JPS631466A - 遠心速抽出器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、遠心力を利用して迅速に液一液抽出を行な
うことができる遠心速抽出器に関し、さらに詳しくは、
改良された重液一軽液分離抜出し用せきを備えた遠心速
抽出器に関するものである。

この遠心速抽出器は、使用済核燃料の再処理工程で使用
済核燃料に含まれるウランおよびプル１・二・クムを核
分裂生成物から溶媒抽出法（例えばピューレックス法〉
で分離するために特に好ましく利用できるものであるが
、この分野に限らず、重液と軽液を用いる液一液抽出に
広く利用しつる。

〈従来の技術〉 ピューレックス法による使用済核燃料の再処理において
は、ウラン，プル１ヘニウムおよび核分裂生成物を含む
硝酸溶液（重液）を、ウランとプルトニウムの抽出剤で
あるリン酸トリブチルの炭化水素溶液（以下ＴＢＰと略
記する〕（軽液）と向流接触させて硝酸溶液からウラン
とプルトニウムをＴＢＰへ抽出させ、次いでこのＴＢＰ
中にわずかに抽出ざれる核分裂生成物を除去するために
新たな硝酸溶液と向流接触させて洗浄し、ざらに洗浄後
のＴＢＰを希硝酸溶液と向流接触させてＴＢＰ中のウラ
ンとプルトニウムを希硝酸溶液側に逆抽出させる。

かような抽出，洗浄および逆抽出処理には、従来からミ
キ゛り・セトラやパルス力ラムといった抽出器が一般に
使用されている。しかしながらミキサ・セトラの場合に
は抽出器内での両液の分離に比重差による自然重力を利
用するため十分な滞留時間をとる必要があり、そのため
抽出剤ＴＢＰの放射線による損傷を受け易い。一方、パ
ルス力ラムの場合には、カラム内に取付けられている目
皿の濡れ性から分散状態が悪化することが知られており
、高い除染係数や安定な操作条件を維持するために解決
しなければならない技術的課題を有している。また処理
能力を増加させるために、ミキサ・セトラでは床面積を
広くする必要があり、パルス力ラムはカラムの直径や高
さを大きくする必要があるため、抽出器サイズを大型化
しなくてはならない。

そこで近年、上述したごとき従来の抽出器のもつ欠点を
解消するものとして、遠心速仙出器が開発された。この
遠心速抽出器は、重液と軽液の混合液を遠心力により強
制的に分離するものであり、その代表的な構造を第５図
に示す。

図示の遠心速抽出器は基本的には、ケーシング５１とこ
のケーシング内で回転４ｉ＋ｈ　５　３により高速回転
する円筒状ロータ５２とからなっている。

重液（例えば硝酸溶液）と軽液（例えば抽出剤ＴＢＰ＞
はそれぞれの供給管５４．５５からケーシング５１下部
のミキシング室５６に供給ざれ、回転軸下端に設けられ
てロータ５２と共に回転するインペラ５７によりミキシ
ング至５６内で両液が十分に混合されたのち、ロータ下
喘板５８の中央開口５９からロータ５２内に導入ざれる
。この混合液はロータ下端板５８とバツフル板６０との
間でざらに攪拌されたのち、ロータ内周面５２ａで遠心
力により比重の大きい重液は外側へ、比重の小さい軽液
は内側へ分離ざれながらロータ内周面を上昇していく。

ロータ５２内上部には、重液と軽液とを各々分離して重
液出口６３および軽液出口６４から抜出すための分離抜
出し用せき６１．６２が設けられている。重液分離１友
出し用せき６１は、外側重液相と内側軽液相との界面Ｋ
より外側すなわち重液相側で開口する重液１友出口６１
ａを有し、この汰出口６１ａを通過した重液はさらに複
数のせき板６ｌｂ，　６１ｃ，　６１ｄをオーバーフロ
ーして重液出口６３へ導かれ、重液捕集至６５を経て重
液排出口６６から排出される（実線矢印）。一方、軽液
分離抜出し用せき６２は、重液相と軽液相との界面Ｋよ
り内側すなわち軽液相側で開口する軽液汰出口６２ａを
有し、この丈出口６２ａをオーバーフローした軽液は軽
液出口６４へ導かれ、軽液捕集空６７を経て軽液排出口
６８から排出ざれる（点線矢印）。

