インクジェット印刷(IJP)技術は世界を否応なしに変える。より具体的には、ちょうどグーテンベルクが15世紀に活版印刷を発明した時と同様に、IJP技術が社会を大きく変える技術になると、この著者は考えている。約500年に一度の技術革新というわけだ。 著者の山口修一氏はあとがきで、エプソン(現・セイコーエプソン)入社から11年目の1994年に世界初の写真画質プリンターの開発に成功した際、「だがそのとき、私は気づいてしまった。インクジェット技術はプリンターだけで終わる技術ではないということに」と述べている。よくある後付けの自慢ではない。山口氏は3年後の1997年にマイクロジェットという会社を立ち上げている。 本書では、IJP技術がただのプリンターを超える進化・発展を見せてきた様子が語られている。本書の副題は「液晶テレビも骨も作れる驚異の技術」だが、本文では「ケーキに印刷、家にも印刷」、3Dプリンタ