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JPH1172818A - 多点測距装置 - Google Patents

多点測距装置

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Publication number
JPH1172818A
JPH1172818A JP23478397A JP23478397A JPH1172818A JP H1172818 A JPH1172818 A JP H1172818A JP 23478397 A JP23478397 A JP 23478397A JP 23478397 A JP23478397 A JP 23478397A JP H1172818 A JPH1172818 A JP H1172818A
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JP
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points
distance measurement
point
distance
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JP23478397A
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Osamu Nonaka
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い信頼性判定の機能を維持しつつ、被写体に
対して正確にピントを合わせながらレリーズロックや警
告を極力排して、シャッターチャンスに強い多点測距装
置を提供する。 【解決手段】撮影画面内の複数ポイントに位置するそれ
ぞれの被写体までの距離を測定して、撮影レンズ6のピ
ント位置を一義的に決定する多点測距装置において、複
数ポイントに対する測距演算過程におけるそれぞれの信
頼値と所定値とを比較する像判定手段2と、撮影レンズ
6のピント位置決定を含む一連の測距シーケンスを制御
すると共に、上記所定値を変更可能なCPU10とを具
備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多点測距装置に関
し、特に、カメラのオートフォーカス(AF)における
測距の結果に対する信頼性を判断できる多点測距装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】カメラのAF方式は、大きく分けて、カ
メラ側から被写体に信号を投射し、その反射信号光を利
用して測距を行うアクティブタイプと、被写体の像信号
を利用するパッシブタイプの2つの方式がある。
【0003】特に、パッシブタイプは像信号の形によっ
て、測距の信頼性を簡単に判定できる。例えば、実開昭
59−101231号公報は、測距の信頼性が低い時は
その時の測距結果を利用せず、カメラを固定焦点にして
しまう方法を開示している。また、測距の信頼性が低い
時にはレリーズロックにしてしまう方法も提案されてい
る。
【0004】また、特開平8−262317号公報は、
写真画面内の複数のポイントを測距できる、いわゆるマ
ルチAF機能付カメラにおいて、その信頼性判断技術を
組み合わせたものを開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
59−101231号公報に記載の方法は、測距の信頼
性が低い場合には、所定の距離にあるものにしかピント
を合わせることができないという問題がある。
【0006】また、特開平8−262317号公報は、
すべてのポイントの信頼性が低い時には警告を発してシ
ャッターチャンスを逃してしまうという問題があった。
また、レリーズロック処理を行うカメラでは、撮りたい
時にシャッターが切れないという問題がある。
【0007】本発明の多点測距装置はこのような課題に
着目してなされたものであり、その目的とするところ
は、高い信頼性判定の機能を維持しつつ、被写体に対し
て正確にピントを合わせながらレリーズロックや警告を
極力排して、シャッターチャンスに強い多点測距装置を
提供することにある。
【0008】また、本発明の多点測距装置は信頼性判定
機能の充実により、正面内の雑被写体にまぎらわされる
ことなく主要被写体に対してピント合わせができ、かつ
失敗写真を極力少なくできる多点測距装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明に係る多点測距装置は、撮影画面内の
複数ポイントに位置するそれぞれの被写体までの距離を
