JPH11336523A - 船外機におけるエンジン用オイルポンプ構造 - Google Patents
船外機におけるエンジン用オイルポンプ構造Info
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- JPH11336523A JPH11336523A JP10145767A JP14576798A JPH11336523A JP H11336523 A JPH11336523 A JP H11336523A JP 10145767 A JP10145767 A JP 10145767A JP 14576798 A JP14576798 A JP 14576798A JP H11336523 A JPH11336523 A JP H11336523A
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Abstract
分に係る負荷を均等にし、駆動軸の局所的な磨耗を避け
る。 【解決手段】 クランク軸21が上下方向となるエンジ
ン配置とした船外機用トロコイド式オイルポンプであっ
てクランク軸の鉛直下方位置に固定し、ポンプのインナ
ーギヤに回転一体に連結すると共に、ポンプケースに回
転可能に支持される筒状の位置決め部材117を設け、
同部材の内面に、駆動軸79と係合するスプライン係合
部117dを形成し、先端がクランク軸に連結され、下
端がプロペラ等の推進手段に連結する駆動軸に、位置決
め部材に係合するスプライン係合部79bを形成すると
共に、この駆動軸のスプライン係合部の軸線方向の長さ
を、位置決め部材のスプライン係合部の軸線方向の長さ
より短くして、組立時に駆動軸のスプライン係合部全体
が、位置決め部材のスプライン係合部に係合するように
構成した。
Description
ンジン用オイルポンプ構造の改良に関する。
上部に、下端がガイド部材で画定されたエンジン室を備
え、該エンジン室内に、クランク軸が上下方向となるよ
うにエンジンを搭載し、該エンジンのクランク軸の下端
に下方に延長する駆動軸を連結して、その下部に設けら
れたプロペラをエンジンの動力で回転駆動するように構
成されている。前記エンジンの各部に潤滑オイルを圧送
するオイルポンプ構造としては、シリンダヘッドに設け
たカムシャフトの下端に連結して、カムシャフトで駆動
する構造や、エンジンの下面に直接設けて、クランク軸
で駆動する構造等が従来から提案されていたが、前者は
カムシャフトの回転数がクランク軸の1/2に減速され
ている関係上、オイルポンプの駆動力が弱くなってしま
うという問題があり、また、後者は、オイル溜めからオ
イルポンプに至るオイル通路をエンジンにも形成しなけ
ればならなくなり、製造が困難になるという問題があっ
た。上記した従来のオイルポンプ構造に関する問題点を
解決するものとして、出願人は、平成8年特許願第34
3997号で、オイルポンプを、エンジン室を画定する
ガイド部材におけるエンジンのクランク軸の鉛直下方位
置にオイルポンプを固定し、このオイルポンプをクラン
ク軸に連結される駆動軸で駆動させるオイルポンプ構造
を提案した。図12は、上記したオイルポンプ構造を示
す概略縦断面図である。この図に示すように、上記した
オイルポンプ構造は、トロコイド式オイルポンプ200
をガイド部材203上に固定し、オイルポンプ200の
インナーギヤ201に筒状の位置決め部材205を装着
し、この位置決め部材205の内側及びクランク軸20
7の連結孔208の内側に各々スプライン係合部(雌)
205a及び208aを形成し、駆動軸209に形成さ
れたスプライン係合部(雄)209aを前記スプライン
係合部(雌)205a及び208aに係合させること
で、エンジンの動力をオイルポンプ200に伝達する。
このようなオイルポンプ構造によれば、エンジンの動力
をクランク軸209を介してオイルポンプ200に伝達
でき、また、ガイド部材203の下方に位置するオイル
