仮想ロケーションを利用した複数倉庫からの在庫販売¶
小規模な企業であれば、1つの倉庫で在庫を保管し、在庫を販売することも可能かもしれませんが、大企業では、複数の場所にある複数の倉庫に在庫を保管したり、複数の倉庫から在庫を販売したりする必要があるかもしれません。
1つの販売オーダに含まれるプロダクトが、2つ(またはそれ以上)の倉庫から在庫を引く場合があります。Odooでは、仮想ロケーション を使用して販売オーダを満たすために複数の倉庫からプロダクトを引き出すことができます。
重要
このドキュメントでは、複数の倉庫のオーダを処理するために仮想倉庫を使用することを説明していますが、このソリューションにはいくつかの制限があります。先に進む前に、以下の点を考慮して下さい:
販売オーダで 倉庫 フィールドが仮想倉庫に設定されている場合、ピッキング、梱包、配送フォームには仮想倉庫の住所が表示され、実際の倉庫の住所は表示されません。
各ロケーションは
warehouse_id
(隠しフィールド)を持っています。つまり、仮想倉庫の在庫は実際の倉庫の在庫の合計では なく、倉庫IDが仮想倉庫のロケーションの在庫の合計になります。
危険
2 または 3ステップ配送 を使用している場合に制限される可能性があります:
各種フォームに記載されている出荷ゾーンまたは梱包ゾーンが、仮想倉庫の住所として誤って記載されています。
2ステップまたは3ステップ配送に対する回避策はありません。
仮想倉庫の住所を出荷または梱包ゾーンとして設定することが、企業のワークフローの理にかなっている場合 のみ 実行して下さい。
注釈
倉庫内に仮想の場所を作成し、次のステップに進むためには、 保管場所 と 複数ステップルート 機能を有効にする必要があります。
そのためには 倉庫 セクションまでスクロールダウンし、 保管場所 と 複数ステップルート オプションを有効にします。そして、 保存 で変更を終了します。
に行き、仮想の親ロケーションを作成する¶
仮想保管場所を作成する前に、仮想 倉庫として機能する新しい倉庫 — 他の実際の倉庫の 親 ロケーションを作成します。
仮想倉庫は、実際の倉庫を複数持つ企業に最適です。というのも、ある倉庫で特定のプロダクトの在庫が切れても、別の倉庫にはまだ在庫があるという状況が発生するかもしれないからです。この場合、これらの2つ(またはそれ以上)の倉庫からの在庫は、単一の販売オーダを満たすために使用することができます。
"仮想" 倉庫は企業の実際の倉庫に保管されている全ての在庫を集約する役割を果たし、Odoo内で(トレーサビリティの目的のため)ロケーションの階層を作成するために使用されます。
新しい倉庫を作成するには、 作成 をクリックします。ここから倉庫の 名前 と 略称 を変更し、その他の倉庫の詳細は 倉庫設定 タブで変更できます。
に進み、最後に、保存 をクリックし、通常 倉庫の作成を終了します。仮想親倉庫の設定を完了するには、以下の手順を続けて下さい。
子倉庫を作成する¶
仮想倉庫にリンクするために、少なくとも2つの 子 倉庫を作成します。
重要
販売オーダを満たすために複数の倉庫から在庫を引くには、仮想の親ロケーション倉庫の子ロケーションとして機能する倉庫が少なくとも**2つ**必要です。
そのためには 作成 をクリックし、 事前指示 に従って実際の在庫ロケーションを設定します。
に移動し、Example
仮想倉庫
VWH/在庫
倉庫A
と 倉庫B
WHA
と WHB
子倉庫を仮想在庫にリンクする¶
前のステップ で設定した仮想ロケーションの子ロケーションとして実際の倉庫を設定するには、 に移動します。
検索バーからフィルタを取り除きます。次に、子ロケーション(例:WHA
)として作成した実際の倉庫 ロケーション をクリックし、編集 をクリックします。
親ロケーション フィールドを 実際のロケーション から仮想倉庫の**在庫ロケーション**(例:VWH/在庫
