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JPH11229828A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置

Info

Publication number
JPH11229828A
JPH11229828A JP2728898A JP2728898A JPH11229828A JP H11229828 A JPH11229828 A JP H11229828A JP 2728898 A JP2728898 A JP 2728898A JP 2728898 A JP2728898 A JP 2728898A JP H11229828 A JPH11229828 A JP H11229828A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic chamber
retard
check valve
valve
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2728898A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Sato
佐藤  修
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2728898A priority Critical patent/JPH11229828A/ja
Publication of JPH11229828A publication Critical patent/JPH11229828A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、通常時の応答性を悪化させる
ことなく、低温時のフェイルセーフ性を向上可能なバル
ブタイミング調整装置を提供する。 【解決手段】 チェック弁110はベーン4bの進角油
圧室83と遅角油圧室81とを連通する位置に設けられ
ており、チェック弁120はベーン4cの進角油圧室8
4と遅角油圧室82とを連通する位置に設けられてい
る。チェック弁110とチェック弁120とは、低温時
にのみ、進角油圧室83と遅角油圧室81とを連通し、
進角油圧室84と遅角油圧室82とを連通することが可
能である。このため、フェイル後の再始動時、進角油圧
室83から遅角油圧室81、および進角油圧室84から
遅角油圧室82に作動油が流れ、シューハウジング7に
対しベーンロータ4が最遅角位置に移動し、カムシャフ
トがクランクシャフトに対して最遅角位置に保持され
る。したがって、エンジンが確実に始動し、正常運転に
移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(以下、
「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁および排気弁
の少なくともいずれか一方の開閉タイミング(以下、
「開閉タイミング」をバルブタイミングという)を運転
条件に応じて変更するためのバルブタイミング調整装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンのクランクシャフトと同
期回転するタイミングプーリやチェーンスプロケットを
介してカムシャフトを駆動し、タイミングプーリやチェ
ーンスプロケットとカムシャフトとの相対回動による位
相差により吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一
方のバルブタイミングを制御するベーン式のバルブタイ
ミング調整装置が知られている。
【0003】ベーン式のバルブタイミング調整装置は、
タイミングプーリとともに回転するハウジング内に、カ
ムシャフトとともに回転するベーンを収容している。そ
して、ハウジングに対するベーンの相対回転位相差を油
圧により調整することにより、カムシャフトとタイミン
グプーリとを相対的に回動させ、エンジンの運転条件に
応じて吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方の
バルブタイミングを調整している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】エンジンバルブの開閉
時期を制御する位相制御のバルブタイミング調整装置で
は、エンジンの安定性向上、燃費の向上、あるいは排気
エミッションを低減することを目的としており、エンジ
ンの低負荷時においては吸入空気量が少ないため、エン
ジンのシリンダ内に燃焼を悪化させる残留排気ガスが少
ないことが望ましい。吸気弁と排気弁とが同時に開いて
いる期間(オーバーラップ期間)において、吸気側はス
ロットルにより負圧であり、排気側は正圧であるので、
排ガスが吸気側に吹き返し、燃焼が悪化したり、失火し
たりする場合がある。このため、排気弁の閉じる時期が
早く、吸気弁の開く時期が遅いことが要求される。ま
た、吸気弁の閉じる時期が遅いと、ポンピングロスを低
減し、燃費を向上することができる。したがって、アイ
ドル運転および始動時には、排気弁の閉じる時期が早
く、吸気弁の開く時期が遅い基本位相に制御する必要が
ある。ここで、この基本位相の吸気側の条件を最遅角と
し、排気側の条件を最進角とする。
【0005】しかし、エンジンの中負荷以上においては
EGR量を制御し、ポンピングロスの低減を内部EGR
により行い、燃費の向上と排気エミッションの低減をさ
せるため、吸気側の開弁時期を早くしたり、排気側の閉
弁時期を遅くする必要がある。すなわち、吸気弁を進角
