JPS6034847Y2 - 内燃機関の排気エアサクシヨンにおける逆止弁装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、機関の排気ガス中の有害ガスの低減のために
、排気系にその排気脈動を利用してエアサクションを行
なうものにおいて、そのエアサクション通路中に設けら
れる逆止弁装置に関するものである。

機関の排気系に排気脈動を利用してエアサクションをす
る場合、一つの逆止弁から分岐して機関の各気筒の排気
管にエアサクションするよりも、各気筒の排気管に各々
独立した逆止弁からエアサクションさせる方が、他の気
筒における排気脈動の干渉がなく、排気系に的確にエア
サクションが行なえる。

それ故従来この種の逆止弁は、二つの逆止弁を一体的に
組み合せ、二つの弁箱を設けた二連式逆止弁装置にし、
各逆止弁から各気筒における各排気管にエアサクション
するようにしている。

ところが、このような構成にした場合、二つの弁箱を必
要とするので、部品点数が多いばかりか、組立ての工数
も多くかかりコストが著しくかさむのであった。

又、各逆止弁を設置するための広いスペースが必要とな
る。

前記従来構造の欠点を解消するものとして、本出願人は
先願である実願昭５１−１６８４９０号において、弁座
体がＶ型に形成された二連式弁を提案しているが、本考
案は、弁孔を有する平板状の部材から成る複数の弁座部
を傾斜した姿勢で組合せて、内部に各弁孔共用の空気分
配室と底部に保持用鍔部を有する錐台状の弁座体を構成
し、該弁座体の外部には、弁孔をおおう弁板と該弁板の
ストッパを設けるとともに、弁座体の前記鍔部を弁箱の
弁座体保持段部に挿着し、弁箱と弁座体とをシール状態
で当接させることによって、弁箱内部と弁座体外部との
間を各弁孔に対応した複数の弁室に区画することにより
、コンパクトな多連式弁を提供するものである。

以下、本考案を図面に示す一実施例に基づいて説明する
。

図において、１は弁箱で、該弁箱１は、弁座体９のうち
鍔部を除く部分を収納する弁座部収納部３１と弁箱１の
開口端部に形成された段部１″とよりなり、弁座部収納
部の底部には機関２の各気筒における排気管３，３′に
管路５，５′を介して接続される出口孔７，７′を備え
ている。

９は、平板状の部材からなる２つの弁座部１７．１７’
を傾斜した姿勢で組合せて構成した断面Ｖ型の弁座体で
弁座部１７．１７’には弁孔１１，１１’が設けられて
おり、その内部には各弁孔共用の空気分配室３０が形成
されている。

なお、実施例では空気分配室３０は、弁板着座時の悪影
響が他の弁板に及ぼされないように壁１０で左右両室に
分割されているが、この弁座体９を弁箱に装着した場合
は、この両室が弁箱のカバー１６内の空間を介して連通
され、各弁孔共用の空気分配室となるのである。

すなわち、各弁孔共用の空気分配室とは、各弁孔に比較
的容量の大きい同一の空気供給源から空気が供給される
構成であれば良く、その形成方法としては実施例のもの
に限られず、壁１０を除却したり、あるいは壁１０の一
部に連通孔を設ける等、適用する機関の特性にあわせて
最適なものを選べば良い。

また、弁座体９は、鍔部１３を有し、該鍔部１３はこれ
に断面コ字状のリング状ゴムパツキン１４を被嵌して、
弁箱１の段部１″に挿入位置決めされている。

１６はエア吸入孔１５を有するカバーであり、弁箱１に
設けられた取付フランジ１′に適当な方法で取付けられ
るとともに弁座体９を段部１″内に押圧保持せしめられ
ている。

原画弁孔１１，１１’間における弁座体９の側面及び先
端面には、弁箱１の内面に当接する突条１９からなるシ
ール部を一体形に設けて弁箱１内部と弁座体９外部との
間を二つの弁室２０．２０’に区画し、該両弁室２０．
２０’内における両弁孔１１．１１’の弁座部１７．１
７’には弾性弁板２２．２２’を各々設けて逆止弁２４
，２４’に構成して成るものである。

