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JP3198418B2 - 押出し式筆記具及び押出し式両頭筆記具 - Google Patents

押出し式筆記具及び押出し式両頭筆記具

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Publication number
JP3198418B2
JP3198418B2 JP01008091A JP1008091A JP3198418B2 JP 3198418 B2 JP3198418 B2 JP 3198418B2 JP 01008091 A JP01008091 A JP 01008091A JP 1008091 A JP1008091 A JP 1008091A JP 3198418 B2 JP3198418 B2 JP 3198418B2
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JP
Japan
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writing
cam
refill
extruded
tip
Prior art date
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Application number
JP01008091A
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English (en)
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JPH04212000A (ja
Inventor
安行 橋本
晴朗 山下
Original Assignee
アンコス株式会社
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Filing date
Publication date
Application filed by アンコス株式会社 filed Critical アンコス株式会社
Priority to JP01008091A priority Critical patent/JP3198418B2/ja
Publication of JPH04212000A publication Critical patent/JPH04212000A/ja
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  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筆記具を持ち替えずに
手元操作により筆記体の先端筆記部を筆記可能位置に係
止したり内蔵位置に収納したりすると共に、キャップを
有しないのでキャップ着脱の煩しさがなく、誤ってキャ
ップを喉に詰まらせたりしない完全な押出し式筆記具、
及び先端筆記部が左右両方とも本体内に内蔵する押出し
式両頭筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来、安全性確保や汚れ防
止のため、着脱式キャップを設けた先端筆記部露出固定
式の鉛筆形油性ボールペンが、主として卓上用に広く出
回っている。しかしこのものは、使用の前後にキャップ
を外したり嵌めたりしなければならないので面倒であ
る。また、先端を上に向けて筆記した後、すぐに携帯し
たり筆記部を上にして立てておいたりすると、リフィル
内のインクが逆流するという問題がある。更に、水性ボ
ールペンでキャップを口で外して喉に詰まらせてしま
い、窒息死したという問題も起きている。
【0003】一方、キャップを用いず、後端をノックし
たり本体の前方部分と後方部分とを相対的に回転させた
りして、筆記体の先端筆記部を本体の開口部から出没さ
せる油性、水性のボールペンも古くから開発され普及し
ている。しかしこれらのものは、本体を持った後、手指
を持ちかえてノックしたり両手を使って回転させたりし
なければならないので、やはり面倒である。また、イン
クや空気孔の位置、構造を工夫して乾燥しにくくしたノ
ック式の水性ボールペンは汚れや滲み防止のため、ポケ
ットに差したときにクリップが作動して先端筆記部を内
蔵する機構を用いているが、内蔵スプリングの力を強く
しているため、リフィル後退時の衝撃で中継芯が後退移
動する等の問題がある。更にこれらのものは、前進時、
収納時の目印が手元にないので先端筆記部を収納する操
作を忘れやすく、クリップ作動式のものでも、クリップ
が作動する以前に、あるいはクリップを差さずにポケッ
トに放り込んで携帯したときには、インクで衣服を汚し
たり滲ませたりする問題がある。
【0004】また、従来、先端筆記部を露出固定した両
頭筆記具としては、色の異なる筆記体を左右に設けたも
の、サインペンと水性ボールペンを左右に設けたもの、
ボール径や芯径の異なる筆記体を左右に設けたもの等が
あるが、水性インクを使用したものは、左右両端に乾燥
防止と汚れ防止のためキャップを取付けねばならなかっ
た。また油性インクを用いた場合でも、汚れ防止のため
キャップを取付けていた。さらに両頭のノック式シャー
プペンシルにおいては、押圧部を有するキャップを常時
片側に取付け、該キャップを差し替えて反対側の筆記体
を使用するようにしていた(実公昭55−14552
号、特開昭53−127030号の各公報参照)。
【0005】従って、両手を使ってキャップの着脱を行
なったり差し替えをしなければならないので面倒であ
る。また水性ボールペンのキャップを口で外して喉に詰
まらせてしまったという問題も起きている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1番目の発
明は、上記した従来技術が有する問題点を解決し、キャ
