JPH11176637A - 偏光子及び磁気光学素子 - Google Patents
偏光子及び磁気光学素子Info
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- JPH11176637A JPH11176637A JP34661997A JP34661997A JPH11176637A JP H11176637 A JPH11176637 A JP H11176637A JP 34661997 A JP34661997 A JP 34661997A JP 34661997 A JP34661997 A JP 34661997A JP H11176637 A JPH11176637 A JP H11176637A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光透過率が高くて透明性に優れた偏光子、さ
らには、このような透明性に優れた偏光子を用いること
でコントラストの高い画像表示が可能な磁気光学素子を
提供する。 【解決手段】 透明基板表面に半導体材料による0.1
〜0.5μmオーダのピッチと深さよりなる直線状の周
期構造を有する一対の偏光子2,3と透明磁性層4との
サンドイッチ構造の磁気光学素子1とすることで、偏光
子2,3の光透過率が格段に向上するので、透明磁性層
4に磁気的に記録された画像を透明性の高い偏光子2,
3を通して高いコントラストで表示できる。
らには、このような透明性に優れた偏光子を用いること
でコントラストの高い画像表示が可能な磁気光学素子を
提供する。 【解決手段】 透明基板表面に半導体材料による0.1
〜0.5μmオーダのピッチと深さよりなる直線状の周
期構造を有する一対の偏光子2,3と透明磁性層4との
サンドイッチ構造の磁気光学素子1とすることで、偏光
子2,3の光透過率が格段に向上するので、透明磁性層
4に磁気的に記録された画像を透明性の高い偏光子2,
3を通して高いコントラストで表示できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性の高い偏光
子及び磁気光学素子に関する。
子及び磁気光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性体を磁化し、磁化方向に平行に直線
偏光を入射させると、その直線偏光は磁性体を通過する
ことにより光の偏光面が回転されることはファラデー効
果として知られている。このようなファラデー効果を有
する材料を用いて磁気記録媒体(磁気光学素子)などが
作られている。また、ディスプレイ等への応用を考慮し
た分野では、液晶ディスプレイ等の場合と同様に、偏光
子を併用することが考えられており、例えば、市販のフ
ィルム偏光子が用いられる。このフィルム偏光子は、直
線偏光の一方をほぼ吸収しそれに直交する直線偏光を殆
ど吸収しない分子の配向による複屈折性の材料の性質を
利用した偏光子である。一般には、ヨウ素を吸収させた
ポリビニルアルコール薄膜を一方向に伸ばして分子を平
行に並べ、それをアセチルブチルセルローズでサンドイ
ッチした構成とされている。
偏光を入射させると、その直線偏光は磁性体を通過する
ことにより光の偏光面が回転されることはファラデー効
果として知られている。このようなファラデー効果を有
する材料を用いて磁気記録媒体(磁気光学素子)などが
作られている。また、ディスプレイ等への応用を考慮し
た分野では、液晶ディスプレイ等の場合と同様に、偏光
子を併用することが考えられており、例えば、市販のフ
ィルム偏光子が用いられる。このフィルム偏光子は、直
線偏光の一方をほぼ吸収しそれに直交する直線偏光を殆
ど吸収しない分子の配向による複屈折性の材料の性質を
利用した偏光子である。一般には、ヨウ素を吸収させた
ポリビニルアルコール薄膜を一方向に伸ばして分子を平
行に並べ、それをアセチルブチルセルローズでサンドイ
ッチした構成とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
市販のフィルム偏光子は、可視光全体に対して40%程
度の光透過率を示すに過ぎず、50%以上の光透過率を
持たせるのは原理的に不可能とされている。この結果、
ディスプレイ等に応用した場合、透明性が不十分でコン
トラストに欠ける画像表示となってしまう。
市販のフィルム偏光子は、可視光全体に対して40%程
度の光透過率を示すに過ぎず、50%以上の光透過率を
持たせるのは原理的に不可能とされている。この結果、
ディスプレイ等に応用した場合、透明性が不十分でコン
トラストに欠ける画像表示となってしまう。
【0004】そこで、本発明は、光透過率が高くて透明
性に優れた偏光子を提供することを目的とする。また、
このような透明性に優れた偏光子を用いることでコント
ラストの高い画像表示が可能な磁気光学素子を提供する
ことを目的とする。
性に優れた偏光子を提供することを目的とする。また、
このような透明性に優れた偏光子を用いることでコント
ラストの高い画像表示が可能な磁気光学素子を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の偏
光子は、透明基板表面に半導体材料による0.1〜0.
5μmオーダのピッチと深さよりなる直線状の周期構造
を有する。従って、所謂回折格子構造からなるが、周期
構造のピッチが用いる光の波長と同等又はそれ以下程度
に小さければ、P偏光とS偏光との光透過率が大幅に異
なることで偏光度の高い偏光子としての機能が確保され
る。この際、直線状の周期構造は半導体材料よりなるた
め、周期構造中の電子が1方向にのみ光の電場で動かさ
れることにより周期構造の溝方向に垂直な偏光成分の光
を通すため、可視光の特定波長域に限られるものの、高
い光透過率が得られ、透明性の高い偏光子となる。
光子は、透明基板表面に半導体材料による0.1〜0.