方向に制御し、排気弁を遅角方向に制御する。さらに、
エンジンの全負荷においては、大量の空気をエンジンの
シリンダ内に入れる必要があるため、低速においては早
く吸気弁を閉じてマニホールドへの逆流を防止し、高速
においては空気の慣性を利用して遅く吸気弁を閉じる必
要がある。また排気側は、排気脈動を最大限利用できる
位相に排気弁を制御し、排気脈動を利用することができ
ない場合、最進角に制御する必要がある。すなわち排気
側は、エンジンの低負荷から負荷に応じて、排気弁を最
進角から遅角方向に制御し、再び進角方向に制御する必
要がある。
【0006】しかしながら、このとき運転条件が変化し
た場合、素早く要求位相に吸排気弁を制御可能なことが
望ましい。吸排気弁の制御が不可能な場合、エンジンの
失火や燃焼不安定などの問題が発生する。通常、エンジ
ンの油圧ポンプはクランクシャフトによって駆動され
る。しかし結果として、エンジンの回転数によって吐出
油量が変化し、低回転時において、吐出油量は低下す
る。このため、特に高油温時、漏れと粘度の低下により
油圧が減少し、アクチュエータの作動が行われなくなる
場合がある。このとき吸気側は、カムシャフトの駆動ト
ルクによって遅角されるため、基本位相となり得る。し
かし排気側は、吸気側と同じ油圧ピストン面積のアクチ
ュエータを適用した場合、基本位置に制御することが不
可能となり、エンジンのシリンダ内に残留ガスが増大
し、失火したり、エンジンが停止したりすることがあ
る。
【0007】そこで、特開平9−264110号公報に
開示されるバルブタイミング調整装置では、スプリング
による付勢力を用いて、吸気側を遅角位置あるいは排気
側を進角位置に移動させることにより、上記の課題を解
決している。しかし、上記の従来技術においては、エン
ジンが運転中で、かつバルブタイミングをロックピンが
ロックしない位置で、例えば運転者のクラッチ制御のミ
ス等によりエンジンが停止し、そのまま低温状態に放置
された場合、油圧アクチュエータの特性上、油圧室が密
閉されているため、オイルがアクチュエータ内部に残留
する。このため、作動油は温度が低くなると粘度が高く
なるので、その作動の際に作動油を排出または流入させ
ようとすると、非常に大きな圧力損失が発生する。した
がって、低温時においては、エンジンのオイルポンプが
発生させた作動油は、圧力損失によって油圧アクチュエ
ータの搭載位置まで到達できないため、作動に必要な力
をスプリングによる付勢力だけでは発生することができ
ず、作動が不可能になるという問題があった。
【0008】さらに、排気側を進角位置に移動させるた
めの付勢力を用いた場合、必要な荷重が増加し体格が大
きくなったり、温度が上昇して粘度が低下した場合、ス
プリング荷重が大きすぎるため、作動に必要な圧力が増
加し、実際の運転条件における応答性が悪化するという
問題があった。また、スプリングによる付勢力の替わり
に機械的なワンウェイクラッチを用いた場合、カムシャ
フトのトルク変動により発生した荷重が圧力損失によっ
てワンウェイクラッチの作動に必要な力を発生すること
ができず、ワンウェイクラッチが作動不能になるという
問題があった。
【0009】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、簡単な構成で、通常時の応答性を
悪化させることなく、低温時のフェイルセーフ性を向上
可能なバルブタイミング調整装置を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
バルブタイミング調整装置によると、進角室と遅角室と
を連通する位置に低温時のみに作動流体を一方向に流す
ことが可能な逆止弁が設けられるので、エンジン暖気後
の比較的高温な通常時には進角室と遅角室とが連通せ
ず、低温時のみに進角室と遅角室とが連通する。このた
め、通常時には、素早く要求位相に吸気弁あるいは排気
弁を制御することが可能であり、低温時には、駆動手段
が発生させた作動流体は圧力損失が少なく、作動に必要
な力を容易に発生することができる。したがって、簡単
な構成で、通常時の応答性を悪化させることなく、低温
時のフェイルセーフ性を向上することができる。
【0011】本発明の請求項2記載のバルブタイミング
調整装置によると、従動軸は吸気弁を開閉する従動軸で
あって、逆止弁は作動流体が進角室から遅角室に流れる
ように設けられる。このため、低温時には、駆動手段が
発生させた作動流体は進角室から遅角室に流れ、吸気側
を遅角位置に移動させることができる。したがって、低
温時において、排気弁と吸気弁とが重複して開弁するオ
ーバーラップ期間を少なくともエンジン始動可能な程度
に減少可能であるため、フェイル時の再始動を可能なも
のとすることができる。
【0012】本発明の請求項3記載のバルブタイミング
調整装置によると、従動軸は排気弁を開閉する従動軸で
あって、逆止弁は作動流体が遅角室から進角室に流れる
ように設けられる。このため、低温時には、駆動手段が
発生させた作動流体は遅角室から進角室に流れ、排気側
を進角位置に移動させることができる。したがって、低
温時において、排気弁と吸気弁とが重複して開弁するオ
ーバーラップ期間を少なくともエンジン始動可能な程度
に減少可能であるため、フェイル時の再始動を可能なも
のとすることができる。
【0013】本発明の請求項4記載のバルブタイミング
調整装置によると、逆止弁はベーン部材に設けられるの
で、簡単な構成で、通常時の応答性を悪化させることな
く、低温時のフェイルセーフ性を効率よく向上すること
ができる。本発明の請求項5記載のバルブタイミング調
整装置によると、逆止弁はハウジング部材に設けられる
ので、簡単な構成で、通常時の応答性を悪化させること
