明 細 書
電磁波シールド性光透過部材及ぴその製造方法 技術分野
[0001] 本発明は、電磁波シールド性光透過部材、該部材の製造方法、該部材を用いた光 学フィルター、および該部材を用いて形成されたプラズマディスプレイパネル等のデ イスプレイパネルに関する。
背景技術
[0002] 近年、普及しつつあるプラズマディスプレイや EL、 CRT等の各種ディスプレイにお いては、ディスプレイカゝら電磁波(マイクロ波)が発生し、この電磁波が他の機器に悪 影響を及ぼすという問題があった。またマイクロ波は人体に対し悪影響を与えるという 問題もある。特にプラズマディスプレイパネルにおいては、高電圧で駆動することから 、他のディスプレイに比べ強い電磁波が発生、漏洩することから問題であった。これら 各種ディスプレイの前面力 漏洩する電磁波を遮蔽するには、空間を電磁気的に絶 縁すればよい。このような目的で、電磁波シールド性と透明性とを併せ持つ電磁波遮 蔽構成体を各種ディスプレイの前面に取り付けるとともに、該電磁波遮蔽構成体を接 地するべく外部電極と接続することが従来提案、実施されている (例えば、特許文献 1〜4参照)。また、プラズマディスプレイパネルからは、発光セル内に封入された不 活性ガスに基づく近赤外線が発生し、コードレスフォンやリモートコントローラ等の電 子機器の誤作動を引き起こすと 、う問題も発生して 、る。
[0003] 前記電磁波遮蔽構成体の一例としては、電磁波シールド性フィルムと透明基材で あるプラスチック板を重ね、圧着または加熱、圧着することに電磁波シールド性フィル ムをプラスチック板に接着することより形成される。そして、前記電磁波シールド性フィ ルムは、プラスチックフィルムと、該プラスチックフィルム上に設けられた接着剤層と、 該接着剤層に接着された導電性材料カゝらなる金属箔をケミカルエッチングすることに より形成された幾何学図形力 なるメッシュ状の電磁波シールド材を有する電磁波シ 一ルド層で構成されている。また、前記幾何学図形の外周には、該幾何学図形と電 気的に接続した導電性の額縁部が設けられている。しカゝしながら、前記幾何学図形
力もなるメッシュ状の電磁波シールド層および導電性の額縁部は、接着剤層に金属 箔を貼り付け、この金属箔をケミカルエッチングプロセスによりエッチングすることによ り形成され、また金属箔として通常裏面が粗ィ匕面となっている電解銅箔が用いられる ことから、電解銅箔の粗化形状が接着剤面に転写され、エッチングにより銅箔が除去 された部分の接着剤表面は粗化された面となっている。一方、前記接着剤層として は、加熱または加圧により流動するものが用いられ、前記したように電磁波シールド 性フィルムを圧着または加熱、圧着することによりにより接着剤が流動化し、メッシュ 状の電磁波シールド材の間に流れ込み、その結果プラスチック板に接着されて、電 磁波シールド性フィルムがプラスチック基板に接着される。
[0004] 接着剤層への貼合せ面が粗化された金属箔と接着剤層を貼合せてから金属箔を ケミカルエッチングして製造される従来の電磁波シールド性フィルムは、粗ィ匕された 金属の凹凸面が接着剤層に転写され、凹凸を有する接着剤層を介して画像を見るこ とになるので、視認'性、すなわち画像の鮮明'性において問題がある。
この課題を克服するため、特許第 3480898号公報では、粗化された金属の凹凸 面が転写された接着剤層を透明化したディスプレイ用電磁波シールド性フィルム、具 体的には粗ィ匕された金属の凹凸面が転写された接着剤層の上に、加熱または加圧 により透明層を接着し、接着剤層の凹凸面を透明層で濡らすことにより透明化を図つ たものが提案されている。
[0005] 特許文献 1 :特開平 10— 335885号公報
特許文献 2:特許第 3480898号公報
特許文献 3:特開 2000— 323890号公報
特許文献 4:特開 2000— 323891号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 特許第 3480898号公報に開示されて ヽるディスプレイ用電磁波シールド性フィル ムでは、接着剤層の凹凸面に微小な空気が残りやすぐその残った空気部はデイス プレイとしては欠陥部となってしまう。また、いくら透明層を加熱または加圧により接着 したとしても、接着剤層と屈折率が異なる透明層を設けた場合、完全な透明にはなら
ず、透明性がやや低くなる。さらに、電磁波シールド層の幾何学図形 (以下メッシュと いう。)は金属層をエッチングすることで形成されるため、接着剤層を介して金属層を 接着しているプラスチックフィルムは、エッチング液等の各種薬液に曝され、かつ製 造ラインを通過することで送りロール等の様々なロールを通過することとなる。これに より、プラスチックフィルムには薬液による劣化や送りロールなどによる細かな傷が発 生してしまう。このため、透明性や平滑性が低下してディスプレイとしての品質が低下 するという問題があった。
[0007] また、ディスプレイとしてのコントラストを高めるため、金属箔あるいは金属メッシュの 金属層表面は黒ィ匕処理されることが好ましい。この黒化処理、特に銅箔の黒化処理 は、プリント配線板分野で一般的に行われている方法が通常採用されている。黒ィ匕 処理によって金属層表面に酸ィ匕膜が形成されるが、この時同時に微細な針状結晶も 生成する。その針状結晶が電磁波シールド層の被エッチング部 (メッシュ部以外の金 属層の開口部)へ付着すると、ディスプレイの品質低下や欠陥になり歩留まりが低下 する。先のプラスチックフィルムの傷つきによる欠陥や針状結晶等の異物付着による 歩留まり低下が発生すると、製品の製造コストが高くなり、経済性も劣ることとなる。
[0008] したがって、本発明の目的は、上記のごとき問題のない、すなわち傷がなぐ金属メ ッシュが黒ィ匕されて 、る場合にぉ 、ても電磁波シールド層に異物の付着がなぐ透 明性に優れた電磁波シールド層を光学フィルターおよびディスプレイパネルに形成 することのできる電磁波シールド性光透過部材を提供することである。
また、本発明の他の目的は、前記特性の優れた電磁波シールド性光透過部材を用 V、て形成された光学フィルター、あるいはプラズマディスプレイパネルなどのディスプ レイパネルを提供することである。
さらに、本発明の目的は、傷や異物の付着がなぐ透明性に優れた電磁波シールド 層を有する光学フィルターおよびディスプレイパネルを形成することのできる電磁波 シールド性光透過部材を製造する方法を提供することである。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明は、上記課題を解決するために次の構成を有する電磁波シールド性光透過 部材、光学フィルター、プラズマディスプレイパネルなどのディスプレイパネルおよび
電磁波シールド性光透過部材の製造方法に関する。
[0010] すなわち、(i)本発明は、 2枚の剥離フィルム間に、粘着剤と電磁波シールド材とを 含有してなる電磁波シールド性光透過部材に関する。
[0011] また、 (ii)本発明は、上記電磁波シールド材が粘着剤に覆われてなる上記電磁波 シールド性光透過部材に関する。
[0012] また、( )本発明は、上記電磁波シールド材の少なくとも一部が粘着剤力も露出し てなる上記 (i)記載の電磁波シールド性光透過部材に関する。
[0013] また、 (iv)本発明は、上記粘着剤が活性エネルギー線硬化型粘着剤である上記電 磁波シールド性光透過部材に関する。
[0014] また、(V)本発明は、上記粘着剤が近赤外線吸収物あるいは色補正物を含有する 上記電磁波シールド性光透過部材に関する。
[0015] また、(vi)本発明は、上記電磁波シールド性光透過部材カも少なくとも 1枚の剥離 フィルムを剥がして、露出した粘着剤を透明基材上に貼付してなる光学フィルターに 関する。
[0016] また、(vii)本発明は、透明基材が、反射防止層、ハードコート防止層、防眩機能層 、色調補正層および近赤外線吸収層から選ばれる 1つ以上の層を含む上記光学フィ ルターに関する。
[0017] また、(viii)本発明は、さらに、透明基材上に、反射防止層、ハードコート防止層、 防眩機能層、色調補正層および近赤外線吸収層から選ばれる 1つ以上の層を形成 してなる上記 (vi)記載の光学フィルターに関する。
[0018] また、(ix)本発明は、光学フィルターがプラズマディスプレイパネル用である上記光 学フィルターに関する。
[0019] また、(X)本発明は、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電磁波シールド性光透過 部材力 少なくとも 1枚の剥離フィルムを剥がして、露出した粘着剤を貼付してなるプ ラズマディスプレイパネルに関する。
[0020] また、(xi)本発明は、上記(6)〜(8)の 、ずれかに記載の光学フィルターを取り付 けたプラズマディスプレイパネルに関する。
[0021] また、(xii)本発明は、下記の工程(1)〜(7)を任意の順序で行い、かつ、活性エネ
ルギ一線照射を少なくとも 1回行うことを特徴とする電磁波シールド性光透過部材の 製造方法に関する。
(1)金属箔と、基材フィルムとを、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を介して貼 付する工程。
(2)前記金属箔の選択的エッチングによって金属メッシュを形成する工程。
(3)前記金属箔または金属メッシュの表面を黒化処理する工程。
(4)基材フィルム、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤および金属メッシュを含 んでなる積層体の金属メッシュ面と、転写用支持体とを、粘着剤を介して貼付するェ 程。
(5)前記基材フィルムを前記金属メッシュ力も剥離する工程。
(6a)前記基材フィルムを前記金属メッシュ力 剥離することにより生じた金属メッシュ の露出部と、新たな剥離フィルムとを、貼付する工程。
(7)金属メッシュを粘着剤中へ埋め込む工程。
また、(xiii)本発明は、下記の工程(1)〜(7)を任意の順序で行い、かつ、活性エネ ルギ一線照射を少なくとも 1回行うことを特徴とする電磁波シールド性の製造方法に 関する。
(1)金属箔と、基材フィルムとを、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を介して貼 付する工程。
(2)前記金属箔の選択的エッチングによって金属メッシュを形成する工程。
(3)前記金属箔または金属メッシュの表面を黒化処理する工程。
(4)基材フィルム、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤および金属メッシュを含 んでなる積層体の金属メッシュ面と、転写用支持体とを、粘着剤を介して貼付するェ 程。
(5)前記基材フィルムを前記金属メッシュ力も剥離する工程。
(6b)前記基材フィルムを前記金属メッシュ力 剥離することにより生じた金属メッシュ の露出部と、新たな剥離フィルム上に粘着剤を塗布した積層体の粘着剤面とを、貼 付する工程。
(7)金属メッシュを粘着剤中へ埋め込む工程。
発明の効果
[0023] 本発明にお ヽては、電磁波シールド性光透過部材製造中に基材フィルムに傷が付 いたり、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤に異物が付着したとしても、また粘 着剤層がエッチング液により特性が劣化したとしても、基材フィルムおよび活性エネ ルギ一線粘着力消失型粘着剤は最終的には電磁波シールド性光透過部材製造過 程において取り除かれることから、得られた電磁波シールド性光透過部材あるいは電 磁波シールド層には傷や異物は残留しない。このことから、電磁波遮蔽構成体を製 造する際に問題となって 、た、電磁はシールド性フィルムへの傷の発生や黒ィ匕処理 による微細な結晶付着に起因するディスプレイ欠陥、さらにはエッチング処理の際の 接着剤の透明性の問題が解決され、透明性の低下のない、品質に優れた電磁波シ 一ルド層を形成することができる。また、本発明においては製品歩留まりが改善され ることから、経済的に優れているという効果も奏される。さらに、本発明の電磁波シー ルド性光透過部材を用いることにより、電磁波シールド層を設ける際にプラスチックフ イルムなどの別層を必要とすることなく電磁波シールド層を形成することが可能となり 、従来の方法ではなし得な力つた薄さの電磁波シールド機能を有する光学フィルタ 一やプラズマディスプレイなどのディスプレイパネルを形成することができる。
図面の簡単な説明
[0024] [図 1]図 1 (a)〜(d)は、本発明の電磁波シールド性光透過部材の種々の態様を示す 断面図である。
[図 2]図 2は、本発明の光学フィルターの一例の断面図である。
[図 3]図 3は、メッシュ形成シートの断面図である。
[図 4]図 4は、基材フィルム、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤および剥離フィ ルム力 なる積層体の断面図である。
[図 5]図 5は、電磁波シールド材である金属メッシュが形成されたメッシュ形成シートの 断面図である。
[図 6]図 6は、粘着シートの断面図である。
[図 7]図 7は、金属メッシュをメッシュ形成シートから剥離する過程を示す図である。
[図 8]図 8 (a)、 (b)は、金属メッシュを粘着剤層上に担持する転写シートと剥離シート
とを貼り合わせ、加圧することにより金属メッシュを粘着剤層に埋め込む工程を示す 図である。
[図 9]図 9 (a)、(b)は、剥離フィルム上に粘着剤を塗布した積層体の粘着剤面と金属 メッシュを粘着剤層上に担持する転写シートとを貼り合せ、加圧することにより金属メ ッシュを粘着剤層に埋め込む工程を示す図である。
符号の説明
[0025] 図 1〜9において、 1、 4, 6、 8は剥離フィルムを、 2は粘着剤を、 3は電磁波シール ド材を、 5は、光学フィルムの透明基材を、 7は積層体を、 9は転写シートを、 10はメッ シュ形成シートを、 11は基材フィルムを、 12は活性エネルギー線粘着力消失型粘着 剤を、 13は金属箔を、 15は金属メッシュが形成されたメッシュ形成シートを示す。 発明を実施するための最良の形態
[0026] 以下、本発明の電磁波シールド性光透過部材を、図 1を参照しつつ説明する。な お、図においては本発明を説明するため、各部材、層の大きさや厚みは正確な縮尺 で記載されて 、るものではな 、。
[0027] 本発明の電磁波シールド性光透過部材は、 2枚の剥離フィルム 1、 4間に、粘着剤 2 と電磁波シールド材 3が含有されてなるものである。図 1は、本発明の電磁波シール ド性光透過部材のいくつかの態様を示すもので、図 1 (a)は剥離フィルム 1、 4に粘着 剤 2と電磁波シールド材 3が両面ともに密接した状態とされた例であり、図 1 (b)は、電 磁波シールド材は両面が剥離フィルムに密接して 、るが、粘着剤 2は一方の剥離フィ ルム 1にのみ密接している例であり、図 1 (c)は、電磁波シールド材は片面のみが剥 離フィルムに密接し、粘着剤 2は一面では剥離フィルム 1と全面に、また他面は電磁 波シールド材と粘着剤が剥離フィルム 4に密接している例であり、図 1 (d)は、粘着剤 は両面全面で剥離フィルム 1、 4と密接しているのに対し、電磁波シールド材 3は粘着 剤中にあり、剥離フィルムと接していない例を示すものである。なお、本発明の電磁 波シールド性光透過部材は、 2枚の剥離フィルム 1、 4間に、粘着剤 2と電磁波シール ド材 3が含有されていれば良ぐ上記態様に限られるものではない。
[0028] 本発明の電磁波シールド性光透過部材を構成する剥離フィルム 1、 4は、プラスチ ックフィルム上にシリコンやフッ素等の剥離性材料による剥離処理が施されたフィルム
をいう。剥離処理が施されていることにより、剥離フィルムを粘着剤を介して基材など に貼付した場合でも、該フィルムを任意の方法で簡便に引き剥がすことが可能となる 。剥離フィルムは単なる透明プラスチックフィルム等と区別して用いられる。剥離フィ ルムとしては、巿販されている剥離フィルムを用いることもでき、その例としては、例え ば東洋紡製 E7002、パナック社製再剥離フィルム NTなどが挙げられる。また、剥離 フィルムとして、プラスチックフィルムなどの基材フィルムに後述する活性エネルギー 線粘着力消失型粘着剤を塗布したものを用いることもできる。ただし、経済的理由お よび取り扱い性の点から、プラスチックフィルム上にシリコンやフッ素等によって公知 の剥離処理を施したフィルムを用いることが好ま 、。
[0029] 前記プラスチックフィルムは、可とう性を有するプラスチックフィルムであることが好ま しぐまた活性エネルギー線を透過できることが好ましい。プラスチックフィルムの厚さ は任意でよいが、 5〜500 m程度であることが好ましぐ 10〜200 mであること力 S より好ましい。プラスチックフィルムとしては、具体的にはポリエチレンテレフタレート( PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロ ピレン、ポリスチレン、エチレン Z酢酸ビュル共重合体(EVA)等のポリオレフイン類、 ポリ塩ィ匕ビニル、ポリ塩ィ匕ビユリデン等のビニル類、ポリサルホン、ポリエーテルサル ホン、ポリフエ-レンサルファイド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル榭 脂、シクロォレフイン榭脂等のフィルムが挙げられる。またプラスチックフィルムは、積 層フィルムであってもよぐ積層体を形成する榭脂としては、例えば上記のごとき単層 プラスチックフィルムを構成する榭脂が挙げられる。プラスチックフィルムは価格や取 り扱 、性の面力 PETフィルムを用いることが好まし!/、。これらプラスチックフィルムは 、後述する本発明の基材フィルムとして用いることもできる。
[0030] 本発明の電磁波シールド性光透過部材は、 2枚の剥離フィルム 1、 4の間に粘着剤 2と電磁波シールド材 3を含有することとなる。例えば、 2枚の剥離フィルムの剥離処 理された面を積層方向に並べた場合には、 2つの剥離処理された面の間に粘着剤と 電磁波シールド材が含まれる。 2つの剥離処理された面の位置関係は、平行であつ ても良いし、平行でなくとも良い。なお、 2つの剥離処理された面の位置関係は平行 であることが好ましい。
[0031] 本発明にお ヽては、電磁波シールド材を製造する際に仮支持体である基材フィル ムを用い、電磁波シールド性光透明部材を製造する過程で前記仮支持体は電磁波 シールド材力 剥離除去されることから、最終的に得られる電磁波シールド性光透明 部材には仮支持体は存在しなくなる。このため、シールド材製造工程においてシー ルド材の仮支持体として用いられる基材フィルムに傷が発生した場合でも、発生する 傷は電磁波シールド性光透明部材への傷の影響はなぐシールド層の光透過 (透明 性)を向上させることができる。また、従来の電磁波遮蔽構成体に比べ、少なくとも 1 層分のプラスチックフィルムを省くことができるため経済性も良ぐさら〖こ、ディスプレイ 前面フィルターおよび電磁波シールド性建材等の薄型化に寄与することとなる。電磁 波シールド性光透過部材の両面に剥離フィルムを使わな ヽ場合には、製造工程に おいて基材フィルムに傷が付き、またメッシュ開口部に異物が付着するため、透明性 も低下するし、商品としても問題がある。また、電磁波シールド材を形成する際のエツ チング液による基材フィルム、粘着剤の損傷も問題となる。
[0032] 本発明の電磁波シールド材 3は、幾何学図形のメッシュ状の導電性金属材および これに類する金属材である。この電磁波シールド材は、導電性金属箔上にマイクロリ ソグラフ法や印刷法によりレジストパターンを形成した後、ケミカルエッチング等による エッチング処理を施すことにより、あるいはメツキ法、導電性インキを用いる印刷法な どにより形成することができる。
[0033] 前記導電性金属箔としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、クロム、チタン 等の金属、あるいはそれらの 2種以上を組み合わせた合金が挙げられる。なかでも、 導電性や回路加工の容易さ、価格の面から銅、ニッケル、アルミニウムおよびそれら の合金が好ましぐ銅および銅合金が更に好ましい。また、導電性金属箔は、予め公 知の方法で黒ィ匕処理されたものを使用しても良い。
[0034] 金属箔の厚みは、 0. 5〜40 μ mが好ましぐ更に 1〜30 μ mが好ましい。 40 μ mを 越えると、細力いラインの形成が困難になるだけでなぐ電磁波シール材がプラズマ ディスプレイなどのディスプレイの前面に適用された際に視野角が狭くなり好ましくな い。また、厚さ 0. 5 m未満では表面抵抗が大きくなり、電磁波シールド効果が劣る 傾向にある。
