JPWO2003106519A1 - 共重合体、紙用処理剤および加工紙 - Google Patents
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Abstract
ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートからの重合単位、ピロリドンモノマーからの重合単位、−[CH2C(CH3)[COOCH2CH2CH2N+(CH3)3・Cl−]]−等の含窒素重合単位、ならびに−[CH2C(CH3)COOH]−等のアニオン性官能基含有重合単位を必須とする共重合体を含む紙用処理剤は、粘度が低く、カチオン性紙力剤を併用しても性能の低下の少ない。
Description
発明の分野
本発明は、新規共重合体、該共重合体を含んでなる紙用処理剤、および該紙用処理剤で処理された紙に関する。
関連技術
従来、紙用の耐水耐油加工剤としては、
(1)ポリフルオロアルキル基(以下、Rf基と記す。)を有するリン酸エステル化合物を必須成分とする加工剤(特開昭64−6196号公報、特開平3−123786号公報)、
(2)Rf基を有するアクリレートと塩化ビニリデンの共重合体(特開昭55−69677号公報、特開昭51−133511号公報、特公昭53−22547号公報)を必須成分とする加工剤、
(3)Rf基を有するアクリレートとジメチルアミノアルキルメタクリレートと酢酸ビニルの共重合体(特開平7−206942号公報)を必須成分とする加工剤
が提案されている。
加工剤のRf基を有するリン酸エステル化合物(1)は、水溶性化合物であるため、紙に対して撥水性を付与できないという問題があった。さらに、サイズ剤が共存する場合には撥油性が著しく低下するという問題があった。
紙の一般的な耐油加工に、原紙に加工剤を含浸またはコーティングする外添加工法がある。外添加工法においては、サイズプレスや各種のコーターが用いられ、乾燥は80〜100℃で数秒〜数十秒の短時間で行われる。この外添加工法に加工剤を用いる場合には、低温、短時間の乾燥で、高い耐水耐油性を付与する加工剤を選択する必要がある。
加工剤(2)は水で希釈して紙に外添する場合に、高速での浸漬、絞り、循環等を行うと、加工剤の安定性が乏しくなり、加工剤中にスカムが発生する、ロール汚れが発生する、紙への吸着不足が発生する等の欠点があり、充分な性能を紙に付与できないという問題があった。
加工剤(3)は、紙力剤やサイズ剤などのカチオン性の薬剤を併用したときに充分な性能を紙に付与できないという問題があった。
発明の概要
本発明者らは、特定の重合単位を含む共重合体を必須成分とする紙用処理剤で紙を処理することにより、カチオン性の薬剤(例えば、紙力増強剤)を併用しても充分な性能を紙に付与できること、および該紙用処理剤は、粘度が低く取り扱い性に優れていることを見いだした。
すなわち本発明の主題は、
(a)50〜92重量%の一般式:
[式中、Rfは、1〜21個の炭素原子、好ましくは4〜16個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のフルオロアルキル基を表し、
Aは、A基の隣の酸素原子と結合する炭素原子を有しており、必要に応じて少なくとも1つの酸素、硫黄および/または窒素原子を含むことができる二価の有機基を表し、
R11およびR12のうち一つは水素原子、他方は水素原子または1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を表す。]
で示される少なくとも1種の含フッ素モノマーと、
(b)1〜25重量%の一般式:
および/または
[式中、Bは、1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキレン基を表し、R21は、水素原子または1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、
R22、R23およびR24は、同じかまたは異なっており、水素原子、1〜18個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基、またはヒドロキシエチル基またはベンジル基であるか、またはR22およびR23は、一体となって2〜30個の炭素原子を含む2価の有機基を表し、
X−はアニオン基を表す。]
で示される少なくとも1種の含窒素モノマーと、
(c)1〜25重量%の一般式:
[式中、R31、R32、R33およびR34は、同じかまたは異なっており、水素原子、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表わす。]
で示されるピロリドンモノマーと、
(d)1〜5重量%のアニオン性官能基を有するモノマー
を含んでなる含フッ素共重合体にある。
発明の詳細な説明
本発明の共重合体は、さらに、(e)0〜10重量%の、モノマー(a)、(b)、(c)および(d)以外の少なくとも1種のモノマーを含有していてよい。本発明の共重合体は、モノマー(a)、(b)、(c)および(d)、ならびに必要に応じてモノマー(e)から誘導された構成単位を有する。
本明細書においては、アクリレートとメタクリレートを総称して、(メタ)アクリレートと記す。(メタ)アクリルアミド等の記載においても同様である。
Rf基は、炭素数1〜21のアルキル基における水素原子の2以上がフッ素原子に置換された基である。Rf基は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。Rf基の炭素数は、2〜20が好ましく、特に4〜16が好ましい。Rf基中のフッ素原子の割合は、(Rf基中のフッ素原子数)/(Rf基に対応する同一炭素数のアルキル基中の水素原子数)×100(%)で表現した場合、60%以上が好ましく、特に80%以上が好ましく、とりわけ実質的に100%であるのが好ましい。Rf基がパーフルオロアルキル基であることが特に好ましい。パーフルオロアルキル基は、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基である。
含フッ素モノマー(a)は、Rf基を有する(メタ)アクリレートである。Rf基を有する(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリレートのエステル残基中にRf基が存在する化合物である。Rf基を有する(メタ)アクリレートは1種であっても2種以上であってもよい。
含フッ素モノマー(a)は、例えば、次の一般式で表されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートであってよい。
[式中、Rf、R11およびAは式(I)と同意義である。]
式(I)および(I−a)において、A基は、1〜20個の炭素原子をもつ直鎖状または分岐状のアルキレン基、−SO2N(R21)R22−基または−CH2CH(OR23)CH2−基(但し、R21は1〜10個の炭素原子をもつアルキル基、R22は1〜10個の炭素原子をもつ直鎖状または分岐状のアルキレン基、R23は水素原子または1〜10個の炭素原子をもつアシル基である。)であってよい。
含フッ素モノマー(a)としては、例えば以下のものを例示できる。
[式中、Rfは炭素数1〜21のフルオロアルキル基、R1は水素または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキレン基、R3は水素またはメチル基、Arは置換基を有することもあるアリーレン基、nは1〜10の整数である。]
含フッ素モノマー(a)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。なお、R6は水素原子またはメチル基を表す。
含フッ素モノマー(a)の詳細な具体例としては、下記化合物が挙げられる。
[上記式中、R6は水素原子またはメチル基を表す。]
含窒素モノマー(b)は、少なくとも1つの窒素原子(特に、アミノ基)および1つの炭素−炭素二重結合を有する化合物である。含窒素モノマー(b)は、上記の一般式(II)に示される窒素原子がカチオン化されていない化合物、または上記の一般式(III)に示される窒素原子がカチオン化されている化合物である。式(II)の含窒素モノマーは、カチオン性基を有しない(メタ)アクリレートである。式(III)の含窒素モノマーは、カチオン性基を有する(メタ)アクリレートである。
式(II)において、R22およびR23は、それぞれ独立にアルキル基であるか、R22およびR23が共同して2価有機基を形成してよい。アルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
カチオン性基として第4アンモニウム塩基が存在していてもよい。すなわち、式(III)において、R22、R23、およびR24は、それぞれ独立にアルキル基であるか、R22およびR23が共同して2価有機基を形成しかつR24がアルキル基であってよい。アルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