溜め(図示せず)からオイルポンプ200に至るオイル
通路(図示せず)をガイド部材203に形成するだけで
よくなるので、従来の駆動力に関する欠点や構造の複雑
化に関する欠点は解消される。
ルポンプ構造は、駆動軸209に形成されたスプライン
係合部209aが一つしかないため、組立時に、図13
に示すように、駆動軸209のスプライン係合部209
aに、クランク軸209及び位置決め部材205とスプ
ライン係合している部分X及びYと、スプライン係合し
ていない部分Zとができてしまう。このような構造で
は、区同軸209aのスプライン係合部209aにおけ
るスプライン係合している部分X又はYと、スプライン
係合しないない部分Zとの境目W1及びW2にかかる負
荷が、他の部分に比べて大きくなり、この部分W1及び
W2が局所的に磨耗してしまうという問題が生じる。本
発明は、上記した問題点を改善し、駆動軸におけるオイ
ルポンプ及びクランク軸との連結部分に係る負荷を均等
にし、駆動軸の局所的な磨耗を避けることができる船外
機におけるエンジン用オイルポンプ構造を提供すること
を目的としている。
ために、本発明係る船外機におけるエンジン用オイルポ
ンプ構造は、少なくとも底部がガイド部材で画定された
エンジン室を備えた船外機の前記エンジン室内に、クラ
ンク軸が上下方向となるようにエンジンを配置した船外
機であって、ポンプケースの内部にインナーギヤとアウ
ターギヤとを回転自在に設けてなるトロコイド式オイル
ポンプを前記エンジン用のオイルポンプとして、前記ガ
イド部材の上面におけるエンジンのクランク軸の鉛直下
方位置に固定し、前記オイルポンプに、インナーギヤに
回転一体に連結すると共に、ポンプケースに回転可能に
支持される筒状の位置決め部材を設け、前記筒状の位置
決め部材の内面に、前記駆動軸と係合させるためのスプ
ライン係合部を形成し、先端がクランク軸に連結され、
下端がプロペラ等を備えた推進手段に連結される駆動軸
に、前記位置決め部材のスプライン係合部に係合するス
プライン係合部を形成すると共に、この駆動軸のスプラ
イン係合部の軸線方向の長さを、位置決め部材のスプラ
イン係合部の軸線方向の長さより短くして、組立時に駆
動軸のスプライン係合部全体が、位置決め部材のスプラ
イン係合部に係合するようにしたことを特徴とするもの
である。
参照して本発明に係る船外機におけるオイルポンプ構造
の実施の形態について説明していく。図1は、本発明に
係る船外機におけるエンジン用オイルポンプ構造(以
下、単にオイルポンプ構造と称する。)を適用した船外
機を右舷側から見た外観図である。この船外機1は、ト
ップカウリング3、アッパーケース5、及びロアケース
7により構成されるハウジングを備え、このハウジング
内にエンジン等の各部品を収納している。トップカウリ
ング3は、アッパーカウル3a、ボトムカウル3b、及
びエアダクトカバー3cから構成され、それらで内部に
エンジン室9を形成している。またアッパーケース5
は、ボトムカウル3bの下端に連結され、その上部がエ
プロン11により覆われている。ロアケース7にはプロ
ペラ13を備えた推進手段15が収納されており、トッ
プカウリング3内のエンジン室に収納されたエンジン2
0で前記推進手段15を介してプロペラ13を右回り又
は左回りの何れかに回転駆動させることにより、前後方
向の推進力を得るように構成されている。また、前記ト
ップカウリング3とアッパーケース5との境には、ガイ
ド部材17が設けられている。このガイド部材17は、
前記エンジン室9の下端を画定しており、エンジン室9
内に収納されるエンジン20は、このガイド部材17に
固定されている。また、ガイド部材17には、懸架ユニ
ット19が取り付けられており、船外機1は、該懸架ユ
ニット19を介して、船体2の船尾板2aに対して上下
及び左右に回動可能に取り付けられる。
について説明する。尚、以下の説明において、上下、左