ップを用いることなく、またノックや回転をすることな
く、筆記具を持ち替えずに手元操作で筆記体の先端筆記
部を出没させ、安全性確保と汚れ防止の目的を達成する
とともに筆記体後退時の衝撃を少くし、かつ作動が確実
で安価に製造できる押出し式筆記具を提供することを目
的としている。
【0007】また、本発明の第2番目の発明は、本体の
両端部に先端筆記部をそれぞれ固定した従来の両頭筆記
具の有する問題点を解決し、キャップを用いることな
く、またノックや回転をすることもなく、手元操作で選
択する筆記体の先端筆記部を出没させ、安全性確保と汚
れ防止の目的をほぼ達成するとともに使用が簡便であ
り、かつ作動が確実なうえ安価に製造できる押出し式両
頭筆記具を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1番目の発明は、筆記体(9)の先端
筆記部(9a)が出没する開口部(1a)を有する本体
(1,2)と、該本体(1,2)内に常時後退方向へ付
勢して収容した筆記体(9)と、該筆記体(9)を前進
させて筆記可能位置に係止し後退させて内蔵位置に収納
する前進後退機構(8,7,2c,2d)と、筆記時に
前記本体(1,2)を持ったまま該本体(1,2)の外
側で1本の指により手元操作できる範囲内に配置した押
出し片(4)とからなり、前記前進後退機構(8,7,
2c,2d)は、前記筆記体(9)が挿通される貫通孔
を有する回転カム(8)と、前記回転カム(8)と係合
しかつ前記筆記体(9)が挿通される貫通孔を有する摺
動カム(7)と、本体(1,2)の前方部分の内壁また
は本体(1,2)の前方部分の内側に設けたカム筒(7
A)の内壁に設けたカム溝(2c,2d)とからなり、
さらに、該押出し片(4)と前記摺動カム(7)を連結
する手段(6)を有し、前記連結手段(6)は、前記カ
ム溝(2c,2d)が設けられた部分に主に配されたス
リット(2e)を貫通していることを特徴としている。
【0009】また、第2番目の発明は、両端に筆記体
(39)の先端筆記部(39a)が出没する開口部(3
1a)を有する本体(31,31,32)と、該本体
(31,31,32)内に常時内蔵方向へ付勢して収容
した両端に異なる種類の先端筆記部(39a,39a)
を有する筆記体(39)と、該筆記体(39)を前進さ
せて筆記可能位置に係止し後退させて内蔵位置に収納す
る筆記体の前進後退機構(37,36,32c,32
d)と、筆記時に前記本体(31,31,32)を持っ
たまま該本体(31,31,32)の外側で1本の指に
より手元操作できる範囲内の左右両側に配置した押出し
(33,33)とからなり、前記前進後退機構(3
7,36,32c,32d)は、前記筆記体(39)が
挿通される貫通孔を有する回転カム(37,37)と、
前記回転カム(37,37)と係合しかつ前記筆記体
(39)が挿通される貫通孔を有する摺動カム(36,
36)と、本体(31,31,32)の前方部分の内壁
または本体(31,31,32)の前方部分の内側に設
けたカム筒の内壁に設けたカム溝(32c,32d)と
からなり、さらに、該押出し片(33,33)と前記摺
動カム(36,36)を連結する手段(35,35)を
有し、前記連結手段(35,35)は、前記カム溝(3
2c,32d)が設けられた部分に主に配されたスリッ
ト(32e)を貫通していることを特徴としている。
【0010】なお、前記公知の筆記体前進後退機構の主
なものは、回転カム、摺動カム、カム溝からなるもの
(特公昭34−7181号、特公昭50−25846号
の各公報参照)、偏ハート形の溝を凹設したもの(実公
昭39−6410号、特公昭54−24324号の各公
報参照)、カム溝と傾斜体とからなるもの(実公昭46
−18815号、特公昭52−2328号の各公報参
照)、カム溝を内壁に穿設したカム筒を本体内に取付け
たもの(特開昭61−280996号公報参照)であ
る。
【0011】
【作用】本発明は上記のように構成したことにより、第
1番目の発明は、筆記時に通常本体を握る部分を持ち、
そのまま1本の指(親指や人差し指)を押出し片を押出
せる位置までずらせて(後退させて)、押出し片を前方
へ一ぱいに摺動させてから放せば、連結手段を介して筆
記体前進後退機構が働き、先端筆記部が本体の開口部か
ら突出した筆記可能位置に係止する。筆記体を常時後退
(内蔵)方向へ付勢するスプリングの力は、筆記体をポ
ケットに差して走ったり階段を駆降りたりしても、下を
向いている先端筆記部が本体の開口部から出ることのな
い程度の弱いものでよいから、スプリングの力は小さ
く、そのため1本の指の小さい力で押出し片を円滑に前
進(摺動)させることができる。また、後退時の衝撃も
弱い。筆記時の筆圧は、前進後退機構を介して本体が受
けるので、連結手段や押出し片には何ら影響を及ぼさな
い。
【0012】この状態で筆記をするが、筆記中は押出し
片を径方向に指で押していなくても押していてもよい。
また、押出し片は1本の指で手元操作できれば良いの
で、肉薄のものでも、どんな寸法や形状のものでもよ
い。従って回し書きの妨げになるようなことはない。筆
記を終ったら、再び1本の指で押出し片を一ぱいに前進
させてから放すと、前進後退機構が作動して内蔵スプリ
ングの力で筆記体が本体内に後退し、先端筆記部が本体
開口部から没入した不使用時、携帯時の状態となる。押
出し片も後退して元の位置に戻る。
【0013】すなわち、手元操作により極めて簡便に先
端筆記部を本体の開口部から出没させることができる。
また押出し片が手元にあるので、筆記体の前進時、収納
時の状態が目につきやすく、操作もしやすいので、先端
筆記部を本体内に収納し忘れるようなことは殆どない。
また、連結手段がカム溝が設けられた部分に主に配され
たスリットを貫通していることにより次のような作用を
奏する。すなわち、(1)操作部からの力が前進後退機構
