を介して画
像印字部3に転送され印字される。
【0048】第三のモードは、原稿台におかれた原稿4
を読み取り、読み取った画像データを画像印字部3で印
字するモードである。画像データの流れは、図5の画像
処理ブロック図に矢印で示すものである。
【0049】第四のモードは、コンピュータ47で作成
した画像データをプリント44で印字するモードであ
る。画像データの流れは、図6の画像処理ブロック図に
矢印で示すものである。すなわち、コンピュータ47で
作成された原稿の情報は、CPU制御部45に送られ、
セレクタ48を通して黒文字検出処理部35、フィルタ
処理部36、変倍処理部37、LOG変換処理部38、
出力マスキング/UCR処理部39、γ変換処理部4
0、ADD−ON処理部41、二値化/パレット化処理
部42、黒文字変換処理部43、CPU処理部45にて
必要な処理を施された後、画像印字部3に送られ、印字
される。印字結果は、第二のモードと同じになるが、第
二のモードと異なっている点は、コンピュータ47の使
用者によって作成された原稿を、コンピュータ47のド
ライバーソフトにより二値のデータ、あるいはパレット
データに変換する部分をハードの回路で実施することで
ある。この結果、コンピュータ47のドライバーソフト
の処理時間に対応する部分の時間短縮が可能になる。
【0050】第二のモードと第四のモードとのトータル
印字時間を考えた場合、第二のモードでは、コンピュー
タ47のドライバーの処理時間がかかるが、コンピュー
タ47からCPU45に転送するデータ量が少なくな
る。第四のモードでは、コンピュータ47のドライバー
の処理時間が短くなるが、コンピュータ47からCPU
処理部45に転送するデータ量が多くなる。よって、コ
ンピュータ47で作成した画像データの状態により、第
二のモードの方が印字時間が短い場合と第四のモードの
方が印字時間が短い場合があるので、適切なモードを随
時選択する。
【0051】次にCPU処理部45の構成について、説
明する。
【0052】図7に示すように、CPU制御部45内部
は、CPU50と、ROM51と、RAM52と、AS
IC53と、操作部54とから構成されている。
【0053】操作部54はCPU50に接続している。
操作部54は、液晶表示部55とキーSW56とから構
成されている。キーSW56が押されているかどうかは
常にCPU50が検知しており、キーSW56が押され
ると、押されたキーに対応する必要な処理が行われる。
また、液晶表示部55には、CPU50からの情報に基
づいて装置の動作状態やキーSW56の名称などが表示
されている。
【0054】ROM51は、CPU50の動作を制御す
るためのプログラムや画像処理のパラメータなどが格納
されている。
【0055】RAM52は、CPU50のデータや画像
データを一時的に記憶する働きをしている。
【0056】ASIC53は、黒文字変換処理部43や
CPU50からの画像データを画像印字部3やコンピュ
ータ47に必要な形式のデータに変換して送ったり、コ
ンピュータ47からの画像データをCPU50やセレク
タ48に合う形式のデータに変換して送っている。
【0057】次にCPU50における画像処理の流れに
ついて説明する。
【0058】まず、印字モードの選択は図8に示すフロ
ーチャートのようにして行われる。
【0059】すなわち、操作部54からCPU50への
印字モードの入力値が1であった場合(ステップ1)、
印字モードはスキャンモード処理を選択する(ステップ
8)。
【0060】操作部54からCPU50への印字モード
の入力値が2であった場合(ステップ2)、印字モード
はプリント1モード処理を選択する(ステップ7)。
【0061】操作部54からCPU50への印字モード
の入力値が3であった場合(ステップ3)、印字モード
はコピーモード処理を選択する(ステップ6)というも
のである。操作部54からCPU50への印字モードの
入力値が、1、2、3以外の値であった場合、印字モー
ドは、プリント2モード処理を選択する(ステップ
4)。
【0062】次に各モードの処理の流れについて説明す
る。
【0063】まず、スキャンモード処理は図9に示すよ
うに、CPU50は黒文字変換処理部43より送られて
きたデータを読み取る(ステップ1)。次に読み取った
データをRAM52に一時格納する(ステップ2)。次
に、コンピュータがデータを受け取る準備ができている
かを判断し、準備できていない場合は、ステップ1にも
どり、再度読み取り作業を行う。コンピュータがデータ
を受け取る準備ができている場合は、RAM52に格納