測定して、撮影レンズのピント位置を一義的に決定する
多点測距装置において、上記複数ポイントに対する測距
演算過程におけるそれぞれの信頼値と所定値とを比較す
る比較手段と、上記撮影レンズのピント位置決定を含む
一連の測距シーケンスを制御すると共に、上記所定値を
変更可能な制御手段とを具備する。
【0010】また、第2の発明に係る多点測距装置は、
第1の発明に係る多点測距装置において、カメラの撮影
状態を検知する検知手段を備え、上記制御手段は、上記
検知手段の出力に応答して上記所定値を変更する。
【0011】また、第3の発明に係る多点測距装置は、
第1の発明に係る多点測距装置において、上記所定値
は、上記信頼値が上記所定値よりも高い時にのみ、上記
比較手段が出力を発生するように設計された第1の判定
レベルと、上記信頼値が上記所定値よりも低い時であっ
ても上記比較手段が出力を発生するように設定された第
2の判定レベルの、少なくとも2段階に切換えられ、上
記制御手段は、上記複数ポイントの測距結果に基づい
て、上記撮影レンズのピント位置を決定する際、最初は
上記第1の判定レベルを選択し、上記測距ポイントに対
するそれぞれの測距結果の信頼値がすべて上記所定値よ
りも低いと判定された場合、上記第1の判定レベルから
上記第2の判定レベルに切換える。
【0012】また、第4の発明に係る多点測距装置は、
第1の発明に係る多点測距装置において、被写体像信号
の状態を検出する検出手段を備え、上記制御手段は、上
記複数ポイントの中からピント合せするポイントを選択
する際に、上記被写体像信号の状態が、所定の条件に合
致するか否かを判別して、合致しないと判別したポイン
トを上記ポイント選択の範囲から除外する。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本実施形態の概略を説明す
る。本発明のカメラの測距装置は、画面内の複数のポイ
ントが測距でき、なおかつ、この複数のポイントに存在
する各被写体までの測距の結果に対する信頼性を、複数
段階で判定する判定手段を有する。カメラのシーケンス
を制御する制御手段は、上記判定手段の判定段階を切り
換えながら、上記複数ポイントからピント合せ距離を決
定する。
【0014】また、カメラの撮影状態を検出し、この撮
影状態に応じて上記判定段階を切り換えることで、撮影
シーンに則した信頼性で測距を行うようにする。上記の
方法によれば、必要以上の信頼性を求めて測距不能とな
ることがないので、正しいピントで撮影でき測距不能状
態を極力防止することができる。
【0015】以下に、図面を参照して本発明の実施形態
を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る
多点測距装置の構成を示す図であり、パッシブタイプの
測距装置1と、像判定手段2と、カメラのシーケンスを
制御する演算制御手段(CPU)10と、撮影レンズ6
と、被写体輝度測定回路5と、モード検出手段4とを具
備する。CPU10には撮影者のレリーズボタンの押し
こみ動作を検出するレリーズスイッチ3が接続されてい
る。CPU10はこのレリーズスイッチ3の押し込みタ
イミングを検出するとともに、測距手段1及び像判定手
段2を作動させてその出力を検出し、撮影レンズ6のピ
ント位置を決定して、ピント合せレンズの位置を制御す
る。
【0016】図2(a)は上記したパッシブタイプの測
距装置1の構成を示す図である。図2(a)の11a,
11bは人間の両眼に相当する受光レンズであり、主点
間距離(基線長)Bを隔てて配置され被写体9の像をセ
ンサアレイ12a,12bの上に結像させる。
【0017】被写体9が図のように白黒のチャートであ
るならば、両センサアレイ12a、12bの上には、図
2(b)、2(c)に示すような階段状の像が形成され
る。これは白い部分の光信号は強く、黒い部分の光信号
は弱いためであり、この光信号の分布の状態を検出し、
相対的な像位置差xを求めると、三角測距の原理によっ
て受光レンズの焦点距離fと、上記基線長Bから、被写
体距離Lは L=(B・f)/x (1) の関係から求めることができる。
【0018】つまり、図1の測距装置1は、上記1対の
受光レンズ11a,11b及びセンサアレイ12a、1
2bを有し、このセンサアレイ12a、12bの出力を
A/D変換し、ディジタル的に相関演算と呼ばれる演算
を行って、上記相対的な像位置差xを検出する演算手段
を具備する。
【0019】また、図2に示すような構成のパッシブタ
イプの測距装置の場合、図中W1 のウィンドウを使って
測距を行えば、受光レンズ11a前方の被写体が測距で
きるが、図中W2 のウィンドウを使って測距を行えば、
θの角度を持った方向の被写体が測距できる。この原理