式(II)および(III)において、R22およびR23が共同して2価有機基を形成した場合の2価有機基としては、炭素数2以上のポリメチレン基、該ポリメチレン基の水素原子の1個以上が置換された基、またはポリメチレン基の炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入された基が好ましい。ポリメチレン基の水素原子を置換する置換基としては、メチル基、エチル基、またはn−プロピル基等のアルキル基が好ましい。R22およびR23は、それらの結合している窒素原子を合わせてモルホリノ、ピペリジノまたは1−ピロリジニル基を形成してもよい。
X−は対イオン(アニオン基)である。Xは、ハロゲン原子、または酸(無機酸または有機酸)から1つのカチオン性の水素原子の除いた後に残る基であってよい。X−の例は、塩素イオン(Cl−)、臭素イオン(Br−)、ヨウ素イオン(I−)、硫酸水素イオン(HSO4 −)、または酢酸イオン(CH3COO−)である。
含窒素モノマー(b)の例は、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレート、N−tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレートまたはN−tert−ブチルアミノエチルアクリレートである。
含窒素モノマー(b)から誘導される重合体中の重合単位は、1種であっても2種以上であってもよい。該重合単位が2種以上である場合には、アルキル基部分または対イオンの異なる2種以上からなるのが好ましい。含窒素モノマー(b)を含ませることにより、加工剤を処理後に低温で短時間の乾燥を行っても高い耐水性および耐油性を紙に付与し、また、加工剤の安定性を向上させる効果も有する。
含窒素モノマー(b)から誘導されるカチオン性基を有しない繰り返し単位の例としては、以下が挙げられる。
含窒素モノマー(b)から誘導されるカチオン性基を有する重合単位の具体例としては、以下が挙げられる。
ピロリドンモノマー(c)は、ピロリドン基および1つの炭素−炭素二重結合を有する化合物である。式(IV)において、R31、R32、R33およびR34は、水素原子またはメチル基であることが好ましい。ピロリドンモノマー(c)の例は、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3−ジメチル−2−ピロリドンである。
アニオン性官能基を有するモノマー(d)は、アニオン性官能基および1つの炭素−炭素二重結合を有する化合物である。アニオン性官能基の例は、−C(=O)OH、−SO3H、−SO3Naである。モノマー(d)の例は、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸ソーダ、イタコン酸、フマル酸である。
本発明の共重合体は、モノマー(a)、(b)、(c)および(e)以外の他のモノマー(e)を含有してもよい。他のモノマー(e)としては、以下のものが挙げられる。エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ハロゲン化ビニルスチン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール化(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アルキルビニルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、アルキルビニルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、短鎖アルキル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、ポリジメチルシロキサン基を有する(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバゾール等。
モノマーの量は、共重合体の重量に対して、
モノマー(a)が50〜92重量%、例えば75〜90重量%、
モノマー(b)が1〜25重量%、例えば10〜16重量%、
モノマー(c)が1〜25重量%、例えば1〜5重量%、
モノマー(d)が1〜5重量%、例えば1〜3重量%、
モノマー(e)が0〜10重量%、例えば0〜3重量%であってよい。
本発明の共重合体の製造は、モノマー(a)、(b)、(c)および(d)ならびに必要に応じてモノマー(e)を液体媒体中、重合することによって行える。液体媒体は、水溶性有機溶媒であることが好ましい。液体媒体は、水溶性有機溶媒を含む混合物であってもよい。モノマーおよび液体媒体は、モノマーが液体媒体に溶解した溶液の形態であることが好ましい。重合は、溶液重合であることが好ましい。
本発明において、共重合を行った後に、無機または有機酸の水溶液を添加してモノマー(b)からの構成単位を中和するか;あるいはあらかじめ有機酸で中和された含窒素モノマー(a)を用いて共重合を行ってよい。含窒素モノマー(II)をあらかじめ酸で中和した後、モノマーを重合する場合には、有機酸水溶液による中和を要しない。
共重合後の重合体混合物は、必要に応じて、液体媒体(例えば、水、あるいは無機または有機酸の水溶液)を加えて、希釈してよい。
共重合を行うために使用される液体媒体である水溶性有機溶媒の非限定的な例として、ケトン類(例えば、アセトンまたはメチルエチルケトン)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)、エーテル類(例えば、エチレングリコールやプロピレングリコールのメチルまたはエチルエーテル、およびその酢酸エステル、テトラヒドロフラン、およびジオキサン)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ブチロラクトン及びジメチルスルホキシドを挙げることができる。N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、またはN−メチル−2−ピロリドンとアセトンの混合物を溶媒として使用することが好ましい。溶液中の全モノマーの濃度は、20〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の範囲をとることができる。
共重合は、少なくとも一種類の開始剤を、全モノマー重量に対して0.1〜2.0%の割合で使用することで行ってよい。開始剤として、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化スクシニル、過ピバル酸tert−ブチルなどの過酸化物、または、例えば2,2−アゾビスイソブチロニトリル、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、アゾジカーボンアミドなどのアゾ化合物を使用することができる。
共重合は、40℃から反応混合物の沸点までの温度範囲で行うことができる。
希釈段階は、共重合体の有機溶液に、液体媒体、例えば、水、強いまたは中強度の無機あるいは有機酸水溶液を加えることによって行える。このような酸として、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、乳酸、を挙げることができるが、酢酸を使用することが好ましい。使用する水溶液の量とその酸の濃度は、一つは式(II)のモノマーのアミン官能基を完全に中和するため、さらにもう一つは最終共重合体溶液の固形分含量を5〜30重量%、好ましくは20〜30重量%とするために、十分な量であることが好ましい。
アミン官能基を完全に塩化するためには、酸の量を、含窒素モノマー(b)に対して1〜5酸当量、好ましくは2〜3酸当量とすると好都合である。
共重合後に過酸化水素(例えば、過酸化水素水溶液)を添加してよい。使用される過酸化水素の量は、モノマーの総重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜3重量%である。過酸化水素を反応させる処理は、25〜100℃、好ましくは70〜85℃で行う。
共重合体を有効成分とする処理剤は、基材、特に紙を処理するのに使用できる。
紙は従来既知の抄造方法によって製造できる。抄造前のパルプスラリーに処理剤を添加する内添法、または抄造後の紙に処理剤を適用する外添法を用いることができる。
紙用処理剤が紙の表面に適用される場合に、紙用処理剤を、紙の重量に対するフッ素原子の割合が、0.02〜0.5重量%、特に0.05〜0.2重量%になるような量で使用することが好ましい。紙用処理剤が紙の内部を含む紙全体に適用される場合に、紙用処理剤を、パルプ重量に対するフッ素原子の割合が0.05〜1.0重量%、特に0.2〜0.4重量%になるような量で使用することが好ましい。
このように処理された基材は、室温または高温での簡単な乾燥後に、任意に、基材の性質に依存して200℃までの温度範囲をとり得る熱処理を伴うことで、優れた疎油性および疎水性を示す。
