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JPWO2011065337A1 - リン酸化合物の製造方法および二次電池の製造方法 - Google Patents

リン酸化合物の製造方法および二次電池の製造方法 Download PDF

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JPWO2011065337A1 JP2011543249A JP2011543249A JPWO2011065337A1 JP WO2011065337 A1 JPWO2011065337 A1 JP WO2011065337A1 JP 2011543249 A JP2011543249 A JP 2011543249A JP 2011543249 A JP2011543249 A JP 2011543249A JP WO2011065337 A1 JPWO2011065337 A1 JP WO2011065337A1
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Abstract

特性や信頼性に優れるリン酸化合物のオリビン型結晶質粒子を安価にかつ簡便に製造することを可能にしたリン酸化合物の製造方法を提供する。特に二次電池用正極材料として有用なリン酸化合物の製造方法を提供する。AxMyP3Oz(元素AはLiおよびNaからなる群より選ばれる少なくとも1種、元素MはFe、Mn、Co、およびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種、元素Mの価数Nは+2<N≦+4、0<x<4、0<y<3)で表される組成を有する化合物(Y)の固体粒子と、元素Mを含む化合物(Z)とを、AaMbPOw(0<a<2、0.8<b<1.2)の組成となるように調合し、調合物を粉砕しつつ混合した後、不活性ガス中または還元ガス中で加熱し、固相反応により、AaMbPOw(Aは化合物(Y)に由来し、Mは化合物(Y)および化合物(Z)に由来する)で表される組成を有するリン酸化合物(X)の粒子を得る。

Description

本発明はリン酸化合物の製造方法および二次電池の製造方法に関する。
近年、携帯電話やノート型パソコン等の携帯型電子機器、電動工具等の電源として、リチウムイオン二次電池が広汎に使用されている。リチウムイオン二次電池の正極材料としては、層状岩塩型LiCoO2が多く採用されている。しかし、層状岩塩型LiCoO2は安全性が不十分で、またCoは資源的に乏しい元素であり、高価で価格変動が大きい等の問題を有している。さらに、電気自動車やハイブリッド車等の開発、普及に向けて、リチウムイオン二次電池には安全性を維持しつつ、大幅な高容量化と大型化とが求められている。
一方、資源面、安全面、コスト面、安定性等の観点から、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)に代表されるオリビン型のリン酸化合物(LiMPO4(Mは遷移金属元素である))が次世代のリチウムイオン二次電池用の正極材料として注目されている(特許文献1、2参照)。オリビン型リン酸化合物(LiMPO4)の合成方法としては、固相反応法、水熱合成法、共沈法等が知られている。
特許文献2には、下式(1)で表される固相反応にしたがってLiMPO4(Mは遷移金属元素)を製造する方法が記載されている。
Li2CO3+2[M(COO)2・2H2O]+2(NH42HPO4
→ 2LiMPO4+3CO2+2CO+4NH3+7H2O …(1)
元素Mを含む化合物として有機酸塩であるシュウ酸塩を用いており、それ自体が高価であるという難点を有する。また、原料の混合粉砕にはエタノールやアセトン等の有機溶媒を用いる必要があり、製造コストが高くなる。
さらに、原料の分解に伴う気体の発生量が多く、式(1)においては1モルのLiMPO4を得るために8モルの気体が発生する。気体の発生は処理を必要とする気体種を含むだけでなく、LiMPO4の生成や粒成長を阻害する。2段階加熱、すなわち原料混合物を300〜400℃で加熱して気体を発生させ、次いで解砕、粉砕、成形等をした後、再び600〜800℃で加熱してLiMPO4粒子を製造する必要がある。元素Mを含む化合物として酢酸塩やクエン酸塩等の有機酸塩を用いる場合にも同様にして製造されるため、同様の難点を有する。
LiMPO4は従来の正極材料に比べて電気抵抗が高いため、リチウムイオン二次電池の正極材料として用いた場合に、充放電時におけるリチウムの挿入・脱離反応が遅くなり、その結果として二次電池の容量が理論上の値に比べて低下しやすいという難点がある。特許文献3には、粒子内部に炭素からなる導電パスを組み込むことによって、LiMPO4粒子の導電性を改善することが記載されている。しかしながら、元素Mを含む化合物として有機酸塩を用いた固相反応法では、焼成時の反応や体積変化で導電パスを充分に形成できないおそれがある。
特許文献4には、下式(2)で表される固相反応にしたがってLiMPO4(Mは遷移金属元素)を製造する方法が記載されている。
3Li2CO3+2[M3(PO42・8H2O]+2(NH42HPO4
→ 6LiMPO4+3CO2+4NH3+19H2O …(2)
式(1)による製造方法に比べて、製造コストが安く、また気体の発生量も少ないものの、元素Mを含む化合物として用いるリン酸塩(M3(PO42・8H2O)が高価であることから、LiMPO4の製造コストを充分に低減することはできない。
特許文献5および特許文献6には、下式(3)で表される固相反応にしたがってLiMPO4を製造する方法が記載されている。
Li3PO4+M3(PO42・nH2O → 3LiMPO4+nH2O …(3)
反応が単純であり、有害気体の発生もないものの、元素Mを含む化合物として用いるリン酸塩(M3(PO42・nH2O)が高価であることから、LiMPO4の製造コストを充分に低減することはできない。また、リン酸鉄リチウム等のリン酸化合物の組成制御が難しい。
特許文献7には、Li2O、Fe23等のMの酸化物、およびP25等からなる混合物を溶融し、この溶融物を急冷して前駆体ガラスを形成した後、該前駆体ガラスに熱処理を施して、LiMPO4(Mは遷移金属元素である)で表される化合物からなる結晶粒子を製造する方法が記載されている。粒子製造時の気体発生がなく、また粒子の大量生産が可能である利点を有する。しかし、前駆体ガラスの組成におけるガラス化範囲が狭く、LiMPO4粒子の組成制御が難しい。
特開平09−134724号公報 特開平09−134725号公報 特開2003−203628号公報 特開平09−171827号公報 特開2003−292308号公報 特開2003−292309号公報 特開2009−087933号公報
本発明の目的は、オリビン型リン酸化合物の組成制御性や製造性等を高めることによって、特性や信頼性に優れるリン酸化合物を安価にかつ簡便に製造することを可能にしたリン酸化合物の製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の[1]〜[15]の発明である。
[1]Axy3z(式中、元素AはLiおよびNaからなる群より選ばれる少なくとも1種、元素MはFe、Mn、Co、およびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、かつ、元素Mの価数Nは+2<N≦+4であり、xは0<x<4、yは0<y<3であり、zはx、yの数値および元素Mの価数Nに依存する数である。)で表される組成を有する化合物(Y)の固体粒子と、
Fe、Mn、Co、およびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素Mを含む化合物(Z)とを、固相反応により反応させて、
abPOw(式中、AおよびMは前記と同じ意味を示し、Aは化合物(Y)に由来し、Mは化合物(Y)および化合物(Z)に由来し、aは0<a<2、bは0.8<b<1.2であり、wはa、bの数値および元素Mの価数に依存する数である。)で表される組成を有するリン酸化合物(X)を製造する方法であって、
前記化合物(Y)の固体粒子と前記化合物(Z)とを前記リン酸化合物(X)となる割合に調合して調合物を得る工程と、
前記調合物を粉砕しつつ混合して混合物を得る工程と、
前記混合物を不活性ガス中または還元ガス中で加熱して、固相反応により前記リン酸化合物(X)を得る工程と
を含むことを特徴とするリン酸化合物の製造方法。
[2]化合物(Y)の固体粒子が結晶質物である、[1]のリン酸化合物の製造方法。
