冷凍庫にストックしておきたい冷凍食品といえば、からあげや麺類はもちろんですが、「焼きおにぎり」もその代表格ではないでしょうか。小腹が空いたときにサッとひとつずつ温められますし、おやつにも食事にも使えるので、筆者宅では冷凍庫の絶対的守護神として常備しています。
商品はいつもなんとなくで選んでいたのですが、食べるたびに「この前食べたものと全然違うな」と感じていました。そこで、各焼きおにぎりの特徴を一度調べてみたいと思い、定番6商品を食べ比べることにしました!
定番の冷凍焼きおにぎりを6種類集めました。合計36個の焼きおにぎり大集合です
今回取り揃えた商品は、スーパーの冷凍食品売り場で必ず目にする定番4商品+コンビニの2商品。驚いたことに、コンビニの2商品も含めて、冷凍焼きおにぎりのメーカーは実質「ニッスイ」と「ニチレイ」の2強でした。
ニッスイ 焼きおにぎり
ニッスイ 大きな大きな焼きおにぎり
ニチレイ 焼おにぎり
ニチレイ 本格焼おにぎり
ローソン 焼おにぎり(製造はニッスイ)
セブン-イレブン 焼おにぎり(製造はニチレイ)
なお、メーカーによって商品名が「焼きおにぎり」だったり「焼おにぎり」だったりと表記が異なりますが、本稿の本文中では「焼きおにぎり」で統一します。
まずは全商品を並べて、見た目の違いをチェックしましょう。
凍った状態で6商品を1個ずつ取り出して並べました。思った以上に個性豊かですよね
並びは、画像内の番号順に「ニッスイ 大きな大きな焼きおにぎり」、「ニチレイ 本格焼おにぎり」、「ニチレイ 焼おにぎり」、「ニッスイ 焼きおにぎり」、「ローソン 焼おにぎり」、「セブン-イレブン 焼おにぎり」です。
解凍後がこちら。タレの付き具合やお焦げの感じも結構差があります
厚みもそれぞれ異なります
どれもシンプルな醤油味なので色みとしては似ていますが、サイズや形はそれぞれ異なります。詳しくは後述しますが、大きさと重さではコンビニの2商品が圧倒的でした。
では、ひとつずつ食べ比べていきましょう。個人的な感想として「タレの濃さ」、「香ばしさ」、「ご飯のふっくら感」を評価しています。
トップバッターは、「売上No.1」とパッケージに記載されている、ニッスイの「大きな大きな焼きおにぎり」です。おなじみのキャラクターを一度は目にしたことがあるのでは?
「お米本来のおいしさを追求し、ふっくら仕上げた焼きおにぎり」とのことで、コシヒカリを50%使用し、たまり醤油と濃厚な二段仕込み醤油をブレンドした豊かな風味が特徴。
6個入り(480g)。国産米100%(内コシヒカリ50%使用)
栄養成分(1個約80g当たり)
・エネルギー:137kcal
・たんぱく質:2.5g
・脂質:0.7g
・炭水化物:30.1g
・食塩相当量:0.8g
メーカー希望小売価格:530円
1個当たりの値段:約88円
おにぎりを立てて温められるトレー付きで、1個ずつ切り離して使えます
直径約7cmとビッグサイズですが、丸みをおびた三角形で持ちやすいですね
レンチンすると、表面に塗られたタレの濃さがよくわかります。内側のご飯にもタレがしっかり浸透していますね
これまで何度も食べていますが、安定のおいしさです。中までしっかりと浸透した醤油ダレの味と香ばしさが口の中に広がります。そしてご飯のやわらかさとボリューム感に驚き! レンチンでここまでご飯のふっくら感が残っているのがすごいです。焼いたような香ばしさは控えめですが、1個で満足感があるので、食事として白飯の代わりにもなる存在ですね。
タレの濃さ:★★★☆☆
表面の香ばしさ:★★☆☆☆
ご飯のふっくら感:★★★★☆
この春リニューアルされた「ニチレイ 本格焼おにぎり」。お米、だし、焼き、醤油タレのすべてにこだわった本格的な焼きおにぎりで、いきなり結論ですが、個人的には一番好きな焼きおにぎりになりました。
北海道産利尻昆布だしで釜炊きしたゆめぴりかを100%使用し、表面をしっかり焼いているのが特徴です。
6個入り(450g)。ゆめぴりか100%使用
栄養成分(1個約75g当たり)
・エネルギー:129kcal
・たんぱく質:2.9g
・脂質:0.8g
・炭水化物:27.5g
・食塩相当量:1.0g
・カリウム:33mg
・リン:32mg
メーカー希望小売価格:360円
1個当たりの値段:約60円
