WO2006121033A1 - メモリカード用アダプタ - Google Patents

Abstract

　非接触通信機能を有するメモリカードが装着された場合に、アンテナ回路との接続信頼性の向上と通信距離の確保を図れる小型メモリカード用アダプタを提供する。アダプタは、電気絶縁材料製のベースと、アダプタに装着されたメモリカードのＩ／Ｏ接続端子およびアンテナ接続用端子と電気的に接続するようにベースの内表面に配置される複数のコンタクトと、ベースの外表面に設けられるアンテナ回路とを具備する。メモリカードのアンテナ接続用端子に接続可能なコンタクトは、一端にアンテナ接続用端子に弾接するバネ片を有し、他端がベースに設けたスルーホールに挿入されてアンテナ回路と電気接続を形成する。

Description

明 細 書

メモリカード用アダプタ

技術分野

[0001] 本発明は、電気機器に設けられたメモリカード用ソケットに、より小型のメモリカード を使用可能にするためのメモリカード用アダプタに関するものである。

背景技術

[0002] 近年、デジタルカメラや携帯電話機などの電子機器におけるデータ記憶手段として 、フラッシュメモリのような不揮発性メモリを内蔵したメモリカード、例えば、 SDメモリ力 ードゃマルチメディアカード (MMC)が急速に普及している。また、携帯電話器など の電子機器の小型化に伴って、 SDメモリカードの外形をさらに小さくしたミニ SDカー ドゃマイクロ SDカードも提案されている。さら〖こ、 SDカードやミニ SDカードに非接触 通信機能を持たせた所謂スマート SDカードやミニスマート SDカードが提唱され、非 接触 ICカードに代わる大容量のメモリカードとして実用化が進められている。

[0003] ところで、この種のメモリカードにアンテナを内蔵させる場合は、メモリーカード自体 が小型であるため、アンテナの受信感度が低ぐ通信距離の確保が重要な課題とさ れている。例えば、 日本公開特許公報 2002- 279377号公報は、プラグイン型 IC力 ードを接触式および非接触式で使用することができるアダプタにつ 、て記載して 、る 。このアダプタは、プラグイン型 ICカードを収納する収納部を備えるとともに、一般の クレジットカードと同じ大きさのカード状ノヽウジングにアンテナ用コイルを内蔵させるこ とで通信距離の確保を図って ヽる。

[0004] し力しながら、通信距離を確保するのに十分な大きさのアンテナをアダプタに内蔵 すれば、アダプタ自体の大型化は避けられず、結果的にこのような大型アダプタを携 帯することは、小型メモリカードの携帯容易性という長所を低下させる。また、クレジッ トカードとほぼ同じ大きさを有するアダプタが挿入される電気機器にも相応の大きさの コネクタを設ける必要があり、専用のコネクタ形状の設計開発が新たに必要となったり 、そのような大きさのコネクタを搭載することによる電気機器自体の大型化が問題にな ると予想される。 発明の開示

[0005] そこで、本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その主たる目的は、非 接触通信機能を有するメモリカードが装着された場合に所望の通信距離を確保する ことができるとともに、メモリカードの接続端子とアンテナ回路との間の電気接続の信 頼性向上を図れるメモリカード用アダプタを提供することにある。

[0006] すなわち、本発明のメモリカード用アダプタは、一側に設けた挿入口を介して内部 にメモリカードを収容でき、電子機器のメモリカード用ソケットに接続可能なメモリカー ド用アダプタであって、電気絶縁性材料でなるベースと、前記アダプタ内に挿入され たメモリカードの iZo接続端子およびアンテナ接続用端子と電気的に接続するよう にベースの内表面に配置される複数のコンタクトと、前記ベースの外表面に設けられ るアンテナ回路と、前記ベースに設けたスルーホールを介して、前記メモリカードのァ ンテナ接続用端子に接続可能なコンタクトと前記アンテナ回路との間の電気接続を 形成する導電部材とを含むことを特徴とする。そして、前記電気接続の形成の特に好 ましい実施形態として、アンテナ接続用端子に接続可能なコンタクトが、一端にアン テナ接続用端子に弾接するバネ片を有し、他端が前記導電部材として機能し、スル 一ホール内に挿入されてアンテナ回路と電気接続を形成する。

