JPS6022199B2 - スクロ−ル型圧縮機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスクロール型圧縮機に関する。

この種の圧縮機は、一枚の板上にうずまき体を固定した
スクロール部材の二つを、両うずまき体の角度をずらせ
て互いにかみ合せて重ね、一方のスクロール部材を固定
、他方を可動にして核可動スクロール部材の円軌道運動
によって、両スクロール部材間に形成されている流体ポ
ケットの中心方向への移動とともに容積の減少を生ぜし
めて流体の圧縮を行なうものであり、可動スクロール部
材の円軌道運動に際してはそれ自体が回転しないように
阻止する必要がある。

このような回転阻止機構の一例を、最近提案されたスク
ロール型圧縮機を断面図で示した第１図を参照して説明
する。

図において、この圧縮機１は、フロントエンドプレート
１１とこれに設置されたカップ状部分１２から成る圧縮
機ハウジング１０を有している。

フロントエンドプレート１１は、ハウジング１０の中心
鞄線上に中心を有する貫通孔１１１を有し、その中にボ
ールベアリング１３を介して主観１４を回転自在に支承
している。このため、主軸１４の軸心は、ハウジング！
０の中心軸線と一致することとなる。またフロントエン
ドプレート１１は主軸１４の外周を取り巻くように前方
に突出したスリーブ部１５を有し、該スリーブ部１５内
にはシャフトシール１６を配置している。またスリーブ
部１５の外周上には電磁クラッチ装置１７を配設してお
り、外部駆動源よりの回転運動をＶベルト（図示せず）
を介して電磁クラッチ装置１７のプーリ１７１１こ伝達
し、励磁コイル１７２への通電制御によって主軸１４へ
の回転運動の伝達を制御している。なお、フロントエン
ドプレート１１はカップ状部分１２の前端関口を閉塞す
るように数箇所ボルト等によって固定されており、０ー
リング１８によって両者の接合面をシールしている。ま
たスリーブ部１５もフロントエンドプレート１１の端面
上にボルト等によって固定され、接合面を○−リング１
９によってシールしている。フロントエンドプレート１
１‘こよって開□部を閉塞されたカップ状部分１２内に
は固定スクロール部材２０、可動スクロール部村２１、
可動スクロール部材駆動機構及び回転阻止機構２２が配
設されている。

ここで「固定スクロール部材２０‘ま一般に、側板２０
１とその一面上に中心が側板の中心より距離Ｒｏｒ／２
（但し、Ｒｏｒは可動スクロール部材の円軌道半径）だ
け偏心するよう固定すろうずまき体２０２及び該うずま
き体２０２とは反対側の側板２０１上に設けた脚部２０
３とより構成され、該脚部２０３をカップ状部分１２の
外方より該カップ状部分１２の底部１２１を貫通して螺
合するボルト２３によって該底部１２１内壁上に固定し
ている。

またカップ状部分１２内に固定された固定スクロール部
材２０の側板２０１はその外周面とカップ状部分２０の
内壁面間を０−リング２４でシールすることによってカ
ップ状部分１２内の空間を吸入室２５と吐出室２６とに
仕切っている。さらに、側板２０１の中央部にはスクロ
ール部材間に形成された密閉空間と吐出室２６を蓬適す
る蓮通孔２０４を穿設している。可動スクロール部村２
１は側板２１１とその−面上に中心が側板の中心より距
離Ｒｏｒノ２だけ偏心するように固定されたうずまき体
２１２とより構成され、該うずまき体２１２は前記固定
スクロール部材２０のうずまき体２０２と１８０ｏの角
度ずれをもってかみ合されている。

また可動スクロール部村２１は後述する駆動機構及び回
転阻止機構と連結されていて、主軸１４の回転によって
半径Ｒｏｒの円軌道上を公転運動し、前述した流体の圧
縮動作を行なう。ここで、円軌道の半径Ｒｍは一般に （うずまき体のピッチ）−２×（うずまき体の賭厚）２
で与えられる。

また、可動スクロール部材２１‘まそのうずまき体２１
２のうずまき中心が固定スクロール部材２０のうずまき
体２０２のうずまき中心より距離Ｒｏｒだけ離れるよう
配置されており、主軸１４の回転によって可動スクロー
ル部材２１が半径Ｒｏｒの円軌道上を公転運動すること
となる。これによって両うずまき体間に線接触部が形成
され、この線接触部がうずまき体表面に沿って中心方向
へ移動し、この結果流体ポケットが容積を減少しながら
うずまき体の中心方向へ移動する。従って、外部流体回
路からハウジングＩ紅の外周上に設けた吸入ボートを通
ってハウジング翼Ｑ内の吸入室２５に流入した流体はｔ
両うずまき体の外終端部から流体ポケット中に取り込ま
れ、圧縮された流体は両うずまき体の中心部の流体ポケ
ットから連通孔２０４を通って吐世室２６へ送り出され
、そこからハウジング首０上に設けた吐出ボートを介し
て外部流体回路へ流出することとなる。

