JPS6016543B2 - 天井仕上げ型枠と該型枠を利用したコンクリ−ト床スラブの施工方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、中高層ビル等のコンクリート構造物を構築す
るに際して使用される天井仕上げ型枠と、該型枠を利用
したコンクリート床スラブの施工方法に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来ビル等の建築工事において、２階、３階等の上層階
におけるコンクリート製の床を構成するには、梁等の間
に型枠を張り渡し、それを下または上から支える、いわ
ゆる支保工が必要であった。

この支保工装置は、繁雑で手間がかかり、建築作業の遅
延を来たす原因となっていたものである。

又、上記の欠点を改善するものとした、例えば実糠昭５
１−７８１６び号のようにブレキャストコンクリートに
より作業床と型枠を兼用した上面にリブを有する合成床
版を梁間等に架設し、この上に現場打ちのコンクリート
を打設して一体のスラブを構成するものが提案されてい
る。

（発明が解決しようとする問題点） 前記の合成床版のように捨型枠となる天井仕上げ型枠を
使用する場合、当該型枠自身の強度と型枠相互間の接合
強度および型枠と現場打ちコンクリートとの接合強度が
特に問題となり、更には、現場における配筋作業がいか
に少くして作業能率を向上させる等が要求される。

そこで本発明は、これらの問題点を解決するための天井
仕上げ型枠と、該型枠を利用したコンクリート床スラブ
の施工方法の提供を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） まず本願の天井仕上げ型枠は、繊維補強無機質材による
基板部１それ自体が、架設される支持部材８，８と平行
する方向および直交する方向の各々に対して耐力を有す
る面状の構造部材であって、この基板部１の上表面に、
各支持部材８，８と各々直交する方向に並列状に同材質
による各突条２を−体突設することによって、上方から
の圧縮に対抗できるように補強したものである。

又、前記基板部１の上表面に網目状に配設した縦方向鉄
筋７と横方向鉄筋６とが基板部１の上表面に沿って間隔
を保って設けられており、この縦方向鉄筋７のうち前記
突条２と長手方向が一致した一部の縦方向鉄筋７は当該
突条２に埋設すると共に、これと交差する横方向鉄筋を
各突条２に対して貫通状に埋設してこれら各鉄筋６，７
を支持する構成である。次に本願の接合菱層は、上記の
プレキャストの型枠を所望数用意して現場に持ち込み、
これを前記突条２が支持部材８と直交する方向で各支持
部村８間上に架設し、支持部村８の延在方向に沿って隣
接する各型枠相互間に対して、継手鉄網９を各接合側上
面に露出する縦横方向鉄筋７，６に重合させたのち、各
型枠の上表面にコンクリートＢを打設して一体に被覆せ
しめて接合するようにしたものである。

実施例 以下、図面に示す実施例に基づき、本発明の構成を説明
すると、第１図に示すように本発明型枠Ａは、繊維補強
無機質材からなる基板部１と、これの上表面に基板と一
体に形成される同様に繊維補強無機質材からなる複数の
突条２とからなっている。

該基板部１は、下表面３が仕上げ天井面となるように、
適宜の手段によって平滑面に形成される。

然して、前記の突条２は、曲げ剛性と、コンクリート打
ち込み時の補強性を考慮して端面ないし、幅方向断面形
状が逆台形であり、かつ突条２の延長方向に沿う内部に
、補強鉄筋４を適宜数貴設せしめると共に、前記基板部
１の上表面５に沿って、前記の突条２を貫通する横方向
鉄筋６と、これに直交する縦方向鉄筋７とを網目状にな
すように配置する。

本発明の型枠Ａは、第３図に示すように、壁或いは梁、
柱等の支持部材８の間に張り渡すことができるような所
望の長さを有し、またその幅は周知の規定寸法とするほ
か、取扱い上、予め任意に定めることは言うまでもない
。

次に、前記型枠Ａを利用してコンクリート床スラブ施工
する場合は、第２図および第３図に示すように、基板部
１を、壁、梁又は柱等の支持部材８の上部に張り渡し、
型枠Ａ同志の接合部の上面に露出している縦横方向鉄筋
６，７のさらに上面に、継手鉄網９を重合した上で、該
型枠上にコンクリートＢを打設し、基板部１の上面にあ
る突条２、縦横方向鉄筋６，７および継手鉄絹９とも一
体として包合した下階からは天井、上階からは床面が構
成されるものである。

該型枠Ａの突条２は、基板部１を補強するため逆台形の
端面ないし断面形を保ち、内部の長手方向に補強鉄筋４
を埋設しているが、この突条２の外形としては、後打ち
コンクリート部分８と一体化し易く、基板部１に対して
床下の支保工を不要とするに充分な曲げ合成と強度を与
えること、そのほか製作し易く、安価に供し、得ること
等を考慮した構成である。