[0007] 本発明によれば、メモリカードがアダプタに装着された時、アダプタ内に配置したコ ンタクトおよびベースのスルーホール内に配置した導電部材の使用により、メモリカー ドのアンテナ接続用端子とアンテナ回路との間の電気接続を信頼性よく提供すること ができる。したがって、非接触通信機能を有するメモリカードがアダプタに装着された 場合、 2次アンテナとしてアダプタに設けたアンテナ回路の使用により通信距離を延 ばすことができる。また、コンタクトはスルーホールを介してベースの外表面に設けた アンテナ回路に電気的に接続されるので、アンテナ回路を複数回ターンさせてベー スの外表面に形成される場合であっても、このようなループ状のアンテナパターンの 両端部に対応する位置にスルーホールを設けることで、アンテナパターンを立体交 差させることなく平面的に形成でき、結果としてアンテナ回路を印刷などの方法で容 易に形成できるという効果がある。特に、一端に小型メモリカードのアンテナ接続用 端子に弹接するバネ片を有するとともに、他端がスルーホール内に挿入されてアンテ ナ回路と接続されるコンタクトを使用する場合は、上記した効果を安定して達成でき ることに加えて、アダプタを構成する部品数の低減、しいては製造コストの削減を図 れるという効果がある。さらに、コンタクトの他端とアンテナ回路の接続に圧入や半田 接合などの周知の接続方法を用いることができると 、う長所もある。

[0008] 上記したアダプタにおいて、アンテナ回路は、ベースの外周縁に沿って形成される ループ状のアンテナパターンを有することが好ましい。この場合は、上記したように、 内部に導電部材が配置されるスルーホールの位置を適切に決定することで、ループ 状のアンテナパターンを立体交差させることなく平面的に形成できる。したがって、ベ 一スの外表面を効率よく活用してより大きなアンテナパターンをでき、さらなる通信距 離の延長を実現することができる。

[0009] また、アンテナ回路とベースの外表面との間に磁性体を配置することがさらに好まし い。この場合は、アンテナ回路と小型メモリカードとの間に配置された磁性体により磁 束密度が増して、アンテナ特性を向上させることができる。

[0010] また、アンテナ回路の表面に電気絶縁層を形成することが好ましい。この場合は、 アンテナ回路の表面を被覆した絶縁体により、メモリカード用アダプタをメモリカード 用ソケットに接続する際にアンテナ回路とソケットの金属部品とが接触して短絡事故 が発生するのを未然に防止することができる。

[0011] また、アンテナ回路は、高周波特性を調整するための電子部品を備えることが好ま しい。この場合は、電子部品によりアンテナ回路の高周波特性を調整することが可能 になる。この場合は、内部に電子部品が配置される凹部をベースに設けることが好ま しい。凹部内に電子部品を配置することで、限られたスペースに効率良く電子部品を 配置することができ、アダプタのさらなる小型を図る上で有効である。

[0012] また、本発明のアダプタのアンテナ回路を有するベースは、榭脂材料でなるベース に所定の回路パターンを一体成形して得られる立体回路成型部品で構成されること が好ましい。この場合は、アンテナ回路を有するベースの製造に立体回路形成技術 を採用することで、アダプタに挿入されるメモリカードの種類に応じて、アダプタ本体 の形状やスルーホールの位置を自在〖こ設計することができる。

[0013] 本発明のさらなる特徴およびその効果は、以下の発明を実施するための最良の形 態力 より明確に理解されるだろう。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1] (A)は本発明の好ましい実施形態に力かるメモリカード用アダプタの斜視図で あり、 (B)はメモリカードの端子配列を示す斜視図である。

[図 2] (A)は同アダプタの内部構造を示す斜視図であり、 (B)は同アダプタのベース 外表面に設けたアンテナ回路を示す斜視図である。

[図 3] (A)〜（C)は、アダプタ内のコンタクトとアンテナ回路との間に電気接続を形成 する手法を示す概略図である。

[図 4] (A)および (B)は、上記実施形態の変更例にかかるベースの外表面を示す斜 視図である。

[図 5] (A)はベースの内表面に設けた電子部品を示す部分斜視図であり、 (B)はべ 一スの外表面に設けた電子部品を示す部分斜視図である。

[図 6]内部に電子部品が収納される凹部を有するベースの部分斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

[0015] 以下、本発明のメモリカード用アダプタを好ましい実施形態に基づいて詳細に説明 する。尚、図中、 HL方向が上下方向、 FB方向が前後方向（メモリカードの挿抜方向 )、 LR方向が左右方向をそれぞれ示すものとする。

