JP2000047032A - 偏光変換素子および該偏光変換素子を使用した表示装置 - Google Patents
偏光変換素子および該偏光変換素子を使用した表示装置Info
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Abstract
ディスプレイに用いることが可能で、かつ1mm以下の
厚みで用いることが出来るディスプレイ用高透過率偏光
変換素子及び該高透過率偏光変換素子と、旋光性を利用
したディスプレイをあわせて構成される明るいディスプ
レイの提供。 【解決手段】 透明基板、該透明基板の光入射面側に設
けられた複屈折性膜とマイクロレンズアレイ、および前
記透明基板上の光出射面側に設けられた偏光変調子とか
ら成ることを特徴とする偏光変換素子及び該高透過率偏
光変換素子と、旋光性を利用したディスプレイをあわせ
て構成される明るいディスプレイ。
Description
光に変換して出射させる機能を有する薄型偏光変換素
子、および該偏光変換素子と旋光性を利用して画像形成
する表示素子とを合わせたコントラストの高い表示装置
に関する。
画像を得るために、光利用効率の高い偏光変換素子が用
いられる。このような光の旋光性を利用した液晶ディス
プレイは、P偏光またはS偏光の一方のみの直線偏光を
用い、どちらかの直線偏光の通過または遮断によって、
画像のコントラストを得る。しかしこの場合簡便に直線
偏光を得るには、吸収型偏光板を用いるために50%以
上の透過率を得ることは不可能であり、暗い画像を得る
ことしかできなかった。これに対して近年S偏光もP偏
光に変換して用いるような提案が多くなされている。こ
れらの方式は多くの種類が提案され、また特許も多く提
案されているし(特開平7−218720、特開平9−
145926、特開平9−214996ほか)、また液
晶プロジェエクターでは既に実用化されている。 旋光性を利用して画像形成する代表的ディスプレイ
には、液晶ディスプレイ(LCD)、およびLCD以外
には本発明者らが発明した磁気旋光を用いる各種のディ
スプレイがある。
として用いる偏光子は吸収タイプのものであリ、P偏光
またはS偏光を吸収するために、光透過率は最大でも5
0%、実用上は40%程度であった。そこでビームスプ
リッターが用いられることに成った。ビームスプリッタ
ーはP偏光またはS偏光に対する屈折率が異なる為に、
P偏光またはS偏光を分離しP偏光を透過させ、S偏光
を反射させた後、1/2波長板を用いて、P偏光に変換
して利用すると言うものである。従ってほぼ100%に
近い光が利用出来ることと成り、明るいディスプレイが
可能となる。しかしビームスプリッターは複屈折性単結
晶を用いることの為に高価で、プリズムの形で用いるた
め、寸法が小さくならないという欠点がある。たとえば
厚みにして4mm以下にすることは非常に困難であり不
可能であった。このため従来技術で述べたように液晶プ
ロジェクターのように、一度光をレンズで絞り小面積の
ビームスプリッターを透過させる利用法が可能な場合、
すなわち厚くても良く、小面積でもかまわない利用法に
有効であった。
m以上というような大面積ディスプレイに用いることが
可能で、かつ1mm以下の厚みで用いることが出来るデ
ィスプレイ用高透過率偏光変換素子を提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、前記高透過率偏光変換素子
と、旋光性を利用したディスプレイをあわせて構成され
る明るいディスプレイを提供することにある。
説明する。本発明の偏光変換素子は、入射光を絞る為
のストライプ状マイクロレンズアレイ1、入射光の反
射を防止して、透過光量を増大させる反射防止膜2、
複屈折性を有する薄膜3、ストライプ状に旋光性と非
旋光性機能を付与された液晶波長板4、および前記機
能膜を支える可視光に透明な基板5で構成される。
素、および偏光変換素子の動作を図1を用いて説明す
る。いわゆる自然光は無偏光と言われ、光の偏光方向は
一定ではない。この無偏光の自然光6は凸レンズ機能を
有するマイクロレンズアレイ1のマイクロレンズによっ
て絞られる。また、必要に応じて、前記マイクロレンズ
アレイ1のマイクロレンズ表面にも反射防止膜が設けら
れても良い。の複屈折性を有する複屈折性を有する薄
膜3の表面に反射防止膜2が設けられる。
面でPとS偏光に分離される。マイクロレンズアレイ1
