JPH11274546A - 半導体受光素子 - Google Patents
半導体受光素子Info
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- JPH11274546A JPH11274546A JP10092805A JP9280598A JPH11274546A JP H11274546 A JPH11274546 A JP H11274546A JP 10092805 A JP10092805 A JP 10092805A JP 9280598 A JP9280598 A JP 9280598A JP H11274546 A JPH11274546 A JP H11274546A
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Abstract
が向上する半導体受光素子を提供する。 【解決手段】 半導体受光素子100において,基板1
10の第1基板面110a上には,受光部120が形成
されている。また,第1基板面110aと対向する基板
110の第2基板面110bには,凹部110dが形成
されている。かかる凹部110dは,順メサ面が表面に
形成される楔形のV字溝状を有しており,第2基板面1
10bと略垂直な基板110の側方受光面110cと略
平行に形成されている。さらに,凹部110dには,表
面に全反射膜コーティングが施されている。かかる構成
を有する半導体受光素子100において,側方受光面1
10cから入射された入射光P1は,凹部110dによ
って反射され,基板110側から受光部120に入射さ
れる。結果として,受光部120において入射光P1が
感知される。
Description
(Photo Detector:以下,略称として
「PD」を用いる。)に関する。
体受光素子として,検出する光が基板に水平な方向から
入射される側面入射型PDが提案されている。一般に平
面実装モジュールは,製造コストの低減が主課題とさ
れ,廉価な光学素子を用いた無調心(パッシブアライ
ン)実装が実践される。
素の光軸を完全に一致させるための精密なアラインメン
トは行われない。したがって,平面実装モジュールに適
用する半導体受光素子は,優れたトレランス(許容)特
性を持ち,無調心実装の実装精度範囲内での光軸ずれが
起きても十分な感度が得られるものである必要がある。
度が得られる光軸ずれの許容範囲についての特性をい
い,通常は光軸ずれを測定する方向によってそれぞれ異
なった特徴を示す。以下の説明及び添付図面において
は,半導体受光素子のトレランス特性を説明するために
座標系を用いる。かかる座標系は,光の入射方向を基準
に,基板の幅方向をX方向とし,基板の厚み方向をY方
向とし,基板の奥行き方向をZ方向として定義する。
体層で鉛直方向から直接的或いは間接的に光吸収層を挟
み込んだ構成の積層構造体を備えており,かかる積層構
造体が受光部として機能する。すなわち,側面入射型P
Dでは,積層構造体の光吸収層に光の入射によって生じ
る電荷を相補型の半導体層を介して外部に抽出すること
によって光が検知される。従来の側面入射型PDとして
は,例えば(A)劈開受光面PDや(B)光屈折型メサ
受光面PD等が提案されている。
側面に形成された劈開面を受光面とする側面入射型PD
である。 (1)従来の劈開受光面PDとしては,例えば,図14
に示す単純pin構造の半導体受光素子600がある。
ここで,図14は,従来の半導体受光素子600の概略
構成を示すY−Z方向の断面図である。なお,単純pi
n構造とは,相補型の半導体層で光吸収層が直接的に挟
み込まれたpin接合の積層構造体をいう。
子600は,側面に劈開受光面620aが形成された積
層構造体620が例えばn+−InPの基板610上に
配置された構成を有している。さらに,かかる積層構造
体620は,基板610上にバッファ層630と光吸収
層640とキャップ層650とが順次積層された構成を
有している。
おいて,基板側の半導体層に相当するバッファ層630
は,基板610上に,例えば,n−InP層をエピタキ
シャル成長させることによって形成される。また,光吸
収層640は,バッファ層630上に,例えば,n-−
InGaAsP層をエピタキシャル成長させることによ
って形成される。さらに,半導体層に相当するキャップ
層650は,光吸収層640上に,例えば,p+−In
P層をエピタキシャル成長させることによって形成され
る。
600においては,劈開受光面620aから入射される
