JPS60801B2 - 自動車用ガラスアンテナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、自動車の後部窓ガラスに設けた加熱用導電
線をアンテナとして兼用した自動車用ガラスアンテナに
関するものである。

従来から自動車の後部窓ガラスに複数本の加熱用導電線
を設け、この加熱用導電線に通電することによりガラス
を加熱してガラスの曇りを防止するいわゆる防雲ガラス
において、前記複数本の加熱用導電線とともに、加熱用
導電線の上部の板ガラス余部に水平方向にアンテナ線を
設け、リード導電線により加熱用導電線とアンテナ線を
直結した自動車用ガラスアンテナが知られている。

このようなガラスアンテナは地上からできるだけ高い位
置、すなわち、加熱用導電線の上部の板ガラス余部にア
ンテナ線が設けられているので「超短波帯域電波、例え
ばＦＭ放送を受信するに際しては、加熱用導電線ととも
にアンテナ線が受信用アンテナとして作用し、加熱用導
電線単独に受信するのに比して利得を向上させることが
でき、かつ、中波帯域電波、例えば、ＡＭ放送を受信す
るに際しては加熱用導電線がアンテナとして作用し、比
較的良好な受信が行える。しかしながら、上記のような
従釆のガラスアンテナにおいては、超短波帯域電波を受
信しようとする場合、全周波帯域にわたり実用に供する
程度の高い利得が得られず、かつ、この帯域内において
一様な利得が得られず、そのためある周波数の超短波帯
城電波は受信できたとしても、他の周波数の超短波帯城
電波は受信できない。

いわゆる周波数特性に広帯域性がない欠点があった。こ
の発明は上記欠点を解消するためになされたもので、加
熱用導電線の上部に水平方向に設けられたアンテナ線に
さらに補助となる第３のアンテナ線を設けてとくに超短
波帯城の電波に対して−様に高い受信利得を得るように
したものである。

以下図面に基づいてこの発明を説明する。第１図はこの
発明の一実施例を示すもので、１は自動車の窓ガラス、
２は前記窓ガラス１の面上に設けた加熱用導電線兼第１
の受信アンテナ（以下単に第１の受信アンテナと云う）
で「複数本所定間隔をおいて水平に設けられた加熱用導
線３と、これらの両端が接続されるブスバー４，４′と
からなる。

ブスバー４は高周波チョークコイル５を介してアースさ
れトブスバー４′は高周波チョークコイル５′と加熱用
電源６を介してアースされている。７は第２の受信アン
テナで、窓ガラスーの面上でかつ第１の受信アンテナ２
の上方の余部に水平に設けられる。

８はフイーダー線取出端で、リード導電線９の未端に設
けられ、リード導電線９によって第１の受信アンテナ２
と第２の受信アンテナ７が接続されている。そしてこの
リード導電線９の途中に、第３の受信アンテナ１０が設
けられる。第３の受信アンテナ１０は、水平に延伸しリ
ード導電線９と交差接続する水平部１１，１１′と両端
の折り返し部１２，１２′とで構成される。１３はフィ
ダー線で、フィーダー線取出様８に接続され、前記第１
〜第３の各受信アンテナ２，７，１０１こ誘起した高周
波電流を受信機に導く。

なお、第１〜第３の各受信アンテナ２，７，１０および
リード導電線９は窓ガラスーの面上に導電性ペーストを
用いて印刷し、焼き付けることによって形成される。

上記構成においては、各受信アンテナ２，７，１０‘こ
誘起する高周波電流は高周波チョークコイル５．５′に
よって加熱用電源６側にアースされることなく高周波的
に浮いた状態になり、良好な受信が行われる。

すなわち、第１の受信アンテナ２はＡＭ、ＦＭ放送電波
を受信する受信アンテナとして作用する。第２の受信ア
ンテナ７はＦＭ放送電波を受信する受信アンテナとして
作用し（第２の受信アンテナ７は実質的にはＡＭアンテ
ナとして作用しない）、第１の受信アンテナ２の上部の
窓ガラス余部に設けられており、その実効高を大きくし
て利得を向上させることができる。第３の受信アンテナ
１０は、水平部１１，１１′と折り返し部１２，１２′
とで構成されていて、第１と第２の受信アンテナ２，７
間に設けられていることは前述した通りであるが、この
第３の受信アンテナ１０を設けたこの発明に係る第１図
のガラスアンテナの作用効果を従来の第５図のごとき自
動車用ガラスアンテナと比較してみると第２図の結果が
得られた。第２図は藤軸にＦＭ帯周波数を、縦軸に１の
長さのホイップアンテナの出力を基準としたアンテナ利
得をとった周波数特性図で、折線１は第５図に示す従来
例、折線川よこの発明による自動車用ガラスアンテナの
特性である。