を応用して順次ウィンドウを切り換えて測距を行えば写
真画面内の複数点の測距(マルチAF)が可能となる。
【0020】この機能を有するカメラの場合、図3に示
すように被写体が2人存在し、図4(a)のように画面
中央が背景である場合でも、正しく人物にピントを合せ
ることができる。例えば、画面内の3ポイントを測距し
て、最も近い距離に対してピント合せを行えば、背景に
ピントが合ってしまうことはない。
【0021】また、上記したマルチAFの測距装置のも
う一つの効果として、後述する図5に示すような像パタ
ーンの被写体があったとしても、当該被写体以外の他の
ポイントを測距して、その位置にピントを合わせること
ができるというメリットがある。これによって、やみく
もな位置にピント合せをしてピンボケ写真を撮影したり
レリーズを禁止して、シャッターチャンスを逃してしま
うといった状態を回避した、より使い勝手の良いカメラ
を提供することができる。
【0022】次に、上記した像判定手段2の機能につい
て説明する。本実施形態の像判定手段2は、後述するよ
うな、パッシブAFがにが手とする像パターンを検出す
るものであり、コントラストの検出のために、上記セン
サアレイ12a、12bの出力をディジタル値にした信
号の最大値、最小値の位置や、その差の大きさを検出し
たり、または被写体パターンの規則性を検出したり、ま
たは像位置差xを求める際の相関演算より求まる相関関
数を判定したりして、測距装置1によって求めた像位置
差xの結果に信頼性があるか否かを検出する機能を有す
る。
【0023】一般に、上記したようなパッシブ型の測距
装置では、図5に示すような像パターンの時には正確な
測距ができなくなることが知られている。この測距不能
状態をデフォルト(default)状態と呼ぶ。この
場合にはデフォルト信号が出力される。
【0024】図5(a)は、被写体像に明瞭なコントラ
ストがなく、いわゆるローコントラストの被写体であ
る。このような状態は、像判定手段2によってセンサデ
ータの最大値と最小値(MAX、MIN)を検出し、そ
の差を所定の値と比較することにより検出できる。
【0025】また、図5(b)は、光ノイズや電気ノイ
ズによって2つの受光レンズで見た像に差異が生じ、相
関がとれない状態を示している。このような状態は、像
判定手段2によって、相関関数の最小値を所定値と比較
することによって検出することができる。
【0026】ここで、相関関数は以下の方法で求めるこ
とができる。すなわち、まず、センサアレイ12a、1
2bを構成する各画素の出力データを、このセンサアレ
イ12a、12bのある範囲(ウィンドウ)分だけ取り
出し、このウィンドウ分の各画素についてセンサアレイ
12aと12bとの間の差をとる。次に、この差を上記
ウィンドウ分加算することにより、相関関数が求められ
る。上記ウィンドウの位置を1画素ずつズラすことにす
れば、最も像が一致した所で上記相関関数は最小値をと
る。従って、図5(b)に示すように、2つの像の一致
度が悪い場合は、左右のセンサアレイ12a、12bの
各画素の差がどのウィンドウ位置においても小さくなら
ないので、その和である相関関数も所定値以下にはなら
なくなるわけである。
【0027】また、図5(c)に示すような繰り返しパ
ターンでは、ウィンドウの位置を変更しても同様の像パ
ターンが現れるので、複数のウィンドウ位置で相関関数
の減少が見られ、この場合も正確な測距が困難となる。
このような状態は、像判定手段2によって、左右いずれ
かのセンサアレイのMAX値とMIN値の周期性を検出
することにより判定することができる。
【0028】CPU10は、像判定手段2での信頼性に
関する判定結果に応じて、上記した図5に示す像信号の
例で言えば、例えば図5(a)におけるコントラストの
判定レベルを変化させたり、図5(b)における相関関
数の最小値レベルを変化させたりして、デフォルト信号
が出やすくしたり、出にくくしたりする。デフォルト信
号が出にくい場合はピント合せの精度は劣化するが、そ
こそこのピントでの撮影が可能である。
【0029】一方、デフォルト信号が出やすくなるよう
に設定した場合には、デフォルトが出ない時の信頼性は
高いことになるので高精度で測距できるが、すべてのポ
イントでデフォルトが出てしまうと、もはや測距は不能
なのでピント合せレンズを固定焦点にしてしまうか、レ
リーズ禁止、又は警告を発するようにする。
【0030】このように、第1実施形態では、デフォル
ト信号の判定レベルを切りかえて、最初は、デフォルト
信号を出やすくして、厳密に正確なピント合せを行える
ポイントを選び、それが不可能な時には、デフォルト信
号の判定レベルを甘くして、レリーズが切れなくなった
り、実際に全く則していないピントでの撮影を禁止する