[3]結晶質物である化合物(Y)の固体粒子が、Axy3zで表される組成を有する化合物の固体粒子を空気中または酸素分圧が0.21を超えて1.0以下の酸化ガス中で加熱処理して得られる固体粒子である、[2]のリン酸化合物の製造方法。
[4]化合物(Y)の固体粒子が非晶質物である、[1]のリン酸化合物の製造方法。
[5]非晶質物である化合物(Y)の固体粒子が、Axy3zで表される組成を有する化合物の溶融物を−100℃/秒〜−1×1010℃/秒の冷却速度で冷却して得られる固体粒子である、[4]のリン酸化合物の製造方法。
[6]前記化合物(Y)の固体粒子が、A32312で表される組成を有する化合物の固体粒子である、[1]〜[5]のいずれかのリン酸化合物の製造方法。
[7]前記元素AがLiである、[1]〜[6]のいずれかのリン酸化合物の製造方法。
[8]前記化合物(Z)が、前記元素Mの酸化物である、[1]〜[7]のいずれかのリン酸化合物の製造方法。
[9]前記化合物(Z)が、Fe23、Fe34、およびMnO2からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[8]のいずれかのリン酸化合物の製造方法。
[10]前記調合物が、有機化合物および炭素粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭素源を含む、[1]〜[9]のいずれかのリン酸化合物の製造方法。
[11]前記調合物中の炭素源量が、炭素量に換算した質量として、炭素源を含む調合物の質量(ただし、炭素源の質量は炭素量に換算した質量とする)に対して0.1〜20質量%である、[10]のリン酸化合物の製造方法。
[12]前記得られるリン酸化合物(X)が、オリビン型の結晶質粒子である、[1]〜[11]のいずれかのリン酸化合物の製造方法。
[13]前記得られるリン酸化合物(X)が、LiFecMn1-cPO4(0≦c≦1)で表される組成のオリビン型の結晶質粒子、またはLiFePO4で表される組成のオリビン型の結晶質粒子である、[1]〜[12]のいずれかのリン酸化合物の製造方法。
[14]前記[1]〜[12]のいずれかの製造方法によってリン酸化合物(X)を得て、次に該リン酸化合物(X)を二次電池用正極材料に用いて二次電池用正極を製造することを特徴とする二次電池用正極の製造方法。
[15]前記[14]の製造方法で二次電池用正極を得て、次に、該二次電池用正極を用いて二次電池を製造すること特徴とする二次電池の製造方法。
本発明のリン酸化合物の製造方法によれば、リン酸化合物の組成の制御がしやすいため、リン酸化合物を安価にかつ特別な装置や反応条件を用いることなく製造することができる。したがって、特性や信頼性に優れるリン酸化合物および二次電池を安価にかつ簡便に製造できる。
実施例6で使用した化合物(Y)とそれを用いて製造したオリビン型リン酸化合物粒子のX線回折パターンを示す図である。(a)は化合物(Y)の非晶質粒子のX線回折パターン、(b)は(a)の非晶質粒子を加熱して得た結晶質粒子のX線回折パターン、(c)は(a)の非晶質粒子を用いて本発明の方法で製造されたオリビン型リン酸化合物粒子(結晶質粒子)のX線回折パターンである。 実施例9で製造したオリビン型リン酸化合物粒子(結晶質粒子)のX線回折パターンを示す図である。 実施例10で製造したオリビン型リン酸化合物粒子(結晶質粒子)のX線回折パターンを示す図である。
<リン酸化合物(X)の製造方法>
本発明のリン酸化合物(X)の製造方法は、化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)とを、固相反応により反応させて、リン酸化合物(X)の固体粒子を製造する方法である。この本発明の製造方法は、以下の(1)、(2)、(3)の工程を、この順で行う。
(1)化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)とをリン酸化合物(X)となる割合に調合して調合物を得る工程(以下、調合工程ともいう)。
(2)前記調合物を粉砕しつつ混合して混合物を得る工程(以下、混合工程ともいう)。
(3)前記混合物を不活性ガス中または還元ガス中で加熱して、固相反応により前記リン酸化合物(X)得る工程(以下、加熱工程ともいう)。
なお、各工程前、工程間および工程後には、各工程に影響を及ぼさない限り、他の工程を行ってもよい。
各化合物および各工程について以下に詳述する。なお、リン酸化合物(X)を以下単に化合物(X)ともいう。
(リン酸化合物(X))
本発明の目的物は下記式(5)で表される組成を有するリン酸化合物(X)である。
abPOw …(5)
式中、元素AはLiおよびNaからなる群より選ばれる少なくとも1種、元素MはFe、Mn、Co、およびNiから選ばれる少なくとも1種であり、かつ、元素Mの価数N'は+2≦N'≦+4である。また、aは0<a<2、bは0.8<b<1.2であり、wはa、bの数値および元素Mの価数N'に依存する数である。また、wの値は式(a+bN'+5)/2から求められる。
化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)との固相反応で得られる化合物(X)は固体であり、通常は化合物(X)の粒子として得られる。本発明における固相反応においては生成物が一次粒子として生成しやすく、微細な粒子が得られる。得られる粒子が二次粒子を含んでいる場合や二次粒子からなる場合は、粉砕して微細な粒子とすることができる。
本発明の製造方法で得られる化合物(X)の粒子は、通常、結晶質の粒子である。ただし、非晶質部分を含む結晶質粒子であってもよい。好ましくは、本発明の製造方法では、非晶質部分が少ない(ないしは、実質的に非晶質部分が存在しない)結晶質粒子を製造する。また、結晶質の粒子は、オリビン型の結晶質粒子であることが好ましい。
また、本発明の製造方法で得られる化合物(X)の粒子としては固溶体の粒子である場合もある。すなわち、上記式(5)で表される組成の範囲内にある2種以上の結晶の混合物(混晶)であることもある。
元素Aとしては、Liが特に好ましい。元素AがLiである化合物(X)(すなわち、LiabPOwで表される組成を有するリン酸化合物)のオリビン型結晶質粒子からなる粉末は、正極材料に好適である。Liを含むリン酸化合物のオリビン型結晶質粒子粉末を正極材料として使用することにより、二次電池の単位体積(質量)当たりの容量を高くすることができる。
また、化合物(X)の粉末を正極材料に使用する場合には、元素Mは、電極物性や材料コストの点からFeおよびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。Feが、正極材料の理論容量を発現しやすくなる点で特に好ましい。
(化合物(Y))
本発明における原料の一つは下記式(4)で表される組成を有する化合物(Y)の固体粒子である。
xy3z …(4)
式中、元素AはLiおよびNaからなる群より選ばれる少なくとも1種、元素MはFe、Mn、Co、およびNiから選ばれる少なくとも1種であり、かつ、元素Mの価数Nは+2<N≦+4であり、xは0<x<4、yは0<y<3であり、zはx、yの数値および元素Mの価数Nに依存する数である。
Nが上記範囲にある場合には、化合物(Y)の調製を不活性ガス中や還元ガス中で行う必要がないために好ましい。元素MがFeの場合のNは+3でよく、元素MがMnの場合のNは+4でよく、元素MがCoの場合のNは8/3でよい。
式(4)におけるx、yの値をそれぞれ上記範囲とすることにより、前記式(5)で表される組成を有する化合物(X)を得ることができる。zの値はx、yの値およびMの価数Nに依存し、これらの値により変化する数値である。例えば、元素AがLi、元素MがFeであると共に、Fe(元素M)の価数Nが+3であり、xの値が3、yの値が2であるとすると、zの値は12となる。zの値は式(x+yN+15)/2から求められる。
さらに、xの値は2.7≦x≦3.3であることがより好ましく、yの値は1.8≦y≦2.2であることがより好ましい。このようなxの値およびyの値を満足する式(4)で表される組成を有する化合物(Y)を用いた場合には、AMPO4で表される化合物(X)のオリビン型結晶質粒子が得られやすくなるために好ましい。また、元素Mを含む化合物(Z)と混合する際に、化合物(Y)と化合物(Z)とのモル比を2/3:3/1〜1/3:2/3の範囲程度に調整できるため、粉砕効率を向上させることができる。