されているデータをASIC53に転送する(ステップ
4)。次にASIC53からインターフェースコネクタ
46を経由してコンピュータ47にデータを転送させる
(ステップ5)。ここで、原稿4を再生するのに必要な
データはすべてコンピュータに転送したかどうかを確認
し、全データの転送が終了していない場合は再度ステッ
プ1からの処理作業を繰り返す(ステップ6)。すべて
転送した時点で一連の処理を終了する(ステップ7)。
【0064】次に、プリント1モード処理は図10に示
すように、まず、コンピュータ47の使用者が作成した
文書などの印字データがASIC53に転送されたら
(ステップ1)、CPU50はASIC53から印字デ
ータを読み取る(ステップ2)。次に、いったんそれら
の印字データをRAM52に格納する(ステップ3)。
そして、画像印字部3が印字可能かどうかチェックし、
印字の準備ができてない場合は印字準備が完了するまで
待ちつづける(ステップ4)。画像印字部3の印字準備
が完了したら、RAM52の印字データをASIC53
に転送する(ステップ5)。ASIC53に転送した印
字データを次に画像印字部3に転送する(ステップ
6)。画像印字部3が印字するのに必要なデータがすべ
て転送されたかどうかを確認し(ステップ7)、全デー
タの転送が終了していない場合は再度ステップ1からの
処理作業を繰り返す。すべて転送し終わったら作業を終
了する(ステップ8)。
【0065】次にコピーモード処理は図11に示すよう
に、まず、CPU50は黒文字変換処理部43より送ら
れてくる画像データを読み取る(ステップ1)。次に、
読み取った画像データをいったんRAM52に格納する
(ステップ2)。次に、画像印字部3の印字に必要な画
像データがすべてそろっているかどうかを確認し(ステ
ップ3)、画像データがそろっていない場合はステップ
1からの処理作業を繰り返す。画像データがすべてそろ
ったら、画像印字部3が印字可能な状態かどうかを確認
する(ステップ4)。印字準備が完了していないとき
は、完了するまで、待ちつづける。画像印字部3の印字
準備が完了したら、RAM52に格納した画像データを
ASIC53に転送する(ステップ5)。次に、ASI
C53に転送した画像データを画像印字部3に送る(ス
テップ6)。画像データを画像印字部3にすべて転送し
たかどうかを確認し(ステップ7)、全データの転送が
終了していない場合はステップ1からの処理作業を繰り
返す。すべて転送し終えれば、処理を終了する(ステッ
プ8)。
【0066】次に、プリント2モード処理を説明する。
図12に示すように、まず、コンピュータ47の使用者
が作成した文書などの印字データはASIC53に転送
されるので(ステップ1)、CPU50はASIC53
から印字データを読み取る(ステップ2)。次に、CP
U50は読み取った印字データをいったんRAM52に
格納する(ステップ3)。次に、画像印字部3の印字に
必要なデータが印字データにそろっているかを確認し
(ステップ4)、印字に必要なデータがそろっていない
場合はステップ1に戻り、ステップ1からの処理を繰り
返す。印字に必要なデータが十分そろったら、CPU5
0はRAM52の印字データをセレクタ48に送る(ス
テップ5)。次に、セレクタ48は、入力端Bを選択
し、CPU50から送られてきた印字データを黒文字処
理部35に送り、印字データは黒文字処理部43にて必
要な処理が実施される(ステップ6)。黒文字処理部4
3にて処理を施された印字データは、再びCPU50に
て読み込まれ、RAM52に格納される(ステップ
7)。次にCPU50は画像印字部3が印字可能かどう
かをチェックする(ステップ8)。印字準備が完了して
いなければ、完了するまで待ちつづける。画像印字部3
が印字可能になったら、CPU50はRAM52に格納
されていた印字データをASIC53に転送する(ステ
ップ9)。次に、ASIC53の印字データを画像印字
部3に転送する(ステップ10)。全データが転送でき
たかどうかを確認し(ステップ11)、全データの転送
が終了していない場合は、再度ステップ1からの処理を
繰り返す。全データを転送し終わったら、処理を終了す
る(ステップ12)。
【0067】次に、画像記録装置1に用いられる印字ヘ
ッドの構造を説明する。
【0068】印字ヘッドは複数の吐出口から構成されて
おり、各吐出口付近は図13に示すような構成になって
いる。つまり、発熱素子であるヒータ100と駆動回路
(図示省略)とを一体化しているシリコンウエハー10
1と、オリフィス板104と、壁部材109とで挟まれ