に直接伝わり、安定がよく、操作が確実であり (2)本体
を細くすることが可能であり、(3)部品点数が少なく、
生産コストが安い。
【0014】また、第2番目の発明は、筆記時に通常本
体を握る部分を持ち、そのまま1本の指(親指や人差し
指)で押出し片を押出せる位置まで後方へずらせて、そ
の指で押出し片を前方へ一ぱいに押し出してから放せ
ば、連結手段を介して筆記体前進後退機構が働き、先端
筆記部が本体の開口部から突出した筆記可能位置に係止
する。筆記体を常時後退(内蔵)方向へ付勢するスプリ
ングの力は、本体をポケットに差して走ったり階段を駆
降りたりしても、下を向いている一方の筆記体の先端筆
記部が本体の開口部から顔を出すことのない程度の弱い
ものでよいから、押出し片を1本の指で前進(摺動)さ
せる力は少なくてすむ。また、後退時の衝撃も弱い。筆
記時の筆圧は、前進後退機構を介して本体が受けるの
で、連結手段や押出し片には何ら影響を及ぼさない。
【0015】この状態で筆記をするが、筆記中は押出し
片を径方向に指で押していなくても押していてもよい。
また、押出し片は1本の指で手元操作できればよいの
で、肉薄のものでも、どんな寸法や形状のものでもよ
い。従って回し書きの妨げになるようなことはない。
【0016】反対側の筆記体の先端筆記部を使用しよう
とするときには、上下反転させて反対側の通常筆記時に
握る部分を持って前記操作を1本の指で行なう。
【0017】なお、筆記を終って先端筆記部を内蔵する
ためには、1本の指で押出し片を一ぱいに押出して次に
放せばよい。
【0018】押出し片はほとんど常時手元にあるので、
筆記体の前進時、収納時の状態が目につきやすく、操作
もしやすいので、先端筆記部を本体内に収納し忘れるよ
うなことはほとんどない。さらに、この発明において
も、連結手段がカム溝が設けられた部分に主に配された
スリットを貫通していることにより次のような作用を奏
する。すなわち、(1)操作部からの力が前進後退機構に
直接伝わり、安定がよく、操作が確実であり (2)本体を
細くすることが可能であり、(3)部品点数が少なく、生
産コストが安い。
【0019】
【実施例】次に、本発明の各実施例を図面とともに説明
する。これらの実施例においては、前進後退機構は回転
カム、摺動カム、カム溝により構成したもの(特公昭3
4−7181号、特公昭50−25846号の各公報参
照)を採用している。また筆記具は卓上用の油性ボール
ペン(鉛筆状の六角形で、従来のものはキャップつき)
としている。
【0020】図1は第1番目の発明に係る筆記体(リフ
ィル)が内蔵状態にあるときの正面図、図2は図1の状
態における側断面図、図3は筆記体(リフィル)が筆記
可能位置にある状態の側断面図である。
【0021】図において、1は口金であり前端に開口部
1aを有している。またテーパー状部分の後端から後方
は小径となっており、この部分に雄ねじを切っている。
口金1は、金属、合成樹脂等でできている。2は軸筒で
あり、前端の開口部内周付近に雌ねじを切っている。後
端は開口部がなく、外周の小径部に着脱自在のクリップ
3を嵌めている。口金1、軸筒2を螺合して一体となし
本体を形成する。
【0022】軸筒2の外面は六角形をしており、内面は
円形をしている。外面は、一面を滑面としており、他の
五面の筆記時に握る部分にはローレット2aを付けてい
る。軸筒2の前方部分を除く内部には、円筒状空間2b
を形成している。
【0023】軸筒2の前方部分内周には、深いカム溝2
c、浅いカム溝2dを設けている(図4、図5、図6参
照)。また、軸筒2の外面を滑面とした一面の前方部分
に、後述の押出し片の連結部が通るスリット2eを切っ
ている(図1ないし図6参照)。この一条のスリット2
eは、カム溝先端の傾斜面2f(図6参照)を損なわな
い部分なら、押出し片4が摺動する一面のどの部分に設
けてもよい。スリット2eの巾は、後述の受け部および
連結部の断面外径より僅かに広いものとして、長さは該
連結部の断面外径に前進後退機構を作動させるために必
要なストローク長を加えたもの以上としている。
【0024】次に押出し片4、受け部5、連結部6を一
体に形成した図7に示すものを用意する。受け部5は断
面円形のドーナツ状をしており、連結部6は同じく断面
円形の棒状をしている。また、両者の断面の径を均しく
している。押出し片4の上面には、すべり止め用のロー
レット4aを付けている。受け部5の中心孔は、後述の
摺動カム7の後方部分を嵌入する大きさとなっている。
【0025】受け部5、連結部6を軸筒2内に組入れる
方法は次の通りである。
【0026】まず、スリット2eと受け部5とを平行に
して、スリット2e内を通して受け部5、連結部6を軸
筒2内およびスリット2e内に入れる。次に押出し片4
をスリット2eと平行にする(90度回す)。このとき
軸筒2内で、受け部5は前端開口部に対して正面を向
き、図2、図3に示す状態となる。
【0027】なお、前記した通り押出し片4の肉厚は薄
いものでよく、形状も任意でよいから、上面のローレッ
ト4aに代えて、都市や学校のシンボルマーク、会社の
ロゴ、人気漫画の主人公の絵、その他を刻設してすべり
止めを兼ねた宣伝媒体としてもよく、形状自体を校章等
としてもよい。
【0028】次に摺動カム7、回転カム8を用意する
が、これらは軸筒2内の深い溝2c、浅い溝2dととも
に公知のものである。正面を向いたドーナツ状の受け部
5の中心孔に、中心孔を有する摺動カム7の後方部分を
嵌入する。これにより押出し片4は、軸筒2の外周で横
ぶれすることなく前後動する。次に回転カム8の後方部
分を、摺動カム7の前方部分内に落としこむ。回転カム
8にも中心孔を設けているが、回転カム8、摺動カム7
の中心孔の径はほぼ均しくしており、後述のリフィルの
外径より僅かに大きく、リフィルに設けたストッパの外
径より小さくしている。
【0029】軸筒2内の摺動カム7、回転カム8がそれ
ぞれ後退位置にある図2の状態で、軸筒2の前端からリ