なく、低温時のフェイルセーフ性を効率よく向上するこ
とができる。
【0014】本発明の請求項6記載のバルブタイミング
調整装置によると、逆止弁が作動する方向に従動軸を付
勢する、すなわち、駆動軸に対して遅角する方向に吸気
側の従動軸を付勢する、あるいは、駆動軸に対して進角
する方向に排気側の従動軸を付勢する付勢手段を設ける
ことにより、エンジン低回転時の吐出油量が少ないとき
や高油温時の油圧が低下したときにおいても、排気弁と
吸気弁とが重複して開弁するオーバーラップ期間を少な
くともエンジン始動可能な程度に減少可能である。した
がって、エンジンの始動性が向上し、エンジンの失火や
燃焼不安定を防止することができる。さらに、吸気弁か
ら吸入した燃料が未燃燃料となって排気弁から排出され
る量を低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を示す複数の
実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例によるエンジン用バ
ルブタイミング調整装置を図1〜図6に示す。図1およ
び図6に示すように、第1実施例のエンジン用バルブタ
イミング調整装置は、ベーン式の吸気用バルブタイミン
グ調整装置100とベーン式の排気用バルブタイミング
調整装置200とから構成される。
【0016】まず、図1、2および図3を用いて吸気用
バルブタイミング調整装置100について説明する。図
2に示すタイミングプーリ8は、図示しないタイミング
ベルトにより図示しないエンジンの駆動軸としてのクラ
ンクシャフトから駆動力を伝達され、クランクシャフト
と同期して回転する。リア部材50はプレート部51お
よび軸受部52からなり、ボルト53によりプレート部
51とタイミングプーリ8と後述するシューハウジング
7とが結合されている。従動軸としてのカムシャフト1
は、タイミングプーリ8から駆動力を伝達され、図示し
ない吸気弁を開閉駆動する。カムシャフト1は、図示し
ないシリンダヘッドにジャーナル部2を介して支持さ
れ、タイミングプーリ8に対し所定の位相差をおいて相
対回動可能である。タイミングプーリ8およびカムシャ
フト1は図2の左方向からみて時計方向に回転する。以
下、この回転方向を進角方向とする。
【0017】シューハウジング7は周壁71とフロント
部72とが一体に形成されており、リア部材50ととも
にハウジング部材を構成している。ベーンロータ4の軸
方向両端面はシューハウジング7のフロント部72およ
びリア部材50のプレート部51により覆われている。
タイミングプーリ8、シューハウジング7およびリア部
材50は駆動側回転体を構成し、互いにボルト53によ
り同軸上に結合されている。
【0018】図3に示すように、シューハウジング7は
周方向にほぼ等間隔に台形状に形成されたシュー7a、
7b、7cを有している。シュー7a、7b、7cの周
方向の三箇所の間隙にはそれぞれベーン部材としてのベ
ーン4a、4b、4cを収容する扇状空間部55が形成
されており、シュー7a、7b、7cの内周面は断面円
弧状に形成されている。
【0019】ベーンロータ4は周方向にほぼ等間隔にベ
ーン4a、4b、4cを有し、このベーン4a、4b、
4cがシュー7a、7b、7cの周方向の間隙に形成さ
れている扇状空間部55に回動可能に収容されている。
図2に示す遅角方向、進角方向を表す矢印は、シューハ
ウジング7に対するベーンロータ4の遅角方向、進角方
向を表している。図3において、各ベーンは各扇状空間
部55の一方の周方向端部に位置し、ベーンロータ4は
シューハウジング7に対し最遅角位置にある。最遅角位
置は、ベーン4bの遅角側側面がシュー7aの進角側側
面に係止されることにより規定されている。図2に示す
ように、ベーンロータ4およびブッシュ6は、ボルト5
によりカムシャフト1に一体に結合されており、従動側
回転体を構成している。ブッシュ6を軸受けするシュー
ハウジング7の反タイミングプーリ側にはカバー58で
覆われており、カバー58はボルト59によりシューハ
ウジング7にねじ固定されている。ボルト5に設けられ
た穴32はベーンロータ4の周方向端部から漏れた作動
油をシリンダヘッドに戻すものである。
【0020】カムシャフト1およびブッシュ6はそれぞ
れリア部材50の軸受部52およびフロント部72の内
周壁72aに相対回動可能に嵌合している。したがっ
て、カムシャフト1およびベーンロータ4はタイミング
プーリ8およびシューハウジング7に対して同軸に相対
回動可能である。図3に示すように、シール部材9はベ
ーンロータ4の外周壁に嵌合している。ベーンロータ4
の外周壁とシューハウジング7の内周壁との間には微小
クリアランスが設けられており、このクリアランスを介
して油圧室間に作動油が漏れることをシール部材9によ
り防止している。シール部材9はそれぞれ板ばね10の
付勢力により周壁71の内周壁に向けて押されている。
【0021】図2に示すように、ガイドリング91はベ
ーン4aの内壁に圧入保持され、このガイドリング91
にストッパピストン17が挿入されている。ストッパピ
ストン17はほぼ同一外径の有底円筒状に形成されてお
り、カムシャフト1の軸方向に摺動可能にガイドリング
91に収容されている。ストッパピストン17はスプリ
ング16によりフロント部72側に付勢されている。嵌
合リング54はフロント部72に形成した嵌合穴に嵌合
しており、嵌合リング54の内周壁にテーパ穴54aが
形成されている。ストッパピストン17は図3に示す最
遅角位置においてテーパ穴54aに嵌合可能である。ス
トッパピストン17がテーパ穴54aに嵌合し、ストッ
パピストン17がテーパ穴54aに回転方向で当接した