た空間に画像形成用のインク102が充填している。オ
リフィス板104のうち、ヒータ100の上部にあたる
部分は吐出口105となっており、この部分からインク
が吐出する仕組みとなっている。
【0069】次に、インクが吐出する様子を説明する。
まず、図14に示すように、ヒータ100は駆動回路よ
り与えられた駆動信号に従って、発熱する。ヒータ10
0が発熱すると、ヒータ100の周辺に気泡103が発
生し、この気泡103の生成圧力で、インク102が押
され、吐出口105に向かって盛り上がる。次に図15
に示すように、ヒータ100の発熱に従って、気泡10
3は大きくなり、吐出口105付近のインク102がイ
ンク滴106となって押し出される。次に図16に示す
ように、押し出されたインク滴106は記録媒体の目的
の位置に向かって飛翔する。そして、ヒータ100はあ
らかじめ定められた時間だけ発熱すると、発熱をやめ
る。ヒータ100からの加熱がなくなると、気泡103
は急速に小さくなっていき、完全に消滅して、図13の
状態に戻る。このように、ヒータ100の発熱と冷却を
繰り返すことにより、インク滴106を吐出される。こ
の方式はバブルジェット方式と呼ばれるものであるが、
インクの吐出方法はこの方法に限定するものではなく、
ピエゾ方式など、他の方式であってもよい。
【0070】また、各吐出口105は、図17に示すよ
うに、一定の間隔を置いて並べられている。そして、イ
ンクタンク107に蓄えられたインクは、矢印で示すよ
うに、インク供給口113からインク通路108を通
り、各吐出口105付近まで充填される。また、図18
は印字ヘッドを吐出口105側から見た図である。この
ように、吐出口105は3個の並びが二列の構成になっ
ており、中央部分にインク通路108が形成されてい
る。
【0071】次に、画像読み取りセンサー30による画
像の読み取り方法と、画像の印字方法について説明す
る。まず、原稿の読み取り方法は、図19に示すよう
に、画像読み取りセンサー30の画素の並び方向を、印
字ヘッド60の吐出口の並び方向に垂直になるようにな
っており、原稿の読み取りは、画像読み取りセンサー3
0を原稿4に対して、矢印Eで示す方向にスキャンし、
1ライン単位で読み取っていく。
【0072】印字方法は、図20に示すように、キャリ
ッジ60を用紙15の矢印Cで示す方向にスキャンし、
印字ヘッドの幅で印字する。用紙の左端から右端まで印
字する、すなわち1バンド分の画像を印字すると、矢印
Dに示す方向に1バンド分の幅だけ用紙15を移動さ
せ、再び同じ方法で印字していくものである。
【0073】ここで、原稿の読み取り方法と印字方法と
が上述の通りなので、読み取った画像と印字ヘッドの各
吐出口との対応づけは次のようになる。図21で示すよ
うに、読み取りセンサー30が最初の1ライン目で読み
取った画素(G1,..,G8)は、すべて印字ヘッド
の並びが先頭の吐出口N1で印字されるということにな
る。また、図22に示すように読み取りセンサー30が
次の1ラインで読み取った画素(G1,..,G8)
は、印字ヘッドの並びが2番目の吐出口N2に対応する
こととなる。このように、読み取りセンサー30の画素
が吐出口の並び方向に垂直に並んでいるので、画像読み
取りセンサー30で読み取った1ラインの画像データは
すべて同じ吐出口で印字される。そこで、図23に示す
ように、1ライン目の画素(G1,..,G8)の画像
データはすべて、吐出口N1の特性を考慮したHS補正
を行うことになる。また、2ライン目の画像データはす
べて吐出口N2で印字されるので、図24に示すよう
に、吐出口N2の特性を考慮したHS補正を行うことに
なる。したがって図36に示す従来のヘッドシェーディ
ングのブロック図のように、入力された画像データを画
素ごとにどの吐出口に対応するかを区別するカウンタ7
1が必要なくなる。すなわち、読み取りセンサー30の
1ライン分の画像データを一括して同じ処理方法で処理
することが可能となる。
【0074】ところで、図25に示すように、画像読み
取りセンサー30は各ラインの画像データを連続して出
力しているわけではなく、1ライン目の画像データを出
力してから、一定時間の間隔を置いてから、2ライン目
の画像データを出力している。このような出力パターン
に合わせて、1ライン目の画像データが出力している間
はONし、次の2ライン目の画像データが出力されるま
での間はOFFしているというVE信号が出力時に付加
されてくる。よって、本発明はこのVE信号を使い、以
下に示す手順でヘッドシェーディング処理を行う。
【0075】なお、画像読み取りセンサー30が読み取
