JPWO2002083636A1 - ピロリジン誘導体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、スクアレン合成酵素阻害剤として動脈硬化症性疾患、虚血性心疾患をはじめとする高脂血症の予防・治療に有用なキヌクリジン誘導体の側鎖の合成中間体として有用なピロリジン誘導体およびその製造方法に関する。
背景技術
現在、HMG−CoA還元酵素阻害剤がコレステロール低下剤として広く使用されているが、コレステロール以外の代謝系にも影響を及ぼすため、その副作用が問題となっている。スクアレン合成酵素は、コレステロール生合成系においてHMG−CoA還元酵素及びイソプレンの生成系よりも下流に位置することから、HMG−CoA還元酵素阻害剤の副作用問題を解決する薬物として期待されている。しかし、これまでのところ副作用が少なく、高脂血症治療剤として十分な効果を発揮しうるスクアレン合成酵素阻害剤は創出されていない。
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定のスクアレン合成酵素阻害剤が高脂血症治療剤として有用であることを見出し特許出願(WO01/23383)した。その中で特にピロリジン誘導体を有するキヌクリジン誘導体が優れたスクアレン合成酵素阻害作用を有し、非常に有用である。
この特許出願(WO01/23383)記載の製造方法は、本発明である3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジンなどの本発明化合物であるピロリジン誘導体(X)を中間体として用いておらず、あとからピロリジン環状の置換基の変換等をおこなっている。そのため工程数の長さ、全体での収率からキヌクリジン誘導体の工業的な製造方法として満足いくものではない。また、3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジンをはじめとするピロリジン誘導体(X)は、ラセミ体でも各光学活性体でも新規であり、現在まで知られていない。
発明の開示
本発明の目的は、前記キヌクリジン誘導体の製造において有用な製造中間体およびその製造方法を見出すことにある。
また、本発明の目的は、前記キヌクリジン誘導体(WO01/23383)の製造工程がより短くなる工業的な製造方法に有用な3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン及びその製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、前記キヌクリジン誘導体の製造において有用な製造中間体である3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン、N−ベンジル−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジンおよびそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記事情に鑑み、精力的に研究を重ねた結果、前記キヌクリジン誘導体の製造において以下の有用な製造中間体およびその製造方法を見出した。すなわち本発明は、以下の<1>〜<16>に関する。
<1> 一般式(X)〔式中、R1およびR2はそれぞれ独立してハロゲン原子、水酸基または式−O−R10(式中、R10は、ハロゲン原子、水酸基、メトキシ基、フェニル基、C3−8シクロアルキル基およびC1−6アルコキシ基からなる置換基A群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基又は前記置換基A群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基を意味する)で表される基を意味する;R3は、置換基としてメトキシ基またはニトロ基を1から3個有していてもよいベンジル基または水素原子を意味する。ただし、▲1▼R1とR2が同一である場合、▲2▼R1またはR2の片方が水酸基でありもう一方がエトキシ基または塩素原子である場合を除く〕で表される化合物もしくはその塩またはそれらの水和物:
<2> 一般式(X1)〔式中、Z1、Z2、Z3およびZ4はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基または式−O−R10(式中、R10は、ハロゲン原子、水酸基、メトキシ基、フェニル基、C3−8シクロアルキル基およびC1−6アルコキシ基からなる置換基A群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基又は前記置換基A群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基を意味する)で表される基を表す;但し、Z1、Z2のいずれか一方、およびZ3、Z4のいずれか一方は水素原子を意味する;R3は、置換基としてメトキシ基またはニトロ基を1から3個有していてもよいベンジル基または水素原子を意味する;但し、▲1▼Z1及びZ2のうち水素原子ではない基とZ3及びZ4のうち水素原子ではない基とが同一である場合、及び▲2▼Z1及びZ2のうち水素原子ではない基が水酸基でありZ3及びZ4のうち水素原子ではない基がエトキシ基または塩素原子である場合を除く〕で表される化合物もしくはその塩またはそれらの水和物:
<3> Z1およびZ4が水素原子である前記<2>記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物;
<4> Z1およびZ3が水素原子である前記<2>記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物;
<5> Z2およびZ4が水素原子である前記<2>記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物;
<6> R1が式−OR10(式中、R10は前記<1>記載のR10と同意義を意味する)で表される基である前記<1>記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物;
<7> Z1またはZ2の少なくともいずれか一方が式−OR10(式中、R10は前記<1>記載のR10と同意義を意味する)で表される基である前記<2>〜<5>のいずれかに記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物;
<8> R3が水素原子またはベンジル基である前記<1>〜<7>のいずれかに記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物;
<9> R3が水素原子である前記<1>〜<7>のいずれかに記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物;
<10> R10が水酸基、メトキシ基またはベンジルオキシ基である前記<1>〜<9>のいずれかに記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物;
<11> (3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン、(3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン、(3R,4S)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジンおよび(3S,4R)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジンからなる群から選ばれる1の化合物である前記<1>または<2>記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物;
<12> 塩が塩酸塩またはシュウ酸塩である前記<1>〜<11>のいずれかに記載の化合物の塩またはそれらの水和物;
<13> 式(1y)で表される化合物(1y)を酸化反応に付し、式(2y)で表される化合物(2y)を得て、