)にドロップダウンメニューから変更し、 保存 をクリックします。
重要
親ロケーション`ドロップダウンメニューで仮想倉庫の在庫ロケーションを選択するには、親倉庫の在庫ロケーション(例:`VWH/在庫 )の ロケーションタイプ が 内部ロケーション に設定されている 必要があります。
2つ以上の子倉庫を設定するには、前述の手順を繰り返します。
一旦完了すると、仮想の親倉庫(例:VWH/在庫
)は、子倉庫(例:WHA`と`WHB
)の在庫を使用してオーダを処理します。
仮想在庫ロケーションを'ビュー'として設定¶
仮想在庫ロケーションの ロケーションタイプ を ビュー に設定します。これは、様々な実際の倉庫をグループ化するために使用される存在しないロケーションだからです。
そのためには
に移動します。ロケーション リストから、前回作成済 の仮想倉庫の在庫ロケーション (例 :` VWH/在庫`) をクリックします。
ロケーションフォームの 追加情報 見出しの下にある ロケーションタイプ を :guilabel:ビュー` に設定します。変更を 保存 します。
ちなみに
リンクされている 全て の子倉庫の合計数量を表示するには、プロダクトフォームに移動し、手持 スマートボタンをクリックして下さい。
例: 仮想倉庫からプロダクトを販売¶
仮想の親ロケーションを使用して複数の倉庫からプロダクトを販売するには、データベースは少なくとも 2つ の倉庫が、それぞれ各倉庫に手持ちの数量で、少なくとも 1つ のプロダクトで構成されている必要があります。
Example
プロダクト、おもちゃの兵隊
は各ロケーションに以下の数量があります:
WHA/在庫
: 1WHB/在庫
: 2倉庫
WHA
とWHB
は仮想倉庫VWH
の子倉庫です。
作成 をクリックし、プロダクトの見積を作成します。見積に 顧客 を追加し、 プロダクト追加 をクリックして2つの倉庫に保管されている2つのプロダクトを追加します。
アプリに移動して次に、販売オーダフォームの その他情報 タブをクリックします。配送 セクションの 倉庫 フィールドの値を 事前に作成済 で指定した仮想倉庫に変更します。次に、販売オーダを 確認 します。
次に、 配送 スマートボタンをクリックします。倉庫配送フォームから、 移動元ロケーション の値が販売オーダの 倉庫 フィールドの値と一致することを確認します。両方が仮想倉庫の場所をリストしているはずです。
最後に、倉庫配送フォームの 詳細オペレーション タブで、各プロプロダクトの 元 列の ロケーション が、仮想親ロケーションに紐づく子ロケーションと一致していることを確認します。
重要
倉庫配送フォームの 移動元ロケーション と販売オーダの その他情報 タブにある 倉庫 は、販売オーダ内のプロダクトが異なる倉庫から引き出されるためには一致する 必要があります。
倉庫配送フォームの 移動元ロケーション フィールドに仮想倉庫がない場合は、次の方法でプロダクト予約を再試行して下さい:
スケジューラ実行: 開発者モード <developer-mode>`をオンにし、 :menuselection:`在庫アプリ --> オペレーション -->スケジューラ実行 に進みます。
配送オーダで 利用可能確認 をクリックします。
もし仮想倉庫が販売オーダの 倉庫 フィールドに割当てられて いない なら、その販売オーダを取消し、 倉庫 フィールドに仮想倉庫を設定して新規販売オーダを作成します。
販売オーダフォームに 倉庫 フィールドがない場合、複数の子倉庫が正しく設定されていない可能性があります。前のセクション を見直して、正しい設定を確認して下さい。
ちなみに
仮想 親 ロケーションを販売オーダのデフォルト倉庫として使用するには、各販売担当者が、従業員フォームの デフォルト倉庫 の隣にあるドロップダウンメニューから仮想倉庫を割当てなければなりません。