遠心速抽出器は前述のごとく遠心力により強制的に重液
と軽液を分離するため次のような利点を有している。

（１）高速回転数でミキシングするため抽出効率が高い
。

（２）接触時間が極めて短いため抽出剤の放射線による
損傷が少ない。

（３）抽出器内に滞留する液が少ないため核物質、放射
性物質のホールドアップ団が少ない。

（４）パルス力ラムヤミキサ・セトラと同じ処理能力を
確保するための抽出器サイズが極めて小型である。

（５）運転平衡到達時間が短く、工程の立上げ、停止時
に必要とする時間、発生院液が極めて少ない。

〈発明が解決しようとする問題点〉 上記した構造の遠心速抽出器は、ロータ５２上部で軽液
と重液を分離して仮出すためのせき６１．６２がロータ
内周面５２ａと回転軸５３との間でその位置が固定ざれ
ている。一方、ロータ内で遠心力により分相された重液
相と軽液相との界面Ｋ位置は運転条件により変動するも
のであるから、一定高さのせき６１．６２によって常に
良好な重液一軽液分離機能をもたらずためには、運転条
件が変わるごとに界面Ｋ位置を適切にコン１・ロールす
る必要が必る。

図示した従来の遠心速抽出器においては、この界面コン
１・ロール手段として、回転軸５３内を通る通路７０を
介して外部から送入される圧縮空気を用いている。すな
わら、通路７０から、密閉室８０内に圧縮空気を必要に
応じて送り込むことによって、密閉室８０内の空気圧が
上昇し、その結果ロータ５２内の界面コン１〜ロールを
行なうことができる。

しかしながら、高速回転している回転軸５３を介して漏
洩しないように確実に圧縮空気を送入するためには複雑
なシール構造が必要となる。

またそのシールｌ＋”４造も長時間の使用によって空気
漏れしやすくなり、その結果、安定した確実な界面コン
１〜ロールが不可能になる。

ざらに分離抜出し用せき６１．６２自体の構造も、複数
のせき板６１ｂ〜６１ｄをロータ回転軸５３およびロー
タ内周面５２ａに突設固定するため複雑でおり、高速回
転させるために確実なバランスをもたせる必要からその
製作にも高度な技術を要することになる。

そこでこの発明は、上述したごとき従来の遠心速抽出器
のもつ問題点を解潤し、圧縮空気の送入によらずともロ
ータ内で分離された重液相と軽液相との界面位置をコン
トロールすることができ、しかも構造が簡単で製作も容
易なエ液−軽液分離抜出し用せきを備えた遠心速抽出器
を提供することを目的としてなされたものである。

〈問題点を解決するための手段〉 上記問題点を解決するための手段を、実施例に対応する
第１図〜第４図を用いて説明する。

この発明は、高速回転する円筒状ロータ２の底部に重液
一軽液混合液人口６を、上部に重液出口２４と軽液出口
３４をそれぞれ設けるとともに、この日ータ内で遠心力
によって分離された外側重液相Ｈおよび内側軽液相Ｌを
それぞれ前記重液出口および軽液出口へ導く重液分離抜
出し用せき２０および軽液分離抜出し用せき３０をロー
タ内の上部に設けてなる点で、従来の遠心速抽出器と同
様な構成をもっている。

この発明の特徴は、重液および軽液の分離抜出し用せき
２０．３０の構造にある。すなわちこれらの分離抜出し
用せきは、ロータ周壁２ａからロータ回転軸３方向へ伸
長している外筒２１．３１と、ロータ周壁を貫通して外
筒内に挿入されかつその挿入深さを変えられる両端が開
口した内筒２２，３２とからなるいわゆる二重管構造と
してある。

そして重液分離描出し用ぜき２０は、ロータ内で分離さ
れた重液相Ｈ内に位首する前記外筒の壁部分に重液復出
し孔２５を有し、一方、軽液分離抜出し用せき３０は、
ロータ内で分離された軽液相し内に位置する前記外筒の
壁部分に軽液抜出し孔３５を有している。

く作　用〉 ロータ２底部からロータ内に導入された重液−軽液混合
液は、遠心力により重液は外側に、軽液は内側に分離ざ
れながらロータ内面に沿って上昇し、ロータ上部へ上昇
する。ここまでは従来の遠心速抽出器の作用と同じであ
る。

この発明においては、ロータ上部に配した重液分離夫出
し用せき２０の外筒２１の重液汲出し孔２５は外側中液
相１」内に設けてあるため、この孔から重液が外筒内に
流れ込み、次いで所定挿入深さに挿入された内筒２２の
先端開口２２ｂからオーバーフローして内簡に流れ込み
ｍ液出口２４へ導かれて抜出される。一方、軽液分離汲
出し用せき３０の外筒３１の軽液抜出し孔３５を通って
内側軽液相Ｌから軽液が外筒内に流れ込み、次いで内筒
３２先端開口３２ｂから内筒に流れ込み、軽液出口３４
へ導かれて抜出ざれる。従って、内筒の外筒内への挿入
深さを変えることによって外筒内の液レベルが変動し、
これに伴ってロータ内の外側重液相と内側軽液相との界
面Ｋの位置を自由にコン１〜ロールできる。