本発明において処理される基材は、石膏ボード原紙、コート原紙、中質紙、一般ライナー及び中芯、中性純白ロール紙、中性ライナー、防錆ライナー及び金属合紙、クラフト紙などである。基材としては、中性印刷筆記用紙、中性コート原紙、中性PPC用紙、中性感熱用紙、中性感圧原紙、中性インクジェット用紙及び中性情報用紙も挙げられる。さらに、モールドを使用して成型するモールド紙、特にモールド容器も挙げられる。パルプモールド容器は、例えば、特開平9−183429号公報に記載の方法によって製造することができる。
紙を形成するパルプ原料としては、クラフトパルプあるいはサルファイトパルプ等の晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプ等の晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙等の古紙パルプのいずれも使用することができる。また、上記パルプ原料と石綿、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維との混合物も使用することができる。
紙にサイズ剤を加えて、紙の耐水性を向上させることができる。サイズ剤の例は、カチオン性サイズ剤、アニオン性サイズ剤、ロジン系サイズ剤(例えば、酸性ロジン系サイズ剤、中性ロジン系サイズ剤)である。スチレン−アクリル酸系共重合体、アルキルケテンダイマーが好ましい。サイズ剤の量は、パルプに対して0.01〜5重量%であってよい。
紙中には必要に応じて、通常使用される程度の製紙用薬品として、澱粉、上記のほかの各種変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂等の紙力増強剤、歩留り向上剤、染料、蛍光染料、スライムコントロール剤、消泡剤等の紙の製造で使用される添加剤を使用することができる。
必要により、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、キャレンダー等で、薬品(例えば、澱粉、ポリビニルアルコール、染料、コーティングカラー、防滑剤等)を紙に塗布することができる。
発明の好ましい形態
以下に、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。「部」および「%」は、特記しなければ、「重量部」および「重量%」である。
以下において使用した試験方法は次のとおりである。
粘度
溶液の粘度は、液温を25℃に調節し、回転式粘度計で測定した。
耐油性
耐油性は、TAPPI UM−557に従って測定した。表1に示す試験油1滴を紙の上におき、15秒後に油の浸透状態を観察する。浸透を示さない試験油が与える耐油度の最高点を耐油性とする。
サイズ度
サイズ度は、JIS P−8122に従って測定した。
紙から縦50mm×横50mmの測定紙用紙片を切り取り、水平面に置いて辺が上方に来るように、紙片の4辺について辺から約1cmの内側の線で折り、4隅が内側にくるように、隅とそこで交わる二つの辺のそれぞれの約1cmの内側の線の交点とを結ぶ線で折って、上方が空いた箱を作成した。この箱を、シャーレに入れた20±1℃の2%ロダン酸アンモニウム水溶液上に浮かべると同時に、同じ温度の1%塩化第2銅の溶液をピペットで一滴落としてから3個の赤色斑点が現れるまでの時間を測定し、その秒数をサイズ度とした。
耐熱油性および耐熱塩水性
耐熱油性または耐熱塩水性は中国鉄道部の検査項目に基づく次のような方法にて測定した。パルプモールド容器に、80℃のサラダ油または80℃の食塩水(濃度10wt%)を注ぎ、30分間80℃に保持する。30分後にサラダ油または食塩水の容器からの滲み出しの程度を次の判定基準にて判定する。
○: 滲み漏れともなし。
○’: わずかに滲みが見られる。
△: 滲み出しはあるが、漏れはない。
×: 容器より漏れがある。
合成例1
90部のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、13部のジメチルアミノエチルメタクリレートと、11部の酢酸と、10部のN−ビニル−2−ピロリドンと、3部のアクリル酸と80部の含フッ素アクリレート:
(nが5、7、9、11および13である化合物の重量比1/63/25/9/2の混合物)
と、1部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とを、撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積500部の反応器に投入した。
この混合物を、85℃の窒素雰囲気下で6時間加熱し、次に195部の水、および1.4部の35重量%過酸化水素を含む水溶液を70℃で、20分にわたって滴下した。次にこの反応混合物を室温まで冷却した。これより400部の透明琥珀色溶液(S1)が得られ、この溶液の固形分濃度は25%であった。
合成例2
合成例1における13部のジメチルアミノエチルメタクリレートを13部のN−tert−ブチルアミノエチルメタクリレートに代える以外は合成例1と同じ操作を繰り返した。400部の透明琥珀色溶液(S2)が得られ、この溶液の固形分濃度は25%であった。
合成例3
90部のNMPと、15部のジメチルアミノエチルメタクリレートと、11部の酢酸と、6部のN−ビニル−2−ピロリドンと、2部のメタクリル酸と80部の含フッ素アクリレート:
(nが7および9である化合物の重量比85/15の混合物)
と、0.8部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とを、撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積500部の反応器に投入した。
この混合物を、75℃の窒素雰囲気下で3時間加熱し、その後0.4部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)を投入しさらに3時間反応を続けた。次に195部の水、および1.4部の35重量%過酸化水素を含む水溶液を70℃で、20分にわたって滴下した。次にこの反応混合物を室温まで冷却した。これより400部の透明琥珀色溶液(S3)が得られ、この溶液の固形分濃度は24.5%であった。
合成例4
3部のアクリル酸を1部のスチレンスルホン酸ソーダに代える以外は合成例2と同じ操作を繰り返した。395部の透明琥珀色溶液(S4)が得られ、この溶液の固形分濃度は25.7%であった。
合成例5
90部のNMPと、15部のジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物:
と、10部のN−ビニル−2−ピロリドンと、2部のメタクリル酸と80部の合成例1で用いた含フッ素アクリレート(nが5、7、9、11および13である化合物の重量比1/63/25/9/2の混合物)とを、撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積500部の反応器に投入した。
この混合物を、85℃の窒素雰囲気下で3時間加熱し、その後0.4部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)を投入しさらに3時間反応を続けた。次に145部の水、および12部の酢酸を含む水溶液を70℃で、20分にわたって滴下した。次に50部の水、および1.4部の35重量%過酸化水素を含む水溶液を70℃で、20分にわたって滴下し、40分間攪拌した後この反応混合物を室温まで冷却した。400部の透明琥珀色溶液(S5)が得られ、この溶液の固形分濃度は24.5%であった。
合成例6
90部のNMPと、15部のジメチルアミノエチルメタクリレートと、11部の酢酸と、6部のN−ビニル−2−ピロリドンと、2部のメタクリル酸と、80部の含フッ素アクリレート:
と、0.8部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とを、撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積500部の反応器に投入した。
この混合物を、75℃の窒素雰囲気下で3時間加熱し、その後0.4部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)を投入しさらに3時間反応を続けた。次に195部の水、および1.4部の35重量%過酸化水素を含む水溶液を70℃で、20分にわたって滴下した。次にこの反応混合物を室温まで冷却した。これより400部の透明琥珀色溶液(S6)が得られ、この溶液の固形分濃度は24.5%であった。
比較合成例1
合成例1の3部のアクリル酸を3部のN−ビニル−2−ピロリドンに代える以外は実施例1と同じ操作を繰り返した。得られた溶液(T1)の固形分濃度は24.0%であった。
比較合成例2
合成例3の2部のメタクリル酸を2部のN−ビニル−2−ピロリドンに代える以外は実施例3と同じ操作を繰り返した。得られた溶液(T2)の固形分濃度は24.0%であった。
比較合成例3
383部の純水と、140部のアセトンと3.75部のトリメチルオレイルアンモニウム塩酸塩と、3.43部のHLBが15であるポリオキシエチレンアルキルフェノールと、43.2部のメトキシエチルアクリレートと、12部のN−メチロールアクリルアミドと、12.8部の下記式のモノマーの75%水溶液:
と、176.9部の含フッ素アクリレート:
(n=5,7,9,11,13の混合物であり、それぞれの平均重量比は1/63/24/9/3である)
と、0.48部のドデシルメルカプタンを撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積1000部の反応器に投入した。この混合物を、窒素置換後70℃に加熱し、その後8部の水に溶解した1.2部のN、N‘−アゾビスアミジノプロパン塩酸塩を投入し2時間反応を続けた。90℃で蒸留しアセトンを除去し、固形分濃度が36%のエマルションを得た。これに蒸留水を加え、固形分25%(T3)とした。
比較合成例4
40部のメチルイソブチルケトン、2部のMEK、27部のアセトン、16部のジメチルアミノエチルメタクリレート、8.8部の酢酸ビニル、1.2部のメタクリル酸と、81.4部の含フッ素アクリレート:
(n=5,7,9,11,13の混合物であり、それぞれの平均重量比は1/63/24/9/3である)を撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積600部の反応器に投入した。この混合物を、窒素置換後70℃に加熱し、その後8部の水に溶解した0.4部の4、4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)を投入し4時間反応を続けた。次に290部の水、8部の酢酸および2.5部の35%の過酸化水素からなる水溶液を70℃で20分間にわたって滴下した。この混合物を窒素気流下で70℃で40分間撹拌した。次にこの溶液を減圧下で蒸留して固形分25%の溶液(T4)を得た。
合成例1〜5および比較合成例1〜2で得られた溶液の粘度の測定結果を表2に示す。
実施例1
広葉樹漂白クラフトパルプの1%水分散1000gをかき混ぜながら、固形分濃度1%のスチレン−アクリル酸系共重合体系サイズ剤(日本PMC(株)製AS−233)8gを少しずつ添加した。攪拌を2分間続け、ついで合成例1で得られたS1を固形分濃度1%に希釈したものを2.4gを少しずつ添加、2分間攪拌した。得られたパルプスラリーをパルプモールド製造機にて、円形の平底トレーに成形した。乾燥は180℃で30秒間とした。紙トレーの直径は16cmであり、深さは3cm、厚み0.6mmであった。この紙トレーの耐油性と耐熱油性と耐熱塩水性を評価した。結果を表3に示す。
実施例2
紙トレーの強度を高めるため、実施例1の工程において、最初にパルプスラリーに固形分濃度1%のポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン反応物(日本PMC(株)製WS−570)4gを少しずつ添加した。その後は実施例1と同様の操作を行った。得られた紙トレーの耐油性と耐熱油性と耐熱塩水性を評価した。結果を表3に示す。
比較例1
実施例2のS1に代えてT1を用いた。得られた紙トレーの耐油性と耐熱油性と耐熱塩水性を評価した。結果を表3に示す。
実施例3〜10
表4に示す溶液を同一固形分濃度で使用する以外は実施例1(WS−570不使用)または実施例2(WS−570使用)と同様の手順を繰り返し、紙トレーを得た。耐油性と耐熱油性と耐熱塩水性の結果を表4に示す。
比較例2〜4
実施例2のS1に代えてT2(比較例2)、T3(比較例3)およびT4(比較例4)を用いた。得られた紙トレーの耐油性と耐熱油性と耐熱塩水性を評価した。結果を表4に示す。
実施例11
広葉樹漂白クラフトパルプの1%水分散500gをかき混ぜながら、ついで合成例3で得られたS1の固形分1%溶液1.2gを少しずつ添加、2分間攪拌した。このパルプスラリーをJIS P8209記載の標準手すき機を用いて抄紙した。湿紙をろ紙の間に挟んで3.5kg/cm2の圧力でプレスし、充分水を吸い取ってから、ドラム式ドライヤーで乾燥(100℃×2分間)して耐油紙を得た。坪料は80g/m2であった。この耐油紙の耐油性とサイズ度を評価した。結果を表5に示す。
実施例12
広葉樹漂白クラフトパルプの1%水分散500gをかき混ぜながら、固形分濃度1%のポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン反応物(日本PMC(株)製WS−570)を2gを少しずつ添加した。攪拌を2分間続け、ついで合成例3で得られたS1の固形分1%溶液1.2gを少しずつ添加、2分間攪拌した。このパルプスラリーをJIS P8209記載の標準手すき機を用いて抄紙した。湿紙をろ紙の間に挟んで3.5kg/cm2の圧力でプレスし、充分水を吸い取ってから、ドラム式ドライヤーで乾燥(100℃×2分間)して耐油紙を得た。坪料は80g/m2であった。この耐油紙の耐油性とサイズ度を評価した。結果を表5に示す。
実施例13
実施例11のS1に代えて、合成例6で得られたS6を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
実施例14
実施例12のS1に代えて、合成例6で得られたS6を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例5
実施例11のS1に代えてT2を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例6
実施例12のS1に代えてT2を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例7
実施例11のS1に代えてT3を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例8
実施例12のS1に代えてT3を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例9
実施例11のS1に代えてT4を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例10
実施例12のS1に代えてT4を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
発明の効果
本発明の処理剤は、サイズ剤および紙力増強剤が共存する場合にも、良好な耐水性および耐油性を示す。
本発明は、新規共重合体、該共重合体を含んでなる紙用処理剤、および該紙用処理剤で処理された紙に関する。
関連技術
従来、紙用の耐水耐油加工剤としては、
(1)ポリフルオロアルキル基(以下、Rf基と記す。)を有するリン酸エステル化合物を必須成分とする加工剤(特開昭64−6196号公報、特開平3−123786号公報)、
(2)Rf基を有するアクリレートと塩化ビニリデンの共重合体(特開昭55−69677号公報、特開昭51−133511号公報、特公昭53−22547号公報)を必須成分とする加工剤、
(3)Rf基を有するアクリレートとジメチルアミノアルキルメタクリレートと酢酸ビニルの共重合体(特開平7−206942号公報)を必須成分とする加工剤
が提案されている。
加工剤のRf基を有するリン酸エステル化合物(1)は、水溶性化合物であるため、紙に対して撥水性を付与できないという問題があった。さらに、サイズ剤が共存する場合には撥油性が著しく低下するという問題があった。
紙の一般的な耐油加工に、原紙に加工剤を含浸またはコーティングする外添加工法がある。外添加工法においては、サイズプレスや各種のコーターが用いられ、乾燥は80〜100℃で数秒〜数十秒の短時間で行われる。この外添加工法に加工剤を用いる場合には、低温、短時間の乾燥で、高い耐水耐油性を付与する加工剤を選択する必要がある。
加工剤(2)は水で希釈して紙に外添する場合に、高速での浸漬、絞り、循環等を行うと、加工剤の安定性が乏しくなり、加工剤中にスカムが発生する、ロール汚れが発生する、紙への吸着不足が発生する等の欠点があり、充分な性能を紙に付与できないという問題があった。
加工剤(3)は、紙力剤やサイズ剤などのカチオン性の薬剤を併用したときに充分な性能を紙に付与できないという問題があった。
発明の概要
本発明者らは、特定の重合単位を含む共重合体を必須成分とする紙用処理剤で紙を処理することにより、カチオン性の薬剤(例えば、紙力増強剤)を併用しても充分な性能を紙に付与できること、および該紙用処理剤は、粘度が低く取り扱い性に優れていることを見いだした。
すなわち本発明の主題は、
(a)50〜92重量%の一般式:
[式中、Rfは、1〜21個の炭素原子、好ましくは4〜16個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のフルオロアルキル基を表し、
Aは、A基の隣の酸素原子と結合する炭素原子を有しており、必要に応じて少なくとも1つの酸素、硫黄および/または窒素原子を含むことができる二価の有機基を表し、
R11およびR12のうち一つは水素原子、他方は水素原子または1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を表す。]
で示される少なくとも1種の含フッ素モノマーと、
(b)1〜25重量%の一般式:
および/または