リニューアルされてトレーがなくなりました。プラゴミが出ないのはいいですが、立てて温められないというデメリットも
直径は先ほどの「大きな大きな焼きおにぎり」とほぼ同じ7cm。ただ、薄いのでこちらのほうが少し軽いです
解凍すると、“焦げ感”に驚き! たまらない香ばしい香りがします。内側のご飯は白い部分が多い感じですね
レンチン後、電子レンジのドアを開けた瞬間から香ばしい醤油の匂いが漂います。そして、オーブントースターで焼いてもいないのに、表面がカリッとしているのがすごい! 口に入れると、その焦げ目部分の硬さと香ばしい味わいがたまりません。タレは中に染みていませんが、ご飯にだしがきいているせいか、ほんのりと甘い感じがしておいしいです。本当にその場で焼いたおにぎりを味わっているような気分になれますね。
タレの濃さ:★★★☆☆
表面の香ばしさ:★★★★★
ご飯のふっくら感:★★☆☆☆
同社の「大きな大きな焼きおにぎり」に比べて半分強の重量と、小さなサイズの焼きおにぎり。あとちょっと食べたいときにピッタリのボリューム感です。
小さいながらも、風味豊かな枕崎産鰹節のだしを使い、たまり醤油のまろやかな味わいに仕上げられています。
10個入り(500g)。国産米100%(内コシヒカリ50%使用)
栄養成分(1個約50g当たり)
・エネルギー:86kcal
・たんぱく質:1.6g
・脂質:0.5g
・炭水化物:18.9g
・食塩相当量:0.7g
希望小売価格:480円
1個当たりの値段:約48円
トレーに立てた状態で梱包されていて、このまま切り離してレンチンできるのが斬新です
今回比べた6商品の中で、直径は5cm強と最小。ひと口とは言わないまでもふた口でペロリです
中のご飯までタレがからんでくれますね
最初に感じるのはだしの風味です。鰹節で味付けしているということで、そのだしが染みたご飯のおいしさをしっかりと感じますね。飲み込んだ後にも口の中にだしの余韻が残るほど。タレの味が濃すぎないので、おかずと一緒に食べるのにもピッタリ。サイズが小さくて食べやすいので、小腹が空いたときに頼れる存在ですね。
タレの濃さ:★★☆☆☆
表面の香ばしさ:★☆☆☆☆
ご飯のふっくら感:★★★☆☆
続いてこちらも、10個入りの小さな焼きおにぎりです。同じニチレイでも「本格焼おにぎり」とはまったくの別物で、先ほどの「ニッスイ 焼きおにぎり」と同じく、小腹を満たすのにピッタリなサイズ。
1回目の焼きではさらっとしたタレを塗って香ばしさを出し、2回目の焼きではとろみがあるタレを塗って甘みやまろやかさをUPするなど、小さいながらもこだわって作られています。
10個入り(480g)。国産米100%使用
栄養成分(1個約48g当たり)
・エネルギー:75kcal
・たんぱく質:1.5g
・脂質:0.3g
・炭水化物:16.5g
・食塩相当量:0.5g
・カリウム:17mg
・リン:18mg
メーカー希望小売価格:288円
1個当たりの値段:約29円
トレーなしで、10個がごろっと袋に入っています
直径は6cm近くありますが、厚みがないので軽く、食べやすいサイズです
タレはうっすらと表面を覆う感じで、内側は白いご飯ですね
とにかく食べやすいという印象です。ほどよくこんがりとしながらもご飯はふっくら。醤油ダレはややマイルドな感じで強いクセがないのと、ご飯の粒が揃っていてとても食べやすかったです。子供や年配の方でもペロリと食べられそうで、男性だったら一気に3個くらい食べられちゃうと思います。おやつ感覚で食べるならこれですね。着色料・保存料・化学調味料不使用なのもうれしいところ。
タレの濃さ:★★☆☆☆
表面の香ばしさ:★★☆☆☆
ご飯のふっくら感:★★★☆☆
ローソンの焼きおにぎりですが、実は製造・販売はニッスイ。それでも、ここまで見てきた「ニッスイ 大きな大きな焼きおにぎり」とも「ニッスイ 焼きおにぎり」とも違う、別物の焼きおにぎりです。
カツオだしをきかせて、3種類の醤油をブレンドし、香ばしく焼き上げているのが特徴とのこと。
2個入り(210g)
栄養成分(1個約105g当たり)
・エネルギー:180kcal
・たんぱく質:3.6g
・脂質:0.7g
・炭水化物:40g
・食塩相当量:0.9g
・食物繊維:0.4g
メーカー希望小売価格:170円