るラインの順番を「ライン番号」と称する。
【0076】まず、図37、図38、図39に示すHS
補正テーブルは、CPU制御部45内のROM51に格
納されている。また、各吐出口の特性もCPU制御部4
5内のRAM52に格納されている。
【0077】図26のフローチャートに示すように、ま
ず読み取りセンサー30から次に画像処理部に入力され
る画像データが、何ライン目のものかを検知する(ステ
ップ1)。この検知は次のようにして行う。
【0078】すなわち、図27に示すように、CPU5
0の割り込み端子INTにVE信号を入力し、このVE
信号の立下がりタイミングで検知する。はじめにRAM
52に記憶されているラインカウンタの情報を読み取
り、読み取ったデータに+1したものを次に入力される
画像データのライン番号とする。ここでラインカウンタ
は原稿の読み取りが開始される直前にクリアされ、VE
信号の立ち上がり、すなわちCPU50のINTへの割
り込みが発生するごとに+1される。
【0079】具体的には、1ライン目の画像データが出
力される前は、ラインカウンタの値は「0」であるの
で、CPU50はラインカウンタの値「0」に+1し
て、ライン番号は「1」とする。すなわち、次に読み取
りセンサー30から出力される画像データは1ライン目
のものであると検知する。VE信号が立ち上がると(図
25中矢印で示す点)、ラインカウンタの値は「1」
となる。次にVE信号が立ち下がると(図25中矢印
で示す点)、CPU50はラインカウンタの値「1」に
+1して、次に読み取りセンサー70から出力されるの
は2ライン目であると検知するというようになってい
る。
【0080】CPU50は、このような手段で、次に読
み取りセンサー70から出力される画像データは何ライ
ン目かを検知すると、このライン番号から、次の印字は
どの吐出口で行われるかを検知する(ステップ2)。例
えば、次の画像データは1ライン目のものだとステップ
1で検知したとすると、印字は吐出口N1で行われると
いうことが検知できる。
【0081】どの吐出口で印字を行うかを検知すると、
CPU50はRAM52からその吐出口の印字特性デー
タを読み出す(ステップ3)。
【0082】次に、読み取った印字特性データに基づ
き、ROM51からその印字特性に応じたHS補正テー
ブルデータを読み出す(ステップ4)。
【0083】次にROM51から図28に示すγ変換テ
ーブルのなかから、使用者の設定に適したγ変換テーブ
ルデータを読み出し、先に読み出したHS補正テーブル
データと合成する(ステップ5)。
【0084】次に合成したγ変換テーブルをγ変換部4
0に書きこんで(ステップ6)、処理は終了する(ステ
ップ7)。
【0085】具体的には、1ライン目のVE信号が立ち
下がった地点で、HS処理が行われ、次に入力される2
ライン目の画像データに適したHS補正とγ変換とが構
成されたγ変換テーブルがγ変換部40に書きこまれ
る。この処理は、1ライン目の画像データが入力し終わ
って、2ライン目の画像データが入力されるまでの空き
時間に行われる。したがって2ライン目の画像データが
画像処理部に入力されるときには、γ変換部40は書き
変わっているため、画像データがγ変換部40で処理さ
れると、同時にヘッドシェーディングも行われることに
なる。このような方法を用いることで、従来のヘッドシ
ューティング処理に必要とされるカウンタ71などの回
路を必要としない。
【0086】さらに、上記実施形態では、HS補正テー
ブルをγ変換テーブルと合成し、γ変換部40でHS補
正も行うようにしたが、LOG変換部38の変換テーブ
ルと合成し、LOG変換部38で行ってもよい。
【0087】なお、HS補正テーブルは図37、図3
8、図39に示す3つのパターンに基づいて説明した
が、これらに限定するものではなく、他のパターンであ
ってもよい。
【0088】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0089】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0090】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0091】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0092】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0093】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0094】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0095】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0096】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像記録