[式中、Bは、1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキレン基を表し、R21は、水素原子または1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、
R22、R23およびR24は、同じかまたは異なっており、水素原子、1〜18個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基、またはヒドロキシエチル基またはベンジル基であるか、またはR22およびR23は、一体となって2〜30個の炭素原子を含む2価の有機基を表し、
X−はアニオン基を表す。]
で示される少なくとも1種の含窒素モノマーと、
(c)1〜25重量%の一般式:
[式中、R31、R32、R33およびR34は、同じかまたは異なっており、水素原子、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表わす。]
で示されるピロリドンモノマーと、
(d)1〜5重量%のアニオン性官能基を有するモノマー
を含んでなる含フッ素共重合体にある。
発明の詳細な説明
本発明の共重合体は、さらに、(e)0〜10重量%の、モノマー(a)、(b)、(c)および(d)以外の少なくとも1種のモノマーを含有していてよい。本発明の共重合体は、モノマー(a)、(b)、(c)および(d)、ならびに必要に応じてモノマー(e)から誘導された構成単位を有する。
本明細書においては、アクリレートとメタクリレートを総称して、(メタ)アクリレートと記す。(メタ)アクリルアミド等の記載においても同様である。
Rf基は、炭素数1〜21のアルキル基における水素原子の2以上がフッ素原子に置換された基である。Rf基は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。Rf基の炭素数は、2〜20が好ましく、特に4〜16が好ましい。Rf基中のフッ素原子の割合は、(Rf基中のフッ素原子数)/(Rf基に対応する同一炭素数のアルキル基中の水素原子数)×100(%)で表現した場合、60%以上が好ましく、特に80%以上が好ましく、とりわけ実質的に100%であるのが好ましい。Rf基がパーフルオロアルキル基であることが特に好ましい。パーフルオロアルキル基は、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基である。
含フッ素モノマー(a)は、Rf基を有する(メタ)アクリレートである。Rf基を有する(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリレートのエステル残基中にRf基が存在する化合物である。Rf基を有する(メタ)アクリレートは1種であっても2種以上であってもよい。
含フッ素モノマー(a)は、例えば、次の一般式で表されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートであってよい。
[式中、Rf、R11およびAは式(I)と同意義である。]
式(I)および(I−a)において、A基は、1〜20個の炭素原子をもつ直鎖状または分岐状のアルキレン基、−SO2N(R21)R22−基または−CH2CH(OR23)CH2−基(但し、R21は1〜10個の炭素原子をもつアルキル基、R22は1〜10個の炭素原子をもつ直鎖状または分岐状のアルキレン基、R23は水素原子または1〜10個の炭素原子をもつアシル基である。)であってよい。
含フッ素モノマー(a)としては、例えば以下のものを例示できる。
[式中、Rfは炭素数1〜21のフルオロアルキル基、R1は水素または炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキレン基、R3は水素またはメチル基、Arは置換基を有することもあるアリーレン基、nは1〜10の整数である。]
含フッ素モノマー(a)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。なお、R6は水素原子またはメチル基を表す。
含フッ素モノマー(a)の詳細な具体例としては、下記化合物が挙げられる。
[上記式中、R6は水素原子またはメチル基を表す。]
含窒素モノマー(b)は、少なくとも1つの窒素原子(特に、アミノ基)および1つの炭素−炭素二重結合を有する化合物である。含窒素モノマー(b)は、上記の一般式(II)に示される窒素原子がカチオン化されていない化合物、または上記の一般式(III)に示される窒素原子がカチオン化されている化合物である。式(II)の含窒素モノマーは、カチオン性基を有しない(メタ)アクリレートである。式(III)の含窒素モノマーは、カチオン性基を有する(メタ)アクリレートである。
式(II)において、R22およびR23は、それぞれ独立にアルキル基であるか、R22およびR23が共同して2価有機基を形成してよい。アルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
カチオン性基として第4アンモニウム塩基が存在していてもよい。すなわち、式(III)において、R22、R23、およびR24は、それぞれ独立にアルキル基であるか、R22およびR23が共同して2価有機基を形成しかつR24がアルキル基であってよい。アルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
式(II)および(III)において、R22およびR23が共同して2価有機基を形成した場合の2価有機基としては、炭素数2以上のポリメチレン基、該ポリメチレン基の水素原子の1個以上が置換された基、またはポリメチレン基の炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入された基が好ましい。ポリメチレン基の水素原子を置換する置換基としては、メチル基、エチル基、またはn−プロピル基等のアルキル基が好ましい。R22およびR23は、それらの結合している窒素原子を合わせてモルホリノ、ピペリジノまたは1−ピロリジニル基を形成してもよい。
X−は対イオン(アニオン基)である。Xは、ハロゲン原子、または酸(無機酸または有機酸)から1つのカチオン性の水素原子の除いた後に残る基であってよい。X−の例は、塩素イオン(Cl−)、臭素イオン(Br−)、ヨウ素イオン(I−)、硫酸水素イオン(HSO4 −)、または酢酸イオン(CH3COO−)である。
含窒素モノマー(b)の例は、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレート、N−tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレートまたはN−tert−ブチルアミノエチルアクリレートである。
含窒素モノマー(b)から誘導される重合体中の重合単位は、1種であっても2種以上であってもよい。該重合単位が2種以上である場合には、アルキル基部分または対イオンの異なる2種以上からなるのが好ましい。含窒素モノマー(b)を含ませることにより、加工剤を処理後に低温で短時間の乾燥を行っても高い耐水性および耐油性を紙に付与し、また、加工剤の安定性を向上させる効果も有する。
含窒素モノマー(b)から誘導されるカチオン性基を有しない繰り返し単位の例としては、以下が挙げられる。
含窒素モノマー(b)から誘導されるカチオン性基を有する重合単位の具体例としては、以下が挙げられる。
ピロリドンモノマー(c)は、ピロリドン基および1つの炭素−炭素二重結合を有する化合物である。式(IV)において、R31、R32、R33およびR34は、水素原子またはメチル基であることが好ましい。ピロリドンモノマー(c)の例は、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3−ジメチル−2−ピロリドンである。
アニオン性官能基を有するモノマー(d)は、アニオン性官能基および1つの炭素−炭素二重結合を有する化合物である。アニオン性官能基の例は、−C(=O)OH、−SO3H、−SO3Naである。モノマー(d)の例は、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸ソーダ、イタコン酸、フマル酸である。
本発明の共重合体は、モノマー(a)、(b)、(c)および(e)以外の他のモノマー(e)を含有してもよい。他のモノマー(e)としては、以下のものが挙げられる。エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ハロゲン化ビニルスチン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール化(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アルキルビニルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、アルキルビニルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、短鎖アルキル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、ポリジメチルシロキサン基を有する(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバゾール等。