入射光P6は,積層構造体620内部まで導波されな
い。すなわち,半導体受光素子600においては,劈開
受光面620a近傍の光吸収層640で入射光P6が完
全に吸収され,電荷密度の局所的な増加に起因する遮断
周波数の劣化が生じ易い。
Dよりも遮断周波数に関して優れた特性を持つ劈開受光
面PDとしては,例えば,M.Shishikura,
etal.,Electron.Lett.vol.3
2,No.20,p1882−1883,1996に開
示された導波路型(Wave Guide)構造の側面
入射型PDがある。なお,導波路型構造とは,光を積層
構造体内部に導く光ガイド層が光吸収層と半導体層との
間に介在する構成,すなわち半導体層によって間接的に
光吸収層が挟み込まれた構成の積層構造をいう。
PDについて,図15に示す半導体受光素子700を例
に挙げて説明する。なお,図15は,半導体受光素子7
00の概略構成を示すY−Z方向の断面図である。図1
5に示すように,従来の半導体受光素子700は,側面
に劈開受光面720aが形成された積層構造体720が
例えばn+−InPの基板710上に形成された構成を
有している。かかる積層構造体720は,基板710上
にバッファ層730と第1光ガイド層735と光吸収層
740と第2ガイド層745とキャップ層750とを順
次積層することによって形成される。
て,半導体層に相当するバッファ層730は,基板71
0上に,例えば,n−InP層をエピタキシャル成長さ
せることによって形成される。また,第1光ガイド層7
35は,バッファ層730上に,例えば,n−InGa
AsP層をエピタキシャル成長させることによって形成
される。さらに,光吸収層740は,第1光ガイド層7
35上に,例えば,n-−InGaAsP層をエピタキ
シャルに成長させることによって形成される。
て,第2光ガイド層745は,光吸収層740上に,例
えば,n−InGaAsP層をエピタキシャル成長させ
ることによって形成される。さらに,半導体層に相当す
るキャップ層750は,第2光ガイド層745上に,例
えば,p+−InP層をエピタキシャル成長させること
によって形成される。
図14に示す上記pin構造の半導体受光素子600と
は異なり,第1光ガイド層735と第2光ガイド層74
5とによって入射光P7が積層構造体720内部に導波
され,電荷密度の局所的増加による遮断周波数の劣化が
生じづらい。したがって,導波路構造の劈開受光面PD
は,遮断周波数に関しては優れた特性を有しており,以
下に説明する光屈折型メサ受光面PDとともに従来の側
面入射型PDとして一般的に用いられている。
向のトレランス特性は,専ら,受光部を形成する積層構
造体の形状に依存する。また,Y軸方向のトレランス特
性は,専ら,積層構造体の各層の厚みに依存する。さら
に,Z軸方向のトレランス特性は,積層構造体の形状と
積層構造体の各層の厚みとの双方に依存する。したがっ
て,劈開受光面PDでは,平面実装モジュールへの適用
を目的として,特にY軸方向のトレランス特性とZ軸方
向のトレランス特性とを向上させるためには,積層構造
体を構成する各層を厚くする必要がある。
て形成するウェハは,エピタキシャル成長させる層の総
数と積層構造の総厚とに比例して製造コストが高くなり
原価が上昇する。したがって,トレランス特性の良い劈
開受光面PDは,高価に成らざるを得ない。特に,導波
路型の劈開受光面PDは,単純pin構造よりもエピタ
キシャルに成長させる層の総数が多く,より高価にな
る。
ある光屈折型メサ受光面PDについて説明する。光屈折
型メサ受光面PDとは,基板の側面に受光面としてメサ
面を形成した側面入射型PDであり,メサ面における光
の屈折を利用して基板側から積層構造体に光を導く。す
なわち,上記劈開受光面PDと異なり,光屈折型メサ受
光面PDにおいては,光吸収層の基板側の面に対して光
が入射される。
領域の面積が大きくなり,導波路構造の受光部を採用し
なくても,光吸収層における電荷密度の局所的な増加を
防止することができる。結果として,光屈折型メサ受光
面PDは,単純pin構造の受光部を採用すればよく,
イニシャルコストの低減と遮断周波数の劣化防止とを両
立させることができる。
の光が入射される面積の拡大によって,メサ面に対する
光の入射位置が多少ずれたとしても,受光感度の確保が
可能に成る。したがって,光屈折型メサ受光面PDは,
上記劈開受光面PDよりも,一般にトレランス特性が良
い。従来のメサ受光面PDには,例えば,逆メサ面を受