状態ではシューハウジング7に対するベーンロータ4の
相対回動は拘束される。つまり、ストッパピストン17
とテーパ穴54aとは最遅角位置において拘束位置にあ
る。ストッパピストン17、テーパ穴54aおよびスプ
リング16はロック機構を構成している。
【0022】フランジ部17bの左側の油圧室18は、
図3に示す油路19を介して後述する進角油圧室85と
連通している。また、円筒部17aの先端側に形成され
た油圧室27は、図3に示す油路31を介して後述する
遅角油圧室80と連通している。油圧室27の油圧を受
ける円筒部17aの受圧面と、油圧室18の油圧を受け
るフランジ部17bの受圧面とがそれぞれ油圧室27と
油圧室18との作動油から受ける力はテーパ穴54aか
らストッパピストン17を抜け出させる方向に働く。遅
角油圧室80または進角油圧室85に所定圧以上の作動
油が供給されると、これら作動油の油圧によりスプリン
グ16の付勢力に抗してストッパピストン17はテーパ
穴54aから抜け出す。
【0023】ストッパピストン17の位置とテーパ穴5
4aの位置とは、シューハウジング7に対してベーンロ
ータ4が最遅角位置にあるとき、つまりクランクシャフ
トに対してカムシャフト1が最遅角位置にあるときにス
プリング16の付勢力によりストッパピストン17がテ
ーパ穴54aに嵌合可能な位置に設定されている。ベー
ン4aのリア部材50側にストッパピストン17の背圧
室30と連通する連通路29が形成されている。連通路
29は最遅角位置において軸受部52に形成した連通路
28と連通する。連通路28は図示しないエンジンの油
潤滑空間に大気開放されているので、最遅角位置におい
て背圧室30は大気開放されている。したがって、最遅
角位置においてストッパピストン17の移動が妨げられ
ない。ベーンロータ4が最遅角位置から進角側に回転す
る、つまりストッパピストン17とテーパ穴54aとが
嵌合不能な非拘束位置にベーンロータ4が回転すると、
連通路29と連通路28との連通は遮断される。
【0024】図3に示すように、シュー7aとベーン4
aとの間に遅角油圧室80が形成され、シュー7bとベ
ーン4bとの間に遅角油圧室81が形成され、シュー7
cとベーン4cとの間に遅角油圧室82が形成されてい
る。また、シュー7aとベーン4bとの間に進角油圧室
83が形成され、シュー7bとベーン4cとの間に進角
油圧室84が形成され、シュー7cとベーン4aとの間
に進角油圧室85が形成されている。
【0025】図2に示すように、ベーンロータ4のボス
部4dには、ブッシュ6との当接部において円弧状に形
成される油路13が設けられている。油路13は、油路
12を介して全周溝11を経由して図示しない駆動手段
としての油圧ポンプまたはドレインと連通している。油
圧ポンプはエンジン潤滑油の駆動源を兼ねている。さら
に油路13は、図3に示すように油路56、57を介し
て進角油圧室83、84と連通している。また、油圧室
18は油路40を介して進角油圧室85と連通してい
る。
【0026】図1に示すように、ベーンロータ4には、
カムシャフト1との当接部において円弧状の油路22と
単独穴23とが設けられており、油路22と単独穴23
とは、ジャーナル部2の全周溝20を経由して油圧ポン
プまたはドレインと連通している。さらに油路22と単
独穴23とは、油路60、61、62によりそれぞれ遅
角油圧室80、81、82と連通しており、図3に示す
油路31を介して油圧室27と連通している。
【0027】ベーンロータ4のベーン4bには、進角油
圧室83と遅角油圧室81とを連通する位置に逆止弁と
してのチェック弁110が設けられている。また、ベー
ン4cには、進角油圧室84と遅角油圧室82とを連通
する位置に逆止弁としてのチェック弁120が設けられ
ている。チェック弁110とチェック弁120とは、低
温時のみに作動油を一方向に流すことが可能な逆止弁で
あって、低温時にのみ、進角油圧室83と遅角油圧室8
1とを連通し、進角油圧室84と遅角油圧室82とを連
通することが可能である。
【0028】次に、図4および図5を用いて、チェック
弁110の構成を詳細に説明する。ここで、図4は高温
時のチェック弁110を示すものであって、図5は低温
時のチェック弁110を示すものである。また、チェッ
ク弁120はチェック弁110と同様の構成であるの
で、説明を省略する。図4および図5に示すように、チ
ェック弁110は、ハウジング111とボール112と
ガイド113と形状記憶合金ばね114とバイアススプ
リング115とから構成されている。ハウジング111
は、内部にボール112、ガイド113、形状記憶合金
ばね114およびバイアススプリング115を収容して
いる。形状記憶合金ばね114は、公知の形状記憶合金
からなり、ガイド113の内部に配置されている。バイ
アススプリング115は、形状記憶合金ばね114の内
側に配置されており、ボール112の重量等に逆らっ
て、ボール112をハウジング111に押付け、ボール
112の初期位置を決定するものである。
【0029】図4に示すように、高温時には、形状記憶
合金ばね114は膨張しており、バイアススプリング1
15とともにボール112をハウジング111に押付け
ている。このとき、バイアススプリング115と形状記
憶合金ばね114のばね荷重はカムシャフト1の駆動ト
ルク変動により発生し、進角油圧室83に加わる油圧が
ボール112に作用する力よりも大きく設定されている
ため、進角油圧室83と遅角油圧室81との連通は遮断
される。このため、両方向ともに作動油が流れることは
ない。
【0030】図5に示すように、低温時には、形状記憶
合金ばね114は収縮し、ボール112とは接触しなく
なる。このため、ボール112に作用する荷重はバイア