化合物(Y)として使用するAxy3zで表される組成を有する化合物(以下、該化合物を単にAxy3zと記す。他の化合物も同様である)は、特にA32312(元素AがLiの場合にはLi32312)で表される組成を有する化合物であることが好ましい。このようなA32312(Mの価数は+3とする)を、化合物(Z)として元素Mの酸化物(例えばM23。ただしMの価数は+3とする)と混合して加熱した場合、固相反応は下式(6)にしたがって化学量論的に進行するため、AMPO4(元素AがLiの場合にはLiMPO4。ただしMの価数は+2とする)が得られやすいので好ましい。
32312+1/2M23 → 3AMPO4+3/4O2 …(6)
化合物(Y)は元素A、元素M、リン(P)、および酸素(O)のみからなるものに限らず、V、Si、B、Al、Mg、およびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素Rを含んでいてもよい。化合物(Y)に元素Rを含有させることで、Axy3zやAabPOwの反応性を改善することができる。また、化合物(Y)の固体粒子として非晶質粒子を使用する場合には、化合物(Y)の非晶質粒子を製造する際に、化合物(Y)の非晶質化を促進することができる。元素Rの含有量(複数の元素の場合には合計量)は、元素Mと元素Rとの合計量に対する元素Rの比(原子比)(R/(M+R))を0.01〜0.2とすることが好ましい。
化合物(Y)の純度は特に限定されず、反応性やリン酸化合物の特性等を考慮すると99質量%以上であることが好ましい。意図的に添加する場合の上記元素R以外の元素からなる不純物(たとえば、原料化合物に由来する非金属元素)は1質量%未満であることが好ましい。不純物の種類や含有量が既知の場合(例えば元素MがFeで、不純物がMnであるような場合)には、高純度としなくてもよく、調合時の組成に反映させればよい。
化合物(Y)の固体粒子は、結晶質粒子であっても非晶質粒子であってもよい。特に、非晶質部分を含む固体粒子、特に非晶質部分が80〜100質量%である固体粒子(すなわち、非晶質粒子)が好ましい。化合物(Y)の固体粒子が非晶質部分を含むと、加熱工程でAxy3zを得やすい。さらに、非晶質部分は結晶質部分に比べて柔らかいので、非晶質部分を含む固体粒子は粉砕しやすく、元素Mを含む化合物(Z)との反応性を高めることができるため好ましい。非晶質粒子はその一部に結晶部分を含んでいてもよい。結晶部分を含む場合には少量であることが好ましい。具体的には、結晶部分の量が10質量%未満であることがより好ましい。少量の結晶は加熱工程で結晶核となって反応を促進する効果を有する。
(化合物(Y)の固体粒子の調整)
化合物(Y)の固体粒子は、元素Aを含む化合物と元素Mを含む化合物とPを含む化合物とを、前記式(4)で表される組成を有する化合物となるように調合して原料混合物とし、該原料混合物を加熱して上記原料化合物を反応させて得られる。結晶質粒子は、元素Aを含む化合物と元素Mを含む化合物とPを含む化合物と粉砕しつつ混合し、それらを固相反応で反応させて製造することが好ましい。また、結晶質粒子は、原料混合物を溶融した後徐々に冷却して結晶化させる方法や化合物(Y)の非晶質物質を加熱して結晶化させる方法によっても得られる。非晶質粒子は、元素Aを含む化合物と元素Mを含む化合物とPを含む化合物と混合し、その混合物を加熱して反応させるとともに溶融し、溶融物を急冷して製造することが好ましい。いずれの方法においても、得られた化合物(Y)の固体は、必要により粉砕して目的に適合する粒径を有する固体粒子とする。
前記調合工程(すなわち、化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)とを調合する工程)に使用する際の化合物(Y)の固体粒子の平均粒径は、体積換算のメディアン系で、1nm〜100μmであるのが好ましい。平均粒径は、例えば電子顕微鏡による観察やレーザー回折式粒度分布計による測定等によって求められる。化合物(Y)の固体粒子の製造で得られた化合物(Y)の平均粒径が上記範囲外である場合には、調合の前に予め粉砕して上記範囲に調整することが好ましい。この粉砕によって生じた上記範囲外の大きさの微粒子等は、特に除去する必要はない。前記調合工程に使用する際の化合物(Y)の固体粒子の平均粒径は、体積換算のメディアン系で、10nm〜10μmがより好ましく、10nm〜1μmが特に好ましい。なお、化合物(Y)の結晶質粒子を固相反応で製造する場合、製造される結晶粒子の平均粒径が上記範囲内の結晶粒子となるように製造すると、その製造工程の短縮ができる点で好ましい。
前記原料混合物は、元素Aを含む化合物と元素Mを含む化合物とPを含む化合物とを含む。好ましくは、それら化合物を粉砕しつつ混合して原料混合物とする。
元素Aを含む化合物としては、Aの炭酸塩、Aの炭酸水素塩、Aの水酸化物、Aのケイ酸塩、Aのリン酸塩、Aのリン酸水素塩、Aの硝酸塩、Aの塩化物、Aの硫酸塩、Aの酢酸塩、およびAのシュウ酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(ただし、該1種以上の一部または全部は、それぞれ、水和塩を形成していてもよい。)が好ましく、安価でかつ取扱いが容易な点で、Aの炭酸塩や炭酸水素塩が好ましい。
元素Mを含む化合物としては、Mの酸化物(FeO、Fe、Fe、MnO、Mn、MnO、CoO、Co、Co、NiO)、Mのオキシ水酸化物(MO(OH))、Mの金属、Mのリン酸塩(M(PO、MPO等)等が挙げられる。入手のしやすさとコストの点からFe34、Fe23、MnO、Mn23、MnO2、Co34、およびNiOが好ましい。
Pを含む化合物としては、酸化リン(P25)、リン酸アンモニウム((NH43PO4)、リン酸一水素アンモニウム((NH42HPO4)、リン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)、リン酸(H3PO4)、ポリリン酸(H(n+2)n(3n+1))、亜リン酸(H3PO3)、次亜リン酸(H3PO2)、Aのリン酸塩、Mのリン酸塩等が挙げられ、入手のしやすさと取扱いがしやすい点から(NH42HPO4、NH42PO4、およびP25が好ましい。
好ましい原料混合物の組み合わせは、Aの炭酸塩または炭酸水素塩、Mの酸化物またはMのオキシ水酸化物、リン酸一水素アンモニウム、およびリン酸一水素アンモニウムであり、特に好ましくはLiCOまたはLiHCO;Fe34、Fe23、またはMnO;リン酸一水素アンモニウムおよびリン酸一水素アンモニウムの組み合わせが特に好ましい。
前記原料化合物の粉砕・混合は、ボールミル、ジェットミル、遊星ミル等を用いて行うことが好ましい。粉砕・混合は乾式または湿式いずれでもよい。分散媒の除去が不要である点で、乾式が好ましい。
(化合物(Y)の結晶質粒子の製造)
化合物(Y)の結晶粒子は、前記原料混合物を溶融しない温度に加熱して反応させて得られる。また、前記原料混合物を加熱して溶融物とし、溶融物を徐々に冷却して結晶化させて得ることもできる。前者は固相反応であり、原料化合物の少なくとも一部が固体状態を維持して反応させる方法である。固相反応では原料化合物の一部は溶融してもよい。なお、前記化合物としては加熱の初期に熱分解し、その熱分解物が固相反応する場合もある。たとえば、金属炭酸塩は固相反応が起こる温度未満の温度で熱分解して金属酸化物となり、生成した金属酸化物が固相反応する場合が多い。
原料混合物を固相反応で反応させる場合の反応温度は、原料化合物の種類にもよるが、900℃未満が適当である。反応温度の下限は固相反応がおこる温度であればよい。固相反応の反応温度は、350〜800℃が好ましく、400〜750℃が特に好ましい。
反応雰囲気は、空気中、空気以外の酸素含有不活性ガス中、酸素を含まない不活性ガス中のいずれでもよい。空気中または酸素分圧が0.21を超えて1.0以下の酸化ガス中、特に好ましくは酸素分圧を制御しない空気中、で反応させることが好ましい。
原料混合物を加熱して溶融物とし、溶融物を徐々に冷却して結晶化させる方法の場合は、後述の非晶質粒子を製造する方法と同じ方法で溶融物を製造し、非晶質粒子製造時の急冷に比較して遅い冷却速度で冷却して結晶を生成させることが好ましい。
(化合物(Y)の非晶質粒子の製造)
化合物(Y)の非晶質粒子は、原料混合物を加熱溶融した後に冷却してガラス状の非晶質物質を製造する方法、水熱法、ゾル−ゲル法により得ることができる。非晶質粒子を安価にかつ大量に製造できる点から、原料混合物を加熱溶融して化合物(Y)の溶融物を形成した後に急冷してガラス状の非晶質物質を製造し、これを粉砕して非晶質粒子とする方法が好ましい。