[0016] 本実施形態のメモリカード用アダプタ 1は、図 1 (A)、図 1 (B)および図 2 (A)に示す ように、ベース 3と、カバー 4と、金属シェル 5と、メモリカード (本実施形態ではミニスマ ート SDカードを使用） 50の 9個の IZO接続端子 53にそれぞれ接続可能な 9本のコ ンタクト 6と、メモリカードの拡張用の 2個の端子 53aにそれぞれ接続可能な 2本のコン タクト 9と、ライトプロテクト用の摘み 8とを主要な構成として備える。

[0017] 図 1 (A)および図 1 (B)に示すように、ミニスマート SDカード 50は扁平な略矩形板 状であって、 SDメモリカードに比べて外形が一回り小さぐアダプタ 1内に挿入される 先端部の一側には切欠部 51が設けられている。また、ミニスマート SDカード 50の裏 面には凹所 52が形成され、この凹所 52には前記した複数 (ミニスマート SDカード 50 の場合は 11個）の端子 53、 53aが並行に配設されている。尚、ミニスマート SDカード 50では、将来の拡張性を考慮して SDメモリカードよりも I/O接続端子の数が 2つ増 やされており、図 1 (B)中の中央にある 2つの端子 53aは拡張機能用に追加された端 子 (アンテナ接続用端子)である。

[0018] ベース 3は合成樹脂成型品からなり、図 2 (A)に示す内表面の形状がミニスマート S Dカードの片面側の形状に略対応するように形成されて!、る。ベース 3のメモリカード 挿入口側には略矩形状に凹没したカード収納部 3aが設けられ、メモリカード挿入口 と反対側にはコネクタ収納部 3bが設けられている。コネクタ収納部 3bにはベース 3を 厚み方向に貫通する矩形開口 3cが左右方向（LR方向）に 9個並べて形成されてい る。またベース 3の左右方向における片側には、摘み 8がスライド移動自在に取り付け られるロック用切欠部 3dが設けられて 、る。

[0019] 一方、カバー 4は合成樹脂成型品からなり、ミニスマート SDカード 50の先端部の他 面側の形状に略対応するように形成され、ベース 3のコネクタ収納部 3bおよび切欠 部 3dを覆うようにしてベース 3に接合される。また、ベース 3のカード収納部 3aは金属 シェル 5によって覆われており、ベース 3とカバー 4と金属シェル 5とでアダプタ本体 2 が構成される。また、ベース 3とカバー 4と金属シェル 5とで囲まれる空間（カード収納 部 3a)によりミニスマート SDカード 50が挿入されるカード収納室が構成され、ベース 3と金属シェル 5との間の前側開口によってカード挿入口 7が構成される。

[0020] ベース 3には、ミニスマート SDカード 50の I/O接続端子 53にそれぞれ接続される 9本のコンタクト 6と、アンテナ接続用端子 53aにそれぞれ接続される 2本のコンタクト 9が取り付けられる。コンタクト 6の各々は、一端部が斜め上側に折り曲げられた略短 冊状の端子片 6aと、他端部がカード収納室に向力つて突出する接触ばね片 6cと、 端子片 6aと接触ばね片 6cとの間を連結する固定片 6bとが一体に形成されてなる。 各コンタクト 6は、固定片 6bをベース 3とカバー 4との間に挟んだ状態でベース 3と力 バー 4を接合することによってアダプタ本体 2に固定され、この時コンタクト 6の各端子 片 6aはベース 3の矩形開口 3cを通して裏面側に露出される。また、各コンタクト 6の 接触ばね片 6cはカード収納部 3a内に突出しており、先端に行くほど金属シェル 5に 近付くように斜めに傾斜して 、る。

[0021] ベース 3のコネクタ収納部 3bには、ミニスマート SDカード 50の備える 2個のアンテ ナ接続用端子 53aに対応して 2個のスルーホール 3eが形成されており、図 2 (B)に示 すベース 3の裏面（アダプタ本体 2の外表面）には一方のスルーホール 3eを起点とし 、他方のスルーホール 3eを終点とするループ状のアンテナパターン 10が複数ターン (例えば 3ターン）によって形成されている。なお、図 3 (A)に示す形態ではアンテナ パターン 10が形成されたフレキシブルプリント基板 11をベース 3の裏面に貼り付けて いる力 アンテナパターン 10を印刷技術 (例えばスクリーン印刷やインクジヱット印刷 )を用いてベース 3の裏面に形成しても良 、。