右、及び前後の各方向については、船外機1が取り付け
られた船体2を基準とする(図2及び図3参照)。図2
〜図4は、図1の船外機1のハウジング内部における各
部品の設置状態を示す図であり、図2は、右舷側から見
た船外機1の上部の部分断面図、図3は、船体2の進行
方向前方から見た船外機1の上部の部分断面図、及び図
4は、上方から見た船外機1の部分断面図を各々示して
いる。
ジン室9には、4サイクル4気筒の直列エンジン20
が、そのクランク軸21が上下方向を向き、従って、各
気筒が縦方向に配置されるように収納されている。エン
ジン20は、その下部がエンジン室9の下端を画定する
ガイド部材17の上面に固定されており、また、その上
部がカバー部材23によって覆われている。前記エンジ
ン20の本体部分は、ヘッドカバー25、シリンダヘッ
ド27、シリンダボディとクランク室の一部とを構成す
るシリンダブロック29、及びクランクケース31を積
層締結して構成されている。船外機1のエンジン室9内
では、これらの部材は、前後方向に順に配置され、クラ
ンクケース31が前方に位置し、ヘッドカバー25が後
方に位置する。
ヘッド27には、各気筒の吸・排気バルブ33,35が
装着されている。また、各バルブ33,35を駆動する
ためのカム軸37,39が各々、その回転軸線方向が上
下方向となるように、カムキャップ41とシリンダヘッ
ド27とにより構成される軸受け部分に支持されてい
る。また、図2及び図4を参照すると分かるように、各
カム軸37,39の上部はヘッドカバー25及びシリン
ダヘッド27から突出して上方に延びており、これら突
出部には各々カムプーリ43,45が回転一体に固定さ
れている。
ース31とによって画定されるクランク室47内には、
クランク軸21が、その回転軸線が上下方向を向くよう
に配置されている。このクランク軸21は、その上部が
シリンダブロック29及びクランクケース31から突出
して上方に延びており、該突出部にはタイミングプーリ
49及びフライホイール51が各々回転一体に固定され
ている。前記タイミングプーリ49と各カム軸37,3
9に固定されたカムプーリ43,45とには、タイミン
グベルト53が掛け渡されており、このタイミングベル
ト53でクランク軸21の回転を吸・排気バルブ33,
35のカム軸37,39に伝達している(図2及び図4
参照)。尚、図4中、符号55はアイドラーを示してい
る。このアイドラー55は、ガスを封入したガスシリン
ダによるテンショナー(図示せず)により、常にタイミ
ングベルト28を内側に押圧する方向に付勢され、タイ
ミングベルト53の緩みを防ぐよう機能している。
の吸気ポート59が上下方向に間隔を開けて開口してお
り、この吸気ポート59には、途中にスロットル部61
が介在する吸気通路63が接続されている。各気筒毎の
吸気通路63は、各々エンジン20の左側を通って前方
に延び、エンジン20の前方に設けられたサージタンク
65に接続されている。
は、各気筒の排気ポート67が上下方向に間隔を開けて
形成されており、これら排気ポート67は、シリンダブ
ロック29の右舷側部分に形成された一本の排気通路6
9に連通されている(図2及び図4参照)。前記排気通
路69は、シリンダブロック29内を上下方向に延び、
その下端が、ガイド部材17に形成された排気通路17
aに接続されている(図2参照)。
ン20の本体部分の内部には、シリンダ及び燃焼室等の
周囲を通るウォータジャケット(図示せず)が形成され
ている。シリンダブロック29の上部には、シリンダ及
び燃焼室周りの温度に応じてウォータジャケットに流れ
る冷却水の流量を制御するためのサーモスタットバルブ
(図示せず)が設けられており、また、シリンダブロッ
ク29の右側面下部には、ウォータジャケット内の水圧
が所定値以上にならないように、ウォータジャケットか
ら冷却水を逃がすためのプレッシャーバルブ71が設け
られている(図2参照)。このプレッシャーバルブ71