[0035] メッシュの形状は、メッシュを構成する単位形状として、正三角形や二等辺三角形、 直角三角形等の三角形、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形等の四角形、 六角形、八角形、十二角形、二十角形等の n角形 (nは正数)、円、楕円、星形等が 挙げられる。メッシュの形状は、前記単位形状の 1種または 2種以上の組み合わせか らなる。メッシュを構成する単位形状は、電磁波シールド性の観点からは、三角形が 最も有効である力 可視光線透過率の観点からは n角形の nが大きいものが好ましい 。前記メッシュの外周には、該メッシュと電気的に接続した導電性の額縁部を設ける ことが望ましい。
[0036] メッシュを構成するラインの幅は 40 μ m以下、ラインの間隔は 100 μ m以上、ライン の厚みは 40 m以下の範囲にすることが好ましい。また、メッシュの非視認性の観点 から、ライン幅は 25 /z m以下、可視光線透過率の点からライン間隔は 120 m以上 、ライン厚みは 18 μ m以下が更に好ましい。ライン幅は 40 μ m以下、特に 25 μ m以 下が好ましぐあまりに小さぐ細くなると表面抵抗が大きくなりすぎてシールド効果に 劣るので、 1 μ m以上が好ましい。ラインの厚みは 40 μ m以下が好ましぐあまりに厚 みが薄いと表面抵抗が大きくなりすぎて、シールド効果に劣るので、 0. 5 m以上が 好ましぐ: L m以上が更に好ましい。ライン間隔は、大きいほど開口率が向上し、可 視光線透過率は向上する。前述のようにディスプレイ前面に使用する場合、開口率 は 50%以上が好ましいが、 60%以上がより好ましぐ更に 80%以上が好ましい。ライ ン間隔が大きくなりすぎると、電磁波シールド性が低下する為、ライン間隔は 1000 m ( lmm)以下とすることが好ましい。ここで開口率とは、電磁波シールド材がカバー する有効面積に対する、有効面積力 金属メッシュの面積を引いた面積の比の百分 率である。
[0037] 導電性金属箔を用いてメッシュを形成する方法としては、金属箔にマイクロリソダラ フ法を用いてメッシュを形成する方法力 加工の精度および力卩ェの効率の面力 好 ましい。マイクロリソグラフ法としては、フォトリソグラフ法、 X線リソグラフ法、電子線リソ グラフ法、イオンビームリソグラフ法などが挙げられる。これらの中でも、その簡便性、 量産性の点力もフォトリソグラフ法が最も効率がょ 、。なかでもケミカルエッチングを用 いたフォトリソグラフ法は、その簡便性、経済性、金属メッシュ加工精度などの点から
最も好ましい。マイクロリソグラフ法では、金属箔上へのレジスト層の形成、露光、現 像によるレジストパターンの形成、レジストパターンを利用しての金属箔のエッチング 、レジスト層の剥離、必要に応じ中和処理が順次行われる。エッチングされた金属箔 の表面を更に黒ィヒ処理する必要があれば、更に黒化処理が行われる。レジストパタ ーンは、スクリーン印刷法、凸版オフセット印刷法等の印刷法を用いレジストインキを 印刷することにより、露光、現像工程を経ないで作成することもできる。
[0038] メッシュ形成の際の金属箔のエッチングは、従来知られたエッチング法の何れでも よいが、経済的な面から、エッチング液を用いるケミカルエッチングが好ましい方法で ある。エッチング液としては、例えば塩ィ匕鉄、塩化銅等の水溶液が好ましい。またレジ スト剥離液はカセイソーダ水溶液が好ましい。中和は塩酸、硫酸、シユウ酸等の酸性 溶液が好ましい。黒ィ匕処理液としては、プリント回路基板製造技術で利用されている 公知の黒ィ匕処理液を用いることが好まし 、。これらエッチング液等の各種薬液や使 用条件は特に限定されず、プリント配線板製造方法において公知の薬液や使用条 件の 、ずれのものをも用いることができる。
[0039] 本発明の電磁波シールド性光透過部材を構成する粘着剤としては、例えば、分子 中にカルボキシル基、水酸基、アミド基、グリシジル基、アミノ基、ァセトァセトキシ基 のうち少なくとも 1種の反応性官能基を有するアクリル系ポリマー、および前記反応性 官能基と反応しうる硬化剤力 なるものが好ましいものとして挙げられる。
[0040] 前記アクリル系ポリマーとしては、代表的なものとして、(A)反応性官能基を有する モノマーと、他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとの共重合体、または、(B)反応 性官能基を有するモノマーと、他の (メタ)アクリル酸エステルモノマーと、前記モノマ 一と共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。これらアクリル系 ポリマーは、公知の方法により合成される。アクリル系ポリマーは、粘着性を付与する ために、ガラス転移点が一 20°C以下であることが好ましい。また、アクリル系ポリマー の重量平均分子量は粘着力と凝集力のバランスの面から 20万〜 200万が好ましぐ 更に 40〜150万が好まし 、。以下にアクリル系ポリマーを製造するために用いられる モノマーを例示する力 アクリル系ポリマーを製造するために用いられるモノマーがこ れに限定されるものでなぐ従来アクリル系ポリマーを製造するために用いられる公知
のモノマーの何れをも使用することができる。なお、ポリマーの重量平均分子量は、 ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィーによる標準ポリスチレンの検量線を用いて測 定したものである。
[0041] 前記アクリル系ポリマーを製造するために用いられる反応性官能基を有するモノマ 一としては、アクリル酸、メタクリル酸、ィタコン酸、アクリル酸 2—ヒドロキシェチル、メ タクリル酸 2—ヒドロキシェチル、アクリル酸 4ーヒドロキシブチル、 2—ァセトァセトキシ ェチルメタタリレート、アクリルアミド、グリシジルメタタリレート、 2—メタクリロイルォキシ ェチルイソシァネート等を挙げることができる。
[0042] また、他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル 酸メチル、アクリル酸ェチル、メタクリル酸ェチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチ ル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソブロピル、アクリル 酸 2—ェチルへキシル、メタクリル酸 2—ェチルへキシル、アクリル酸ラウリル、メタタリ ル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルァミノエトチル等を挙げることができる
[0043] さらに、前記反応性官能基を有するモノマーおよび他の (メタ)アクリル酸エステル モノマーと共重合可能な他のビュルモノマーとしては、酢酸ビュル、スチレン、 α -メ チルスチレン、アクリロニトリル、ビュルトルエン等を挙げることができる。
[0044] 一方、硬化剤は、反応性官能基を有するアクリル系ポリマーと反応して粘着剤に凝 集力を付与するものであり、反応性官能基に対して反応性を持つイソシァネート系化 合物、エポキシ系化合物、アジリジニル系化合物等の公知の多官能化合物が使用で きる。硬化剤の使用量は、アクリルモノマーの種類や粘着力を考慮して決定すればよ ぐ特に限定されるものではないが、アクリル榭脂 100重量部に対して 0. 1〜15重量 部を添加することが好ましぐ 0. 1〜: LO重量部がさらに好ましい。 0. 1重量部未満だ と架橋度が低下し、凝集力が不十分となり、 15重量部を超えると被着体に対する接 着力が小さくなりやす 、ので好ましくな!/、。
[0045] 前記イソシァネート系化合物としては、トリレンジイソシァネート、イソフォロンジイソ シァネート、へキサメチレンジイソシァネート、 m—フエ-レンジイソシァネート、キシリ レンジイソシァネート等のジイソシァネートや、それらのトリメチロールプロパンァダクト
体、水と反応したビュウレット体、イソシァヌレート環を有する 3量体等が挙げられる。
[0046] エポキシ化合物としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポ リグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポ リグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンジルグリコール ジグリシジノレエーテノレ、レゾノレシンジグリシジノレエーテノレ、メタキシレンジアミンテトラ グリシジルエーテル、およびその水添ィ匕物等が挙げられる。
[0047] アジリジ -ル系化合物としては、 N, N,一ジフエ-ルメタン一 4, 4—ビス(1—アジリ ジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン—トリ— β—アジリジニルプロピオナー ト、テトラメチロールメタン一トリ一 β—アジリジ-ルプロピオナート、 Ν, Ν,一トルエン —2, 4—ビス(1—アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
[0048] 粘着剤は、他に粘着付与剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外 線吸収材料、濡れ剤、充填剤、顔料、染料、希釈剤、防鲭剤、硬化促進剤等の公知 の各種添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、一種類のみを用いてもよぐ また、二種類以上を適宜用いてもよい。また、これら添加剤の添加量は、目的とする 物性が得られる量とすればよぐ特に限定されるものではない。
[0049] 本発明の粘着剤としては、上記粘着剤の他、活性エネルギー線硬化型粘着剤も好 ましく用いることもできる。活性エネルギー線硬化型粘着剤は、活性エネルギー線照 射により硬化(3次元架橋)が起こり、凝集力が高まることで粘着力が発現する粘着剤 である。本発明においては、活性エネルギー線硬化型粘着剤として、アクリル系ポリ マー、活性エネルギー線反応性化合物、光重合開始剤、重合禁止剤およびその他 添加剤から構成されるものが好ましく用いられる。
活性エネルギー線硬化型粘着剤は、一般的な粘着剤と違い硬化剤を含まない、あ るいは硬化剤を含むとしてもその量は極少量であるため、粘着剤の流動性が非常に 高ぐメッシュの粘着剤中への埋め込みが容易である。さらにメッシュを粘着剤中へ埋 め込んだ後に活性エネルギー線を照射して硬化を行 、粘着性を発現させることがで きるため、均一な粘着層を生成し、また比較的高い粘着力が得られる。
[0050] 前記活性エネルギー線硬化型粘着剤を構成するアクリル系ポリマーを例示すると、 例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、反応性官能基を有するモノマー、(メタ)
アクリル酸エステルモノマーと共重合可能なビュルモノマーから選択された 2種類以 上のモノマーを共重合することにより得られたものが挙げられ、粘着性面から、反応 性官能基を有するモノマーとして、水酸基、ァセトァセトキシ基、カルボキシル基含有 モノマーのうち少なく 1種類以上を共重合することが好ましい。このようなアクリル系ポ リマーは、公知の方法で合成することができる。
[0051] 活性エネルギー線硬化型粘着剤を構成するアクリル系ポリマーの重量平均分子量 は、凝集力保持のため 40〜200万が好ましぐ更に 90〜200万が好ましぐ特に 10 0万〜 160万が好ましい。また、アクリル系ポリマーのガラス転移点は 60°C〜一 5 °Cであることが好ましぐ更に一 50〜一 10°Cが好ましい。 60°C未満のときは凝集 力が不足し、 5°Cを超えるときは粘着性に不足が生じる恐れがある。
[0052] この活性エネルギー線硬化型粘着剤を構成するアクリル系ポリマー合成に用いる モノマーを以下に挙げる力 アクリル系ポリマーの合成に使用されるモノマーがこれ に限定されるものではなぐ公知のモノマーの何れのものをも使用することができる。
[0053] 前記 (メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ ル、アクリル酸ェチル、メタクリル酸ェチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、ァ クリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソブロピル、アクリル酸 2— ェチルへキシル、メタクリル酸 2—ェチルへキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ジ メチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルァミノエトチル等を挙げることができる。
[0054] また、反応性官能基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、ィタコン酸 、アクリル酸 2 ヒドロキシェチル、メタクリル酸 2 ヒドロキシェチル、アクリル酸 4ーヒ ドロキシブチル、 2—ァセトァセトキシェチルメタタリレート、アクリルアミド、グリシジルメ タクリレート、 2—メタクリロイルォキシェチルイソシァネート等を挙げることができる。
[0055] (メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビュルモノマーとしては、酢 酸ビュル、スチレン、 α -メチルスチレン、アクリロニトリル、ビュルトルエン等を挙げる ことができる。
[0056] また、活性エネルギー線反応性ィ匕合物としては、活性エネルギー線照射により 3次 元架橋する公知のモノマーやオリゴマーが挙げられる。これらは分子内に 2個以上の アタリロイル基またはメタクリロイル基を有するものである。活性エネルギー線反応性
化合物はアクリル系ポリマー 100重量部に対して 0. 1〜50重量部配合することが好 ましく、更に 0. 1〜40重竜部が好ましぐ特に 0. 1〜20重量部が好ましい。 0. 1重 量部未満のときは、活性エネルギー線照射により 3次元架橋が不足して必要な凝集 力が得られず、 50重量部を超えるときは、活性エネルギー線照射により 3次元架橋 が過剰になり必要な粘着力が得られない恐れがある。
[0057] 上記活性エネルギー線照射により 3次元架橋するモノマーとしては、 1,6 へキサ ンジオールジアタリレート、トリメチロールプロパントリアタリレート、トリメチロールプロパ ントリメタタリレート、ジペンタエリスリトールへキサアタリレート等のモノマーを挙げるこ とができる力 上記モノマーがこれらに限定されるものではない。また粘性や架橋密 度等を調整するために、分子内に 1個以上のアタリロイル基またはメタクリロイル基を 有するモノマーを活性エネルギー線反応性ィ匕合物として入れて 、ても良 、。
[0058] また、上記活性エネルギー線照射により 3次元架橋するオリゴマーとしては、活性ェ ネルギ一線反応性ィ匕合物として用いられている公知オリゴマーの何れのものをも用 いることができる。代表的なものとしては、ウレタンアタリレートオリゴマーが挙げられる ことが、これに限定されるものではない。粘着剤として使用された際の経時黄変を防 ぐために、原料としてトリレンジイソシァネート等の芳香族イソシァネートを含まな 、ゥ レタンアタリレートオリゴマーを用いることが好まし 、。
[0059] 活性エネルギー線硬化型粘着剤に用いられる重合禁止剤としては、従来重合禁止 剤として用いられて 、る公知の化合物の何れをも用いることができる。重合禁止剤を 具体的に例示すると、例えば、ヒドロキノン、メトキノン、メチルヒドロキノン、パラべンゾ キノン、トルキノン、 tーブチルヒドロキノン、 t ブチルベンゾキノン、 2, 5 ジフエニル パラべンゾキノン等のヒドロキノン系化合物、フエノチアジン系化合物、ニトロソアミ ン系化合物が挙げられるが、重合禁止剤が特にこれら例示されたィ匕合物に限定され るものではない。
[0060] その他添加剤としては、先に粘着剤の添加剤として挙げたものと同様のものが挙げ られる。これら添加剤は添加剤の添加量は、 目的とする物性が得られる量とすればよ ぐ特に限定されるものではない。
[0061] 本発明においては、 2枚の剥離フィルム間に電磁波シールド材と粘着剤が含まれて
いればよい。電磁波シールド材と粘着剤は、電磁波シールド層と粘着剤層が多層的 な構造で含まれて ヽても良 ヽし、電磁波シールド材が粘着剤層に埋め込まれて 、て も良い。特に、電磁波シールド材が粘着剤に覆われている場合 (例えば、図 1 (d) )や 電磁波シールド材の少なくとも一部が粘着剤から露出していてもよい (例えば、図 1 (a )、 (b)、 (c) )。電磁波シールド材の粘着剤からの露出は、金属メッシュの埋め込み時 に粘着剤が流動することによる。金属メッシュの表面 (後述する基材フィルムとは反対 の面)に黒化処理が施されている場合を例に挙げて具体的に説明すると、黒化処理 されて 、る面の一部または全面が露出する場合、黒化処理されて!、な 、面(以下、 非黒化面という。)の一部または全面が露出する場合、黒ィ匕処理されている面と非黒 化面の一部が露出する場合などである。
[0062] 本発明の電磁波シールド性光透過部材を構成する粘着剤 2は、更に近赤外線吸 収物、色補正物、 NDフィルター機能を有する化合物などを含有することが好ましい。
[0063] 上記近赤外線吸収物とは、近赤外線を吸収する色素化合物を意味する。本発明の 電磁波シールド性光透過部材を用 、てプラズマディスプレイ等のディスプレイの電磁 波シールド層が形成される場合、プラズマディスプレイ等のディスプレイ力も輻射され る近赤外線を吸収し、これによりディスプレイを含む他の電子機器のスイッチング、コ ンピューター通信の送信などでの誤動作を防止できる。本発明の電磁波シールド性 光透過部材がディスプレイに適用される場合には、前記近赤外線吸収物はディスプ レイカ 発せられる近赤外線を吸収する色素化合物であればょ 、。このような近赤外 線を吸収する色素化合物としては、特定構造のジィモ -ゥム系化合物、フタロシア- ン系化合物、ジチオール金属錯体ィ匕合物、シァニン系化合物など力 選ばれる少な くとも 1つの化合物が挙げられる。これらの化合物を単体で使用することにより、或い は併用することにより、例えばディスプレイ力 輻射される近赤外線を吸収することが できる。なお、本発明においては、近赤外線吸収物は電磁波シールド層ではなぐ別 層の近赤外線吸収層に含有させ、ディスプレイパネルに適用されてもよいが、近赤外 線吸収層につ 、ては後述する。
[0064] 本発明にお ヽて近赤外線吸収物として好ましく用いることのできるジィモ二ゥム系 化合物を例示すると、例えば下記一般式(1)で示されるスルホンイミドをァ二オン成
分に持つ構造を有する化合物が挙げられる。
[0065] [化 1]
[0066] 一般式(1)中、 R〜Rは互いに同じであっても異なっていても良ぐ水素原子、置
1 8
換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されて いてもよいハロゲン化アルキル基、置換されていてもよいシァノアルキル基、置換され ていてもよいァリール基、ヒドロキシ基、または置換されていてもよいフエ-ルアルキル 基を示す。
[0067] アルキル基としては、メチル基、ェチル基、 n—プロピル基、イソプロピル基、 n—ブ チノレ基、 tert—ブチノレ基、 sec ブチノレ基、 n—ペンチノレ基、 n キシノレ基、 n プチル基、 n—ォクチル基、 n デシル基、 n—ドデシル基、 n—ォクタデシル基等の 炭素数 1〜20のアルキル基が挙げられる。
[0068] シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シ クロへキシル基、シクロへプチル基、シクロォクチル基等の炭素数 3〜 10のシクロア ルキル基が挙げられる。
[0069] ァルケ-ル基としてはビュル基、ァリール基、 1 プロべ-ル基、イソプロべ-ル基、
2 ブテニル基、 1, 3 ブタジェニル基、 2 ペンテニル基等の炭素数 2〜 10のァ ルケニル基が挙げられる。
[0070] ァリール基としてはフエニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数 6〜1 2のァリール基が挙げられる。