ススプリング115のみとなる。ところが、この荷重は
前述のように、ボール112の重量等に逆らう力しかな
く、進角油圧室83に加わる油圧が上昇すると(このと
き、遅角油圧室81に加わる油圧は下降する)、容易に
ボール112がハウジング111から離れて開弁し、進
角油圧室83から遅角油圧室81に作動油が流れるのが
可能となる。しかしながら、逆に遅角油圧室81に加わ
る油圧が上昇し、進角油圧室83に加わる油圧が下降し
ても、ボール112はハウジング111に押付けられ、
遅角油圧室81から進角油圧室83に作動油が流れるこ
とはない。
【0031】上述のように、チェック弁110は、低温
時にのみ、進角油圧室83から遅角油圧室81に作動油
が流れることが可能な構成となっており、また、チェッ
ク弁120は、低温時にのみ、進角油圧室84から遅角
油圧室82に作動油が流れるのが可能な構成となってい
る。次に、図6を用いて排気用バルブタイミング調整装
置200について説明する。吸気用バルブタイミング調
整装置100と実質的に同一構成部分には同一符号を付
す。
【0032】図6に示すように、ベーンロータ4には、
カムシャフトとの当接部において円弧状の油路22と単
独穴23とが設けられており、油路22と単独穴23と
は油圧ポンプまたはドレインと連通している。さらに油
路22と単独穴23とは、油路60、61、62により
それぞれ進角油圧室85、84、83と連通している。
【0033】ベーンロータ4のベーン4bには、遅角油
圧室81と進角油圧室83とを連通する位置に逆止弁と
してのチェック弁130が設けられている。また、ベー
ン4cには、遅角油圧室82と進角油圧室84とを連通
する位置に逆止弁としてのチェック弁140が設けられ
ている。チェック弁130および140は、図4および
図5に示すチェック弁110と同様の構成の逆止弁が逆
向きに設置されている。
【0034】したがって、チェック弁130は、低温時
にのみ、遅角油圧室81から進角油圧室83に作動油が
流れるのが可能な構成となっており、また、チェック弁
140は、低温時にのみ、遅角油圧室82から進角油圧
室84に作動油が流れるのが可能な構成となっている。
次に、バルブタイミング調整装置の作動を説明する。
【0035】(1) エンジン停止時 (1-1) 吸気用バルブタイミング調整装置100 エンジンが停止すると、進角油圧室83、84、85は
ドレン側に解放され、各遅角油圧室80、81、82に
は作動油圧が加わった状態で保持されるように油圧制御
弁が切替制御される。すると、チェック弁110および
120により遅角油圧室81と進角油圧室83との連
通、および遅角油圧室82と進角油圧室84との連通は
遮断されているので、遅角油圧室81から進角油圧室8
3に作動油が流れることはなく、また、遅角油圧室82
から進角油圧室84に作動油が流れることもない。した
がって、シューハウジング7に対しベーンロータ4が図
1に示す最遅角位置に移動し、ロック機構によりリア部
材50のフロント部72とベーンロータ4とが結合され
るため、タイミングプーリ8に対してカムシャフト1が
最遅角位置に保持される。
【0036】(1-2) 排気用バルブタイミング調整装置2
00 エンジンが停止すると、遅角油圧室80、81、82は
ドレン側に解放され、各進角油圧室83、84、85に
は作動油圧が加わった状態で保持されるように油圧制御
弁が切替制御される。すると、チェック弁130により
遅角油圧室81と進角油圧室83との連通は遮断されて
おり、チェック弁140により遅角油圧室82と進角油
圧室84との連通は遮断されているので、進角油圧室8
3から遅角油圧室81に作動油が流れることはなく、ま
た、進角油圧室84から遅角油圧室82に作動油が流れ
ることはない。したがって、シューハウジング7に対し
ベーンロータ4が図6に示す最進角位置に移動し、ロッ
ク機構によりリア部材のフロント部とベーンロータ4と
が結合されるので、タイミングプーリに対してカムシャ
フトが最進角位置に保持される。
【0037】(1-3) 吸気側のカムシャフト1の最遅角状
態と排気側のカムシャフトの最進角状態において、排気
弁と吸気弁との開弁期間が重複しないように設計されて
いるので、エンジンの気筒内に残留する燃焼ガス、いわ
ゆる内部EGR量を低減することができ、エンジンは正
常に始動する。 (2) エンジン通常運転時 (2-1) 吸気用バルブタイミング調整装置100 各油路および各油圧室に加わる作動油圧が所定圧より大
きくなるまでは、ロック機構によりフロント部72とベ
ーンロータ4とは結合された状態に保持されているの
で、タイミングプーリ8に対してカムシャフト1は最遅
角位置にある。
【0038】各油路および各油圧室に所定圧よりも油圧
の大きい作動圧油が導入されると、ロック機構によるフ
ロント部72とベーンロータ4との結合が解除される。
したがって、遅角油圧室80、81、82、進角油圧室
83、84、85に加わる作動油圧により、シューハウ
ジング7に対してベーンロータ4が相対回動し、タイミ
ングプーリ8に対するカムシャフト1の相対位相差が調
整される。このとき、吸気用バルブタイミング調整装置
100は高温状態にあるので、チェック弁110により
遅角油圧室81と進角油圧室83との連通は遮断されて
おり、チェック弁120により遅角油圧室82と進角油
圧室84との連通は遮断されている。したがって、両方
向ともに作動油が流れることはない。
【0039】(2-2) 排気用バルブタイミング調整装置2
00 各油路および各油圧室に加わる作動油圧が所定圧より大
きくなるまでは、ロック機構によりフロント部とベーン
ロータ4とは結合された状態に保持されているので、タ