には、排水パイプ73が連結されており、該排水パイプ
73は、トップカウリング3の下方に位置するアッパー
ケース5に形成された水溜め部75に連結されている
(図2参照)。さらに、アッパーケース5の内部には、
水溜め部75と隔離された、駆動軸貫通室77が形成さ
れており、この駆動軸貫通室77を駆動軸79が上下方
向に貫通している。駆動軸79のロアケース7近傍に
は、駆動軸79の回転に連動して駆動されるウォータポ
ンプ(図示せず)が設けられており、このウォータポン
プでロアケース7から外部の水を吸い上げ、吸い上げた
水を冷却水としてエンジン20の前記ウォータジャケッ
トに供給する。
は、そのクランク軸21の各ジャーナル軸受部21a及
び各シリンダのピストンに潤滑オイルを供給するオイル
通路81が形成され、また、ガイド部材17の上面にお
けるクランク軸21の鉛直下方にはオイルポンプ100
が設けられており、該オイルポンプ100でアッパーケ
ース5に設けられたオイルパン83から潤滑オイルを吸
い上げ、前記オイル通路81を介してクランク軸21の
各ジャーナル軸受部21a等の必要個所に潤滑オイルを
供給するよう構成されている(図5参照、本図は、エン
ジン20におけるオイル通路81、オイルポンプ10
0、及びオイルパン83の関係を示す概略図であ
る。)。
うに、前記オイル通路81は、一端が前記オイルポンプ
100の吐出口113aと連通し、他端がシリンダブロ
ック29の略中央付近に設けられたフィルタ82に接続
されたオイル導入路81aと、フィルタ82からシリン
ダブロック29の上端及び下端までクランク軸21に沿
って延びるメイン通路81bと、メイン通路81bから
分岐して各クランク軸21のジャーナル軸受部21aま
で延びる供給通路81cと、前記メイン通路81bから
分岐してシリンダ等の各摺動面まで延びる複数の分岐路
(図示せず)とから成る。
ポンプ100の構成を示すオイルポンプ20付近の部分
拡大断面図、図7は、オイルポンプ100の展開図、図
8は、オイルポンプを含むガイド部材の概略上面図を各
々示している。これらの図面に示すように、オイルポン
プ100は、アウターギヤ101の内側にインナーギヤ
103を嵌め合わせ、これらギヤ101,103をポン
プケース105内に回転自在に配置したトロコイド型ポ
ンプである。前記ポンプケース105は、ギヤ101,
103が回転自在に挿置できるロアケース107と、ロ
アケース107の上面を閉鎖するアッパープレート10
9とから成り、ガイド部材17の上面におけるクランク
軸21の鉛直下方にボルト等の適当な固定手段を用いて
固定されている。また、図6及び図8に示すように、ロ
アケース107には、吸込通路111と吐出通路113
とが形成されている。これらの吸込通路111と吐出通
路113は、各々その吸入口111a及び吐出口113
aがロアケース107の下面に開口しており、ガイド部
材17には、吸込通路111の吸入口111aとオイル
パン83に設けられた後述する吸込管115とを連通す
る吸込連通路17bと、前記吐出通路113の開口端と
前記オイル通路81aとを連通させる吐出連通路17c
とが各々形成されている。上記したように構成されたオ
イルポンプ100は、筒状の位置決め部材117を備え
ている。この位置決め部材117は、上側部分117a
より下側部分117bが縮径された段付き形状であり、
その上側部分117aの内径は、クランク軸21の先端
部分が挿入可能な大きさに寸法決めされ、その下側部分
117bの内径は、駆動軸79が挿入可能な大きさに寸
法決めされており、組立時に、上側部分117aがポン
プケース105のアッパープレート109に、また、下
側部分117bがポンプケース105のロアケース10
7に各々密閉的に、かつ、回転可能に支持される。ま
た、位置決め部材117の下側部分117bの外周面に
は二面幅係止部117cが形成されており、インナーギ
ヤ103に回転一体に挿入される。上記した構成によ
