朝鮮戦争(ちょうせんせんそう)は、1948年に成立したばかりの朝鮮民族の分断国家である大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の間で生じた、朝鮮半島の主権を巡る国際紛争である。 ソ連崩壊を受けて公開された機密文書によると、1950年6月25日にソ連のヨシフ・スターリン書記長の同意と支援を取り付けた金日成首相率いる北朝鮮が事実上の国境線と化していた38度線を越えて韓国に侵略戦争を仕掛け(国際政治史を専門とする五百旗頭真も奇襲と呼ぶ)勃発した。分断国家朝鮮の両当事国、北朝鮮と韓国のみならず、東西冷戦の文脈の中で西側自由主義陣営諸国を中心とした国連軍と東側社会主義陣営諸国の支援を受ける中国人民志願軍が交戦勢力として参戦し、3年間に及ぶ戦争は朝鮮半島全土を戦場と化して荒廃させた。1953年7月27日に国連軍と中朝連合軍は朝鮮戦争休戦協定に署名し休戦に至ったが、北緯38度線付近の休戦時の前線が軍事境界線として認識され、南北二国の分断状態が続くこととなった。 終戦ではなく休戦状態であるため、名目上は2022年現在も戦時中であり、南北朝鮮の両国間、及び北朝鮮とアメリカ合衆国との間には締結されていない。2018年4月27日、板門店で第3回南北首脳会談が開かれ、2018年中の終戦を目指す板門店宣言が発表されたが、実現には至らなかった。