次いで該化合物(2y)中の2つの水酸基を脱離基に変換し、式(3y)(式中、L1はハロゲン原子、メチルスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基を意味する)で表される化合物(3y)を得て、
次いで該化合物(3y)に一般式R3a−NH2(式中、R3aは置換基としてメトキシ基またはニトロ基を1から3個有していてもよいベンジル基を意味する)で表されるアミン誘導体を反応させ,式(4y)(式中、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(4y)を得て、
次いで該化合物(4y)にメトキシドアルカリ金属塩を反応させ、式(5y)(式中、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(5y)を得て、
次いで該化合物(5y)中のR3aを脱離させることを特徴とする、
下記式(6y)で表される3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(6y)もしくはその塩またはそれらの水和物の製造方法
<14> 式(4y)(式中、R3aは置換基としてメトキシ基またはニトロ基を1から3個有していてもよいベンジル基を意味する)で表される化合物(4y)にメトキシドアルカリ金属塩を反応させ、
式(5y)(式中、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(5y)を得て、次いで該化合物(5y)中のR3aを脱離させることを特徴とする、
下記式(6y)で表される3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(6y)もしくはその塩またはそれらの水和物の製造方法
<15> 下記式(1z)(式中、R5はC1−6アルキル基、ベンジル基または水素原子を意味する)で表される化合物(1z)に式Ar−CHO(式中、Arは、置換基としてニトロ基およびメトキシ基からなる群から1から3個の置換基を有していてもよいフェニル基を意味する)で表される化合物を反応させ、式(2z)(式中、ArおよびR5は前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(2z)を得、
次いで該化合物(2z)を還元反応に付して式(3z)(式中、Arは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(3z)とし、
次いで該化合物(3z)中の水酸基を脱離基に変換し、式(4z)(式中、Arは前記定義と同意義を意味し、L1はハロゲン原子またはメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニル基またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基を意味する)で表される化合物(4z)とし、
次いで該化合物(4z)を還元反応に付して式(5z)(式中、ArおよびL1は前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(5z)とし、
次いで該化合物(5z)と式R3a−NH2(式中、R3aは置換基としてメトキシ基またはニトロ基を1から3個有していてもよいベンジル基を意味する)で表される化合物を反応させ、式(6z)(式中、Ar、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(6z)とし、
次いで該化合物(6z)をメチル化反応に付して式(7z)(式中、Ar、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(7z)とし、
次いで該化合物(7z)を保護基を脱保護することを特徴とする、
式(8z)で表される3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(8z)もしくはその塩またはそれらの水和物の製造方法
<16> 式(4z)(式中、Arは、置換基としてニトロ基およびメトキシ基からなる群から1から3個の置換基を有していてもよいフェニル基を意味し、L1はハロゲン原子またはメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニル基またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基を意味する)で表される化合物(4z)を還元反応に付して、式(5z)(式中、ArおよびL1は前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(5z)とし、
次いで該化合物(5z)と式R3a−NH2(式中、R3aは置換基としてメトキシ基またはニトロ基を1から3個有していてもよいベンジル基を意味する)で表される化合物を反応させ式(6z)(式中、Ar、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(6z)とし、
次いで該化合物(6z)をメチル化反応に付して式(7z)(式中、Ar、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(7z)とし、
次いで該化合物(7z)を保護基を脱保護することを特徴とする、式(8z)で表される3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(8z)もしくはその塩またはそれらの水和物の製造方法:
発明を実施するための最良の形態
以下に、本願明細書において記載する用語、記号等の意義を説明し、本発明を詳細に説明する。
なお、本願明細書中においては、化合物の構造式が便宜上一定の異性体を表すことがあるが、本発明には化合物の構造上生ずる総ての幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体等の異性体および異性体混合物を含み、便宜上の式の記載に限定されるものではなく、いずれか一方の異性体でも混合物でもよい。従って、分子内に不斉炭素原子を有し光学活性体およびラセミ体が存在することがあり得るが、本発明においては特に限定されず、いずれの場合も含まれる。さらに結晶多形が存在することもあるが同様に限定されず、いずれかの結晶形単一または混合物であってもよく、また、無水物であっても水和物であってもどちらでもよい。
本明細書中において「C1−6アルキル基」とは、炭素数1ないし6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を意味し、具体的には例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2−エチルプロピル基、1−メチル−2−エチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基等があげられる。
本明細書中において「C3−8シクロアルキル基」とは、炭素数3ないし8個の環状の脂肪族炭化水素基を意味し、具体的には例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などが挙げられる。
本明細書中において「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。
本明細書中において「C1−6アルコキシ基」とは前記定義の「C1−6アルキル基」が結合したオキシ基であることを意味し、具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、i−ペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、1−メチルブトキシ基、2−メチルブトキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、i−ヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、1−エチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,2,2−トリメチルプロポキシ基、1−エチル−1−メチルプロポキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基などが挙げられる。