前記原料混合物を加熱溶融させる温度は、900〜1,400℃が好ましく、1,000〜1,300℃が特に好ましい。温度が該範囲の下限値以上であると溶融が容易になり、温度の上限値以下であると原料の揮発がしにくくなる。この温度の下で原料混合物が反応して化合物(Y)となり、化合物(Y)の溶融物が形成される。また、加熱溶融の時間は0.2〜2時間が好ましく、0.5〜2時間が特に好ましい。該時間とすることにより溶融物の均一性が充分になり、また原料が揮発しにくい。
前記原料混合物を加熱溶融させる雰囲気は、空気中、空気以外の酸素含有不活性ガス中、酸素を含まない不活性ガス中のいずれでもよい。空気中または酸素分圧が0.21を超えて1.0以下の酸化ガス中、特に好ましくは酸素分圧を制御しない空気中、で加熱溶融することが好ましい。
上記のようにして得られた化合物(Y)の溶融物の急冷方法は、特に限定されない。しかし、回転する双ローラの間に溶融物を滴下して急冷する方法、溶融物を冷却したカーボン板や金属板にプレスして急冷する方法が好ましい。前者が冷却速度が速く、大量に処理できるので特に好ましい。双ローラとしては、金属製、カーボン製、セラミックス製のものを用いることが好ましい。
回転する双ローラの間に溶融物を滴下して急冷する方法において、冷却速度は、非晶質部分を得やすくするために−100℃/秒以上が好ましく、特に−1×10℃/秒以上がより特に好ましい。上限値は製造設備や大量生産性を考慮すると−1×1010℃/秒程度が好ましく、実用性の点からは−1×10℃/秒以下が好ましい。このような急冷方法によって、非晶質物をより簡便に得ることができる。
溶融物を急冷する方法として、溶融物を水や液体窒素に直接投入して急冷する方法も使用できる。しかし、水に直接投入して急冷する方法は、制御が難しく、冷却速度もせいぜい−1×10〜−1×102℃/秒程度である。また、液体窒素に直接投入して急冷する方法は、水を使用する方法よりも冷却速度を速くできるが、水を使用する方法と同様な問題、および、高コスト化になるため好ましくない。
(化合物(Z))
化合物(Z)は、元素M(Mは化合物(Y)におけるMと同じ意味を示し、化合物(Y)におけるMと化合物(Z)におけるMは同一であっても異なっていてもよい。)を含む化合物である。
化合物(Z)としては、Mの酸化物、水酸化物、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物等を用いることが好ましい。化合物(Y)との加熱反応時に有害気体の発生がなく、かつ入手しやすく安価である点から、Mの酸化物を使用することが特に好ましい。Mの酸化物は、一般的に嵩比重が大きく、化合物(Y)(Axy3z)のそれとの差が小さいため、混合工程や加熱工程を効率的に行うことができる。化合物(Z)としては、入手しやすく安価である点から、Fe23、Fe34、およびMnO2からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
化合物(Z)における元素Mは、化合物(Y)における元素Mと同一の元素であってもよいし、異なる元素であってもよい。例えば、リン酸化合物(X)としてAaFebPOwを生成する場合には、化合物(Y)としてAxFey3zを用いると共に、化合物(Z)としてFe23やFe34等のFe酸化物を用いることができる。また、化合物(X)としてAa(FecMn1-cbPOw(0≦c≦1)を生成させる場合には、化合物(Y)としてAxFey3z、AxMny3z、Ax(FecMn1-cy3z等を用いると共に、化合物(Z)としてFe23やFe34等のFe酸化物、MnO2等のMn酸化物、FeとMnとの複合酸化物等を用いることができる。同様に、AabPOwにおけるMが2種類以上の元素で構成される場合には、化合物(Y)中のMと化合物(Z)中のMが同一であってもよいし、また異なっていてもよい。
化合物(Z)の純度は特に限定されず、反応性やリン酸化合物の特性等を考慮すると99質量%以上であることが好ましい。不純物の種類や含有量が既知の場合(例えば元素MがFeで、不純物がMnであるような場合)には、高純度としなくてもよく、調合時の組成に反映させればよい。
化合物(Z)は、固体粒子状態で調合工程に使用することが好ましい。調合工程に使用する際の化合物(Z)の固体粒子の平均粒径は、前記化合物(Y)の固体粒子の平均粒径と同程度であることが好ましい。すなわち、体積換算のメディアン系で、1nm〜100μmであるのが好ましい。平均粒径は、例えば電子顕微鏡による観察やレーザー回折式粒度分布計による測定等によって求められる。調合工程に使用する前の化合物(Z)の固体粒子の平均粒径が上記範囲外である場合には、調合の前に予め粉砕して上記範囲に調整することが好ましい。この粉砕によって生じた上記範囲外の大きさの微粒子等は、特に除去する必要はない。前記調合工程に使用する際の化合物(Z)の固体粒子の平均粒径は、体積換算のメディアン系で、10nm〜10μmがより好ましく、10nm〜1μmが特に好ましい。このような粒子状の化合物(Z)を使用することによって、混合工程における粉砕・混合を効率的に行うことができる。
[調合工程]
原料調合工程は、化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)とをリン酸化合物(X)となる割合に調合して調合物を得る工程である。
化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)とを、前記式(5)で表される組成を有する化合物となるように、すなわちaが0<a<2で、bが0.8<b<1.2となるように、調合することにより、AabPOw(ただし、AおよびMは前記と同じ意味を示し、Aは化合物(Y)に由来し、Mは化合物(Y)および化合物(Z)に由来する。)で表される組成を有する化合物(X)の粒子、好ましくは化合物(X)のオリビン型結晶質粒子、を得ることができる。該粒子としては、特に、AMPO4で表される組成を有する化合物(X)のオリビン型結晶質粒子であるのが好ましい。
本発明においては、化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)とを調合して調合物を得る。調合の手段としては、特定量の2以上の化合物を合わせる手段から採用され、本発明においては化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)の固体粒子とを混合することにより合わせることが好ましい。該調合物には、さらに有機化合物および炭素粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭素源を添加してもよい。これらは加熱工程で還元剤として機能し、得られた化合物(X)の粒子からなる粉末(以下、化合物(X)の粉末ともいう)の導電材として機能するものである。化合物(X)の粉末を正極材料として用いる場合には、化合物(X)の粉末が導電材を含むことによって、正極材料の導電性を高めることができる。
調合物に添加された炭素粉末は、後述する加熱工程で生成する化合物(X)の粒子(好ましくはオリビン型結晶質粒子)の粒子表面に固着し、粒子間の導電性を向上させるものである。有機化合物は化合物(X)の粒子に対する結合材として機能することに加えて、それ自体も加熱工程により熱分解し、炭化して粒子間の導電性を向上させる。有機化合物および炭素粉末は、いずれも導電材として機能するため、少なくとも1種を添加すればよい。
さらに、導電材として炭素粉末を使用する場合には、粒子表面に対する結合力を高める点で有機化合物と併用することが好ましい。調合物には有機化合物を単独で添加する、炭素粉末を単独で添加する、または有機化合物と炭素粉末とを添加する、ことが好ましい。有機化合物の加熱工程における熱分解物である炭化物は、それ自体が導電材として機能することに加えて、炭素粉末の結合材としても機能する。したがって、有機化合物は加熱工程で熱分解反応し、例えば水素原子や酸素原子が離脱して炭化する性質を有するものが好ましく、これによって有機化合物の加熱工程での反応物を導電材として機能させることができる。
有機化合物や炭素粉末は、加熱工程における化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)との調合物の還元反応を促進する機能を有する。例えば、A32312(Mの価数は+3とする)とM23(Mの価数は+3とする)とを加熱する際に、有機化合物(Cmn)を添加した場合には、下式(7)にしたがって還元反応が促進され、AMPO4(Mの価数は+2とする)が得られやすくなる。なお、下式(7)において、mは0≦m≦3/4、nは0<n<3/2とし、他の記号は前記と同じ意味を示す。
32312+1/2M23+Cmn
→ 3AMPO4+mCO2+n/2H2O …(7)