なお図において２６，２６′は弾性弁板２２，２２’の
ストッパーを示す。

また、二つの弁室のものに限らず、一つの弁箱内を三つ
以上の弁室に区画して、その各弁室に排気通路への出口
孔を設けても良いのであり、複数の弁室に区画するのに
、突条１９に相当する部材を実施例とは逆に弁箱の内側
にとりつけても良いのである。

また、弁箱１はカバー１６に代えてエアクリーナに直接
取付けても良い。

従って、弁箱１内に弁座体９を挿入するのみで弁箱１の
内部を各弁孔１１，１１’に対応した複数の弁室２０，
２０’に区画できるとともに、弁座体の挿入時も弁箱の
弁座体保持段部１″で位置決めされるため極めて簡単に
組付けできるのである。

以上のように、本考案によれば、内部に各弁孔共用の空
気分配室と底部に保持用鍔部とを有し、弁孔を有する平
板状の部材からなる複数の傾斜した弁座部より構成され
た錐台状弁座体と、該錐台状弁座体を収納する弁座体保
持段部と弁座部収納部とからなる弁箱とより構成され、
前記弁座体の外部には弁孔をおおう弁板と該弁板のスト
ッパを設け、また、前記弁座部収納部は、弁座体の保持
用鍔部を弁箱の弁座体保持段部に挿着した時、弁座部と
弁座部収納部とが当接し、弁箱内部と弁座体外部との間
を各弁孔に対応した複数の弁室に区画するような形状に
設定されるとともに、各弁室には各気筒の排気通路に接
続される出口孔を設けるから、弁箱内に弁座体を挿入す
るのみで確実に弁箱の内部を各弁孔に対応した複数の弁
室に区画できるとともに、弁座体保持段部を設けている
ので、容易に位置決めがなされ、組付は時に弁座の装置
位置がずれたりすることがなく、極めて簡単に組付けが
できるのである。

また、本考案によれば、複数の弁座部を錐台状に組合せ
弁座部で囲まれた弁座体内側の空間を各弁室の空気分配
室として利用でき、その空気分配室をある程度大きく形
成できるので、全体を非常にコンパクトにできるし、各
弁室の出口孔を位相の異なる気筒の排気通路に接続して
も、各気筒に対応する弁同志の干渉がほとんどなく適格
にエアサクションできるとともに、空気分配室のボリュ
ームを、脈動を消去し、騒音を低減するレゾネータとし
て作用させることも可能である。

さらには直接ボルト等を通して締めつける構造ではない
ので、弁座体と弁箱との接触面荷重を均一にすることが
容易であり、シール性の点でも極めて優れているのであ
る。

よって、部品点数を少なく、狭いスペースで形成できる
ので、組付は性、コスト、スペース等において従来装置
にない優れた効果が得られるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例装置の断面図であり、第２図は第
１図の■−■視断面断面図る。 １・・・・・・弁箱、１″・・・・・・弁座体保持段部
、２・・・・・・機関、３，３′・・・・・・排気管、
５，５′・・・・・・管路、７．７′・・・・・・出口
孔、９・・・・・・弁座体、１１，１１′・・・・・・
弁孔、１３・・・・・・鍔部、１７，１７’・・・・・
・弁座部、２０．２０’・・・・・・弁室、２２，２２
’・・・・・・弁板、２６，２６’・・・・・・ストッ
パ、３０・・・・・・空気分配室、３１・・・・・・弁
座部収納部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に各弁孔共用の空気分配室と底部に保持用鍔部とを
   有し、弁孔を有する平板状の部材からなる複数の傾斜し
   た弁座部より構成された錐台状弁座体と、該錐台状弁座
   体を収納する弁座体保持段部と弁座部収納部とからなる
   弁箱とより構成され、前記弁座体の外部には弁孔をおお
   う弁板と該弁板のストッパを設け、また、前記弁座部収
   納部は、弁座板の保持用鍔部を弁箱の弁座体保持段部に
   挿着した時、弁座部と弁座部収納部とが当接し、弁箱内
   部と弁座体外部との間を各弁孔に対応した複数の弁室に
   区画するような形状に設定されるとともに、前記各弁室
   には各気筒の排気通路に接続される出口孔を設けて戒る
   内燃機関の排気エアサクションにおける逆止弁装置。