フィル9を円筒状空間2b内に挿入する。リフィル9に
はクリンプ等のストッパ10を設けており、ストッパ1
0の後端(図で右端)を回転カム8の前端で受けさせ
る。この状態で内蔵スプリング11をリフィル9にかぶ
せ、口金1を軸筒2に螺合する。内蔵スプリング11
は、口金1の内面の段部とストッパ10とによりやや圧
縮された状態でリフィル9の前方部分に配置されてい
る。このとき、リフィル9の先端筆記部9aは口金1の
先端から完全に引込んだ内蔵状態となっている。
【0030】この図2の状態では、摺動カム7の大径部
が浅いカム溝2dの後端に当って筆記体を内蔵位置に係
止している。すなわち前進後退機構により係止している
が、必ずしも浅いカム溝2dに後端を設けなくてもよ
い。その場合は、連結部6がスリット2eの後端に当っ
て止まるようにするか、リフィル9の後端が軸筒2の内
面後端に突当って内蔵位置に係止するようにすればよ
い。従って、前進後退機構によって筆記体を内蔵位置に
係止するとは限らない。
【0031】また、軸筒2の前方部分内周に設けた雌ね
じの終端付近に、合成樹脂製のやや弾性のある抜止めリ
ング12を軽く圧入固定している。この抜止めリング1
2は、リフィル9を交換するため口金1を軸筒2から外
したとき、そしてリフィル9を軸筒2内から抜き取ると
き、回転カム8、摺動カム7が軸筒2の前端開口部から
こぼれ落ちないようにしている。抜止めリング12の内
径はストッパ10の外径より大きく、勿論回転カム8の
外径よりは小さい。
【0032】次に、作用について説明する。
【0033】図1、図2に示すリフィル内蔵状態で、軸
筒2の筆記時に握る部分を持ち、1本の指(例えば親
指)を後方へずらせて次に押出し片4を最前進位置まで
押出して押す力を解除すると、まず連結体6、受け部5
に押されて摺動カム7が内蔵スプリング11を縮めて前
進し、最前進位置において回転カム8を少しく回転さ
せ、次に押す力がなくなると内蔵スプリング11の力で
回転カム8は回りながら少し後退し、浅いカム溝2dの
前端に係止する。図3は、この状態を示しており、リフ
ィル9の先端筆記部9aは筆記可能位置に前進係止して
いる。
【0034】筆記を終ったら、再び押出し片4を1本の
指で一ぱいに押出すと、図3の状態より連結体6、受け
部5、摺動カム7、回転カム8、リフィル9が更に前進
した後、押しを解除するとこれらのものが一体となって
後退し、図2に示す内蔵状態に戻る。
【0035】摺動カム7、回転カム8、深いカム溝2
c、浅いカム溝2dの作用については、ノック式ボール
ペンに広く用いられている公知の技術であるため、詳細
な説明は省略する。なお、図3の状態で押出し片4を更
に押出すと、回転カム8の前端面が抜止めリング12に
ほぼ当接する所まで前進するが、ストッパ10は抜止め
リング12内を前進できるので問題はない。リフィル9
は、前方の段部9bが口金1内の段部に当たる所まで前
進可能であり、この前進の過程で回転カム8が作動する
ように構成されている。
【0036】図3の状態では、押出し片4を故意に後退
させると連結部6、受け部5、受け部5に嵌入されてい
る摺動カム7が図2に示す位置まで後退するが、回転カ
ム8は前進位置に係止しているので問題はない。また、
図3の状態で押出し片4を後退させる力は通常加わらな
い。
【0037】なお、連結部6や押出し片4を筆圧に十分
耐える強さのものとした場合は、押出し片4を最も押出
した位置、従って先端筆記部9aを図3の状態より更に
突出した位置へ押出して、そのまま押出し片に加わる筆
圧を指で止めて筆記することもできる。定規を使用した
り、先端筆記部9aを口金1の開口部1aからうんと出
して書きたいときには、このようにして筆記をする。
【0038】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明はこの実施例に限られるものではない。例え
ば、ボールペンに限らず、サインペン、メカニカルペン
シルにも応用でき、前進後退機構としては、受け部5の
中心孔を摺動カム7の後方部分外径よりやや大きくし
て、摺動カム7の後方部分を受け部5の中心孔に落とし
こんで遊嵌させるようにしてもよい。前進後退機構とし
ては、連結手段を介して押出し片と連結して作動させら
れるものなら、どんな機構のものを採用してもよい。連
結手段も、リフィルの後端を受け部で受けて、連結体を
本体内か本体外に沿わせて前進させ、押出し体と連結し
てもよい。スリットは軸筒先端から切ってもよい。内蔵
スプリングを設ける位置も任意でよい。押出し片の大部
分を軸筒に設けた凹部に沈ませた状態で前後動させるよ
うにしてもよい。また、押出し片の両側の軸筒上に案内
リブを設けてもよい。本体を金属製の高級品として、高
級品に相応しい押出し片を設け、該押出し片に社名等を
入れてもよい。逆に使い捨ての低価格品を作ってもよ
い。その他、部品の一体化や設計変更は自由である。
【0039】図8は、第1番目の発明の他の実施例を示
す筆記体の内蔵状態を示す側断面図であって、図中、図
2、図3に記載された符号と同一の符号は同一ないし同
類部分を示すものとする。
【0040】この実施例では、(i)本体を構成する口
金1と軸筒2が、筒状をなし前方部分外周におねじ部2
1aを有し後方部分に凸部21bを有するジョイント部
材21を介して、連結されており、上記おねじ部21a
は口金1のめねじ部と螺合され、また凸部21bは軸筒
2の嵌合孔2mと嵌合され、ジョイント部材21の抜け
出し、回転を防止している。なお、該凸部21bをカバ
ーするために、押出し片4は前方へ延びている。
【0041】上記ジョイント部材21を設けたことによ
り、軸筒2の開口部付近の内周にめねじを切る必要がな
くなり、且つ回転カム8等の抜止めリング(図2、図3
の12)をジョイント部材21が兼ねている。
【0042】(ii)中孔を有する回転カム8の後方部
分を長くして摺動カム7の後端より突出させ、該突出部