[0071] これらの基に結合する置換基としては、シァノ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;テトラヒドロ フリル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基 、 n プロポキシ基、イソプロポキシ基、 n ブトキシ基、 tert ブトキシ基、 sec ブト キシ基、 n—ペンチルォキシ基、 n—ォクチルォキシ基、 n—デシルォキシ基等の炭 素数 1〜10のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロボキシメトキ シ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシプロポキ シ基、エトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシブトキシ基等の炭素数 2〜1 2のアルコキシアルコキシ基;メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシェトキシ基、メ トキシエトキシメトキシ基、メトキシェトキシェトキシ基、エトキシメトキシメトキシ基、エト キシメトキシェトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基等の 炭素数 3〜 15のアルコキシアルコキシアルコキシ基;ァリールォキシ基;フエノキシ基 、トリルォキシ基、キシリルォキシ基、ナフチルォキシ基等の炭素数 6〜 12のァリール ォキシ基;
[0072] メチルスルホ -ルァミノ基、ェチルスルホ -ルァミノ基、 n—プロピルスルホ -ルァミノ 基、イソプロピルスルォ -ルァミノ基、 n—ブチルスルホ -ルァミノ基、 tert—ブチルス ルホ -ルァミノ基、 sec ブチルスルホ -ルァミノ基、 n—ペンチルスルホ -ルァミノ基 、 n—へキシルスルホ -ルァミノ基等の炭素数 1〜6のアルキルスルホ -ルァミノ基;メ トキシカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基、 n プロポキシカルボ-ル基、イソプロボ キシカルボ-ル基、 n ブトキシカルボ-ル基、 tert ブトキシカルボ-ル基、 sec— ブトキシカルボ-ル基、 n ペンチルォキシカルボ-ル基、 n—へキシルォキシカル ボ-ル基等の炭素数 2〜7のアルコキシカルボ-ル基;メチルカルボ-ルォキシ基、 ェチルカルボ-ルォキシ基、 n プロピルカルボ-ルォキシ基、イソプロピルカルボ- ルォキシ基、 n ブチルカルボ-ルォキシ基、 tert ブチルカルボ-ルォキシ基、 n ペンチルカルボ-ルォキシ基、 n—へキシルカアルボ-ルォキシ基等の炭素数 2 〜7のアルキルカルボ-ルォキシ基;メトキシカルボ-ルォキシ基、エトキシカルボ- ルォキシ基、 n プロポキシカルボ-ルォキシ基、イソプロポキシカルボニルォキシ基 、 n ブトキシカルボ-ルォキシ基、 tert ブトキシカルボ-ルォキシ基、 sec ブトキ シカルボニルォキシ基、 n ペンチルォキシカルボ-ルォキシ基、 n—へキシルォキ
シカルボ-ルォキシ基等の炭素数 2〜7のアルコキシカルボ-ルォキシ基等が挙げ られる。
[0073] これら R〜Rのうち、炭素数 1〜8の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基、ハロ
1 8
ゲン置換アルキル基、シァノ置換アルキル基が好ましぐ炭素数 2〜6の直鎖または 分鎖基を有するアルキル基が特に好ま 、。かかる炭素数 2〜6の直鎖または分鎖 基を有するアルキル基の具体例としては、例えばェチル基、 n—プロピル基、 n—ブ チル基、 n—ァミル基、 iso—プロピル基、 iso—ブチル基、 iso—ァミル基等が挙げら れる。
[0074] また、 R〜Rの好ま 、他の例として、下記一般式(2)で示されるフエ-ルアルキ
1 8
ノレ基を挙げることもできる。
[0075] [化 2]
一般式 ( 2 )
[0076] (式中、 Cは、炭素数 1〜18の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表し、環 Dは 置換基を有していてもよいベンゼン環を表す。 )
[0077] 一般式(2)で示されるフエ-ルアルキル基にお!、て、アルキル基の炭素数は、 1〜
8であることが好ましい。更にフエ-ルアルキル基におけるフエ-ル基は、置換基を有 していなくてもよいが、アルキル基、水酸基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、 ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、ハロゲン置換アルキル基およびノヽロゲン原子から なる群力 選ばれる少なくとも 1種の置換基を有して 、てもよ 、。好ましくは置換基を 有して ヽな 、フエ-ル基である。
[0078] 力かるフエ-ルアルキル基としては、例えばべンジル基、フエネチル基、フエ-ルプ ロピレン基、フエ-ル一 a—メチルプロピレン基、フエニル一 β—メチルプロピレン基 、フエ-ルブチレン基、フエ-ルペンチレン基、フエ-ルォクチレン基等が挙げられ、 ベンジル基およびフエネチル基が好ましい。これらフエ-ルアルキル基は、ジィモユウ ム化合物の耐熱性を向上させるので好まし 、。
[0079] 一般式(1)における環 Aおよび Bは、 1, 4一位以外に 1〜4個の置換基を有しても、 いなくてもよい。結合しうる置換基としては、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、低級 アルコキシ基、シァノ基、低級アルキル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、例え ばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。アルコキシ基とし ては、例えばメトキシ基、エトキシ基等の C〜Cのアルコキシ基が挙げられ、低級ァ
1 5
ルキルとしては、例えばメチル基、ェチル基等の c〜cのアルキル基が挙げられる。
1 5
好ましくは Aおよび Bが置換基を有していないか、ハロゲン原子 (特に塩素原子、臭 素原子)、メチル基もしくはシァノ基で置換されたのもが好ましい。なお、 Bに置換基 を有する場合は、 4つの B環がすべて同じであるもの、更に、置換基の位置はフエ- レンジァミン骨格に結合する窒素原子に対して、 m—位であるものが合成上好ましい 。更に環 Aおよび Bには 1, 4一位以外に置換基を有していないものが合成上好まし い。
[0080] 一般式(1)中のァ-オン成分における Rおよび R は、それぞれ同じであっても異
9 10
なって 、てもよ 、フルォロアルキル基またはそれらが一緒になつて形成されるフルォ 口アルキレン基であれば、置換されるフッ素原子の数や炭素数には特に限定はな!/ヽ 力 好ましい Rおよび R の例としては、同じであっても異なっていてもよい炭素数 1
9 10
〜8のパーフルォロアルキル基が挙げられる。すなわち、ァ-オン成分の好ましい一 例としては、下記一般式(3)で示されるァ-オン成分が挙げられる。
[0081] [化 3]
一般式 (3 )
[0082] (式中、 nおよび n,は 1〜8の整数を示す。 )
[0083] ここで、 nおよび n'は 1〜8の整数である力 1〜4の整数であることが好ましい。好ま しい具体例としては、例えば、パーフルォロアルカンスルホ-ル基が同一(つまり nと n ,が同一の整数)のビス(トリフルォロメタンスルホン)イミド、ビス(ペンタフルォロェタン
)ィミド等;パーフルォロアルカンスルホ-ル基が異なる(つまり nと η'が異なる整数) ペンタフルォロエタンスルホントリフルォロメタンスルホンイミド、トリフルォロメタンスル ホンヘプタフルォロプロパンスルホンイミド、ノナフルォロブタンスルホントリフルォロメ タンスルホンイミド等が挙げられる。
[0084] これらの中でも、パーフルォロアルカンスルホン基が同一(つまり nと n'が同一の整 数)で、 nと n,が、 1または 2であるビス(トリフルォロメタンスルホン)イミド、ビス(ペンタ フルォロエタンスルホン)イミドが近赤外線吸収能力の点で更に好ましい。
[0085] また、一般式(1)中のァ-オン成分における Rおよび R の好ましい他の例として
9 10
は、下記一般式 (4)に示されるように、これらが一緒になつて形成される炭素数 2〜1 2のパーフルォロアルキレン基が挙げられる。
[0086] [化 4]
一般式 (4 )
[0087] (式中、 mは、 2〜12の整数を示す)
[0088] ここで、 mは好ましくは 2〜8の整数であり、更に好ましくは、 mが 3である下記式(9) で示される 1, 3—ジスルホン-ルへキサフルォロプロピレンイミドが挙げられる。
[0089] [化 5]
[0090] 上記一般式(1)の Rおよび R が一緒になつて形成される炭素数 2〜12のパーフ
9 10
ルォロアルキレン基を有する上記一般式 (4)で示されるァニオンは、 Rおよび R が
9 10 独立した一般式(3)のァ-オンをァ-オン成分として用いる場合に比べ耐熱性がより
向上されること力も好まし!/、。
[0091] 本発明で使用される一般式(1)で示されるジィモ二ゥム系化合物の具体例を示すと 、例えば、
[0092] 下記式(6)で示される、ビス(トリフルォロメタンスルホン)イミド酸 N, N, Ν, , N,—テト ラキス {p—ジ(n -ブチル)ァミノフエ-ル}— p—フエ-レンジィモ-ゥム、
[0093] [化 6]
[0094] 下記式(7)で示される、ビス(ペンタフロロエタンスルホン)イミド酸 N, N, Ν, , Ν,一テ トラキス {ρ—ジ(η -ブチル)ァミノフエ-ル }— ρ—フエ-レンジィモ-ゥム、
[0095] [化 7]
式 (7 )
[0096] 下記式(8)で示される、ビス(トリフルォロメタンスルホン)イミド酸 N, N, Ν' , N
ラキス {p ジ(iso- ブチル)ァミノフエ-ル}—p フエ-レンジィモ -ゥム
[0097] [化 8]
[0098] 下記式(9)で示される、 'ホン)イミド酸) N, Ν, Ν' , Ν
,一テトラキス(p ジベンジルァミノフエ-ル) ρ—フエ二レンジィモニゥム、
[0099] [化 9]
[0100] 下記式(10)で示される、ビス {ビス(トリフルォロメタンスルホン)イミド酸 }N, N, N
N,一テトラキス(p ジフエネチルァミノフエ-ル) p フエ-レンジィモ-ゥム、 [0101] [化 10]
式 ( 1 0 )
[0102] 下記式(11)で示される、ビス {ビス(トリフルォロメタンスルホン)イミド酸 }Ν, Ν, Ν' , Ν,ーテトラキス { (ρ ジ(4—フッ化)ベンジルァミノフエ-ル) ρ フエ-レンジィモ 二ゥム、
[0103] [化 11]
式 ( 1 1 )
下記式(12)で示される、ビス(1, 3 ジスルホニルへキサフルォロプロピレンイミド酸 ) Ν, Ν, Ν' , Ν,一テトラキス(ρ ジフエネチルァミノフエ二ル)一 ρ フエ二レンジィ モニゥム、
[0105] [化 12]
式 (1 2 )
[0106] 下記式(13)で示される、ビス(1, 3 ジスルホニルへキサフルォロプロピレンイミド酸 ) N, N, Ν' , Ν,ーテトラキス(ρ-ジブチルァミノフエ-ル) ρ フエ-レンジィモ- ゥム
[0107] [化 13]
式 ( 1 3 )
本発明で使用される一般式(1)で示されるジィモ -ゥム系化合物は、例えば特公昭 43— 25335号公報に開示された次の様な方法で得ることができる。すなわち、 p フ ェ-レンジァミンと 1 クロロー 4 -トロベンゼンをウルマン反応させて得られた生成 物を還元することにより得られる、下記一般式(14)で表されるアミノ体を、有機溶媒 中、好ましくはジメチルホルムアミド、 1, 3 ジメチルー 2 イミダゾリジノン、 N—メチ
ルピロリドン等の水溶性極性溶媒中、 30〜160°C、好ましくは 50〜140°Cで、所望 の R〜Rに対応するハロゲン化化合物(例えば、 Rが n—C Hのときは BrC H )と
1 8 1 4 9 4 9 反応させて、全ての置換基 (R〜R )が同一である化合物(以下、全置換体と記す)
1 8
を得ることができる。また、全置換体以外の化合物を合成する場合、例えば、先に所 定のモル数(ァミン体 1モル当たり 7モル)の試薬(BrC H )と反応させて R〜Rのう
4 9 1 8 ち 7つに n ブチル基を導入した後、残りの置換基 (iso ブチル基)を導入するのに 必要なモル数(ァミン体 1モル当たり 1モル)の試薬(BrC H BrCH CH (CH ) )と
4 9 2 3 2 反応させる。
[0109] [化 14]
[0110] (式中、環 Aおよび Bは前記で定義された通りである。 )
[0111] その後、上記で合成した化合物を、有機溶媒中、好ましくはジメチルホルムアミド、 1 , 3 ジメチル— 2—イミダゾリジノン、 N—メチルピロリドン、ァセトニトリル等の水溶性 極性溶媒中、 0〜100°C、好ましくは 5〜70°Cで、下記一般式(15)で示されるスルホ ンイミド酸銀誘導体を添加して酸化反応を行い、析出した銀を濾別した後、水、酢酸 ェチルまたはへキサン等の溶媒を加え、生じた沈殿を濾過することにより本発明の一 般式(1)で示されるジィモ二ゥム系化合物が得られる。
[0112] [化 15]
R9- 02S、
Ag+ —般式(1 5 )
Rio—〇2S
[0113] (式中、 Rおよび R は前記で定義された通りである。)
9 10
[0114] 上記一般式(1)で表されるジィモ -ゥム系化合物の市販品としては、例えば、「CIR — LR」、「CIR— 1085」(いずれも日本カーリット株式会社製)、「K— 1032」(日本ィ匕 薬株式会社製)等が挙げられる。
[0115] 本発明の粘着剤中に含まれるジィモ -ゥム系化合物の含有量は、本発明の粘着剤 により形成される近赤外線吸収層の厚さや要求される該近赤外線吸収層に要求され る吸収能により決定される。例えば、吸収能を一定とすれば、形成される近赤外線吸 収層の膜厚が薄い場合は、粘着剤中にジィモ -ゥム系化合物を多く添加する必要が あり、逆に形成される近赤外線吸収層の膜厚が厚い場合は、粘着剤中のジィモニゥ ム系化合物の添加量は少なくて良い。即ち、要求される近赤外線吸収能に応じて、 粘着剤中のジィモ -ゥム系化合物の量および形成される近赤外線吸収層の膜厚を 決定することができる。
[0116] 上記するように、ジィモ -ゥム系化合物の添力卩量は種々の要因により変わるものの 、一般的には、本発明の粘着剤により形成される近赤外線吸収層の単位面積 lm2当 たり、 1〜: LOOOmgが好ましぐより好ましくは 5〜500mgである。例えば粘着剤を構 成する榭脂に対する配合量とすると、粘着剤を構成する榭脂 100重量部に対し、ジ ィモ-ゥム系化合物を 0. 1〜10重量部配合することが好ましぐ 0. 5〜5重量部配合 することがより好ましい。ジィモ -ゥム系化合物の配合量が上記範囲未満の場合、所 望の近赤外線吸収能を得るためには近赤外線吸収層の膜厚を相当厚くすることが 好ましい。一方、ジィモ -ゥム系化合物の配合量が上記範囲を超えると可視光の透 過率が低下することがあるので、近赤外線吸収層の膜厚を相当薄くすることが好まし い。
[0117] なお、一般式(1)で表されるジィモ -ゥム系化合物は、 850〜1200nmの範囲に近 赤外線吸収能があり、特に lOOOnm前後の近赤外線吸収が強ぐリモコン等に使用
される近赤外線の波長の光以外にも、将来使用が見込まれるコンピューター通信の 波長の光をも遮断し、この誤作動の防止にも効果が期待できる。
[0118] 本発明において近赤外線吸収物として用いられるフタロシアニン系化合物、ジチォ ール金属錯体、シァニン系化合物について以下説明する。これらフタロシア-ン系化 合物や後述するジチオール金属錯体、シァニン系化合物は、単独で用いられてもよ いし、近赤外線吸収物の任意の 2種以上を併用してもよいが、上記ジィモ -ゥム系化 合物と上記フタロシアニン系化合物、ジチオール金属錯体、シァニン系化合物のい ずれか 1種の併用が好まし 、。
[0119] 本発明において用いられるフタロシアニン系化合物としては、フタロシアニン、フタ ロシア-ン錯体、或いはフタロシアニンおよびフタロシア-ン錯体であってフタロシア ニン骨格のベンゼン環上に OR、 SR、 NHR、または NRR,のうちの 1種以上有するも のである。ここで R、 R'は、同一もしくは異なって、置換基を有してもよいフエ-ル基、 炭素数 1〜20のアルキル基または炭素数 7〜20のァラルキル基を表す。なお置換 基のうちの 1個が NHRで置換されたフタロシアニンであることが好ましい。
[0120] 本発明において用いられるフタロシアニン系化合物の好ましい例を示すと、下記一 般式(16)で表される化合物が挙げられる。一般式(16)で表される化合物は、溶媒 溶解性に優れ、ポリマーとの相溶性にも優れている。更に、一般式(16)で表されるフ タロシアニン系化合物を用いた近赤外線吸収層が近赤外線吸収フィルタ一として使 用される場合、特に可視光線透過率が高ぐ近赤外線吸収効率が高ぐかつ耐熱性 、耐光性にも優れた近赤外線吸収フィルターを得ることができる。
[0121] [化 16]
式 ( 1 6 )
[0122] (式中、 αは、互いに同一であっても異なっていてもよぐ SR 、 OR 、 NHR また
15 16 17 はハロゲン原子を表し、且つ aの少なくともいずれか 1つは NHR である。 R 、 R
17 15 16 および R は、互いに同一であっても異なっていてもよぐ置換基を有してもよい、フエ
17
-ル基、炭素数 1〜20のアルキル基または炭素数 7〜20のァラルキル基を表す。 13 は、互いに同一であっても異なっていてもよぐ SRR 、 OR またはハロゲン原子を
15 16
表し、 SR 、 OR を必須とする。 Mは無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲ
15 16
ン化物を表す。 )
[0123] 上記一般式(16)において、炭素数 1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基 、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 n ブチル基、イソブチル基、 sec ブチル 基、 tert ブチル基、 n ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、 1 , 2—ジメ チルプロピル基、 n—へキシル基、 1 , 3 ジメチルブチル基、 1 イソプロピルプロピ ル基、 1 , 2 ジメチルブチル基、 n—へプチル基、 1 , 4 ジメチルペンチル基、 2— メチルー 1 イソプロピルプロピル基、 1ーェチルー 3 メチルブチル基、 n—ォクチ ル基、 2—ェチルへキシル基等の直鎖または分岐状のアルキル基;シクロへキシル基 等の環状アルキル基等が挙げられる。炭素数 7〜20のァラルキル基としては、例え ばべンジル基、フエネチル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えばフッ素 原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子であることが好ま
しい。
[0124] また、上記 R 、R 、および R におけるフエ-ル基、炭素数 1〜20のアルキル基ま
15 16 17
たは炭素数 7〜20のァラルキル基は、置換基を 1個または 2個以上有してもよい。こ のような置換基としては、例えばノヽロゲン原子、ァシル基、アルキル基、アルコキシ基 、ハロゲン化アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボ- ルァミノ基、ァリールアミノ基、ァリールカルボ-ルァミノ基カルボ-ル基、アルコキシ カルボニル基等が挙げられる。
[0125] 上記一般式(16)中の Mにおいて、無金属とは、金属以外の原子、例えば 2個の水 素原子であることを意味する。具体的には、フタロシアニン構造の中央部分に存在す る、置換基を有してもよい、相対する 2つの窒素原子に水素原子が結合している構造 となる。金属としては、例えば鉄、マグネシウム、ニッケル、コバルト、銅、パラジウム、 亜鉛、バナジウム、チタン、インジウム、錫等が挙げられる。金属酸ィ匕物としては、例 えばチタニル、バナジル等が挙げられる。金属ハロゲン化物としては、例えば塩化ァ ルミ-ゥム、塩化インジウム、塩ィ匕ゲルマニウム、塩化錫、塩ィ匕ケィ素等が挙げられる 。 Mとしては、金属、金属酸ィ匕物または金属ハロゲン化物であることが好ましぐ具体 的には、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛、鉄、バナジル、ジクロロ錫等が挙げられる。よ り好ましくは、亜鉛、銅、コバルト、バナジル、ジクロロ錫である。
[0126] 上記一般式(16)で表されるフタロシアニン系化合物の好ましい形態としては、 8個 の βのうち 4〜8個力 同一であっても異なっていてもよい、 SRまたは ORである。よ