5μmオーダのピッチと深さよりなる直線状の周期構造
を有する。従って、所謂回折格子構造からなるが、周期
構造のピッチが用いる光の波長と同等又はそれ以下程度
に小さければ、P偏光とS偏光との光透過率が大幅に異
なることで偏光度の高い偏光子としての機能が確保され
る。この際、直線状の周期構造は半導体材料よりなるた
め、周期構造中の電子が1方向にのみ光の電場で動かさ
れることにより周期構造の溝方向に垂直な偏光成分の光
を通すため、可視光の特定波長域に限られるものの、高
い光透過率が得られ、透明性の高い偏光子となる。
【0006】請求項2記載の発明の偏光子は、透明基板
表面に透明な有機材料による0.1〜0.5μmオーダ
のピッチと深さよりなる直線状の周期構造を有し、この
周期構造の表面全面に周期構造に従う金属薄膜又は半導
体薄膜を有する。従って、所謂回折格子構造からなる
が、周期構造のピッチが用いる光の波長と同等又はそれ
以下程度に小さければ、P偏光とS偏光との光透過率が
大幅に異なることで偏光度の高い偏光子としての機能が
確保される。この際、直線状の周期構造は透明な有機材
料をベースとしてその表面に金属薄膜又は半導体薄膜を
形成してなるため、周期構造中の電子が1方向にのみ光
の電場で動かされることにより周期構造の溝方向に垂直
な偏光成分の光を通すため、可視光の特定波長域に限ら
れるものの、高い光透過率が得られ、透明性の高い偏光
子となる。特に、周期構造のベースは透明な有機材料に
荷わせ、電界の吸収は極めて薄い金属薄膜又は半導体薄
膜に荷わせているので、光透過率を向上させやすい構造
となる。
表面に透明な有機材料による0.1〜0.5μmオーダ
のピッチと深さよりなる直線状の周期構造を有し、この
周期構造の表面全面に周期構造に従う金属薄膜又は半導
体薄膜を有する。従って、所謂回折格子構造からなる
が、周期構造のピッチが用いる光の波長と同等又はそれ
以下程度に小さければ、P偏光とS偏光との光透過率が
大幅に異なることで偏光度の高い偏光子としての機能が
確保される。この際、直線状の周期構造は透明な有機材
料をベースとしてその表面に金属薄膜又は半導体薄膜を
形成してなるため、周期構造中の電子が1方向にのみ光
の電場で動かされることにより周期構造の溝方向に垂直
な偏光成分の光を通すため、可視光の特定波長域に限ら
れるものの、高い光透過率が得られ、透明性の高い偏光
子となる。特に、周期構造のベースは透明な有機材料に
荷わせ、電界の吸収は極めて薄い金属薄膜又は半導体薄
膜に荷わせているので、光透過率を向上させやすい構造
となる。
【0007】請求項3記載の発明の偏光子は、透明基板
表面に透明導電膜による0.1〜0.5μmオーダのピ
ッチと深さよりなる直線状の周期構造を有する。従っ
て、所謂回折格子構造からなるが、周期構造のピッチが
用いる光の波長と同等又はそれ以下程度に小さければ、
P偏光とS偏光との光透過率が大幅に異なることで偏光
度の高い偏光子としての機能が確保される。この際、直
線状の周期構造は透明導電膜よりなるため、周期構造中
の電子が1方向にのみ光の電場で動かされることにより
周期構造の溝方向に垂直な偏光成分の光を通すため、可
視光の特定波長域に限られるものの、高い光透過率が得
られ、周期構造自身も透明なため、透明性の高い偏光子
となる。
表面に透明導電膜による0.1〜0.5μmオーダのピ
ッチと深さよりなる直線状の周期構造を有する。従っ
て、所謂回折格子構造からなるが、周期構造のピッチが
用いる光の波長と同等又はそれ以下程度に小さければ、
P偏光とS偏光との光透過率が大幅に異なることで偏光
度の高い偏光子としての機能が確保される。この際、直
線状の周期構造は透明導電膜よりなるため、周期構造中
の電子が1方向にのみ光の電場で動かされることにより
周期構造の溝方向に垂直な偏光成分の光を通すため、可
視光の特定波長域に限られるものの、高い光透過率が得
られ、周期構造自身も透明なため、透明性の高い偏光子
となる。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項1又は2記
載の偏光子の半導体がシリコン又はゲルマニウムであ
る。従って、光の吸収性と屈折率の上で好ましく、良好
なる偏光機能が発揮される。
載の偏光子の半導体がシリコン又はゲルマニウムであ
る。従って、光の吸収性と屈折率の上で好ましく、良好
なる偏光機能が発揮される。
【0009】請求項5記載の発明の磁気光学素子は、請
求項1,2,3又は4記載の一対の偏光子と、これらの
偏光子間に挾持された透明磁性層とを備える。従って、
透明磁性層に磁気的に記録された画像を上記の透明性の
高い偏光子を通して高いコントラストで表示し得る透過
型ディスプレイとなる。
求項1,2,3又は4記載の一対の偏光子と、これらの
偏光子間に挾持された透明磁性層とを備える。従って、
透明磁性層に磁気的に記録された画像を上記の透明性の
高い偏光子を通して高いコントラストで表示し得る透過
型ディスプレイとなる。
【0010】請求項6記載の発明の磁気光学素子は、請
求項1,2,3又は4記載の1枚の偏光子と、反射板
と、これらの偏光子と反射板との間に挾持された透明磁
性層とを備える。従って、透明磁性層に磁気的に記録さ
れた画像を上記の透明性の高い偏光子を通して高いコン
トラストで表示し得る反射型ディスプレイとなる。この
際、透明磁性層の磁化部のファラデー回転角度は反射に
より往復することで2倍となるため、よりコントラスト
の高い表示が可能となる。
求項1,2,3又は4記載の1枚の偏光子と、反射板
と、これらの偏光子と反射板との間に挾持された透明磁
性層とを備える。従って、透明磁性層に磁気的に記録さ
れた画像を上記の透明性の高い偏光子を通して高いコン
トラストで表示し得る反射型ディスプレイとなる。この
際、透明磁性層の磁化部のファラデー回転角度は反射に
より往復することで2倍となるため、よりコントラスト
の高い表示が可能となる。
【0011】請求項7記載の発明は、請求項6記載の磁
気光学素子がさらに反射板の裏面側に磁気ヘッドを有す
る。従って、一体化された磁気ヘッドにより透明磁性層
に対して高速で画像を順次形成・消去し得るため、動的
表示も可能となる。
気光学素子がさらに反射板の裏面側に磁気ヘッドを有す
る。従って、一体化された磁気ヘッドにより透明磁性層