光面とする逆メサ受光面PDや順メサ面を受光面とする
順メサ受光面PD等がある。
によって基板内部に向けて形成される斜面(メサ面)を
いう。逆メサ面は,例えば,結晶方向とエッチングの進
行方向との異方性を用いたウェットエッチングによって
断面が壺型の溝を基板上に形成することで,溝の入り口
付近の側壁に形成することができる。従来の逆メサ受光
面PDとしては,例えば,H.Fukuno,et a
l.,Electron.Lett.vol.32,N
o.25,p2346−2348,1996に開示され
たものがある。
れに対するトレランス特性を向上させるためには,逆メ
サ面を大きくしなければならない。一般に,光学素子の
基板として用いられるInPの基板には,拡散律速のエ
ッチング液が使用される。逆メサ面が形成される壺型の
溝(逆メサ部)においては,溝に入り込んだエッチング
液は拡散されづらいため,溝を深くしようとしても,結
果的に,溝の深さ方向にはエッチングが進まずに,溝の
入り口だけが拡がってしまう。したがって,逆メサ面を
大きく成長させることは極めて困難である。通常は,逆
メサ面の増大と減少とが不定期に繰り返される。
な逆メサ面を形成しようとして壺型の溝を深くすると,
所定のチップの厚さにするための基板裏面の研磨工程で
溝に入り込むワックスの除去が極めて難しくなる。した
がって,逆メサ受光面PDは,受光面である逆メサ面に
ワックスが付着したままの状態に成り易く,受光効率が
劣化し易い。
の加工形成が容易なのが,他の光屈折率型メサ受光面P
Dである面取り入射型PD(順メサ受光面PD)であ
る。なお,順メサ面とは,逆メサ面に対して,基板外部
に向けて形成されたメサ面をいう。従来の面取り入射型
PDとしては,例えば,乗松他:1996信学会ソサイ
エティ大会,C−218に開示されたものがある。かか
る従来の面取り入射型PDについて,図16に示す半導
体受光素子800を例に挙げて説明する。
明で参照する図は,図16が,半導体受光素子800の
概略構成を示すY−Z方向の断面図である。また,図1
7〜図19が,半導体受光素子800において受光部を
小さくして接合容量を減らした半導体受光素子900の
概略構成を示すY−Z方向の断面図である。
0においては,側面に順メサ面810aが形成された基
板810上に,受光部に相当するpin構造の積層構造
体820が形成されている。半導体受光素子800にお
いて,順メサ面810aに入射された入射光P8は,順
メサ面810aにおいて屈折し,さらに基板810を斜
めに伝搬する。さらに,入射光P8は,バッファ層83
0を介して光吸収層840に入射され,光吸収層840
において吸収される。
層構造体820への光の入射角度は,使用するエッチン
グ液で決まる基板810裏面に対する順メサ面810a
の傾きと,基板810の構成物質によって決まる基板8
10の屈折率とに依存する。上記文献においては,順メ
サ面における屈折後の光の進行方向は入射方向に対して
約25.12゜であるが,このことからも分かるよう
に,一般に,積層構造体820への光の入射角度は小さ
い。
周波数を向上させようとして,図17に示す半導体受光
素子900のように形成した場合,基板820の裏面研
磨において研磨誤差が生じると,図18又は図19に示
すように,受光部である積層構造体920に入射光P9
が入射されなくなる。以上説明したように,面取り入射
型PDは,基板裏面の研磨誤差を考慮して受光部を大き
く形成しなければ成らず,遮断周波数の更なる向上は難
しいことが分かる。
体受光素子が有する上記問題点に鑑みて成されたもので
あり,製造コストの削減とトレランス特性の向上と遮断
周波数の更なる向上とをまとめて実現することができ
る,新規かつ改良された半導体受光素子を提供すること
を目的とする。また,本発明の他の目的は,設計自由度
の向上した,新規かつ改良された半導体受光素子を提供
することである。
に,請求項1に記載の発明は,/相互に対向する第1基
板面と第2基板面とを有し,第1基板面と第2基板面と
の間を光が伝搬する基板と,/基板の第1基板面上に形
成され,光を感知する受光部と,/第2基板面に形成さ
れ,基板を伝搬する光を受光部に向けて反射するリセス
とを,/備えている構成を採用する。
においては,相互に独立して設定することができるリセ
スの位置とリセスの形状とを調整し基板を伝搬する光の
反射方向を変化させることで,受光部への光の入射角度
を自由に調整することができる。したがって,請求項1
に記載の発明によれば,半導体受光素子の設計自由度が