1 2 り好ましくは、 8個の 13が全て、同一もしくは異なっていてもよい、 SRまたは ORであ
1 2 る。このようなフタロシアニン系化合物としては、例えば、 ZnPc (PhS) (PhNH) F、
8 3 5
ZnPc (PhS) (PhNH) F、 ZnPc (PhS) (PhNH) F、 ZnPc (PhS) (PhCH2N
8 4 4 8 5 3 8
H) F、 ZnPc (PhS) (PhCH NH) F、 ZnPc (PhS) (PhCH NH) F、 CuPc (P
4 4 8 2 5 3 8 2 6 2 hS) (PhNH) F、 CuPc (PhS) (PhNH) F、 CuPc (PhS) (PhNH) F、 VOPc
8 7 8 6 2 8 5 3
(PhO) (PhCH2NH) F、 VOPc (PhO) (PhCH NH) F、 VOPc (PhO) (Ph
8 5 3 8 2 6 2 8
CH NH) , VOPc (PhS) (PhCH NH) 、 VOPc (2, 5— CI PhO) {2, 6—(CH
2 8 8 2 8 2 8 3
) PhO} {Ph (CH ) CHNH} F, VOPc (2, 5— CI PhO) {2, 6— (CH ) PhO}
2 4 3 3 2 8 3 2 4
(PhCH NH) 、 CuPc (2, 5— CI PhO) {2, 6— (CH ) PhO} (PhCH NH) 、 C
uPc (PhS) {2, 6—(CH ) PhO} (PhCH NH) 、 VOPc (4— CNPhO) {2, 6—
8 3 2 4 2 4 8
Br— 4— (CH ) PhO} {Ph (CH ) CHNH}、ZnPc (2, 4— CI PhO) {2, 6— Br
2 3 4 3 4 2 8 2
— 4— (CH ) PhO} {Ph (CH ) CHNH} Fの略号で表されるフタロシアニン化合物
3 4 3 3
等が挙げられる。
[0127] また、これらの化合物の中でも 8個の αのうち 4個力 同一もしくは異なっていてもよ い、 ORまたはハロゲン原子を表す化合物で、例えば、 ZnPc (PhS) (PhNH) F、
2 8 3 5
ZnPc (PhS) (PhNH) F、 ZnPc (PhS) (PhCH NH) F , VOPc (2, 5— CI Ph
8 4 4 8 2 4 4 2
O) {2, 6— (CH ) PhO} {Ph (CH ) CHNH} F, VOPc (2, 5— CI PhO) {2, 6
8 3 2 4 3 3 2 8
— (CH ) PhO} (PhCH NH) 、 CuPc (2, 5— CI PhO) {2, 6—(CH ) PhO} (
3 2 4 2 4 2 8 3 2 4
PhCH NH) 、CuPc (PhS) {2, 6—(CH ) PhO} (PhCH NH) 、 VOPc (4— C
2 4 8 3 2 4 2 4
NPhO) {2, 6— Br— 4— (CH ) PhO} {Ph(CH ) CHNH} , ZnPc (2, 4— CI P
8 2 3 4 3 4 2 hO) {2, 6— Br— 4一(CH ) PhO} {Ph (CH ) CHNH} Fの略称で表されるフタ
8 2 3 4 3 3
ロシア-ンィ匕合物等が好まし 、。
[0128] なお、上記化合物の略号において、 Pcはフタロシア-ン核を表し、 Pcの後には、 13 位に置換する 8個の置換基を表し、その後に α位に置換する 8個の置換基を表す。 また、上記 Phはフエ二ル基を表す。更に具体的には、上記略号は、中心金属: Pc : j8位の 8個の置換基: α位の 8個の置換基を表す。例えば、 VOPc (2, 5— CI PhO)
2
{2, 6— (CH ) PhO} {Ph (CH ) CHNH} Fでは、中心金属が VO :フタロシア二
8 3 2 4 3 3
ン核: j8位に 2, 5-C1 PhOが 8個置換: α位に 2, 6— (CH ) PhO力 個と Ph(CH
2 3 2
) CHNHが 3個と Fが 1個置換したフタロシアニン系化合物を表す。
3
[0129] 上記一般式(16)で表されるフタロシアニン系化合物の製造方法は、特に制限され るものではなぐ従来公知の方法を適当に利用することができる。例えば、フタロニトリ ル化合物を、金属塩、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物および有機 酸金属から選ばれる一種と環化反応させた後、ァミノ化合物と反応させることによって 製造される。
[0130] 上記一般式(16)で表されるフタロシアニン系化合物の市販品としては、例えば、「 ィーエックスカラー IR10A」、 「ィーエックスカラー IR12」、 「ィーエックスカラー IR14J 、「ィーエックスカラー HA—1」、「ィーエックスカラー HA— 14」(いずれも日本触媒
製)等が挙げられる。フタロシアニン系化合物の溶媒溶解性、ポリマーとの相溶性の 点および近赤外線吸収フィルタ一として使用する場合の可視光線透過率、近赤外線 吸収効率の点より、「ィーエックスカラー IR10A」、「ィーエックスカラー IR12」、「ィー エックスカラー IR14」が好まし!/、。
[0131] 本発明の電磁波シールド性光透過部材を構成する粘着剤へのフタロシア-ン系化 合物の添加量は、用いられるフタロシアニン系化合物の近赤外線吸収能や粘着剤 層の膜厚、要求される吸収能により決定される。吸収能を一定とすれば粘着剤中に フタロシアニン系化合物を多く添加する必要があり、逆に形成される近赤外線吸収層 の膜厚が厚い場合は、粘着剤中のフタロシアニン系化合物の添加量は少なくて良い 。即ち、要求される近赤外線吸収能に応じて、粘着剤中のフタロシアニン系化合物の 量および形成される近赤外線吸収層の膜厚を決定することができる。例えば、吸収 能を一定とすれば、形成される近赤外線吸収層の膜厚が薄い場合は、粘着剤中に フタロシアニン系化合物を多く添加する必要があり、逆に形成される近赤外線吸収層 の膜厚が厚い場合は、粘着剤中のフタロシアニン系化合物の添加量は少なくて良い 。即ち、要求される近赤外線吸収能に応じて、粘着剤中のフタロシアニン系化合物の 量および形成される近赤外線吸収層の膜厚を決定することができる。
[0132] フタロシアニン系化合物の添加量は、具体的には、本発明の粘着剤により形成され る近赤外線吸収層の単位面積 lm2当たり、 1〜: LOOOmgが好ましぐより好ましくは 5 〜500mgである。例えば粘着剤を構成する榭脂に対する配合量とすると、粘着剤を 構成する榭脂 100重量部に対し、フタロシアニン系化合物を 0. 1〜10重量部配合 することが好ましぐ 0. 2〜5重量部配合することがより好ましい。
[0133] フタロシアニン系化合物の配合量が上記範囲未満の場合、所望の近赤外線吸収 能を得るためには粘着剤層の膜厚を相当厚くすることが好ましい。一方、フタロシア ニン系化合物の配合量が上記範囲を超えると可視光の透過率が低下することがある ので、粘着剤層の膜厚を相当薄くすることが好ましい。
[0134] これら一般式(16)で表されるフタロシア-ン系錯体化合物は、 800〜900nmの近 赤外線領域で吸収極大を持ち、且つ可視光領域での吸収が小さいという特徴を持 つ。そこでジィモ -ゥム系化合物と組み合わせることにより、両者の相乗効果で 800
〜: LOOOnmの近赤外線領域を効率良く吸収遮蔽するので、プラズマディスプレイが 発する不要な近赤外線を吸収することができる。また、ジィモ二ゥム系化合物は、一 般に他の色素と混合した場合に、その耐熱性が著しく低下することが知られて 、るが 、フタロシアニン系化合物との混合においてはジィモ -ゥム系化合物の耐熱性を低 下することは少なく、この点にお 、ても両者の併用は好まし!/、。
[0135] 本発明の電磁波シールド性光透過部材を構成する粘着剤の近赤外線吸収物とし て用いられるジチオール金属錯体ィ匕合物としては、一般的にジチオール金属錯体ィ匕 合物と呼ばれるものであれば特に限定はないが、具体的には下記一般式(17)で表 される金属錯体ィ匕合物が好ま 、ものである。
[0136] [化 17]
一般式(1 7 )
14,へ ハ s
[0137] (式中、 R 〜R は、それぞれ同じであっても異なっていてもよぐ水素原子、ハロゲ
11 14
ン原子、シァノ基、ァシル基、力ルバモイル基、アルキルアミノカルボ-ル基、アルコ キシカルボ-ル基、ァリールォキシカルボ-ル基、置換または未置換のアルキル基、 あるいは置換または未置換のァリール基を表し、かつ、隣り合う 2個の置換基が連結 基を介して繋がっていてもよい。また、 Mはニッケル、白金、パラジウム、または銅の 金属である。 )
[0138] これら一般式(17)で表されるジチオール金属錯体ィ匕合物は、 1種類を使用しても 2 種類以上を使用してもよい。一般式(17)で表されるジチオール金属錯体ィ匕合物中、 R 〜R で表される置換基について、以下に具体的に説明する。
11 14
[0139] ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げら れる。
[0140] ァシル基の例としては、ァセチル基、ェチルカルボ-ル基、プロピルカルボ-ル基、 ブチルカルボ-ル基、ペンチルカルボ-ル基、へキシルカルボ-ル基、ベンゾィル基
p—t—ブチルベンゾィル基等が挙げられる。
[0141] アルキルアミノカルボ-ル基の例としては、メチルァミノカルボ-ル基、ェチルァミノ カルボ-ル基、 n プロピルアミノカルボ-ル基、 n—ブチルァミノカルボ-ル基、 sec ーブチルァミノカルボ-ル基、 n ペンチルァミノカルボ-ル基、 n キシルァミノ力 ルポ-ル基、 n プチルァミノカルボ-ル基、 n—ォクチルァミノカルボ-ル基、 2— ェチルへキシルァミノカルボ-ル基、ジメチルァミノカルボ-ル基、ジェチルァミノ力 ルボニル基、ジ—n—プロピルアミノカルボ-ル基、ジ n—ブチルァミノカルボ-ル 基、ジー sec ブチルァミノカルボ-ル基、ジー n ペンチルァミノカルボ-ル基、ジ n キシルァミノカルボ-ル基、ジー n プチルァミノカルボ-ル基、ジーオタ チルァミノカルボニル基等が挙げられる。
[0142] アルコキシカルボ-ル基の例としては、メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボニル 基、 n プロポキシカルボ-ル基、 iso プロポキシカルボ-ル基、 n ブトキシカルボ ニル基、 iso ブトキシカルボ-ル基、 sec ブトキシカルボ-ル基、 t ブトキシカル ボ-ル基、 n—ペンチルォキシカルボ-ル基、 iso ペンチルォキシカルボ-ル基、 n eo ペンチルォキシカルボ-ル基、 1, 2—ジメチループ口ピルォキシカルボ-ル基 n キシルォキシカルボ-ル基、シクロへキシルォキシカルボ-ル基、 1, 3 ジメ チル ブチルォキシカルボ-ル基、 1 iso プロピルプロピルォキシカルボ-ル基 1, 2—ジメチルブチルォキシカルボ-ル基、 n プチルォキシカルボ-ル基、 1 , 4ージメチルペンチロキシカルボ-ル基、 2—メチルー 1 iso プロピルプロピルォ キシカルボ-ル基、 1ーェチルー 3 メチルブチルォキシカルボ-ル基、 n—ォクチ ルォキシカルボ-ル基、 2 ェチルへキシルォキシカルボ-ル基、 3—メチルー iso— プロピルブチルォキシカルボ-ル基、 2—メチルー 1 iso プロピルォキシカルボ- ル基、 1 tーブチルー 2—メチルプロピルォキシカルボ-ル基、 n ノ-ルォキシ力 ルポニル基等の炭素数 2 20の直鎖または分岐のアルキルォキシカルボ二ル基等 が挙げられる。
[0143] ァリールォキシカルボ-ル基の例としては、フエ-ルォキシカルボ-ル基、ナフチル ォキシカルボ-ル基、トリオキシカルボ-ル基、キシリルォキシカルボ-ル基、クロロフ 工-ルォキシカルボ-ル基等が挙げられる。
[0144] 置換または未置換のアルキル基のうち、未置換のアルキル基の例としては、メチル 基、ェチル基、 n—プロピル基、 iso プロピル基、 n ブチル基、 iso ブチル基、 se cーブチノレ基、 tーブチノレ基、 n—ペンチノレ基、 iso ペンチノレ基、 neo ペンチノレ基 、シクロペンチル基、 1, 2—ジメチルプロピル基、 n—へキシル基、シクロへキシル基 、 1, 3 ジメチルブチル基、 1 iso プロピルプロピル基、 1, 2 ジメチルブチル基 、 n—へプチル基、 1, 4 ジメチルペンチル基、 2—メチルー 1 iso プロピルプロ ピル基、 1ーェチルー 3 メチルブチル基、 n—ォクチル基、 2 ェチルへキシル基、 3 メチル 1 iso プロピルブチル基、 2—メチルー 1—iso プロピル基、 l—tーブ チルー 2 メチルプロピル基、 n—ノ-ル基、 3, 5, 5 トリメチルへキシル基等の炭 素数 1〜20の直鎖、分岐または環状の炭化水素基が挙げられる。
[0145] 置換アルキル基とは、上記の未置換のアルキル基の少なくとも 1つの水素が種々の 官能基に置換されたものである。
置換アルキル基の例としては、例えば、
未置換のアルキル基の水素がアルコキシ基に置換されたアルコキシアルキル基、 未置換のアルキル基の水素がアルコキシアルコキシ基に置換されたアルコキシアル コキシアルキル基、
未置換のアルキル基の水素がアルコキシアルコキシアルコキシ基に置換されたアル コキシアルコキシアルコキシアルキル基、
未置換のアルキル基の水素がハロゲン原子に置換されたハロゲン化アルキル基、 未置換のアルキル基の水素がァミノ基に置換されたァミノアルキル基、
未置換のアルキル基の水素がアルキルアミノ基に置換されたアルキルアミノアルキル 基ゃジアルキルアミノアルキル基、
その他アルコキシカルボ-ルアルキル基、アルキルアミノカルボ-ルアルキル基、ァ ルコキシスルホ -ルアルキル基等が挙げられる。
[0146] 上記アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシェチル基、エトキシ ェチル基、プロポキシェチル基、ブトキシェチル基、 3—メトキシプロピル基、 3—エト キシプロピル基、メトキシェトキシメチル基、エトキシエトキシェチル基、ジメトキシメチ ル基、ジエトチキシメチル基、ジメトキシェチル基、ジエトキシェチル基等が挙げられ
、ハロゲン化アルキル基としては、クロロメチル基、 2, 2, 2—トリクロ口ェチル基、トリフ ルォロメチル基、 1, 1, 1, 3, 3, 3 へキサフルォロ 2 プロピル基等が挙げられる。 また、アルキルアミノ基ゃジアルキルアミノ基のアルキル基、アルコキシカルボ-ルァ ルキル基、アルキルアミノカルボ-ルアルキル基、アルコキシスルホ -ルアルキル基 におけるアルコキシ基、アルキル基についても、上記アルキル基あるいはアルコキシ アルキル基のアルコキシ基等と同様のものが挙げられる。
[0147] 置換または未置換のァリール基のうち、未置換のものとしては、フエ-ル基、ナフチ ル基、ビフヱニル基等が挙げられ、置換ァリール基とは、上記の未置換のァリール基 の少なくとも 1つの水素が種々の官能基に置換されたものである。
[0148] 例えば、置換フエ-ル基としては、クロ口フエ-ル基、ジクロロフエ-ル基、トリクロ口 フエ-ル基、ブロモフヱ-ル基、フロロフヱ-ル基、ペンタフロロフヱ-ル基、ヨウ化フ ェ-ル基等のハロゲン化フエ-ル基;トリル基、キシリル基、メシチル基、ェチルフエ- ル基、ジメチルェチルフエ-ル基、 iso プロピルフエ-ル基、 t ブチルフエ-ル基、 t ブチルメチルフエ-ル基、ォクチルフエ-ル基、ノ-ルフエ-ル基、トリフロロメチ ルフヱニル基等のアルキル誘導体置換フ ニル基;
[0149] メトキシフエ-ル基、エトキシフエ-ル基、プロポキシフエ-ル基、イソプロポキシフエ- ル基、へキシルォキシフエ-ル基、シクロへキシルォキシフエ-ル基、ォクチルォキシ フエ-ル基、 2 ェチルへキシルォキシフエ-ル基、 3, 5, 5 トリメチルへキシルォ キシフエ-ル基、メチルエトキシフエ-ル基、ジメトキシフエ-ル基、 1ーメトキシ 5— エトキシフエ-ル基、 1ーメトキシ 2 エトキシフエ-ル基、 1ーメトキシー 3 エトキシ フエ-ル基、 1ーメトキシー 4 エトキシフエ-ル基、 1 エトキシ 2—メトキシフエ- ル基、 2—メトキシー 3 エトキシフエ-ル基、 2—メトキシー 4 エトキシフエ-ル基、 2 ーメトキシー 5 エトキシフエ-ル基、 1 エトキシー4ーメトキシフエ-ル基、 2—メトキ シ 3—エトキシフエ-ル基、ジエトキシフエ-ル基、エトキシエトキシフエ-ル基、ジ( エトキシエトキシ)フエ-ル基、エトキシエトキシエトキシフエ-ル基、ジ(エトキシェトキ シエトキシ)フエ-ル基、 3—メトキシー4 (2—メトキシエトキシ)フエ-ル基、 3—メト キシー4一(2 エトキシェトキ)シフエ-ル基、 3 エトキシ—4 (2—メトキシェトキ)シ フエ-ル基、 3—エトキシ— 4— (2—エトキシェトキ)シフエ-ル基、 3—プロポキシ—4
一(2—メトキシエトキシ)フエ-ル基、 3 プロポキシー4一(2 エトキシェトキ)シフエ -ル基、 3— iso プロポキシ—4— (2—メトキシェトキ)シフエ-ル基、 3— iso プロ ポキシ 4— (2 エトキシェトキ)シフエ-ル基、 2— (2 ヒドロキシ) 3—メトキシフ ェ-ル基、 3—メトキシ一 4— (2—ヒドロキシエトキシ)フエ-ル基、クロロメトキシフエ- ル基、クロ口エトキシフエ-ル基等のアルコキシ置換フエ-ル基;
[0150] メチルチオフエ-ル基、ェチルチオフエ-ル基、 tーブチルチオフエ-ル基、ジー tert ーブチルチオフエ-ル基、 2—メチルー 1ーメチルチオフエ-ル基等のアルキルチオ 基置換フエ-ル基; N, N ジメチルァミノフエ-ル基、 N, N ジェチルァミノフエ- ル基、 N, N ジプロピルアミノフエ-ル基、 N, N—ジブチルァミノフエ-ル基、 N, N —ジアミルァミノフエ-ル基、 N, N ジへキシルァミノフエ-ル基、 N—メチル N— ェチルァミノフエ-ル基、 N ブチルー N ェチルァミノフエ-ル基、 N へキシルー N ェチルァミノフエ-ル基、 4— (N, N ジメチルァミノ)—ェチルフエ-ル基、 4— (N, N ジェチルァミノ) ェチルフエ-ル基、 3— (N, N ジメチルァミノ)ーェチ ルフヱ-ル基、 2—(N, N ジメチルァミノ) ェチルフエ-ル基等のアルキルアミノ フエニル基等が挙げられる。
[0151] また、置換ナフチル基としては、クロロナフチル基、ジクロロナフチル基、トリクロロナ フチル基、ブロモナフチル基、フロロナフチル基、ペンタフロロナフチル基、ヨウ化ナ フチル基等のハロゲン化ナフチル基;ェチルナフチル基、ジメチルェチルナフチル 基、 iso プロピルナフチル基、 tーブチルナフチル基、 t ブチルメチルナフチル基 、ォクチルナフチル基、ノニルナフチル基、トリフロロメチルナフチル基のアルキル誘 導体置換ナフチル基;メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロポキシナフチル 基、へキシルォキシナフチル基、シクロへキシルォキシナフチル基、ォキチルォキシ ナフチル基、 2 ェチルへキシルォキシナフチル基、 3, 5, 5 トリメチルへキシルォ キシナフチル基、メチルエトキシナフチル基、ジメトキシナフチル基、クロロメトキシナ フチル基、エトキシエトキシナフチル基、エトキシエトキシエトキシナフチル基等のァ ルコキシ基置換ナフチル基;メチルチオナフチル基、ェチルチオナフチル基、 tーブ チルチオナフチル基、メチルェチルチオナフチル基、ブチルメチルチオナフチル基 等のアルキルチオ基置換ナフチル基; N, N ジメチルァミノナフチル基、 N, N ジ
ェチルァミノナフチル基、 N, N ジプロピルアミノナフチル基、 N, N ジブチルアミ ノナフチル基、 N, N ジアミルァミノナフチル基、 N, N ジへキシルァミノナフチル 基、 N—メチルー N ェチルァミノナフチル基、 N ブチルー N ェチルァミノナフチ ル基、 N へキシルー N ェチルァミノナフチル基、 4 (N, N ジメチルァミノ) ェチノレナフチノレ基、 4 (N, N ジェチノレアミノ)ーェチノレナフチノレ基、 3—(N, N —ジメチルァミノ)—ェチルナフチル基、 2- (N, N ジメチルァミノ)—ェチルナフチ ル基等のアルキルアミノナフチル基が挙げられる。
[0152] 置換または未置換のァリール基としては、これらの他、置換または未置換の p -ト 口フエ-ル基、置換または未置換のピリジル基、置換または未置換のピロジリル基、 置換または未置換のピペリジル基、置換または未置換のモルホリン基、置換または未 置換のテトラヒドロピリジル基、置換または未置換のチオフヱ-ル基、置換または未置 換のイミダゾリル基、置換または未置換のフリル基等も挙げられる。
[0153] 一般式(17)で表されるジチオール金属錯体ィヒ合物の R 〜R で表される置換基
11 14