モノマーの量は、共重合体の重量に対して、
モノマー(a)が50〜92重量%、例えば75〜90重量%、
モノマー(b)が1〜25重量%、例えば10〜16重量%、
モノマー(c)が1〜25重量%、例えば1〜5重量%、
モノマー(d)が1〜5重量%、例えば1〜3重量%、
モノマー(e)が0〜10重量%、例えば0〜3重量%であってよい。
本発明の共重合体の製造は、モノマー(a)、(b)、(c)および(d)ならびに必要に応じてモノマー(e)を液体媒体中、重合することによって行える。液体媒体は、水溶性有機溶媒であることが好ましい。液体媒体は、水溶性有機溶媒を含む混合物であってもよい。モノマーおよび液体媒体は、モノマーが液体媒体に溶解した溶液の形態であることが好ましい。重合は、溶液重合であることが好ましい。
本発明において、共重合を行った後に、無機または有機酸の水溶液を添加してモノマー(b)からの構成単位を中和するか;あるいはあらかじめ有機酸で中和された含窒素モノマー(a)を用いて共重合を行ってよい。含窒素モノマー(II)をあらかじめ酸で中和した後、モノマーを重合する場合には、有機酸水溶液による中和を要しない。
共重合後の重合体混合物は、必要に応じて、液体媒体(例えば、水、あるいは無機または有機酸の水溶液)を加えて、希釈してよい。
共重合を行うために使用される液体媒体である水溶性有機溶媒の非限定的な例として、ケトン類(例えば、アセトンまたはメチルエチルケトン)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)、エーテル類(例えば、エチレングリコールやプロピレングリコールのメチルまたはエチルエーテル、およびその酢酸エステル、テトラヒドロフラン、およびジオキサン)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ブチロラクトン及びジメチルスルホキシドを挙げることができる。N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、またはN−メチル−2−ピロリドンとアセトンの混合物を溶媒として使用することが好ましい。溶液中の全モノマーの濃度は、20〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の範囲をとることができる。
共重合は、少なくとも一種類の開始剤を、全モノマー重量に対して0.1〜2.0%の割合で使用することで行ってよい。開始剤として、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化スクシニル、過ピバル酸tert−ブチルなどの過酸化物、または、例えば2,2−アゾビスイソブチロニトリル、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、アゾジカーボンアミドなどのアゾ化合物を使用することができる。
共重合は、40℃から反応混合物の沸点までの温度範囲で行うことができる。
希釈段階は、共重合体の有機溶液に、液体媒体、例えば、水、強いまたは中強度の無機あるいは有機酸水溶液を加えることによって行える。このような酸として、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、乳酸、を挙げることができるが、酢酸を使用することが好ましい。使用する水溶液の量とその酸の濃度は、一つは式(II)のモノマーのアミン官能基を完全に中和するため、さらにもう一つは最終共重合体溶液の固形分含量を5〜30重量%、好ましくは20〜30重量%とするために、十分な量であることが好ましい。
アミン官能基を完全に塩化するためには、酸の量を、含窒素モノマー(b)に対して1〜5酸当量、好ましくは2〜3酸当量とすると好都合である。
共重合後に過酸化水素(例えば、過酸化水素水溶液)を添加してよい。使用される過酸化水素の量は、モノマーの総重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜3重量%である。過酸化水素を反応させる処理は、25〜100℃、好ましくは70〜85℃で行う。
共重合体を有効成分とする処理剤は、基材、特に紙を処理するのに使用できる。
紙は従来既知の抄造方法によって製造できる。抄造前のパルプスラリーに処理剤を添加する内添法、または抄造後の紙に処理剤を適用する外添法を用いることができる。
紙用処理剤が紙の表面に適用される場合に、紙用処理剤を、紙の重量に対するフッ素原子の割合が、0.02〜0.5重量%、特に0.05〜0.2重量%になるような量で使用することが好ましい。紙用処理剤が紙の内部を含む紙全体に適用される場合に、紙用処理剤を、パルプ重量に対するフッ素原子の割合が0.05〜1.0重量%、特に0.2〜0.4重量%になるような量で使用することが好ましい。
このように処理された基材は、室温または高温での簡単な乾燥後に、任意に、基材の性質に依存して200℃までの温度範囲をとり得る熱処理を伴うことで、優れた疎油性および疎水性を示す。
本発明において処理される基材は、石膏ボード原紙、コート原紙、中質紙、一般ライナー及び中芯、中性純白ロール紙、中性ライナー、防錆ライナー及び金属合紙、クラフト紙などである。基材としては、中性印刷筆記用紙、中性コート原紙、中性PPC用紙、中性感熱用紙、中性感圧原紙、中性インクジェット用紙及び中性情報用紙も挙げられる。さらに、モールドを使用して成型するモールド紙、特にモールド容器も挙げられる。パルプモールド容器は、例えば、特開平9−183429号公報に記載の方法によって製造することができる。
紙を形成するパルプ原料としては、クラフトパルプあるいはサルファイトパルプ等の晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプ等の晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙等の古紙パルプのいずれも使用することができる。また、上記パルプ原料と石綿、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維との混合物も使用することができる。
紙にサイズ剤を加えて、紙の耐水性を向上させることができる。サイズ剤の例は、カチオン性サイズ剤、アニオン性サイズ剤、ロジン系サイズ剤(例えば、酸性ロジン系サイズ剤、中性ロジン系サイズ剤)である。スチレン−アクリル酸系共重合体、アルキルケテンダイマーが好ましい。サイズ剤の量は、パルプに対して0.01〜5重量%であってよい。
紙中には必要に応じて、通常使用される程度の製紙用薬品として、澱粉、上記のほかの各種変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂等の紙力増強剤、歩留り向上剤、染料、蛍光染料、スライムコントロール剤、消泡剤等の紙の製造で使用される添加剤を使用することができる。
必要により、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、キャレンダー等で、薬品(例えば、澱粉、ポリビニルアルコール、染料、コーティングカラー、防滑剤等)を紙に塗布することができる。
発明の好ましい形態
以下に、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。「部」および「%」は、特記しなければ、「重量部」および「重量%」である。
以下において使用した試験方法は次のとおりである。
粘度
溶液の粘度は、液温を25℃に調節し、回転式粘度計で測定した。
耐油性
耐油性は、TAPPI UM−557に従って測定した。表1に示す試験油1滴を紙の上におき、15秒後に油の浸透状態を観察する。浸透を示さない試験油が与える耐油度の最高点を耐油性とする。
サイズ度
サイズ度は、JIS P−8122に従って測定した。
紙から縦50mm×横50mmの測定紙用紙片を切り取り、水平面に置いて辺が上方に来るように、紙片の4辺について辺から約1cmの内側の線で折り、4隅が内側にくるように、隅とそこで交わる二つの辺のそれぞれの約1cmの内側の線の交点とを結ぶ線で折って、上方が空いた箱を作成した。この箱を、シャーレに入れた20±1℃の2%ロダン酸アンモニウム水溶液上に浮かべると同時に、同じ温度の1%塩化第2銅の溶液をピペットで一滴落としてから3個の赤色斑点が現れるまでの時間を測定し、その秒数をサイズ度とした。
耐熱油性および耐熱塩水性
耐熱油性または耐熱塩水性は中国鉄道部の検査項目に基づく次のような方法にて測定した。パルプモールド容器に、80℃のサラダ油または80℃の食塩水(濃度10wt%)を注ぎ、30分間80℃に保持する。30分後にサラダ油または食塩水の容器からの滲み出しの程度を次の判定基準にて判定する。
○: 滲み漏れともなし。
○’: わずかに滲みが見られる。
△: 滲み出しはあるが、漏れはない。
×: 容器より漏れがある。
合成例1