本発明において塩とは、種類は特に限定されないが具体的に挙げると、例えばフッ化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などの無機酸の塩;酢酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、蓚酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、トリフルオロ酢酸塩などの有機カルボン酸の塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ヒドロキシメタンスルホン酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、タウリン塩などの有機スルホン酸の塩;トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、プロカイン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタン塩、フェネチルベンジルアミン塩などのアミンの塩;ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属の塩;マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属の塩;アルギニン塩、リジン塩、セリン塩、グリシン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸の塩などを挙げることができる。好ましくは薬理学的に許容できる塩である。
本発明化合物である上記一般式(X)で表されるピロリジン誘導体(X)または当該ピロリジン誘導体(X)の各光学異性体は、これまでに知られている通常の有機化学反応などを利用して合成することができるが、例えば以下の方法で合成することができる。
製造方法1
式中、L1、R3aおよびR10は前記定義と同意義を意味する。
工程A−1(1a)から(2a)
酸化反応によるエポキシド生成の工程である。化合物(1a)である2−ブテン−1,4−ジオールを酸化剤と反応させることにより化合物(2a)を得ることができる。酸化剤として、m−クロロ過安息香酸(mCPBA)などの過酸を用いることができる。反応溶媒は塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼン、ヘキサン、t−ブタノールなどを反応溶媒として用い、反応温度は0℃から室温で行う。
工程A−2(2a)から(3a)
水酸基をスルホン酸エステル基に変換する工程である。化合物(2a)とスルホン酸エステル化試薬を反応させ、化合物(3a)を得ることができる。
スルホン酸エステル化試薬としてはメシルクロライド、トシル酸クロライド、トシル酸フルオライドなどのスルホン酸ハライド類、メタンスルフォン酸無水物、トシル酸無水物、トリフルオロメタンスルフォン酸無水物などのスルフォン酸無水物などを用いることができる。反応中、塩基としてトリエチルアミン、N−メチルモルフォリン、ピリジンなどの塩基を加えて行うことができる。反応溶媒はアセトン、酢酸エチルなどのエステル類、テトラハイドロフラン、t−ブチルエーテルなどのエーテル類、アセトニトリルなどの低級ニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、トルエンなど非プロトン性溶媒を用いて行える。反応温度は−20℃から室温で行う。
工程A−3(3a)から(4a)
求核置換反応によるアミノ化反応の工程である。
化合物(3a)と化合物(3a−2)を反応させ化合物(4a)を得ることができる。反応中、塩基としてトリエチルアミン、N−メチルモルフォリン、ピリジンなどの窒素含有塩基または炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基を共存させ行うことができる。反応溶媒はアセトン、酢酸エチルなどのエステル類、テトラハイドロフラン、t−ブチルエーテルなどのエーテル類、アセトニトリルなどの低級ニトリル類、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフォキサイド、トルエンなど非プロトン性溶媒を用いて行うことができる。反応温度は0℃から80℃までで行えるが20℃から50℃付近が望ましい。反応時間は10時間以上で通常は48時間を要す。
工程A−4(4a)から(5a)
化合物(4a)と求核試薬を反応させることにより化合物(5a)を得る工程である。
求核試薬として、式M−OR10(式中、Mはナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウムまたは水素原子などを意味する。R10は前記定義と同意義を意味する)で表されるアルカリ金属のアルコキシドを用いることができ、具体的には例えば、ナトリウムメトキサイド、リチウムメトキサイドなどをあげることができる。反応溶媒はメタノール、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、ジメチルスルフォキサイド、トルエンなど、またはこれらを適宜混ぜ合わせた溶媒を用いることができる。反応温度は室温から40℃であり、反応時間は通常数時間程度を要する。
式HO−R10(式中、R10は前記定義と同意義を意味する)で表されるアルコールと塩基を反応させ、得ることができる式M−OR10を求核試薬として用いることもできる。塩基としてはメチルマグネシウムブロマイド、i−プロピルマグネシウムブロマイドなどの有機グリニヤー試薬、n−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウムなどの有機リチウム試薬、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、水素化ナトリウム、カリウム−t−ブトキシド、リチウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、リチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリド(LTMP)などをもちいることができる。反応溶媒はメタノール、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、ジメチルスルフォキサイド、トルエンなど、またはこれらを適宜混ぜ合わせた溶媒を用いることができる。反応温度は室温から加熱還流温度であり、反応時間は通常数時間程度を要する。
工程A−5(5a)から(6a)
化合物(5a)をベンジル基の脱離反応により化合物(6a)を得る工程である。
反応は常圧から5気圧の水素雰囲気下で行い、触媒としてパラジウム/活性炭素,水酸化パラジウムなどのパラジウム触媒を加え反応を行う。反応溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;酢酸エチルなどのエステル類;テトラハイドロフラン、t−ブチルエーテルなどのエーテル類など水素と反応しない溶媒が挙げられる。反応温度は0℃から100℃で通常行われ、反応時間は通常数時間を要す。塩として取り出すために塩酸などの無機酸、酢酸、シュウ酸などの有機酸を加えても良い。
製造方法2
式中、各記号は前記定義に同じ基を意味する。
工程B−1(1b)から(2b)
アセタール化反応の工程である。
化合物(1b)と化合物(1b−2)を反応させ化合物(2b)を得ることができる。反応中、トルエンスルフォン酸、カンファースルフォン酸などの酸触媒、およびエチルオルソフォルメートなどのオルソフォルメート化合物を加え行うことができる。反応溶媒はトルエン、ベンゼンなどの溶媒が挙げられる。反応温度は通常70℃から加熱還流温度で行い、反応中アルコールを除きながら行うことが望ましい。反応時間は通常数時間を要する。
工程B−2(2b)から(3b)
