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JPH1171553A - 仮固定用光硬化性組成物及び物品の製造方法 - Google Patents

仮固定用光硬化性組成物及び物品の製造方法

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Publication number
JPH1171553A
JPH1171553A JP24780697A JP24780697A JPH1171553A JP H1171553 A JPH1171553 A JP H1171553A JP 24780697 A JP24780697 A JP 24780697A JP 24780697 A JP24780697 A JP 24780697A JP H1171553 A JPH1171553 A JP H1171553A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
water
composition
acrylate
soluble
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24780697A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshige Oikawa
宏習 及川
Mitsuyoshi Sato
三善 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP24780697A priority Critical patent/JPH1171553A/ja
Publication of JPH1171553A publication Critical patent/JPH1171553A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】物品を製造する際に使用される仮固定用の接着
剤として、接着性及びその硬化物が剥離液に対する剥離
性又は溶解性に優れ、さらにそれらの性能にバラツキの
ない仮固定用光硬化性組成物、並びに物品の製造方法の
提供。 【解決手段】エチレン性不飽和二重結合を1個有する水
溶性化合物、沸点が200℃を超える水溶性有機溶剤及
び光重合開始剤からなる仮固定用光硬化性組成物、並び
にこれを使用した物品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス部品及びセ
ラミック部品等の無機部品、金属部品、並びにプラスチ
ック部品等の各種物品の製造において、好ましくは水晶
振動子、ガラスレンズ、プラスチックレンズ及び光ディ
スク等の製造において、それらの原材料である複数の粗
形状物品を仮固定し、目的の加工等を施した後、その硬
化物を水又は水系洗浄剤により、物品の脱着が可能な仮
固定用光硬化性組成物及びこれを用いた物品の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水晶振動子、ガラスレンズ、プラスチッ
クレンズ及び光ディスク等の製造においては、これらの
原材料である粗形状物品を接着剤等により仮固定を行っ
た後、切削や研磨等の機械加工を施し所定の形状に加工
した後、接着剤の硬化物を取り除いて製造されている。
【0003】一般に水晶振動子の加工においては、ホッ
トメルト系接着剤により水晶板100枚程度を一枚づつ
積層して仮固定を行い、加工後は積層物を高温のアルカ
リ水溶液で処理し該接着剤の硬化物を溶融させ、仮固定
をはずしている。しかしながら、ホットメルト系接着剤
を仮固定に使用する場合には、接着の際に約150℃の
加熱状態で接着作業を行わなければならず、さらに水晶
板の積層は、作業者が水晶板の1枚1枚に接着剤を丁寧
に塗布する必要があり、作業性に問題を有するものであ
った。これらの問題を解決する仮固定用の接着剤とし
て、光硬化性接着剤がある(特公平5−54878号、
特開平2−88604号等)。光硬化性接着剤は、遮光
した環境下では液体であるため、ホットメルト系接着剤
のように加熱溶融して液状にする必要はなく、又塗布性
にも優れている。さらに水晶板の積層は、水晶板を積層
した後、接着剤を含浸させればよく、又含浸させた接着
剤は、光照射により瞬時に固定できるため、作業性にも
優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
5−54878号で開示された接着剤のように、ウレタ
ン(メタ)アクリレート又はポリエステル(メタ)アク
リレート等の(メタ)アクリレートプレポリマーと水溶
性のエチレン性二重結合を有しているモノマーとからな
る光硬化性接着剤は、積層物を加工後に温水等により取
り外すことが可能であるが、接着剤の硬化物がフィルム
状で水には不溶であるため、水晶振動子等の小さな物品
に使用する場合には、物品の脱着後に水晶振動子表面に
残った接着剤の硬化物を除去することが困難である。
【0005】又、特開平2−88604号で開示されて
いる、水溶性ビニル化合物を主成分とし、プレポリマー
等を含有しない光硬化型接着剤の場合は、水又は温水に
より、接着剤の硬化物を溶解させることができるが、そ
の硬化物は剥離液に対する剥離性又は溶解性が十分なも
のではなく、物品を脱着するのに時間を要することがあ
り、生産性の点で満足のいくものではなかった。
【0006】これら問題を解決する組成物として、水溶
性ビニル化合物と水からなる組成物(特許第25459
51号)や水溶性ビニル化合物と発泡剤及び溶剤からな
る組成物(特開平2−140279号)が提案されてい
る。しかしながら、これらの組成物によれば硬化物の剥
離性は改善されるものの、接着に際して、光照射の際の