次に可動スクロール部材の駆動機構を第１図の外に第２
図をも参照して説明する。

フロントエンドプレート亀翼の貫通孔１亀１を貫通する
主軸亀亀の内端部には大蓬部１４１を形成しておりし該
大蓬部１４亀をフロントエンドプレート亀亀の貫通孔富
軍川こ配設したボールベアリングを３によって支承して
いる。

また大径部１４１の先端面には中心から偏心した位置に
駆動ピン１４２が軸万向へ突出するように設けられてい
る。一方、可動スクロール部材２１のうずまき体２１２
を固定した面とは反対側の側板２１２上には、円環状の
ボス２１３を形成している。

ここで円環状ボス２１３の中心は側板２１１の中心に一
致させている。また、該ボス２１３中には肉厚の厚い円
板状あるいは短軸状のブッシュ２７が鉄合され、ニード
ルベアリング２８を介して回転自在に支承されている。
該プッシュ２７はこれと一体で半径方向に伸びた円板状
のバランスウェイト２７１を有しているとともに、主軸
１４の大軽部１４１と対向する面上の軸万向の穴２７２
を有し、該穴２７２中にニードルベアリング２９を介し
て前述した駆動ピン１４２を欧合している。このため、
可動スクロール部村２１は駆動ピン１４２上に回転（自
転及び旋回）自在に支承されることとなる。なお、該ス
クロール部村２１は第１図中２２で示す回転阻止機構に
よって回転方向の運動は阻止されている。ここで、この
回転阻止機構を第１図の他に分解図である第３図をも参
照して説明する。

回転阻止機構２２は、可動スクロール部材２１のボス２
１３のフロントエンドプレート１１寄りの外周上に配置
され、かつカップ状部分１２の内壁面上に外周面を接合
してフロントエンドプレート１１の端面にリング状固定
レース２２１を有し、またこの固定レース２２１を被う
ようにその端面に当援された固定リング２２２を有し、
これらはスプリングピン２２３によりフロントエンドプ
レート１１に固定されている。

一方、可動スクロール部材２１の側板２１１寄りのボス
２１３の外周には、側板２１１のうずまき体２１２と反
対側の端面にリング状可動レース２１４を有し、またボ
ール素子２２４を挟持した場合固定リング２２２の端面
との間にわずかな間隙をおいて可動レース２１４を被う
ようにその端面に当援された可動リング２１５を有し、
これらはスプリングピン２１６により側板２１１１こ固
定されている。第３図に示されているように、可動リン
グ２１５と固定リング２２２にはそれぞれ、中心を合せ
て重ね合せた時に重なり合う位置に複数のポケット２１
５ａ，２２２ａが軸方向に穿孔されている。また可動リ
ングと固定リングとの関係を可動スクロール部材側から
見た第４図をも参照して、回転阻止はポケット２１５ａ
とポケット２２２ａとの内縁で常時ボール素子２２４を
挟むような動作をなさしめることにより行なっている。

すなわち、可動スクロール部材２１が図示されているよ
うに半径Ｒｏｒで時計方向に円軌道運動するように駆動
されると、可動スクロール部材２１には圧縮力の反力作
用点と駆動力作用点とのずれにより図中時計方向への回
動力が生ずる。しかしながら第４図の状態では、ポケッ
ト２１５ａとポケット２２２ａとで挟まれているボール
素子２２４のうち、図中上方の９個のボール素子により
可動リング２１５の回転が阻止され、これによって可動
リング２１５と一体の可動スクロール部村２１は回転が
阻止され固定スクロールとの相対位置が決定されること
になる。更に圧縮されたガス力により可動スクロール部
村２１へ藤方向に加わる圧力は、可動レース２１４、ボ
ール２２４を介して固定レース２２１にスラスト支持さ
れる。したがって、可動レース２１４、固定レース２２
１の内径及び外径は、ボール素子２２４の転送領域を確
保するに足る大きさであれば良い。ところでこのような
回転阻止機構は、駆動ピン１４２の位置から９０ｏの角
度位置のボールが最も大きく回転阻止に寄与する。