のストライプ方向に平行な偏光面を有する直線偏光をP
偏光と呼び、直角な直線偏光をS偏光と呼ぶ。このPと
S偏光の分離角度(図1のα)は例えば五酸化タンタル
(Ta2O5)の斜め配向した柱状構造をもつ膜の場合、
8度程度である。この分離角度αは従来一般的に用いら
れたルチルや方解石の数倍であり、本発明のように全体
を薄く作製することが可能となった。分離した光の一方
の直線偏光をP偏光とすると、P偏光は高複屈折性透明
膜3を直進する。しかしS偏光は図1に示したように、
分離してさらに高複屈折性透明膜3の裏面で、P偏光と
平行となる方向に直進する。高複屈折性透明膜3の裏面
には液晶層があり、ストライプ状に旋光性と非旋光性機
能が付与されている。本図のものでは前記旋光性と非旋
光性機能は等間隔に配置されているが、必ずしも等間隔
でなくても良い。高複屈折性透明膜を通過したS偏光
は、液晶を配向した1/2波長板を通過するよう高複屈
折性透明膜3の厚さ(b)、液晶波長板の厚さ(c)、
液晶波長板の非旋光性機能部の幅(e)、液晶波長板の
旋光性機能部の幅(e′)が決められる。前記1/2波
長板4を通過したS偏光は90度偏光面が回転するので
透明基板5を通過する光はほとんとがP偏光となる。な
お、素子表面から入射する光のほとんどが、マイクロレ
ンズによって絞られて、非旋光性の液晶層の方向に進む
ように作製される。
は、P又はS偏光を吸収または反射するので50%以上
の透過率は得られなかったが、本発明の偏光変換タイプ
の偏光子では、100%に近い透過率が得られ、従って
ディスプレイ等に用いれば、従来より大幅に明るい画像
を得ることができる。たとえば本偏光変換素子をLCD
のような旋光利用の液晶層と反射層上に配置すれば、従
来より明るい反射型ディスプレイとすることができる。
に関して詳しくのべる。本発明で用いられる透明基板5
には、石英ガラス、サファイア、結晶化透明ガラス、パ
イレツクスガラス、Al2O3、MgO、BeO、ZrO
2、Y2O3、TnO2・CaO、GGG(ガドリニウム・
ガリウム・ガーネット)などの無機透明材料やMMA、
PMMA、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリ
ル系樹脂、スチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリアリレー
ト、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、エポキ
シ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、フッ素化ポリ
イミド、フッ素樹脂、フエノキシ樹脂、ポリオレフイン
系樹脂、ナイロン樹脂等の透明プラスチックフィルムが
用いられる。透明プラスチックフィルムを用いると、軽
い、曲げやすい等の利点が有るので利用しやすい。
mm、好ましくは数10から100μmの幅のライン状
マイクロレンズを複数列並べたものを集光用に用いる。
該マイクロレンズアレイ1の作製法としては、たとえば
多成分ガラス基板に選択的イオン交換法で作製するも
の、結晶化ガラス基板にフォトサーマル法で作製するも
の、Si基板にイオンビームエッチング法で作製するも
の、光学ガラスをプレス成形して作製するもの等の方法
があり、レンズ材質やプロセスも多岐にわたっている。
本発明では上記に示したような透明樹脂を用いて、原版
からレプリカをとって作製したものが、多少の変形に耐
えられるものとして好ましい。 マイクロレンズに要求
される機能としては、図1で、直進するP偏光を液晶波
長板の非旋光性部位に集光して通過させ、方向変換する
S偏光を旋光性部位に集めることである。焦点距離は斜
めに入射する光に対しても前記機能が働くようにするた
めに、短くすることが好ましい。なおマイクロレンズア
レイは透明基板の裏側、すなわち波長板の反対面にも設
けることも斜めに通過した光を平行光にもどす効果があ
るので有効である。本発明においては、光の透過率を向
上させるうえから、高複屈折率層の上、すなわちマイク
ロレンズアレイと高複屈折率層の間の面に、反射防止膜
を形成しておくのが望ましい。反射防止膜の材料には下
記表1および2にあげたものなどを用い、真空蒸着法な
どによって形成される。
応用物理学会学術講演会講演予稿集p944及びAPP
LIED OPTICS Vol.28,No.13,