イミングプーリに対してカムシャフトは最進角位置にあ
る。各油路および各油圧室に所定圧よりも油圧の大きい
作動圧油が導入されると、ロック機構によるフロント部
とベーンロータ4との結合が解除される。したがって、
遅角油圧室80、81、82、進角油圧室83、84、
85に加わる作動油圧により、シューハウジング7に対
してベーンロータ4が相対回動し、タイミングプーリに
対するカムシャフトの相対位相差が調整される。このと
き、排気用バルブタイミング調整装置200は高温状態
にあるので、チェック弁130により遅角油圧室81と
進角油圧室83との連通は遮断されており、チェック弁
140により遅角油圧室82と進角油圧室84との連通
は遮断されている。したがって、両方向ともに作動油が
流れることはない。
【0040】(2-3) エンジン通常運転時において、素早
く要求位相に吸気弁あるいは排気弁を制御することが可
能であり、内部EGR量を低減することができる。した
がって、未燃燃料が排ガス中に排出されることを防止す
るので、排ガスの浄化効果が向上する。 (3) フェイル時 (3-1) 吸気用バルブタイミング調整装置100 エンジン通常運転中にロック機構によりバルブタイミン
グをロックしない位置で、例えば運転者のクラッチ制御
のミス等によりエンジンが停止し、そのまま低温状態に
放置された場合、チェック弁110により進角油圧室8
3から遅角油圧室81に作動油が流れるのが可能とな
り、チェック弁120により進角油圧室84から遅角油
圧室82に作動油が流れるのが可能となる。このため再
始動時、図7(A)に示すように、t1においてカムシ
ャフト1に正トルクが作用するとき、進角油圧室83か
ら遅角油圧室81に作動油が流れ、また、進角油圧室8
4から遅角油圧室82に作動油が流れる。したがって、
シューハウジング7に対しベーンロータ4が最遅角位置
に移動し、ロック機構によりリア部材50のフロント部
72とベーンロータ4とが結合されるため、最終的にタ
イミングプーリ8に対してカムシャフト1が最遅角位置
に保持される。
【0041】(3-2) 排気用バルブタイミング調整装置2
00 チェック弁130により遅角油圧室81から進角油圧室
83に作動油が流れるのが可能となり、チェック弁14
0により遅角油圧室82から進角油圧室84に作動油が
流れるのが可能となる。したがって再始動時、図7
(B)に示すように、t2においてカムシャフトに負ト
ルクが作用するとき、遅角油圧室81から進角油圧室8
3に作動油が流れ、遅角油圧室82から進角油圧室84
に作動油が流れる。このため、シューハウジング7に対
しベーンロータ4が最進角位置に移動し、ロック機構に
よりリア部材のフロント部とベーンロータ4とが結合さ
れる。したがって、最終的にタイミングプーリに対して
カムシャフトが最進角位置に保持される。
【0042】(3-3) フェイル後の再始動時において、排
気弁と吸気弁とが重複して開弁するオーバーラップ期間
を少なくともエンジン始動可能な程度に減少可能である
ため、エンジンの気筒内に残留する燃焼ガス、内部EG
R量を低減することができ、エンジンを再始動すること
ができる。 以上説明した第1実施例では、フェイル後のエンジン再
始動時において、吸気側のカムシャフト1がクランクシ
ャフトに対して最遅角位置に保持され、排気側のカムシ
ャフトがクランクシャフトに対して最進角位置に保持さ
れるのでエンジンが確実に始動し正常運転状態に移行す
る。
【0043】(第2実施例)本発明の第2実施例による
エンジン用バルブタイミング装置を図8〜図11に示
す。図8および図11に示すように、第2実施例のエン
ジン用バルブタイミング装置は、ベーン式の吸気用バル
ブタイミング装置300とベーン式の排気用バルブタイ
ミング装置400とから構成される。第1実施例と実質
的に同一構成部分には同一符号を付す。
【0044】図8に示すように、ベーンロータ4には、
カムシャフトとの当接部において円弧状の油路22と単
独穴23とが設けられており、油路22と単独穴23と
は油圧ポンプまたはドレインと連通している。さらに油
路22と単独穴23とは、油路60、61、62により
それぞれ遅角油圧室80、81、82と連通している。
【0045】シューハウジング7のシュー7bには、進
角油圧室84と遅角油圧室81とを連通する位置に逆止
弁としてのチェック弁310が設けられている。チェッ
ク弁310は、低温時のみに作動油を一方向に流すこと
が可能な逆止弁であって、低温時にのみ、進角油圧室8
4と遅角油圧室81とを連通することが可能である。次
に、図9および図10を用いて、チェック弁310の構
成を詳細に説明する。ここで、図9は高温時のチェック
弁310を示すものであって、図10は低温時のチェッ
ク弁310を示すものである。
【0046】図9および図10に示すように、チェック
弁310は、ハウジング311とボール312とバイア
ススプリング313とワックスエレメント314とホー
ルドスプリング315とから構成されている。ハウジン
グ311は、内部にボール312、バイアススプリング
313、ワックスエレメント314およびホールドスプ
リング315を収容している。バイアススプリング31
3は、ボール312とワックスエレメント314との間
に配置されており、ボール312の重量等に逆らって、
ボール312をハウジング311に押付け、ボール31
2の初期位置を決定するものである。ワックスエレメン
ト314は、公知のワックスエレメントであり、ピスト
ン316、シール317、スリーブ318、ワックス3
19およびカップ320から構成されている。
【0047】図9に示すように、高温時には、ワックス
エレメント314のワックス319が膨張しており、ピ
ストン316を図9の上方向に押上げている。このピス