〈実施例〉 以下に図示した実施例を参照してこの発明をさらに説明
する。

第１図はこの発明による遠心速抽出器の全体を説明する
ものであり、基本的にはケーシング１とこのケーシング
内に同軸的に設けられた回転自在の円筒状ロータ２とか
らなっている。ロータ２の中心には駆動装置（図示せず
）により高速回転する回転軸３が配設され、ロータ上仝
ｉ；板４が回転軸３に取｛−１けられて回転軸３ととも
にロータ２が回転するようになっている。回転軸３はロ
ータ下端板５の中央開口６を貫通してケーシング１下部
のミキシング至７に伸び、この回転軸３の下端にはイン
ペラ８が取付けら，れている。ケーシング１底部は重液
供給管９および軽液供給管１０に接続され、ケーシング
上部にはその外周に環状の軽液捕集室１１および重液捕
集室１２が設けられ、それぞれ軽液排出口１３および重
液排出口１４と接続されている。

以上の構成は第５図に示した従来装石と実質的に同じで
あるが、この発明においては、ロータ上端板４の下方に
二重管構造の重液および軽液分離抜出し用せき２０，３
０を設けた点で従来装置と相違する。

すなわら第１図および第２図に示したように、この発明
の装置における重液および軽液分離抜出し用せき２０．
３０は、ロータ周壁２ａから口−タ回転！４１３方向へ
伸長した外罰２１．３１と、ロータ周壁を員通して外筒
内に挿入された内筒２２．３２とからなる二重管溝造を
有している。図示の実施例においては第２図からわかる
ように重液用じぎ２０と軽液用せき３０がそれぞれ２本
づつ、合計４本がロータ周”ｌ　２　ａに周方向等間隔
で配設されている。第１図の断面図ではこれ、らのうち
２本の重液用せき２０のみが図示ざれているが、実際に
は紙面に垂直な方向に２本の軽液用せき３０が設けられ
ていることが理解できるであろう。なお第１図の符号２
３は、重液用せき２０の内筒２２の一端すなわら重液出
口２４に接続されて重液捕集室１２に垂下する導管を示
す。軽液用せき３０の内筒３１の一端すなわら軽液出口
３４にも同様に垂下する導管３３が取付けられているが
（第４図）、この軽液用Ｑ管３３は軽液捕集室１１に伸
びている（第１図に便宜的に仮想線で示す）。

重液用せき２０の構造を第３図を参照してざらに詳述す
れば、外筒２１はロータ周壁２ａからロータ回転軸３方
向へ伸長する管からなり、一方内筒２２は両端が開口し
た小径の管からなっており、内筒２２基端すなわら手液
出口２４には重液捕集室１２へ垂下する導管２３が接続
されている。外筒２１の基端はロータ周９　２　ａに螺
着ざれ、内筒２２はその外周面に刻んだねじにより外筒
２１内周面に刻んだねじと螺合さぜて外筒２１内に挿入
されている。かような描造によって、内筒２２０回転に
よりその外筒２１内への挿入深さを変えることができる
。

また外筒２１の壁部分には重液抜出し孔２５が穿設され
ている。この孔２５は、ロータ内で分離された重液相Ｈ
内に開口する位置に設ける必要があり、図示の例ではロ
ータ周壁２ａ近傍に穿孔されている。

なお図示した外筒２１はその先端が開口した管を用いて
いるが、先端が閉止された管を使用することもできる。

第４図に示した軽液用せき３０は、外筒３１に穿孔した
軽液抜出し孔３５の位置が、ロータ内で分離された軽液
相し内に開口している点を除いては、第３図の重液用せ
き２０と同じ構造となっている。また、ロータ周壁２ａ
外方に沖びる内筒部分３２ａの長さは重液用せき２０の
内筒部分２２ａより短くし、内′８基端すなわら軽液出
口３４には軽液捕果室１１へ垂下する導管３３が接続さ
れている。

次にかよ，うな構成の遠心速抽出器の動作を説明する。

重液（例えば硝該溶液）と軽液（例えば抽出剤ＴＢＰ）
はそれぞれの供給管９，１０からケーシング１内のミキ
シング空７へ供給され、ここでインペラ８により十分混
合されたのちロータ下端板５の中央開口６からロータ２
内に導入ざれ、ロータ内に導入された混合液はロータ内
面で遠心力により重液は外側へ、軽液は内側へ分離され
ながらロータ内周面を上昇していく。かくして分離され
た重液相Ｈは第３図からわかるように重液用せき２０の
外筒２１の重液俵出し孔２５から外筒２１内へ流入し、
次いで内筒２２の先端開口２２ｂをオーバーフローして
重液出口２４へ導かれ、導管２３、捕集室１２を経て重
液排出口１４から抜出ざれる。一方軽液相しは第４図か
らわかるように、軽液用ぜき３０の外筒３１の軽液抜出
し孔３５から外筒３１内へ流入し、内筒３２の先端開口
３２ｂをオーバーフローして軽液出口３４へ導かれ、導
管３３、捕集室１１を経て軽液排出口１３から抜出ざれ
る。