P2466,1 July.1989に述べられてお
り、また原理的な面に関しては、OPTICS LET
TERS Vol.15,No.9,P516.May
1,1990に詳細に述べられている。高複屈折率層
は上記表1および2の透明材料のうち、屈折率が大きい
材料を用いる方が複屈折率が大きくなり好ましい。層作
製には各種のPVD、CVD法が適用されるが、層を斜
め配向した柱状構造とするために、基板を粒子方向と斜
めに配置するなどの方法が必要となる。特に可視光に対
して透明性が高く、屈折率が2.3と比較的大きな五酸
化タンタル(Ta2O5)の斜め配向した柱状構造をもつ
層が好ましい。層の構造を斜め配向した柱状構造とする
と、比較的容易に高複屈折層が得られる為である。従っ
て、より明確にこの柱状構造とすると層の中に屈折率の
斜めの分布が大きく生じてより複屈折性が高まる。複屈
折性が大きいほど膜厚を薄くできるので好ましい。従っ
て、更に好ましくは前記従来技術の文献で報告されてい
るような高屈折率層と低屈折率層を積層した後、斜めに
切り出したような構造のものが好ましい。また、ポリイ
ミド樹脂のような高分子膜に光を斜めに照射して、上記
屈折率の斜めの分布をつくり、複屈折性を付与する方法
も用いることができる。
の偏光面が回転する部分と、回転しない部分が併存して
いる。偏光面を回転する部分にのみ液晶材料を配置し、
その他の部分には光学的に等方な一般の透明材料を配置
することによって、このような構造を構成することが可
能である。または光学的に等方で良い部分には何も配置
しないという構成も可能であるが、この場合凹凸を生じ
ることになる。
配向状態を部分的に制御することが必要である。これに
は一般的にはラビング法が用いられるが、幅10μmの
ストライプ状にラビングするのは困難である。ストライ
プ状の窓部をもつマスクを用いてラビングすることが可
能であるが、窓部との境界のラビング強度が窓部中央部
の強度と異なってしまうなどの不具合がある。このよう
な微細なラビングパターンを形成する方法としては、上
記のようなマスクラビングのほかに、塗布した配向膜材
料面に偏光紫外線を照射し、その部分に偏光方向に応じ
た配向規制力を持たせるという方法がある。この方法に
ついては「第22回 液晶討論会講演予稿集」p167
や、「第21回液晶討論会講演予稿集」のp344に記
述がある。また同予稿集のp342には感光性高分子膜
に偏光紫外線を照射して配向状態を制御するという報告
がある。
は、液晶分子は照射した偏光方向に対してある方向に配
向する。このように配向した液晶層を偏光変調素子とし
て用いる方法としては、液晶配向にねじれ構造を持たせ
ない方法と、液晶にカイラル剤を添加して90度ねじれ
構造を持たせる方法とがある。前者の液晶層では、液晶
層を一般的な位相板として用いるので、液晶の配向方向
に対して偏光を45度程度傾けて入射させ、液晶層のリ
ターデーションを1/2波長に設定する。
させる偏光方向と液晶の配向方向は、平行、または垂直
にする。この素子での偏光変調作用は主に旋光性であ
り、比較的広い波長範囲で偏光面を回転させることが可
能となり、一般的な位相板よりも好ましい。アゾベンゼ
ンなどのような光異性化する化合物を配向膜に含ませた
り付着させ、これに偏光を照射することによって液晶の
配向を制御できることが知られている(特開平4−75
20)。よってこれを用いても配向方向のパターニング
を行なうことができる。以上のようにして所望の液晶配
向を得ることができるが、液晶が室温で液体である場合
には液晶を二枚の透明基板間にはさみこむ必要があって
好ましくない。液晶として高分子液晶を用い、これが液
晶層をとる温度で所望の配向を得たのち、急冷すること
によってこの配向を固定することが可能である。この場
合、二枚の基板は必要ではなくなり、より好ましい。
して利用できることは言うまでもないが、光の旋光性を
利用したディスプレイ、たとえば液晶ディスプレイや磁
気旋光を用いたディスプレイ等にも適用できる。とくに
磁気旋光を用いたディスプレイでは、必ずしも十分な旋
光性が得られない場合があるので、本発明の偏光変換素
子のようなより明るい偏光変換素子を用いることはディ
スプレイのコントラストを高めることが出来て好まし
い。更には反射タイプのバックライトを用いないディス
プレイでは光の利用効率が低いので、より明るい本発明
偏光変換素子を用いることは高コントラストを得る上で