90部のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、13部のジメチルアミノエチルメタクリレートと、11部の酢酸と、10部のN−ビニル−2−ピロリドンと、3部のアクリル酸と80部の含フッ素アクリレート:
(nが5、7、9、11および13である化合物の重量比1/63/25/9/2の混合物)
と、1部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とを、撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積500部の反応器に投入した。
この混合物を、85℃の窒素雰囲気下で6時間加熱し、次に195部の水、および1.4部の35重量%過酸化水素を含む水溶液を70℃で、20分にわたって滴下した。次にこの反応混合物を室温まで冷却した。これより400部の透明琥珀色溶液(S1)が得られ、この溶液の固形分濃度は25%であった。
合成例2
合成例1における13部のジメチルアミノエチルメタクリレートを13部のN−tert−ブチルアミノエチルメタクリレートに代える以外は合成例1と同じ操作を繰り返した。400部の透明琥珀色溶液(S2)が得られ、この溶液の固形分濃度は25%であった。
合成例3
90部のNMPと、15部のジメチルアミノエチルメタクリレートと、11部の酢酸と、6部のN−ビニル−2−ピロリドンと、2部のメタクリル酸と80部の含フッ素アクリレート:
(nが7および9である化合物の重量比85/15の混合物)
と、0.8部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とを、撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積500部の反応器に投入した。
この混合物を、75℃の窒素雰囲気下で3時間加熱し、その後0.4部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)を投入しさらに3時間反応を続けた。次に195部の水、および1.4部の35重量%過酸化水素を含む水溶液を70℃で、20分にわたって滴下した。次にこの反応混合物を室温まで冷却した。これより400部の透明琥珀色溶液(S3)が得られ、この溶液の固形分濃度は24.5%であった。
合成例4
3部のアクリル酸を1部のスチレンスルホン酸ソーダに代える以外は合成例2と同じ操作を繰り返した。395部の透明琥珀色溶液(S4)が得られ、この溶液の固形分濃度は25.7%であった。
合成例5
90部のNMPと、15部のジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物:
と、10部のN−ビニル−2−ピロリドンと、2部のメタクリル酸と80部の合成例1で用いた含フッ素アクリレート(nが5、7、9、11および13である化合物の重量比1/63/25/9/2の混合物)とを、撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積500部の反応器に投入した。
この混合物を、85℃の窒素雰囲気下で3時間加熱し、その後0.4部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)を投入しさらに3時間反応を続けた。次に145部の水、および12部の酢酸を含む水溶液を70℃で、20分にわたって滴下した。次に50部の水、および1.4部の35重量%過酸化水素を含む水溶液を70℃で、20分にわたって滴下し、40分間攪拌した後この反応混合物を室温まで冷却した。400部の透明琥珀色溶液(S5)が得られ、この溶液の固形分濃度は24.5%であった。
合成例6
90部のNMPと、15部のジメチルアミノエチルメタクリレートと、11部の酢酸と、6部のN−ビニル−2−ピロリドンと、2部のメタクリル酸と、80部の含フッ素アクリレート:
と、0.8部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とを、撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積500部の反応器に投入した。
この混合物を、75℃の窒素雰囲気下で3時間加熱し、その後0.4部の4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)を投入しさらに3時間反応を続けた。次に195部の水、および1.4部の35重量%過酸化水素を含む水溶液を70℃で、20分にわたって滴下した。次にこの反応混合物を室温まで冷却した。これより400部の透明琥珀色溶液(S6)が得られ、この溶液の固形分濃度は24.5%であった。
比較合成例1
合成例1の3部のアクリル酸を3部のN−ビニル−2−ピロリドンに代える以外は実施例1と同じ操作を繰り返した。得られた溶液(T1)の固形分濃度は24.0%であった。
比較合成例2
合成例3の2部のメタクリル酸を2部のN−ビニル−2−ピロリドンに代える以外は実施例3と同じ操作を繰り返した。得られた溶液(T2)の固形分濃度は24.0%であった。
比較合成例3
383部の純水と、140部のアセトンと3.75部のトリメチルオレイルアンモニウム塩酸塩と、3.43部のHLBが15であるポリオキシエチレンアルキルフェノールと、43.2部のメトキシエチルアクリレートと、12部のN−メチロールアクリルアミドと、12.8部の下記式のモノマーの75%水溶液:
と、176.9部の含フッ素アクリレート:
(n=5,7,9,11,13の混合物であり、それぞれの平均重量比は1/63/24/9/3である)
と、0.48部のドデシルメルカプタンを撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積1000部の反応器に投入した。この混合物を、窒素置換後70℃に加熱し、その後8部の水に溶解した1.2部のN、N‘−アゾビスアミジノプロパン塩酸塩を投入し2時間反応を続けた。90℃で蒸留しアセトンを除去し、固形分濃度が36%のエマルションを得た。これに蒸留水を加え、固形分25%(T3)とした。
比較合成例4
40部のメチルイソブチルケトン、2部のMEK、27部のアセトン、16部のジメチルアミノエチルメタクリレート、8.8部の酢酸ビニル、1.2部のメタクリル酸と、81.4部の含フッ素アクリレート:
(n=5,7,9,11,13の混合物であり、それぞれの平均重量比は1/63/24/9/3である)を撹拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗、窒素流入口および加熱装置を備えた容積600部の反応器に投入した。この混合物を、窒素置換後70℃に加熱し、その後8部の水に溶解した0.4部の4、4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)を投入し4時間反応を続けた。次に290部の水、8部の酢酸および2.5部の35%の過酸化水素からなる水溶液を70℃で20分間にわたって滴下した。この混合物を窒素気流下で70℃で40分間撹拌した。次にこの溶液を減圧下で蒸留して固形分25%の溶液(T4)を得た。
合成例1〜5および比較合成例1〜2で得られた溶液の粘度の測定結果を表2に示す。
実施例1
広葉樹漂白クラフトパルプの1%水分散1000gをかき混ぜながら、固形分濃度1%のスチレン−アクリル酸系共重合体系サイズ剤(日本PMC(株)製AS−233)8gを少しずつ添加した。攪拌を2分間続け、ついで合成例1で得られたS1を固形分濃度1%に希釈したものを2.4gを少しずつ添加、2分間攪拌した。得られたパルプスラリーをパルプモールド製造機にて、円形の平底トレーに成形した。乾燥は180℃で30秒間とした。紙トレーの直径は16cmであり、深さは3cm、厚み0.6mmであった。この紙トレーの耐油性と耐熱油性と耐熱塩水性を評価した。結果を表3に示す。
実施例2
紙トレーの強度を高めるため、実施例1の工程において、最初にパルプスラリーに固形分濃度1%のポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン反応物(日本PMC(株)製WS−570)4gを少しずつ添加した。その後は実施例1と同様の操作を行った。得られた紙トレーの耐油性と耐熱油性と耐熱塩水性を評価した。結果を表3に示す。
比較例1
実施例2のS1に代えてT1を用いた。得られた紙トレーの耐油性と耐熱油性と耐熱塩水性を評価した。結果を表3に示す。
実施例3〜10
表4に示す溶液を同一固形分濃度で使用する以外は実施例1(WS−570不使用)または実施例2(WS−570使用)と同様の手順を繰り返し、紙トレーを得た。耐油性と耐熱油性と耐熱塩水性の結果を表4に示す。
比較例2〜4
実施例2のS1に代えてT2(比較例2)、T3(比較例3)およびT4(比較例4)を用いた。得られた紙トレーの耐油性と耐熱油性と耐熱塩水性を評価した。結果を表4に示す。
実施例11