で特に好ましいものは、それぞれ同じであっても異なっていても良い、アルキル基、フ ヱニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ェチルフヱ-ル基、ジメチ ルフエ-ル基、 iso プロピルフエ-ル基、 t ブチルフエ-ル基、 tーブチルメチルフ ェ-ル基、メトキシフエ-ル基、エトキシフエ-ル基、プロポキシフエ-ル基、 N, N— ジメチルァミノフエ-ル基、 N, N ジェチルァミノフエ-ル基、 N, N ジブチルァミノ フエ-ル基、ェチルナフチル基、ジメチルェチルナフチル基、 iso プロピルナフチ ル基、 tーブチルナフチル基、 tーブチルメチルナフチル基、メトキシナフチル基、エト キシナフチル基、プロポキシナフチル基、メチルチオナフチル基、ェチルチオナフチ ル基、 tーブチルチオナフチル基、メチルェチルチオナフチル基、ブチルメチルチオ ナフチル基、 N, N ジメチルァミノナフチル基、 N, N ジェチルァミノナフチル基、 N, N ジプロピルァミノナフチル基、 N, N ジブチルァミノナフチル基等の炭素数 3〜20の置換または未置換のアルキル基、フエ-ル基或いはナフチル基であり、また 、特に好ましい Mはニッケルである。
[0154] これら一般式(17)で表されるジチオール金属錯体化合物は、 800〜900nmの近 赤外線領域で吸収極大を持ち、且つ可視光領域での吸収が小さいという特徴を持
つ。そこでジィモ -ゥム系化合物と組み合わせることにより、両者の相乗効果で 800 〜: LOOOnmの近赤外線領域を効率良く吸収遮蔽するので、プラズマディスプレイが 発する不要な近赤外線を吸収することができる。また、ジィモ二ゥム系化合物は、一 般に他の色素と混合した場合に、その耐熱性が著しく低下することが知られて 、るが 、ジチオール金属錯体ィ匕合物との混合にぉ 、てはジィモ -ゥム系化合物の耐熱性を 低下することは少なく、この点にお ヽても両者の併用は好ま 、。
[0155] 本発明の電磁波シールド性光透過部材を構成する粘着剤へのジチオール金属錯 体化合物の添加量は、用いられるジチオール金属錯体ィ匕合物の近赤外線吸収能や 粘着剤の膜厚、要求される吸収能により決定される。吸収能を一定とすれば粘着剤 中にジチオール金属錯体ィヒ合物を多く添加する必要があり、逆に形成される近赤外 線吸収層の膜厚が厚い場合は、粘着剤中のジチオール金属錯体ィ匕合物の添加量 は少なくて良い。即ち、要求される近赤外線吸収能に応じて、粘着剤中のジチォ一 ル金属錯体ィ匕合物の量および形成される近赤外線吸収層の膜厚を決定することが できる。例えば、吸収能を一定とすれば、形成される近赤外線吸収層の膜厚が薄い 場合は、粘着剤中にジチオール金属錯体ィ匕合物を多く添加する必要があり、逆に形 成される近赤外線吸収層の膜厚が厚い場合は、粘着剤中のジチオール金属錯体ィ匕 合物の添加量は少なくて良い。即ち、要求される近赤外線吸収能に応じて、粘着剤 中のジチオール金属錯体ィヒ合物の量および形成される近赤外線吸収層の膜厚を決 定することができる。
[0156] ジチオール金属錯体ィ匕合物の添加量は、具体的には、本発明の粘着剤により形成 される近赤外線吸収層の単位面積 lm2当たり、 1〜: LOOOmgが好ましぐより好ましく は 5〜500mgである。例えば粘着剤を構成する榭脂に対する配合量とすると、粘着 剤を構成する榭脂 100重量部に対し、フタロシアニン系化合物を 0. 05〜10重量部 配合することが好ましぐ 0. 2〜5重量部配合することがより好ましい。ジチオール金 属錯体化合物の配合量が上記範囲未満の場合、所望の近赤外線吸収能を得るた めには近赤外線吸収層の膜厚を相当厚くすることが好ましい。一方、ジチオール金 属錯体ィ匕合物の配合量が上記範囲を超えると可視光の透過率が低下することがある ので、近赤外線吸収層の膜厚を相当薄くすることが好ましい。
[0157] また、一般式(1)で表されるジィモ二ゥム系化合物、一般式(16)で表されるフタ口 シァニン系化合物、および一般式(17)で表されるジチオール金属錯体ィヒ合物の配 合比は、この順で 10: 1: 1〜1: 1: 1 (重量比)とすると、近赤外線領域の波長を効率 良く吸収するので好まし 、。
[0158] 近赤外線吸収物を本発明の電磁波シールド性光透過部材を構成する粘着剤中に 含有させることにより、電磁波シールド層に電磁波と近赤外線を同時に遮断する機能 が付与される。これによつて、例えばプラズマディスプレイの表面パネルを構成する 場合に、別層として設けられる近赤外吸収層を省くことが可能になるので、ディスプレ ィの薄型化にも寄与する。さらには、電磁波シールド部材の耐光性の向上も図られる
[0159] 本発明の電磁波シールド性光透過部材の粘着剤に色補正物を含むことも好ましい 。色補正物は、ディスプレイ表示色の色バランスを補正するためのものであり、色補 正用色素が通常用いられる。色補正色素は、例えばプラズマディスプレイにおける、 ネオン等からでる波長 580〜610nmのオレンジ光をカットするものなどが挙げられる 。色補正用色素としては、用途によって様々なものを用いることができる力 シァニン (ポリメチン)系、キノン系、ァゾ系、インジゴ系、ポリェン系、スピロ系、ポルフィリン系、 フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、シァニン系等の色素が挙げられるがこれに限 られたものではない。また、プラズマディスプレイにおける、ネオン等からでる波長 58
0〜610nmのオレンジ光をカットする目的であれば、シァニン系、ポルフィリン系、ピ ロメテン系などを用いることができる。
[0160] 本発明の電磁波シールド性光透過部材の粘着剤にニュートラルグレーの NDフィル ター機能を有する化合物を配合することも好ま 、。
[0161] 本発明の電磁波シールド性光透過部材は、少なくとも剥離フィルムの一方を剥がし
、図 2に示されるように、光学フィルターの透明基材 5へ貼付されて光学フィルターと して使用されることが好ま U、。
[0162] 前記透明基材 5は、電磁波シールド材を保持する目的のほか、プラズマディスプレ ィなどの光学フィルター本体に機械的強度を付与するものである。このため透明基材 は高い剛性を有する透明材料で製造される。高い剛性の透明材料としては、例えば
、ガラス、プラスチックス材が挙げられる。具体的には、強化または半強化ガラス、ポリ カーボネート材、ポリアタリレート材を用いることが好ましい。透明基材の厚さは強度と 重量のバランスから 0. lmm〜10mmが好ましぐ更に 2〜5mmが好ましい。
[0163] 本発明の光学フィルターが例えばプラズマディスプレイに適用される場合、光学フ ィルターはプラズマディスプレイパネルの破損防止、近赤外線カット、視認性向上等 の光学機能と電磁波シールド機能を有する層を含むことが好ましい。また、機械的強 度を付与することによりプラズマディスプレイ本体を保護する役割が付与されても良 い。具体的には、光学フィルターには、ハードコート層、反射防止層、防眩機能層、 色調補正層、 NDフィルタ一層、近赤外線吸収層から選ばれる 1つ以上の機能層が 形成されることが好ましい。その他、帯電防止層や紫外線吸収層がさらに設けられて もよい。これらの層は任意の順序で積層することができ、同じ機能層を 2層以上積層 することちでさる。
[0164] 前記光学フィルターのハードコート層は、プラズマディスプレイなどの表面の傷つき を防止するものであり、活性エネルギー線硬化型または熱硬化型等の樹脂から形成 することが好ましい。本発明では、塗膜の硬さを考慮して、活性エネルギー線 (特に 紫外線)硬化型の榭脂を用いることが好ましい。榭脂の組成としては、例えば、種々 の (メタ)アタリレート類、光重合開始剤および必要に応じて有機溶剤を主成分とする コート剤により形成することが好ましい。種々の (メタ)アタリレート類としては、ポリウレ タン (メタ)アタリレートやエポキシ (メタ)アタリレート等の(メタ)アタリレート、あるいは他 の多官能 (メタ)アタリレート類が好ま 、ものとして挙げられる。
[0165] 上記エポキシ (メタ)アタリレートは、エポキシ榭脂のエポキシ基を (メタ)アクリル酸で エステルイ匕し官能基を (メタ)アタリロイル基としたものであり、例えばビスフエノール A 型エポキシ榭脂への (メタ)アクリル酸付加物、ノボラック型エポキシ榭脂への (メタ)ァ クリル酸付加物等が挙げられる。
[0166] ウレタン (メタ)アタリレートは、例えば、ポリオールとポリイソシァネートとをイソシァネ ート基過剰の条件下に反応させてなるイソシァネート基含有ウレタンプレボリマーを、 水酸基を有する (メタ)アタリレート類と反応させて得ることができる。また、ポリオール とポリイソシァネートとを水酸基過剰の条件下に反応させてなる水酸基含有ウレタン
プレボリマーを、イソシァネート基を有する (メタ)アタリレート類と反応させて得ることも できる。
[0167] 前記ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジェチ レングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコーノレ、 1, 6—へキサンジォー ル、 3—メチルー 1, 5—ペンタンダリコール、ネオペンチルグリコール、へキサントリオ ール、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、アジピン酸とエチレングリ コールとの縮重合物等が挙げられる。
[0168] また前記ポリイソシァネートとしては、例えばトリレンジイソシァネート、イソホロンジィ ソシァネート、へキサメチレンジイソシァネート等が挙げられる。
[0169] 一方、水酸基を有する (メタ)アタリレート類としては、例えば 2—ヒドロキシェチルァ タリレート、 2—ヒドロキシプロピルアタリテート、 4ーヒドロキシブチルアタリレート、ペン タエリスリトールトリアタリレート、ジペンタエリスリトールペンタアタリレート等が挙げられ る。
[0170] またイソシァネート基を有する (メタ)アタリレート類としては、例えば 2—メタクリロイル ォキシェチルイソシァネート、メタクリロイルイソシァネート等が挙げられる。
[0171] さらに、他の多官能 (メタ)アタリレート類は、分子内に 2個以上の (メタ)アタリロイル 基を有するものであり、分子内に 3個以上のアタリロイル基を有するものが好ましいも のとして挙げられる。他の多官能 (メタ)アタリレート類を具体的に例示すると、トリメチ ロールプロパントリアタリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリァク リレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアタリレート、トリス(アタリ ロイルキシェチル)イソシァヌレート、力プロラタトン変性トリス(アタリロイルキシェチル )イソシァヌレート、ペンタエリスリトールトリアタリレート、ペンタエリスリトールテトラァク リレート、ジトリメチロールプロパンテトラアタリレート、ジペンタエリスリトールテトラアタリ レート、ジペンタエリスリトールへキサアタリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトー ルトリアタリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアタリレート、力プロラタ トン変性ジペンタエリスリトールへキサアタリレート、およびこれら 2種以上の混合物が 挙げられる。
[0172] また、前記ハードコート層を形成する際に用いられる光重合開始剤としては、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインェチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、 ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシァセトフエノン、ゲンジルジメチルケタール、 2 ーヒドロキシ 2—メチルプロピオフエノン、 1ーヒドロキシシクロへキシルフェニルケト ン、ベンゾフエノン、 2, 4, 6 トリメチルベンゾインジフエ-ルホスフィンォキシド、ミヒ ラーズケトン、 N, N ジメチルァミノ安息香酸イソァミル、 2—クロ口チォキサントン、 2 , 4 ジェチルチオキサントン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は 2種以上を 適宜併用することもできる。
[0173] また、有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸ェチル、 酢酸— n—プロピル、酢酸— iso プロピル、酢酸 n—ブチル、酢酸— iso ブチル 等のエステル類;メチルアルコール、エチルアルコール、 n—プロピルアルコール、 is o プロピルアルコール、 n—ブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチル ェチルケトン、メチルイソブチルケトンシクロへキサノン等のケトン類; 2—メトキシエタ ノール、 2—エトキシエタノール、 2—ブトキエタノール、エチレングリコールジメチルェ ーテノレ、エチレングリコーノレジェチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレジメチノレエーテ ル、プロピレングリコールメチルエーテル等のエーテル類; 2—メトキシェチルァセタ ート、 2—エトキシェチノレアセタート、 2—ブトキシェチノレアセタート、プロピレングリコ ールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類などが挙げられる。また、こ れらの有機溶剤を 2種以上で混合して使用することもできる。
[0174] また、ハードコート層のコート剤には、上記成分の他、耐摩耗性向上のため、コロイ ド状金属酸化物、ある ヽは有機溶剤を分散媒としたシリカゾル等を加えることもできる
[0175] 前記ハードコート層は前記塗工液を塗工することにより得られる。
塗工法としては、バーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバ ースコーティング、ダイティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビア コーティング、リップコーティング、エアーナイフコーティング、デイツビング法等の方法 を用いることができる。
[0176] 塗工液を塗工した後、溶剤を乾燥させ、コート剤を架橋硬化せしめることによってハ ードコート層が形成される。架橋硬化は、塗工剤が、紫外線、電子線等の活性エネル
ギ一線硬化型であれば、活性エネルギー線を照射することにより行われる。活性エネ ルギ一線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタル ハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源力 発せられる紫外 線あるいは、通常 20〜2000KeVの電子線加速器から取り出される電子線、 α線、 j8線、 γ線等を用いることができる。このようにして形成される傷つき防止層は、通常 1〜50 μ m、好ましくは 3〜20 μ mの厚みとされる。
[0177] 前記反射防止層は、反射防止または反射低減機能を付与する層を意味し、表面反 射を防ぎ、可視光線透過率を上げることを目的として設けられるもので、従来公知の 反射防止層を形成する方法の何れの方法を用いて形成されてもょ 、。反射防止層を 形成する方法としては、例えば、支持体の片面または両面に薄膜の低屈折率層、ま たは屈折率の異なる多層薄膜を形成し、薄膜の表面反射光と界面における屈折反 射光との光の干渉により反射率を低減する方法等が一般的な方法であり、具体的な 層構成の例としては、屈折率 1. 2〜1. 45の低屈折率層単層、屈折率 1. 7〜2. 4の 高屈折率層と低屈折率層を交互に組み合わせたものや、屈折率 1. 5〜1. 9の中屈 折率層と屈折率 1. 7〜2. 4の高屈折率層と低屈折率層を組み合わせたものなどが 挙げられる。
[0178] 前記低屈折率層としては、 MgF (屈折率:約 1. 4)、 SiO (屈折率:約 1. 2〜1. 5)
2 2
、 LiF (屈折率:約 1. 4)などの金属化合物や、 3NaF-AlF (屈折率:約 1. 4)、 Na
3 3
A1F (屈折率:約 1. 33)などの複合金属化合物を用いることができる。また、中屈折
6
率層としては、 AI O (屈折率:約 1. 65)、MgO (屈折率:約 1. 63)などの金属化合
2 3
物や A1— Zr複合酸化物(屈折率:約 1. 7〜1. 85)などの複合金属化合物を用いる ことができる。さらに、高屈折率層としては、 TiO (屈折率:約 2. 3)、ZrO (屈折率:
2 2 約 2· 05)、 Nb O (屈折率:約 2· 25)、Ta O (屈折率:約 2· 15)、 CeO (屈折率:
2 5 2 5
約 2. 15)、 Sb O、有機処理された銀化合物などの金属化合物や In— Sn複合酸化
2 5
物(屈折率:約 1. 7〜1. 85)などの複合金属化合物を用いることができる。
[0179] これらの光学層は、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法 (CVD法)、反応性 スパッタリング法、イオンプレーデイング法、電気メツキ法等、公知の手法用いて形成 できる。
[0180] また、反射防止層を形成する際、前述の金属化合物または複合金属化合物からな る粒子をマトリックスに分散させたものを用いて層を形成しても良い。例えば、低屈折 率層として、 MgF、 SiO等の低屈折微粒子を紫外線および電子線硬化型榭脂ゃ
2 2
珪素アルコキシド系のマトリックスに分散させたものを用いることができる。低屈折微 粒子は多孔質であると屈折率がより低くなり好ましい。マトリックスに分散された低屈 折微粒子により低屈折率層を形成する例を具体的に示すと、低屈折微粒子を含む マトリックスを、膜厚が 0. 01〜1 /ζ πιになるように塗工し、必要に応じて、乾燥処理、 紫外線照射処理、電子線照射処理を行う方法が挙げられる。塗工方法としては、公 知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクロ グラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法を用 いることがでさる。
[0181] 前記防眩機能層は、外光を乱反射させることにより視感反射率を低減させ、ギラッ キを防止するものである。防眩機能層は、例えば、榭脂バインダーと微粒子を含む層 カゝら通常構成される。防眩機能層を構成するために用いられる微粒子としては、二酸 化ケィ素、アクリル、ウレタン、メラミン等の粒径 0. 1〜: LO /z m程度の微粒子等が挙げ られる。また榭脂バインダーとしては、アクリル系などの榭脂を用いることができる。防 眩機能層は、例えば、榭脂、粒子、溶剤などを含む塗液を塗布することにより形成す ることができる。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ヮ ィヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロ ットなどの各種コーティング方法を用いることができる。また、防眩機能層は、榭脂バ インダ一層にエンボス力卩ェを施すことによつても形成することができる。なお、前記微 粒子を前記ハードコート層に混入したり、前記ハードコート層の表面にエンボス加工 を施すことにより防眩機能を付与することも可能である。
[0182] 前記色調補正層は、表示色の色バランスを補正するためのものであり、例えばブラ ズマディスプレイにおける、ネオン等からでる波長 580〜610nmのオレンジ光をカツ トするものなどが挙げられる。色調補正層は、榭脂バインダーおよび Zまたは色補正 用色素を含有してなる。
[0183] 色調補正層に用いられるバインダー榭脂としては、アクリル系、ポリエステル系、ポリ
カーボネート系、ポリウレタン系、ポリオレフイン系、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリスチ レン系、シクロォレフイン系、ポリアリレート系、ポリサルホン系などの樹脂が挙げられ る。
[0184] 色補正用色素としては、用途によって様々なものを用いることができる力 シァニン
(ポリメチン)系、キノン系、ァゾ系、インジゴ系、ポリェン系、スピロ系、ポルフィリン系、 フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、シァニン系等の色素が挙げられるがこれに限 られたものではない。また、プラズマディスプレイにおける、ネオン等からでる波長 58 0〜610nmのオレンジ光をカットする目的であれば、シァニン系、ポルフィリン系、ピ ロメテン系などを用いることができる。