に対して高速で画像を順次形成・消去し得るため、動的
表示も可能となる。
【0012】請求項8記載の発明は、請求項5,6又は
7記載の磁気光学素子の偏光子と透明磁性層とが、用い
る光の波長依存性が合わせられている。従って、偏光子
だけでなく、透明磁性層も一般に波長によってファラデ
ー回転角が変化する波長依存性を有するが、これらの波
長依存性が合わせられており、可視光の特定波長域に限
られるものの、偏光子の光透過率と偏光度とが最大とな
る状態で利用でき、極めてコントラストの高い表示が可
能となる。
7記載の磁気光学素子の偏光子と透明磁性層とが、用い
る光の波長依存性が合わせられている。従って、偏光子
だけでなく、透明磁性層も一般に波長によってファラデ
ー回転角が変化する波長依存性を有するが、これらの波
長依存性が合わせられており、可視光の特定波長域に限
られるものの、偏光子の光透過率と偏光度とが最大とな
る状態で利用でき、極めてコントラストの高い表示が可
能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。図1は本実施の形態の磁気光学素子1
の基本的構成例を模式的に示すもので、一対の偏光子
2,3と、これらの偏光子2,3間に挾持された透明磁
性層4とのサンドイッチ構造とされている。
づいて説明する。図1は本実施の形態の磁気光学素子1
の基本的構成例を模式的に示すもので、一対の偏光子
2,3と、これらの偏光子2,3間に挾持された透明磁
性層4とのサンドイッチ構造とされている。
【0014】偏光子2,3はともに同じ構成であり、こ
こでは、偏光子2を例に採り図2を参照して説明する。
偏光子2は透明基板5の表面に微細なグレーティング形
状による直線状の周期構造6が形成された、所謂、回折
格子構造とされている。ここで、周期構造6は、例えば
図2(a)に示すように凹凸の繰返しによる矩形波状で
あってもよいが、例えば図2(b)に示すように山形形
状のものであってもよく、その形状は特に問わない。何
れにしても、周期構造6のピッチLは0.2〜0.5μ
mオーダ、厚み(溝の深さ)tは0.1〜0.5μmオ
ーダとされている。透明基板5としては例えばSiO2
基板等が用いられ、周期構造6はアモルファス‐シリコ
ン、結晶シリコン、アモルファス‐ゲルマニウム、結晶
ゲルマニウム等の半導体材料を用いて形成される。この
他、B,C,P,Se,As,Sn,Sb,Te,B
i,Po,At等の半導体材料であってもよいが、特
に、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)によれ
ば、光の吸収性と屈折率の点で好ましい。また、一般に
フォトグラフィーでレジスト材料として用いられるもの
のうちで透明性の高い有機材料のような絶縁体を用いて
周期構造6を形成する場合には、例えば、図2(c)に
示すように、有機材料7による周期構造6の表面全面に
50〜100Åの極薄い金属薄膜又は半導体薄膜8を形
成することで電子移動可能な構成としてもよい。さらに
は、導電性高分子やITO膜のような透明導電膜を利用
して周期構造6を形成することで、透明性と導電性とを
両立させるようにしてもよい。周期構造6のピッチLと
厚さtとは相関があり、これらのピッチLと厚さtとの
組合せを適宜選定することにより、偏光子2の光透過率
T1 (S偏光の光透過率)、T2 (P偏光の光透過率)
と偏光度((T1−T2)/(T1+T2))とをともに高
くすることができる。
こでは、偏光子2を例に採り図2を参照して説明する。
偏光子2は透明基板5の表面に微細なグレーティング形
状による直線状の周期構造6が形成された、所謂、回折
格子構造とされている。ここで、周期構造6は、例えば
図2(a)に示すように凹凸の繰返しによる矩形波状で
あってもよいが、例えば図2(b)に示すように山形形
状のものであってもよく、その形状は特に問わない。何
れにしても、周期構造6のピッチLは0.2〜0.5μ
mオーダ、厚み(溝の深さ)tは0.1〜0.5μmオ
ーダとされている。透明基板5としては例えばSiO2
基板等が用いられ、周期構造6はアモルファス‐シリコ
ン、結晶シリコン、アモルファス‐ゲルマニウム、結晶
ゲルマニウム等の半導体材料を用いて形成される。この
他、B,C,P,Se,As,Sn,Sb,Te,B
i,Po,At等の半導体材料であってもよいが、特
に、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)によれ
ば、光の吸収性と屈折率の点で好ましい。また、一般に
フォトグラフィーでレジスト材料として用いられるもの
のうちで透明性の高い有機材料のような絶縁体を用いて
周期構造6を形成する場合には、例えば、図2(c)に
示すように、有機材料7による周期構造6の表面全面に
50〜100Åの極薄い金属薄膜又は半導体薄膜8を形
成することで電子移動可能な構成としてもよい。さらに
は、導電性高分子やITO膜のような透明導電膜を利用
して周期構造6を形成することで、透明性と導電性とを
両立させるようにしてもよい。周期構造6のピッチLと
厚さtとは相関があり、これらのピッチLと厚さtとの
組合せを適宜選定することにより、偏光子2の光透過率
T1 (S偏光の光透過率)、T2 (P偏光の光透過率)
と偏光度((T1−T2)/(T1+T2))とをともに高
くすることができる。
【0015】即ち、図2に例示するような偏光子2の構
造は、一般には、回折格子構造と称されるものである
が、特に、周期構造6のピッチLを用いる可視光の波長
又はその波長以下とすることによって、P偏光とS偏光
との光透過率が大幅に異なってくるため、偏光子として
の機能を確保できる。このとき、直線状の周期構造6に
おける溝部分と平行な偏光成分を持つ光は80%程度通
すが、溝部分に直交する方向の偏光成分を持つ光は殆ど
通さないようになる。つまり、本実施の形態のような偏
光子2の場合、可視光の特定波長域に限定されるもの
の、その波長域においては、80%といった極めて高い
光透過率が得られ、85%以上もの偏光度が得られるこ
とになる。もちろん、偏光子3でも同様である。よっ
て、偏光子2,3は極めて透明性の高いものである。
造は、一般には、回折格子構造と称されるものである
が、特に、周期構造6のピッチLを用いる可視光の波長
