JPS6331988Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は軸筒後端より突出しているカートリツ
ジ後端を押圧して軸筒縦孔より突出している係合
部をクリツプ先端の係止孔に係止し、クリツプ先
端を外方に引張つて係止を外し、カートリツジを
引つ込めるようにしたクリツプ付ノツク式筆記具
に関するもので、その目的とするところは、カー
トリツジ先端が軸筒より突出したまゝでクリツプ
をポケツト等に挿着しようとした場合、カートリ
ツジ先端が自動的に軸筒内へ収容するようにして
ポケツト等がインキや鉛芯等で汚損されることを
防止し、全体の構造を極めて簡単にして安価に製
作できるようにせんとするにある。

（従来の技術とその問題点） 従来、特開昭49−48418号公報に示すようにク
リツプ先端内面に係止段部を設け、押圧子のノツ
クにより筆記体を先方に押圧移動して筆記体と連
動する係合部を前記係止段部に係止し、押圧子を
再度ノツクすることにより離脱操作体を押圧して
クリツプ先端を外方に押圧して、前記係合部をク
リツプの係止段部から外して筆記体先端部を軸筒
内に入れるようにしたノツク式筆記具は公知であ
るが、筆記時クリツプが横ゆれすると係止が外れ
て筆記体先端部が軸筒内に入つてしまい筆記でき
なくなり、又、ポケツト等へ挿着する場合、クリ
ツプ先端に設けられた係止段部がポケツト縁に引
掛り易くなり、その為に、クリツプ前部を軸筒か
ら外方へ大きく引き離さねばならず、そのような
使用をくり返していると、クリツプ前部が軸筒か
ら浮き上がつた状態（ヘタリ）になつてしまい、
その結果、クリツプ係止段部と係合部との係止力
が極めて弱くなり、筆記時、軽いシヨツクにより
筆記体先端が軸筒内へ引き込んでしまい筆記不可
能となつてしまうという欠点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案はカートリツジ中間部の細径部に非円形
リングを嵌合係止し、該非円形リングに突設した
係合部を軸筒の縦孔から突出し、カートリツジ後
端を押圧して係合部をクリツプ先端の係止孔に嵌
合係止するような、極めて簡単な構造によつて従
来の欠点を除くようにしたものである。

（実施例） 次に添付図面に示した本考案の一実施例につい
て詳細に説明する。軸筒１外面一側に取り付けた
クリツプ２の先端は、軸筒１の外面に接触するか
もしくは接近する縦断面Ｖ形のＶ部２ａを有して
おり、該Ｖ部２ａの先には係止孔２ｂを設け、該
係止孔２ｂに対向して軸筒に縦孔１ａを形成して
ある。３は先端に筆記部を取り付け内部にインキ
を収容したボールペンや鉛芯を使用してなるシヤ
ープペンシル等の周知の筆記具でなるカートリツ
ジで、中間部に細径部３ａを形成し、該細径部３
ａに断面非円形の楕円リング４を嵌合係止し、該
楕円リング４に突設した係合部４ａを縦孔１ａか
ら突出させる。組み立てる時は楕円リング４を軸
筒後端より挿入して係合部４ａを縦孔１ａから突
出させて第１図の状態に保持し、次にこの楕円リ
ング４に軸筒後端よりカートリツジ３を圧入す
る。軸筒１先端内部にはスプリング５が挿着され
常時カートリツジ３を後端に向つて押圧してい
る。

（作用） 次に作用について説明する。筆記部を軸筒内に
収納した状態は第１図の如く係合部４ａはクリツ
プ２の係止孔２ｂから外れており、スプリング５
の弾力でカートリツジ３は後端に押され、先端筆
記部は軸筒１内に引つ込み、カートリツジ３後端
は軸筒１後端より充分突出している。この状態で
クリツプ２をポケツト等に挿着する。

次に筆記部を軸筒先端から突出させる場合は、
第１図の状態のカートリツジ３後端をスプリング
５の弾力に抗して押圧すると、カートリツジ３中
間に嵌合係止された楕円リング４は共に前進し、
係合部４ａは縦孔１ａ内を前進し、係合部４ａが
クリツプ２のＶ部２ａをのりこえて第３図の如く
係止孔２ｂに嵌合係止される。この状態でカート
リツジ３先端筆記部が軸筒１先端から突出して筆
記可能になる。

次にカートリツジ３先端筆記部を軸筒１内に引
つ込めたい時はクリツプ２先端を指で外方に引張
るか、クリツプ２先端と軸筒１間に指を入れる。
若しくはクリツプ後端２ｃを軸筒側へ押圧するこ
とによつて係合部４ａを係止孔２ａより外すと、
カートリツジ３は軸筒１内のスプリング５により
後方に押され第１図の如く元の位置に戻る。この
状態でクリツプ２をポケツト等に挿着する。カー
トリツジ３を新品と交換する時は第４図の如く楕
円リング４を外し、前述の要領で組み立てればよ
い。

（考案の効果） 本考案によるとクリツプに係止孔を設け、カー
トリツジ中間部に非円形リングを嵌合係止し、該
非円形リングに係合部を設けて軸筒縦孔より突出
し、カートリツジ後端を押圧して係合部をクリツ
プの係止孔に係止する構造としたため、カートリ
ツジ先端部が軸筒先端より突出した筆記状態の筆
記具をポケツト等にクリツプを挿着しようとする
と、クリツプ係止孔と非円形リングの係合部との
係止が外れ、軸筒内に設けられたスプリングの力
によつてカートリツジが軸筒内へ自動的に収納さ
れてしまうため、ポケツト等をインキ等で汚損す
ることがなく、又非円形リングをカートリツジ中
間部に嵌合係止するようにしているので組立が容
易で全体構造が極めて簡単となり安価に製作でき
る。又、非円形リングが軸筒内でのカートリツジ
横ぶれを防止しているので円滑に筆記することが
できる。

そして更に、クリツプにおける係止部を段部で
はなく係止孔にしたので筆記時クリツプの横ゆれ
による係止解除が生じて筆記不能となつたり、ク
リツプをポケツト等に挿着する場合クリツプの係
止孔がポケツト縁に容易に引掛り、クリツプのヘ
タリを招来することも極力防止できるものであ
る。

なお非円形リングを他の手段でカートリツジに
固定してもよく、更に、本実施例では非円形リン
グを楕円リングとして説明したが、第５図乃至第
７図に示す如く他に三角形状、四角形状、多角形
状としても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の非筆記時要部切断
正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ側断面図、第３
図は本考案の一実施例の筆記時要部切断正面図、
第４図はカートリツジより楕円リングを外した時
の斜視図、第５図乃至第７図は他の実施例の断面
図を示す。 １……軸筒、１ａ……縦孔、２……クリツプ、
２ｂ……係止孔、３……カートリツジ、４……楕
円リング、４ａ……係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸筒外面一側に取り付けたクリツプ先端部に係
   止孔を設け、該係止孔に対向した軸筒に縦孔を形
   成し、軸筒内に挿入したカートリツジ中間部に非
   円形リングを嵌合係止し、該非円形リングに突設
   した係合部を縦孔から突出させ、該カートリツジ
   は軸筒内のスプリングで常時後方に押圧されその
   後端を軸筒後端より突出し、カートリツジ後端を
   押圧して係合部をクリツプの係止孔に係止する如
   くなしたクリツプ付ノツク式筆記具。