還元反応の工程である。エステルである化合物(2b)と還元剤を反応させることによりアルコールである化合物(3b)を得ることができる。還元剤としては例えば水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)、水素化シアノホウ素ナトリウム(NaBH3CN),ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム(Red−Al)などを用いることができる。溶媒はメタノール、エタノールなどの低級アルコール類、テトラハイドロフラン、トルエン、またはこれらの溶媒を適宜組み合わせて用いることができる。反応温度は0℃から室温で行われ、反応は比較的早い反応で数時間以内に終了する。
工程B−3(3b)から(4b)
水酸基をスルホン酸エステルなどの脱離基に変換する工程である。前記<工程A−2>と同様な反応条件によって反応を行うことができる。
工程B−4(4b)から(5b)
化合物(4b)と還元剤を反応させ化合物(5b)を得る工程である。還元剤としてはリチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH4)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H),水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)と塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などのプロトン酸またはトリフルオロボラン・ジエチルエーテル錯体(BF3Et2O)などのルイス酸と組み合わせた還元剤、あるいはボラン(BH3)などを用いることができる。反応溶媒は、テトラハイドロフラン、ジメトキシエタン、酢酸エチル、アセトニトリルなど非プロトン性溶媒などが挙げられる。反応温度は−20℃から室温で行う。反応時間は通常数時間を要する。
工程B−5(5b)から(6b)
求核置換反応によるアミノ化反応の工程である。前記<工程A−3>と同様の条件によって反応を行うことができる。
工程B−6(6b)から(7b)
化合物(6b)の水酸基をアルキル化し化合物(7b)を得る工程である。
反応は塩基とアルキル化試薬を加えて行う。塩基としては水素化ナトリウム、水素化カリウム、ブチルリチウムなどを用いることができる。アルキル化試薬とは、式U1−R10(式中、U1はハロゲン原子、メチルスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基などを意味し、R10は前記定義と同意義を意味する)で表される試薬を意味する。具体的には例えば、ヨウ化メチル、臭化メチル、メタンスルフォン酸メチルエステル、トルエンスルフォン酸メチルエステルなどハロゲン化メチル、スルフォン酸メチルエステル類などが挙げられる。
反応は、好ましくは化合物(6b)と塩基を反応させアルコキシドのアルカリ金属塩を生成させたのち、アルキル化試薬を加え反応させるのがよい。
反応溶媒は例えばテトラハイドロフラン、ジメトキシエタン、トルエンなど強塩基と反応しない溶媒を用いることができる。反応温度は通常−78℃から室温で行われ、反応時間は数時間程度を要する。
工程B−7(7b)から(8b)
ベンジル基などの脱離の工程である。前記<工程5>と同様の条件によって反応を行うことができる。
製造方法3
式中、R1、R3、R10は前記定義と同意義を意味する。U2はメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基などを意味し、U3はハロゲン原子を意味する。U4はハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を意味する。
(工程C−1)
光延反応による水酸基の立体反転反応の工程である。
化合物(1c)とホスフィン化合物、アゾジカルボキシレート化合物および求核試薬を反応させることにより化合物(2c)を得ることができ、また同様に化合物(2c)から化合物(1c)を得ることができる。
ホスフィン化合物としては例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンなどあげられ、アゾジカルボキシレート化合物としては例えば、ジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートなどがあげられる。求核試薬としてはぎ酸、安息香酸などがもちいられる。反応はテトラハイドロフランなどの溶媒中室温下行う。
(工程C−2)
水酸基をスルホン酸エステル基に変換する工程である。前記<工程A−2>と同様の条件によって反応を行うことができる。
(工程C−4)
水酸基をハロゲン原子に変換する工程である。化合物(3c)とハロゲン化試薬を反応させ、化合物(5c)を得ることができる。
ハロゲン化試薬として、四塩化炭素、N−クロロスクシンイミド、オキシ塩化リン、塩化チオニル、四臭化炭素、N−ブロモスクシンイミド、臭素、三臭化リン、五臭化リン、ヨウ素、ジエチルアミノスルファートリフルオライド(DAST)、四フッ化硫黄、モルフォリノスルファートリフルオライドなどを用いることができる。反応液中、トリエチルアミン、イミダゾール、ジメチルアミノピリジンなどの塩基やトリフェニルホスフィンなどのリン化合物を適宜加えて行うこともできる。反応溶媒は四塩化炭素、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、ジグリム、イソオクタン、モノフルオロトリクロロメタンなどを用いることができ、反応温度は、−80℃から加熱還流下で行う。フッ素化反応の場合、反応温度は好ましくは−80℃から室温であり、塩素化、臭素化またはヨウ素化反応の場合、反応温度は好ましくは室温から加熱還流温度である。
(工程C−3)
スルホン酸エステルをハロゲン原子に変換する工程である。化合物(4c)とハロゲン化試薬を反応させ、化合物(5c)を得ることができる。ハロゲン化試薬として、塩化リチウム、臭化ナトリウム、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリカート(TASF)、フッ化カリウム、テトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)などを用いることができる。反応溶媒はジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミドなどを用いることができ、反応温度は室温から加熱還流温度で行う。
(工程C−5)
化合物(6c)と求核試薬を反応させることにより化合物(7c)を得る工程である。前記<工程A−4>と同様の条件によって反応を行うことができる。
製造方法B記載の各化合物の光学異性体は、<工程B−1>の原料として化合物(1b)の光学異性体である、下記式(1b−3)(式中、R5は前記定義と同意義を意味する)で表される化合物を用いることにより得ることができる。また、製造方法Cの条件は各化合物がラセミ体だけでなくキラル体の場合も同様に用いることができる。
上記で説明したとおりであるが、本発明で使用しうる溶媒としては、反応を阻害しないものであって、通常有機合成上用いられているものであればいかなる溶媒でもよく特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコール類、エチレングリコール、グリセリンなどのポリアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、2−メトキシエタノール、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、フタル酸ジエチルなどのエステル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ニトロベンゼン、インデン、ピリジン、キノリン、コリジン、フェノールなどの芳香族類、ペンタン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、石油ベンジン、石油エーテルなどの炭化水素類、エタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、アニリン、ジメチルアニリン、ベンジルアミン、トルイジンなどのアミン類、ホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾロン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ヘキサメチル亜リン酸トリアミドなどのリン酸アミド類、水、その他一般に使用される溶媒などの一種もしくは二種以上の混合溶媒を挙げることができ、その混合比は特に限定されない。