又はその波長以下とすることによって、P偏光とS偏光
との光透過率が大幅に異なってくるため、偏光子として
の機能を確保できる。このとき、直線状の周期構造6に
おける溝部分と平行な偏光成分を持つ光は80%程度通
すが、溝部分に直交する方向の偏光成分を持つ光は殆ど
通さないようになる。つまり、本実施の形態のような偏
光子2の場合、可視光の特定波長域に限定されるもの
の、その波長域においては、80%といった極めて高い
光透過率が得られ、85%以上もの偏光度が得られるこ
とになる。もちろん、偏光子3でも同様である。よっ
て、偏光子2,3は極めて透明性の高いものである。
【0016】ここで、偏光子2,3の透明基板5として
は、前述したSiO2 基板に限らず、例えば、以下のよ
うなものを用い得る。即ち、MMA樹脂、PMMA樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、アク
リル系樹脂、スチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリアリレ
ート、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサ
ルフォン、エポキシ樹脂、ポリ‐4‐メチルベンテン‐
1、フッ素化ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フエノキシ
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ジエチレングリコールビ
スアリルカーボネート、ナイロン樹脂、フルオレン系ポ
リマー等の透明プラスチックに代表される有機物や、ガ
ラス、石英、アルミナ等の無機透明材料を用い得る。
は、前述したSiO2 基板に限らず、例えば、以下のよ
うなものを用い得る。即ち、MMA樹脂、PMMA樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、アク
リル系樹脂、スチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリアリレ
ート、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサ
ルフォン、エポキシ樹脂、ポリ‐4‐メチルベンテン‐
1、フッ素化ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フエノキシ
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ジエチレングリコールビ
スアリルカーボネート、ナイロン樹脂、フルオレン系ポ
リマー等の透明プラスチックに代表される有機物や、ガ
ラス、石英、アルミナ等の無機透明材料を用い得る。
【0017】次に、透明磁性層4について説明する。透
明磁性層4も特定波長域に機能するものであり、偏光子
2,3側の波長依存性と合わせる必要がある点を考慮す
ると、Fe,Co,Ni又はこれらの合金膜又は微粒子
を含む膜構成とすれば、波長によってファラデー回転角
が変化するという波長依存性が少ないので、偏光子2,
3の特性(光透過率及び偏光度が最大になる)に合わせ
ることが容易となり、好ましい。加えて、これらの材料
による場合、平均粒子径100Åとすれば、光透過率も
良好で保磁力も粒子径によって制御し得る利点がある。
もっとも、波長依存性が大きい一般的な磁気光学材料で
あっても、ファラデー回転角が最大になる波長と偏光子
特性が最大となる波長さえ合わせれば、特に支障なく用
い得る。例えば、BnBi,YFeO3 ,FeF3 ,γ
‐Fe2O3,Fe3O4,FeNx,Baフェライト、C
oフェライト等のフェライト、希土類鉄ガーネット、等
の比較的透明な強磁性体を用い得る。
明磁性層4も特定波長域に機能するものであり、偏光子
2,3側の波長依存性と合わせる必要がある点を考慮す
ると、Fe,Co,Ni又はこれらの合金膜又は微粒子
を含む膜構成とすれば、波長によってファラデー回転角
が変化するという波長依存性が少ないので、偏光子2,
3の特性(光透過率及び偏光度が最大になる)に合わせ
ることが容易となり、好ましい。加えて、これらの材料
による場合、平均粒子径100Åとすれば、光透過率も
良好で保磁力も粒子径によって制御し得る利点がある。
もっとも、波長依存性が大きい一般的な磁気光学材料で
あっても、ファラデー回転角が最大になる波長と偏光子
特性が最大となる波長さえ合わせれば、特に支障なく用
い得る。例えば、BnBi,YFeO3 ,FeF3 ,γ
‐Fe2O3,Fe3O4,FeNx,Baフェライト、C
oフェライト等のフェライト、希土類鉄ガーネット、等
の比較的透明な強磁性体を用い得る。
【0018】このような磁気光学素子1中の透明磁性層
4に対する画像情報の記録(磁化)は、所謂、磁気ヘッ
ドと称されるものを用いて行えばよい。具体的には、垂
直磁気ヘッド、リングヘッドと称される磁気誘導型ヘッ
ド、永久磁石を丸棒状に切り出してペン状に加工したも
の等を用い得る。このような磁気ヘッドを磁気光学素子
1に対して取外し自在とし、記録後には磁気ヘッドを取
外すようにすればよい。
4に対する画像情報の記録(磁化)は、所謂、磁気ヘッ
ドと称されるものを用いて行えばよい。具体的には、垂
直磁気ヘッド、リングヘッドと称される磁気誘導型ヘッ
ド、永久磁石を丸棒状に切り出してペン状に加工したも
の等を用い得る。このような磁気ヘッドを磁気光学素子
1に対して取外し自在とし、記録後には磁気ヘッドを取
外すようにすればよい。
【0019】もっとも、透過型の磁気光学素子1に代え
て、反射型の磁気光学素子9として、図3に示すよう
に、偏光子2と透明磁性層4と反射層(反射板)10と
を積層してなる構成とする場合であれば、反射層10の
裏面側に磁気ヘッド11をも一体化させて構成してもよ
い。図示例の磁気ヘッド11はヘッド基板12上に多数
のパーマロイ13(14は巻線)を2次元的に配列して
なる。この場合、反射層10としては、Cu,Al,A
g,Au,Pt,Rh,TeOx ,TeC,SeAs,
TeAs,TiN,ToN,CrN等を真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法等により膜厚