広葉樹漂白クラフトパルプの1%水分散500gをかき混ぜながら、ついで合成例3で得られたS1の固形分1%溶液1.2gを少しずつ添加、2分間攪拌した。このパルプスラリーをJIS P8209記載の標準手すき機を用いて抄紙した。湿紙をろ紙の間に挟んで3.5kg/cm2の圧力でプレスし、充分水を吸い取ってから、ドラム式ドライヤーで乾燥(100℃×2分間)して耐油紙を得た。坪料は80g/m2であった。この耐油紙の耐油性とサイズ度を評価した。結果を表5に示す。
実施例12
広葉樹漂白クラフトパルプの1%水分散500gをかき混ぜながら、固形分濃度1%のポリアミドポリアミン−エピクロルヒドリン反応物(日本PMC(株)製WS−570)を2gを少しずつ添加した。攪拌を2分間続け、ついで合成例3で得られたS1の固形分1%溶液1.2gを少しずつ添加、2分間攪拌した。このパルプスラリーをJIS P8209記載の標準手すき機を用いて抄紙した。湿紙をろ紙の間に挟んで3.5kg/cm2の圧力でプレスし、充分水を吸い取ってから、ドラム式ドライヤーで乾燥(100℃×2分間)して耐油紙を得た。坪料は80g/m2であった。この耐油紙の耐油性とサイズ度を評価した。結果を表5に示す。
実施例13
実施例11のS1に代えて、合成例6で得られたS6を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
実施例14
実施例12のS1に代えて、合成例6で得られたS6を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例5
実施例11のS1に代えてT2を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例6
実施例12のS1に代えてT2を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例7
実施例11のS1に代えてT3を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例8
実施例12のS1に代えてT3を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例9
実施例11のS1に代えてT4を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例10
実施例12のS1に代えてT4を用いた。得られた紙の耐油性とサイズ性を評価した。結果を表5に示す。
発明の効果
本発明の処理剤は、サイズ剤および紙力増強剤が共存する場合にも、良好な耐水性および耐油性を示す。
Claims (22)
- (a)50〜92重量%の一般式:
[式中、Rfは、1〜21個の炭素原子、好ましくは4〜16個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のフルオロアルキル基を表し、
Aは、A基の隣の酸素原子と結合する炭素原子を有しており、必要に応じて少なくとも1つの酸素、硫黄および/または窒素原子を含むことができる二価の有機基を表し、
R11およびR12のうち一つは水素原子、他方は水素原子または1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を表す。]
で示される少なくとも1種の含フッ素モノマーと、
(b)1〜25重量%の一般式:
および/または
[式中、Bは、1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキレン基を表し、R21は、水素原子または1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、
R22、R23およびR24は、同じかまたは異なっており、水素原子、1〜18個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基、またはヒドロキシエチル基またはベンジル基であるか、またはR22およびR23は、一体となって2〜30個の炭素原子を含む2価の有機基を表し、
X−はアニオン基を表す。]
で示される少なくとも1種の含窒素モノマーと、
(c)1〜25重量%の一般式:
[式中、R31、R32、R33およびR34は、同じかまたは異なっており、水素原子、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表わす。]
で示されるピロリドンモノマーと、
(d)1〜5重量%のアニオン性官能基を有するモノマー
を含んでなる含フッ素共重合体。 - さらに、(e)0〜10重量%の、モノマー(a)、(b)、(c)および(d)以外のモノマーをも含有する請求項1に記載の共重合体。
- 含フッ素モノマー(a)が、一般式(I)においてRfが、4〜16個の炭素原子を含むパーフルオロアルキル基を表す少なくとも1種の含フッ素モノマーである請求項1に記載の共重合体。
- 含窒素モノマー(b)が、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレート、N−tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、N−tert−ブチルアミノエチルアクリレートまたはこれらの混合物である請求項1に記載の共重合体。
- ピロリドンモノマー(c)が、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3−ジメチル−2−ピロリドンまたはこれらの混合物である請求項1に記載の共重合体。
- アニオン官能基含有モノマー(d)がアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸ソーダ、イタコン酸、フマル酸またはこれらの混合物である請求項1に記載の共重合体。
- 含フッ素モノマー(a)が、一般式(I)においてRfが4〜16個の炭素原子を含むパーフルオロアルキル基を表す少なくとも1種の含フッ素モノマーであり、含窒素モノマー(b)が、ジメチルアミノエチルメタクリレートであり、ピロリドンモノマー(c)がN−ビニルピロリドンであり、アニオン官能基含有モノマー(d)がメタクリル酸である請求項1に記載の共重合体。
- 含フッ素モノマー(a)がF(CF2)8CH2CH2OCOCH=CH2またはF(CF2)10CH2CH2OCOCH=CH2またはこれらの混合物であり、含窒素モノマー(b)が、ジメチルアミノエチルメタクリレートであり、ピロリドンモノマー(c)がN−ビニルピロリドンであり、アニオン官能基含有モノマー(d)がメタクリル酸である請求項1に記載の共重合体。
- 含フッ素モノマー(a)がF(CF2)8CH2CH2OCOCH=CH2とF(CF2)10CH2CH2OCOCH=CH2との混合物であり、含窒素モノマー(b)がジメチルアミノエチルメタクリレート、ピロリドンモノマー(c)がN−ビニルピロリドン、アニオン官能基含有モノマー(d)がメタクリル酸であり、これらの重量比が、66:14:15:3:2である請求項1に記載の共重合体。
- 固形基材、特に紙および厚紙の疎油性および疎水性処理において、請求項1〜9のいずれかに記載の共重合体を使用する方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の共重合体を含んでなる紙用処理剤。
- 紙用処理剤が紙の表面に適用されるものであり、紙用処理剤を、紙の重量に対するフッ素原子の割合が0.05〜0.2重量%になるような量で使用する請求項11に記載の紙用処理剤。
- 紙用処理剤が紙の内部を含む紙全体に適用されるものであり、紙用処理剤を、パルプ重量に対するフッ素原子の割合が0.2〜0.4重量%になるような量で使用する請求項11に記載の紙用処理剤。
- 請求項11〜13のいずれかに記載の紙用処理剤で処理された加工紙。
- モノマー(a)、(b)、(c)および(d)の共重合を水溶性有機溶媒または水溶性有機溶媒混合物の溶液中で行い、次いで必要に応じて無機または有機酸水溶液により希釈することを特徴とする、請求項1に記載の共重合体の製造方法。
- 含窒素モノマーをあらかじめ酸で中和した後、モノマーを重合することを特徴とする、請求項1に記載の共重合体の製造方法。
- 重合後に過酸化水素水溶液による処理を行う請求項15または16に記載の方法。
- 過酸化水素の量がモノマーの全重量に対して0.1〜10%、好ましくは0.3〜3%である請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
- 共重合を行うための溶媒が、N−メチル−2−ピロリドンである請求項15〜18のいずれかに記載の方法。
- 共重合を行うための溶媒が、アセトン、アセトニトリル、メタノールまたはこれらの混合物である請求項15〜18のいずれかに記載の方法。
- 有機酸水溶液における酸が酢酸である請求項15に記載の方法。
- モノマー(a)、(b)、(c)および(d)の共重合をアセトン、アセトニトリル、メタノールまたはこれらの混合物中で行い、次いで必要に応じて無機または有機酸水溶液により希釈し、その後有機溶媒を蒸留により留去することを特徴とする、請求項1に記載の共重合体の製造方法。
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