またこの型枠Ａの接合には、その接合上面に重合する継
手鉄絹９と突条２とを一体にコンクリート打設し、あと
でコンクリート面に所望のタイル張り等を行うものであ
る。

（発明の効果） 前記実施例のとおり、本発明の型枠Ａは、上表面に梁等
の支持部材８と直交した各突条２を並設ごせて補強し、
基板部１および突条２に繊維補強無機質材を使用したこ
と並びに、この上表面に沿って網目状に配設させた縦横
方向鉄筋７，６の交差部と、前記突条２の延在方向に一
致する一部の縦方向鉄筋７を突条２内に埋設保持させた
構成によって、曲げ剛性や亀裂に強い等高強度でしかも
現場においてスベーサを用いて繁雑な配筋作業を大幅に
省略できる等の効果を発揮する取扱い上頗る簡便なプレ
キヤストの天井仕上げ型枠が得られる。

又、コンクリート床スラブの施工に際しては、前記突条
２が梁等の支持部村８の延在方向と直交する態様で支持
部材８間に型枠Ａを並設し、該型枠Ａの接合側上表面に
露出した縦横方向鉄筋７，６に対して別に用意した継手
鉄絹９を重合させ、その全上面にコンクリートＢを現場
打ちするので一体接合された天井仕上げ兼床面を構成す
ることによって、型枠Ａを捨型枠として支保工は省略さ
れ、しかも現場における煩雑な結束等の接合作業が大幅
に省略されると共に、縦横方向鉄筋７，６と継手鉄網９
の上下側から打設コンクリートＢが充填されるので、プ
レキャストの各型枠Ａと現場打ちコンクリートＢとが強
固に一体化され、同時に隣接する型枠相互間を強固に接
合させることができる等、工期の短縮と品質の向上に寄
与するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は本型枠の端面図
、第２図は本型枠の接合状態の端面図、第３図は接合の
実施例図で一部を開示したものである。 〔符号の説明〕 １・・・・・・基板部、２…・・・突
条、３…・・・下表面、４・・・・・・補強鉄筋、５・
・・・・・上表面、６・・・・・・横方向鉄筋、７・・
・・・・縦方向鉄筋、８・・・・・・支持部材、９・・
・・・・継手鉄絹、Ａ・・・・・・型枠、Ｂ・・・・・
・コンクリート。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下表面を天井仕上げ面とした繊維補強無機質材によ
   る基板部１の上表面には、該基板部１から各々一体に突
   設された同じく繊維補強無機質材による複数の各突条２
   を並列状に延在させ該各突条２の長手方向に平行する各
   縦方向鉄筋７とこれに直交する各横方向鉄筋６とを網目
   状にして、前記基板部１の上表面に対して一定の間隔を
   保持させた状態で配設させると共に、該各縦方向鉄筋７
   のうちで前記突条２が延在する長手方向に一致した一部
   の縦方向鉄筋は前記突条内に埋設され、又前記突条２と
   直交する各横方向鉄筋の一部は当該突条に対して貫通状
   に埋設支持されていることを特徴とする天井仕上げ型枠
   。 ２ 下表面を天井仕上げ面とした繊維補強無機質材によ
   る基板部１の上表面には、該基板部１から各々一体に突
   設された同じく繊維補強無機質材による複数の各突条２
   を並列状に延在させ該各突条２の長手方向に平行する各
   縦方向鉄筋７とこれに直交する各横方向鉄筋６とを網目
   状にして、前記基板部１の上表面に対して一定の間隔を
   保持させた状態で配設させると共に、該各縦方向鉄筋７
   のうちで前記突条２が延在する長手方向に一致した一部
   の縦方向鉄筋は前記突条内に埋設され、又前記突条２と
   直交する各横方向鉄筋の一部は当該突条に対して貫通状
   に埋設支持されたプレキヤストの天井仕上げ型枠Ａを所
   望数用意し、これら各型枠Ａを前記突条２が壁等の支持
   部材８の延在方向と直交する態様で突条側を上面にして
   各支持部材間上に架設させ、該支持部材８の延在方向に
   沿つて隣接する各型枠Ａの基板部１上において露出する
   前記縦横方向鉄筋７，６上に継手鉄網９を重合させたの
   ち、前記各型枠Ａの上表面に少くとも前記各突条２が埋
   設する迄のコンクリートＢを打設して被覆せしめ、これ
   によつて一体化された床スラブを形成させたことを特徴
   とするコンクリート床スラブの施工方法。