500〜10000Å程度に付着させることにより形成
される。
て、反射型の磁気光学素子9として、図3に示すよう
に、偏光子2と透明磁性層4と反射層(反射板)10と
を積層してなる構成とする場合であれば、反射層10の
裏面側に磁気ヘッド11をも一体化させて構成してもよ
い。図示例の磁気ヘッド11はヘッド基板12上に多数
のパーマロイ13(14は巻線)を2次元的に配列して
なる。この場合、反射層10としては、Cu,Al,A
g,Au,Pt,Rh,TeOx ,TeC,SeAs,
TeAs,TiN,ToN,CrN等を真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法等により膜厚
500〜10000Å程度に付着させることにより形成
される。
【0020】これらの磁気光学素子1又は9に関して、
透明磁性層4の画像(磁気的な記録)を消去するには、
スピンの向きを全て同一に揃えるように磁石を用いて磁
気光学素子1又は9全体を均一に磁化するか、或は、交
流磁場を用いてスピンをランダムな方向に向ける消去法
を用いればよい。
透明磁性層4の画像(磁気的な記録)を消去するには、
スピンの向きを全て同一に揃えるように磁石を用いて磁
気光学素子1又は9全体を均一に磁化するか、或は、交
流磁場を用いてスピンをランダムな方向に向ける消去法
を用いればよい。
【0021】
【実施例】以下、上述した基本的構成例に基づく具体的
な構成例を実施例1〜5として、比較例13とともに説
明する。
な構成例を実施例1〜5として、比較例13とともに説
明する。
【0022】<実施例1>1mm厚の透明な石英基板
(透明基板2)上に、200nm厚のアモルファス‐シ
リコン層を真空蒸着法を用いて作製した。次に、スピン
コーティング法を用いて、70nm厚にPMMAの膜を
レジスト膜として成膜し、このPMMA膜に対して電子
ビームフォトリソグラフィー法を用いて、ラインとスペ
ースとの比率が1:1となるようにして、ピッチ(周
期)が260nmの格子を描画した。現像処理後、その
上に、Crを真空蒸着してリフトオフした。次いで、マ
スクを用いてアモルファス‐シリコン層に対して反応性
イオンエッチングを施した。Cl2 ,SiCl4 ,Ar
の各フローレートは、20SCCM,7.5SCCM,40SCCM
であった。ガス圧は50mTorrで、パワー密度は0.3
2W/cm2 であった。反応性イオンエッチングの後、
Crマスクを取り除いた。周期構造6のグレーティング
形状は図2(b)に示す如く山形状の傾斜を有してい
た。光透過率の波長依存性は、波長520nm付近にブ
ロードなピークを持ち、波長520nmに対する光透過
率は86%であり、偏光度は95%であった。全く同様
にして、2枚の偏光子2,6を作製した。
(透明基板2)上に、200nm厚のアモルファス‐シ
リコン層を真空蒸着法を用いて作製した。次に、スピン
コーティング法を用いて、70nm厚にPMMAの膜を
レジスト膜として成膜し、このPMMA膜に対して電子
ビームフォトリソグラフィー法を用いて、ラインとスペ
ースとの比率が1:1となるようにして、ピッチ(周
期)が260nmの格子を描画した。現像処理後、その
上に、Crを真空蒸着してリフトオフした。次いで、マ
スクを用いてアモルファス‐シリコン層に対して反応性
イオンエッチングを施した。Cl2 ,SiCl4 ,Ar
の各フローレートは、20SCCM,7.5SCCM,40SCCM
であった。ガス圧は50mTorrで、パワー密度は0.3
2W/cm2 であった。反応性イオンエッチングの後、
Crマスクを取り除いた。周期構造6のグレーティング
形状は図2(b)に示す如く山形状の傾斜を有してい
た。光透過率の波長依存性は、波長520nm付近にブ
ロードなピークを持ち、波長520nmに対する光透過
率は86%であり、偏光度は95%であった。全く同様
にして、2枚の偏光子2,6を作製した。
【0023】続いて、RFスパッタ装置を用い、ターゲ
ットをBi2Gd1Fe3.8Al1.2O12として、偏光子2
の加工面のない方の面に、900nmの膜厚のガーネッ
ト膜(透明磁性層4)を作製した。ガーネット膜を成膜
後、700℃で1時間、空気中で加熱した。膜組成は、
Bi1.2Gd1.1Fe4.1Al1.6O12であった。保磁力は
620Oeであった。ファラデー回転角の波長依存性を
測定したところ、440nmと520nmとにピークを
有し、520nmでの回転角は10kガウスの印加磁界
で6.2°であった。これにより、偏光子2とガーネッ
ト膜とのピーク波長(波長依存性)を合わせることがで
きた。そこで、直径1mmで表面磁束が3kGの棒磁石
の先端でガーネット膜に対して文字画像を磁化により書
き込んだ後、もう1枚の偏光子3を用いてガーネット膜
を挾むことで磁気光学素子1を完成させた。このような
磁気光学素子1に波長520nmの光を照射させた場
合、コントラスト3.1の文字像を目視で確認すること
ができたものである。
ットをBi2Gd1Fe3.8Al1.2O12として、偏光子2
の加工面のない方の面に、900nmの膜厚のガーネッ
ト膜(透明磁性層4)を作製した。ガーネット膜を成膜
後、700℃で1時間、空気中で加熱した。膜組成は、
Bi1.2Gd1.1Fe4.1Al1.6O12であった。保磁力は
620Oeであった。ファラデー回転角の波長依存性を
測定したところ、440nmと520nmとにピークを
有し、520nmでの回転角は10kガウスの印加磁界
で6.2°であった。これにより、偏光子2とガーネッ
ト膜とのピーク波長(波長依存性)を合わせることがで
きた。そこで、直径1mmで表面磁束が3kGの棒磁石
の先端でガーネット膜に対して文字画像を磁化により書
き込んだ後、もう1枚の偏光子3を用いてガーネット膜
を挾むことで磁気光学素子1を完成させた。このような
磁気光学素子1に波長520nmの光を照射させた場
合、コントラスト3.1の文字像を目視で確認すること
ができたものである。
【0024】<比較例1>実施例1の場合と同様にRF
スパッタ装置を用いて石英基板上にガーネット層を作製
した後、これを、可視光に対する平均的光透過率が約3
8%、偏光度99%以上の市販の2枚のフィルム偏光子
で挾んで磁気光学素子を作製し、ガーネット層に書き込
んだ磁気記録像を観察したところ、コントラストは1.