ようにしたことを特徴としている。
【0031】図6は、上記した第1実施形態の詳細を示
すフローチャートである。ステップS1は、先に示した
測距装置1がウィンドウを切り変えながら測距の方向を
変えて、複数ポイントの測距を行うマルチAFのステッ
プである。ステップS2は、像判定手段2が、まずデフ
ォルトが出やすい状態でデフォルト判定を行い、確実に
測距できるポイントを選ぶ。次にステップS3ですべて
のポイントがデフォルトか否かを判断し、ここでNOの
場合は次のステップS4にて、デフォルトでないポイン
トから最近距離の選択を行い、次のステップS5にて選
択した距離を用いてピント合せを行うようにしている。
【0032】一方、ステップS3ですべてのポイントが
デフォルトであると判定された場合には、ステップS6
に進んで、例えばコントラスト判定のレベルを下げて、
次のステップS7で再度デフォルト判定を行う。ここ
で、すべてのポイントがデフォルト状態でない場合は再
度S4に分岐するが、すべてのポイントがデフォルト状
態であると再び判定された場合には、ステップS8にて
ピント合せ距離を固定焦点にし、ステップS5でピント
合せを行う。
【0033】上記したように、第1実施形態ではデフォ
ルト判定を行うためのレベル設定を2段階に切り換える
ようにしたため、ピント合せに適当な被写体がある場合
には、それを優先させて精度の良いピント合せポイント
の選択ができる。一方、ピント合せが不能な状態ではデ
フォルト判定レベルを下げて、デフォルトを出しにくく
する。この方法は精度は劣化するものの、実際のシーン
に即したピント合せを行える。これによって大きなピン
ボケや、レリーズが切れなくなるような状態を回避した
使いやすいカメラを提供できる。
【0034】以下に本発明の第2実施形態を説明する。
第1実施形態では、例えばコントラストが高い方が正確
な測距ができる、ということを前提として、信頼性判断
を厳しくした時の結果に基づいてマルチAFの選択を行
ったが、第2実施形態では、極端にコントラストが高い
場合も、主要被写体としては不自然であるという、逆の
制限を設けている。このような信頼性判定の判定値の切
り換えも、本実施形態の特徴となっている。
【0035】例えば図4(c)に示すような被写体シー
ンでは、主要被写体としての人物9aの前にコントラス
トの大きな柱9cが立っており、マルチAFの単純な近
距離優先のアルゴリズムでは柱9cにピントが合ってし
まい、人物9aにピントを合せることができない。この
ようなシーンで人物9aにピントを合わせるためには、
柱9cのコントラストは強すぎて、主要被写体としては
不適当であると判定すればよい。
【0036】図7(a)、(b)はそれぞれ、図4
(a)に示す人物2人のシーンと、図4(c)に示す人
物と柱からなるシーンをセンサアレイ12a、12bで
受光したときに得られる像パターンを示している。図7
(a)の像パターン(人物2人のシーンから得られる)
に対し、図7(b)の像パターン(人物と柱からなるシ
ーンから得られる)では、人物のコントラストCC1に
比べ、柱のコントラストCP1は変化が急峻であり、か
つ大きいので、カメラは被写体の違いを判断することが
できる。
【0037】すなわち、判定レベルを図7(b)に示す
ように、A、B、Cと順に切り換えてこれらのコントラ
ストを判定し、コントラストがレベルAからBの間に入
っている時のみ主要被写体であると考えれば、柱の測距
結果を無視した形のマルチAFの選択が可能となる。
【0038】図8は上記した第2実施形態の詳細を示す
フローチャートである。ステップS10からS13で
は、画面中央及び周辺を測距(マルチAF)し、各々の
測距エリアのウィンドウ内の像パターンデータのコント
ラストの検出を行う。ここで中央の測距結果をLc 、周
辺の測距結果をLp として表示し、コントラストをCで
表し、中央にはC、周辺にはPをつけて表す。
【0039】ステップS14、S15、S16では、中
央、周辺の各コントラストCC及びCPを、所定レベル
CCA及びCPAと比較している。これは、図7(b)
のAのレベルに相当し、測距結果の信頼性のレベルが測
距精度の上では十分であることを判断するものである。
中央と周辺でこのレベルは等しくしてもよいが、優先度
や被写体の存在確率を考慮して、中央と周辺で異なる値
をとるようにしてもよい。
【0040】まず、ステップS14でYESの場合は、
中央測距の信頼性が高い状態なので、中央か、周辺かい
ずれかを選択するためにステップS15に移行する。S
15のステップでは、周辺のコントラストが測距を行う
のに十分か否かを判定する。ここで、中央と同様に測距
の信頼性が高い場合は同列に論ずることができるので、
ステップS15はYESとなり、ステップS17に進ん