このことから、回転阻止に必要なボール個数は、１２０
ｏの角度間隔で３個配置すれば、可動スクロール部材が
いずれの円軌道上にあろうと少なくとも１個が常に回転
力の分力を阻止するように作用するので回転阻止を実現
できる。しかしながら、可部スクロール部材自体の回転
を阻止し可動スクロールと固定スクロールの相対位置を
決定するのみならず、圧縮されたガス力による軸万向の
圧力を受けるためのスラストベアリングとしての機能を
も有するためボール数は多い方が好ましい。したがって
可動リング及び固定リングへのポケット数も多く設けな
ければならない。この穴加工はプレス加工によって行な
われ、本実施例のようにポケット数が多くその間隔がリ
ング板厚に対して十分大きくとれない場合「数回のプレ
ス加工、例えば本実施例のように１乳固の場合、一回目
のプレス加工で等角度間隔の６個のポケットを設け、二
回目のプレス加工でこれらのポケットにそれぞれ隣合っ
た位置に同様に６個のポケットを設け、三回目のプレス
加工で残る６個のポケットを設けるというように三回の
プレス加工が必要であった。しかしながらこのような加
工方法では、可動リング、固定リング双方に微妙なピッ
チ誤差、ピッチ円誤差が生ずることが避けられず、これ
らの誤差が両リング間で重畳されることとなって、最悪
の場合には可動スクロール部材２１の円軌道半径が設計
値よりも４・さくなって種々の不都合が生ずる欠点があ
る。

本発明はこのような欠点を解消しようとするものである
。

本発明は、フロントエンドプレート部を有する圧縮機ハ
ウジングと、第１の板体の一面上に固定された第１のう
ずまき体を有し上記ハウジング内に固定配置された固定
スクロール部材と、第２の板体の一面上に固定された第
２のうずまき体を有し該第２のうずまき体が上記第１の
うずまき体と角度をずらされてかみ合い、それらの間に
閉塞された流体ポケットを形成するように上記固定スク
ロール部材と重ね合わされた可動スクロール部材と、該
可動スクロール部材に円軌道運動を与えるために該可動
スクロール部材と結合された駆動機構と、該可動スクロ
ール部材の上記円軌道運動の間該可動スクロール部材の
回転を阻止する回転阻止機構とを有し、上記可動スクロ
ール部村の円軌道運動によって、上記流体ポケットが容
積を減少しながら上記両うずまき体の中心方向へ移動し
、これによって流体の圧縮が行われるスクロール型圧縮
機において、上記回転阻止機構は、上記可動スクロール
部村の第２の板体の第２のうずまき体と反対の面に固定
された可動リングと、該可動リングとの間にわずかな隙
間ができるように上記フロントエンドプレート内壁に固
定された固定リングとを含み、上記可動リングと固定リ
ングはそれぞれ、軸万向に穿孔された複数の円形のポケ
ットを各リングの中心を一致させた時重なり合うことが
可能な筒方向の各位贋に有し、しかも上記可動リングと
固定リングにおけるポケットのうち相対する少なくとも
３個は実質上１２０ｏの角度間隔、かつ同一径とし、残
りの上記ポケットは上記３個のポケットより大きい蓬に
して、上記可動リングの上記３個の各ポケットと上記固
定リングの上記３個の各ポケットとでそれぞれボール軸
受け素子が常時挟持されるようにされており、上記可動
リングの残りの各ポケットと上記固定リングの残りの各
ポケットとで上記ボール軸受け素子と同じボール軸受け
素子が保持されており、しかも上記すべてのボール軸受
け素止を介して上記可動スクロール部材がスラスト支持
されていることを特徴とする。

すなわち、本発明は、スラストベアリングを兼ねた回転
阻止機構における多数のボールをすべて回転阻止に利用
せずとも少なくとも３個のボールで十分な回転阻止力が
得られることに着目したものである。

本発明では可動リング、固定リングにおいて相対する位
置に実質上１２０ｏの角度間隔で穿孔された少なくとも
３個の同一径のポケットがボールを挟持して可動スクロ
ール部材の回転を阻止するように作用する。一方、残り
のポケットは上記ポケットの径に比して大さめにしてあ
るのでボールを単に保持するだけであり、スラストベア
リング用としての機能だけを持たせている。ここで可動
リング、固定リングの回転阻止用ポケットは、両リング
を中心を一致させて重ね合せた時に重なり合う位置であ
る必要がある。以下に本発明の実施例を説明する。