向上し,例えば光集積回路や平面実装光モジュール等,
複数の光学要素を同一基板上に形成又は配置する光学装
置への適用が容易に実現できる半導体受光素子を提供す
ることができる。
受光部への光の入射方向を第1基板面の法線方向に近づ
けることによって,アラインメント誤差による第1基板
面方向の受光部への光の入射位置ずれを相対的に小さく
することができる。したがって,半導体受光素子のトレ
ランス特性の向上を図ることができ,受光部の小型化が
可能となる。
されると光を吸収する光吸収層を相補型の第1半導体層
と第2半導体層とで挟み込んだ単純pin構造を備える
構成を受光部に備え,製造コストの削減を図る。また,
請求項3の記載の発明のように,第1基板面から突出す
るように形成されている受光部を備えた構成を採用すれ
ば,受光部から反れた光に起因する迷光の影響を除去す
ることができる。したがって,請求項3に記載の発明に
よれば,受光部の感度劣化の低減を図ることができる。
基板は,第2基板面と略垂直に形成された光入射面が形
成されている構成を採用することで,平面実装モジュー
ルに適した半導体受光素子を提供することができる。ま
た,請求項5に記載の発明のように,リセスは溝である
構成を採用すれば,リセスによって捕捉される光量が増
加し,リセスの長さ方向のトレランス特性が向上する。
記載の発明のように,リセスには光反射膜が形成されて
いる構成として実現することができる。さらに,請求項
7に記載の発明のように,リセスは光反射膜が形成され
た順メサ面を有する構成や,請求項8に記載の発明のよ
うに,リセスは光反射膜が形成された逆メサ面を有する
構成として実現することができる。
ら,本発明を適用した半導体受光素子の好適な一実施の
形態について詳細に説明する。なお,以下の説明及び添
付図面において,略同一の機能及び構成を有する構成要
素については,同一符号を付することにより,重複説明
を省略する。
半導体受光素子100の構成について,図1〜図6を参
照しながら説明する。なお,図1は,半導体受光素子1
00の概略的な構成を示す斜視図である。また,図2〜
図6は,半導体受光素子100の製造工程を順次説明す
るための説明図である。
半導体受光素子100は,基板110の第1基板面11
0a上に,受光部120と第1電極170a及び第2電
極170bとが形成された構成を有している。かかる半
導体受光素子100において,基板110は,第1基板
面110a以外にも,第1基板面110aの対向面であ
る第2基板面110bと,第1基板面110a及び第2
基板面110bに略垂直な側方受光面110cとを,備
えている。
セス110dが,光入射面に相当する側方受光面110
cと略平行に形成されている。かかるリセス110d
は,順メサ面が表面に形成される楔形のV字溝状に形成
されており,側方受光面110cから入射された入射光
P1を第1基板面110a上に形成された受光部に向け
て反射する。ここで,リセス110cの深さや形成位置
は,半導体受光素子100についての様々な物理的パラ
メータを考慮して,入射光P1を所定の角度で反射する
ように,幾何光学的に決めることができる。なお,リセ
ス110cの深さや形成位置を決めるために考慮する物
理的パラメータとしては,例えば基板110の厚さや基
板110を構成する物質の屈折率や受光部を構成する物
質の屈折率等がある。
素子100を製造するには,まず最初の工程で,図2に
示すように,基板112の第1基板面112a上に,例
えばn−InP層を結晶成長法によってエピタキシャル
成長させてバッファ層130を形成する。なお,かかる
基板112は,例えば半絶縁性材料であるSi−InP
から形成することが可能である。
n-−InGaAsP層を結晶成長法によってエピタキ
シャル成長させて,光吸収層140を形成する。さらに
また,光吸収層140上には,例えばp+−InP層を
結晶成長法によってエピタキシャル成長させて,キャッ
プ層150を形成する。
す基板110に成る。したがって,基板112の第1基
板面112aは,最終的に図1に示す第1基板面110
aに成る。また,第1基板面112aの対向面である第
2基板面112bは,最終的に図1に示す第2基板面1
10bに成る。
0と光吸収層140との両方をエッチングできるエッチ
ング液を用いて,部分的に積層構造を残しエッチングを
行う。かかるエッチングによって,第1基板面110a
上に孤立的に突出した積層構造体120aを形成する。
かかる積層構造体120aは,最終的に図1に示す受光
部120に成る。
