JPS637007B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は地震などの外力による影響を防止し
た電気機器の固定装置およびその据付方法に関す
るものである。

従来、この種の装置として第１図および第２図
に示すものがあつた。図において、１は例えば変
圧器、リアクトル等の電気機器、２はこの電気機
器１を基礎３に固定するための固定装置で、基礎
３中に埋設される基礎ボルト４と電気機器の底側
部に連結される固定金具５および上記基礎ボルト
４と螺合して固定金具５を保持するためのボルト
６とにより構成されている。

すなわち、基礎３に埋込まれた基礎ボルト４と
変圧器またはリアクトル等の電気機器１に連結さ
れている固定金具５とをボルト６にて締付け固定
されるようになつている。そして、この固定金具
５はボルト６が自由に通るようボルト６の径より
大きい穴があけられている。

このような固定装置２を変圧器またはリアクト
ル等の電気機器１に４個所（４隅）、６個所又は
８個所設けることにより地震による転倒、移動を
防止している。この場合、転倒に対しては片側の
ボルト（固定装置の半分）に等分に作用し転倒力
に打勝つボルト径、本数を選定すれば問題ない
が、ボルトの半径方向の移動（横スベリ力）に対
してはボルト径と固定金具５の穴の直径寸法によ
りボルト６が等分に力を分担することは考えられ
ず、１本のボルト６のセン断力で対処する必要が
ある。もちろん、ボルト６の締付力でもたせれば
問題ないが、この場合、一般に膨大なボルト径、
本数が必要となる等、欠点があつた。

この発明は上記従来装置の欠点を解消するため
になされたもので、ボルトと固定金具とがボルト
の半径方向にズレが生じないようにすることによ
り横スベリ力に対しても各ボルトが等分に負荷を
分担し得る電気機器の固定装置およびその据付方
法を提供することを目的としている。

以下、この発明の一実施例を図に基づいて説明
する。

第３図において、１，３，４は上記従来のもの
と同一のものである。５ａは固定金具でボルト穴
がテーパー状に加工された固定金具、６ａはテー
パー付ボルトで、このテーパー部がボルトが締付
けられた状態において固定金具５ａのテーパー穴
と完全に接触してボルトの半径方向ズレが阻止さ
れる構造になつている。

このように本実施例によれば、全てのボルトが
横スベリ力に対し、等分に負荷を分担する形とな
り適量なボルト径、本数が選定でき、従来に較べ
経済的かつ安定した固定装置を得ることが可能と
なる。

尚、上記実施例ではボルト６ａと固定金具５ａ
がテーパー状で接触することによりボルトの半径
方向ズレが阻止されている場合を説明したが、第
４図に示すようにボルト６ｂと固定金具５ｂがリ
ーマー状で接触されている場合、さらに第５図に
示すようにボルト６ｃと固定金具５ｃが溶接７で
固着されていても同様の効果を奏することは言う
までもない。

次に、本装置の据付方法について説明する。

基礎３に埋込まれる基礎ボルト４は基礎施工時
埋込んでしまうと、埋込寸法精度が要求される
し、電気機器１の製作寸法のバラツキ及び設置寸
法誤差により固定装置の据付けが困難になる。そ
のために第３図ないし第５図に示すように、基礎
３に予め箱抜き部８を基礎ボルト４の埋設位置に
その数だけそれぞれ設け、この部分に基礎ボルト
４を挿着しておき、固定装置２を組み立て電気機
器１と連結した後、箱抜き部８にコンクリート９
を注入して基礎ボルト４を基礎３中に埋設する工
程をとることにより据付上の問題即ち、電気機器
１、固定金具５と基礎ボルト４との位置精度等の
問題は解消される。

以上のように、この発明によれば、機器に連結
される固定金具と、この固定金具を基礎ボルトに
固定するためのボルトとがその半径方向にズレが
生じないように両者を相互に結合する構成とした
ので、横スベリ力に対しても各ボルトが等分に負
荷を分担し得、最適なボルト径、本数にて安定し
た固定ができる。また、据付方法として予め設け
られた箱抜き部に基礎ボルトを挿着し、固定装置
を組み立てた後、最後にコンクリートを注入する
方法としたので、据付時の位置精度上の問題が解
消されるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は電気機器の一般的な据付概略図、第２
図は従来の固定装置の一例を示す断面図、第３図
はこの発明の一実施例における固定装置の構成を
示す断面図、第４図および第５図はこの発明の他
の実施例および第３の実施例の構成をそれぞれ示
す断面図である。 図において、１は電気機器、３は基礎、４は基
礎ボルト、５ａ，５ｂ，５ｃは固定金具、６ａ，
６ｂ，６ｃはボルト、７は溶接、８は箱抜き部、
９はコンクリートである。尚、各図中同一符号は
それぞれ同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電気機器に連結される複数個の固定金具と、
   これら各固定金具に対応して基礎に埋設される複
   数個の基礎ボルトと、上記固定金具を介して上記
   基礎ボルトに螺合し上記固定金具と基礎ボルトと
   を締結する複数個のボルトとを備えた電気機器の
   固定装置において、上記固定金具とボルトとがそ
   の半径方向にズレが生じないよう両者を相互に結
   合したことを特徴とする電気機器の固定装置。 ２ 固定金具とボルトとをテーパ面で嵌合するこ
   とにより結合したことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の電気機器の固定装置。 ３ 固定金具とボルトとをリーマ状に嵌合するこ
   とにより結合したことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の電気機器の固定装置。 ４ 固定金具とボルトとを溶接により結合したこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の電気
   機器の固定装置。 ５ 電気機器に連結される複数個の固定金具とこ
   れら各固定金具に対応して基礎に埋設される複数
   個の基礎ボルトとを、上記固定金具との間で半径
   方向にズレが生じないよう上記固定金具と結合さ
   れるボルトを上記固定金具を介して上記基礎ボル
   トに螺合して締結する電気機器の固定装置の据付
   方法において、上記基礎に予め箱抜き部を設けて
   この部分に上記基礎ボルトを挿着しておき、上記
   固定装置を組み立て電気機器と連結した後、上記
   箱抜き部にコンクリートを注入して上記基礎ボル
   トを基礎に埋設するようにしたことを特徴とする
   電気機器の固定装置の据付方法。