上記で説明したとおりであるが、本発明で使用しうる塩基としては、反応を阻害しないものであって、通常、有機合成上塩基として知られているものであればいかなるものでもよく特に限定されず、具体的には例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、t−ブトキシカリウム、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ブチルリチウム、ナトリウムメチラート,カリウムメチラート,ナトリウムエチラートなどのナトリウムまたはカリウムアルコラート等が挙げられる。
上記で説明したとおりであるが、本発明で使用しうる還元剤としては、反応を阻害しないものであって、通常有機合成に用いられているものであればよく特に限定されず、具体的には例えば水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)、水素化ホウ素亜鉛(Zn(BH4)2)、水素化トリアセトキシホウ素テトラメチルアンモニウム(Me4NBH(OAc)3)、水素化シアノホウ素ナトリウム(NaBH3CN)、水素化トリアルキルホウ素カリウム(Selectride)、水素化トリエチルホウ素リチウム(Super Hydride(LiBHEt3))、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)、水素化トリ(t−ブトキシ)リチウムアルミニウム(LiAlH(t−BuO)3)、ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム(Red−Al)、ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム(binap)などの他、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケルなどの接触水素添加触媒などが挙げられる。
以上の反応終了後、所望により通常の処理法によって、例えばシリカゲルまたは吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーや適当な溶媒から再結晶することにより精製することが可能である。
実施例
以下の実施例により本発明を詳細に且つ具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
式中、Phはフェニル基を意味し、Bnはベンジル基を意味し、Etはエチル基を意味し、Msはメタンスルホニル基を意味する。
実施例1
ジエチル(4S,5S)−2−フェニル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボキシレート(2d)
室温下、ベンズアルデヒド(53g,0.499mol)のトルエン(300ml)溶液にエチルオルソフォルメート(74g,0.499mol)、10−カンファースルフォン酸(1.8g,7.749mmol)、p−トルエンスルフォン酸一水和物(1.48g,7.780mmol)を加え加熱還流した。45分後、(S,S)−酒石酸ジエチル(100g,0.485mol)のトルエン(200ml)溶液を加え、加熱還流下生成したアルコールを留去した。溶媒を留去後、酢酸エチル(400ml)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム、活性炭を加えた。濾過後溶媒を留去し、析出した結晶をn−ヘキサンで洗浄して標記化合物を134.3g得た。(収率94.1%)。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.31(3H,t,J=7.1Hz),1.36(3H,t,J=7.1Hz),4.27(2H,q,J=7.1Hz),4.33(2H,q,J=7.1Hz),4.83(1H,d,J=4.2Hz),4.95(1H,d,J=4.2Hz),6.15(1H,s),7.37〜7.47(3H,m),7.56〜7.64(2H,m).
実施例2
(4R,5R)−4,5−ジヒドロキシメチル−2−フェニル−1,3−ジオキソラン(3d)
氷冷した水素化硼素ナトリウム(6.7g,0.163mol)のエタノール(100ml)溶液にジエチル(4S,5S)−2−フェニル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボキシレート(2d)(30g,0.102mol)のエタノール(150ml)溶液を滴下し、その後室温で1.5時間撹拌した。溶媒を留去後、酢酸エチル(200ml)を加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えた。濾過後溶媒を留去し、標記化合物を20.5g得た。(収率95.6%)
1H−NMR(CDCl3)δ:2.29〜2.37(2H,m),3.74〜3.91(4H,m),4.17(2H,s),6.00(1H,s),7.38〜7.43(3H,m),7.46〜7.51(2H,m).
実施例3
(4R,5R)−4,5−ジメタンスルフォニルオキシメチル−2−フェニル−1,3−ジオキソラン(4d)
氷冷した(4R,5R)−4,5−ジヒドロキシメチル−2−フェニル−1,3−ジオキソラン(3d)(20.5g,0.098mol)のテトラヒドロフラン(200ml)溶液にトリエチルアミン(32ml,0.230mol)を加え、次いでメタンスルフォニルクロライド(15.2ml,0.196mol)を加え30分撹拌した。反応液に酢酸エチル(200ml)を加え、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム、活性炭を加えた。濾過後溶媒を留去し、析出した結晶をn−ヘキサンで洗浄して標記化合物を31.33g得た。(収率87.7%)
1H−NMR(CDCl3)δ:3.02(3H,s),3.12(3H,s),4.39〜4.47(6H,m),6.02(1H,s),7.38〜7.42(3H,m),7.46〜7.51(2H m).
実施例4
(2R,3R)−3−ベンジロキシ−1,4−ジメタンスフォニルオキシ−2 −ヒドロキシブタン(5d)
氷冷した(4R,5R)−4,5−ジメタンスルフォニルオキシメチル−2−フェニル−1,3−ジオキソラン(4d)(31.33g,0.085mol)のアセトニトリル(250ml)溶液に水素化硼素ナトリウム(8.8g,0.214mol)、次いで4N−塩酸/酢酸エチル溶液(107ml,0.428mol)を10℃以上にならないように加える。その後室温で2.5時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル(300ml)/飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200ml)に滴下後、有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムを加えた。濾過後溶媒を留去し、標記化合物を31.3g得た(収率99.4%)。
1H−NMR(CDCl3)δ:3.03(3H,s),3.04(3H,s),3.79〜3.84(1H,m),3.99〜4.05(1H,m),4.19(1H,dd,J=11.0,5.1Hz),4.28(1H,dd,J=11.0,5.1Hz)4.33(1H,dd,J=11.0,5.1Hz),4.44(1H,dd,J=11.0,5.1Hz),4.60(1H,d,J=11.6Hz),4.77(1H,d,J=11.6Hz),7.29〜7.40(5H,m).