で周辺コントラストが適当か否かを判定する。ここで、
周辺コントラストが適当である場合にはステップS20
に進んでLp 及びLc の近距離の方を選択し、ステップ
S24にてピント合せを行う。
【0041】しかし、ステップS17において周辺コン
トラストが強すぎると判定された場合には、主要被写体
と判定するには不自然であるとしてステップS19に分
岐する。ここでは、周辺の測距結果Lp を排除して中央
の測距結果Lc のみでピント合せを行う。
【0042】ここでは中央に関しては、コントラストが
強すぎるか否かの判定はないが、これは、中央に比べ、
周辺にある被写体は雑被写体である可能性が高いという
統計にもとづいた仕様となっているためである。また、
同様に、ステップS15で周辺がローコントラストであ
ると判定された時も、主要被写体の候補からはずして、
ステップS19にて中央の測距結果Lc のみでピント合
せを行う。
【0043】また、ステップS14で中央がローコント
ラストであると判定された場合はステップS16に進ん
で周辺のコントラストを判定する。ステップS16で周
辺のコントラストがCPAより高い場合には、周辺を主
要被写体として判定し、S21にて周辺の測距結果Lp
を用いてピント合せを行う。このことは、図7(a)の
ような像パターンでは周辺にピントを合わせることを意
味するので、図4(a)のシーンでは背景にピントを合
わせることなしに、人物に対して正しくピント合せがで
きる。
【0044】一方、ステップS16でNOとなった場合
にはステップS18に分岐する。このことは中央、周辺
共にコントラストが低いことを意味するので、ステップ
S18で中央に対して再度、より低いコントラストの判
定レベルでコントラストの判断を行い、少しでもコント
ラストがあれば、ステップS19に進んで、精度は劣化
するものの、中央の測距結果でピント合せを行う。
【0045】しかしながら、ステップS18で再度、中
央がローコントラストであると判定された場合には、ス
テップS22に進んで、周辺の被写体についても同様
に、低いコントラストレベルの判定レベルで像判定を行
い、コントラストがあれば周辺の測距結果Lp でピント
合せを行う(ステップS21)。また、コントラストが
ないと判定された場合にはカメラの常焦点位置に固定し
て(ステップS23)、ピント合せを行ってレンズを制
御する(ステップS24)。
【0046】以上説明したように第2実施形態では、従
来、測距の精度の信頼性を判断するために使われていた
コントラスト値を用いて、これの判定レベルを切換えな
がら、被写体が主要被写体か否かを判定し、より確度の
高いピント合せポイントの選択制御を行っている。
【0047】なお、この実施形態ではコントラスト値の
判定レベルの切換の例をもとに説明したが、図5(b)
で説明した相関関数や、図5(c)で説明した繰り返し
パターンの像を判定して、マルチAFの結果選択を行っ
てもよい。例えば、図9のステップS61〜S69に示
すように、周辺の被写体の相関関数が十分小さくなけれ
ばデフォルトを出力するようにして、中央の測距結果を
重視した設計を行うことも可能である。
【0048】以下に本発明の第3実施形態を詳細に説明
する。上記した第1、第2実施形態では、信頼性の判定
の値、又は像判定の判定レベルを、AFポイントの選択
時に切り換えてマルチAFの測距信号を判定し、デフォ
ルト信号の出にくいカメラ、又は正しい被写体判定を行
うカメラの提供について説明したが、第3実施形態で
は、上記判定値をカメラの撮影状況に応じて切り換える
ことによってピント合せ不能の状態になったり、レリー
ズロックがかかったりする状況を極力押さえることを意
図している。
【0049】図3に示すような撮影シーンにおいて、カ
メラ7がズームレンズを有する場合、そのズーミング動
作により、図4(a)のような写真が得られたり、図4
(b)のような写真が得られたりする。ズーミングによ
って、レンズの焦点距離が長くなると、遠い被写体でも
大きく撮影できるので、最近のカメラではこの機能を有
するものが多い。
【0050】また、いわゆるプログラムシャッター付の
自動露出カメラの場合、被写体の明るさによって撮影レ
ンズの絞り値が変化するが、これらのズーミング位置や
絞り径によって、要求されるピント精度は変化する。本
実施形態ではこの点に留意し、ピント精度が甘くてもよ
い場合には信頼性判定のレベルを、デフォルト信号を発
生しにくい方向に変更して、警告やレリーズロックを行
って、撮影者に必要以上のわずらわしさを与えないよう
にしている。
【0051】図10(a)、(b)は、撮影レンズが被
写体30aの像を31aの位置に結像させている状況を
示す。Zはレンズの焦点距離である。図10(a)は開