ッチング液,例えばHBr:H2O2:HCi:H2O=
50:10:100:100のエッチング液等を用いる
ことが可能である。以上のように積層構造体120aを
形成したら,次に,積層構造体120aと露出したバッ
ファ層130表面とを,例えばSi3N4から成る絶縁
膜180でコーティングする。
0aの頂上の絶縁膜180を除去して,例えばAu/A
uZn+Ti/Pt/Auから成るp−電極パッド16
0を設置する。さらに,バッファ層の一部も,絶縁膜1
80を除去して,例えばAuGeNi/Au+Ti/P
t/Auから成るn−電極パッド170を設置する。か
かるn−電極パッド170は,最終的に,図1に示す第
1電極170aと第2電極170bとに成る。
2bを研磨して,基板112を所定の厚さにする。さら
に,例えばHBr:H2O2:HCl:H2O=50:1
0:100:100のエッチング液を用いて第2基板面
112bにエッチング溝112dを形成する。
d表面に全反射膜をコーティングする。かかるコーティ
ングは,金属を蒸着することによって実現される。具体
例を挙げれば,例えばCr/Au等を蒸着することによ
って実現される。なお,エッチング溝112dは,最終
的に図1に示す本実施の形態にかかるリセス110dに
成る。
2を,図6に示すようにバー状に劈開して,形成された
劈開面112cに反射防止膜をコーティングする。かか
るコーティングには,例えば厚さλ/4nのSi3N4の
反射防止膜を用いることができる。ここで,λは,入射
する光の波長を表し,nは,Si3N4膜の屈折率を表
す。なお,劈開面112cは,図1に示す側方受光面1
10cに成る。結果として,図1に示す本実施の形態に
かかるワンチップ型の半導体受光素子100が形成され
る。
素子100の動作について,図7を参照しながら説明す
る。なお,図7は,本実施の形態にかかる半導体受光素
子100の動作を説明するための概略的な断面図であ
る。図7に示すように,半導体受光素子100において
は,側方受光面110cから基板110に入射された入
射光P1は,第2基板面110bに形成されたリセス1
10dによって,第1基板面110a上に形成された受
光部120に向けて反射される。
て,第1基板面110a側に位置するバッファ層130
を透過して,光吸収層140に伝搬し,光吸収層140
によって吸収される。光吸収層140においては,入射
光P1の吸収によって電子と正孔の対が発生するから,
結果として受光部120において入射光P1が感知され
ることになる。
ては,以上説明した半導体受光素子100が遮断周波数
の点において最も好適であると考えられる。しかし,本
実施の形態はかかる構成に限定されない。本実施の形態
は,例えば図8〜図11にそれぞれ概略的な断面図を半
導体受光素子に対しても,適用することができる。
100は,半絶縁性基板である基板110を用い,第1
基板面110上に形成されたバッファ層130上に電極
170が設置される構成を有していたが,本実施の形態
は,この様な構成を有していない図8に示す半導体受光
素子200に対しても適用することができる。図8に示
すように,本実施の形態にかかる半導体受光素子200
は,n+−InPから成る基板210を用い,第2基板
面210b上に電極270が設置される構成を有してい
る。
の設置が容易であるために,図7に示す半導体受光素子
100よりも簡易に形成することができる。なお,図7
に示す半導体受光素子100は,かかる半導体受光素子
200よりも光吸収層140と基板に設置する電極との
距離が短いため,光吸収層140からのキャリアの掃き
出し速度が速く遮断周波数が優れている。
00は,第1基板面210a上にエッチングによって受
光部220を突出させる構成を有しているが,本実施の
形態は,かかる構成を有していない図9に示す半導体受
光素子300に対しても適用することができる。図9に
示すように,本実施の形態にかかる半導体受光素子30
0は,キャップ層350に不純物を選択拡散させて部分
的にキャップ層350とバッファ層330との相補性を
実現することによって受光部320を形成する構成を有
している。かかる半導体受光素子300は,受光部を孤
立的に突出させるためのエッチングを行う必要がなく,
図9に示す半導体受光素子200よりも製造工程の数を
減少させることができる。
いては,受光部320以外の光吸収層340で光が吸収
されると遮断周波数が劣化する。一般にこの様な現象を
迷光と呼ぶが,図8に示す半導体受光素子200におい
