JPS63301249A - 塩化ビニル系重合体組成物およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、加工性に優れた塩化ビニル系重合体組成物お
よびその製造方法、とくにはカレンダーロール加工時の
シート、フィルムなどの成形材料のロールへの粘着に際
し、剥離性を向上した塩化ビニル系重合体組成物および
その製造方法に関するものである。

（従来の技術とその問題点） 一般に、塩化ビニル系重合体はカレンダーロール加工に
よりシート、もしくはフィルム成形を行う際にロールと
の粘着が起こり、厚さムラを生じたり、ロールに巻き付
いたりして、・生産性を低下させたり、成形品の外観を
損なったりしているにのため重合体に一種または二種以
上の滑剤を添加してロールとの剥離性を改善する試みが
なされ。

これらの滑剤として例えばステアリン酸、ヒドロキシス
テアリン酸、ベヘニン酸のような高級脂肪酸；オレイン
酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビス
ステアロアミドのような脂肪酸アミド類；モンタンワッ
クスのようなワックス類；ステアリルアルコールのよう
な高級アルコール；流動パラフィンのようなパラフィン
類；シリカ微粉末などが用いられている。

しかし、これらの滑剤ではロールとの粘着性の改善効果
が不充分なため、その効果を充分に出すには滑剤を多量
に添加する必要があり、この場合にはシートもしくはフ
ィルムに成形したときにその透明性や表面の平滑性を低
下させるという問題があり、その有効な対策が望まれて
いた。

（問題点を解決するための手段） 本発明はこの問題を解決すべく鋭意研究の結果達成され
たもので、塩化ビニル系重合体１００重量部当り変性シ
リコーンオイルを０．０００１〜０．１重量部添加して
なる塩化ビニル系重合体組成物、および塩化ビニル単量
体、または塩化ビニルを主体とするビニル系単量体の混
合物を、水性媒体中で懸濁重合する際に、あるいはこれ
によって得られた重合体中に、変性シリコーンオイルを
重合体１００重景重量りｏ、ｏｏｏｉ〜０．１重量部添
加することを要旨とする塩化ビニル系重合体組成物の製
造方法を提供するものである。

これを説明すると、本発明で用いられる変性シリコーン
オイルは、好ましくはカルボキシル基もしくはアミノ基
を含むシリコーンオイルであって、より具体的には一般
式 （式中のＸは水素原子、メチル基、もしくはフェニル基
；Ｙはカルボキシル基、もしくはアミノ基を示し、１．
ｍ、ｎはそれぞれ粘度によって変化する任意の整数であ
る）で示される。２５℃における粘度が５０〜１０００
０ｃｐｓ、好ましくは１０００〜５０００ｃｐｓのもの
で、この変性シリコーンオイルは一般に一種または二種
以上の混合物として使用される。

ここで変性シリコーンオイルが５０ｃｐｓ以下ではロー
ルの粘着剥離性が充分でなく　、　１００００ｃｐｓ以
上では塩化ビニル重合体中への分散性が悪く、そのため
にこれもロール粘着の剥離効果が出ないだけでなく、均
一なシートの成形ができなくなる傾向がある。

この変性シリコーンオイルは重合体１００重量部当り０
．０００１〜０．１重量部、好ましくはｏ、ｏｏｏｓ〜
０．０５重量部の割合で添加されるが、ここで添加量が
０．０００１重量部以下ではロールの粘着剥離性が改善
されず、また０、１重量部以上の添加ではその効果の向
上が望めず、経済的でないため、この範囲にすることが
必要である。

この重合体への添加時期は重合仕込み時に水性媒体、単
量体、懸濁剤などと共にあらかじめ仕込んでも、重合中
または重合後のスラリー中、スラリー脱水後のケーキ中
、あるいは乾燥後の、さらには成形直前の重合体粉末中
などのいずれでも差し支えなく、またその方法もこの変
性シリコーンオイルをそのまま添加しても、これをトル
エン、その他の溶剤に溶解したり、水、その他の媒体に
分散させて添加するなどいずれでもよい。

本発明による塩化ビニル系重合体組成物の製造は上記し
たように、塩化ビニル単量体または塩化ビニルを主体と
するビニル系単量体の混合物を水性媒体中で懸濁重合す
る際に、またはこれから得られた重合体に添加する方法
で達成されるが、ここで適用される重合体原料には、塩
化ビニル単量体のほか、塩化ビニルを主体とするこれと
共重合可能なビニル系単量体の混合物（塩化ビニルが５
０重量％以上）であって、この塩化ビニルと共重合され
るコモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ルなどのビニルエステル；アクリル酸メチル、アクリル
酸エチルなどのアクリル酸エステルもしくはメタアクリ
ル酸エステル；エチレン、プロピレンなどのオレフィン
；無水マレイン酸；アクリロニトリル；スチレン；塩化
ビニリデン；その他塩化ビニルと共重合可能な単量体な
どが挙げられる。

また、この懸濁重合に際して使用される懸濁剤および重
合開始剤は従来一般に使用されているものでよく、この
懸濁剤としては例えば例えばメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース
、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セ
ルロースエーテル；部分けん化ポリビニルアルコール；
アクリル酸重合体；ゼラチンなどの水溶性ポリマー；ソ
ルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グ
リセリントリステアレート、エチレンオキシドプロピレ
ンオキシドブロックコボリマーなどの油溶性乳化剤；ポ
リオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキ
シエチレングリセリンオレート、ラウリン酸ナトリウム
などの水溶性乳化剤などがあり、これらは一種または二
種以上の組み合わせで使用される。