り、ポンプ組立時に、インナーギヤ103は、前記位置
決め部材117によってポンプケース105に対してそ
の径方向位置が固定され、インナーギヤ103とアウタ
ーギヤ109との偏心率が確実に確保できるようにな
る。また、特に図7を参照すると分かるように、この位
置決め部材117の下側部分117bの内面上部には軸
線方向に伸びるスプライン係合部(雌)117dが形成
されており、かつ、下側部分117bの内面下部にはO
リング118を装着可能な環状溝117eが形成されて
いる。前記Oリング118は、駆動軸79が位置決め部
材117に装着された後に、位置決め部材117のスプ
ライン係合部117d及び後述する駆動軸79のスプラ
イン係合部(雄)79bに塗布されたグリス等の潤滑剤
が下方に漏れるのを防止するシール部材として機能する
と共に、駆動軸79の回転軸線と位置決め部材117の
回転軸線とが、ずれないように位置決め部材117に対
する駆動軸79の径方向位置を固定する駆動軸保持手段
としても機能する。
軸21の先端部分には、駆動軸が挿入可能な連結孔21
bが形成されており、この連結孔21bの内面には、軸
線方向に伸びるスプライン係合部(雌)21cが形成さ
れている。駆動軸79には、クランク軸21の連結孔2
1bに形成されたスプライン係合部(雌)21cと係合
可能な第1スプライン係合部(雄)79aと、位置決め
部材117のスプライン係合部(雌)117dと係合可
能な第2スプライン係合部(雄)79bが間隔を開けて
別々に形成されている。図7に示すように、駆動軸79
における前記第1スプライン係合部79a及び第2スプ
ライン係合部79bの軸線方向の長さA及びBは、各々
対応するスプライン係合部(雌)21c及び117dの
軸線方向の長さa及びbより短く形成され、組み立てた
時に、第1スプライン係合部79aがクランク軸21の
スプライン係合部21c内に完全に収まり、第2スプラ
イン係合部79bが位置決め部材117のスプライン係
合部117d内に完全に収まるようにされる(図9参
照)。これにより、駆動軸79における各スプライン係
合部79a及び79bにかかる負荷が均等になり、局所
的に負荷が大きくなることが防止される。また、駆動軸
79における前記第1スプライン係合部79aと第2ス
プライン係合部79bとの間の部分及び第2スプライン
係合部79bの下方部分には、少なくともスプライン係
合部79a及び79bよりも細い細径部79c及び79
dが形成されている(図7参照)。このように、各スプ
ライン係合部79a及び79bに隣接して細径部79c
及び79dを形成することにより、例えば、走行時にプ
ロペラに藻が絡まる等して駆動軸79に外部から急激な
制動力がかかり、駆動軸79に対して過剰な衝撃力が加
えられた時に、前記細径部79c及び79dが捻られる
ようになる。本実施例におけるオイルポンプ構造では、
駆動軸79に、二つの別々の部材(クランク軸21及び
位置決め部材117)をスプライン係合しているため、
駆動軸79に対して過剰な衝撃力が加わった時に、各ス
プライン係合部79a及び79bが捻られてしまうと、
分解が困難になる可能性があるが、上記したように各ス
プライン係合部79a及び79bに隣接して細径部79
c及び79dを形成して、駆動軸79に対して過剰な衝
撃力が加わった時にこれらの細径部79c及び79dが
捻られるように構成することによりスプライン係合部7
9a及び79bが捻られることがなくなる。上記したよ
うに、駆動軸79に対して過剰な衝撃力が加わり、細径
部79c及び79dが捻られると、第1スプライン係合
部79aと第2スプライン係合部79bとの位相がずれ
るが、前記したように各スプライン係合部79a及び7
9b自体が捻られているわけではないので、駆動軸79
を回転させれば、簡単に駆動軸79をオイルポンプ10
0及びクランク軸21から取り外すことができるように
なり、分解修理が容易にできるようになるという効果を