実施例5
(3R,4R)−1−ベンジル−3−ベンジロキシ−4−ヒドロキシピロリジン(6d)
窒素気流下、(2R,3R)−3−ベンジロキシ−1,4−ジメタンスルフォニルオキシ−2−ヒドロキシブタン(5d)(28.5g,0.077mol)にベンジルアミン(83g,0.775mol)を加え、室温下2日間撹拌した。未反応のベンジルアミンを減圧下留去後、残渣に酢酸エチル(300ml)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えた。濾過後溶媒を留去し、残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(展開液:n−ヘキサン、酢酸エチル)で精製して標記化合物を18.2g得た(収率83.0%)。
1H−NMR(CDCl3)δ:2.35(1H,dd,J=9.8,5.7Hz),2.65〜2.73(2H,m),3.16(1H,dd,J=10.7,6.7Hz),3.60(1H,d,J=12.3Hz),3.64(1H,d,J=12.3Hz),3.90〜3.94(1H,m),4.17〜4.21(1H,m),4.51(1H,d,J=12.0Hz),4.57(1H,d,J=12.0Hz),7.25〜7.35(10H,m).
実施例6
(3R,4R)−1−ベンジル−3−ベンジロキシ−4−メトキシピロリジン(7d)
窒素気流、氷冷した水素化ナトリウム(2.96g,0.074mol)のテトラヒドロフラン(70ml)溶液に、(3R,4R)−1−ベンジル−3−ベンジロキシ−4−ヒドロキシピロリジン(6d)(17.5g,0.062mol)のテトラヒドロフラン(35ml)溶液を滴下し、その後室温で3時間撹拌した。反応液を−65℃に冷却後、沃化メチル(9.0g,0.063mol)のテトラヒドロフラン(35ml)溶液を滴下し、その後室温で一晩撹拌した。反応液に酢酸エチル(100ml)を加え、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えた。濾過後溶媒を留去し、残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(展開液:n−ヘキサン、酢酸エチル)で精製して標記化合物を13.06g得た(収率71.1%)。
1H−NMR(CDCl3)δ:2.54(1H,dd,J=9.9,4.5Hz),2.58(1H,dd,J=9.9,4.5Hz),2.83(1H,dd,J=9.9,6.2Hz),2.94(1H,dd,J=9.9,6.2Hz),3.31(3H,s),3.57(1H,d,J=12.9Hz),3.65(1H,d,J=12.9Hz),3.81〜3.86(1H,m),3.95〜4.00(1H,m),4.52(2H,s),7.25〜7.35(10H,m).
実施例7
(3R,4R)−3−ベンジロキシ−4−メトキシピロリジン(8d)
室温下、(3R,4R)−1−ベンジル−3−ベンジロキシ−4−メトキシピロリジン(7d)(12.0g,0.040mol)のメタノール(120ml)溶液にパラジウム/活性炭(乾燥重量基準、5wt%パラジウム)3.6gを加え、常圧、水素雰囲気下一晩反応した。反応液をセライト濾過後溶媒を留去し、標記化合物を8.4g得た(定量的)。
1H−NMR(CDCl3)δ:2.87(2H,dd,J=12.5,3.1Hz),2.93(1H,dd,J=12.5,3.1Hz),3.07〜3.17(2H,m),3.33(3H,s),3.79(1H,broad s),3.92(1H,br−s),4.54(2H,s),7.25〜7.35(5H,m).
実施例8
(3R,4R)−3−ヒドロキシ4−メトキシピロリジン 塩酸塩(9d)
室温下、(3R,4R)−3−ベンジロキシ−4−メトキシピロリジン(8d)(8.4g,0.040mol)のメタノール(120ml)溶液に水酸化パラジウム/炭素(乾燥重量基準、20wt%パラジウム)2.0g、4N−塩酸/酢酸エチル溶液(20ml,0.080mol)を加え3気圧、水素雰囲気下3時間反応した。反応液をセライト濾過後溶媒を留去し、標記化合物を6.13g得た(定量的)。
1H−NMR(D2O)δ:3.17(1H,d,J=12.7Hz),3.25(3H,s),3.28〜3.35(2H,m),3.38(1H,dd.=12.7,3.9Hz),3.89(1H,d,J=3.9Hz),4.38(1H,d,J=3.9Hz).