[0185] 色調補正層は、上記の榭脂バインダーおよび Zまたは色補正用色素などを含む塗 液を塗布することにより形成することができる。塗工方法としては、公知の方法を用い ることができ、例えば、ロッド、ワイヤーバーを用いた方法や、マイクログラビア、グラビ ァ、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各種コーティング方法やカレンダ一法、キヤ スト法を用いることができる。
また、色補正用色素を前記ハードコート層、防眩層、帯電防止層などに混入して用 いても構わない。これにより、これらの層に色調補正機能が付与される。また、色調補 正層に、近赤外線吸収剤と紫外線吸収剤を両方混入させても良 ヽ。
[0186] また、光学フィルターには、ニュートラルグレーの NDフィルター機能を有する層を 設けても良い。 NDフィルタ一層としては、透過率が 40〜80%程度になるような層で あれば何でも良ぐ公知の材料を公知の手法を用いて形成できる。プラズマディスプ レイ、 CRT,蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような蛍光体を用いる表示装置 では、塗布した蛍光体に電子線や紫外線を照射して蛍光体を発光させ、蛍光面を透 過あるいは反射した光により表示を行う。蛍光体は一般に白色で反射率が高いため 、蛍光面での外部光の反射が多い。そのため、外部光の写り込みによる表示コントラ ストの低下は、蛍光体を用いる表示装置において従来問題となっている。この問題は 、 NDフィルタ一層を設けることで低減できる。
[0187] 前記近赤外線吸収層は、近赤外線吸収機能を有し、 400〜800nmまでの波長領 域の透過率が高ぐ 800〜1200nm波長領域の透過率が低いものであればよい。近
赤外線吸収層としては、例えば、榭脂バインダーに近赤外線吸収性の色素または顔 料を混入させたものや、 In— Sn複合酸ィ匕物などの近赤外線吸収性薄膜を用いること ができる。このような近赤外線吸収剤としては、ジィモ -ゥム系、フタロシアニン系、ジ チオール金属錯体系、シァニン系、金属錯体系、金属微粉、金属酸化物微粉が挙 げられ、榭脂も含めた組み合わせは自在であるが、本明細書の前段において電磁波 シールド性光透過部材を構成する粘着剤に添加される近赤外線吸収物として詳細 に記載した近赤外線吸収剤を用いることが好ま 、。
[0188] 近赤外線吸収層に用いられるバインダー榭脂としては、アクリル系、ポリエステル系 、ポリカーボネート系、ポリウレタン系、ポリオレフイン系、ポリイミド系、ポリアミド系、ポ リスチレン系、シクロォレフイン系、ポリアリレート系、ポリサルホン系などの樹脂が挙げ られる。
[0189] 近赤外線吸収層は、上記材料を含む塗液を塗布することにより形成することができ る。塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッド、ワイヤーバーを 用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットなどの各 種コーティング方法やカレンダ一法、キャスト法を用いることができる。
また、近赤外線吸収剤を前記ハードコート層、防眩層、帯電防止層などに混入して 用いても構わない。
[0190] さらに、必要であれば帯電防止層や紫外線吸収層が設けられてもよい。これら帯電 防止層や紫外線吸収層に用いられる帯電防止剤、バインダー榭脂などは従来帯電 防止層や紫外線吸収層を形成するために用いられて 、る公知のものを用い、公知の 方法で形成することができる。帯電防止剤や紫外線吸収剤は前記ハードコート層、 防眩層、色調補正層、 NDフィルタ一層、近赤外線吸収層などに混入して用いられて ちょい。
[0191] 光学フィルターには、プラズマディスプレイパネルなどに直接貼り付ける直張り光学 フィルター、および高 、剛性を有する透明基材へ貼り付けプラズマディスプレイパネ ルなどの前面に設置する透明基材付光学フィルターがある。本発明の電磁波シール ド性光透過部材は、必要に応じ前記の 1以上の機能層が設けられた直張り光学フィ ルターあるいは透明基材に貼付される。これにより、電磁波シールド機能を有する光
学フィルターが形成される。電磁波シールド性光透過部材の貼付は、前記したように 電磁波シールド性光透過部材の剥離フィルム 1、 4の一方を剥離し、露出した粘着剤 層を光学フィルターの前記 1以上の機能層が設けられた透明基材に重ね合わせ、加 圧することにより行われる。電磁波シールド性光透過部材の電磁波シールド層の光 学フィルターへの貼付は、光学フィルターの透明基材に直接接するように貼付するこ とが好ましいが、前記機能層が設けられた面に貼付されてもよい。また前記機能層は 、電磁はシールド層が光学フィルタ一基材に貼付された後に設けられてもよい。
[0192] また、本発明の電磁波シールド性光透過部材は、 1枚の剥離フィルムを剥がし、露 出した粘着層をプラズマディスプレイパネル等のディスプレイパネルへ直接貼付して 電磁波シールド付ディスプレイパネルとして使用されることも好まし ヽ。前記プラズマ ディスプレイパネルとは、プラズマディスプレイ部材の内で放電現象を利用して発光 する発光体ユニットを 、う。
[0193] さらに、本発明の電磁波シールド付プラズマディスプレイパネルなどのディスプレイ パネルに、ハードコート層、反射防止層、防眩機能層、色調補正層、近赤外線吸収 層など力も選ばれる 1つ以上の機能層を形成することも好ましい。これらの機能層は、 本発明の電磁波シールド性光透過部材を用いてディスプレイパネルに電磁波シー ルド層を設けた後、さらにこの層の上に設けられてもよいし、本発明によりディスプレ ィパネル上に設けられた電磁波シールド層上に、前記機能層が設けられた光学フィ ルターを貼付することによって設けられてもよい。また前記機能層は電磁波シールド 層とプラズマディスプレイパネルなどのディスプレイパネルの中間へ積層されていて ちょい。
[0194] これまで、電磁波シールド性光透過部材、光学フィルター、本発明の電磁波シール ド性光透過部材を利用して電磁波シールド層を形成されたプラズマディスプレイパネ ルなどのディスプレイパネルにっ 、て詳しく説明した力 以下に本発明の電磁波シー ルド性光透過部材の製造方法にっ 、て説明する。
[0195] 本発明の電磁波シールド性光透過部材の製造方法は、下記の工程(1)〜(7)を任 意の順序で行い、かつ、活性エネルギー線照射を少なくとも 1回行うことを特徴とする
(1)金属箔と基材フィルムとを、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を介して貼 付する工程。
(2)前記金属箔の選択的エッチングによって金属メッシュを形成する工程。
(3)前記金属箔または金属メッシュの表面を黒化処理する工程。
(4)基材フィルム、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤および金属メッシュ含ん でなる積層体 (以下、メッシュ付き粘着シートともいう。)の金属メッシュ面と、転写用支 持体とを、粘着剤を介して貼付する工程。
(5)前記基材フィルムを前記金属メッシュ力 剥離する工程。
(6)下記(6a)または(6b) V、ずれかの工程。
(6a)前記基材フィルムを前記金属メッシュ力 剥離することにより生じた金属メッシ ュの露出部と、新たな剥離フィルムとを、貼付する工程。
(6b)前記基材フィルムを前記金属メッシュ力 剥離することにより生じた金属メッシ ュの露出部と、新たな剥離フィルム上に粘着剤を塗布した積層体の粘着剤面とを、貼 付する工程。
(7)金属メッシュを粘着剤中へ埋め込む工程。
[0196] 本発明においては、上記工程は任意の順で行われてよいが、通常、工程(1)、 (2) 、(4)、(5)、(6)、(7)はこの順で行われる。また工程(3)の金属箔の黒ィ匕処理は、 通常工程( 1)と(2)の間で、また工程 (3)の金属メッシュの黒ィ匕処理は工程 (2)と (4) の間で行われる。
[0197] 本発明の電磁波シールド性光透過部材の製造方法においては、活性エネルギー 線照射は少なくとも 1回行われる。この活性エネルギー線の照射は、金属箔と基材フ イルムとの間に設けられている活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力を 弱め、金属メッシュを基材フィルム力 剥離するための照射を少なくとも含むもので、 基材フィルム、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤、および金属箔カもなるメッシ ュ形成シートの基材フィルム側力も活性エネルギー線を照射することを含む。この活 性エネルギー線粘着力消失型粘着剤への活性エネルギー線照射は、金属箔が基 材フィルムに貼付された後、メッシュの剥離が行われるまでの如何なる時に行われて も良ぐまた照射回数も任意であって良い。また、活性エネルギー線の照射は、各ェ
程の処理と同時に行われても良いし、各工程とは別工程として行われても良い。すな わち、活性エネルギー線の照射は、工程の各段階や、転写シート貼り合せの前、同 時または後の各工程で行われてもよぐこの照射は複数回の照射とされても良い。 また、活性エネルギー線は基材フィルム側力 の照射が必須である力 これに加え メッシュ側力 照射が行われてもよ!/、。
[0198] 本発明で用いられる活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、放射線等の電 磁波が挙げられる力 本発明では紫外線が好ましい。紫外線照射は、メタルノヽライド ランプや高圧水銀灯、無電極ランプ、キセノンランプ、半導体レーザー、 Arレーザー 、 ノ ルス UVランプ、発光ダイオードランプ等公知の光源を用いて行うことができる。
[0199] 本発明での活性エネルギー線照射は 1回若しくは複数回照射することができる。積 算照射量は、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力を低下させることが できる照射量であれば特に制限はないが、紫外線の場合には 20〜3000mjZcm2 が好ましぐ 50〜2000miZcm2がより好ましい。 20mjZcm2未満の照射量では、活 性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力を消失させることが通常難しぐ 300 Omj/cm2を超える照射は経済的に不利である。
[0200] 以下、更に各工程について図 3〜図 7を参照しつつ説明する。(1)の工程は、具体 的には、金属箔と基材フィルムとを、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を介し て貼付したメッシュ形成シートを作製する工程である。
[0201] メッシュ形成シート 10は、図 3に例示されるように、例えば基材フィルム 11、活性ェ ネルギ一線粘着力消失型粘着剤 12、金属箔 13が積層された積層体からなる。前記 メッシュ形成シート 10を作製するために用いられる基材フィルム 11は、電磁波シール ド性光透過部材の電磁波シールド材である幾何学図形状の金属メッシュを金属箔か らケミカルエッチングにより形成する際の支持体として用いられるものであり、可とう性 であってもよいし、可とう性を有しないものであってもよい。この基材フィルムは、電磁 波シールド性光透過部材を形成する工程で 、ずれ除去されるものである。このため、 金属箔をケミカルエッチングする際にエッチング液に溶解してエッチングの邪魔をす るなどの問題がなく、また活性エネルギー線を透過するものであればどのような材料 であってもよいが、プラスチックであることが好ましい。プラスチックの材料としては、具
体的には、前記電磁波シールド性光透過部材を構成する剥離フィルムの説明で、剥 離フィルムを構成する榭脂として例示した榭脂などが挙げられ、価格や取り扱 、性の 面から PETフィルムが好まし!/、ものである。
[0202] (1)の工程における活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤 12は、活性エネルギ 一線を照射することにより粘着力が低下する粘着剤であり、基材フィルム上に形成さ れた活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤 12に金属箔 13を重ね合わせ、圧力を かけることにより、金属箔と基材フィルムとを接着させるために用いられる。活性エネ ルギ一線粘着力消失型粘着剤 12としては、反応性官能基を有する弾性重合体、活 性エネルギー線反応性ィ匕合物、光重合開始剤および硬化剤を含むものが好適に用 いられる。また、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤には、公知の粘着付与榭脂 (例えば、ロジンエステル)、無機微粒子化合物(例えば、平均粒子系 20 m以下の シリカ化合物)、重合禁止剤 (例えば、ヒドロキノン)、防鲭剤、可塑剤、紫外線吸収剤 等を配合することができる。
[0203] 上記活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を構成する反応性官能基を有する弾 性重合体としては、アクリル系ポリマーおよびウレタン系ポリマーが好ましいものとして 挙げられ、また反応性官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミド基、グリシジ ル基、イソシァネート基等が挙げられる。
[0204] 上記アクリル系ポリマーとしては、例えば、(C)反応性官能基を有するモノマーと、 他の (メタ)アクリル酸エステルモノマーとの共重合体、(D)反応性官能基を有するモ ノマーと、他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、前記モノマーと共重合可能な他 のビュルモノマーとの共重合体を用いることができる。これらアクリル系ポリマーは公 知の方法により合成することができる。アクリル系ポリマーは、粘着性を付与するため に、ガラス転移点が 10°C以下であることが好ましい。また、アクリル系ポリマーの重量 平均分子量 (ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィーによる標準ポリスチレンの検量 線を用いて測定した。以下同様とする。)は、粘着力と凝集力のバランスの点から 20 万〜 200万力女子ましく、 40〜160万カ^0り女子まし1ヽ0
[0205] 上記共重合体を構成するために用いられる反応性官能基を有するモノマーとして は、アクリル酸、メタクリル酸、ィタコン酸、アクリル酸 2—ヒドロキシェチル、メタクリル
酸 2 ヒドロキシェチル、アクリル酸 4ヒドロキシブチル、アクリルアミド、グリシジルメ タクリレート、 2—メタクリロイルォキシェチルイソシァネート等が挙げられる。
[0206] また、他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル 酸メチル、アクリル酸ェチル、メタクリル酸ェチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチ ル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソブロピル、アクリル 酸 2—ェチルへキシル、メタクリル酸 2—ェチルへキシル、アクリル酸ラウリル、メタタリ ル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等が挙げられる。
[0207] 前記 (メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビュルモノマーとしては 、酢酸ビュル、スチレン、 α -メチルスチレン、アクリロニトリル、ビュルトルエン等が挙 げられる。
[0208] 一方、第 2の接着または粘着剤に用いられるウレタン系ポリマーとしては、例えば、 ポリオールと有機ポリイソシァネートを反応させて得られる末端水酸基のポリウレタン ポリオールに、有機ポリイソシァネートを反応させて得られるポリマーが挙げられる。
[0209] 上記ウレタン系ポリマーを製造する際に用いられるポリオールとしては、公知のポリ エステルポリオールとポリエーテルポリオールが挙げられる。ポリエステルポリオール の酸成分してはテレフタル酸、アジピン酸、ァゼライン酸等が挙げられ、グリコール成 分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げ られ、ポリオール成分としてはグリセリン、トチメチロールプロパン、ペンタエリスリトー ル等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリ エチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の官能基数が 2以上のものが用 V、られる。ポリエステルポリオールおよびポリエステルポリオールの重量平均分子量 ίま 1000〜5000力好ましく、更に 2500〜3500力好まし!/、。重量平均分子量力 ^100 0以下のポリエステルポリオールおよびポリエステルポリオールでは反応が早ぐゲル 化し易くなり、 5000以上のポリエステルポリオールおよびポリエステルポリオールは 反応性が低くなり凝集力も低くなる。ポリオールと有機ポリイソシァネートを反応させる 際には、多価アミン類が併用されてもよい。
[0210] 上記有機ポリイソシァネートとしては、公知の芳香族ポリイソシァネート、脂肪族ポリ イソシァネート、芳香脂肪族ポリイソシァネート、脂環族ポリイソシァネート等が挙げら
れる。芳香族ポリイソシァネートとしては、 1, 3—フエ-レンジイソシァネート、 4, 4— ジフエ-ルジイソシァネート、 2, 4—トリレンジイソシァネート、 2, 6—トリレンジイシシ ァネート、 4, 4ージフエ-ルメタンジイソシァネート等が挙げられる。脂肪族ポリイソシ ァネートとしては、トリメチレンジイソシァネート、テトラメチレンジイソシァネート、へキ サメチレンジイソシァネート等が挙げられる。芳香脂肪族ポリイソシァネートとしては、 ω , ω,一ジイソシァネート一 1, 3—ジメチルベンゼン、 ω , ω,一ジイソシァネート一 1, 4—ジメチルベンゼン、 ω , ω,—ジイソシァネート— 1, 4—ジェチルベンゼン等 が挙げられる。脂肪族ポリイソシァネートとしては、イソフォロンジイソシァネート、 1, 3 ーシクロペンタンジイソシァネート、 1, 4ーシクロへキサンジイソシァネート等が挙げら れる。上記有機ポリイソシァネートには、上記有機ポリイソシァネートのトリメチロール プロパンァダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシァヌレート環を有する 3量体等 が併用されても良い。
[0211] ウレタン系ポリマーの重量平均分子量は、粘着力と凝集力のバランスの点から 5, 0 00〜300, 000力好まし <、 10, 000〜200, 000力 ^より好まし!/ヽ。
[0212] さらに、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を構成する活性エネルギー線反応 性ィ匕合物としては、活性エネルギー線照射により 3次元架橋するモノマーやオリゴマ 一が挙げられる。これらは分子内に 2個以上のアタリロイル基またはメタクリロイル基を 有するものであることが好ましい。活性エネルギー線反応性ィ匕合物の使用量は、ァク リル系ポリマーまたはウレタン系ポリマー 100重量部に対して 20〜500重量部が好ま しぐ更に 40〜300重量部が好ましい。 20重量部に満たないときは活性エネルギー 線照射後に粘着力低下が不足する恐れがあり、 500重量部を超えると未反応分によ る汚染が生じる恐れがある。
[0213] 上記活性エネルギー線照射により 3次元架橋するモノマーとしては、例えば、 1,6— へキサンジオールジアタリレート、トリメチロールプロパントリアタリレート、トリメチロー ルプロパントリメタタリレート、ジペンタエリスリトールへキサアタリレート等を挙げること ができる力 本発明において上記活性エネルギー線照射により 3次元架橋するモノ マーとして用 ヽられる化合物はこれに限定されず、活性エネルギー線照射により 3次 元架橋する公知のモノマーの何れをも用いることができる。