有機化合物は化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)との反応温度(化合物(Y)の固体粒子が非晶質粒子の場合、その結晶核生成および粒成長温度を含む)より高い温度で分解、炭化するものが好ましい。しかし、化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)の反応による体積変化は小さいため、分解温度によって限定されない。なお、有機化合物はそれ自体が炭素粉末の化合物(X)の粒子に対する結合材として機能するため、場合によっては加熱工程で熱分解または炭化しないものであってもよい。この場合、有機化合物は炭素粉末と併用される。有機化合物は溶媒と共に用いるのが好ましい。該溶媒としては水を用いることが好ましく、有機化合物としては調合物の粒子表面に均一に分散させる上で水溶性であることが好ましい。さらに、混合工程における調合物の酸化を防止し、還元を促進する点で、還元性を有する有機化合物が好ましい。
有機化合物としては水溶性の有機化合物が好ましく、糖類、アミノ酸類、ペプチド類、アルデヒド類、およびケトン類からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、糖類、アミノ酸類、およびペプチド類が特に好ましい。糖類としては、グルコース、フラクトース、ガラクトース等の単糖類、スクロース、マルトース、セロビオース、トレハロース等のオリゴ糖、転化糖、デキストリン、アミロース、アミロペクチン、セルロース等の多糖類、およびアスコルビン酸等のこれらの類縁物質が挙げられる。有機化合物として糖類を用いた場合には、低分子であるほど水に対する溶解度が高くなりやすいため好ましい。特に、単糖類および一部のオリゴ糖は還元性が強くて好ましい。
アミノ酸類としては、アラニン、グリシン等のアミノ酸類が挙げられる。ペプチド類としては、分子量が1,000以下の低分子ペプチドが好ましい。さらに、アルデヒド基やケトン基等の還元性の官能基を有する有機化合物も挙げられる。有機化合物としては、とりわけ、グルコース、スクロース、グルコース−フラクトース転化糖、カラメル、水溶性澱粉、α化した澱粉、およびカルボキシメチルセルロース等が好適である。
炭素粉末としては、カーボンブラック(アセチレンブラックなど)、グラファイト等を用いることが好ましい。炭素粉末を調合物に添加することによって、加熱工程で化合物(X)の粒子を得た後に、この粒子からなる粉末に炭素粉末を混合する工程を別途に設ける必要がなくなる。さらに、炭素粉末を有機化合物と共に調合物添加することによって、化合物(X)の粉末からなる正極材料内での炭素粉末の分布が均一となり、また有機化合物またはその熱分解物(炭化物)との接触面積が大きくなる。これによって、炭素粉末の化合物(X)の粒子に対する結合力を高めることが可能となる。
調合物に炭素源を含ませる場合、調合物中の炭素源量は、炭素量に換算した質量として、炭素源を含む調合物の質量(ただし、炭素源の質量は炭素量に換算した質量とする)に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%が特に好ましい。炭素源の炭素量に換算した質量とは、有機化合物の場合はそれに含まれる炭素原子の量をいう。有機化合物は、通常、加熱工程で得られた化合物(X)の粉末中に炭素として含有されるからである。炭素源がカーボンブラックなどの炭素粉末である場合は、炭素量に換算した質量はその炭素粉末の量である。
炭素換算量(質量)が上記範囲の下限値以上にすることによって、化合物(X)の粉末からなる正極材料の導電性を充分に高めることができる利点がある。炭素換算量(質量)が上記範囲の上限値以下とすることによって、化合物(X)の粉末を正極材料として用いる場合に、正極材料としての特性を高いまま保持する利点がある。
[混合工程]
混合工程は、調合工程で得られた調合物を、粉砕しつつ混合する工程である。調合物には上記炭素源が添加されていてもよい。また、混合工程の途中で炭素源が添加されてもよく、混合工程後に炭素源を添加して混入してもよい。炭素源は混合工程の前の調合物に含まれていることが好ましい。
混合工程はボールミル、ジェットミル、遊星ミル等を用いて行うことが好ましい。混合工程は乾式で実施してもよいが、湿式で行うことが好ましい。特に、調合物が炭素源を含む場合には、炭素源を粉砕粒子の表面に均一に分散させる上で、湿式で粉砕しつつ混合することが好ましい。
湿式で粉砕しつつ混合する際の分散媒としては、水、またはエタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘキサン、およびトルエン等の有機溶媒を用いることができる。取り扱いやすく、安価で安全な点から、水が好ましい。また、化合物(Y)の固体粒子は非水溶性であり、化合物(Z)も通常のものは非水溶性であるため、湿式での粉砕・混合時の分散媒として水が有効である。
混合工程終了時点の混合物中の化合物(Y)の固体粒子の平均粒径は、加熱工程において化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)との反応を促進させるために、体積換算のメディアン径で、10μm以下が好ましく、1μm以下が特に好ましい。平均粒径が上記上限値以下であると、加熱工程の加熱温度や時間を低減できるため好ましい。化合物(Z)が固体粒子である場合にも、混合工程終了時点の混合物中の化合物(Z)の固体粒子の平均粒径は、同様に理由により、体積換算のメディアン径で、10μm以下が好ましく、1μm以下が特に好ましい。
なお、混合工程を湿式で行った場合には、分散媒を沈降、濾過、減圧乾燥、加熱乾燥等で除去した後に、加熱工程を行うのが好ましい。なお、分散媒の除去は加熱工程の初期に組み込んでもよい。
[加熱工程]
加熱工程は、化合物(Y)の固体粒子と化合物(Z)とを含む前記混合物を加熱して固相反応で反応させる工程である。該工程では、リン酸化合物(X)の結晶質粒子、特にオリビン型結晶質粒子、を得ることが好ましい。化合物(Y)の固体粒子が非晶質粒子である場合には、加熱工程において化合物(Z)と固相反応させて化合物(X)を生成させるとともに、生成する化合物(X)の結晶核生成および粒成長を起こさせて、化合物(X)の結晶質粒子を生成させることが好ましい。さらに、炭素源を含む混合物を使用した場合には、加熱工程で生成する化合物(X)の粒子表面に炭素が付着し、炭素を含む化合物(X)の粉末が得られる。
加熱工程は不活性ガス中または還元ガス中で、加熱温度を400〜900℃で行うことが好ましい。化合物(Y)の固体粒子として非晶質粒子を用いた場合には、通常の固相反応の加熱温度より低い温度で加熱工程を実施することができる。加熱温度が400℃以上であると、反応が生じやすい。また、化合物(Y)の固体粒子として非晶質粒子を用いた場合は化合物(X)の結晶が析出しやすい。加熱温度が900℃以下であると、融解が起こりにくい。加熱温度は500〜800℃とすることがより好ましい。前記範囲であると、適度な結晶性、粒子径、粒度分布等を有する化合物(X)のオリビン型結晶質粒子が得られやすくなる。
加熱工程は一定温度で保持することに限らず、多段階に温度を設定して行ってもよい。400〜900℃の温度範囲内においては、加熱温度を高くするほど、生成する結晶質粒子の径が大きくなる傾向があるため、所望の粒子径に応じて加熱温度を設定することが好ましい。また、加熱時間(加熱温度による保持時間)は所望の粒子径を考慮して2〜72時間とすることが好ましい。なお、加熱時間を長くしても粒子径を大きくすることができるが、加熱温度ほど影響は大きくないため、オリビン型の結晶質粒子の径を微調整したい場合には、加熱時間を変化させて対応することが好ましい。
加熱工程は不活性ガス中または還元ガス中で実施する。これによって、リン酸化合物(X)の結晶質粒子、好ましくはオリビン型の結晶質粒子、を得ることができる。不活性ガス中とは、窒素ガス(N2)、ヘリウムガス(He)、およびアルゴンガス(Ar)等の希ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種の不活性ガスを99体積%以上含む気体中であることをいう。還元ガス中とは、上記不活性ガスに、還元性を有するガスを含み、実質的に酸素を含まない気体中であることをいう。還元性を有するガスとしては、水素ガス(H2)、一酸化炭素ガス(CO)、およびアンモニアガス(NH3)等が挙げられる。不活性ガス中の還元性を有するガスの量は、全気体中に還元性を有するガスが0.1体積%以上が好ましく、1〜10体積%が特に好ましい。酸素の含有量は、該気体中に1体積%以下が好ましく、0.1体積%以下が特に好ましい。