ては受光部が孤立的に形成されているために迷光は生じ
ない。したがって,遮断周波数に関しては,図8に示す
半導体受光素子200の方が図9に示す半導体受光素子
300よりも優れている。
300は,順メサ面を有するリセス310dを形成した
構成を有しているが,本実施の形態はかかる構成を有し
ていない図10に示す半導体受光素子400に対しても
適用することができる。図10に示すように,本実施の
形態にかかる半導体受光素子400は,逆メサ面を有す
るリセス410dを形成した構成を採用している。
10dが壺型の溝であるために,入射光P4がリセスに
よって広角に反射される。したがって,図9に示す半導
体受光素子300の方が,図10に示す半導体受光素子
400よりも光が入る光吸収層の領域は狭くて済む。結
果として,図9に示す半導体受光素子300の方が,図
10に示す半導体受光素子400よりも受光部の接合容
量を低く抑えることが可能であり,一般に,遮断周波数
が向上する。ただし,入射光の強度が強くて光吸収層で
飽和が起こる場合には,入射光が広角に反射されて光の
強度(フォトン数)を減らすことができる図10に示す
受光素子400の方が,図9に示す受光素子300より
も遮断周波数が向上する。
光素子400は,リセス410dに全反射膜をコーティ
ングする構成を有しているが,本実施の形態は,図11
に示すかかる構成を有していない半導体受光素子500
に対しても適用することができる。図11に示すよう
に,本実施の形態にかかる半導体受光素子500では,
リセス510dに対して特にコーティングを施していな
いため製造工程数の減少が実現される。なお,図10に
示す半導体受光素子の方が,図11に示す半導体受光素
子500よりもリセスを鏡面に仕上げているために入射
光の反射効率が良い。
は,リセスによって光を反射することによって,受光部
に対して基板側から光を入射する構成を採用している。
したがって,受光部には,単純pin構造を適用すれば
良く,導波路構造を適用する必要はない。結果的に,本
実施の形態によれば,ウェハの製造コストを低く抑える
ことができる。
って受光面を形成するため,基板の研磨に用いるワック
スが受光面に付着して残ることがない。したがって,受
光面に残留したワックスに起因する受光効率の低下をお
それる必要がない。さらに,本実施の形態において,受
光部の光吸収層及びキャップ層を薄くすれば,必要なエ
ッチングの深さが浅くなるので,基板の裏面研磨後のワ
ックス除去が容易になる(なお,図1に示す上述した半
導体受光素子100においては,基板110の第2基板
面110bが,基板の裏面に相当する。)。
れぞれ独立に設定することができるパラメータである受
光部の形状やリセスの形状及び深さやリセスの形成位置
等を調整することによって,トレランス特性を向上させ
ることができる。したがって,本実施の形態によれば,
半導体受光素子の設計自由度を確保することができる。
形状と形成位置とを適切に設定することによって,光吸
収層の基板側の面に対して略垂直に光が入射することが
できる。光吸収層の基板側の面に対して略垂直に光を入
射させることができれば,基板の裏面研磨による研磨誤
差を考慮する必要がない。
に対して光を入射する場合には,光に対する面の面積
は,光の侵入角度がより90゜に近い程大きくなる。し
たがって,光吸収層の基板側の面に対して略垂直に光が
入射する設定においては,光吸収層に対して非常に効率
的な光の入射が可能になる。
定のトレランス特性を得るために必要な受光部の大きさ
は小さくしても良い。すなわち,受光部の接合容量を小
さくすることが可能であり,結果的に半導体受光素子の
遮断周波数を向上させることができる。なお,本実施の
形態にかかる基本構成を有する半導体受光素子を発明者
等が試作したところによれば,基板の側方入射面から入
射された光がリセスにおいて71.12゜の角度で反射
されて受光部に入射するものが実現された。
かる基本構成を有する半導体受光素子について発明者等
が測定したトレランス特性の実験データを示す。具体的
には,図12には,Y軸方向のアラインメントずれ(Y
−axis;単位は,「μm」である。)に対する感度
(Coupling Loss;単位は,「dB」であ
る。)についての測定結果を示す。また,図13には,
Z軸方向のアラインメントずれ(Z−axis;単位
は,「μm」である。)に対する感度についての測定結
果を示す。
の幅方向であり,Z軸方向とは基板の奥行き方向であ
る。また,図12及び図13においては,本実施の形態