[0022] 一方、アンテナ接続端子 53aに接続される 2本のコンタクト 9は、図 2 (A)及び図 3 ( A)に示すように、ベース 3のコネクタ収納部 3bに設けたスルーホール 3eに縦棒部分 を通してスルーホール 3eに半田接合される 字状の固定片 9aと、固定片 9aの一端 力もカード収納室に向力つて突出する弹接ばね片 9bとを一体に形成してなる。コンタ タト 9は、固定片 9aがスルーホール 3e内に挿入された状態で弹接ばね片 9bがカード 収納部 3a内に突出するようにベース 3とカバー 4との間に配置される。カード収納部 3 a内に突出する各コンタクト 9の弹接ばね片 9bは、先端に行くほど金属シェル 5に近 付くように斜めに傾斜しており、カード収納部 3a内にミニスマート SDカード 50を挿入 すると、弹接ばね片 9aがミニスマート SDカード 50の備えるアンテナ接続端子 53aに 弾接する。

[0023] スルーホール 3eには、孔の内周面の全体に導電層（図示せず）が形成されており、 固定片 9aはスルーホール 3eにおける裏面側（図 3 (A)の下面側）の端部で半田ぺー スト 12により半田接合され、コンタクト 9とアンテナパターン 10とが電気的に接続され る。このように、コンタクト 9はスルーホール 3eを介してアダプタ本体 2の外表面に形成 されたアンテナ回路に電気的に接続されているので、アンテナ回路が複数ターンの ループ状のアンテナパターン 10で構成される場合でもスルーホールの位置をアンテ ナパターン 10の両端部に対応する位置に設けることで、ループ状のアンテナパター ン 10を立体的に交差させることなく平面的に形成することができ、アンテナ回路を印 刷などの方法で容易に形成することができる。また、アンテナパターン 10は、ミニスマ ート SDカードと略同じ形状に形成されたアダプタ本体 2の外表面に形成されている ので、アダプタ本体 2が大型化することなぐ外部アンテナ又は二次アンテナを備え た小型のメモリカード用アダプタを実現することができる。 [0024] 尚、スルーホール 3eの孔の内周面には導電層が全体に形成されているので、固定 片 9aとスルーホール 3eとを電気的に接続する際、固定片 9aをスルーホール 3eのァ ダプタの内部に開口する側（図 3 (A)のベース 3の上面側）で半田ペースト等により半 田接合しても良ぐスルーホール 3eのアダプタの外部に開口する側（図 3 (A)のべ一 ス 3の下面側）やスルーホール 3eの中間部の何れの部位でも固定片 9aとの電気的 接続を図ることができる。従って、電気接続の信頼性の向上を図れるとともに、コンタ タト 9の組立の自由度が向上し、より製造し易い構造にベース 3およびコンタクト 9を形 成することができる。

[0025] また、図 3 (B)〖こ示すように、ベース 3の裏面（下面）側でスルーホール 3eの周囲に 凹部 3fを形成しても良ぐこの場合は凹部 3f内で固定片 9aをスルーホール 3eに半 田ペースト 12により接合すれば良い。また、固定片 9aを圧入によりスルーホール 3e に固定しても良ぐ固定片 9aをスルーホール 3eに圧入する場合には、固定片 9aの側 面にノッチ等を形成して、スルーホール 3eに圧入すれば良い。尚、固定片 9aをスル 一ホール 3eに圧入する場合、圧入に加えて固定片 9aを力しめることで、コンタクト 9 の保持強度を高めることも好ましぐ組立中や組立完了後もベース 3に対してコンタク ト 9を確実に保持させることができる。固定片 9aを力しめにより固定する場合は、図 3 ( C)に示すように、スルーホール 3eからベースの裏面（下面)側に突出する固定片 9a の先端を側方に曲げることによって、固定片 9aをベース 3に固定しても良いし、固定 片 9aの先端 (ダボ）を潰すことによってベース 3に固定しても良い (所謂ダボ力しめ）。 さらに、固定片 9aの先端に Vノッチを形成して先端部の幅を広げることによりベース 3 に固定することも好ましい。尚、図 3 (B)および図 3 (C)に示す概略断面図において は、アンテナパターン 10の図示を省略してある。