また１重合開始剤も従来塩化ビニル系の重合に使用され
ているものでよく、これには例えばジイソプロピルパー
オキシジカーボネート、ジー２−エチルヘキシルパーオ
キシジカーボネート、ジェトキシエチルパーオキシジカ
ーボネートなどのパーカーボネート化合物；Ｌ−ブチル
パーオキシネオデカネート、ｔ−ブチルパーオキシピバ
レート、し−ヘキシルパーオキシピバレート、α−クミ
ルパーオキシネオデカネートなどのパーエステル化合物
；アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、２
，４．４−トリメチルペンチル−２−パーオキシフェノ
キシアセテート、３，５．５−トリメチルヘキサノイル
パーオキサイドなどの過酸化物；アゾビス−２，４−ジ
メチルバレロニトリル、アゾビス（４−メトキシ−２，
４−ジメチルバレロニトリル）などのアゾ化合物；さら
には過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素
などがあり、これらは一種または二種以上の組み合わせ
で使用することができる。

この重合に際しての他の条件１重合器への水性媒体、塩
化ビニル単量体、場合によっては他のコモノマー、懸濁
剤、重合開始剤などの仕込み方法は従来と同様にして行
えばよく、これらの仕込み割合、重合温度などの重合条
件もまた同様でよい。

さらに必要に応じて、塩化ビニル系の重合に適宜使用さ
れる重合調整剤、連鎖移動剤、ｐＨ調整剤、ゲル化改良
剤、帯電防止剤、スケール防止剤などを添加することも
任意である。

（実施例） 以下、本発明の具体的態様を実施例および比較例により
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

実施例　１゜ 内容積２０００　Ｑのステンレス製重合器に、脱イオン
水を９８０　ｋｇ、部分けん化ポリビニルアルコールを
３８２ｇ、水溶性メチルセルロースを１４３　ｇ　、α
、α′−アゾビスー（２，４−ジメチル）バレロニトリ
ルを２１０　ｇ　、および下記の構造を持ち２５℃にお
ける粘度が１０００ｃｐｓである変性シリコーンオイル
を７ｇそれぞれ仕込み、重合器内を脱気した後、塩化ビ
ニル単量体を７００　ｋｇ仕込んだ。

器内を攪拌しながら６６℃まで昇温しで重合を始め、重
合器の内圧が６．０ｋｇ／ａ＆Ｇになった時点で重合を
停止し、未反応単量体を回収し、脱水乾燥して本発明に
よる塩化ビニル重合体を得た。

この重合体１００重量部についてＭＢＳ系衝撃改質剤２
重量部、加工性改質剤１重量部、安定剤２．２重量部、
滑剤０．２重量部を加えてロール粘着性およびロール粘
着時間を測定するとともにプレス成形後の透明性を測定
し、その結果を表に示した。

実施例　２゜ 変性シリコーンオイルの添加を重合転化率が４５％に達
したときに行ったほかは、前例と同様にして重合体を作
成し、同様の測定を行い、その結果を表に示した。

実施例　３゜ 変性シリコーンオイルの添加を重合終了後のスラリー中
に行ったほかは、実施例１と同様にして重合体を作成し
、同様の測定を行い、その結果を表に示した。

実施例　４゜ 実施例１において変性シリコーンオイルとして下記の構
造を持ち２５℃における粘度が１２００ｃｐｓであるも
のを使用したほかは、同様にして重合体を作成し、同様
の測定を行い、その結果を表に示した。

ＣＨ，Ｃ１１゜ ｌＩ Ｃ１１３ｍ　　（ＣＨ２）、ＮＨ，ｎ 比較例　１゜ 実施例１において変性シリコーンオイルを使用しなかっ
たほかは同様にして重合体を作成し、同様の測定を行い
、その結果を表に示した。

比較例　２゜ 実施例１において変性シリコーンオイルを使用せずに重
合体を作成し、この重合体への滑剤の添加量を２部とし
たほかは同様にして、得られた重合体の測定を行い、そ
の結果を表に示した。

なお、上記各実施例および比較例におけるロール粘着性
、ロール粘着時間、およびプレス成形後の透明性の測定
は下記の方法によって行った。

（ロール粘着性） １７５℃のロールを用いてロール切換えを行い、切換え
時の粘着状態をａｊ！ｉｌシて、剥離性の良好なものを
Ｏ１剥離性の悪いものを×、その中間のものをΔとして
示した。

（ロール粘着時間） １７５℃のロールを用いてロール切換えを行いながら、
ロールに粘着して剥離しなくなる時間を測定した。

（透明性） ヘイズメーター（日本重色工業＠Ｉ２）を用いて光の透
過率を測定した。

表 （発明の効果） 本発明による重合体組成物はカレンダーロール加工に際
しロール剥離性に優れ、加工性および生産性が向上する
ため、その工業的価値が著しく大きい。

手続補正書 昭和６２年９月１１日

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、塩化ビニル系重合体１００重量部当り変性シリコー
   ンオイルを０．０００１〜０．１重量部添加してなる塩
   化ビニル系重合体組成物。 ２、塩化ビニル単量体、または塩化ビニルを主体とする
   ビニル系単量体の混合物を、水性媒体中で懸濁重合する
   際に、あるいはこれによって得られた重合体中に、変性
   シリコーンオイルを重合体１００重量部当り０．０００
   １〜０．１重量部添加することを特徴とする塩化ビニル
   系重合体組成物の製造方法。 ３、変性シリコーンオイルが、カルボキシル基もしくは
   アミノ基を含むものである特許請求の範囲第１項記載の
   塩化ビニル系重合体組成物。 ４、変性シリコーンオイルが、カルボキシル基もしくは
   アミノ基を含むものである特許請求の範囲第２項記載の
   塩化ビニル系重合体組成物の製造方法。