前述したように、内筒２２，３２の外筒２１，３１内挿
入深さは内筒２２，３２を回転させることにより変える
ことができる。従って、車液用せき２０の内筒２２挿入
深さを変えることによって、ロータ２内の重液相一軽液
相界面Ｋの位置を調節できる。一方、第４図に示したよ
うに、軽液用せき３０の内筒３２の先端開口３２ｂが、
外筒の軽液恢出し口３５を越えるようにその挿入深さを
深くすることによって、軽液汲出し口３５から外筒３１
内へ流入する軽液に重液が同伴してくる場合にも、その
流入液が直接内筒３２へ流れ込むことはなく、外筒３１
内で重液を沈降せしめ軽液のみを内筒先端開口３２ｂ　
ｂ１らオーバーフローざじることができる。

図示した遠心速抽出器の構造はこの発明の実施例を説明
するもので必って、この発明はこの実施例のみに限定ざ
れない。例えばケーシングの形状ヤケーシング内おるい
はロータ内への車液，軽液の供給様式は図示実施例と同
じにする必要はなく、高速回転する円筒状ロータの底部
に供給された重液一軽液混合液を遠心力により分相する
型式の遠心速抽出器でおればいかなる型式のものに対し
ても、この発明の特徴となっている徂液一軽液分離抜出
し用せき構造を適用しうろことは理解できるであろう。

また分離仮出し用ぜきの構造も、図示実施例のように外
筒と内筒とを断面円形の管とする必要はなく、断面矩形
の筒体でも、あるいは外筒を断面矩形、内筒を管として
もよい。さらに分離｛友出し用せきの設買個数やロータ
周壁の周方向設置間隔なども必要に応じて適宜選定する
ことができる。

く発明の効果〉 以上の説明からわかるように、この発明においては重液
一軽液分離抜出し用せきを内筒と外筒からなる二重管構
造としたため、従来のような複数のぜぎ板をロータ回転
軸およびロータ周壁に突設固定する構造に比べて、構造
が簡単で製作も容易となる。

さらに、ロータ内で分相された重液と軽液との界面のコ
ントロールは内筒の外筒内への挿入深さを変えるだけで
極めて簡便に行なうことができるため、従来の圧縮空気
を用いた界面コントロールに必要とされた複雑なシール
構造も不要となり、空気漏れに起因する界面コン１〜ロ
ールの不確実さも解消することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例を示す縦断面図、第２図は第
１図■一■線断而図、第３図はこの発明における重液分
離１友出し用せきの拡大縦断面図、第４図はこの発明に
おける軽液分離｛友出し用せぎの拡大縦断面図、および
第５図は従来の遠心速抽出器の代表例を示す縦断面図を
示す。 １・・・ケーシング、２・・・ロータ、２ａ・・・ロー
タ周壁、３・・・回転軸、６・・・中央開口（重液一軽
液混合液入口）、２０・・・重液分離抜出し用せき、２
１・・・外筒、２２・・・内筒、２４・・・手液出口、
２５・・・重液央出し孔、３０・・・軽液分離１友出し
用せき、３１・・・外筒、３２・・・内筒、３４・・・
重液出口、３５・・・軽液復出し孔、Ｈ・・・重液相、
Ｌ・・・軽液相、Ｋ・・・界面。 第１図 第２図 第４図 Ｋ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、高速回転する円筒状ロータの底部に重液−軽液混合
   液入口を、上部に重液出口と軽液出口をそれぞれ設ける
   とともに、前記ロータ内で遠心力によって分離された重
   液相および軽液相をそれぞれ前記重液出口および重液出
   口へ導く重液分離抜出し用せきおよび軽液分離抜出し用
   せきを前記ロータ内の上部に設けてなる遠心速抽出器に
   おいて、前記分離抜出し用せきは、ロータ周壁からロー
   タ回転軸方向へ伸長している外筒と、ロータ周壁を貫通
   して前記外筒内に挿入されかつその挿入深さを変えられ
   る両端が開口した内筒とからなり、前記重液分離抜出し
   用せきは、ロータ内で分離された重液相内に位置する前
   記外筒の壁部分に重液抜出し孔を有し、前記軽液分離抜
   出し用せきは、ロータ内で分離された軽液相内に位置す
   る前記外筒の壁部分に軽液抜出し孔を有していることを
   特徴とする遠心速抽出器。