加熱工程は不活性ガス中や還元ガス中で減圧(0.9×105Pa以下)して実施してもよい。また、加熱炉内に還元剤を入れた容器を装填してもよい。このような加熱工程によれば、Mイオンの還元(例えばM3+からM2+への変化)を促進することができ、AabPOw(特に、AMPO4)なる組成のリン酸化合物(X)のオリビン型結晶質粒子を再現性よく得ることが可能となる。
調合工程や混合工程で添加された炭素源は、加熱工程で生成したリン酸化合物(X)の粒子表面に結合して導電材として機能する。有機化合物は加熱工程で熱分解され、少なくとも一部が炭化物(反応物)となって導電材として機能する。有機化合物の熱分解は400℃以下で行うことが好ましく、炭化は600℃以下で行うことが好ましい。
上述した各工程を経ることによって、リン酸化合物(X)の結晶質粒子からなる粉末、好ましくはオリビン型結晶質粒子からなる粉末、特に二次電池用正極材料として有用なオリビン型結晶質粒子からなる粉末、が製造される。該粉末としては、一次粒子および二次粒子の双方を含む。また、製造工程で炭素源を使用した場合には、化合物(X)の結晶質粒子の生成と同時に、その粒子表面に炭素源に基づく導電材(有機化合物の炭化物、炭素粉末、これらの混在物等)が均一にかつ強固に結合した粉末が製造される。この粉末は二次電池用正極材料として好適である。なお、得られた化合物(X)の粉末に二次粒子が存在する場合、一次粒子が破壊されない程度の範囲で解砕および粉砕をしてもよい。本発明における化合物(X)の粒子の平均粒径は、体積換算のメディアン径で10nm〜10μmが好ましく、10nm〜2μmが特に好ましい。平均粒径を該範囲とすることにより、より導電性が高くなる。
本発明の製造方法は、リン酸化合物(X)の組成の制御がしやすく、特別な装置や反応条件を用いることなくリン酸化合物(X)の粉末を安価にかつ簡便に製造することができる。特に、オリビン型結晶質粒子の製造効率を高めることができる。さらに、化学組成や粒子径の均一性に優れ、かつ高い結晶性を有するオリビン型結晶質粒子を得ることができる。このようなオリビン型結晶質粒子は、化学組成や粒子径の均一性に基づいて特性や信頼性の向上を図ることができる。また、得られるオリビン型結晶質粒子は高い結晶性を有しているため、二次電池用正極材料に適用した際に、繰返し使用における機能低下を抑制することができる。したがって、特性や信頼性に優れる二次電池用正極材料を安価に提供することが可能となる。
さらに、炭素源を使用した場合には、化合物(X)の粒子表面に導電材を均一にかつ強固に結合させることができるため、オリビン型結晶質粒子からなる粉末を用いた正極材料の導電性やその信頼性を高めることが可能となる。すなわち、導電材を含む特性や信頼性に優れる二次電池用正極材料を再現性よく得ることができる。したがって、リチウムイオン二次電池等の容量の向上を図ると共に、特性や信頼性を長期にわたって維持できる二次電池用正極材料が提供され得る。
本発明の製造方法で得られるリン酸化合物(X)の粉末は、正極材料として有用であり、前述した式(5)で表される組成を有する化合物の粒子からなる粉末である。特に、元素AとしてLiを使用すると共に、元素MとしてFeおよびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用した組成を有する化合物が好ましい。リン酸化合物の組成はLiMPO4が好ましく、LiFecMn1-cPO4(0≦c≦1)がより好ましく、LiFePO4が特に好ましい。このような組成のリン酸化合物からなる粉末は二次電池用正極材料として好適である。
本発明において、特に好ましい製造方法を以下に記すが、本発明はこれに限定されない。
化合物(Y)の固体粒子として結晶質粒子または非晶質粒子を用い、化合物(Y)として元素MがFeおよびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いた、Ax(FecMn1-cy3z(0≦c≦1)で表される組成を有する化合物を使用する。化合物(Z)としては、Mの化合物を使用する。特にその酸化物が微粒子として得られやすいMを選択すると、化合物(Z)の固体粒子と化合物(Y)の固体粒子との反応が促進されるので好ましい。得られるリン酸化合物(X)は、結晶質粒子が好ましい。
特に好ましい例としては、化合物(Y)としてLi3Fe2312、化合物(Z)としてFe34、Fe23、およびMnO2からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いて、固相反応によりLiFecMn1-cPO4(0≦c≦1)で表される組成を有するオリビン型結晶質粒子を製造する方法が挙げられる。また、Li3Fe2312で表される組成を有する化合物(Y)の固体粒子と、化合物(Z)としてFe34およびFe23からなる群より選ばれる少なくとも1種の固体粒子を用いて、固相反応によりLiFeO4で表される組成を有するオリビン型結晶質粒子を製造する方法が挙げられる。
<二次電池用正極および二次電池の製造方法>
本発明の製造方法によって得られたリン酸化合物(X)の粉末は、二次電池用正極材料として有用である。よって、該リン酸化合物(X)の粉末を用いて、二次電池用正極および二次電池を製造できる。
二次電池としては、金属リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池等が挙げられるが、リチウムイオン二次電池が好ましい。電池形状は制限されることはなく、例えば円筒状、角型、コイン型等、種々の形状、サイズを適宜採用することができる。
二次電池用正極の製造は、本発明の製造方法で得られるリン酸化合物(X)の粉末を用いるほかは公知の電極の製造方法に従えばよい。例えば、本発明のリン酸化合物(X)の粉末を必要に応じて公知の結着材(ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等)、さらに必要に応じて公知の導電材(アセチレンブラック、カーボン、グラファイト、天然黒鉛、人造黒鉛、ニードルコークス等)と混合した後、得られた混合粉末をステンレス鋼製等の支持体上に圧着成形したり、金属製容器に充填すればよい。あるいは、例えば、該混合粉末を有機溶剤(N−メチルピロリドン、トルエン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等)と混合して得られたスラリーをアルミニウム、ニッケル、ステンレス、銅等の金属基板上に塗布する等の方法によっても電極を製造できる。
二次電池の製造は、本発明の製造方法で得られる二次電池用正極を電極として用いる以外は、公知の二次電池における構成要素を採用することができる。セパレータ、電池ケース等の要素についても同様である。負極としては、活物質として公知の負極用活物質を使用することが可能であるが、アルカリ金属材料およびアルカリ土類金属材料からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。電解液としては、非水系が好ましい。すなわち、本発明の製造方法で得られる二次電池としては、非水電解質リチウムイオン二次電池が好ましい。
本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の説明に限定されない。
(実施例1)
炭酸リチウム(Li2CO3)、三酸化二鉄(Fe23)、およびリン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)を、Li3Fe2312で表される組成となるように、すなわち各原料のモル比が3:2:6となるように秤量し、エタノールを媒体として湿式で粉砕・混合した。この混合物を空気中で350℃で2時間加熱した後、室温まで冷却して乾式で解砕した。得られた解砕物を空気中で700℃で8時間加熱して、Li3Fe2312で表される組成を有する化合物の粉末を得た。得られた化合物の鉱物相をX線回折装置で同定したところ、既存のLi3Fe2(PO43(PDF番号01−078−1106)の回折パターンと類似した回折パターンが得られた。
次に、Li3Fe2312で表される組成を有する結晶質の化合物と三酸化二鉄(Fe23)とを、酸化物基準のモル比で2:1となるように調合し、さらに調合物に対してカーボンブラックを調合物とカーボンブラックとの質量比が9:1となるように添加した。これらを、水を媒体として湿式で粉砕・混合した。得られた混合物を3体積%H2−Ar雰囲気中で700℃で8時間加熱し、炭素含有のLiFePO4で表される組成を有するリン酸化合物の粒子を得た。