[0026] ところで、図 4 (A)に示すように、ベース 3とアンテナパターン 10との間に四角枠状 に形成された薄膜の磁性体シート 13を配置すれば、磁束密度が増して非接触通信 の通信距離を伸ばすことができる。上述のように、アンテナパターン 10は平面的に形 成されているので、アンテナパターン 10とベース 3との間に磁性体シート 13を容易に 形成することができ、また磁性体シート 13の表面にアンテナパターン 10を形成するこ とも容易に実施できる。なお、磁性体シート 13は、アンテナパターン 10が形成されて いるベース 3の部位のみに配置しても良いし、ベース 3の裏面（下面）の略全体に形 成しても良い。また、ベース 3の厚みを薄くすれば、磁性体シート 13の厚みをその分 だけ厚くすることができ、磁性体シート 13の厚みを厚くすることで磁束密度を増やし て、非接触通信の通信距離をさらに伸ばすことが可能になる。但し、ベース 3の厚み を薄くすると、ベース 3の強度が低下する恐れがあるが、その場合は、磁性体シート 1 3の代わりに強度の高!、板状の磁性体を用い、厚みを薄くしたベース 3に磁性体を貼 り付けることによってベース 3の強度を確保し、且つ非接触通信の距離を伸ばすこと ができる。また、磁性体シート 13に比べて板状の磁性体の方が一般的に磁性体物質 の密度が高いので、磁束密度がさらに増え、非接触通信の通信距離をさらに伸ばす ことができる。尚、ベース 3に磁性体シート 13や板状の磁性体を貼り付ける代わりに、 アンテナパターン 10が形成されるベース 3の部位、或いはベース 3の裏面のほぼ全 体を板状の磁性体で構成しても良ぐ板状の磁性体の厚みを厚くできるので、上記と 同様に通信距離の伸ばす観点から好まし 、。

[0027] また、図 4 (B)に示すように、アンテナパターン 10の表面を覆うようにして絶縁体層 1 4を形成するのも好まし 、。絶縁体層 14によりアンテナパターン 10の表面を絶縁する ことによって、メモリカード用アダプタ 1を他の電気機器に設けたコネクタ（図示せず） に接続する際にアンテナパターン 10がコネクタの金属部品に接触して短絡などの事 故が発生するのを防止することができる。絶縁体層 14は、アンテナパターン 10の表 面に絶縁性の接着剤を塗布することによって形成しても良いし、アンテナパターン 10 の表面に絶縁テープを貼り付けて形成しても良い。また、絶縁体層 14は、アンテナ パターン 10が形成されているベース 3の部位のみに形成しても良いし、ベース 3の裏 面の略全体に形成しても良い。尚、アンテナパターン 10は平面的に形成されている ので、絶縁性の接着剤を塗布したり、絶縁テープを貼り付ける絶縁処理が 1回で済み 、絶縁体層 14の形成工程を容易に行なえると 、う長所もある。

[0028] また、上述の実施形態の変更例として、図 5 (A)に示すように、スルーホール 3eから ベース 3の内側に向かって突出する 2本のコンタクト 9の固定片 9aの間に電子部品（ 例えばチップコンデンサ） 15を実装し、この電子部品 15によってアンテナパターン 1 0の高周波特性を調整することが好ましい。これにより、アンテナパターン 10の高周 波特性を使用条件に合わせて最適に調整することができる。尚、この場合は、アンテ ナパターン 10と電子部品 15とでアンテナ回路が構成される。

[0029] 図 5 (A)に示す形態では電子部品 15をコンタクト 9の固定片 9a間に直接実装して いるが、ベース 3のスルーホール 3e周囲の領域に実装用回路を形成し、これに電子 部品 15を実装しても良い。さらに、図 5 (B)に示すように、ベース 3の裏面（下面)側に おいてスルーホール 3e間に電子部品 15を実装しても良い。特に、図 6に示すように 、ベース 3の裏面側でスルーホール 3eの周りに深さ寸法が電子部品 15の高さ寸法と 略同じ凹部 16を形成し、この凹部 16内で両スルーホール 3eの間に電子部品 15を 実装することが好ましい。この場合は、限られたスペースに電子部品 15を効率良く実 装でき、アダプタの小型化を図る上で効果的である。

[0030] 尚、本実施形態では合成樹脂製のベース 3の外表面に印刷によりアンテナパター ン 10を形成しているが、アンテナ回路が導電めつきにより形成された立体回路成型 部品（MID)でベース 3を構成しても良ぐアダプタ本体 2の一部又は全体を立体回 路成形部品で構成することによってベース 3の凹凸形状やスルーホールの位置など を自在に設計することができ、アダプタに挿入されるメモリカードの種類に応じて適切 なアダプタ本体 2を比較的容易に製造することができる。

