WO2004093493A1 - 骨伝導型補聴器 - Google Patents

Abstract

装着していることが外部からは全く分らず、また、電力消費量を極力抑えることができる骨伝導型補聴器を提供することを課題とするものであって、集音用マイクロホンと音声信号送信手段とを含む送信部と、前記送信部から分離されていて、上顎に密着する形状に成形した保形材内に骨伝導スピーカと音声信号受信手段とを配設して成る出力部とで構成され、前記音声信号送信手段と前記音声信号受信手段間で音声信号の無線送受信を可能にして成る骨伝導型補聴器。

Description

明 細 書

発明の名称

骨伝導型補聴器 技術分野

本発明は骨伝導型補聴器、 より詳細には、 スピーカとして音声信号を骨 の振動によって伝達する骨伝導スピーカを用いた骨伝導型補聴器に関する ものである。 背景技術

一般の補聴器は、 音声を空気の振動として伝達する音圧型のスピーカを 用いているが、 近時、 音声信号を骨の振動として伝達するために外音の影 響を受けにくい、 骨伝導スピーカを用いた骨伝導タイプの補聴器が出回つ てきている。

骨伝導タイプの補聴器の場合、 そのスピーカ部を頭蓋骨の一部に圧着さ せて使用する必要があるため、 その装着には、 例えば、 一端部に骨伝導ス ピー力 3 1を取り付けたへッドバンド 3 2を介し、 当該骨伝導スピーカ 3 1を側頭部の耳周辺部に押し付ける方法 (図 4参照）、 あるいは、端部に骨 伝導スピー力 3 1を設置したメガネのつる 3 3を介し、 当該骨伝導スピー 力 3 1を耳の後側部分に密着させる方法 (図 5参照) 等が採られる。 その ため、 補聴器を使用していることが、 直ちに露見してしまう。

また、 骨伝導タイプのスピーカを用いる場合は、 音声振動を頭蓋骨に伝 達する必要があるため、 一般の音圧型スピーカを用いる場合に比較して、 電力消費量が大となる欠点がある。 発明の開示

上述したように、 従来の骨伝導型補聴器の場合には、 一見して装着して いることが分ってしまうため、 装着していることを知られたくない人にと つては不都合であり、 また、 電力消費量が大となる欠点があつたので、 本 発明はそのような問題のない、 即ち、 装着していることが外部からは全く 分らず、 また、 電力消費量を極力抑えることができる骨伝導型補聴器を提 供することを課題とする。

歯は、 音声振動を骨伝導によって最も効率よく伝達する場所であること が知られているが、 本発明者らはかかる知見から本発明をなすに至ったも ので、 上記課題を解決するための本発明に係る骨伝導型補聴器は、 集音用 マイクロホンと音声信号送信手段とを含む送信部と、 前記送信部から分離 されていて、 上顎に密着する形状に成形した保形材内に骨伝導スピー力と 音声信号受信手段とを配設して成る出力部とで構成され、 前記音声信号送 信手段と前記音声信号受信手段間で音声信号の無線送受信を可能にして成 る。

好ましくは、 前記保形材の中央厚肉部に振動部設置用空間部を設け、 該 空間部の内壁に前記骨伝導スピーカを固定することとし、 また、 前記音声 信号受信手段を前記保形材の肉中に埋設する。

更に好ましくは、 前記保形材の外周部に、 歯間の窪みに対応する突部を 設け、 また、 前記保形材の外周部に、 歯をグリップするフックを適宜数設 ける。 総入れ歯等の場合には、 前記保形材に義歯が取り付けられる。 図面の簡単な説明

第 1図は、 本発明に係る骨伝導型補聴器を示す図である。 第 2図は、 本 発明に係る骨伝導型補聴器の縦断面図である。 第 3図は、 本発明に係る骨 伝導型補聴器の拡大断面部分図である。 第 4図は、 従来の骨伝導型補聴器 の一構成例を示す図である。 第 5図は、 従来の骨伝導型補聴器の他の構成 例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明の実施の形態につき添付図面に依拠して説明する。 図 1は、 本発 明に係る骨伝導型補聴器の一実施形態を示すもので、 図中 1は、 骨伝導ス ピー力 2と受信回路 3とから成る振動部 5と、 一般の上顎義歯と同様形状 に形成した保形材 4とから成る出力部で、 振動部 5は保形材 4の中央厚肉 部内に埋設する。