第５図は本発明の一実施例を可動リングについて示す。

この可動リング２１５ではボール素子を保持するための
ポケットが１８個設けられているが、本実施例ではこの
うち可動スクロール部材の回転阻止機能を持たせるため
のポケット２１５ａ′は６個、すなわち二つおきとなる
ようにして（第３図中斜線で示す）、一回目のプレス加
工でこれらのポケット２１５ａ′の径は勿論、ピッチＰ
、ピッチ円蓬Ｒｐを精密に加工する。二回目、三回目の
プレス加工では上記のポケット２１５ａ′よりやや大さ
めの径のポケット２１５ａ″，２１５ａ…をそれぞれス
ラストベアリングとしてのみ作用するボールを保持する
穴として加工する。勿論、これらのポケットの蓬、ピッ
チ、ピッチ円には精密さが要求されないというものでは
ない。このようにして本発明によれば、可動スクロール
部材の回転阻止に必要な可動リング、固定リングにおけ
る数個のポケットをそれぞれ、一回のプレス加工で形成
してしまうので、ピッチ誤差、ピッチ円誤差が生ずるこ
となくしたがって各リング間の相対的位置誤差も解消で
き、可動スクロール部材の円軌道半径をより正確にでき
る。

また回転阻止用のポケットに比してそれ以外のポケット
は径が大きいのでピッチが多少ずれたとしても問題無く
それほど精密な加工を要しないため、穴加工が簡略化で
きる。なお、実施例では各リングのポケットが１針固の
場合について示したが、この数は任意であり、一回のプ
レス加工で設けることができるポケットの数も６個に限
らない。

また可動スクロール部材の回転阻止に必要なポケットの
数としては３個あれば十分である。更に可動リングと固
定リングとに形成されるポケットは第５図のように円状
に配列される必要性は無く、各リングの中心を一致させ
た時各ポケットがすべて重なり合うことが可能なように
形成されていれば配列は任意である。この場合には、回
転阻止のためのポケットはできるだけ等角度間隔位置の
ものが選ばれる。

【図面の簡単な説明】

第１図はスクロール型圧縮機の一例の断面構造図、第２
図は駆動機構の分解斜視図、第３図は回転阻止機構の分
解斜視図、第４図は回転阻止の原理を説明するための図
、第５図は本発明を適用した可動リングの一例を正面図
で示す。 図中、１０は圧縮機ハウジング、１１はフロントエンド
プレート、１２はカップ状部分、１４は主軸、２０は固
定スクロール部材、２１は可動スクロール部材、２２は
回転阻止機構、２１４は可動レース、２１５は可動リン
グ、２２１は固定レース、２２２は固定リング。 第「図 第２図 図 の 班 麓４図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フロントエンドプレート部を有する圧縮機ハウジン
   グと、第１の板体の一面上に固定された第１のうずまき
   体を有し上記ハウジング内に固定配置された固定スクロ
   ール部材と、第２の板体の一面上に固定された第２のう
   ずまき体を有し該第２のうずまき体が上記第１のうずま
   き体と角度をずらされてかみ合い、それらの間に閉塞さ
   れた流体ポケツトを形成するように上記固定スクロール
   部材と重ね合わされた可動スクロール部材と、該可動ス
   クロール部材に円軌道運動を与えるために該可動スクロ
   ール部材と結合された駆動機構と、該可動スクロール部
   材の上記円軌道運動の間該可動スクロール部材の回転を
   阻止する回転阻止機構とを有し、上記可動スクロール部
   材の円軌道運動によつて、上記流体ポケツトが容積を減
   少しながら上記両うずまき体の中心方向へ移動し、これ
   によつて流体の圧縮が行われるスクロール型圧縮機にお
   いて、上記回転阻止機構は、上記可動スクロール部材の
   第２の板体の第２のうずまき体と反対の面に固定された
   可動リングと、該可動リングとの間にわずかな隙間がで
   きるように上記フロントエンドプレート内壁に固定され
   た固定リングとを含み、上記可動リングと固定リングは
   それぞれ、軸方向に穿孔された複数の円形のポケツトを
   各リングの中心を一致させた時重なり合うことが可能な
   周方向の各位置に有し、しかも上記可動リングと固定リ
   ングにおけるポケツトのうち相対する少なくとも３個は
   実質上１２０°の角度間隔、かつ同一径とし残りの上記
   ポケツトは上記３個のポケツトより大きい径にして、上
   記可動リングの上記３個の各ポケツトと上記固定リング
   の上記３個の各ポケツトとでそれぞれボール軸受け素子
   が常時挟持されるようにされており、上記可動リングの
   残りの各ポケツトと上記固定リングの残りの各ポケツト
   とで上記ボール軸受け素子と同じボール軸受け素子が保
   持されており、しかも上記すべてのボール軸受け素子を
   介して上記可動スクロール部材がスラスト支持されてい
   ることを特徴とするスクロール型圧縮機。