温度上昇により組成物中に含まれる水や溶剤が気化する
ため接着面にバラツキが生じてしまい、従って組成物の
接着性及びその硬化物の脱着性にもバラツキが生じてし
まい、特に精密加工における歩留まりが多くなるという
問題を有するものであった。
【0007】本発明者らは、接着性及びその硬化物が剥
離液に対する剥離性又は溶解性に優れ、さらにそれらの
性能にバラツキのない仮固定用光硬化性組成物及び物品
の製造方法を見出すため、鋭意検討を行ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、エチレン性不飽和
二重結合を1個有する水溶性化合物と沸点が200℃を
超える水溶性有機溶剤とを併用した光硬化性組成物が、
接着性及び剥離液に対する剥離性又は溶解性に優れ、そ
れらの性能にバラツキがなく、物品を製造する場合に、
優れた作業性及び生産性を有することを見い出し、本発
明を完成した。以下、本発明を詳細に説明する。尚、本
明細書においては、アクリロイル基又は/及びメタクリ
ロイル基を(メタ)アクリロイル基と、アクリレート又
は/及びメタクリレートを(メタ)アクリレートとい
う。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の第1発明は、エチレン性
不飽和二重結合を1個有する水溶性化合物、沸点が20
0℃超える水溶性有機溶剤及び光重合開始剤からなる仮
固定用光硬化性組成物である。以下、それぞれの成分に
ついて説明する。
【0010】(A)エチレン性不飽和二重結合を1個有
する水溶性化合物 本発明の組成物では、エチレン性不飽和二重結合を1個
有する水溶性化合物を使用する。これにより、得られる
組成物の硬化物を、剥離液、特に水又は水系洗浄剤に対
する剥離性又は溶解性に優れたものとすることができ
る。エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物
の場合、その硬化物が三次元構造を有するため、剥離液
に対して十分な剥離性及び溶解性を持たない。
【0011】エチレン性不飽和二重結合を1個有する水
溶性化合物としては、種々の化合物が使用でき、好まし
くは1個の(メタ)アクリロイル基を有する水溶性(メ
タ)アクリレートである。1個の(メタ)アクリロイル
基を有する水溶性(メタ)アクリレートの中でも、水酸
基含有(メタ)アクリレート、窒素含有(メタ)アクリ
レート、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート及び
リン酸基含有(メタ)アクリレートが、組成物の硬化物
が、水又は水系洗浄剤による剥離性又は溶解性に優れる
ことから好ましい。
【0012】水酸基含有(メタ)アクリレートとして
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のアリ
ール置換ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、
1,2−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の
ジヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、並びに3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト等のハロゲン置換ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。
【0013】窒素含有(メタ)アクリレートとしては、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリ
ノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル
モルホリン、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチ
ル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド及びジメチルアミノプロピルメ
チル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミ
ド等が挙げられる。これらの中でも、組成物の臭いが少
ない上その硬化速度が速く、水晶及びガラス等への密着
性に優れることから(メタ)アクリロイルモルホリンが
好ましい。
【0014】カルボキシル基含有(メタ)アクリレート
としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハ
ク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸
及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒド
ロフタル酸等が挙げられる。
【0015】リン酸基含有モノマーでは、2−(メタ)
アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、1−
(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−アシッドホ
スフェート及び1−クロロ−3−(メタ)アクリロイル
オキシプロピル−2−アシッドホスフェート等が挙げら
れる。
【0016】これら1個の(メタ)アクリロイル基を有
する水溶性(メタ)アクリレートの中でも、窒素含有
(メタ)アクリレートを使用することが、組成物の接着
性とその硬化物の剥離性又は溶解性のバランスに優れる
ため好ましく、さらには(メタ)アクリロイルモルホリ
ンを使用することが、皮膚一次刺激性(P.I.I.)
