化政文化(かせいぶんか)とは、江戸時代後期の文化文政時代(1804年 - 1830年)を最盛期として、江戸を中心として発展した町人文化を指す。化政とは文化・文政を略した言葉。浮世絵や滑稽本、歌舞伎、川柳など、一般に現代に知られる江戸期の町人文化の全盛期にあたり、国学や蘭学の大成した時期でもある。広義の定義では、18世紀後半から19世紀前半の非常に長い期間を含む場合がある。 史学上は、江戸前期に上方を中心に起こった町人文化である元禄文化と対比され、享楽的色彩が強いとする。また、従来においては江戸の三大改革を基点に、寛政の改革と天保の改革の間の時期と見なされてきた上に、享保の改革と寛政の改革の間の田沼時代(宝暦-天明期)が軽視されたため、本来であれば宝暦-天明期に属する事柄の多くが、化政文化のものとして取り扱われてきた経緯がある。そのため、近年は宝暦・天明文化と新たな時代区分が定義されており、従来、杉田玄白や本居宣長、与謝蕪村といった化政文化の代表人物として扱われることも多かった者が、宝暦・天明期のものに変更されている部分もある。