分の後端付近外周にリフィルケース22の前端が嵌合す
る溝を設けて両者を結合するようにし、外径が大きくな
らないようにしている。
【0043】(iii)ドーナツ状の受け部5が短い円
筒状の摺動カム7(ノック式筆記具におけるノック棒の
前方部分に相当する。)の後端面を受ける(押す)よう
になっており、回転カム8の長くした足(円筒状部分)
の挿通を妨げない内径を有している。
【0044】(iv)軸筒2の後端を開口とし、リフィ
ルケース22を該軸筒2の後方から挿入して回転カム8
後端と圧入により連結するようになっている。
【0045】(v)回転カム8の前端と口金1との間に
内蔵スプリング11が介在され、該スプリング11の後
端を回転カム8の前端面に当接させている。
【0046】(vi)リフィルケース22の後端内面
に、リフィル後端孔に差込む突起22aを設けて、リフ
ィル9がリフィルケース22と嵌合するようにし、或い
はリフィルケース22後方部分でリフィル後端を抱持す
るようにしている。また、上記突起22aに対向する軸
筒2の端部は開口され詰栓(蓋)23で封塞されてい
る。
【0047】この実施例の組立て手順は次の通りであ
る。
【0048】1)軸筒2のスリットからドーナツ状の受
け部5、連結部6と押出し片4が一体となった成形品を
嵌入して90°回すと、受け部5が正面を向き、押出し
片4も軸筒2と同一方向となる。
【0049】2)次に、摺動カム7、回転カム8、内蔵
スプリング11の順に、軸筒2の先端開口部から落し込
む。
【0050】3)次に、ジョイント部材21を軸筒2前
方部分に回転したり抜け出したりしないように、且つ回
転カム8が作動する空間を保って取付ける。
【0051】4)次に軸筒2の後方開口部からリフィル
ケース22を差込み、回転カム8後端付近の溝に、リフ
ィルケース22先端を筆圧を受けても抜けないように嵌
める。
【0052】5)軸筒後端の開口部に詰栓23をする。
【0053】6)リフィル9を前方から挿入し、リフィ
ルケース22に差込み、後端を突起22に当接し固定す
る。
【0054】7)ジョイント部材21の前方部分のおね
じ21aに口金1のめねじを螺合して、組立て作業を終
了する。
【0055】図9は、第1番目の発明の更に他の実施例
を示す筆記体の内蔵状態を示す側断面図であって、図
中、図2、図3、図8に記載された符号と同一の符号は
同一ないし同類部分を示すものとする。
【0056】この実施例では、(i)本体が先軸部分2
Aと後軸部分2Bとからなり、内側に嵌合されたジョイ
ント筒24により連結され、口金は先軸部分2Aと一体
に作られている。
【0057】(ii)リフィルケース22が金属製パイ
プで作られ、回転カム8の後方部分の外周の溝にかしめ
て連結され、また後端には、リフィル9後端を保持する
部分(突起や挿入部)を有する尾栓25が螺合されてい
る。リフィル9の交換は、先ず後軸2Bを抜取り、次に
尾栓25を外して古いリフィル9を抜取り、新しいリフ
ィル9を取付ける。
【0058】(iii)先の実施例のように、口金を外
して前方から、摺動カム7や回転カム8を挿入できない
ので、従来公知(特開昭61−280996号公報参
照)のカム筒7A、摺動カム7、回転カム8の3点セッ
トを用意し、内蔵スプリングを前方に配置して先軸2A
内に押し込み、カム筒7Aの抜出し防止を兼ねたジョイ
ント筒24を先軸2Aの後方開口から圧入固定する。圧
入でなく嵌入して、カム筒7Aを先軸2A内の段部とジ
ョイント筒24とにより挟んで固定してもよい。
【0059】(iv)軸2A、2Bが金属製からなり、
先軸2Aに、スリットでなく押出し片4が嵌まって6.
5mm以上前後動できる長楕円形の孔26が穿設され、
リフィル9内蔵時に外から見えるカム筒7Aにクローム
メッキをして押出し片4を押出したとき見えるカム筒7
Aの部分に赤色マークを付けておけば、携帯前に赤マー
クの見えないように押出し片4を後退させておく必要を
使用者に知らせることができる。なお、カム筒7Aには
スリットが設けられている。
【0060】この実施例の組立て手順は次の通りであ
る。
【0061】1)先軸2A内に、内蔵スプリング11、
カム筒7A、回転カム8、摺動カム7及びリフィルケー
ス22を定位置まで入れる。カム筒7A、回転カム8、
摺動カム7を予めセットして一体化しておいてもよい。
【0062】2)カム筒7Aが先軸2A内で前後動しな
いように、ジョイント筒24を先軸2A内に圧入固定し
て、該カム筒7Aの前後を挟みつける。
【0063】3)尾栓25にリフィル9を取付けて、該
尾栓25をリフィルケース22後端にねじ込む。
【0064】4)後軸2Bを、先軸後端から突出してい
るジョイント筒24に押し込む。
【0065】5)カム筒7Aのスリットを通して押出し
片4の足(連結部)6を摺動カム7の凹部に嵌め込んで
固定し、組立て作業を終了する。
【0066】前記した実施例(図8)において、軸筒2
のスリットは前端開口部から切ってもよい。この場合、
押出し片4を90°回さなくてもよいので、ドーナツ状
の受け部5を省略して摺動カム7に腕を介して押出し片
4を一体に取付けたものを、スリット前端から入れるこ
とができる。またその後に、ジョイント部材21を軸筒
前方部分に固定するが、軸筒先端部に僅かな長さの小径
部を設けて、スリット部が開かないように補強リングを
嵌めるようにしてもよい。
【0067】図10は、第2番目の発明の押出し式両頭
筆記具の第1実施例を示す2体の筆記体(リフィル)が
どちらも内蔵状態にあるときの断面図、図11は、2体
のうち1体の筆記体が筆記可能位置にある状態の断面図
である。
【0068】図において、31,31は軸筒32の両側
の2つの端部にそれぞれに取付けられている口金であ
り、それぞれの前端に開口部31a,31aを有してい
る。またテーパー状部分に続く水平部の後端から後方は
小径となっており、その小径部分に雄螺子を切ってい
