JPS5825907B2 - 旋回駆動制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は油圧ショベル等に使用される旋回駆動体の駆動
制御装置に関する。

従来油圧ショベルに於てはブーム、アーム、パケット等
の俯仰その他の作動と旋回作動とを同時に行なうを一般
とする。

而してこのような複合作動を行なうとその油圧源に対す
る干渉を生じ勝ちで複合作動を円滑に行なえない不都合
があった。

そのため旋回作動を他の作動に優先させると共に他の動
作に全く影響されないように駆動する次のような旋回独
立駆動式のものが提案された。

先ず第１に旋回回路が開回路の場合、第１図示のように
旋回用ポンプａと旋回用モータｂとを結ぶ回路の途中に
方向制御弁Ｃを介入させ、これの切換操作を例えば２個
の減圧弁ｄ１ｄとその減圧度を制御するレバーｅとを備
えたジョイスティック弁ｆを介して作用する外部パイロ
ット圧力源ｇの流体圧力により行なうもので、該ジョイ
スティック弁ｆのレバーｅを傾転すればパイロット回路
ｈ ｙ ｔの一方に減圧された圧力流体と他方にこれよ
りも高い圧力の圧力流体が得られてその差圧により制御
弁Ｃの切換えられるが、これによればポンプａの吐出量
を制御することなく方向制御弁Ｃにて速度制御を行なう
のでパワーロスが大きく流体に発熱を生じ制御性が悪い
等の欠点がある。

また第２図示のように閉油圧回路に設けた旋回用油圧ポ
ンプｊの吐出量を外部パイロット圧力源にの圧力に比例
して任意に制御するようにした場合、ポンプｊの吐出量
を精密に制御出来、インチング制御等を行なえる利点が
あるが、急速に油圧モータ１を加速しようとしてジョイ
スティック弁のレバーを最大に倒したとき油圧ポンプｄ
の吐出量が最大となり、油圧モータ１が最大速度になる
１でに不要な油量が圧力制御弁を介してタンクに戻され
るため大出力を要し、しかも起動時の発熱が大きくなる
欠点がある。

更に第３図示の如く、旋回用ポンプｍの吐出圧力と外部
パイロット圧力源ｎに比例する値に一定に保持するよう
にポンプ吐出量を制御するようにしたものも知られ、こ
れによれば油圧モータＯの供給側回路に必要な回路圧力
は負荷の大きさと要求する速度、刃口速度によって決ま
るが負荷の状態が変化しても圧力を一定に保持し得、ジ
ョイスティック弁ｐのレバーの倒れ角とポンプ吐出側圧
力とを比例させることが出来るのでトルクのみを必要と
し速度の小さい旋回起動時即ちポンプ吐出圧力は高いが
流量は小さくても良い場合にポンプｍは圧力を保持する
に必要な量を吐出し出力のロスと発熱を少なく出来る利
点がある。

而してジョイスティック弁ｐのレバーを中立にした状態
で掘削等の作業を行なった場合、外力が旋回本体の旋回
方向に回転してしまうので著しい危険を生ずる欠点があ
る。

その原因はジョイスティック弁ｐのレバーの倒れ角とポ
ンプ吐出圧とが比例することに起因するもので、かかる
欠点を是正するにはモータ０にパーキングブレーキを設
ければよいが油圧回路の複雑化とコストアップの問題が
生ずると共に該ブレーキを作動させる時期が難しく操作
上の不便を伴なう。

本発明はこのような従来例の不都合を解消した旋回駆動
制御装置を提供することをその目的としたもので、可変
容量形油圧ポンプと油圧モータとを備え、該油圧ポンプ
に設けた吐出量制御シリンダに絞り切換弁を介して外部
パイロット圧力源の圧力を導入して該油圧ポンプの吐出
量を制御する式の閉油圧回路に於て、該閉油圧回路の供
給側と戻り側の両回路の圧力差と、前記外部パイロット
圧力源に連らなる回路に設けたジョイスティック弁から
の２圧力とにより作動されて前記外部パイロット圧力源
の作用を匍脚する第１制御部と、前記ジョイスティック
弁からの２圧力の圧力差により作動されて前記外部パイ
ロット圧力源の圧力もしくは該ジョイスティック弁から
の２圧力のいずれかを選択すると共に該選択された圧力
を前記絞り切換弁にこれの切換作動を行なわせるべく作
用させる第２制御部とを備えたことを特徴とする。