好ましい。
屈折率及び高屈折率の誘電体を交互に積層して、基板上
に作製される誘電体多層膜と、この誘電体多層膜の上に
設ける透明磁性層、さらに基板上の誘電体多層膜とまっ
たく同一構成の誘電体多層膜を設ける。以上の透明磁性
膜を挟んた誘電体多層膜の一方の側に反射膜を設けて反
射型ディスプレイが用いられる基本的な構成は図2に示
す。透明磁性体の厚みは可視光波長λの1/2n(n=
磁性体の屈折率)に設定されるのでファラデー回転角が
絶対的な大きさにおいて不十分な場合が生する。この場
合は以上で述べた誘電体多層膜/透明磁性層/誘電体多
層膜の構成をまったく同じにして複数回繰り返すことに
よって十分な(2回繰り返せば、約2倍)回転角を得る
ことができる。
明磁性層/誘電体多層膜/透明基板の構成において、透
明磁性体の磁化された部位で得られた大きなファラデー
回転角を画像として可視化するためである。すなわち透
明磁性体の磁化された部位に対応して大きなファラデー
回転角が得られ、磁化していない部位に対しては光の偏
光面は回転しない。偏光面非回転部位では直線偏光はそ
のまま反射されて、もう一度上記誘電体多層膜/透明磁
性層/誘電体多層膜を通過した後、偏光子も通過する。
しかし偏光面回転部位を最初に通過した直線偏光は偏光
面が透明磁性層で回転され反射膜で反射されて、もう一
度上記透明磁性層を通過する際に回転して2倍の回転角
を得るため、偏光子を通過できない。この原理によって
コントラストを得ることができる。
は前表1および2のものが挙げられる。これらの材料の
中から適宜選択しても良いし、またこれ以外の例えば有
機材料であってもかまわない。 前記多層膜の各膜厚は
50〜200nm程度が好ましい。本発明のように特定
汲長(λ)の磁気光学効果増大を目的とする場合は、誘
電体の膜厚は、λ/4n(nはλにおける誘電体の屈折
率)とする。また低屈折率及び高屈折率の誘電体を積層
したものを1ペアとするとペア数には特に制限はない
が、3〜20層が性能上またコスト上好ましい。透明磁
性体と接する2つの誘電体多層膜はまったく同一の構成
を有することが好ましい。ただし透明磁性体に直接に接
する膜の種類は同じ誘電体を用いるので、積層順序は逆
になる。反射層としてはPVD法で設けられたAl、C
u、Ag、Au、Pt、Rh、Al2O3、SiO2、T
eC、SeAs、TeAs、TiN、TaN、CrN等
が用いられる。
効果を示す透明磁性材料で良いが、ファラデー効果が大
きくて透明性の大きい所謂性能指数の大きい磁性材料が
好ましい。例えば50nm以下の粒子径を有する、鉄、
コバルト、Ni等の強磁性金属の超微粒子膜が用いられ
る。この場合の金属超微粒子以外の膜組成としては酸
素、炭素などである。鉄、コバルト、Ni等の強磁性金
属は大きな磁気光学効果を示すが、光の吸収も大きいた
めにそのままの薄膜では用いられなかったが、超微粒子
膜とすると大きな性能指数を有するようになる。また粒
子径の制御によって、適当な保磁力を得ることができ
る。ほかに希土類鉄ガーネットやコバルトフエライト、
Baフエライト等の酸化物、FeBO3、FeF3、YF
eO3、NdFeO3などの複屈折が大きな材料、MnB
i、MnCuBi、PtCoなどがある。磁気光学効果
は光の進行方向とスピンの方向とが平行の場合に最も大
きな効果が得られるので、これらの材料は膜面に垂直に
磁気異方性を有する膜が好ましい。これらの透明磁性材
料は一般的なスパッタ真空蒸着、MBEなどのPVD法
やCVD法、メッキ法等が用いられる。
ボネート基板5の片面に、電子ビーム蒸着法を用いて、
40μm厚(b)の五酸化タンタルで構成される複屈折
率膜3を以下のようにして作製した。Ta2O5に金属T
aを4重量%加えた粉末を蒸発源とした。前記ポリカー
ボネート基板5を150℃に加熱した。チヤンバー内に
はArと酸素の混合ガスを導入し、10-4Torrのガ
ス圧力とした後、プラズマを発生させて製膜時には基板
表面にイオンアシストできるようにした。また前記基板
は蒸発源から真上に蒸発する粒子に対して、70度の傾
斜を設けた。製膜速度は6nm/秒で数回にわけて製膜
した。以上のようにして前記高複屈折膜3を作製した。
該高複屈折膜3の断面をSEM観察すると、柱が基板面
に対して70度程度傾斜した斜め配向柱状構造を有して
いた。膜の透過率は波長550nmの場合で75%であ
った。また、S偏光とP偏光のつくる角度(α)は約