る。口金31,31は、金属、合成樹脂等でできてい
る。軸筒32の両端の開口部内周付近にそれぞれに雌螺
子を切っている。両口金31,31、軸筒32を螺合し
て一体となし本体を形成する。
【0069】軸筒32の外面は六角形をしており、内面
は円形をしている。外面は一面を滑面としており、他の
五面の筆記時に握る部分にはローレット32a,32a
を付けている。軸筒32の両前方部分を除く内部には、
円筒状空間32bを形成している。
【0070】軸筒32の両前方部分内周には、それぞれ
に、深いカム溝32c,32c、浅いカム溝32d,3
2dを設けている。また、軸筒32の外面の滑面とした
一面の両前方部分それぞれに凹部32e,32eをつく
り、また、凹部32e,32eの範囲内で、軸筒32の
内外に突き抜けるスリット32f,32fを切ってい
る。この各1条のスリット32fは、各凹部32eのど
の部分に設けてもよい。スリット32f,32fの巾
は、後述の受け部および連結部の断面外径より僅かに広
いものとして、長さは該連結部の断面外径に前進後退機
構を作動させるために必要なストローク長を加えたもの
以上としている。
【0071】次に、押出し片33、受け部34、連結部
35を一体に形成した図12に示すものを2組用意す
る。受け部34は断面円形のドーナツ状をしており、連
結部35は同じく断面円形の棒状をしている。また、両
者の断面の径を均しくしている。押出し片33の上面に
は、すべり止め用のローレット33aを付けている。受
け部34の中心孔は、後述の筆記体受け38の外径より
やや大きくしている。
【0072】受け部34、連結部35を各組ごとに軸筒
32内に組入れる方法は次の通りである。
【0073】まず、スリット32fと受け部34とを平
行にして、スリット32fに通し、受け部34、連結部
35を軸筒32内およびスリット32f内に入れる。次
に押出し片33をスリット32fと平行にする(90度
回す)。このとき軸筒32内で、受け部34は前端開口
部31aに対して正面を向く。もう一組についても同様
である。
【0074】なお、押出し片33の肉厚は薄いものでよ
く、形状も任意でよいから、上面のローレット33aに
代えて、都市や学校のシンボルマーク、会社のロゴ、人
気漫画の主人公の絵、その他を刻設してすべり止めを兼
ねた宣伝媒体としてもよく、形状自体を校章等としても
よい。
【0075】次に、摺動カム36、回転カム37を2組
用意するが、これら摺動カム36、回転カム37は、軸
筒32内の深いカム溝32c、浅いカム溝32dととも
に公知のものである。また、リフィル受け38,38を
2個用意するが、リフィル受け38の後方部分内径は、
リフィル39の後方部分を保持する大きさとしている。
リフィル受け38の前方部分には鍔38aを設けてお
り、鍔38aの内面はテーパ状に形成してリフィル39
の後端を差し込みやすくしている。なお、リフィル受け
38の後端面には成形上必要な穴を設けている(金属の
場合、この穴は必ずしも必要でない)。
【0076】このリフィル受け38,38の後方から前
記回転カム37,37、摺動カム36,36を嵌めたも
のを、軸筒32の両端からそれぞれ挿入し、摺動カム3
6,36の各後端を受け部34,34に当てる。次に内
蔵スプリング40,40の一端をリフィル受け38,3
8の前端の鍔38a,38aの前端面に当て、止めリン
グ41,41に他端を当ててやや圧縮した状態で、該止
めリング41,41を軸筒32に固定する。次にリフィ
ル39,39を、リフィル受け38,38に後方部分を
保持させるように一ぱいに嵌入し、最後に口金31,3
1を軸筒32の両端に螺合すると、図10に示す状態の
ものができあがる。
【0077】回転カム37、摺動カム36は、いずれも
リフィル受け38の外周に常時嵌合しているので、前進
後退時に傾くことはない。また、受け部34内をリフィ
ル受け38が通っているので、押出し片33も横振れす
ることなく前進後退する。
【0078】この実施例のリフィル39は、インク貯蔵
部を金属で形成しているのでストッパーを設けていない
ため、その後端をリフィル受け38により保持させてい
る。
【0079】この図10の状態では、摺動カム36,3
6が浅いカム溝32d,32dの後端にそれぞれ当って
リフィル39,39をともに内蔵位置に係止している。
すなわち、前進後退機構により係止しているが、必ずし
もカム溝に後端を設けなくてもよく、たとえば左右両方
の浅いカム溝32d,32dを1本の連続溝となるよう
につないでもよい。その場合は、連結部35,35がス
リット32f,32fのそれぞれの後端に当って止まる
ようにするか、両側のリフィル受け38,38の後端同
士が突き当たった内蔵位置に両スプリング40,40に
よりバランスして係止するようにすればよい。従って、
前進後退機構によってリフィル39,39を内蔵位置に
係止するとは限らない。
【0080】次に、作用について説明する。
【0081】図10に示すリフィル内蔵状態で、軸筒3
2の筆記時に握る部分を持ち、1本の指(たとえば親
指)を後方へずらせて次に押出し片33を最前進位置ま
で押出して押す力を解除すると、まず連結体35、受け
部34に押されて摺動カム36が前進し、回転カム37
を少し回転させ、次に押す力がなくなるとスプリング4
0の力で回転カム37は回りながら少し後退し、浅いカ
ム溝32dの前端に係止する。図11の左方は、この状
態を示しており、リフィル39の先端筆記部39aはリ
フィル受け38を介して筆記可能位置に前進係止してい
る。両リフィル39,39同士は独立し、連動させてい
ないので、もう一方(右方)のリフィル39はそのまま
内蔵状態に維持されている。
【0082】筆記を終ったら、再び押出し片33を1本
の指で一ぱいに押出すと、図11の状態より連結体3
5、受け部34、摺動カム36、回動カム37、リフィ
ル受け38、リフィル39が更に前進した後、押しを解
除するとこれらのものが一体となって後退し、図10に