放絞りが大きく焦点距離の長いレンズの結像状態を示し
ており、図10(b)は、開放絞りが小さく焦点距離の
短かいレンズの結像状態(結像位置31b)を示してい
る。図のように被写体側に共に等しいΔLの誤差がある
場合、図10(a)のレンズでは結像側にΔZ1 の誤差
を生じ、図10(b)のレンズでは、結像側にΔZ2
誤差を生じΔZ1 の方がΔZ2 よりはるかに大きい値と
なる。
【0052】つまり図10(b)のレンズでは、図10
(a)のレンズを用いた場合ほど正確にピントを合せな
くとも、写真にした時にボケがめだちにくいということ
がわかる。ズーミングにより、撮影レンズは焦点距離や
開放絞り値が変化し、また被写体の明るさによっても絞
り値が変化するので、この変動に応じてピント合せの精
度を変化させれば、どのような状況でも一定のピントで
の撮影が可能となる。このように、第3実施形態では、
信頼性判定のレベルを撮影状況に切換えるようにしてい
る。
【0053】図11は上記した第3実施形態の詳細を示
すフローチャートである。レリーズ動作がなされると、
まずステップS30において、図1に示すCPU10
は、撮影レンズ6に設けられた図示せぬズーム位置エン
コーダによって撮影レンズ6のズーミング位置を読みと
り、ステップS31にてこれが所定の値Z0より大きい
か小さいかを判別し、大きい時は望遠状態なので、より
正確な距離測定を必要とすることから、ステップS32
にてコントラスト判定レベルを大きく設定して(C
A)、測距を行う(ステップS34)。そして、ステッ
プS35で測距時の被写体像信号に十分なコントラスト
があるか否かを判定し、十分なコントラストがある場合
にはステップS36に分岐してピント合せを行うように
する。
【0054】一方、ステップS35にてコントラストが
低いと判定されれば、警告して、固定焦点とする(ステ
ップS37、S38)。あるいはレリーズ動作そのもの
を禁止してもよい。
【0055】また、ステップS31にて、ズームレンズ
位置が広角側にあると判断された場合は、ローコントラ
スト判定レベルを下げて(CC)、測距の精度を必要以
上に上げることなく、デフォルトを出にくくして、ステ
ップS35からステップS36に分岐させて、わずらわ
しい撮影時の警告動作に分岐しないようにする。
【0056】図12は上記した第3実施形態の変形例を
示す図であり、この場合は、図1の被写体輝度測定回路
5で得られる測光結果としての輝度BVに基づいて、コ
ントラスト判定のレベルを切換えている。
【0057】銀塩フィルムを利用するカメラの場合、実
際にはフィルムの感度も考慮し、決められたプログラム
にもとづいて絞り値を求めてから、必要なピント精度を
求めるが、図では説明の単純化のために輝度で切り換え
る例を示している。
【0058】まず、ステップS50で測光を行ない、ス
テップS51で明るさを判定する。ここで明るい時はス
テップS53に分岐し、ローコントラスト判定レベルを
低く(CC)して、ステップS54で測距を行う。これ
は、明るい時は、撮影レンズの絞りを絞ってもレンズを
通過する光が多く露出が適正になるためで、絞りが小さ
いとピント精度が多少悪くとも、ピンボケにならない。
また、ステップS51で暗いと判定された場合には、ス
テップS52に移行してローコントラスト判定レベルを
高く(CA)して、ステップS54で測距を行う。次に
ステップS55に進んでデフォルトの判定を行う。この
ステップの内容は図11に示すステップS35〜S39
のステップと同様なので詳細な説明は省略する。
【0059】このように本実施形態では撮影時のタイム
ラグやシャッターチャンスを優先して、デフォルト信号
が出にくいようにしてユーザーのカメラ使用感を向上さ
せている。
【0060】以上説明したように第3実施形態では、撮
影シーンに応じて、信頼性判定のレベルを切り換えて、
ピントを犠牲にすることなく、カメラ使用時のピント確
認のわずらわしさを極力なくすように工夫している。ま
た、動いている被写体を撮影する場合や、連写のように
即写性を優先させるモードを図1のモード検出手段4に
てCPU10が検出し、それに応じて信頼性判定レベル
を切換えるようにしてもよい。
【0061】以下に図13及び図14を参照して本発明
の第4実施形態を説明する。図2に示す構成の測距装置
1では、同一の被写体距離でも、図13(a)、(b)
のように、カメラの撮影レンズのズーム位置によって被
写体の大きさが変化するが、マルチの測距ポイントが一
定の角度を持つ場合は、図13(a)、(b)のように
ズーミングによって、測距ポイントの両面内における配
置が変化してしまう。
【0062】図13(a)は広角側の場合、図13
(b)は望遠側の場合である。図13(b)のような状