[0031] このようなメモリカード用アダプタ 1にミニスマート SDカード 50を装着するにあたって は、ミニスマート SDカード 50を正規な方向に向けてメモリカード用アダプタ 1のカード 揷入口 7からカード収納部 3a内に挿入すると、ミニスマート SDカード 50の IZO接続 端子 53が各コンタクト 6の弹接ばね片 6cに摺接して電気的に接続されるとともに、弹 接ばね片 6cのばね力によってミニスマート SDカード 50がカード収納部 3a内に保持 される。また、この時、ミニスマート SDカード 50の拡張用端子 53aは各コンタクト 9の 弹接ばね片 9bに摺接し、固定片 9aを介してアンテナパターン 10に電気的に接続さ れる。一方、ミニスマート SDカード 50を取り外す際には、カード挿入口 7から露出す るミニスマート SDカード 50の部分を摘んで手前に引くと、ミニスマート SDカード 50を アダプタ 1から容易に取り外すことができる。

[0032] ところで、本実施形態ではミニスマート SDカード 50に対応したメモリカード用ァダプ タを例示した力 メモリカード用アダプタの対応するメモリカードはミニスマート SD力 ードに限定されな 、。マイクロスマート SDカードや他の非接触通信機能を有するメモ リカード用アダプタについても本実施形態と同様の構成を採用することが可能である

[0033] また、上記説明は、本発明のメモリカード用アダプタの構造についてその一例を示 すものであり、本発明は、上記実施形態の特定の構造に制約されない。従って、本 発明の個々の実施において、本発明の技術思想を逸脱しない限り種々の変更を必 要に応じてカ卩えてもよい。

産業上の利用可能性

[0034] 上記のように、本発明のメモリカード用アダプタによれば、ベースのスルーホール内 に配置されたコンタクトの一端 (導電部材）がスルーホールを介してアンテナ回路に 接続されており、小型メモリカードがアダプタ内に挿入されると、メモリカードのアンテ ナ接続用端子がコンタクトの他端に弾接される。これにより、挿入されたメモリカード のアンテナ接続用端子とアンテナ回路との間の接触信頼性を確保できるとともに、 2 次アンテナであるアンテナ回路の使用により通信距離を延ばすことができる。また、 既存のミニ SDカード用アダプタと基本的な構成において同じとすることができるので 、アダプタを挿入可能な専用のコネクタを新たに設計し直す必要がなぐ既存のコネ クタとの互換性が高いという長所もある。したがって、今後需要の拡大が予想される非 接触通信機能を有するメモリカード、例えば、ミニスマート SDカードに適したアダプタ としての実用化が期待される。

Claims

請求の範囲

[1] 一側に設けた挿入口を介して内部にメモリカードを収容でき、電子機器のメモリカー ド用ソケットに接続可能なメモリカード用アダプタであって、

電気絶縁性材料でなるベースと、

前記アダプタ内に挿入されたメモリカードの iZo接続端子およびアンテナ接続用端 子と電気的に接続するように前記ベースの内表面に配置される複数のコンタクトと、 前記ベースの外表面に設けられるアンテナ回路と、

前記ベースに設けたスルーホールを介して、前記メモリカードのアンテナ接続用端子 に接続可能なコンタクトと前記アンテナ回路との間の電気接続を形成する導電部材と を含むことを特徴とするメモリカード用アダプタ。

[2] 前記アンテナ接続用端子に接続可能なコンタクトは、一端に前記メモリカードのアン テナ接続用端子に弾接するバネ片を有し、他端が前記導電部材として前記スルーホ ール内に挿入され、前記アンテナ回路と電気接続を形成することを特徴とする請求 項 1に記載のメモリカード用アダプタ。

[3] 前記アンテナ回路は、前記ベースの外周縁に沿って形成されるループ状のアンテナ ノターンを含むことを特徴とする請求項 1に記載のメモリカード用アダプタ。

[4] 前記アンテナ回路とベースの外表面との間に配置される磁性体を含むことを特徴と する請求項 1に記載のメモリカード用アダプタ。

[5] 前記アンテナ回路の表面に形成される電気絶縁層をさらに含むことを特徴とする請 求項 1に記載のメモリカード用アダプタ。

[6] 前記アンテナ回路が高周波特性を調整するための電子部品を備えることを特徴とす る請求項 1に記載のメモリカード用アダプタ。

[7] 前記ベースは、内部に前記電子部品が配置される凹部を有することを特徴とする請 求項 6に記載のメモリカード用アダプタ。

[8] 前記アンテナ回路を有するベースは、榭脂材料でなるベースに所定の回路パターン を一体成形して得られる立体回路成型部品で構成されることを特徴とする請求項 1に 記載のメモリカード用アダプタ。