8.5度であった。
て100nm厚(a)のMgOの反射防止膜を設けた。
高複屈折膜3の反射率は約3%低下した。反射防止膜3
の上には、レプリカ法で作製したポリカーボネート製マ
イクロレンズアレイ1を設けた。該マイクロレンズアレ
イ1の形状は、ストライプで、断面形状はかまぼこ型で
あり、そのピッチは12μm、焦点距離は1.1mmと
した。前記透明基板の高複屈折膜の反対面に、日産化学
製のポリイミドSE7792をスピンコート法によっ
て、60nmの厚み(c)に塗布した後、180℃で1
時間ベークし乾燥させた。直線偏光された40mW/c
m、2257nmの深紫外線をピッチP=12μm(照
射部e=6μm、非照射部e′=6μm、P=2e)で
ストライプ状に押射した。深紫外線照射部では液晶配向
が観察されて、配向容易軸方向は偏光方向に対して平行
であった。その結果400〜800nmに対する偏光回
転角は90度で、偏光変調子の機能を有する偏光変換素
子が得られた。
側に、次のようにして作製した磁気旋光を利用するディ
スプレイを設けた。200μm厚のカーボン基板(日清
紡製)21上に、真空蒸着法を用いて、アルミニウム
(Al)の反射膜22を100nmの厚さに設けた。該
反射膜22膜上にイオンプレーティング法を用いてSi
O2(低屈折率層、n=1.47)を884nm、Ta2
O5(高屈折率層、n=2.15)を605nmとして
交互に4層づつ、合計8層積層し誘電体多層膜23を作
製した。基板温度は300℃、酸素ガス圧力はSiO2
の場合10×10-4Torr、Ta2O5の場合は11×
10-4Torrであった。製膜速度は、SiO2の場合
2nm/秒、Ta2O5の場合0.5nm/秒であった。
各誘電体多層膜の膜厚分布は、最も厚いところと薄いと
ころの差異が全膜厚の3%であった。
ッタ法を用いてBi置換希土類鉄ガーネット膜(屈折率
n=2.1)27を平均膜厚が520/2×2.1=1
24nmとなるように作製した。520nmは前記ガー
ネット膜の磁気旋光角度がピークを示す角度である。基
板温度は400℃とした。ついでこの基板上の膜を空気
中650℃で3時間加熱した。膜の組成はBi2.2Dy
0.8Fe3.8Al1.2O12であった。磁気光学効果測定装
置(日本分光株製K250、ビーム径2mm角)で測定
したファラデー回転角の成長依存性からピークの半値幅
を求めると18nmであった。波長520nmでは回転
角のピーク値は2.0度であった。VSMで磁界を膜面
に垂直に印加して測定した保磁力は600 Oeであっ
た。
上にイオンプレーティング法を用いて、前記とまったく
同様に、SiO2とTa2O5の多層膜24を作製した。
Bi置換希土類鉄ガーネット膜に接している膜はTa2
O5であり、最表面側はSiO2である。ファラデー回転
角の波長依存性から、波長520nmでは前記2.0の
約6倍の12.0度の回転角であった。前記誘電体多層
膜24の上にもう2サイクル、前記と同様にしてBi置
換希土類鉄ガーネット膜を2回と誘電体多層膜4ペアを
2回設けた。ガーネット膜は合計3層、4ペアの誘電体
多層膜は合計4×4ペア、すなわち16ペア、32層設
けたことになる。波長520nmでは前記ガーネット1
層の場合の2.0の約12倍の24.0度の回転角であ
った。前記の磁気旋光利用ディスプレイを前記偏光変換
素子の液晶波長板の側に基板を下にして配設した。この
場合ディスプレイの非磁化部位に入射して反射膜で反射
した戻り光の比率は、入射光強度に対して約36%(波
長550nm)であった。
の誘電体多層膜上から永久磁石(表面磁束密度3Kガウ
ス)のついた磁気ペンで文字を書いた。磁気ペンで磁化
した部位では前記偏光変換素子を通過して入射した直線
偏光の偏光面が回転して、もとの偏光変換素子へ戻るこ
となく、従って磁気ペンで書いた文字が黒く表示され
た。画像部分のコントラストは6.5であった。
の場合で70%であったのに対し、実施例1において、
市販のヨウ素を用いた吸収タイプのフィルム偏光子を用
いた場合には、得られた偏光変換素子透過率は波長55
0nmの場合で43%であった。
板およびマイクロレンズアレイとしてのポリカーボネー
トをいずれもガラスとした以外は実施例1とまったく同
様にして偏光変換素子を作製した。実施例1の偏光変換
素子は落したり、また多少の曲げに対しても破損するこ
とはなかったが、ガラスを用いた本実施例のものは、実