本発明ラセミ体は下記のルートにより合成することができる。
式中、Bnはベンジル基を意味し、Msはメタンスルホニル基を意味する。
実施例9
1−ベンジル−3,4−エポキシピロリジン(4e)
1,4−ジメタンスルフォニルオキシ−3,4−エポキシブタン(3e)(29.51g,113mmol)にテトラヒドロフラン58.5mlを加え、水浴上攪拌しながら、ベンジルアミン(37.0ml,3.0eq.)にテトラヒドロフラン20mlを加えた溶液を滴下した。容器はテトラヒドロフラン10mlで洗い込んだ。室温で47時間攪拌後、反応液を2N−水酸化ナトリウム153mlに注いだ。t−ブチルメチルエーテル118mlで2回抽出し、上層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、40℃で減圧乾燥し、黄色溶液43.8gを得た。この粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコーゲル(Wako gel)C−200)526g、展開液:t−ブチルメチルエーテル)により精製し、標記化合物を黄色液体として17.9gを得た(収率90%)。
1H−NMR(400MHz,CD3CN)d:2.48(2H,d,J=11.6Hz),3.03(2H,d,J=11.6Hz),3.55(2H,s),3.64(2H,s,)7.21〜7.32(5H,m)
実施例10
トランス−1−ベンジル−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(5e)
28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(15.2g,78.6mmol.)に1−ベンジル−3,4−エポキシピロリジン(4e)(13.8g,78.6mmol)を加えた。容器はメタノール4mlで洗い込んだ。70℃で3時間攪拌後、反応液に酢酸エチル69mlと水69mlを注いだ。分液後、水層を酢酸エチル69mlで再び抽出し、上層を混ぜた。この有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、40℃で減圧乾燥し、橙色液体16.0gを得た。この粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル(ワコーゲル(Wako gel)C−200)192g、展開液:t−ブチルメチルエーテル→2%メタノール/酢酸エチル)により精製し、標記化合物を橙黄色液体として12.4gを得た(収率76%)。
1H−NMR(400MHz,CD3CN)d:2.34〜2.38(2H,m,)2.74(1H,dd,J=6.1,9.8Hz),2.84(1H,dd,J=10.0,6.6Hz),3.26(3H,s,)3.51(1H,d,J=12.8Hz),3.57(1H,d,J=12.8Hz),3.57〜3.60(1H,m),3.99〜4.03(1H,m),7.22〜7.33(5H,m)
実施例11
トランス−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(6e)
室温下、トランス−1−ベンジル−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(5e)(12g,0.058mol)のメタノール溶液(72ml)に水酸化パラジウム/炭素(20wt%パラジウム)(1.2g)を加え、3気圧下水素雰囲気下で3時間反応した。反応液をセライト濾過したのち、溶媒を減圧留去し、標記化合物を6.8g得た(定量的)。
1H−NMR(400MHz,CD3CN)d:2.78(1H,d,J=11.9Hz),2.85(1H,dd,J=11.9,2.0Hz),3.05(2H,broad s),3.12(1H,dd,J=11.9,5.0Hz),3.36(3H,s),3.65(1H,d,J=5.0Hz),4.18(1H,d,J=5.0Hz).
実施例2−1
(6−(3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン)−2−ベンジルピリジン
窒素雰囲気下2L−4頸フラスコに(3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(106g、0.91mol)、6−ブロモ−2−ベンジルピリジン(150g、0.605mol)(テトラヒドロン レターズ(Tetrahedron Letters)、21、845−848(1980))、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデカ−5−エン(92g、0.605mol)、N−メチルピロリドン(150mL)を入れ110℃オイルバス上11時間加熱攪拌した。(3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(10.6g、0.09mol)を追加し、110℃オイルバス上1時間加熱攪拌した。放冷後、t−ブチルメチルエーテル450mL、水450mLを加えた。氷冷下、内温を20℃以下に保ち攪拌しながら、2N塩酸をpH6まで滴下した。2L分液漏斗に移し、上層を分液し、水層をt−ブチルメチルエーテル300mLで再抽出した。t−ブチルメチルエーテル層を合わせ水300mL、飽和食塩水300mLで洗浄した。上層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、t−ブチルメチルエーテル100mLで洗い込んだ。ろ液を40℃で減圧濃縮し、標題化合物を黒褐色油状物として171gを粗収率99.6%で得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.42(3H,s),3.49(1H,dd,J=3,12Hz),3.52(1H,dd,J=3,12Hz),3.71(1H,dd,J=5,12Hz),3.75(1H,dd,J=5,12Hz),3.85−3.88(1H,m),3.97(2H,s),4.38−4.40(1H,m),6.16(1H,d,J=8Hz),6.35(1H,d,J=8Hz),7.17−7.34(6H,m)
実施例2−2
(6−(3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン−1−イル)−3−ブロモ−2−ベンジルピリジン
(6−(3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン)−2−ベンジルピリジン(2g、7mmol)、N,N−ジメチルフォルムアミド(8mL)の溶液を氷冷下攪拌した。N−ブロモサクシンイミド(1.3g、7.4mol)を少しずつ添加した。t−ブチルメチルエーテル(100mL)を加えて、分液した。上層を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液100mL、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、シリカゲルクロマトフラフィーを用い(展開液 ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、標題化合物を油状物として2.1g(収率83%)得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.41(3H,s),3.42−3.50(2H,m),3.64−3.71(2H,m),3.84−3.86(1H,m),4.15(2H,s),4.39−4.41(1H,m),6.09(1H,d,J=9Hz),7.18(1H,dd,J=8,8Hz),7.26(2H,dd,J=8,8Hz),7.36(2H,d,J=8Hz),7.48(1H,d,J=8Hz)
実施例2−3
(3R)−3−[2−ベンジル−6−[(3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン−1−イル]ピリジン−3−イル]エチニル]キヌクリジン−3−オール
(6−(3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン−1−イル)−3−ブロモ−2−ベンジルピリジン(1.14g、3mmol)、(3R)−キヌクリジン−3−オール(680mg、4.5mmol)、トリフェニルフォスフィン(79mg、0.3mmol)をピペリジン10mLに溶解した。テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(173mg、0.15mmol)と沃化銅(57mg、0.3mmol)を加え、5時間100℃で加熱した。反応液にテトラハイドロフラン、酢酸エチルを加え、水洗後、無水硫酸マグネシウムを加え乾燥し、ろ液を減圧濃縮した。標題化合物を含む油状物を得た。
Claims (16)