が〔アクリロイルモルホリンのP.I.I.は0.5〕
低いことからより好ましい。
【0017】(メタ)アクリレート以外のエチレン性不
飽和二重結合を1個有する水溶性化合物としては、N−
ビニルホルムアミド等が挙げられる。
【0018】これらのエチレン性不飽和二重結合を1個
有する化合物は、2種以上を併用することもできる。
【0019】(B)沸点が200℃を超える水溶性有機
溶剤 本発明の水溶性有機溶剤は、沸点が200℃を超えるも
のを使用し、好ましくは230℃以上のものである。こ
れにより、組成物が基材に対する接着性に優れたものと
なる。さらに当該有機溶剤が水溶性であるため、その硬
化物が、剥離液、特に水又は水系洗浄剤による剥離性又
は溶解性に優れたものとなる。沸点が200℃以下の水
溶性有機溶剤を使用する場合は、組成物中の当該成分が
光照射時に発生する熱により気化してしまうため、その
硬化物が気泡を含んでしまい、基材への接着性にバラツ
キを生じてしまう。又、水溶性有機溶剤の沸点の上限と
しては、500℃が好ましい。尚、本発明において沸点
とは、常圧における値を言い、常圧において沸点を測定
できない高沸点の水溶性有機溶剤の場合は、減圧下で測
定した沸点値を常圧に換算した値を言う。
【0020】当該水溶性有機溶剤の具体例としては、ジ
エチレングリコール〔沸点(以下省略)244℃〕、ジ
プロピレングリコール(231℃)、トリエチレングリ
ゴール(270℃)、テトラエチレングリコール(32
7℃)及びポリエチレングリコール等のアルキレングリ
コール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(2
18℃)及びジエチレングリコールモノブチルエーテル
(230℃)等のアルキレングリコールモノアルキルエ
ーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル(2
16℃)等のアルキレングリコールジアルキルエーテ
ル、エチレンカーボネート(238℃)等のカーボネー
ト、ジエタノールアミン(269℃)及びトリエタノー
ルアミン(360℃)等のエタノールアミン、N−メチ
ルピロリドン(204℃)等のラクタム、並びにN−メ
チル−N,N−ジエタノールアミン(246℃)等のア
ルカノールアミンが挙げられる。これらの中でも、沸点
が230以上のアルキレングリコールが好ましく、より
好ましくは、臭気が少ない上、安価であるジエチレング
リコール及びトリエチレングリコールである。
【0021】本発明に使用される水溶性有機溶剤の配合
割合は、エチレン性不飽和二重結合を1個有する水溶性
化合物100重量部に対して1〜100重量部であるこ
とが好ましく、より好ましくは5〜50重量部である。
この割合が1重量部に満たないと、組成物の硬化物が水
又は水系洗浄剤により充分に溶解又は剥離し難くなくこ
とがあり、他方100重量部を越える場合は、基材に対
する接着強さが低下する場合がある。
【0022】(C)光重合開始剤 本発明に使用される光重合開始剤は、紫外線又は可視光
線を照射することにより、ラジカルを発生する化合物で
あれば良い。紫外線重合開始剤としては、ジエトキシア
セトフェノン及びベンジルジメチルケタール等のアセト
フェノン系開始剤、ベンゾイン及びベンゾインエチルエ
ーテル等のベンゾインエーテル系開始剤、ベンゾフェノ
ン及びo−ベンゾイル安息香酸メチル等のベンゾフェノ
ン系開始剤、ブタンジオン、ベンジル及びアセトナフト
フェノン等のαジケトン系開始剤、並びにメチルチオキ
サンソン等のチオ化合物を挙げることができる。可視光
重合開始剤としては、カンファーキノン、7,7−ジメ
チル−2,3−ジオキソビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ
ン−1−カルボン酸、7,7−ジメチル−2,3−ジオ
キソビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−1−カルボキシ
−2−ブロモエチルエステル、7,7−ジメチル−2,
3−ジオキソビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−1−カ
ルボキシ−2−メチルエステル及び7,7−ジメチル−
2,3−ジオキソビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−1
−カルボン酸クロライド等のカンファーキノン系化合
物、並びにベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイ
ド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィン
オキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホス
フィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド及び2,4,
6−トリメチルベンゾイルジエトキシフェニルホスフィ
ンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物等
を挙げることができる。尚、これらの中には、紫外線領
