JPS6319226Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のシートのリクライニング
装置の改良に関するものである。

上記のようなリクライニング装置としては、従
来、第１図に示す如く、車体１にブラケツト２で
枢着されて傾動可能なシートバツク３の背側の車
体１に、複数の係合溝４，…，４を有するセクタ
ー部材５を固定して、該セクター部材５の係合溝
４，…，４の１つに、シートバツク３のフレーム
６に揺動可能に枢着したストライカ７を、手操作
ノブ８の押引操作で係脱させることにより、シー
トバツク３の傾動位置を調節するもの（例えば、
実開昭54−171402号公報）が提案されている。

ところが、手操作ノブ８は、ストライカ７を離
脱方向に揺動させるだけのものであつたから、自
動車の衝突時等によりストライカ７の基部が変形
するとストライカ７がセクター部材５の係合溝４
から不意に離脱する恐れが大きく危険なものであ
つた。

この考案は、上記従来の問題点を鑑みてなされ
たもので、シートバツクのフレームに枢着されて
いるストツパー部材に、上記補助片の上方に位置
する折曲げ部を形成され、この折曲げ部により、
セクター部材にストライカが係合している時にス
トライカが外れ方向に回動するのを阻止するよう
にしたものである。

以下、この考案の実施例を添付図面について詳
細に説明する。

第２図に示すように、シートバツク１０のフレ
ーム１１は、車体に固定したセクター部材１２に
対応する部分をロツクフレーム１３で継手した構
成でなり、該ロツクフレーム１３の一側壁１３ａ
に穿設した軸孔１４に、大略Ｕ字状のストライカ
１５の一側軸部１５ａを支承する軸受ボス１６を
嵌合すると共に、該ストライカ１５の他側軸部１
５ｂには、ワイヤーばね１７と、該他側軸部１５
ｂを支承する軸受ボス１８とを嵌合し、該軸部ボ
ス１８には、レリーズプレート１９の基孔２０と
ロツクプレート２１の軸孔２２とに嵌合されて該
ロツクプレート２１は、ロツクフレーム１３の他
側壁１３ｂにビス２３，２３で一体的に固定す
る。

従つて、ストライカ１５は、ロツクフレーム１
３とロツクプレート２１とで揺動可能に支承され
て、一端がストライカ１５に一体のストライカ補
助片２４に掛け止められ、他端が上記軸受ボス１
８に掛け止められたワイヤーばね１７により、セ
クター部材１２の係合溝１２ａ，…，１２ａへの
係合方向に付勢される。

上記レリーズプレート１９は、軸受ボス１８で
揺動可能に支承され、ビス２５で固定したボス２
６が上記ロツクプレート２１の長孔２７に嵌合し
て揺動角が規制される。

該レリーズプレート１９の下部には、シートバ
ツク１０の後傾時にはセクター部材１２の下縁部
１２ｂに当接して揺動を阻止する内曲げレリーズ
部２８を設ける。

また、該レリーズプレート１９の側部には、後
述のストツパープレート２９の折曲げ部３６を抜
脱位置で係止するセルフロツク部３８を設ける。

一方、ロツクフレーム１３の他側壁１３ｂの上
部には、ストツパープレート２９の基孔３０に嵌
合するボス３１をビス３２で固定して、ストツパ
ープレート２９を揺動可能に支承すると共に、該
ストツパープレート２９の外曲げ部３３の孔３３
ａに、手操作ノブ（図示せず）に連動するロツド
３４の下端折曲部３４ａを係合させる。

該ストツパープレート２９の外曲げ部３３とレ
リーズプレート１９の内曲げレリーズ部２８との
間にコイルばね３５を張設して、両プレート２
９，１９を相対的に接近方向に付勢する。

上記ストツパープレート２９の下部には、スト
ライカ補助片２４の下方、つまりストライカ１５
の係合側に臨む折曲げ部３６と、ストライカ補助
片２４の上方、つまりストライカ１５の離脱側に
臨む折曲げ部３７とを設ける。