得られた粒子の鉱物相を、X線回折装置を用いて同定した。その結果、既存のLiFePO4(PDF番号01−083−2092)の回折パターンと類似した回折パターンが得られ、結晶質粒子であることが確認できた。また、粒子の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、粒子表面には炭素が均一に付着していることが確認された。さらに、一次粒子と考えられる粒子の直径(長径)を測定したところ、10個の粒子の平均は2.8μmであった。粒子の炭素含量を、炭素分析計を用いて定量したところ、C量として5.6質量%であった。
(実施例2)
実施例1で得たLi3Fe2312で表される組成を有する化合物と三酸化二鉄(Fe23)とを、酸化物基準のモル比で2:1となるように調合し、さらに調合物に対してカーボンブラックとグルコースとを調合物とカーボンブラックとグルコースの質量比が90:5:5となるように添加した。これらを、水を媒体として湿式で粉砕・混合した。得られた混合物を110℃にて乾燥した後、実施例1と同一条件で加熱し、炭素含有のLiFePO4で表される組成を有するリン酸化合物の粒子を得た。得られた粒子の回折パターンは既存のLiFePO4(PDF番号01−083−2092)の回折パターンと類似しており、結晶質粒子であることが確認できた。
(実施例3)
炭酸リチウム(Li2CO3)、四酸化三鉄(Fe34)、およびリン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)を、Li3Fe2312で表される組成となるように、すなわち各原料のモル比が9:4:18となるように秤量し、実施例1と同様に粉砕・混合および加熱してLi3Fe2312で表される組成を有する化合物の粉末を得た。得られた化合物の粒子の回折パターンは、既存のLi3Fe2(PO43(PDF番号01−078−1106)の回折パターンと類似しており、結晶質粒子であることが確認できた。
次に、Li3Fe2312で表される組成を有する化合物と四酸化三鉄(Fe34)とを、酸化物基準のモル比で3:1となるように調合した後、水を媒体として湿式で粉砕・混合した。得られた混合物を3体積%H2−Ar雰囲気中で700℃で8時間加熱し、LiFePO4で表される組成を有するリン酸化合物の粒子を得た。得られた粒子の鉱物相をX線回折装置で同定したところ、既存のLiFePO4(PDF番号01−083−2092)の回折パターンと類似した回折パターンが得られ、結晶質粒子であることがわかった。また、粒径分布をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、装置名:LA−920)で測定したところ、体積換算のメディアン径でそれぞれ2.5μmであった。
(実施例4)
実施例3で得たLi3Fe2312で表される組成を有する化合物と四酸化三鉄(Fe34)とを、酸化物基準のモル比で3:1となるように調合し、さらに調合物に対してカーボンブラックを調合物とカーボンブラックとの質量比が9:1となるように添加した。これらを、水を媒体として湿式で粉砕・混合した。得られた混合物をAr雰囲気中で700℃で8時間加熱することによって、炭素含有のLiFePO4で表される組成を有するリン酸化合物の粒子を得た。得られた粒子の鉱物相をX線回折装置で同定したところ、既存のLiFePO4(PDF番号01−083−2092)の回折パターンと類似した回折パターンが得られ、結晶質粒子であることが確認できた。
(実施例5〜7)
炭酸リチウム(Li2CO3)、三酸化二鉄(Fe23)、およびリン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)を、それぞれLi3.5Fe2312.1で表される組成(実施例5)、Li3Fe2312で表される組成(実施例6)、Li3Fe2.2312.3で表される組成(実施例7)となるように秤量し、乾式で粉砕・混合した。これらの混合物を、ロジウムを20質量%含む白金合金製のノズル付きるつぼにそれぞれ充填し、ケイ化モリブデン製の発熱体を備える電気炉を用いて、空気中で1,300℃で0.5時間加熱して完全溶融させた。
次に、るつぼに設けられたノズルの下端部を電気炉で加熱しながら溶融物を滴下させ、毎分400回転する直径約15cmの双ローラを通すことによって、液滴を1×105℃/秒の冷却速度で急速冷却して茶褐色透明のフレーク状の固化物(非晶質物)を製造した。実施例6で得たフレーク状固化物(非晶質物)のX線回折パターンを図1(a)に示す。なお、次いで、得られたフレーク状固化物の一部をそれぞれ乾式で8時間粉砕した後、空気中で700℃で8時間加熱すると結晶化物になった。実施例6で得たフレーク状固化物の一部から製造した結晶化物のX線回折パターンを図1(b)に示す。
実施例5〜7の固化物(非晶質物)と四酸化三鉄(Fe34)とを、酸化物基準のモル比で3:1となるように調合した後、水を媒体として湿式で粉砕・混合した。各混合物を3体積%H2−Ar雰囲気中で500℃で24間加熱し、それぞれLiFePO4で表される組成を有するリン酸化合物の粒子を得た。得られた各粒子の鉱物相をX線回折装置で同定したところ、いずれも既存のLiFePO4(PDF番号01−083−2092)の回折パターンと類似した回折パターンが得られ、結晶質粒子であることが確認できた。実施例6で得たLiFePO4粒子のX線回折パターンを図1(c)に示す。
(実施例8)
実施例6で得た固化物(非晶質物)(Li3Fe2312)と四酸化三鉄(Fe34)とを、酸化物基準のモル比で3:1となるように調合し、さらに調合物に対してカーボンブラックとグルコースとを調合物とカーボンブラックとグルコースとの質量比が90:5:5となるように添加した。これらを、水を媒体として湿式で粉砕・混合した。得られた混合物をAr雰囲気中で500℃で16時間加熱し、炭素含有のLiFePO4で表される組成を有するリン酸化合物の粒子を得た。得られた粒子回折パターンは、既存のLiFePO4(PDF番号01−083−2092)の回折パターンと類似しており、結晶質粒子であることが確認できた。
(実施例9)
実施例6で得た固化物(非晶質物)(Li3Fe2312)と二酸化マンガン(MnO2)とを、酸化物基準のモル比で1:1となるように調合し、さらに調合物に対してカーボンブラックとグルコースとを調合物とカーボンブラックとグルコースとの質量比が90:5:5となるように添加した。これらを、水を媒体として湿式で粉砕・混合した。得られた混合物を実施例6と同一条件で加熱し、炭素含有のLiFe2/3Mn1/3PO4で表される組成を有するリン酸化合物の粒子を得た。
得られた粒子の鉱物相をX線回折装置で同定したところ、既存のLiFePO4(PDF番号01−083−2092)の回折パターンおよびLiMnPO4(PDF番号01−077−0178)の回折パターンと類似した回折パターンが得られ、得られた粒子はこれらの固溶体であると考えられた。粒子のX線回折パターンを図2に示す。
(実施例10)
炭酸リチウム(Li2CO3)、三酸化二鉄(Fe23)、二酸化マンガン(MnO2)、およびリン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)を、Li3Fe1.4Mn0.6312で表される組成となるように秤量し、実施例6と同様に粉砕・混合、溶融、および急冷してフレーク状固化物を得た。得られた固化物(非晶質物)(Li3Fe1.4Mn0.6312化合物)と四酸化三鉄(Fe34)とを、酸化物基準のモル比で3:1となるように調合した後、実施例6と同一条件で加熱し、炭素含有のLiFe0.8Mn0.2PO4で表される組成を有するリン酸化合物の粒子を得た。
得られた粒子の鉱物相をX線回折装置で同定したところ、既存のLiFePO4(PDF番号01−083−2092)の回折パターンおよびLiMnPO4(PDF番号01−077−0178)の回折パターンと類似した回折パターンが得られ、得られた粒子はこれらの固溶体であると考えられた。粒子のX線回折パターンを図3に示す。
(実施例11)
炭酸リチウム(Li2CO3)、三酸化二鉄(Fe23)、二酸化マンガン(MnO2)、四酸化三コバルト(Co34)、酸化ニッケル(NiO)、およびリン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)を、Li3Fe1.7Mn0.1Co0.1Ni0.1312で表される組成となるように秤量し、実施例6と同様に粉砕・混合、溶融、および急冷してフレーク状固化物を得た。