本発明の実施例を別紙図面につき説明するに、その第４
図に於て、１は可変容量形油圧ポンプ、２はパワーショ
ベルのパケットその他の旋回本体に回動すべく連結した
油圧モータ、４，５はこれらポンプ１とモータ２とを接
続する回路で該ポンプ１、モータ２及び回路４，５は閉
油圧回路６を構成する。

７はポンプ１の吐出量を制御する吐出量制御シリンダを
示し、該シリンダ７は絞り切換弁８、第１制御部９及び
第２制御部１０によりその作動が制御される。

１１は例えば固定容量ポンプから成る外部パイロット圧
力源で、該圧力源１１は前記閉油圧回路６に逆止弁１２
，１３とリリーフ弁１４とで構成したチャージバルブブ
ロック１５を介して流体を補充すると共にパイロット回
路１６を介して絞り切換弁８と第１制御部９へ圧力流体
を供給し、更にジョイスティック弁１７にも圧力流体を
供給する。

該ジョイスティック弁１７は、例えば図示の如く、２個
の減圧弁１８，１９と傾転レバー２０とを備え、該傾転
レバー２０を左右に傾動することにより各減圧弁１８，
１９の各設定圧力が変えられて合弁１８．１９の各減圧
回路２Ｌ２２から任意の減圧された流体圧力が取り出さ
れる。

第１制御部９は、一端側に、閉油圧回路６の回路４の圧
力と前記ジョイスティック弁１７の一方の減圧弁１８か
らの圧力とが作用し、他端側に、閉油圧回路６の回路５
の圧力と他方の減圧弁１９からの圧力が作用する切換弁
２３で構成され、その左右への摺動で前記パイロット圧
力源１１のパイロット回路１６を遮断し或は第２制御部
１０に方向を変えて接続する。

また第２制御部１０はジョイスティック弁１７からの減
圧回路２Ｌ２２のいずれか一方の高い圧力をシャトル弁
２５により抽出し、その高い圧力により位置２６から位
置２７へと切換えする切換弁２８にて構成され、その切
換作動によれば減圧回路２Ｌ２２の各流体圧力を絞り切
換弁８の両端に作用されるか或は前記第１制御部９から
のパイロット回路１６の圧力を該絞り切換弁８の一端側
に作用させると同時にその他端側をクンク２９に連通し
、かくてパイロット回路１６の圧力或はジョイスティッ
ク弁１７の２圧力を選択して絞り切換弁８に作用させる
。

該絞り切換弁８は該第２制御部１０からの圧力でパイロ
ット回路１６の圧力即ちパイロット圧力源１１の圧力が
吐出量制御シリンダ７に作用するを制御するが、該切換
弁８が中立位置３０にあるときはパイロット回路１６の
圧力を遮断して吐出量制御シリンダ７を不動とし、位置
３１又は３２にあるときは、該シリンダ７を右方又は左
方に移動させ、これに伴なってポンプ１の吐出量と吐出
方向を調節し、各位置の中間位置に於てはパイロット圧
力源１１からの通過流量をその移動距離に応じて絞る。

３３はクロスオーバリリーフ装置である。

その作動を説明するに、ジョイスティック弁１７のレバ
ー２０が操作されないときは、パイロット圧力源１１の
圧力は各減圧弁１８．１９によりその設定圧力の零にま
で減圧され、各減圧回路２Ｌ２２に圧力が発生しないの
で第２制御部１０の切換弁２８はシャトル弁２５を介し
て抽出される減圧回路２１又は２２の減圧された圧力で
は切換えられず、その位置２６が保持される。

またこの場合第１制御部９の切換弁２３は、閉油圧回路
６の供給側の回路と戻り側の回路５との間に、油圧モー
タ２に作用する外力によって一定以上の差圧が発生し、
その差圧によって外部パイロット圧力源１１の圧力を第
２制御部１０に連通すべく作動することがあるが、該第
２制御部１０の切換弁２８は位置２６を維持しているの
で、該圧力源１１の圧力は該第２制御部１０に於て遮断
される。

従ってこの場合にはパイロット回路１６からの圧力が該
絞り切換弁８を介してシリンダ７に作用することがなく
、該シリンダ７は作動しないので油圧ポンプ１の吐出量
は零となりパケット等に連結された油圧モータ２は停止
状態となる。

またこの油圧モータ２の停止中に、ショベル等にその旋
回方向の外力が作用してもシリンダ７が作動されず閉油
圧回路６内の流量が変わることがないので不用意に旋回
することがなく、パーキングブレーキその他を設けるこ
となくその旋回を防止出来る。