奏する。
組み立てについて)次に、上記したように構成されたオ
イルポンプ100、エンジンのクランク軸21及び駆動
軸79の組み立てについて説明する。図10に示すよう
に、始めに、オイルポンプ100をガイド部材17にボ
ルト等の適当な固定手段で固定し、その後、駆動軸79
を下方からオイルポンプ100の位置決め部材117
に、その第2スプライン係合部79bが位置決め部材1
17のスプライン係合部117d内に完全に収まる位置
まで挿入する。尚、この時、オイルポンプ100のイン
ナーギヤ103は位置決め部材117によって、ポンプ
ケース105に対してその径方向位置が固定されている
ので、駆動軸79を挿入した時に、駆動軸79の位置ず
れ等により、インナーギヤ103の回転軸線がアウター
ギヤ109の回転軸線からずれた状態で固定されること
はなく、インナーギヤ103とアウターギヤ109との
偏心率が確実に確保でき、ポンプ性能を確実に確保する
ことができる。次に、図11に示すように、エンジンを
上方から駆動軸79に向けて降ろし、エンジンのクラン
ク軸21に形成された連結孔21bに駆動軸79の先端
部を挿入させ、連結孔21bのスプライン係合部21c
と駆動軸79の第1スプライン係合部79aを係合させ
る。尚、この時、駆動軸79は、位置決め部材117に
設けられたOリング118によって、その径方向位置が
固定されているので、エンジンを装着した時に、エンジ
ンの位置ずれ等により、駆動軸79が径方向に移動し
て、駆動軸79の回転軸線と位置決め部材117の回転
軸線とがずれることがなく、その結果、位置決め部材1
17のスプライン係合部117dの各溝と、駆動軸79
の第2スプライン係合部79bの各突起とが均等に係合
するようになるので、使用中にスプライン係合部117
d及び第2スプライン係合部79bの各溝及び各突起に
かかる負荷に偏りがなくなり、係合部の耐久性を向上さ
せることができる。また、上記したように、駆動軸79
の各スプライン係合部79a及び79bは、その軸線方
向長さA及びBがクランク軸21のスプライン係合部2
1c及び位置決め部材117のスプライン係合部117
dの軸線方向長さa及びbより短くされているので、組
み立て時に各スプライン係合部21c及び117d内に
完全に収まり、スプライン係合していない部分が生じな
くなり、局所的に負荷が増大することを防止できる。ま
た、前記Oリング118は、シール部材としての機能も
果たすので、オイルポンプ100のロアケース107に
設けられたシール部材107aと共に二重シール構造と
なり、駆動軸79と位置決め部材117と連結部分に塗
布されたグリス等に対する漏れ出し防止がより確実にな
るという効果も奏する。
におけるエンジン用オイルポンプ構造は、少なくとも底
部がガイド部材で画定されたエンジン室を備えた船外機
の前記エンジン室内に、クランク軸が上下方向となるよ
うにエンジンを配置した船外機であって、ポンプケース
の内部にインナーギヤとアウターギヤとを回転自在に設
けてなるトロコイド式オイルポンプを前記エンジン用の
オイルポンプとして、前記ガイド部材の上面におけるエ
ンジンのクランク軸の鉛直下方位置に固定し、前記オイ
ルポンプに、インナーギヤに回転一体に連結すると共
に、ポンプケースに回転可能に支持される筒状の位置決
め部材を設け、前記筒状の位置決め部材の内面に、前記
駆動軸と係合させるためのスプライン係合部を形成し、
先端がクランク軸に連結され、下端がプロペラ等を備え
た推進手段に連結される駆動軸に、前記位置決め部材の
スプライン係合部に係合するスプライン係合部を形成す
ると共に、この駆動軸のスプライン係合部の軸線方向の
長さを、位置決め部材のスプライン係合部の軸線方向の
長さより短く構成しているので、位置決め部材によって
ポンプケースに対するインナーギヤの回転中心の径方向
位置を固定することができ、オイルポンプのインナーギ
ヤに駆動軸を連結する時に、駆動軸のずれ等によってイ