装置を用いることにより、カウンタなどの回路を用いず
に、ヘッドシューティング処理を行うことができる。し
たがって、コストアップすることなく、印字ムラをなく
すことができ、印字画質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の構成を示す模式図であ
る。
【図2】画像処理ブロック図である。
【図3】第一のモード時の画像処理ブロック図である。
【図4】第二のモード時の画像処理ブロック図である。
【図5】第三のモード時の画像処理ブロック図である。
【図6】第四のモード時の画像処理ブロック図である。
【図7】CPU処理部の構成図である。
【図8】印字モード選択処理のフローチャートである。
【図9】スキャンモード処理のフローチャートである。
【図10】プリント1モード処理のフローチャートであ
る。
【図11】コピーモード処理のフローチャートである。
【図12】プリント2モード処理のフローチャートであ
る。
【図13】吐出口の構成を示す断面図である。
【図14】気泡発生時の吐出口の構成を示す断面図であ
る。
【図15】インク吐出時の吐出口の構成を示す断面図で
ある。
【図16】インク吐出後の吐出口の構成を示す断面図で
ある。
【図17】印字ヘッドの断面図である。
【図18】印字ヘッドの平面図である。
【図19】原稿の読み取り方法を示す図である。
【図20】印字方法を示す図である。
【図21】読み取った画素と吐出口との関係を示す図で
ある。
【図22】読み取った画素と吐出口との関係を示す図で
ある。
【図23】読み取った画素と補正値と吐出口との関係を
示す図である。
【図24】読み取った画素と補正値と吐出口との関係を
示す図である。
【図25】VE信号の流れを示す図である。
【図26】ヘッドシューティング補正のフローチャート
【図27】CPUとVE信号との関係を示すブロック図
である。
【図28】γ変換データの例を示すグラフである。
【図29】1パス印字を示す模式図である。
【図30】1パス印字の結果を示す図である。
【図31】2パス印字を示す模式図である。
【図32】2パス印字の結果を示す図である。
【図33】従来の読み取り方法を示す図である。
【図34】従来の印字方法を示す図である。
【図35】従来の読み取り方法で読み取った画素と吐出
口との関係を示す図である。
【図36】従来のヘッドシューティング回路のブロック
図である。
【図37】ヘッドシューティング補正テーブルの例を示
すグラフである。
【図38】ヘッドシューティング補正テーブルの他の例
を示すグラフである。
【図39】ヘッドシューティング補正テーブルの他の例
を示すグラフである。
【図40】従来の読み取り方法で読み取った画素と補正
値と吐出口との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 画像記録装置 2 画像読み取り部 21 圧板 22 原稿台 23 白色板 24 原稿照明ランプ 25、26,27 反射ミラー 28 レンズ 3 画像印字部 30 画像読み取りセンサー 31 アナログ信号処理部 32 A/D変換器 33 シェーディング補正処理部 34 入力マスキング処理部 35 黒文字検出処理部 36 フィルタ処理部 37 変倍処理部 38 LOG変換処理部 39 出力マスキング/UCR処理部 40 γ変換処理部 41 ADD−ON処理部 42 2値化/パレット化処理部 43 黒文字変換処理部 45 CPU処理部 50 CPU 51 ROM 52 RAM 53 ASIC 60 キャリッジ
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA06 EB26 EB42 EB58 EB59 EC75 EC76 EC79 FA03 HA58 2C262 AA02 AA24 AB05 AC04 BA16 BB34 BB36 5C074 AA09 AA11 AA12 BB16 DD03 DD09 DD24 DD28 EE04 FF15 GG09 HH02 5C077 LL04 LL17 LL18 MP08 PP06 PP15 PP33 PP38 PQ23 SS02 TT05 TT06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿を読み取る画像読み取り手段と、こ