施例1のものに比較して破損し易かった。
に、上から見た場合の形状が4角形であるマイクロレン
ズアレイとした以外は実施例1とまったく同様にして偏
光変換素子を作製した。2mm角の光照射面積で測定し
た光強度(波長550nm)は実施例1に対して66%
と滅少した。
で作製した偏光変換素子のように、基板の出射側に貼付
しようとしたが、1mm以下の幅では直線状に並べるこ
とはできなかった。
のフィルム偏光子の下に配置した。この場合ディスプレ
イの非磁化部位に入射して、反射膜で反射した戻り光の
比率は、入射光強度に対して約11%(波長550n
m)と実施例1に比較して、1/3と低かった。フィル
ム偏光子の上から永久磁石のついた磁気ペンで一部を磁
化した。磁気ペンで磁化した部位では、上記偏光子を通
過して入射した直線偏光の偏光面が回転して、もとの偏
光子へ戻ることなく、従って磁気ペンで書いた文字が黒
く表示された。画像部分のコントラストは2.3であっ
た。
料としてBaフェライト薄膜を用いた以外は、実施例1
と同様にして偏光変換素子と併せたディスプレイを作製
した。波長520nmでは、偏光面回転角のピーク値は
8.6度であった。VSMで磁界を膜面に垂直に印加し
て測定した保磁力は、9600 Oeであった。最表面
の誘電体多層膜上から永久磁石のついた磁気ペンで文字
を書いた。磁気ペンで磁化した部位では書いた文字が黒
く表示された。画像部分のコントラストは2.5であっ
た。
させ得ることが可能となった。 (2)請求項2 変形が可能な偏光変換素子が得られた。 (3)請求項3 直線状に狭く入射光をしぽることができ、全入射光の内
のp波を非常に少ないロスで出射させ得ることが可能と
なった。 (4)請求項4 出射光面に設けられた1/2波長板は液晶層で狭いスト
ライプ状に、波長板機能と波長板機能を持たない部位が
交互に一定のピッチで配列しているので、全入射光の内
のS偏光を非常に少ないロスでP偏光に変換して、出射
させ得ることが可能となった。 (5)請求項5 素子への入射光の反射を防止でき、有効に光を利用でき
るので高いコントラスを得ることが可能になった。 (6)請求項6 光の利用効率が向上して、高いコントラストの反射型デ
ィスプレイが得られた。 (7)請求項7 偏光変換素子と旋光性を利用して画像形成する反射型デ
ィスプレイとを重ねて用いる場合に、旋光性材料を磁性
ガーネット薄膜としたので、全体として格段に薄いディ
スプレイを得ることができる。
たディスプレイの模式的断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 透明基板、該透明基板の光入射面側に設
けられた複屈折性膜とマイクロレンズアレイ、および前
記透明基板上の光出射面側に設けられた偏光変調子とか
ら成ることを特徴とする偏光変換素子。 - 【請求項2】 透明基板およびマイクロレンズアレイが
プラスチックであり、変形可能なものである請求項1記
載の偏光変換素子。 - 【請求項3】 マイクロレンズアレイが、かまぼこ状ス
トライプ構造を有するものである請求項1または2記載
の偏光変換素子。 - 【請求項4】 偏光変調子が、入射した偏光の偏光面が
回転する部分と回転しない部分とが交互に、ストライプ
状に一定のピッチで配列している1/2液晶波長板であ
る請求項1、2または3記載の偏光変換素子。 - 【請求項5】 マイクロレンズアレイと複屈折性膜との
間に、反射防止膜が設けられた偏光変換素子。 - 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5記載の偏
光変換素子と、旋光性を利用して画像形成する表示素子
とを重ねて構成されたものであることを特徴とする表示
装置。 - 【請求項7】 旋光牲材料が磁性ガーネット薄膜である
ことを特徴とする請求項6記載の表示装置。
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JP2010518451A (ja) * | 2007-02-16 | 2010-05-27 | サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド | 能動型反射偏光子を採用して反射モード及び透過モード間で切替可能な液晶ディスプレイ装置 |
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