次に、得られた固化物(非晶質物)(Li3Fe1.7Mn0.1Co0.1Ni0.1312)と四酸化三鉄(Fe34)とを、酸化物基準のモル比で3:1となるように調合した後、実施例6と同様に加熱し、炭素含有のLiFe0.9Mn0.033Co0.033Ni0.033PO4で表される組成を有するリン酸化合物の粒子を得た。得られた粒子の鉱物相をX線回折装置で同定したところ、既存のLiFePO4(PDF番号01−083−2092)の回折パターンと類似した回折パターンが得られた。
(実施例12)
炭酸リチウム(Li2CO3)、三酸化二鉄(Fe23)、リン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)、酸化ホウ素(B23)、および酸化ケイ素(SiO2)を、Li3Fe22.70.1Si0.211.8で表される組成となるように秤量し、実施例6と同様に粉砕・混合、溶融、および急冷してフレーク状固化物を得た。
次に、得られた固化物(非晶質物)(Li3Fe22.70.1Si0.211.8)と四酸化三鉄(Fe34)とを、酸化物基準のモル比で3:1となるように調合した後、実施例6と同一条件で加熱することによって、炭素含有のLiFe0.90.90.033Si0.0673.9で表される組成を有するリン酸化合物の粒子を得た。得られた粒子の鉱物相をX線回折装置で同定したところ、既存のLiFePO4(PDF番号01−083−2092)の回折パターンと類似した回折パターンが得られた。
(実施例13)
[Liイオン二次電池用正極および評価用電池の製造]
実施例6で得た炭素含有のLiFePO4で表される組成を有するリン酸化合物の粒子からなる粉末(正極材料)を活物質とし、結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂と、導電材としてアセチレンブラックとを、質量比で85:5:10の比率となるように秤量し、N−メチルピロリドンを溶媒としてよく混合してスラリーとした。次いで、該スラリーをバーコーターで厚さ30μmのアルミニウム箔に塗布し、空気中で120℃で乾燥させて、溶媒を除去した。ロールプレスで塗工層を圧密化した後、幅10mm×長さ40mmの短冊状に切り出した。
塗工層は短冊状アルミニウム箔の先端10×10mmの部分を残して剥離し、これを電極とした。得られた電極のロールプレス後の塗工層厚は20μmであった。該電極を150℃で真空乾燥した後、精製アルゴンガスが満たされたグローブボックス中に搬入し、ニッケルメッシュにリチウム箔を圧着した対極と多孔質ポリエチレンフィルム製セパレータを介して対向させ、両側をポリエチレン板で挟んで固定した。
該対向電極をポリエチレン製ビーカに入れ、六フッ化リン酸リチウムをエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒(1:1体積比)に1mol/Lの濃度で溶解した非水電解液を注入して充分に含浸させた。電解液含浸後の電極をビーカから取り出し、アルミニウムラミネートフィルム袋に入れ、リード線部を取り出して封止して半電池を構成した。この半電池の特性を以下のようにして測定した。
[Liイオン二次電池用正極の充放電特性評価]
得られた半電池を25℃の恒温槽に入れ、定電流充放電試験機(北斗電工社製、装置名:HJ201B)に接続して充放電試験を行った。電流密度は電極活物質の質量(導電材と結着剤とを除いた質量)当たりの電流値を85mA/gとして充放電を行った。充電終止電位はLi対極基準で4.2Vとし、終止電圧に到達後即座に放電を開始した。放電終止電圧はLi対極基準で2.0Vとした。この充放電サイクルを10サイクル繰り返した。10サイクル目の放電容量は147mAh/gであった。
本発明により得られるリン酸化合物は、リチウムイオン二次電池などの二次電池の正極の製造に用いられる正極材料として有用である。
なお、2009年11月24日に出願された日本特許出願2009−266372号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (15)

  1. xy3z(式中、元素AはLiおよびNaからなる群より選ばれる少なくとも1種、元素MはFe、Mn、Co、およびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、かつ、元素Mの価数Nは+2<N≦+4であり、xは0<x<4、yは0<y<3であり、zはx、yの数値および元素Mの価数Nに依存する数である。)で表される組成を有する化合物(Y)の固体粒子と、
    Fe、Mn、Co、およびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素Mを含む化合物(Z)とを、固相反応により反応させて、
    abPOw(式中、AおよびMは前記と同じ意味を示し、Aは化合物(Y)に由来し、Mは化合物(Y)および化合物(Z)に由来し、aは0<a<2、bは0.8<b<1.2であり、wはa、bの数値および元素Mの価数に依存する数である。)で表される組成を有するリン酸化合物(X)を製造する方法であって、
    前記化合物(Y)の固体粒子と前記化合物(Z)とを前記リン酸化合物(X)となる割合に調合して調合物を得る工程と、
    前記調合物を粉砕しつつ混合して混合物を得る工程と、
    前記混合物を不活性ガス中または還元ガス中で加熱して、固相反応により前記リン酸化合物(X)を得る工程と
    を含むことを特徴とするリン酸化合物の製造方法。
  2. 化合物(Y)の固体粒子が結晶質物である、請求項1に記載のリン酸化合物の製造方法。
  3. 結晶質物である化合物(Y)の固体粒子が、Axy3zで表される組成を有する化合物の固体粒子を空気中または酸素分圧が0.21を超えて1.0以下の酸化ガス中で加熱処理して得られる固体粒子である、請求項2に記載のリン酸化合物の製造方法。
  4. 化合物(Y)の固体粒子が非晶質物である、請求項1に記載のリン酸化合物の製造方法。
  5. 非晶質物である化合物(Y)の固体粒子が、Axy3zで表される組成を有する化合物の溶融物を−100℃/秒〜−1×1010℃/秒の冷却速度で冷却して得られる固体粒子である、請求項4に記載のリン酸化合物の製造方法。
  6. 前記化合物(Y)の固体粒子が、A32312で表される組成を有する化合物の固体粒子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリン酸化合物の製造方法。
  7. 前記元素AがLiである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のリン酸化合物の製造方法。
  8. 前記化合物(Z)が、前記元素Mの酸化物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のリン酸化合物の製造方法。
  9. 前記化合物(Z)が、Fe23、Fe34、およびMnO2からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のリン酸化合物の製造方法。
  10. 前記調合物が、有機化合物および炭素粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭素源を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のリン酸化合物の製造方法。
  11. 前記調合物中の炭素源量が、炭素量に換算した質量として、炭素源を含む調合物の質量(ただし、炭素源の質量は炭素量に換算した質量とする)に対して0.1〜20質量%である、請求項10に記載のリン酸化合物の製造方法。
  12. 前記得られるリン酸化合物(X)が、オリビン型の結晶質粒子である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のリン酸化合物の製造方法。
  13. 前記得られるリン酸化合物(X)が、LiFecMn1-cPO4(0≦c≦1)で表される組成のオリビン型の結晶質粒子、またはLiFePO4で表される組成のオリビン型の結晶質粒子である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のリン酸化合物の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の製造方法によってリン酸化合物(X)を得て、次に該リン酸化合物(X)を二次電池用正極材料に用いて二次電池用正極を製造することを特徴とする二次電池用正極の製造方法。
  15. 請求項14に記載の製造方法で二次電池用正極を得て、次に、該二次電池用正極を用いて二次電池を製造すること特徴とする二次電池の製造方法。
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