域にも吸収領域があるものもある。積層仮固定に使用す
る場合は、光が透過し易いという理由から、可視光重合
開始剤を使用することが好ましい。さらに、硬化深度が
良好であるアシルホスフィンオキサイド化合物がより好
ましく、その中でも2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキサイドを使用することが特に
好ましい。
【0023】光重合開始剤の組成物中の配合割合は、エ
チレン性不飽和二重結合を1個有する水溶性化合物に対
して、又は組成物に下記する光硬化性の非水溶性1官能
モノマー、多官能モノマー及びオリゴマーを配合する場
合は、これらとの合計量に対して、0.01〜10重量
%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%であ
る。0.01重量%未満の場合は、光硬化性が十分でな
くなり、又10重量%を越える場合は、光硬化性の改善
が見られないままコスト高を招くことになる。
【0024】(D)その他の成分 本発明の組成物に、得られる硬化物の溶解性や密着性の
改質を目的として、各種可塑剤や光硬化性のオリゴマー
を配合することができる。又、接着性の向上等の目的の
ために、光硬化性の非水溶性1官能モノマー、多官能モ
ノマー及びオリゴマーを、硬化物の脱着に問題ない程度
の割合で配合することもできる。
【0025】光硬化性の非水溶性1官能モノマーとして
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及び
セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイ
ソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート及び
ノニルフェニル(メタ)アクリレート等のアリール(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の
アリール置換アルキル(メタ)アクリレート、テトラヒ
ドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環状(メ
タ)アクリレート並びに環状アルケニル(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。環状アルケニル(メタ)アクリ
レートとしては、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレ
ート、並びにジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)
アクリレート及びジシクロペンテニルオキシプロピル
(メタ)アクリレート等のジシクロペンテニルオキシア
ルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0026】光硬化性の多官能モノマーとしては、具体
的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及
びトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等
のグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール
Aジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレン
オキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物等の
アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレー
ト、並びにトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポ
リオール及びそのアルキレンオキサイドの(メタ)アク
リレート等が挙げられる。
【0027】光硬化性のオリゴマーとしては、ウレタン
(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート
及びポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0028】ウレタン(メタ)アクリレートとしては、
アルコール、有機ポリイソシアネート及びヒドロキシル
基含有(メタ)アクリレートの反応物が挙げられる。こ
の場合、アルコールとしては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノール及び3−メチル−1,5−ペン
タンジオール等の低級アルコール、ポリエチレングリコ
ール及びポリプロピレングリコール等のポリエーテルポ
リオール等や、これらのアルコールと、アジピン酸、コ
ハク酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒド
ロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水
物等とから得られるポリエステルポリオール等が挙げら