トン316がバイアススプリング313とともにボール
312をハウジング311に押付けている。このとき、
バイアススプリング313のばね荷重とピストン316
に働く荷重とはカムシャフトの駆動トルク変動により発
生し、進角油圧室84に加わる油圧がボール312に作
用する力よりも大きく設定されているため、進角油圧室
84と遅角油圧室81との連通は遮断される。このた
め、両方向ともに作動油が流れることはない。ただし、
ワックス319は温度変化によって膨張し続けるため、
ワックスエレメント314は非常に大きな荷重を発生
し、カップ320が破損する恐れがある。しかし、必要
以上にピストン316に働く荷重はホールドスプリング
315がたわむことにより、過大な応力の上昇を防ぐこ
とが可能である。
【0048】図10に示すように、低温時には、ワック
ス319が収縮してピストン316は図10の下方向に
下降し、ボール312とは接触しなくなる。このため、
ボール312に作用する荷重はバイアススプリング31
3のみとなる。ところが、この荷重は前述のように、ボ
ール312の重量等に逆らう力しかなく、進角油圧室8
4に加わる油圧が上昇すると(このとき、遅角油圧室8
1に加わる油圧は下降する)、容易にボール312がハ
ウジング311から離れて開弁し、進角油圧室84から
遅角油圧室81に作動油が流れるのが可能となる。しか
しながら、逆に遅角油圧室81に加わる油圧が上昇し、
進角油圧室84に加わる油圧が下降しても、ボール31
2はハウジング311に押付けられ、遅角油圧室81か
ら進角油圧室84に作動油が流れることはない。
【0049】上述のように、チェック弁310は、低温
時にのみ、進角油圧室84から遅角油圧室81に作動油
が流れることが可能な構成となっている。次に、図11
を用いて排気用バルブタイミング調整装置400につい
て説明する。吸気用バルブタイミング調整装置300と
実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
【0050】図11に示すように、ベーンロータ4に
は、カムシャフトとの当接部において円弧状の油路22
と単独穴23とが設けられており、油路22と単独穴2
3とは油圧ポンプまたはドレインと連通している。さら
に油路22と単独穴23とは、油路60、61、62に
よりそれぞれ進角油圧室85、84、83と連通してい
る。
【0051】シューハウジング7のシュー7bには、遅
角油圧室81と進角油圧室84とを連通する位置に逆止
弁としてのチェック弁330が設けられている。チェッ
ク弁330は、図8に示すチェック弁310と同様の構
成の逆止弁が逆向きに設置されている。したがって、チ
ェック弁330は、低温時にのみ、遅角油圧室81から
進角油圧室84に作動油が流れるのが可能な構成となっ
ている。
【0052】第2実施例においては、フェイル時、吸気
用バルブタイミング調整装置300はチェック弁310
により進角油圧室84から遅角油圧室81に作動油が流
れるのが可能となり、排気用バルブタイミング調整装置
400はチェック弁330により遅角油圧室81から進
角油圧室84に作動油が流れるのが可能となる。したが
って再始動時、吸気用バルブタイミング調整装置300
は進角油圧室84から遅角油圧室81に作動油が流れ、
シューハウジング7に対しベーンロータ4が最遅角位置
に移動し、ロック機構によりリア部材のフロント部とベ
ーンロータ4とが結合されるため、タイミングプーリに
対してカムシャフトが最遅角位置に保持される。また、
排気用バルブタイミング調整装置400は遅角油圧室8
1から進角油圧室84に作動油が流れ、シューハウジン
グ7に対しベーンロータ4が最遅角位置に移動し、ロッ
ク機構によりリア部材のフロント部とベーンロータ4と
が結合されるため、最終的にタイミングプーリに対して
カムシャフトが最遅角位置に保持される。
【0053】したがって、フェイル後の再始動時におい
て、排気弁と吸気弁とが重複して開弁するオーバーラッ
プ期間を少なくともエンジン始動可能な程度に減少可能
であるため、エンジンの気筒内に残留する燃焼ガス、内
部EGR量を低減することができ、エンジンを再始動す
ることができる。以上説明した第2実施例では、フェイ
ル後のエンジン再始動時において、吸気側のカムシャフ
トがクランクシャフトに対して最遅角位置に保持され、
排気側のカムシャフトがクランクシャフトに対して最進
角位置に保持されるのでエンジンが確実に始動し正常運
転状態に移行する。
【0054】本発明においては、チェック弁が作動する
方向にカムシャフトを付勢する、すなわち、クランクシ
ャフトに対して遅角する方向に吸気側のカムシャフトを
付勢する、あるいは、クランクシャフトに対して進角す
る方向に排気側のカムシャフトを付勢するスプリング等
の付勢手段を設けてもよい。上記の構成とすることで、
エンジン低回転時の吐出油量が少ないときや高油温時の
油圧が低下したときにおいても、排気弁と吸気弁とが重
複して開弁するオーバーラップ期間を少なくともエンジ
ン始動可能な程度に減少可能である。したがって、エン
ジンの始動性が向上し、エンジンの失火や燃焼不安定を
防止することができる。さらに、吸気弁から吸入した燃
料が未燃燃料となって排気弁から排出される量を低減す
ることができる。
【0055】以上説明した本発明の上記複数の実施例で
は、吸気弁および排気弁の両方を駆動するバルブタイミ
ング調整装置について説明したが、吸気弁のみを駆動す
るバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい
し、排気弁のみを駆動するバルブタイミング調整装置に
本発明を適用してもよい。また上記複数の実施例では、