1個当たりの値段:約85円
※製造者:株式会社ハチカン(ニッスイグループ国内主要工場のひとつ)、販売者:日本水産
切り離し可能なトレー付き。温め時間は1個 2分20秒で、コンビニの2商品が最長でした
今回比較した中で最大級! 厚みもあり、普通のおにぎりと同じくらいの大きさです
タレは3種類のブレンド醤油。内側までは浸透していない感じです
まず驚きなのが圧倒的な大きさ! コンビニで売られている普通のおにぎりと同じくらいの大きさで、厚みもしっかりあって食べ応え抜群です。カツオだしのきいたご飯はふっくらとしていて風味がいいですね。タレはやや甘めな醤油で香ばしさもあり、内側の白いご飯と口の中で混じるとちょうどいい感じになります。あくまで別物ではありますが、タレ染み具合とやわらかさが「ニッスイ 大きな大きな焼きおにぎり」に近く、ニッスイらしさを感じられました。
タレの濃さ:★★☆☆☆
表面の香ばしさ:★★☆☆☆
ご飯のふっくら感:★★★☆☆
最後はセブン-イレブンの焼きおにぎりで、製造はニチレイです。サイズ感は先ほどのローソンの焼きおにぎりと同じですが、味わいにはメーカーの特色が現れていました。
一度素焼きした後にタレをからませてしっかり焼いているのが特徴です。
2個入り(210g)。北海道産のお米を使用
栄養成分(1個約105g当たり)
・エネルギー:166kcal
・たんぱく質:3.3g
・脂質:0.4g
・炭水化物:37.6g
・食塩相当量:1.4g
・食物繊維:0.5g
メーカー希望小売価格:170円
1個当たりの値段:約85円
※製造者:ニチレイ
分割可能なトレー付き。独特な形をしていますね
サイズ感や重量は、ローソンの焼きおにぎりとほぼ同じ
解凍すると表面のタレの香ばしい匂いが広がります。内側のご飯にもタレが染みていますね
サイズは、ローソンと並んで今回比較した中で最大級。そして特徴的なのが、レンチンだけでもしっかりと味わえる表面の香ばしさ。内側のご飯はふっくらとして食べやすいですね。タレはやや濃いめですが、表面のカリッと感にちょうどいい感じでマッチしていて、しつこさは感じません。やはり「ニチレイ 本格焼おにぎり」の香ばしさに近く、メーカーの特色が出ている焼きおにぎりですね。
タレの濃さ:★★★☆☆
表面の香ばしさ:★★★☆☆
ご飯のふっくら感:★★★☆☆
6商品を食べ比べてみましたが、たとえ製造が同じメーカーであっても、それぞれの商品でまったくの別物だとわかりました。ざっくりとメーカーによる傾向があるとするなら、ふっくら感&“だし感”のニッスイと、香ばしさのニチレイと言ったところでしょうか。
あくまで筆者の感想ですが、それぞれの商品の特徴をまとめると以下のようになります。
・ボリューム感No.1:「ローソン 焼おにぎり」、「セブン-イレブン 香ばしい焼おにぎり」
・香ばしさNo.1:「ニチレイ 本格焼おにぎり」
・お米のふっくら感No.1:「ニッスイ 大きな大きな焼きおにぎり」
・コスパNo.1:「ニッスイ 焼きおにぎり」
・おやつに最適:「ニチレイ 焼おにぎり」
・タレの染み具合No.1:「セブン-イレブン 香ばしい焼おにぎり」
調理の面では、トレーが付いている商品のほうが、おにぎりを立てて温めることができてよかったです。おにぎりを倒して温めるよりも水分が飛んで、表面のカリカリ感が味わえるんですよね。トレーがない場合はお皿が結構汚れてしまうので、洗う手間も増えてしまいます(トレーが付いていなかったのは、「ニチレイ 本格焼おにぎり」と「ニチレイ 焼おにぎり」)。
ただ個人的にはもうちょっと表面がカリッとしていたほうが好きなので、レンチン後、オーブントースターで1分前後焼くことにしています。そうするとより表面のカリカリ感が楽しめ、醤油ダレも香ばしく感じられるのでおすすめですよ。
全体的な感想としては、昔に比べてどれもご飯がおいしくてびっくりしました。おやつ代わりと思っていたのですが、食事としても十分満足できると思います。個人的に一番好きになったのはニチレイの「本格焼おにぎり」ですね。焦げ具合の香ばしさと白いご飯のコントラストがクセになりそうです。みなさんも本稿を参考に、自分好みの焼きおにぎりを見つけてみてください。
「ニチレイ 本格焼おにぎり」は焦げ目がたまりません。冷凍庫に常備しておきたい焼きおにぎりです