9と低かったものである。
スパッタ装置を用いて石英基板上にガーネット層を作製
した後、これを、可視光に対する平均的光透過率が約3
8%、偏光度99%以上の市販の2枚のフィルム偏光子
で挾んで磁気光学素子を作製し、ガーネット層に書き込
んだ磁気記録像を観察したところ、コントラストは1.
9と低かったものである。
【0025】<比較例2>基本的に、実施例1と同様で
あるが、アモルファス‐シリコンに代えて、Seを用い
る点のみを変更して、2枚の偏光子とガーネット層との
サンドイッチ構造よりなる磁気光学素子を作製した。こ
の場合の偏光子の波長520nmに対する光透過率は5
0%以上ではあるが67%に留まり、偏光度は89%で
あった。ガーネット層に記録した磁気記録像を観察した
ところ、コントラストは1.1に留まったものである。
あるが、アモルファス‐シリコンに代えて、Seを用い
る点のみを変更して、2枚の偏光子とガーネット層との
サンドイッチ構造よりなる磁気光学素子を作製した。こ
の場合の偏光子の波長520nmに対する光透過率は5
0%以上ではあるが67%に留まり、偏光度は89%で
あった。ガーネット層に記録した磁気記録像を観察した
ところ、コントラストは1.1に留まったものである。
【0026】<実施例2>実施例1の場合と同様にし
て、1枚だけの偏光子2の加工のない面側に、900n
mの膜厚のガーネット膜を作製した。作製したガーネッ
ト膜上にアルミニウム膜(反射層10)を2000Åの
膜厚で成膜した。このアルミニウム膜側から、実施例1
の場合と同様、ガーネット膜に磁気的に文字を書き込ん
だ。このような磁気光学素子に波長520nmの光を照
射させた場合、コントラスト2.2の文字像を目視で確
認することができたものである。
て、1枚だけの偏光子2の加工のない面側に、900n
mの膜厚のガーネット膜を作製した。作製したガーネッ
ト膜上にアルミニウム膜(反射層10)を2000Åの
膜厚で成膜した。このアルミニウム膜側から、実施例1
の場合と同様、ガーネット膜に磁気的に文字を書き込ん
だ。このような磁気光学素子に波長520nmの光を照
射させた場合、コントラスト2.2の文字像を目視で確
認することができたものである。
【0027】<比較例3>実施例2のような構造におい
て、偏光子2に代えて比較例1の場合と同様なフィルム
偏光子を用いた構成として、ガーネット層に書き込まれ
た画像を観察したところ、コントラストは1.3に留ま
ったものである。
て、偏光子2に代えて比較例1の場合と同様なフィルム
偏光子を用いた構成として、ガーネット層に書き込まれ
た画像を観察したところ、コントラストは1.3に留ま
ったものである。
【0028】<実施例3>実施例2の構成の磁気光学素
子のアルミニウム膜に、垂直方向に強い磁場を発生する
磁気ヘッド11(コアは直径100μmの棒状のパーマ
ロイ13、そのAu巻線の巻数は15ターン、電流値
A)を配設した図3に例示したような構造の反射型の磁
気光学素子9とした。このような構成で、磁気ヘッド1
1を用いてガーネット膜に対してデジタル信号に基づく
画像を磁気的に記録し、光を照射してその画像を観察し
たところ、コントラストは2.0の画像を目視で確認で
きたものである。
子のアルミニウム膜に、垂直方向に強い磁場を発生する
磁気ヘッド11(コアは直径100μmの棒状のパーマ
ロイ13、そのAu巻線の巻数は15ターン、電流値
A)を配設した図3に例示したような構造の反射型の磁
気光学素子9とした。このような構成で、磁気ヘッド1
1を用いてガーネット膜に対してデジタル信号に基づく
画像を磁気的に記録し、光を照射してその画像を観察し
たところ、コントラストは2.0の画像を目視で確認で
きたものである。
【0029】<実施例5>1mm厚の透明な石英基板
(透明基板2)上にスピンコーティング法を用いて、2
00nm厚にPMMA膜(有機材料7)を形成した。こ
のPMMA膜に対して電子ビームリソグラフィー法を用
いて、ラインとスペースとの比率が1:1となるように
してピッチ(周期)が260nmの格子を描画した。現
像処理して有機材料7による周期構造6を形成した後、
その表面全面に9nm厚のゲルマニウムを真空蒸着して
半導体薄膜8を形成した。このような構造の偏光子2の
波長520nmに対する光透過率は83%であり、偏光
度は94%であった。このような偏光子を2枚作製し
て、実施例1の場合と同様に、ガーネット膜とのサンド
イッチ構造よりなる磁気光学素子1を作製した。そこ
で、実施例1の場合と同様に、ガーネット膜に対して文
字画像を磁化により書き込み、このような磁気光学素子
1に波長520nmの光を照射させた場合、コントラス
ト2.8の文字像を目視で確認することができたもので
ある。
(透明基板2)上にスピンコーティング法を用いて、2
00nm厚にPMMA膜(有機材料7)を形成した。こ
のPMMA膜に対して電子ビームリソグラフィー法を用
いて、ラインとスペースとの比率が1:1となるように
してピッチ(周期)が260nmの格子を描画した。現
像処理して有機材料7による周期構造6を形成した後、
その表面全面に9nm厚のゲルマニウムを真空蒸着して
半導体薄膜8を形成した。このような構造の偏光子2の
波長520nmに対する光透過率は83%であり、偏光
度は94%であった。このような偏光子を2枚作製し
て、実施例1の場合と同様に、ガーネット膜とのサンド
イッチ構造よりなる磁気光学素子1を作製した。そこ
で、実施例1の場合と同様に、ガーネット膜に対して文
字画像を磁化により書き込み、このような磁気光学素子
1に波長520nmの光を照射させた場合、コントラス
ト2.8の文字像を目視で確認することができたもので
ある。
【0030】<実施例5>1mm厚の透明な石英基板
(透明基板2)上にスパッタリング法を用いて200n
m厚にITO膜(透明導電膜)を形成し、実施例1の場
合と同様に、ITO膜部分に周期構造6を形成したとこ
ろ、波長520nmの光に対する光透過率は91%で偏
光度は96%であった。そこで、実施例1の場合と同様
にこのような2枚の偏光子とガーネット膜とのサンドイ
ッチ構造よりなる磁気光学素子1を作製した。そこで、
実施例1の場合と同様に、ガーネット膜に対して文字画
像を磁化により書き込み、このような磁気光学素子1に