にかかる半導体受光素子についての測定結果を,三角形
のドット(Mirror)でプロットしてある。さら
に,図12及び図13においては,比較のために用いた
劈開受光面PDについての結果を,丸のドット(Mes
a)でプロットしてある。
本実施の形態にかかる半導体受光素子は,Y方向或いは
Z方向のアラインメントずれに対して,広範囲に渡って
十分な感度が確保されている。つまり,本実施の形態に
かかる半導体受光素子は,優れたトレランス特性を持っ
ていることが確認できる。
ついて,添付図面を参照しながら説明したが,本発明は
かかる構成に限定されない。特許請求の範囲に記載され
た技術的思想の範疇において,当業者であれば,各種の
変更例及び修正例に想到し得るものであり,それら変更
例及び修正例も本発明の技術的範囲に属するものと了解
される。
/Au膜をコーティングしたリセスを適用した半導体受
光素子を例に挙げて説明したが,本発明はかかる構成に
限定されない。本発明は,他の様々な金属,例えばAg
やAl等の膜をコーティングしたリセスを適用した半導
体受光素子に対しても適用することができる。
として楔形又は壺型の溝状の凹みを適用した半導体受光
素子を例に挙げて説明したが,本発明はかかる構成に限
定されない。本発明は,他の様々な形状のリセスを適用
した半導体受光素子に対しても適用することができる。
P系の半導体を適用した半導体受光素子を例に挙げて説
明したが,本発明はかかる構成に限定されない。本発明
は,他の様々な半導体,例えばGaAs系やSi系等の
半導体を適用した半導体受光素子に対しても適用するこ
とができる。
度のアライメントを必要とせず遮断周波数特性が大幅に
向上した半導体受光素子を提供することができる。した
がって,本発明を適用することによって,低コストで信
頼性が高く,しかも例えば1μm帯域の光通信に適用で
きるような信号の処理速度が速い平面実装モジュールが
実現できる。また,本発明によれば,半導体受光素子の
設計自由度も向上する。したがって,本発明にかかる半
導体受光素子は,他の光素子との関係において制約を受
けることなく,光集積回路や光素子モジュール等への適
用が可能である。
構成を示す斜視図である。
造工程の説明図である。
説明図である。
説明図である。
説明図である。
説明図である。
めの概略的な断面図である。
の例についての概略的な断面図である。
の例についての概略的な断面図である。
素子の例についての概略的な断面図である。
素子の例についての概略的な断面図である。
験データである。
の実験データである。
る。
である。
である。
である。
子の問題点についての説明図である。
子の問題点についての他の説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 相互に対向する第1基板面と第2基板面
とを有し,前記第1基板面と前記第2基板面との間を光
が伝搬する基板と,前記基板の第1基板面上に形成さ
れ,光を感知する受光部と,前記第2基板面に形成さ
れ,前記基板を伝搬する光を前記受光部に向けて反射す
るリセスとを,備えていることを特徴とする,半導体受
光素子。 - 【請求項2】 前記受光部は,光が入射されると前記光
を吸収する光吸収層を相補型の第1半導体層と第2半導
体層とで挟み込んだ単純pin構造を備えることを特徴
とする,請求項1に記載の半導体受光素子。 - 【請求項3】 前記受光部は,前記第1基板面から突出
するように形成されていることを特徴とする,請求項1
又は2に記載の半導体受光素子。 - 【請求項4】 前記基板には,前記第2基板面と略垂直
に形成された光入射面が形成されていることを特徴とす
る,請求項1,2又は3のいずれかに記載の半導体受光
素子。 - 【請求項5】 前記リセスは,溝であることを特徴とす
る,請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の半導体
受光素子。 - 【請求項6】 前記リセスには,光反射膜が形成されて
いることを特徴とする,請求項1,2,3,4又は5の
いずれかに記載の半導体受光素子。 - 【請求項7】 前記リセスは,前記光反射膜が形成され
た順メサ面を有していることを特徴とする,請求項6に
記載の半導体受光素子。 - 【請求項8】 前記リセスは,前記光反射膜が形成され
た逆メサ面を有していることを特徴とする,請求項6に
記載の半導体受光素子。
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