第５図に示す従来例は、２１が加熱用導電線兼ＡＭ、Ｆ
Ｍ放送用受信アンテナであり、２２がＦＭ放送用受信ア
ンテナである。このような従釆の自動車用ガラスアンテ
ナは第２図の折線１のように、各周波数についてアンテ
ナ利得に大幅な高低があり特性が平坦でない。ところが
、この発明によれば「第２図の折線川こ示すように広い
周波数範囲に対し、ほ）、一様な特性となり、しかも利
得についても従来例よりも各周波数について全体に著し
く高くなっている。すなわち、第２図のこの発明に係る
折線Ｄと従来側の折線１との差は、周波数の利得平均値
で５．５デシベル、各周波数の利得の最大最小の幅で７
．３デシベルの差異があらわれている。その理由につい
ては十分に解明されていないが、第３の受信アンテナ１
０‘こよって、第２図の折線１に示される利得が落ち込
んでいる周波数部分に第３の受信アンテナ１０が共振す
るためと思われ、本発明者等は種々実験の結果、第１図
に示す実施例において、良好な受信を得るための第３の
受信アンテナ１０の各部の寸法は、第３図のようである
ことを見し、出した。すなわち、水平部１１，１１′と
折り返し部１２，１２′の間隔ｈは１５〜２５側、水平
部１１，１１′および折り返し部１２，１２′の全長１
は１４００〜１９０仇岬、折返し部１２，１２′の両端
距離ｄは１０〜４仇ゆであり、これらはリード導電線９
に対し対称形である。そして、これらの数値範囲のうち
、窓ガラス１の取り付状態、形状、寸法あるいは第一の
受信アンテナ２の大きさに応じて最適なものを選ぶもの
とする。そして「両端距離ｄは一定長以上に設定しない
と、第３の受信アンテナとしての作用が不十分になる。
第４図はこの発明の他の実施例を示すもので、第１図の
実施例との相違は第３の受信アンテナ１０の形状にある
。

すなわち、この実施例では折り返し部１２，１２′が下
側に折り返されている。この実施例の場合にも第１図の
実施例と同様の作用効果が得られた。なお、第１〜第３
の受信アンテナ２，７，１０およびリード導電線９は、
導電性ペーストで印刷、暁付けのほか、２枚の板ガラス
からなる合わせ窓ガラス中に金属紬線を埋め込んで形成
してもよい。

以上詳細に説明したように、この発明は加熱用導電線兼
第１の受信アンテナと、この上方に設けられた第２の受
信アンテナとをリード導電線により直接接続し、このリ
ード導電線に交差接続して水平方向に延伸する水平部と
その両端を折り返した折り返し部とからなる第３の受信
アンテナとで構成したので、全体の利得の向上と、広帯
域化とがはかれる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す回路を含めた構成略
図「第２図はこの発明の実施例および従来の自動車用ガ
ラスアンテナの周波数特性図、第３図はこの発明におけ
る第３の受信アンテナの寸法例を説明するための図、第
４図はこの発明の他の実施例を示す構成略図、第５図は
従来の自動車用ガラスアンテナを示す構成略図である。 図中、１は窓ガラス、２は加熱用導電線兼第１の受信ア
ンテナ、５，５′の高周波チョークコイル、６は加熱用
電源、７は第２の受信アンテナ、８はフィーダー線取出
端、９はリード導電線、匂０は第３の受信アンテナ、１
１，１１′は水平部、１２，１２′は折り返し部である
。第１図 第３図 第２図 第４図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 自動車用窓ガラス面上の被加熱領域に設けられた加
   熱用導電線兼第１の受信アンテナと、この加熱用導電線
   兼第１の受信アンテナの上部の窓ガラス余部に水平方向
   に設けられ前記加熱用導電線兼第１の受信アンテナに一
   端が直接接続され他端にフイーダー線取出端を設けたリ
   ード導電線と交差接続した第２の受信アンテナと、前記
   加熱用導電線兼第１の受信アンテナと第２の受信アンテ
   ナ間に設けられ前記リード導電線に交差接続して水平方
   向に延伸する水平部とその両端を折り返した折り返し部
   を有する第３の受信アンテナとからなることを特徴とす
   る自動車用ガラスアンテナ。