況では、一番外側の測距ポイントLL、RRの点に主要
被写体が存在する事はきわめてまれなので、信頼性判定
のレベルを厳しくして、よほど信頼性が高くないと、こ
のポイントにピントが行かないようにして失敗写真を防
止している。
【0063】図14は上記した第4実施形態の詳細を説
明するためのフローチャートである。まず、ステップS
71でズーミング位置を検出し、次のステップS72で
望遠側か広角側かを判定する。望遠側の場合には、最も
画面中央から遠い、RR、LLの測距ポイントでは、信
頼性が少しでも低いとデフォルトデータが出るように、
判定レベルを切り換えて信頼性のレベルを上げて測距を
行う(ステップS73)。一方、広角側の場合には、信
頼性のレベルを他のポイントと同じ判定レベルに設定す
る(ステップS74)。
【0064】次にステップS75でデフォルトの判定を
行い、デフォルトが出たポイントはピント合せの対象か
らはずして、デフォルトでないものから最近距離の選択
を行ない、ピント合せを行う(ステップS76、S7
7)。このように望遠時にはLL、RRの重みづけの低
い測距を行って失敗写真を防止している。
【0065】以上説明したように、第4実施形態では、
どのズーム位置、画角においても、測距装置に特別の工
夫をすることなく、簡単に失敗写真を防止できるマルチ
AFカメラの提供が可能となる。
【0066】なお、上記した具体的実施形態には、以下
のような構成を有する発明が含まれている。 (1)撮影画面内の複数ポイントに位置するそれぞれの
被写体までの距離を測定して、撮影レンズのピント位置
を一義的に決定する多点測距装置において、上記複数ポ
イントに対する測距演算過程におけるそれぞれの信頼値
と所定値とを比較する比較手段と、上記撮影レンズのピ
ント位置決定を含む一連の測距シーケンスを制御すると
共に、上記所定値を変更可能な制御手段と、を具備した
ことを特徴とする多点測距装置。 (2)被写体像信号の状態を検出する検出手段を備え、
上記制御手段は、上記複数ポイントの中からピント合せ
するポイントを選択する際に、上記被写体像信号の状態
が、所定の条件に合致するか否かを判別して、合致しな
いと判別したポイントを上記ポイント選択の範囲から除
外することを特徴とする(1)記載の多点測距装置。 (3)上記ポイントの除外は、撮影画面の周辺部に配さ
れたポイントのみについて行うことを特徴とする(2)
記載の多点測距装置。 (4)撮影画面内の複数ポイントが測距できる多点測距
装置において、測距動作を含むカメラシーケンスを制御
する制御手段と、上記複数ポイントに対する測距演算を
行う測距手段と、上記測距演算過程の信頼値を複数の判
定値と比較可能な判定手段と、を具備し、上記制御手段
は、上記判定手段の出力に応じて、上記判定値を切換え
てから上記複数ポイントに対する測距演算を行わせ、そ
の結果に基づいて撮影レンズのピント合せ位置を決定す
ることを特徴とする多点測距装置。 (5)カメラの多点測距装置において、被写体像を入力
して撮影画面内の複数ポイントについて焦点検出演算を
行う演算手段と、上記焦点検出演算過程におけるパラメ
ータ値と所定の判定値とを比較する判定手段と、上記判
定手段により、その測距演算結果が不適正であると判断
された場合、上記所定の判定値を切換える制御手段と、
を具備し、焦点検出不能な測距ポイントを減少させたこ
とを特徴とする多点測距装置。 (6)上記パラメータ値は、被写体像のコントラスト
値、相関演算値の少なくともいずれか一方であり、上記
所定の判定値は、撮影レンズの焦点距離、または露光時
の絞り値に応じて初期設定されることを特徴とする
(5)記載の多点測距装置。 (7)撮影画面内の複数ポイントに位置するそれぞれの
被写体にピントを合わせるための条件を設定して、撮影
レンズのピント位置を一義的に決定する多点測距装置に
おいて、被写体像を受け、上記複数ポイントについてそ
れぞれ測距演算を行う演算手段と、上記演算手段による
測距演算過程のパラメータ値を所定値と比較し、その比
較結果に基づいて上記撮影レンズのピント合せ位置を決
定する決定手段と、上記撮影レンズのピント合せ位置が
一義的に決定できない場合、必要なピント合せ精度、も
しくは撮影画面内のコントラスト状態に基づいて、上記
所定値を変更してからピント合せ位置を決定させる制御
手段と、を具備したことを特徴とする多点測距装置。 (8)撮影画面内の複数ポイントに位置するそれぞれの
被写体にピントを合わせるための条件を測定して、撮影
レンズのピント位置を一義的に決定する多点測距装置に
おいて、被写体像を受け、上記複数ポイントについてそ
れぞれ所定の測距演算を行い、この演算過程のパラメー
タ値を所定値と比較し、その比較結果に基づいて、上記
複数のポイントに対する測距データを出力する測距手段