[0214] また、上記活性エネルギー線照射により 3次元架橋するオリゴマーとしては、ウレタ ンアタリレートオリゴマーが好ましいものとして挙げられる。ウレタンアタリレートオリゴマ 一としては、ポリオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、 1, 6 へ キサンジオール等と有機ポリイソシァネート、例えば 2, 4 トリレンジイソシァネート、 2, 6 トリレンジイソシァネート、 1, 3 キシリレンジイソシァネート、 1, 4 キシリレン ジイソシァネート、ジフエ-ルメタン 4, 4ージイソシァネート等や、それらの変性物や 重合物とを反応させて得られる末端イソシァネートプレボリマーに、水酸基を有する アタリレートあるいはメタタリレート、例えばアクリル酸 2—ヒドロキシェチル、メタクリル 酸 2—ヒドロキシェチル、ポリエチレングリコールアタリレート、ポリエチレングリコールメ タクリレート、ペンタエリスリトールトリアタリレート等を反応させて得られるものを使用す ることができる。また末端イソシァネートプレポリマーにトリメチロールプロパンやペンタ エリスリトール等の 3〜4官能水酸基含有化合物を反応させて末端水酸基を増やした 後、水酸基を有するアタリレートあるいはメタタリレートを反応させる方法で得られるも のも挙げられる力 前記ウレタンアタリレートオリゴマーがこれらの方法によって得られ たものに限定されるものではなぐ公知の方法で合成されたウレタンオリゴマーの何 れのものも使用することができる。ウレタンアタリレートオリゴマーの重量平均分子量 は 500〜30, 000力 子ましく、更に 600〜20, 000力 子まし!/、。ウレタンァクジレー卜 オリゴマーは、アタリロイル基またはメタクリロイル基を 2〜 15個有することが好ましぐ 更に 4〜 15個有することが好ましく、特に 6〜 15個有することが好まし 、。
[0215] また光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフエノン、ァセトフエノン、ベンゾイン、ベ ンゾインメチルエーテル、ベンゾインェチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル 、ベンゾインジメチルケタール、ァセトフエノンジメチルケタール、 2, 4 ジェチルォキ サンソン、 1—ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、ベンジルジフエニルサルフアイ ド、ァゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジァセチル、ビスイミダゾール 、 β クロールアントラキノンが挙げられるがこれらには限定されず、本発明では、公 知の光重合開始剤の何れをも使用することができる。
[0216] また高分子量ィ匕光重合開始剤を用いて、光重合開始剤に対してエッチング液ゃァ
ルカリ溶液等の薬液への耐溶出性を持たせることも好ま ヽ。高分子量化光重合開 始剤は、重量平均分子量 1, 000〜200万、より好まし <は 3, 000〜200万、さらに 好ましくは 5, 000〜200万、特に好ましくは 1万〜 200万の高分子量化光重合開始 剤であることが好ましい。重量平均分子量 1, 000〜200万の高分子量化光重合開 始剤は、分子量が大きいため、薬液への溶出がない。重量平均分子量 1, 000未満 のときは、薬液への光重合開始剤の溶出が生じる恐れがあり、 200万を超えるときは 粘度の面力も合成が難しい。
[0217] 高分子量化光重合開始剤は、反応性官能基を有する光重合開始剤を、前記反応 性官能基と反応可能な官能基との反応を介してオリゴマーやポリマーへ化学的に結 合させる、ある!、は反応性官能基を有する光重合開始剤を前記反応性官能基と反 応可能な官能基との反応を介して結合させたモノマーを重合するなどして高分子量 化したものである。
[0218] 反応性官能基を有する光重合開始剤中の反応性官能基としては、水酸基、カルボ キシル基が挙げられる。水酸基を有する光重合開始剤としては、例えば 1一(4 (2 -ヒドロキシエトキシ)フエニル) -2-ヒドロキシ - 2—メチノレ 1—プロパン一 1—ォ ンゃ、 2—ヒドロキシ 2—メチル 1 フエ-ル プロパン 1 オン等が挙げられる 。カルボキシル基を有する光重合開始剤としては、例えばべンゾフエノン 2—カル ボン酸等が挙げられる。反応性官能基を有する光重合開始剤の中では、 1一(4 (2 -ヒドロキシエトキシ)フエニル) -2-ヒドロキシ - 2—メチノレ 1—プロパン一 1—ォ ンが好ましい。
[0219] 高分子量化光重合開始剤の合成方法としては、例えば水酸基を有する光重合開 始剤の水酸基を多塩基酸無水物(例えば、無水ピロメリット酸)の 2つの酸無水環と反 応させ、残存する 2つのカルボキシル基をさらにビスフエノール Aの両末端のグリシジ ル基と反応させて、多段階で高分子量化する方法が挙げられる。また、 2個の水酸基 または 2個のカルホキシル基を有する光重合開始剤に対して、前者へは 2官能の有 機酸 (例えば、アジピン酸)、後者へは 2官能のポリオール (例えば、エチレングリコー ル)を反応させて、ポリエステルを合成することでポリマー主鎖へ光重合開始剤を組 み込む方法も挙げられる。
[0220] また、他の合成方法として、予め水酸基を有する光重合開始剤の水酸基を炭素 炭素二重結合とイソシァネート基を有する化合物(例えば、 2—メタクリロイルォキシィ ソシァネート)のイソシァネート基と反応させて光重合開始剤含有モノマーを合成し、 それを他のモノマーと共重合して高分子量化光重合開始剤を合成する方法、炭素 炭素二重結合を有する酸無水物(例えば、無水マレイン酸やィタコン酸無水物等) の酸無水環と水酸基を有する光重合開始剤を反応させて力 他のモノマーと共重合 する方法、炭素 炭素二重結合とカルボキシル基を有する化合物 (例えば、アクリル 酸ゃメタクリル酸等)と水酸基を有する光重合開始剤を反応させてから他のモノマー と共重合する方法が挙げられる。また、カルボキシル基を有する光重合開始剤を炭 素 炭素二重結合を有するエポキシィ匕合物(例えば、グリシジルメタタリレート)と反 応させて力 他のモノマーと共重合する方法が挙げられる。
[0221] 高分子量化光重合開始剤としては、反応性官能基を有する光重合開始剤と、前記 反応性官能基と反応可能な官能基を有する重量平均分子量 3, 000〜200万の高 分子量化合物とを反応させてなるもの、つまり光重合開始剤を高分子量化合物へグ ラフトしたものがエッチング液等の薬液への溶出が少な 、ため好ま 、。
[0222] 光重合開始剤を高分子量ィ匕合物へグラフトする方法としては、例えばイソフォロン ジイソシァネートの一方のイソシァネート基と水酸基を有する光重合開始剤を反応さ せてからもう一つのイソシァネート基を高分子量化合物側の水酸基と反応させる方法 、水酸基を有する光重合開始剤と高分子量ィヒ合物側のイソシァネート基と反応させ る方法、水酸基を有する光重合開始剤と高分子量化合物側の酸無水環と反応させ る方法、カルボキシル基を有する光重合開始剤と高分子量化合物側のグリシジル基 と反応させる方法、カルボキシル基を有する光重合開始剤と高分子量化合物側の水 酸基と反応させる方法が挙げられるが、これらに限定されない。
[0223] 光重合開始剤をグラフトする高分子量化合物は、重量平均分子量が 3, 000〜20 0万であることが好ましぐアクリル系ポリマーまたはウレタン系ポリマーであることが好 ましい。アクリル系ポリマーは重量平均分子量 3, 000〜200万であること力好ましい 。重量平均分子量 3, 000未満のときは合成時の分子量制御が難しぐ 200万を超え るときは粘度の面力も合成が難しい。ウレタン系ポリマーは重量平均分子量 2, 000
〜20万であることが好ましい。重量平均分子量が 2, 000未満のときは合成時の分子 量制御が難しぐ 20万を超えるときは粘度の面力も合成が難しい。
[0224] 本発明の活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤においては、光重合開始剤と増 感剤を併用することも好ましい。増感剤としては例えばトリエタノールァミン、 N—メチ ルジェタノールァミン、 N 'N—ジメチルエタノールァミン、 N—メチルモルホリンなどが 挙げられるが特に限定せず、公知の増感剤の何れをも使用することができる。
[0225] また硬化剤は、反応性官能基を有するアクリル系ポリマーと反応して粘着剤に凝集 力を付与するものであり、反応性官能基に対して反応性を持つイソシァネート系化合 物、エポキシ系化合物、アジリジニル系化合物等の公知の多官能化合物が使用でき る。硬化剤の使用量は、アクリルモノマーの種類や粘着力を考慮して決定すればよく 、特に限定されるものではないが、アクリル榭脂 100重量部に対して 0. 1〜15重量 部を添加することが好ましぐ 0. 1〜: L0重量部がさらに好ましい。 0. 1重量部未満だ と架橋度が低下し、凝集力が不十分となり、 15重量部を超えると被着体に対する接 着力が小さくなりやす 、ので好ましくな!/、。
[0226] 上記イソシァネート系化合物としては、トリレンジイソシァネート、イソフォロンジイソ シァネート、へキサメチレンジイソシァネート、 m—フエ-レンジイソシァネート、キシリ レンジイソシァネート等のジイソシァネートや、それらのトリメチロールプロパンァダクト 体、水と反応したビュウレット体、イソシァヌレート環を有する 3量体等が挙げられる。
[0227] またエポキシ化合物としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロー ルポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロー ルポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンジルグリコ 一ルジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、メタキシレンジアミンテ トラグリシジルエーテル、およびその水添ィ匕物等が挙げられる。
[0228] アジリジ -ル系化合物としては、 N, N,一ジフエ-ルメタン一 4, 4—ビス(1—アジリ ジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン—トリ— β—アジリジニルプロピオナー ト、テトラメチロールメタン一トリ一 β—アジリジ-ルプロピオナート、 Ν, Ν,一トルエン —2, 4—ビス(1—アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
[0229] メッシュ形成シート 10の製造方法としては、例えば、図 4に示されるような、基材フィ
ルム 11、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤 12、剥離フィルム 6からなる積層体 7 (電磁波シールド材を含まない。以下、粘着シートという。)を作製し、この粘着シー ト 7から剥離フィルム 6を剥がし、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤層面と金属 箔とを重ね合わせ、金属箔の貼り合わせを行う方法が挙げられる。この方法は、粘着 シート 7を作成した後に粘着剤層と金属箔とを貼り合わせる方法であり、金属箔との 貼り合わせは活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤に使用される硬化剤の架橋が 終了した後に行われることとなる。
[0230] 粘着シート 7を作製する方法を例示すると、例えば以下の 2つの方法が挙げられる
1つ目は、基材フィルムに直接、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を塗布し て剥離フィルムを貼り合わせる方法である。
2つ目は、剥離フィルム上に活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を塗布し、基 材フィルムと貼り合わせる方法である。
[0231] メッシュ形成シート 10の製造方法としては、前記方法に加えて、基材フィルム 11の 片面に活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤 12を塗布し、さらに金属箔 13を貼り 合わせる方法 (塗工時金属箔ラミネート法)が挙げられる。この塗工時金属箔ラミネ一 ト法は剥離フィルムを使用せず、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤に使用され る硬化剤の架橋開始直後に金属箔を貼り合わせるため、粘着剤の流動性が高ぐ金 属箔との密着性が前述の方法と比較して非常に高 、。そのためマイクロリソグラフ法 によるメッシュ形成工程中にぉ ヽて、エッチング液やレジスト剥離液等の薬液が粘着 剤と金属箔との界面に浸入することで生じる金属箔の剥がれが起こりにくい。また、こ の塗工時金属箔ラミネート法では、後工程における剥離フィルム 6のラミネートが不要 となることから、工程の簡略ィ匕による低コスト化、および剥離フィルム未使用による低 コストが図られる。
[0232] 塗工時金属箔ラミネート法においては、金属箔と粘着剤層が充分な密着を得るた めに必要に応じて加温、加圧、または真空のような条件を単独若しくは 2種類以上併 用してラミネ平板プレス法によって行われても良い。
[0233] 活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の塗布方法としては、コンマコート、リップ
コート、カーテンコート、ブレードコート、グラビアコート、キスコート、リバースコートお よびマイクログラビアコート等が挙げられる力 これらに限定されるものではない。
[0234] 活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の厚みは、 0. 5 μ m〜50 μ m程度である ことが好ましい。粘着剤の厚みが 0. 5 m未満であると十分な接着性が得られず、ま た 50 μ mを越えると経済的に不利である。
[0235] 前記(2)の工程は、具体的には金属箔にフォトリソグラフ法などによって電磁波シ 一ルド材である金属メッシュを形成し、レジストの剥離 ·中和を行う工程である。なお、 金属メッシュ形成シートの金属箔に幾何学図形等のメッシュを形成する方法は前述し た通りである。この工程で得られた金属メッシュが形成されたメッシュ形成シート 15を 図 5に示す。図 5において、 11は基材フィルムであり、 12は活性エネルギー線粘着 力消失型粘着剤であり、 3は電磁波シールド材である金属メッシュを示す。
[0236] (3)の工程は、金属箔または金属メッシュに黒ィ匕処理を施す工程である。黒化処理 は、プリント配線板分野で行われている公知の方法により、黒ィ匕処理液を用いて行う ことができる。(3)の工程では、金属箔の上面または金属メッシュの上面および側面 を黒ィ匕処理することができる。金属箔として銅箔を用いる場合、黒化処理は、例えば 、亜塩素酸ナトリウム(3 lgZリットル)、水酸ィ匕ナトリウム(15gZリットル)、燐酸三ナト リウム(12gZリットル)などの水溶液中、 95°Cで 2分間処理することにより、行うことが できる。ただし、予め黒ィ匕処理された金属箔を使用したときは、(3)工程は(1)工程の 前になされているから、 (2)工程のあとの(3)工程は省略しても良い。
[0237] (4)の工程は、 2枚の剥離フィルム 1、 8を、粘着剤 2を介して貼付したもの(以下、転 写シートという。)の片面の剥離フィルムを剥がし、メッシュ形成シートの金属メッシュ 面と貼り合わせる工程である。図 6に転写シートを示す。転写シート 9は、剥離フィル ム 1に粘着剤を塗布し、当該粘着剤 2面に新たな剥離フィルム 8を貼付することで作 製できる。剥離フィルム 1上に粘着剤 2を塗布する方法としては、活性エネルギー線 粘着力消失型粘着剤を塗布する方法と同様に公知の方法を用いることができる。粘 着剤は電磁波シールド性光透過部材において説明した粘着剤であり、前述した通り 、分子中にカルボキシル基、水酸基、アミド基、グリシジル基、ァミノ基の少なくとも 1 種類以上の反応性官能基を有するアクリル系ポリマー、および前記反応性官能基と
反応しうる硬化剤からなる、活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いることもできる。
[0238] 転写シート 9と金属メッシュが形成されたメッシュ形成シート 15との貼り合わせは、転 写シートの一方の剥離フィルム 8を剥がし、露出した粘着面をメッシュ形成シート 15の メッシュに貼り合わせることで行われる。なお、貼り合わせにはラミネーターを用いるこ とが好ましい。
[0239] (5)の工程は、前記基材フィルムを前記金属メッシュ力も剥離する工程である。図 7 に、金属メッシュ 3を剥離する過程を示す。剥離工程前に基材フィルム側カゝら活性ェ ネルギ一線が照射されて、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤 12の粘着力は低 下されている。この活性エネルギー線の照射は、転写シートが金属メッシュに貼り付 けられる前でも、貼り付けられた後でもよい。活性エネルギー線照射によって活性ェ ネルギ一線粘着力消失型粘着剤の粘着力が十分に低下していれば、金属メッシュ 力 形成された電磁波シールド材 3から基材フィルム 11と活性エネルギー線粘着力 消失型粘着剤 12を容易に剥がすことができる。剥がされた金属メッシュ 3は、転写シ ートの粘着剤層に担持される。金属メッシュを剥離する際には、金属メッシュの幾何 学図形形状の外周に設けた導電性の額縁部を基準にして基材フィルムを剥離する。
[0240] (6)の工程は、基材フィルムを金属メッシュから剥離した剥離面と、新たな剥離フィ ルムとを貼付する工程 (6a)または新たな剥離フィルム上に粘着剤を塗布した積層体 の粘着剤面とを貼付する工程 (6b)である。工程 (6a)により張り合わされた新たな剥 離フィルムと金属メッシュが形成されたメッシュ形成シートを図 8aに、また工程(6b)に より張り合わされた新たな剥離フィルム上に粘着剤を塗布した積層体の粘着剤面と 金属メッシュが形成されたメッシュ形成シートを図 9aに示す。これにより、 2枚の剥離 フィルム 1、 21間に電磁波シールド材である金属メッシュ 3が挟まれた状態となる。
[0241] 以下では、基材フィルムを金属メッシュから剥離する剥離面と、新たな剥離フィルム とを貼り合わせ、金属メッシュを粘着剤層に埋め込む方法を、一層埋め込み法といい 、基材フィルムを金属メッシュから剥離する剥離面と、新たな剥離フィルム上に粘着剤 を塗布した積層体の粘着剤面とを貼り合わせ、金属メッシュを粘着剤層に埋め込む 方法を、二層埋め込み法という。二層埋め込み法における新たな剥離フィルム上に 粘着剤を塗布した積層体は、剥離フィルム上に粘着剤を塗工したものでもよいし、転
写シートの片面の剥離フィルムを剥がしたものでもよい。なお、一層埋め込み法また は二層埋め込み法における貼り合わせには、前述した任意の貼り合せ法を用いるこ とができる。例えば、加熱 '加圧による方法、ロール加圧法あるいは平板プレス法、ラ ミネ一ターによる方法などである。
[0242] (7)の工程は、 2枚の剥離フィルム間の金属メッシュを粘着剤に埋め込む工程であ る。メッシュを粘着剤中へ埋め込む方法としては、前記の一層埋め込み法および二 層埋め込み法などがある。加熱温度、加圧圧力を制御することにより、(7)の工程と( 6)の工程が同時に行われても良い。一層埋め込み法の実施の形態を図 8に、二層 埋め込み法の実施の形態を図 9に示す。
[0243] 図 8に示す一層埋め込み法では、メッシュ 3を転写した転写シートの金属メッシュ面 に新たな剥離フィルム 4を貼り合わせ(図 8 (a) )、更にラミネーターで加熱、加圧を行 うことにより、転写シート側の粘着剤 2中へメッシュ 3が埋め込まれる(図 8 (b) )。メッシ ュを埋め込む際の条件は、メッシュへ粘着剤を流動させる必要力 加熱を行うことが 好ましぐ加熱温度は例えば 20〜150°Cが好ましぐより好ましくは 40〜130°C、更 に好ましくは 60°C〜120°Cである。加熱が 20°C未満のときは粘着剤の流動性が悪く 、 150°Cを超えると粘着剤の変質や過剰流動による液だれの懸念が生じる。加圧は 1 〜50kg/cm2が好ましぐより好ましくは l〜30kg/cm2、更に好ましくは l〜20kg Zcm2である。加圧が lkgZcm2未満のときは粘着剤の流動性が悪ぐ 50kg/cm2 を超えるとメッシュ変形の恐れが生じる。加熱、加圧条件、粘着剤層の膜厚などの調 整により、図 1 (a)〜(c)の状態を選択できる。
[0244] メッシュの埋め込みは、メッシュ 3が粘着剤層 2中へ完全に埋め込まれていても(図 1