示す内蔵状態に戻る。
【0083】摺動カム36、回転カム37、深いカム溝
32c、浅いカム溝32dの作用については、ノック式
ボールペンに広く用いられている公知の技術であるた
め、詳細な説明は省略する。
【0084】なお、インク切れになった場合や、ボール
径の異なるリフィルを使用したい等、リフィルを交換し
たい場合には、リフィルを交換したい方の口金31を外
すと、リフィル39の前端部が軸筒32から露出してい
るので、その露出部分をつかんで引っ張ると、リフィル
受け38も引っ張られて前進するが、内蔵スプリング4
0が縮まり切ったところで、あるいは、スプリング40
の力がリフィル受け38のリフィル39を保持する力を
上回ったところで、リフィル39を筆記体受け38から
抜き取ることができる。新しいリフィル39はリフィル
受け38の中へ一ぱいに押込めばよい。なお、この交換
中、止めリング41により軸筒32の中の部品は何一つ
こぼれ落ちることはない。
【0085】次に、第2番目の発明の第2実施例を説明
する。その内蔵状態を示す図13において、前進後退機
構として、カム溝32c,32d、摺動カム36、回転
カム37を2組用いており、この前進後退機構を受け部
34,34、連結部35,35と一体の押出し片33,
33でそれぞれ作動させる点は、前記第1実施例と同様
である。
【0086】この実施例では、第1実施例のリフィル受
け38を省略し、その代りにリフィル受け部材として、
リフィル39自身にクリンプ等のストッパ42を設けて
おり、両ストッパ42,42の各後端を回転カム37,
37の各前端でそれぞれに受けさせている。この状態で
内蔵スプリング40,40をリフィル39,39にかぶ
せ、口金31,31を軸筒32に螺合する。内蔵スプリ
ング40,40は、口金31,31内の内面の段部とス
トッパ42,42とによりやや圧縮された状態でリフィ
ル39,39の前方にそれぞれ配置されている。止めリ
ング41,41は、やわらかく軸筒32内に嵌入されて
おり、回転カム37,37、摺動カム36,36等の抜
け落ちを防いでいる。
【0087】この実施例では、クリンプ等のストッパ4
2をつくるのが容易な樹脂製インクタンクのリフィル3
9を用いている。
【0088】以上、第2番目の発明を2つの実施例につ
いて説明したが、本発明はこれらの実施例に限られるも
のではない。
【0089】たとえば、筆記体(リフィル)としては、
色が異なる2本の油性ボールペン用筆記体に限られず、
油性ボールペンとシャープペンシル、油性ボールペンと
水性ボールペン等の筆記体や、ボール径、芯径、芯先の
形状等の点で種類が異なる筆記体にも適用される。
【0090】また、前進後退機構としては、連結手段を
介して押出し片と連結させて作動させられるものなら、
どんな機構のものを採用してもよい。連結手段も、筆記
体の後端を受け部で受けて、連結体を本体内か本体外に
沿わせて前進させ、押出し片と連結してもよい。スリッ
トは、軸筒先端から切ってもよい。内蔵スプリングを設
ける位置は任意でよい。動かしたときにスリットが見え
ないように押出し片の長さは自由に設計できる。押出し
片は2体である必要がなく、1体にしてもよい。この場
合は、両カム溝およびスリットを向い合う方向に(後方
側に)長く延長し、内蔵時には、両筆記体の後端同士を
突き合わせて止めるようにする。2体の筆記体の中のイ
ンク量などは、同じにするとは限らない。2本の筆記体
の後方部を交叉するように設けてもよい(シャープペン
シルの芯を交叉させたものとして実公昭54−2474
0号公報参照)。なお、上下に移動させることができ、
使用中邪魔にならない位置へずらせておく等の工夫によ
りクリップをとりつけてもよい。筆記体は両側に2体を
独立させて設けるとは限らず、一体化したり、インクタ
ンクを共通にすることもある。その他、部品の一体化や
設計変更は自由である。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、第1番目の発明に
よれば次のような効果が奏される。
【0092】(i)通常筆記時に本体を握る部分を握っ
たまま、手元操作で筆記体の先端筆記部を筆記可能位置
に係止したり内蔵位置に収納したりすることができるの
で、使用が簡便である。
【0093】(ii)内蔵スプリングの力は弱いもので
よいので、1本の指で押出し片を押出す操作は女性や子
供でも容易にできる。また内蔵時の衝撃も弱いので、ノ
ック式水性ボールに起きている中継芯移動等の問題を回
避できる。
【0094】(iii)使用が終ったら、手元操作で忘
れることなく先端筆記部を本体内に収納できるので、安
全性の確保と汚れ防止の目的をほぼ完全に達成できる。
【0095】(iv)前進後退機構は周知機構で経験ず
みのものであるため、作動が確実で故障が生じない。
【0096】(v)前進後退機構内を筆記体が通過して
いるので、全長が長いキャップ付の卓上用ボールペンと
同じ筆記体を使用することができる。
【0097】(vi)部品点数が少なく、組立ても容易
であるため、安価に提供できる。(vii)操作部からの力が前進後退機構に直接伝わ
り、安定がよく、操作が確実であり、本体を細くするこ
とが可能である。
【0098】また、第2番目の発明によれば、次のよう
な効果が奏される。
【0099】(i)通常筆記時に本体を握る部分を持っ
たまま、1本の指により手元操作で筆記体の先端筆記部
を筆記可能位置に係止したり内蔵位置に収納したりする
ことができ、また片手で本体を上下反転させて反対側を
使用することができるので、使用が簡便である。
【0100】(ii)本体の長さが、両筆記体の長さの
合計よりわずかに長ければよいので、長さのロスが少な
い。
【0101】(iii)使用が終ったときや、本体を上
下反転させて反対側を使用しようとするときは、手元操
作で今まで使用していた側の先端筆記部を本体内に収納
できるので、安全性の確保と汚れ防止の目的をほぼ完全