保形材 4は、 一般の上顎義歯と同様の樹脂製で、 上顎に密着する形状に 成形する。 保形材 4の中央部分は比較的厚くすることができるので、 そこ に振動部 5を埋設することは容易である。 通例、 振動部 5は、 保形材 4の 中央厚肉部内に空間部 8を設け、 その空間部 8の内壁に骨伝導スピー力 2 の振動板 2 aを固定する方法によつて装填する（図 3参照）。受信回路 3は、 保形材 4中に埋人することができる。

保形材 4の周縁には、 歯間の窪みに入り込む突部 4 aを設け、 任意の突 部 4 aに、 歯をダリップするための針金状のフック 6を配備する。 一番奥 の第二大臼歯をダリップするフック 6は、他のものより大きなものとなる。 保形材 4はこのフック 6により、 また、 必要に応じて入れ歯安定剤を用い て上顎部に固定する。 使用者が総入れ歯等の場合は、 常法により、 保形材 4に義歯が取り付けられる。

受信回路 3に音声信号を無線送信するための送信部 7は、 利用者がボケ ットに入れる等して所持する。 送信部 7は、 集音用のマイクロホンと送信 回路とを備える。 無線となる送受信手段としては、 微弱電波を使うもの、 ループアンテナを使った電磁誘導タイブのもの等を利用することができる。 この構成の場合、 送信部 7から送られる音声信号は、 受信回路 3で受信 され、 骨伝導スピーカ 3を介して振動として、 歯から顎骨に伝達され、 聴 覚器官を介して音声として聴取される。

この骨伝導型補聴器は、 使用時に、 振動部 5を備えた保形材 4で構成さ れる出力部 1を上顎に密着状態に固定し、 送信部 7をポケット等に入れて 所持する。 会話時等における音声は、 送信部 7の集音用マイクロホンによ つてピックアップされ、 送信回路から送信されて受信回路 3によつて受信 される。 受信された音声信号は、 増幅されて骨伝導スピーカ 2によって振 動に変換され歯に伝達され、 骨伝導音として聴取される。 産業上の利用の可能性

本発明は上述した通りであって、 骨伝導スピー力と受信回路が外部から は見えない上顎義歯の保形材内に埋設されるため、 補聴器を使用している ことが露見するおそれがなく、 使用していることを知られたくない人が用 いるのに好適である。

また、 骨伝導スピーカが歯を直接振動させるので、 骨伝導方式としては最 も効率のよい音声伝達が可能となり、 以て電力消費を極力抑え得る効果が あるので、 利用可能 1~生は大である。

Claims

請求の範囲

1 集音用マイクロホンと音声信号送信手段とを含む送信部と、 前記 送信部から分離されていて、 上顎に密着する形状に成形した保形材内に骨 伝導スピー力と音声信号受信手段とを配設して成る出力部とで構成され、 前記音声信号送信手段と前記音声信号受信手段間で音声信号の無線送受信 を可能にして成る骨伝導型補聴器。

2 前記保形材の中央厚肉部に振動部設置用空間部を設け、 該空間部 の内壁に前記骨伝導スピー力を固定した請求項 1に記載の骨伝導型補聴器。 3 前記音声信号受信手段を前記保形材の肉中に埋設した請求項 1又 は 2に記載の骨伝導型補聴器。

4 前記保形材の外周部に、 歯間の窪みに対応する突部を設けた請求 項 1乃至 3のいずれかに記載の骨伝導型補聴器。

5 前記保形材の外周部に、 歯をグリップするフックを適宜数突設し た請求項 1乃至 4のいずれかに記載の骨伝導型補聴器。

6 前記保形材に義齒が取り付けられた請求項 1乃至 5のいずれかに 記載の骨伝導型補聴器。