波長520nmの光を照射させた場合、コントラスト
3.4の文字像を目視で確認することができたものであ
る。
(透明基板2)上にスパッタリング法を用いて200n
m厚にITO膜(透明導電膜)を形成し、実施例1の場
合と同様に、ITO膜部分に周期構造6を形成したとこ
ろ、波長520nmの光に対する光透過率は91%で偏
光度は96%であった。そこで、実施例1の場合と同様
にこのような2枚の偏光子とガーネット膜とのサンドイ
ッチ構造よりなる磁気光学素子1を作製した。そこで、
実施例1の場合と同様に、ガーネット膜に対して文字画
像を磁化により書き込み、このような磁気光学素子1に
波長520nmの光を照射させた場合、コントラスト
3.4の文字像を目視で確認することができたものであ
る。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の発明の偏光子によれば、
透明基板表面に半導体材料による0.1〜0.5μmオ
ーダのピッチと深さよりなる直線状の周期構造を有し、
請求項2記載の発明の偏光子によれば、透明基板表面に
透明な有機材料による0.1〜0.5μmオーダのピッ
チと深さよりなる直線状の周期構造を有し、この周期構
造の表面全面に周期構造に従う金属薄膜又は半導体薄膜
を有し、請求項3記載の発明の偏光子によれば、透明基
板表面に透明導電膜による0.1〜0.5μmオーダの
ピッチと深さよりなる直線状の周期構造を有するので、
所謂回折格子構造からなるが、周期構造のピッチが用い
る光の波長と同等又はそれ以下程度に小さければ、P偏
光とS偏光との光透過率が大幅に異なることで偏光度の
高い偏光子としての機能を確保することができ、この
際、直線状の周期構造は半導体材料、金属薄膜又は半導
体薄膜、或は透明導電膜よりなるため、周期構造中の電
子が1方向にのみ光の電場で動かされることにより周期
構造の溝方向に垂直な偏光成分の光を通すため、可視光
の特定波長域に限られるものの、高い光透過率を得るこ
とができ、透明性の高い偏光子を提供することができ、
ディスプレイ等へ応用する上で有利となる。
透明基板表面に半導体材料による0.1〜0.5μmオ
ーダのピッチと深さよりなる直線状の周期構造を有し、
請求項2記載の発明の偏光子によれば、透明基板表面に
透明な有機材料による0.1〜0.5μmオーダのピッ
チと深さよりなる直線状の周期構造を有し、この周期構
造の表面全面に周期構造に従う金属薄膜又は半導体薄膜
を有し、請求項3記載の発明の偏光子によれば、透明基
板表面に透明導電膜による0.1〜0.5μmオーダの
ピッチと深さよりなる直線状の周期構造を有するので、
所謂回折格子構造からなるが、周期構造のピッチが用い
る光の波長と同等又はそれ以下程度に小さければ、P偏
光とS偏光との光透過率が大幅に異なることで偏光度の
高い偏光子としての機能を確保することができ、この
際、直線状の周期構造は半導体材料、金属薄膜又は半導
体薄膜、或は透明導電膜よりなるため、周期構造中の電
子が1方向にのみ光の電場で動かされることにより周期
構造の溝方向に垂直な偏光成分の光を通すため、可視光
の特定波長域に限られるものの、高い光透過率を得るこ
とができ、透明性の高い偏光子を提供することができ、
ディスプレイ等へ応用する上で有利となる。
【0032】請求項4記載の発明によれば、請求項1又
は2記載の偏光子の半導体をシリコン又はゲルマニウム
としているので、光の吸収性と屈折率の上で好ましく、
良好なる偏光機能を発揮させることができる。
は2記載の偏光子の半導体をシリコン又はゲルマニウム
としているので、光の吸収性と屈折率の上で好ましく、
良好なる偏光機能を発揮させることができる。
【0033】請求項5記載の発明の磁気光学素子によれ
ば、請求項1,2,3又は4記載の一対の偏光子と、こ
れらの偏光子間に挾持された透明磁性層とを備えるの
で、透明磁性層に磁気的に記録された画像を上記の透明
性の高い偏光子を通して高いコントラストで表示し得る
透過型ディスプレイを提供することができる。
ば、請求項1,2,3又は4記載の一対の偏光子と、こ
れらの偏光子間に挾持された透明磁性層とを備えるの
で、透明磁性層に磁気的に記録された画像を上記の透明
性の高い偏光子を通して高いコントラストで表示し得る
透過型ディスプレイを提供することができる。
【0034】請求項6記載の発明の磁気光学素子によれ
ば、請求項1,2,3又は4記載の1枚の偏光子と、反
射板と、これらの偏光子と反射板との間に挾持された透
明磁性層とを備えるので、透明磁性層に磁気的に記録さ
れた画像を上記の透明性の高い偏光子を通して高いコン
トラストで表示し得る反射型ディスプレイを提供するこ
とができ、特に、透明磁性層の磁化部のファラデー回転
角度は反射により往復することで2倍となるため、より
コントラストの高い表示を可能にすることができる。
ば、請求項1,2,3又は4記載の1枚の偏光子と、反
射板と、これらの偏光子と反射板との間に挾持された透
明磁性層とを備えるので、透明磁性層に磁気的に記録さ
れた画像を上記の透明性の高い偏光子を通して高いコン
トラストで表示し得る反射型ディスプレイを提供するこ
とができ、特に、透明磁性層の磁化部のファラデー回転
角度は反射により往復することで2倍となるため、より
コントラストの高い表示を可能にすることができる。
【0035】請求項7記載の発明によれば、請求項6記
載の磁気光学素子がさらに反射板の裏面側に磁気ヘッド
を有するので、一体化された磁気ヘッドにより透明磁性
層に対して高速で画像を順次形成・消去し得るため、動
的なデジタル画像表示が可能となる。
載の磁気光学素子がさらに反射板の裏面側に磁気ヘッド
を有するので、一体化された磁気ヘッドにより透明磁性
層に対して高速で画像を順次形成・消去し得るため、動
的なデジタル画像表示が可能となる。
【0036】請求項8記載の発明によれば、請求項5,
6又は7記載の磁気光学素子の偏光子と透明磁性層とが
用いる光の波長依存性が合わせられているので、偏光子
だけでなく、透明磁性層も一般に波長によってファラデ
ー回転角が変化する波長依存性を有するが、これらの波
長依存性が合わせられており、可視光の特定波長域に限
られるものの、偏光子の光透過率と偏光度とが最大とな
る状態で利用でき、極めてコントラストの高い表示が可
能となる。