(d)、図 8 (b)参照)、メッシュ 3の新たな剥離フィルム側の面が粘着材層 2から露出し ていても良い(図 l (a)、図 l (b)、図 1 (c)参照)。用いる転写シートの粘着剤層 2の厚 さはメッシュ 3の厚みより厚いことが好ましい。メッシュを形成する金属箔の厚さが 0. 5 〜40 μ mであるため、粘着剤層 2は好ましくは 1〜300 μ m、より好ましくは 5〜200 μ、更に好ましくは 5〜: LOO mの厚さに塗布、形成されればよい。厚さが 5 m未満 のときは埋め込み性が悪ぐ 300 mを超えると経済的に不利である。
[0245] 二層埋め込み法では、メッシュが転写された転写シートの金属メッシュ 3面に、剥離
フィルム 4上に粘着剤層 2が形成された新たな粘着シートの粘着面を貼り合わせる( 図 9 (a) )。その際ラミネーターで加熱、加圧を行うことにより、貼り合わせと同時にメッ シュ 3の埋め込みを行うことが好ましい(図 9 (b) )。本方法に用いる転写シートの粘着 剤の厚みは、転写シートの粘着層 2と新たな粘着シートの粘着層 2の厚みの合計が、 メッシュの厚みより厚いことが好ましい。厚みの合計は好ましくは 1〜300 /ζ πι、更に 好ましくは 5〜200 μ、更に好ましくは 5〜100 μ mの厚さである。本方法ではメッシュ は粘着剤中へ完全に埋め込まれる。なお、二層埋め込み法においては、金属メッシ ュが担持された粘着剤層と新たな粘着シートの粘着剤層を構成する粘着剤は、同じ ものであってもよいし、異なるものであってもよい。
[0246] その他の方法として、一層埋め込み法の後に、第二剥離フィルム 4を剥がし、更に 剥離フィルム上に粘着剤が塗布された第 3の粘着シートの粘着面を貼り合わせる方 法が挙げられる。この方法によれば、電磁波シールド材である金属メッシュが粘着剤 中に更に埋め込まれる。
[0247] 一層埋め込み法と二層埋め込み法のいずれを用いるかによつて、粘着剤を使い分 けることもできる。一層埋め込み法においては、活性エネルギー線硬化型粘着剤を 好ましく用いることができる。また、二層埋め込み法においては、一層目の剥離フィル ムに塗工する粘着剤として前述した任意の粘着剤を用い、第 2の剥離フィルムの粘 着剤として活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いることも好ま 、。
[0248] (7)の工程による電磁波シールド層の埋め込みの程度によって、粘着剤による電磁 波シールド材の被覆状態が異なる。電磁波シールド材が粘着剤に覆われて!/、る状態 や電磁波シールド材の一部が粘着剤力も露出して 、る状態となる。 V、ずれの状態で あっても本発明の効果を発揮することができる。
[0249] 以上説明したように、(1)から(7)の工程によって、本発明の電磁波シールド性光透 過部材を製造することができる。製造された電磁波シールド性光透過部材は、 2枚の 剥離フィルム間に、粘着剤と電磁波シールド材を含有することとなる。
[0250] 本発明の電磁波シールド性光透過部材は、ディスプレイ、特にプラズマディスプレ ィの電磁波シールド用に使用されることが好ま 、。電磁波シールド性光透過部材 は片面が透明基材ゃプラズマディスプレイパネル側に貼付され、もう一方の面はハ
ードコート層や近赤外吸収層等が形成されたフィルムへ貼付されることが好ましい。 また透明材料等に代えて前記のハードコード層などが形成されたフィルムへ貼付さ れることも好まし ヽ。
実施例
[0251] 以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する力 本発明はこれによって 限定されるものではない。なお、実施例および比較例において「%」および「部」は、 特に断りがない限り、それぞれ「重量%」および「重量部」を意味する。また、重量平 均分子量は、 GPC (ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン 換算の値である。
[0252] くメッシュ付き粘着シート作成例 1 >
アクリル酸ブチル 85. 3重量部、アクリル酸メチル 15部、アクリル酸 4部、アクリル酸 2 ヒドロキシェチル 0. 7部、ァゾビスイソブチ口-トリル 0. 03部、アセトン 190部、ト ルェン 110部力もなる原料を用いて、窒素雰囲気下で加熱還流下に 8時間反応させ て、反応性官能基を有するアクリル系ポリマー(重量平均分子量 110万)の溶液 (不 揮発分 25重量%)を得た。合成した反応性官能基を有する弾性重合体溶液 100部 に、トリレンジイソシァネートのァダクト体 (住化バイエルウレタン製硬化剤「スミジユー ル L 75」)0. 7部、 2—メチル 1—( (4—メチルチオ)フエ-ル)一 2 モルフォリノ プロパン— 1—オン (チバ 'スペシャルティ ·ケミカルズ製光重合開始剤「ィルガキュア 907」)0. 75部、 6官能のウレタンアタリレートオリゴマー(ダイセル UCB製「Ebecryl 1290K」、重量平均分子量 1, 000) 15部を配合して活性エネルギー線粘着力消失 型粘着剤を得た。
[0253] 次に、厚さ 100 mの基材用 PETフィルム(東洋紡績製「Α— 5000」)の片面に、ポ リエステルポリウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン製「AD— 335AEJ )を厚さ( 乾燥膜厚) 0. 2 mに塗布し、その上に上記の活性エネルギー線粘着力消失型粘 着剤を乾燥後の厚さが 10 mになるように塗布し、剥離フィルム (東洋紡製「E7002 厚さ 25 /ζ πι」、以下においても剥離フィルムは本フィルムを用いた。)を貼り合わせ て粘着シートを得た。得られた粘着シートは 40°C雰囲気中で 3日間エイジングを行つ
[0254] エイジング後、剥離フィルムを剥がし、粘着シートの粘着剤面に、厚さ 10 μ mの電 解銅箔(三井金属製 'NS— VLP)をラミネーターにより温度 80°C、圧力 0. 4MPa/ cm、貼りあわせ速度 0. 8mZminでラミネートして、銅箔ラミネート体 (メッシュ形成シ ート)を得た。
[0255] 銅箔ラミネート体にケミカルエッチングを用いたフォトリソグラフ法 (レジストフイルム 貼り付け→露光→現像→ケミカルエッチング→レジストフイルム剥離→中和)によって 、ライン幅 12 m、ラインピッチ 300 mのメッシュを形成し、その後、銅表面の黒ィ匕 処理を施してメッシュ付き粘着シートを得た。
[0256] くメッシュ付き粘着シート作成例 2 >
厚さ 50 mの基材用 PETフィルム (東洋紡績製「A— 4100」)の易接着面に、メッ シュ付き粘着シート作成例 1で作成した活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を乾 燥後の厚さが 10 mになるように塗布し、その後メッシュ付き粘着シート作成例 1と同 様の工程を経て粘着シートを得た。
[0257] こうして得られた粘着シートの剥離フィルムを剥がし、粘着シートの粘着剤面に、厚 さ 10 mの電解銅箔(三井金属製 'NS— VLP)をラミネーターにより温度 23°C、圧 力 0. 05MPaZcm2でラミネートして、銅箔ラミネート体を得た。得られた銅箔ラミネー ト体を 40°C雰囲気中で 3日間エイジングを行った。
[0258] 銅箔ラミネート体にケミカルエッチングを用いたフォトリソグラフ法によって、ライン幅 10 m、ラインピッチ 300 mのメッシュを形成し、その後、メッシュ付き粘着シート作 成例 1と同様の黒ィ匕処理を施しメッシュ付き粘着シートを得た。
[0259] くメッシュ付き粘着シート作成例 3 >
メタクリル酸メチル 88部、アクリル酸ェチル 9部、アクリルアミド 3部、ァゾビスイソブチ 口-トリル 0. 44部、トルエン 260部力もなる原料を用いて、窒素雰囲気下で加熱還 流して 3時間反応させた後、メタノールで再沈殿させて得られたポリマーをろ過し、減 圧乾燥して重量平均分子量 70万の接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物 1 00部に、トルエン 450部、酢酸ェチル 10部を配合して接着剤溶液を得た。接着剤溶 液を厚さ 100 μ mの基材用 PETフィルム (東洋紡製「A— 4300」)へ乾燥後の厚さが 20 μ mになるように塗布し、さらに接着剤面へ厚さ 10 μ mの電解銅箔 (NS— VLP)
をラミネーターにより温度 180°C、圧力 0. 4MpaZcm2、でラミネートして銅箔ラミネ 一ト体を得た。
[0260] 銅箔ラミネート体にケミカルエッチングを用いたフォトリソグラフ法によって、ライン幅 10 m、ラインピッチ 300 mのメッシュを形成し、その後、メッシュ付き粘着シート作 成例 1と同様の黒ィ匕処理を施しメッシュ付き接着シートを得た。
[0261] <転写シート作成例 1 >
アクリル酸ブチル 90部、アクリル酸メチル 10部、メタクリル酸 2ヒドロキシェチル 5部、 ァゾビスイソブチ口-トリル 0. 04部、酢酸ェチル 186部の原料を用い、窒素雰囲気 下で加熱還流して 7時間反応させて、反応性官能基を有するアクリル系ポリマー(重 量平均分子量 55万)の溶液 (不揮発分 35重量%)を得た。
[0262] 得られた反応性官能基を有するアクリル系ポリマーの溶液 100重量部に「スミジュ ール L— 75」0. 9部を配合して剥離フィルムに乾燥後の厚さが 18 mになるように塗 布し、さらに新たな剥離フィルムをこの粘着層上に貼り合わせて転写シートを得た。
[0263] <転写シート作成例 2 >
転写シートの乾燥後の厚さを 10 mに塗布したほかは、転写シート作成例 1と同様 の方法で転写シートを得た。
[0264] <転写シート作成例 3 >
転写シートの乾燥後の厚さを 40 mに塗布したほかは、転写シート作成例 1と同様 の方法で転写シートを得た。
[0265] <転写シート作成例 4 >
アクリル酸ブチル 79部、アクリル酸メチル 20部、アクリル酸 2ヒドロキシェチル 1. 0 部、ァゾビスイソブチ口-卜リル 0. 02部、アセトン 190部、トルエン 210部力もなる原 料を用いて、窒素雰囲気下で加熱還流して 8時間反応させて、重量平均分子量 150 万のアクリル系ポリマーの溶液 (不揮発分 20重量%)を得た。
[0266] 得られたアクリル系ポリマー溶液 100部に、トリメチロールプロパントリメタタリレート( 共栄社ィ匕学製活性エネルギー線反応性ィ匕合物「ライトエステル TMP」) 1部、 1ーヒド ロキシ シクロへキシル -フエ-ノレ一ケトン(チノく'スぺシヤノレティ ·ケミカルズ製光重 合開始剤「ィルガキュア 184」) 0. 05部、ヒドロキノン (精エイ匕学製重合禁止剤) 0. 00
1部を配合して、剥離フィルムに乾燥後の厚さが 16 mになるように塗布し、さらに新 たな剥離フィルムをこの粘着層上に貼り合わせて、活性エネルギー線硬化型粘着剤 を用いた転写シートを得た。
[0267] <転写シート作成例 5 >
転写シート作成例 1で合成した反応性官能基を有するアクリル系ポリマーの溶液( 不揮発分 35%) 100部に、「スミジュール L— 75」 0. 9部、ならびに近赤外線吸収物 としてジィモ-ゥム系化合物(日本ィ匕薬製「K— 1032」) 1. 0部およびフタロシアニン 系化合物(日本化薬製「ィーエックスカラー IR— 14」) 0. 5部を配合した活性エネル ギ一線硬化型粘着剤を用いて剥離フィルムへ塗布した他は、転写シート作成例 1と 同様の方法で転写シートを作成した。
[0268] <転写シート作成例 6 >
転写シート作成例 4で合成した反応性官能基を有するアクリル系ポリマーの溶液( 不揮発分 35%) 100部に、「ライ卜エステル ΤΜΡ」 1部、「ィルガキュア 184」0. 05部 、ヒドロキノン 0. 001部、ならびに近赤外線吸収物としてスルホンイミドをァ二オン成 分に持つジィモ -ゥム系化合物(日本カーリット製「CIR— RL」) 1. 0部およびフタ口 シァニン系化合物(日本化薬製「ィーエックスカラー IR— 14」) 0. 5部を配合した粘 着剤を剥離フィルムへ塗布した他は、転写シート作成例 4と同様に転写シートを作成 した。
[0269] (実施例 1)
転写シート作成例 1で作成した転写シートの一方の剥離フィルムを剥離し、これをメ ッシュ付き粘着シート作成例 1で作成したメッシュ付き粘着シートの金属メッシュ側に 貼り合わせた。この積層体のメッシュ付き粘着シート側からメタルハライドランプ 120 W/cmを用いて積算光量 700mj/cm2の紫外線を照射して、活性エネルギー線粘 着力消失型粘着剤の粘着力を消失させ、次いで粘着シートを剥離した。これにより転 写シートの粘着層上に金属メッシュが転写された。次いで、転写シート上のメッシュへ 剥離フィルムを貼り合わせ、さらにラミネーターを用いて温度 80°C、圧力 5kgZcm2 で押圧して、メッシュを転写シートの粘着層に埋め込み、電磁波シールド性光透過部 材を作成した。さらに、電磁波シールド光透過部材の一方の剥離フィルムを剥離し、
これに厚さ 2. 5mmの半強化ガラス板を貼り合わせて透明基材付電磁波シールド性 光透過部材を得た。
[0270] (実施例 2)
転写シート作成例 2で作成した転写シートの一方の剥離フィルムを剥離しこれをメッ シュ付き粘着シート作成例 2で作成したメッシュ付き粘着シートのメッシュ側に貼り合 わせた。この積層体のメッシュ付き粘着シート側からメタルノヽライドランプ 120Wを用 V、て積算光量 700mjZcm2の紫外線を照射して、活性エネルギー線粘着力消失型 粘着剤の粘着力を消失させ、次いで粘着シートを剥離した。これにより転写シートの 粘着層上にメッシュが転写された。転写シート上のメッシュに対して、転写シート作成 例 3で作成した転写シートの片面の剥離フィルムを剥離した粘着層を、ラミネーター を用いて温度 80°C、圧力 5kg/cm2で押圧し、メッシュを転写シートの粘着層へ埋め 込み、電磁波シールド性光透過部材を作成した。さらに電磁波シールド光透過部の 一方の剥離フィルムを剥離し、これに厚さ 2. 5mmの半強化ガラス板を貼り合わせて 透明基材付電磁波シールド性光透過部材を得た。
[0271] (実施例 3)
メッシュ付き粘着シート作成例 2で作成したメッシュ付粘着シートの基材用 PETフィ ルム側からメタルノヽライドランプ 120Wを用いて積算光量 700mj/cm2の紫外線を 照射して、活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤の粘着力を消失させた。転写シ ート作成例 4で作成した転写シートの片面の剥離フィルムを剥離してメッシュと貼り合 わせ、粘着シートの剥離を行った。これにより転写シートの粘着層上にメッシュが転写 された。次いで転写シート上のメッシュへ剥離フィルムを貼り合わせ、さらにラミネータ 一を用いて温度 80°C、圧力 5kg/cm2で押圧し、メッシュを転写シートへ埋め込んだ 後、メタルノヽライドランプ 120Wを用 V、て積算光量 400mj/cm2の紫外線を照射して 、活性エネルギー線硬化型粘着剤を硬化させて凝集力を付与し、電磁波シールド光 透過部材を作成した。さらに、電磁波シールド光透過部の一方の剥離フィルムを剥 離し、これを厚さ 2. 5mmの半強化ガラス板と貼り合わせて透明基材付電磁波シー ルド性光透過部材を得た。
[0272] (実施例 4)
実施例 1で使用した、転写シート作成例 1で作成した転写シートの代わりに、転写シ ート作成例 5で作成した転写シートを使用した他は、実施例 1と同様に行!ヽ電磁波シ 一ルド性光透過部材、および透明基材付電磁波シールド性光透過部材を得た。
[0273] (実施例 5)
実施例 3で使用した転写シート(転写シート作成例 4で作成した転写シート)の代わ りに、転写シート作成例 6で作成した転写シートを使用した他は、実施例 3と同様に行 V、電磁波シールド性光透過部材、および透明基材付電磁波シールド性光透過部材 を得た。
[0274] (実施例 6)
実施例 3の電磁波シールド性光透過部材の一方の剥離フィルムを剥離して、プラズ マディスプレイパネルと貼り合わせて電磁波シールド付プラズマディスプレイパネルを 得た。
[0275] (比較例 1)
メッシュ付き粘着シート作成例 3で作成したメッシュ付き接着シートの基材用 PETフ イルム面へ、転写シート作成例 1で作成した転写シートの片面の剥離フィルムを剥離 して貼り合せた。さらに、あらたな転写シート作成例 1で作成した転写シートの片面の 剥離フィルムを剥離して、該転写シートの粘着層をメッシュ側に貼り合わせ、ラミネー ターを用いて温度 80°C、圧力 5kgZcm2でメッシュを粘着層へ埋め込み、電磁波シ 一ルド光透過部材を作成した。さらに PETフィルム側の転写シート (転写シート作成 例 1で作成した転写シート)の剥離フィルムを剥離して、厚さ 2. 5mmの半強化ガラス 板を貼り合わせて透明基材付電磁波シールド性光透過部材を得た。
[0276] (特性の試験)
以上のように得られた電磁波シールド性光透過部材の粘着力、電磁波シールド性 、可視光透過率、歩留まりおよび透明基材付電磁波シールド性光透過部材の厚さを 測定した。測定結果を表 1に示す。
[0277] [粘着力]
引っ張り試験機 (テスター産業製「TE— 503」)を使用して JIS Z 0237で規定さ れた方法(幅 25mm、剥離角 180° 、剥離速度 300mmZmin)で 3mmのアクリル板
(クラレ製「コモグラス」)を被着体として測定した。なお、比較例 1は接着剤を使用した ため、被着体へ熱プレスした後の数値を粘着力とした。
[0278] [電磁波シールド性]
スペクトルアナライザー(アドバンテスト製「MS2601B」)、標準信号発生器 (アドバ ンテスト製「MG3602B」)、測定用(アドバンテスト製「MA8602B」)を使用して 10M Hz〜: LGHzの周波数範囲のうち、 100MHz〜lGHzの周波数範囲の電磁波シー ルド性を測定した。代表値として 100MHzと 1GHzの数値を表記した。
[0279] [可視光透過率]
分光光度計(日本分光製「V— 570」 )を使用して 400ηπ!〜 700nmの範囲で透過 率の平均値を測定した。
[0280] [電磁波シールド部材の歩留まり]
42インチサイズの電磁波シールド部材 100枚を製造して、歩留まり率を調べた。 (A)基材フィルムの傷つきによる廃棄枚数:電磁波シールド性光透過部材製造後に 基材用 PETフィルム表面を目視で観察した。製造ライン通過時のロール送りによる傷 つきを確認できた部材はディスプレイ用途で使用できないため廃棄した。なお、活性 エネルギー線粘着力消失型粘着剤を使用して製造した電磁波シールド性光透過部 材は、メッシュ形成時に基材用 PETフィルムへ傷つきが発生した場合でも、その後剥 離するため傷つきによる廃棄は 0枚であった。
[0281] (B)メッシュ開口部への異物付着による廃棄枚数:電磁波シールド部材製造後に、 倍率 10のルーペによりメッシュ部以外の被エッチング部(開口部)の異物付着を全数 観察し、電磁波シールド性光透過部材の開口部に 1個以上の異物を発見したときは ディスプレイ用途で使用できないため廃棄した。なお、活性エネルギー線粘着力消 失型粘着剤を使用して製造した電磁波シールド性光透過部材は、開口部に異物が 確認された場合でもメッシュ形成後に活性エネルギー線粘着力消失型粘着剤を剥 離するため、異物が残存しな!、ので廃棄は 0枚であった。
以上の (A)と (B)による廃棄枚数の合計から、製造した電磁波シールド部材 100枚 に対する歩留まり率を計算した。
[0282] [透明基材付電磁波シールド性光透過部材の厚さ]
半強化ガラス板へ貼り合わせた電磁波シールド性光透過部材の厚さを剥離フィル ムごとにノギスで計測し、剥離フィルムを差し引いた厚さを表記した。ただし、実施例 6 はプラズマディスプレイパネルへ直接貼り合わせたため、他の例とは単純比較できな い。よって、実施例 6については省略した。
[表 1]
表 1に示すように、メッシュ付き粘着シート作成例 3で作成したメッシュ付き接着シー トから作成した比較例 1の電磁波シールド性光透過部材は、基材用 PETフィルムの
傷つきやメッシュ開口部への異物付着により可視光透過率が低下して透明性が低い 。前記の要因により歩留まり率も低下している。
[0285] 一方で、本発明の構成による電磁波シールド性光透過部材は、製造時における基 材用 PETフィルムの傷つきやメッシュ開口部への異物付着も無いため、可視光透過 率が高いだけでなぐ歩留まり率も高い。これは 2枚の剥離フィルム間に、粘着剤と電 磁波シールド層を適正に含有させることにより、電磁波シールドの傷つき防止とメッシ ュ開口部に対する異物付着の防止を両立しているためである。
[0286] 本発明の電磁波シールド性光透過部材によって透明性に優れた電磁波シールド を得ることができた。さらに、本発明の電磁波シールド性光透過部材は、基材フィル ムを使用しな 、ため、プラズマディスプレイの薄膜ィ匕に寄与することができる。