ロック機構を備えたものとして説明したが、ロック機構
を備えない構成にすることも可能である。
【0056】また上記複数の実施例では、ベーンを三つ
有するベーンロータ4について説明したが、本発明で
は、ベーンの数は構成上可能であれば一つまたはそれ以
上のいくつでも構わない。また上記複数の実施例では、
タイミングプーリによりクランクシャフトの回転駆動力
をカムシャフトに伝達する構成を採用したが、チェーン
スプロケットやタイミングギア等を用いる構成にするこ
とも可能である。また、駆動軸としてのクランクシャフ
トの駆動力をベーンロータで受け、従動軸としてのカム
シャフトとシューハウジングとを一体に回転させること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による吸気用バルブタイミ
ング調整装置を示すものであって、図2のI−I線断面
図である。
【図2】本発明の第1実施例による吸気用バルブタイミ
ング調整装置を示す縦断面図である。
【図3】図2の III−III 線断面図である。
【図4】本発明の第1実施例の高温時のチェック弁を示
す断面図である。
【図5】本発明の第1実施例の低温時のチェック弁を示
す断面図である。
【図6】本発明の第1実施例による排気用バルブタイミ
ング調整装置を示す断面図である。
【図7】本発明の第1実施例の作動を説明するためのも
のであって、(A)は吸気用バルブタイミング調整装置
であり、(B)は排気用バルブタイミング調整装置であ
る。
【図8】本発明の第2実施例による吸気用バルブタイミ
ング調整装置を示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施例の高温時のチェック弁を示
す断面図である。
【図10】本発明の第2実施例の低温時のチェック弁を
示す断面図である。
【図11】本発明の第2実施例による排気用バルブタイ
ミング調整装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カムシャフト(従動軸) 4 ベーンロータ 4a、4b、4c ベーン(ベーン部材) 7 シューハウジング(ハウジング部材) 8 タイミングプーリ 50 リア部材(ハウジング部材) 55 扇状空間部(収容室) 80、81、82 遅角油圧室(遅角室) 83、84、85 進角油圧室(進角室) 100、300 吸気用バルブタイミング調整装
置 110、120、130、140 チェック弁
(逆止弁) 111 ハウジング 112 ボール 113 ガイド 114 形状記憶合金ばね 115 バイアススプリング 200、400 排気用バルブタイミング調整装
置 310、330 チェック弁(逆止弁) 311 ハウジング 312 ボール 313 バイアススプリング 314 ワックスエレメント 315 ホールドスプリング 316 ピストン 317 シール 318 スリーブ 319 ワックス 320 カップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の駆動軸から内燃機関の吸気弁
    および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉する従動
    軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記駆
    動軸または前記従動軸のいずれか一方とともに回転する
    ハウジング部材と、 前記駆動軸または前記従動軸の他方とともに回転し、前
    記ハウジング部材内に形成された収容室に所定角度範囲
    に限って前記ハウジング部材に対して相対回動可能に収
    容されるベーン部材と、 流体圧力によって前記ハウジング部材と前記ベーン部材
    とのいずれか一方を他方に対して進角方向に相対回動さ
    せる進角室、および流体圧力によって前記ハウジング部
    材と前記ベーン部材とのいずれか一方を他方に対して遅
    角方向に相対回動させる遅角室に作動流体を供給する流
    体駆動式の駆動手段と、 前記進角室と前記遅角室とを連通する位置に設けられ、
    低温時のみに作動流体を一方向に流すことが可能な逆止
    弁と、 を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 【請求項2】 前記従動軸は吸気弁を開閉する従動軸で
    あって、前記逆止弁は、作動流体が前記進角室から前記
    遅角室に流れるように設けられることを特徴とする請求
    項1記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 【請求項3】 前記従動軸は排気弁を開閉する従動軸で
    あって、前記逆止弁は、作動流体が前記遅角室から前記
    進角室に流れるように設けられることを特徴とする請求
    項1記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 【請求項4】 前記逆止弁は、前記ベーン部材に設けら
    れることを特徴とする請求項1、2または3記載のバル
    ブタイミング調整装置。
  5. 【請求項5】 前記逆止弁は、前記ハウジング部材に設
    けられることを特徴とする請求項1、2または3記載の
    バルブタイミング調整装置。
  6. 【請求項6】 前記逆止弁が作動する方向に前記従動軸
    を付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
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