- 一般式(X)〔式中、R1およびR2はそれぞれ独立してハロゲン原子、水酸基または式−O−R10(式中、R10は、ハロゲン原子、水酸基、メトキシ基、フェニル基、C3−8シクロアルキル基およびC1−6アルコキシ基からなる置換基A群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基又は前記置換基A群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基を意味する)で表される基を意味する;R3は、置換基としてメトキシ基またはニトロ基を1から3個有していてもよいベンジル基または水素原子を意味する;但し、▲1▼R1とR2が同一である場合、▲2▼R1またはR2の片方が水酸基でありもう一方がエトキシ基または塩素原子である場合を除く〕で表される化合物もしくはその塩またはそれらの水和物:
- 一般式(X1)〔式中、Z1、Z2、Z3およびZ4はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基または式−O−R10(式中、R10は、ハロゲン原子、水酸基、メトキシ基、フェニル基、C3−8シクロアルキル基およびC1−6アルコキシ基からなる置換基A群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、又は前記置換基A群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基を意味する)で表される基を表す;但し、Z1、Z2のいずれか一方、およびZ3、Z4のいずれか一方は水素原子を意味する;R3は、置換基としてメトキシ基またはニトロ基を1から3個有していてもよいベンジル基または水素原子を意味する;但し、▲1▼Z1及びZ2のうち水素原子ではない基とZ3及びZ4のうち水素原子ではない基とが同一である場合、及び▲2▼Z1及びZ2のうち水素原子ではない基が水酸基でありZ3及びZ4のうち水素原子ではない基がエトキシ基または塩素原子である場合を除く〕で表される化合物もしくはその塩またはそれらの水和物:
- Z1およびZ4が水素原子である請求項2記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物。
- Z1およびZ3が水素原子である請求項2記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物。
- Z2およびZ4が水素原子である請求項2記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物。
- R1が式−OR10(式中、R10は請求項1記載のR10と同意義を意味する)で表される基である請求項1記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物。
- Z1またはZ2の少なくともいずれか一方が式−OR10(式中、R10は請求項1記載のR10と同意義を意味する)で表される基である請求項2〜5のいずれか1項記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物。
- R3が水素原子またはベンジル基である請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物。
- R3が水素原子である請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物。
- R10が水酸基、メトキシ基またはベンジルオキシ基である請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物。
- (3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン、(3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン、(3R,4S)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジンおよび(3S,4R)−3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジンからなる群から選ばれる1の化合物である請求項1または2記載の化合物もしくはその塩またはそれらの水和物。
- 塩が塩酸塩またはシュウ酸塩である請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物の塩またはそれらの水和物。
- 式(1y)で表される化合物(1y)を酸化反応に付し、式(2y)で表される化合物(2y)を得て、
次いで該化合物(2y)中の2つの水酸基を脱離基に変換し、式(3y)(式中、L1はハロゲン原子、メチルスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基を意味する)で表される化合物(3y)を得て、
次いで該化合物(3y)に一般式R3a−NH2(式中、R3aは置換基としてメトキシ基またはニトロ基を1から3個有していてもよいベンジル基を意味する)で表されるアミン誘導体を反応させ,式(4y)(式中、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(4y)を得て、
次いで該化合物(4y)にメトキシドアルカリ金属塩を反応させ、式(5y)(式中、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(5y)を得て、
次いで該化合物(5y)中のR3aを脱離させることを特徴とする、
下記式(6y)で表される3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(6y)もしくはその塩またはそれらの水和物の製造方法:
- 下記式(1z)(式中、R5はC1−6アルキル基、ベンジル基または水素原子を意味する)で表される化合物(1z)に式Ar−CHO(式中、Arは、置換基としてニトロ基およびメトキシ基からなる群から1から3個の置換基を有していてもよいフェニル基を意味する)で表される化合物を反応させ、式(2z)(式中、ArおよびR5は前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(2z)を得、
次いで該化合物(2z)を還元反応に付して式(3z)(式中、Arは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(3z)とし、
次いで該化合物(3z)中の水酸基を脱離基に変換し、式(4z)(式中、Arは前記定義と同意義を意味し、L1はハロゲン原子またはメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニル基またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基を意味する)で表される化合物(4z)とし、
次いで該化合物(4z)を還元反応に付して式(5z)(式中、ArおよびL1は前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(5z)とし、
次いで該化合物(5z)と式R3a−NH2(式中、R3aは置換基としてメトキシ基またはニトロ基を1から3個有していてもよいベンジル基を意味する)で表される化合物を反応させ、式(6z)(式中、Ar、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(6z)とし、
次いで該化合物(6z)をメチル化反応に付して式(7z)(式中、Ar、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(7z)とし、
次いで該化合物(7z)を保護基を脱保護することを特徴とする、
式(8z)で表される3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(8z)もしくはその塩またはそれらの水和物の製造方法:
- 式(4z)(式中、Arは、置換基としてニトロ基およびメトキシ基からなる群から1から3個の置換基を有していてもよいフェニル基を意味し、L1はハロゲン原子またはメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニル基またはトリフルオロメチルスルホニルオキシ基を意味する)で表される化合物(4z)を還元反応に付して、式(5z)(式中、ArおよびL1は前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(5z)とし、
次いで該化合物(5z)と式R3a−NH2(式中、R3aは置換基としてメトキシ基またはニトロ基を1から3個有していてもよいベンジル基を意味する)で表される化合物を反応させ式(6z)(式中、Ar、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(6z)とし、
次いで該化合物(6z)をメチル化反応に付して式(7z)(式中、Ar、R3aは前記定義と同意義を意味する)で表される化合物(7z)とし、
次いで該化合物(7z)を保護基を脱保護することを特徴とする、式(8z)で表される3−ヒドロキシ−4−メトキシピロリジン(8z)もしくはその塩またはそれらの水和物の製造方法:
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