6又は7記載の磁気光学素子の偏光子と透明磁性層とが
用いる光の波長依存性が合わせられているので、偏光子
だけでなく、透明磁性層も一般に波長によってファラデ
ー回転角が変化する波長依存性を有するが、これらの波
長依存性が合わせられており、可視光の特定波長域に限
られるものの、偏光子の光透過率と偏光度とが最大とな
る状態で利用でき、極めてコントラストの高い表示が可
能となる。
【図1】本発明の一実施の形態の磁気光学素子の基本的
構成例を示す模式的断面図である。
構成例を示す模式的断面図である。
【図2】偏光子の周期構造例を示す模式的断面図であ
る。
る。
【図3】反射型の磁気光学素子の基本的構成例を示す模
式的断面図である。
式的断面図である。
1 磁気光学素子 2,3 偏光子 4 透明磁性層 5 透明基板 6 周期構造 7 有機材料 8 金属薄膜又は半導体薄膜 9 磁気光学素子 10 反射板 11 磁気ヘッド
Claims (8)
- 【請求項1】 透明基板表面に半導体材料による0.1
〜0.5μmオーダのピッチと深さよりなる直線状の周
期構造を有する偏光子。 - 【請求項2】 透明基板表面に透明な有機材料による
0.1〜0.5μmオーダのピッチと深さよりなる直線
状の周期構造を有し、この周期構造の表面全面に周期構
造に従う金属薄膜又は半導体薄膜を有する偏光子。 - 【請求項3】 透明基板表面に透明導電膜による0.1
〜0.5μmオーダのピッチと深さよりなる直線状の周
期構造を有する偏光子。 - 【請求項4】 半導体がシリコン又はゲルマニウムであ
る請求項1又は2記載の偏光子。 - 【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載の一対の偏
光子と、 これらの偏光子間に挾持された透明磁性層と、を備える
磁気光学素子。 - 【請求項6】 請求項1,2,3又は4記載の1枚の偏
光子と、 反射板と、これらの偏光子と反射板との間に挾持された
透明磁性層と、 を備える磁気光学素子。 - 【請求項7】 反射板の裏面側に磁気ヘッドを有する請
求項6記載の磁気光学素子。 - 【請求項8】 偏光子と透明磁性層とは、用いる光の波
長依存性が合わせられている請求項5,6又は7記載の
磁気光学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34661997A JPH11176637A (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 偏光子及び磁気光学素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34661997A JPH11176637A (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 偏光子及び磁気光学素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11176637A true JPH11176637A (ja) | 1999-07-02 |
Family
ID=18384672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34661997A Pending JPH11176637A (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 偏光子及び磁気光学素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11176637A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006171151A (ja) * | 2004-12-14 | 2006-06-29 | Dainippon Printing Co Ltd | 偏光分離素子 |
JP2006308668A (ja) * | 2005-04-26 | 2006-11-09 | Ricoh Co Ltd | 微細パターン形成プラスチックフィルムおよび埋め込み微細パターンの形成方法 |
JP2019003209A (ja) * | 2006-07-07 | 2019-01-10 | ソニー株式会社 | 液晶プロジェクター |
-
1997
- 1997-12-16 JP JP34661997A patent/JPH11176637A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006171151A (ja) * | 2004-12-14 | 2006-06-29 | Dainippon Printing Co Ltd | 偏光分離素子 |
JP4650931B2 (ja) * | 2004-12-14 | 2011-03-16 | 大日本印刷株式会社 | 偏光分離素子 |
JP2006308668A (ja) * | 2005-04-26 | 2006-11-09 | Ricoh Co Ltd | 微細パターン形成プラスチックフィルムおよび埋め込み微細パターンの形成方法 |
JP4616066B2 (ja) * | 2005-04-26 | 2011-01-19 | 株式会社リコー | 埋め込み微細パターンの形成方法 |
JP2019003209A (ja) * | 2006-07-07 | 2019-01-10 | ソニー株式会社 | 液晶プロジェクター |
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---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040506 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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Effective date: 20040511 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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