れる。有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロ
ンジイソシアネート等が挙げられる。又、ヒドロキシ基
含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0029】エポキシ(メタ)アクリレートとしては、
例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂或いはそのハロ
ゲン核置換体、又はビスフェノールF型エポキシ樹脂又
はそのハロゲン核置換体と、(メタ)アクリル酸との反
応物が挙げられる。
【0030】ポリエステルアクリレートとしては、例え
ばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール、プロピレングリコール、ポリプロピレング
リコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロール
プロパン及びこれらのアルキレンオキシド付加物等のア
ルコール、とアジピン酸、コハク酸、フタル酸、テトラ
ヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル
酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸とから得られるポ
リエステルポリオールと、(メタ)アクリル酸との脱水
縮合物が挙げられる。
【0031】又、本発明の組成物には、所望成分とし
て、アミン化合物等の増感剤(ミヒラーケトン等)、有
機過酸化物、染料(具体的には、オイルレッド及びスダ
ンーI等の油溶性染料、オレンジII及びセリトンファ
ストイエロG等のアゾ染料、ローダミンB等のキノンイ
ミン染料、インダスレンブリリアントピンクR等のイン
ジゴイド染料、サンレッドNo 1及びサンレッドLN等の
アンスランキノン染料、ホワイトフローB等の蛍光染
料、並びに赤色2号、赤色3号、赤色106号、黄色5
号、青色1号、アカミンFR−100及び朱色No 101等
の食用色素等)、さらに、レドックス系の重合開始剤や
ラジカル重合安定剤等を配合することができる。
【0032】(E)使用方法 本発明の組成物は、ガラス部品及びセラミック部品等の
無機部品、金属部品、並びにプラスチック部品等の各種
物品の製造における仮固定に好ましく使用でき、より好
ましくは可視光又は紫外線を透過できる材料から製造さ
れる、水晶部品、ガラス部品及びプラスチック部品等の
製造における仮固定に使用でき、更に好ましくは水晶振
動子、ガラスレンズ、プラスチックレンズ及び光ディス
クの製造における仮固定に使用できる。
【0033】本発明の第2発明は、第1発明の組成物を
使用した、下記工程(1)〜(4)からなる物品の加工
方法である。 (1)第1発明の組成物を介して複数の粗形状物品を積
層する。 (2)積層した粗形状物品に可視光又は紫外線を照射し
て、組成物を硬化させて物品同士を仮固定する。 (3)仮固定した積層物に機械的加工を施し所定の形状
にする。 (4)機械加工された積層物を水又は水系洗浄剤に浸漬
して、組成物の硬化物を剥離又は溶解させて、各物品を
取り外す。
【0034】(1)工程において、第1発明の組成物を
介して複数の粗形状物品の積層方法としては、種々の方
法が採用され、例えば複数の粗形状物品を束ねた後、こ
れに第1発明の組成物に含浸させる方法等が挙げられ
る。粗形状物品の板間に第1発明の組成物を含浸させる
方法としては、超音波含浸方法や真空含浸方法がある。
【0035】次に、(2)工程では、(1)工程で得ら
れた積層した粗形状物品に、可視光又は紫外線を照射し
て、組成物を硬化させて物品同士を仮固定する。可視光
又は紫外線を照射条件としては、使用する組成物の硬化
条件に従って適宜設定すれば良い。
【0036】さらに(3)工程では、仮固定した積層物
に、切断、研磨等の機械的加工を施し所定の形状する。
機械的加工の方法としては、目的とする物品の加工方法
に従えばよい。
【0037】(4)工程では、(3)工程で得られた機
械加工された積層物を、組成物の硬化物を剥離又は溶解
できる剥離液に浸漬して、組成物の硬化物を剥離又は溶
解させて、各物品を取り外す。仮固定した組成物の硬化
物を溶解又は剥離するための剥離液としては、水、水系
洗浄剤及び有機溶剤等が挙げられる。第2発明は、当該
剥離液として水又は水系洗浄剤を使用するものである。
水又は水系洗浄剤によれば、本発明の組成物の硬化物を
容易に溶解又は剥離させることができる上、水又は水系
洗浄剤は引火性がなく安価なため、安全にしかも安価に
物品を製造することができる。
【0038】水系洗浄剤としては、水に例えば0.01
〜20重量%の苛性ソーダを溶解させたものや、家庭用
又は工業用の洗浄剤を配合したもの及び又はエタノール
等の親水性の有機溶媒を配合したものが挙げられる。
【0039】有機溶剤としては、ノナン、デカン及びト
リデカン等の脂肪族系溶剤、環状脂肪族のナフテン系溶
剤、トルエン及びキシレン等のアルキルベンゼン系溶
剤、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル及びジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類、メ