ジョイスティック弁１７のレバー２０を小さく傾転操作
すると例えば減圧弁１９の設定圧が少し高くなり、減圧
弁１８は圧力零のままの減圧を行なうが、この場合には
シャトル弁２５を介して抽出される減圧回路２２の圧力
が小さいので第２制御部１０の切換弁２８は位置２６か
ら動かされず、両減圧回路２１．２２の圧力が該第２制
御部１０を介して絞り切換弁８の両端に作用する。

而して該絞り切換弁８は両減圧回路２１．２２の小さな
差圧に応じて小さく摺動し、その摺動距離に応じた少な
い流量がパイロット回路１６から吐出量制御シリンダ７
に供給されるので油圧ポンプ１の吐出量をジョイスティ
ック弁１７の小さい傾転角に対応して微小に変化させ得
、旋回体のインチング操作等の精密作動に好都合である
。

またジョイスティック弁１７のレバー２０を大きく傾転
操作すると例えば減圧弁１９の設定減圧が大幅に高まり
減圧弁１８は圧力零の減圧状態にあるがこの場合には減
圧回路２１．２２間の差圧も大きく、シャトル弁２５か
ら抽出される圧力も大きいので第２制御部１０の切換弁
２８は位置２７に切換えされ、同時に第１制御部９の切
換弁２３も例えば左方の切換位置に切換えられ、パイロ
ット回路１６の圧力が絞り切換弁８を位置３１側に大き
く作動すべく作用し、該切換弁８を介してシリンダ７に
大流量がパイロット回路１６から流入する。

かくて油圧ポンプ１はレバー２０の傾角に応じて大幅に
その吐出量を変え旋回体を急速旋回させる。

尚負荷が大きい場合にこのジョイスティック弁１７のレ
バー２０を大きく操作しポンプ１の吐出量を増大させよ
うとしても、供給側回路４の負荷圧力が高いので第１制
御部９の切換弁２３は中立位置もしくは右方の位置に自
動的に入り、閉油圧回路６の圧力に応じた制御を行ない
、ポンプ１は必要以上の流量を回路６に吐出することが
ないのでパワーロスが小さく流体の発熱も少なくて済み
、負荷の変動、加速起動の際に好都合に作動する。

このように本発明によるときは閉油圧回路の回路圧とジ
ョイスティック弁からの圧力とで作動される第１制御部
と、該ジョイスティック弁により制御された圧力に応じ
て作動する第２制御部とを設け、該第２制御部はパイロ
ット回路の圧力とジョイスティック弁からの圧力とを択
一的に選択して吐出量制御シリンダの作動制御を行なう
絞り切換弁に作用させるようにしたので、該第１制御部
による閉油圧回路の圧力を一定すべくポンプ吐出量を制
御する圧カ一定制御と、該第２制御部によるジョイステ
ィック弁からの圧力に応じてポンプ吐出量を制御する圧
力比例制御とを行なえ、格別の装置を設けることなく旋
回体の不用意な回動を防止出来、簡単安価に安全性を向
上出来、インチング操作等の精密な作動制御を行なえ、
流体の発熱も少なく、出力のロスも少ない旋回駆動制御
装置が得られる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は従来装置の線図、第４図は本発明装
置の実施例の線図である。 １・・・・・・・・・可変容量形油圧ポンプ、２・・・
・・・・・・油圧モータ、４，５・・・・・・・・・回
路、６・・・・・・・・・閉油圧回路、７・・・・・・
・・・吐出量制御シリンダ、８・・・・・・・・・絞り
切換弁、９・・・・・・・・・第１制御部、１０・・・
・・・・・・第２制御部、１１・・・・・・・・・外部
パイロット圧力源、１７・・・・・・・・・ジョイステ
ィック弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 可変容量形油圧ポンプと油圧モータとを備え、該油
   圧ポンプに設けた吐出量制御シリンダに絞り切換弁を分
   して外部パイロット圧力源の圧力を導入して該油圧ポン
   プの吐出量を制御する式の閉油圧回路に於て、該閉油圧
   回路の供給側と戻り側の両回路の圧力差と、前記外部パ
   イロット圧力源に連らなる回路に設けたジョイスティッ
   ク弁からの２圧力とにより作動されて前記外部パイロッ
   ト圧力源の作用を制御する第１制御部と、前記ジョイス
   ティック弁からの２圧力の圧力差により作動されて前記
   外部パイロット圧力源の圧力もしくは該ジョイスティッ
   ク弁からの２圧力のいずれかを選択すると共に該選択さ
   れた圧力を前記絞り切換弁にこれの切換作動を行なわせ
   るべき作用させる第２制御部とを備えたことを特徴とす
   る旋回駆動側装置。