上記のようにリクライニング装置を構成すれ
ば、第３図のように、手操作ノブが押下げられて
ロツド３４が下降位置にあり、ストライカ１５が
セクター部材１２の係合溝１２ａの１つに係合し
た状態では、ストツパープレート２９はコイルば
ね３５で左旋されてロツド３４の下端折曲部３４
ａで当て止められ、ストライカ補助片２４の下方
に折曲げ部３６が、上方に折曲げ部３７が対立し
ているので、自動車の衝突等でストライカ１５が
離脱方向に揺動しようとしても、折曲げ部３７に
より当て止められるので不意に離脱する恐れは全
くない。

レリーズプレート１９は、コイルばね３５で左
旋され、内曲げレリーズ部２８がセクター部材１
２の下縁部１２ｂに当て止められている。

つぎに、第４図のように、手操作ノブを引上げ
てロツド３４を上昇させると、下端折曲部３４ａ
によりストツパープレート２９が右旋され、折曲
げ部３６がストライカ補助片２４に当接してスト
ライカ１５を離脱方向に揺動させる。

そして、この状態でシートバツク１０の傾動角
を調節して手操作ノブの引上げ操作を解除すると
ストツパープレート２９がコイルばね３５で左旋
され、ストライカ１５がワイヤーばね１７で対応
する係合溝１２ａに係合して、傾動位置の調節が
完了する。

また、第５図のように、手操作ノブを引き上げ
たままシートバツク１０を前傾方向に揺動させる
と、レリーズプレート１９の折曲げレリーズ部２
８がセクター部材１２の下縁部１２ｂから外れて
コイルばね３５で右旋され、セルフロツク部３８
がストツパープレート２９の折曲げ部３６を係止
するようになり、ストライカ１５は離脱位置にセ
ルフロツクされる。

その後、シートバツク１０を後傾させると、レ
リーズプレート１９の内曲げレリーズ部２８がセ
クター部材１２の下縁部１２ｂに当て止められて
左旋され、セルフロツク部３８によるストツパー
プレート２９の折曲げ部３６のロツクが解除さ
れ、ストライカ１５がワイヤーばね１７で係合方
向に揺動されてセクター部材１２の係合溝１２ａ
に係合し得るようになる。

以上の説明からも明らかなように、この考案
は、ストライカの係脱用手操作部材に連動するス
トツパー部材に、補助片の上方に位置する折曲げ
部を形成され、この折曲げ部により、セクター部
材にストライカが係合している時にストライカが
外れ方向に回動するのを阻止するようにしたもの
であるから、自動車の衝突等でストライカが不意
に離脱する恐れがなくなり安全対策上有利にな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のリクライニング装置の側面図、
第２図はこの考案に係るリクライニング装置の分
解斜視図、第３図、第４図、第５図はこの考案に
係るリクライニング装置の作動側面図である。 １０……シートバツク、１１……フレーム、１
２……セクター部材、１２ａ……係合溝、１３…
…ロツクフレーム、１５……ストライカ、１７…
…ワイヤーばね、１９……レリーズプレート、２
１……ロツクプレート、２４……ストライカ補助
片、２８……折曲げレリーズ部、２９……ストツ
パープレート、３４……ロツド、３５……コイル
ばね、３６……折曲げ部、３７……折曲げ部、３
８……セルフロツク部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体に固定されたセクター部材の複数の係合溝
   の１つに、シートバツクのフレームに揺動可能に
   枢着したストライカを係合させて、シートバツク
   の傾動位置を調節するリクライニング装置におい
   て、 上記ストライカはほゞＵ字形状であつて、その
   上側に平板状の補助片が固着されており、 上記シートバツクのフレームに枢着されている
   ストツパー部材に、上記補助片の上方に位置する
   折曲げ部を形成され、この折曲げ部により、セク
   ター部材にストライカが係合している時にストラ
   イカが外れ方向に回動するのを阻止するようにし
   たことを特徴とする自動車のシートのリクライニ
   ング装置。