答えのない問いに向き合ってみよう ――本作の制作にあたっては、どんな作品にしようという狙いがありましたか? 甫木元「何かのコンセプトを設けたわけではないのは、これまでの作品と同じです。でも自分が書く歌詞においては、これまでの自分の経験や見た景色を落とし込むようなやり方から、ちょっと離れたいと思っていました。意味や情景よりも、もっと音楽に寄り添うための言葉にしたかったというか。 菊池の作る曲はまず彼が英語で歌ったデモが来て、そこに僕が日本語を当てはめていくんですけど、そのパズル感がもっと出れば、今までと違った表現になるかもしれないと思って。それを意識したのはシングルとして出した“頬杖”以降のことで、a.n.さんに作っていただいたアートワークに出てくる異世界の生物みたいに、風景を擬人化したり、死を別のものに変換して書いてみた曲が多いですね」 ――なぜこれまでとやり方を考えてみようと? 甫木元「