に達成できる。
【0102】(iv)本体の両側から筆記体の先端筆記
部を露出させたままでも使用できるので、使用中はただ
本体を反転させるだけで筆記体を使用することができ
る。
【0103】(v)部品点数が少なく、組立ても容易で
あるため、安価に提供できる。(vi)さらに、この発明においても、操作部からの力
が前進後退機構に直接伝わり、安定がよく、操作が確実
であり、本体を細くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1番目の発明の押出し式筆記具の一実施例を
示す筆記体の内蔵状態を示す正面図である。
【図2】第1番目の発明の一実施例を示す筆記体の側断
面図である。
【図3】第1番目の発明の一実施例を示す筆記体の筆記
可能状態を示す側断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】第1番目の発明の一実施例を示す筆記具のカム
溝とスリットの要部の拡大展開図である。
【図7】第1番目の発明の一実施例を示す筆記具の部品
図である。
【図8】第1番目の発明の他の実施例を示す側断面図で
ある。
【図9】第1番目の発明の更に他の実施例を示す側断面
図である。
【図10】第2番目の発明の押出し式両頭筆記具の第1
実施例を示す筆記体の収納状態を示す平面断面図であ
る。
【図11】第2番目の発明の第1実施例を示す一方の筆
記体の筆記可能状態を示す平面断面図である。
【図12】第2番目の発明の第1実施例を示す筆記具の
押出し片の側断面図である。
【図13】第2番目の発明の第2実施例を示す平面断面
図である。
【符号の説明】
1 口金 1a 開口部 2 軸筒 2a ローレット 2b 円筒状空間 2c 深いカム溝 2d 浅いカム溝 2e スリット 2f 傾斜面 3 クリップ 4 押出し片 4a ローレット 5 受け部 6 連結部 7 摺動カム 8 回転カム 9 リフィル 9a 先端筆記部 9b 段部 10 ストッパ 11 内蔵スプリング 12 抜止めリング 2A 先軸 2B 後軸 7A カム筒 21 ジョイント部材 22 リフィルケース 23 詰栓 24 ジョイント筒 25 尾栓 31 口金 31a,31a 開口部 32 軸筒 32c,32c 深いカム溝 32d,32d 浅いカム溝 32f,32f スリット 33,33 押出し片 34,34 受け部 35,35 連結部 36,36 摺動カム 37,37 回転カム 38,38 リフィル受け 38a,38a 鍔 39,39 リフィル 39a,39a 先端筆記部 42,42 ストッパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B43K 24/04 B43K 24/12 B43K 24/18 B43K 27/00 - 27/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筆記体(9)の先端筆記部(9a)が出没
    する開口部(1a)を有する本体(1,2)と、 該本体(1,2)内に常時後退方向へ付勢して収容した
    筆記体(9)と、 該筆記体(9)を前進させて筆記可能位置に係止し後退
    させて内蔵位置に収納する前進後退機構(8,7,2
    c,2d)と、 筆記時に前記本体(1,2)を持ったまま該本体(1,
    2)の外側で1本の指により手元操作できる範囲内に配
    置した押出し片(4)とからなり、 前記前進後退機構(8,7,2c,2d)は、前記筆記
    体(9)が挿通される貫通孔を有する回転カム(8)
    と、前記回転カム(8)と係合しかつ前記筆記体(9)
    が挿通される貫通孔を有する摺動カム(7)と、本体
    (1,2)の前方部分の内壁または本体(1,2)の前
    方部分の内側に設けたカム筒(7A)の内壁に設けたカ
    ム溝(2c,2d)とからなり、 さらに、該押出し片(4)と前記摺動カム(7)を連結
    する手段(6)を有し、 前記連結手段(6)は、前記カム溝(2c,2d)が設
    けられた部分に主に配されたスリット(2e)を貫通し
    ている、 ことを特徴とする押出し式筆記具。
  2. 【請求項2】両端に筆記体(39)の先端筆記部(39
    a)が出没する開口部(31a)を有する本体(31,
    31,32)と、 該本体(31,31,32)内に常時内蔵方向へ付勢し
    て収容した両端に異なる種類の先端筆記部(39a,3
    9a)を有する筆記体(39)と、 該筆記体(39)を前進させて筆記可能位置に係止し後
    退させて内蔵位置に収納する筆記体の前進後退機構(3
    7,36,32c,32d)と、 筆記時に前記本体(31,31,32)を持ったまま該
    本体(31,31,32)の外側で1本の指により手元
    操作できる範囲内の左右両側に配置した押出し片(3
    3,33)とからなり、 前記前進後退機構(37,36,32c,32d)は、
    前記筆記体(39)が挿通される貫通孔を有する回転カ
    ム(37,37)と、前記回転カム(37,37)と係
    合しかつ前記筆記体(39)が挿通される貫通孔を有す
    る摺動カム(36,36)と、本体(31,31,3
    2)の前方部分の内壁または本体(31,31,32)
    の前方部分の内側に設けたカム筒の内壁に設けたカム溝
    (32c,32d)とからなり、 さらに、該押出し片(33,33)と前記摺動カム(3
    6,36)を連結する手段(35,35)を有し、 前記連結手段(35,35)は、前記カム溝(32c,
    32d)が設けられた部分に主に配されたスリット(3
    2e)を貫通している、 ことを特徴とする押出し式両頭筆記具。
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