JPS6122102Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、屋根板を支持する垂木などとして用
いられる長尺の建造物用支持材に関するものであ
る。

従来、特開昭55−44832号公報、特開昭55−
7396号公報に示されているように横断面ハツト
形、すなわち上面部と、上面部から垂下する左、
右側面部と、左、右側面部の下端から外向きに直
角に突出する縁部とを一体に形成された金属製の
建造物用支持材が本考案の考案者によつて提案さ
れている。

そして、第１図に示すように前記支持材Ｔは、
母屋Ａに金属バンドＢによつて固定したり、第２
図に示すように、支持材Ｔの上面部を貫通する長
寸ネジＳによつて母屋Ａに固定したりしており、
第１図、第２図に示すように支持材Ｔ上に屋根板
Ｒを支持、固定している。

さらに、実開昭54−126409号公報に示すよう
に、横断面ほぼハツト形の支持材の上面部に細溝
を形成し、プラスチツク製の被覆材を貫通するタ
ツピンねじを前記細溝に螺挿することが、温室な
どで行なわれている。

しかし、前述した第１図、第２図に示す従来の
支持材は、いずれも支持材の上面部に、支持材を
母屋などの建造物の固定部材に固定するためのバ
ンドＢ、ネジＳの頭部Ｈ，H′が上面部上に突出
し、屋根板Ｒなどを支持する場合に、これらと支
持材上面との間に隙間がない場合には、突出した
頭部H′が屋根板Ｒを葺く場合に邪魔になるとい
う問題点があつた。また、支持材Ｔの幅を広くし
てこれの安定した母屋などへの支持を図る場合
に、支持材の左、右側面部下端から外向きに突出
する縁部でしか母屋などに支持、固定できず、こ
のため積雪などの大きな力が屋根板を介して支持
材に作用すると、これらが折れたり、曲つたりす
る恐れがあり、このため幅の狭い支持材を相互間
隔を小さくして多数本用いることになり、支持材
の取付作業が面倒になるという問題点があり、こ
の問題点は実開昭54−126409号公報のものでもほ
ぼ同様であつた。

本考案は、前述した問題点を解決して、上面か
らネジの頭部などが上方に突出せず、屋根板など
を広い面積で安定して支持でき、また母屋などの
建造物の固定部材への支持、固定も広い面積で強
固に安定してできるようにすることが可能な建造
物用支持材を提供することを目的としている。

本考案は、横断面ハツト形の建物用支持材にお
いて、この支持材を建造物の固定部材に固定する
ためのネジなどの締結具の頭部またはナツトが上
面部の下に収容可能な深さと幅とを有する横断面
矩形の凹条溝を、支持材の上面部全長にわたつて
形成し、前記凹条溝の溝底部外下面を支持材の
左、右側面部から外向きに突出させた縁部の下面
と同一平面上に配設した、すなわち、複数面の上
面と複数面の下面とが各々同一平面になるように
形成したものである。

本考案による建造物用支持材は、前述したよう
に構成してあるので、上面部に形成した凹条溝に
締結具の頭部またはナツトが突出しないように収
容して、前記凹条溝の底部を貫通するビスを用い
て母屋などに固定することができ、上面部に屋根
板などを支持する際に、前記締結具の頭部やナツ
トが邪魔にならず、また上面部の幅を広くするこ
とができ、屋根板などを安定して支持でき、さら
に上方から大きな荷重が作用しても、支持材は、
それを左、右側面部と凹条溝の両側板で支え、か
つ凹条溝の底部と縁部との幅方向の３個所で母屋
などに固定することができるために、曲つたり折
れたりすることがなく、広い幅の広い面積で安定
してしかも強固に母屋などに支持固定することが
できる。

以下、本考案の一実施例につき第３図、第４図
を参照した説明する。

第３図において、１は鉄板、アルミニウム板な
どの金属板からなる長尺の建造物用支持材であつ
て、この支持材１は、上面部２と、上面部２の両
側から垂下する左、右側面部３，３と、左、右側
面部３，３の下端からそれぞれ外向きに直角に突
出する縁部４，４とが一体に形成され、上面部２
の幅方向中央部には支持材１の全長にわたつて横
断面矩形の凹条溝５が形成されている。凹条溝５
は、第４図にも示すように、ネジ７の頭部Ｈの収
容可能な深さと幅とを有し、前記深さを側面部
３，３の高さよりも若干浅くし、溝底部下面６と
縁部４，４の下面１４とが同一平面上に位置する
ように形成されている。

以上のように構成された実施例の支持材１は、
第４図に示すように、母屋９上に断熱材または野
地板１０を介して、凹条溝５の溝底部外下面６と
縁部４，４の下面１４がそれぞれ支持され、これ
らが長寸のネジ７とネジ１３で母屋９に固定され
ている。また、支持材１の上面部２上には金属板
からなる屋根板８が支持されている。さらに、実
施例の支持材１間には第１図、第２図に示すもの
と同様爪付きの横断面ハツト形の支持材１１が配
設され、支持材１１は縁部がビスで母屋９に固定
されているとともに、前記爪で屋根板８を係止し
ている。

なお、本考案において、母屋９が鉄製などの金
属製である場合には、フツクボルトとナツトを用
いて第４図と同様な幅方向の３個所で支持材１を
固定できる。また、本考案は、実施例のような屋
根用垂木に限られることなく、建造物の外壁板を
固定する支持材としても使用でき、さらに葺替え
屋根として、既設屋根板を剥がすことなく、これ
らの上に新しい屋根板を葺く場合にも使用でき、
場合によつては上下を転倒させての使用使用も可
能である。

以上説明したように、本考案によれば、横断面
ハツト形の長尺の建造物用支持材の上面部２に横
断面矩形の凹条溝５を形成し、凹条溝５の深さと
幅をネジ７などの締付具の頭部またはナツトが上
面部２の下に収容可能にすると共に、凹条溝５の
溝底部外下面６と縁部４，４の下面１４とを同一
平面上に配置したので、すなわち、複数の上面と
複数の下面が、各々同一の平面になるように形成
たので、締結部の頭部やナツトが上面部２に突出
して、上面部２に屋根板などを支持する場合に邪
魔になることがなく、また広い幅で上面部２に屋
根板などを安定して支持することができ、さらに
凹条溝５の溝底部、縁部４，４の幅方向の３個所
で母屋９のような建造物の固定部材に広い幅で支
持してビスなどで固定でき、上部からの大きな荷
重にも耐えることが可能となるため、前記固定部
材への安定した強固な支持、固定ができるという
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の建造物用支持材の一例を示す使
用状態の一部切欠斜視図、第２図は同他の例を示
す使用状態の一部切欠側面図、第３図は本考案の
一実施例を示す部分斜視図、第４図は同使用状態
の横断面図である。 １……建造物用支持材、２……上面部、３……
側面部、４……縁部、５……凹条溝、６……溝底
部外下面、７……ビス、８……屋根板、９……母
屋、１３……ビス、１４……縁部の下面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面部２と、上面部２から垂下する左、右側面
   部３，３と、左、右側面部３，３の下端から外向
   きに直角に突出する縁部４，４とを一体に形成し
   た長尺の建造物用支持材において、この支持材を
   建造物の固定部材に固定するためのネジ７などの
   締結具の頭部またはナツトが前記上面部２の下に
   収容可能な深さと幅とを有する横断面矩形の凹条
   溝５を、支持材の上面部２全長にわたつて形成
   し、前記凹条溝５の溝底部外下面６と前記縁部
   ４，４の下面１４とを同一平面上に配設したこと
   を特徴とする建造物用支持材。