ンナーギヤの回転中心がずれて、インナーギヤの回転中
心とアウターギヤの回転中心とがずれることがなくな
り、インナーギヤとアウターギヤの偏心率が確実に確保
できるようになり、ポンプ性能を最大限に生かすことが
できるという効果を奏すると共に、組立時に駆動軸のス
プライン係合部全体が、位置決め部材のスプライン係合
部に係合し、駆動軸のスプライン係合部に、スプライン
係合していない部分がなくなり、その結果、スプライン
係合部に局所的に負荷が増大する部分が生じることがな
くなるという効果を奏する。また請求項2に係るオイル
ポンプ構造によれば、前記筒状の位置決め部材の内面
に、スプライン係合した後に駆動軸が位置決め部材に対
して径方向に動くことを防止する駆動軸保持手段を設け
ているので、駆動保持手段によって係合した後の駆動軸
が位置決め部材に対して径方向に動くことが防止される
ので、最後にエンジンのクランク軸を駆動軸に連結する
時に、エンジンの位置のずれ等によって、駆動軸が位置
決め部材に対して径方向に動き、駆動軸と位置決め部材
とのスプライン係合に偏りが生じることがなくなるとい
う効果を奏する。さらに、請求項3のオイルポンプ構造
によれば、駆動軸保持手段がOリングで構成されている
ので、簡単に、また安価に上記した請求項2の効果を奏
しするオイルポンプ構造を得ることが可能になるという
効果を奏する。
イルポンプ構造を適用した船外機を右舷側から見た外観
図である。
各部品の設置状態を示す右舷側から見た船外機1の上部
の部分断面図である。
部の部分断面図である。
る。
イルポンプ100、及びオイルパン83の関係を示す概
略断面図である。
ンプ20付近の部分拡大断面図である。
7の概略上面図である。
及び位置決め部材のスプライン係合部との係合状態の詳
細を示す図6の部分拡大図である。
一部を示す図である。
程の一部を示す図である。
プ付近の部分拡大断面図である。
る駆動軸のスプライン係合部と、クランク軸及び位置決
め部材のスプライン係合部との係合状態の詳細を示す図
12の部分拡大図、(b)は(a)における円Pで囲ま
れた部分の拡大図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも底部がガイド部材で画定され
たエンジン室を備えた船外機の前記エンジン室内に、ク
ランク軸が上下方向となるようにエンジンを配置した船
外機であって、 ポンプケースの内部にインナーギヤとアウターギヤとを
回転自在に設けてなるトロコイド式オイルポンプを前記
エンジン用のオイルポンプとして、前記ガイド部材の上
面におけるエンジンのクランク軸の鉛直下方位置に固定
し、 前記オイルポンプに、インナーギヤに回転一体に連結す
ると共に、ポンプケースに回転可能に支持される筒状の
位置決め部材を設け、 前記筒状の位置決め部材の内面に、前記駆動軸と係合さ
せるためのスプライン係合部を形成し、 先端がクランク軸に連結され、下端がプロペラ等を備え
た推進手段に連結される駆動軸に、前記位置決め部材の
スプライン係合部に係合するスプライン係合部を形成す
ると共に、この駆動軸のスプライン係合部の軸線方向の
長さを、位置決め部材のスプライン係合部の軸線方向の
長さより短くして、組立時に駆動軸のスプライン係合部
全体が、位置決め部材のスプライン係合部に係合するよ
うにしたことを特徴とする船外機におけるエンジン用オ
イルポンプ構造。 - 【請求項2】 前記筒状の位置決め部材の内面に、スプ
ライン係合した後に駆動軸が位置決め部材に対して径方
向に動くことを防止する駆動軸保持手段を設けたことを
特徴とする請求項1に記載の船外機におけるエンジン用
オイルポンプ構造。 - 【請求項3】 前記駆動軸保持手段がOリングから成る
ことを特徴とする請求項2に記載の船外機におけるエン
ジン用オイルポンプ構造。
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