タノール、エタノール及びイソプロパノール等のアルコ
ール類、アセトン及びメチルイソブチルケトン等のケト
ン類、並びに塩化メチレン及びトリクロロエチレン等の
塩素系溶剤等が挙げられ、これらを任意の配合比で混合
したシンナー類の有機溶剤が挙げられる。
【0040】仮固定した材料の脱着方法としては、工業
的に一般に用いられている方法を採用することができ
る。例えば、仮固定した積層物を水又は水系洗浄剤にそ
のまま浸漬、好ましくは加温して、硬化物を溶解又は剥
離させる。この場合、機械的に浸漬揺動、超音波及びバ
ブリング等の操作を加えることもできる。
【0041】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をよ
り具体的に説明する。尚、各例において、部は重量部を
意味する。 ○実施例1 アクリロイルモルホリン100部、ジエチレングリコー
ル20部及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイド〔BASF社製、ルシリンT
PO〕1部を混合し、組成物を製造した。得られた組成
物を使用して、以下に示す接着試験及び脱着試験を行っ
た。それらの結果を表1に示す。
【0042】・接着試験 ガラステストピース(30×25×8mm)の25×2
5mm部分に組成物を塗布し、これにもう1枚の同じガ
ラステストピースをラップさせた。当該テストピース
に、スポットタイプの光照射装置SPOTCURE(ウ
シオ電機製)を使用して光照射して仮接着を行った後、
さらにコンベアタイプの高圧水銀灯により、4000m
J/cm2 の条件で光照射して本硬化を行った。得られ
た試験体を使用して、JIS K 6852に準じて圧
縮剪断接着強度を測定した。
【0043】・脱着試験 スライドガラス(26×76×1.5mm)の5×76
mm部分に組成物を塗布し、これにもう1枚の同じスラ
イドガラスをラップさせた以外は上記と同様の条件で組
成物を硬化させた。得られた試験体を、温水(60℃)
に浸漬し、脱着に要する時間を測定した。
【0044】○実施例2〜5 表1に示す種類の原料を表1に示す組成で使用した以外
は実施例1と同様にして組成物を製造した。得られた組
成物について、実施例1と同様に、接着試験及び脱着試
験を行った。それらの結果を表1に示す。
【0045】
【表1】 ※各組成における数字は部を示す。 ※DEAB:ジエチルアミノベンゾフェノン
【0046】○比較例1〜5 表2に示す種類の原料を表2に示す組成で使用した以外
は実施例1と同様にして組成物を製造した。得られた組
成物について、実施例1と同様に、接着試験及び脱着試
験を行った。それらの結果を表2に示す。
【0047】
【表2】 ※各組成における数字は部を示す。 ※※DEAB:ジエチルアミノベンゾフェノン
【0048】比較例4及び5の組成物は、沸点200℃
未満の水溶性溶剤を添加しているため、接着強さ及び脱
着時間にバラツキが生じてしまい、一定の数値が得られ
なかった。
【0049】○実施例4 縦5mm×横40mm×厚さ0.4mmの同一寸法の水
晶板を輪ゴムで100枚束ねた。これをシャーレに入
れ、シャーレの中に実施例1の組成物に完全に沈んでし
まうまで入れた。束ねた水晶板が入ったシャーレを真空
乾燥器に入れ、真空乾燥器の圧力を減圧にして、真空脱
気を行った後、シャーレを真空乾燥器から取り出した。
シャーレから束ねた水晶板を取り出し、積層面に上下か
ら可視光線を照射して、水晶板同士の間隙に入った組成
物を硬化させ仮固定を行った。仮固定を行った水晶板の
積層物を、水晶振動子の形状に機械加工を行った後、実
施例1と同様の条件で、組成物の硬化物を溶解させたと
ころ、最終製品の水晶振動子を問題なく取り外すことが
でき、又それらには組成物の硬化物が付着していなかっ
た。実施例2〜同5の組成物を使用し、同様の方法で試
験を行ったとろ、いずれの組成物も問題なく水晶振動子
を製造することできた。
【0050】
【発明の効果】本発明の仮固定用光硬化性組成物は、接
着性及びその硬化物が剥離液に対する剥離性又は溶解性
に優れ、さらにそれらの性能にバラツキがないため、当
該組成物を使用して物品を製造する場合、作業性及び生
産性に優れるものとなるのである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン性不飽和二重結合を1個有する水
    溶性化合物、沸点が200℃を超える水溶性有機溶剤及
    び光重合開始剤からなる仮固定用光硬化性組成物。
  2. 【請求項2】下記工程(1)〜(4)からなる物品の製
    造方法。 (1)請求項1記載の仮固定用光硬化性組成物を介して
    複数の粗形状物品を積層する。 (2)積層した粗形状物品に可視光又は紫外線を照射し
    て、組成物を硬化させて物品同士を仮固定する。 (3)仮固定した積層物に機械的加工を施し所定の形状
    にする。 (4)機械加工された積層物を水又は水系洗浄剤に浸漬
    して、組成物の硬化物を剥離又は溶解させて、各物品を
    取り外す。
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