と、上記測距手段が撮影画面内のポイントに対する測距
データが出力できない時、必要なピント合せ精度、もし
くは撮影画面内のコントラスト状態に応じて上記所定値
を変更してから、再度測距演算を行わせ、上記測距手段
から出力される複数の測距データに基づいて、上記撮影
レンズのピント合せ位置を一義的に決定する制御手段
と、を具備したことを特徴とする多点測距装置。 (9)上記必要なピント合せ精度は、撮影レンズの焦点
距離、ならびに露光時の絞り値に応じて決定されること
を特徴とする(7)または(8)記載の多点測距装置。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、測距状
態の信頼性を状況に応じて切り換えて測距ポイントの選
択や測距の有効性、無効性を判断するようにしたので、
正しい被写体にピントを合わせて撮影することが可能と
なり、かつ、シャッターチャンスを逃さないAFカメラ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る多点測距装置の構
成を示す図である。
【図2】図1に示すパッシブタイプの測距装置の構成を
示す図である。
【図3】撮影シーンの一例を示す図である。
【図4】被写体シーンの一例を示す図である。
【図5】正確な測距ができなくなる場合の像パターンの
例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図7】図5(a)に示すシーンと、図5(c)に示す
シーンをセンサアレイで受光したときに得られる像パタ
ーンを示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態の詳細を示すフローチャ
ートである。
【図9】本発明の第2実施形態の変形例を示すフローチ
ャートである。
【図10】撮影レンズが被写体像を特定の位置に結像さ
せている状況を示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態の詳細を示すフローチ
ャートである。
【図12】本発明の第3実施形態の変形例を示す図であ
る。
【図13】ズーミングによって、測距ポイントの画面内
の配置が変化してしまう様子を示す図である。
【図14】本発明の第4実施形態の詳細を説明するため
のフローチャートである。
【符号の説明】
1…測距装置、 2…像判定手段、 3…レリーズスイッチ、 4…モード検出手段、 5…被写体輝度測定回路、 6…撮影レンズ、 10…CPU。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影画面内の複数ポイントに位置するそ
    れぞれの被写体までの距離を測定して、撮影レンズのピ
    ント位置を一義的に決定する多点測距装置において、 上記複数ポイントに対する測距演算過程におけるそれぞ
    れの信頼値と所定値とを比較する比較手段と、 上記撮影レンズのピント位置決定を含む一連の測距シー
    ケンスを制御すると共に、上記所定値を変更可能な制御
    手段と、を具備したことを特徴とする多点測距装置。
  2. 【請求項2】 カメラの撮影状態を検知する検知手段を
    備え、 上記制御手段は、上記検知手段の出力に応答して上記所
    定値を変更することを特徴とする請求項1記載の多点測
    距装置。
  3. 【請求項3】 上記所定値は、上記信頼値が上記所定値
    よりも高い時にのみ、上記比較手段が出力を発生するよ
    うに設計された第1の判定レベルと、上記信頼値が上記
    所定値よりも低い時であっても上記比較手段が出力を発
    生するように設定された第2の判定レベルの、少なくと
    も2段階に切換えられ、 上記制御手段は、上記複数ポイントの測距結果に基づい
    て、上記撮影レンズのピント位置を決定する際、最初は
    上記第1の判定レベルを選択し、上記測距ポイントに対
    するそれぞれの測距結果の信頼値がすべて上記所定値よ
    りも低いと判定された場合、上記第1の判定レベルから
    上記第2の判定レベルに切換えることを特徴とする請求
    項1記載の多点測距装置。
  4. 【請求項4】 被写体像信号の状態を検出する検出手段
    を備え、 上記制御手段は、上記複数ポイントの中からピント合せ
    するポイントを選択する際に、上記被写体像信号の状態
    が、所定の条件に合致するか否かを判別して、合致しな
    いと判別したポイントを上記ポイント選択の範囲から除
    外することを特徴とする請求項1記載の多点測距装置。
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