    の画像読み取り手段で読み取った原稿の画像データに基
    づき、複数の記録素子を有した記録ヘッドによって記録
    を行う画像記録装置において、 画像読み取り手段は前記複数の記録素子のうち、同一の
    記録素子によって記録される所定単位ごとに原稿を読み
    取り、読み取った単位ごとに、画像データに記録素子の
    特性に合わせた補正を行う補正手段を設けたことを特徴
    とする画像記録装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は印字のムラを補正するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 【請求項3】 前記画像読み取り手段が読み取った単位
    に記録素子の特性に合わせた補正を行う補正データを、
    画像データを記録素子に対応したデータに処理する画像
    処理データに合成し、画像処理と補正とを同時に行う画
    像処理手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    画像記録装置。
  4. 【請求項4】 前記画像処理手段は印字の濃度の調整を
    行うことを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
  5. 【請求項5】 前記画像処理手段は輝度から濃度への変
    換を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像記録装
    置。
  6. 【請求項6】 原稿を読み取る画像読み取り手段と、こ
    の画像読み取り手段にて読み取った画像データを処理す
    る画像処理手段と、この画像処理手段にて処理された画
    像データを複数の記録素子によって記録する記録手段と
    からなる画像記録装置において、 前記画像処理手段が1サイクルで処理する画像データは
    すべて同一記録素子によって記録されるものとし、この
    画像データが画像処理手段に入力される前に、該当する
    記録素子を検知し、各記録素子の特性ごとに設けられた
    補正データの中から、該当する記録素子の特性に応じた
    補正を行う補正データを選択し、画像処理手段の画像処
    理データに合成し、画像処理手段が、この画像処理デー
    タにて画像データを処理することにより、画像処理と補
    正とを同時に行うことを特徴とする画像記録装置。
  7. 【請求項7】 前記補正手段は、印字ムラを補正するこ
    とを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。
  8. 【請求項8】 前記画像処理手段は印字の濃度の調整を
    行うことを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。
  9. 【請求項9】 前記画像処理手段は輝度から濃度への変
    換を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像記録装
    置。
  10. 【請求項10】 前記画像読み取り手段は一定の画素単
    位で画像を読み取り、前に読み取った画素群と次に読み
    取る画素群との間に一定の時間を設け、この時間中に該
    当する記録素子を検出し、この記録素子の特性に応じた
    補正手段を画像処理手段に合成する合成処理を行うこと
    を特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれかに記載
    の画像記録装置。
  11. 【請求項11】 前記画像読み取り手段は画像を読み取
    っている間はONするパルス信号を設け、このパルス信
    号の立ち下がりを合図として前記合成を行うことを特徴
    とする請求項10に記載の画像記録装置。
  12. 【請求項12】 前記記録手段は熱エネルギーを利用し
    て記録インク中に気泡を生じさせ、その生成気泡の圧力
    により記録インクを吐出することを特徴とする請求項1
    ないし請求項11のいずれかに記載の画像記録装置。
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