JPH1120397A - 凹凸基材用の転写シート及びそれを用いた曲面転写方法 - Google Patents
凹凸基材用の転写シート及びそれを用いた曲面転写方法Info
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- JPH1120397A JPH1120397A JP18715297A JP18715297A JPH1120397A JP H1120397 A JPH1120397 A JP H1120397A JP 18715297 A JP18715297 A JP 18715297A JP 18715297 A JP18715297 A JP 18715297A JP H1120397 A JPH1120397 A JP H1120397A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 三次元的な凹凸面に、転写層の割れ等の転写
不良がなく確実に転写でき且つ表面物性に優れる転写シ
ートとする。また、三次元的な凹凸面に効率良く転写す
る。 【解決手段】 転写シートSは、支持体1及び転写層2
が熱可塑性樹脂からなり、且つ転写層の熱可塑性樹脂中
に活性水素含有官能基を持つ反応性可塑剤を含有させ
る。曲面転写方法は、例えば、被転写基材Bの凹凸面側
に下塗り層や接着剤層等の層3を施した面に、転写シー
トSの転写層側を対向させ、固体粒子Pを転写シートの
支持体側に衝突させ、その衝突圧で転写シートを被転写
基材に圧接後、支持体を剥離除去した後、更にトップコ
ート層4を施す。この際、転写層中の反応性可塑剤の活
性水素含有官能基と、転写層と表裏で接するトップコー
ト層や、被転写基材側に設けた接着剤層や下塗り層等の
層3中のイソシアネート基とを化学結合をさせる。
不良がなく確実に転写でき且つ表面物性に優れる転写シ
ートとする。また、三次元的な凹凸面に効率良く転写す
る。 【解決手段】 転写シートSは、支持体1及び転写層2
が熱可塑性樹脂からなり、且つ転写層の熱可塑性樹脂中
に活性水素含有官能基を持つ反応性可塑剤を含有させ
る。曲面転写方法は、例えば、被転写基材Bの凹凸面側
に下塗り層や接着剤層等の層3を施した面に、転写シー
トSの転写層側を対向させ、固体粒子Pを転写シートの
支持体側に衝突させ、その衝突圧で転写シートを被転写
基材に圧接後、支持体を剥離除去した後、更にトップコ
ート層4を施す。この際、転写層中の反応性可塑剤の活
性水素含有官能基と、転写層と表裏で接するトップコー
ト層や、被転写基材側に設けた接着剤層や下塗り層等の
層3中のイソシアネート基とを化学結合をさせる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等に用いる凹凸表面を有し且つ耐
久性の有る化粧材を製造する為の、転写シートと該転写
シートを用いた曲面転写方法に関する。
装材、家具、家電製品等に用いる凹凸表面を有し且つ耐
久性の有る化粧材を製造する為の、転写シートと該転写
シートを用いた曲面転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧板の基材面に直刷り法、ラミ
ネート法、転写法等により絵柄等の装飾を施した化粧板
が種々の用途で使用されている。この場合、基材の表面
が平面ならば、絵柄装飾は容易にできるが、凹凸表面に
対しては格別の工夫により絵柄装飾を施している。例え
ば、窓枠、面縁材等の柱状で基材装飾面が二次元的凹凸
〔円柱の様に一方向(母線、或いは高さ方向に直交する
方向)にのみ曲率を有する形状〕の場合に適用できる曲
面装飾技術の一つが、特公昭61−5895号公報に提
案されている。すなわち、同号公報の技術はラミネート
法による表面装飾法であり、片面に接着剤を塗布した表
装シートを供給し、一方基材を表装シートの供給速度と
同調した速度で水平に搬送し、併設した多数の押え治具
にて表装シートの端部が貼着されない状態を維持しつつ
表装シートの接着剤塗布面側を基材に対して小面積毎に
段階的に押圧し、表装シートを基材面に加熱貼着するも
のである。なお、この方法はラッピング加工法と言われ
ている。また、表面凹凸がエンボス形状等の三次元的凹
凸(すなわち、半球面の様に2方向に曲率を有する形
状)の場合に適用できる曲面装飾技術としては、例えば
特開平5−139097号公報に提案されている。すな
わち、同号公報の技術は転写法による表面装飾法であ
り、転写シートの支持体として熱可塑性樹脂フィルムを
用い、該支持体上に剥離層、絵柄層、及び接着層を順次
設けた構成の転写シートを、凹凸表面を有する基材上に
設置し、支持体の裏面からゴム硬度60°以下のゴム製
の熱ローラで押圧して、絵柄を転写することによって化
粧板を得るものである。また、支持体と剥離層間に転写
時の熱で発泡する発泡層を設け、この発泡も利用して基
材の凹凸表面に追従させようとするものである。
ネート法、転写法等により絵柄等の装飾を施した化粧板
が種々の用途で使用されている。この場合、基材の表面
が平面ならば、絵柄装飾は容易にできるが、凹凸表面に
対しては格別の工夫により絵柄装飾を施している。例え
ば、窓枠、面縁材等の柱状で基材装飾面が二次元的凹凸
〔円柱の様に一方向(母線、或いは高さ方向に直交する
方向)にのみ曲率を有する形状〕の場合に適用できる曲
面装飾技術の一つが、特公昭61−5895号公報に提
案されている。すなわち、同号公報の技術はラミネート
法による表面装飾法であり、片面に接着剤を塗布した表
装シートを供給し、一方基材を表装シートの供給速度と
同調した速度で水平に搬送し、併設した多数の押え治具
にて表装シートの端部が貼着されない状態を維持しつつ
表装シートの接着剤塗布面側を基材に対して小面積毎に
段階的に押圧し、表装シートを基材面に加熱貼着するも
のである。なお、この方法はラッピング加工法と言われ
ている。また、表面凹凸がエンボス形状等の三次元的凹
凸(すなわち、半球面の様に2方向に曲率を有する形
状)の場合に適用できる曲面装飾技術としては、例えば
特開平5−139097号公報に提案されている。すな
わち、同号公報の技術は転写法による表面装飾法であ
り、転写シートの支持体として熱可塑性樹脂フィルムを
用い、該支持体上に剥離層、絵柄層、及び接着層を順次
設けた構成の転写シートを、凹凸表面を有する基材上に
設置し、支持体の裏面からゴム硬度60°以下のゴム製
の熱ローラで押圧して、絵柄を転写することによって化
粧板を得るものである。また、支持体と剥離層間に転写
時の熱で発泡する発泡層を設け、この発泡も利用して基
材の凹凸表面に追従させようとするものである。
【0003】また、サイディング等の外装用途の化粧材
においては、耐水性、耐候性等の耐久性の点で高物性が
要求される為、従来は、ウレタン系樹脂等による2液硬
化型塗料を用い、それを基材に直接塗装する等してい
る。しかし、塗装では単純な装飾しか出来ず、印刷によ
り装飾する場合には、凹凸基材に対しては、上記した様
な方法が用いられる。但し、転写層自体にウレタン系樹
脂等による2液硬化型樹脂インキによる硬化物を採用し
て転写シートを用いると、被転写面が平面の場合は良い
が、凹凸表面では転写層が追従しきれずに、割れ(クラ
ック)が入ってしまう。そこで、例えば、(活性水素含
有官能基等の反応性官能基を持たない)熱可塑性樹脂か
らなる通常のインキで形成した転写層を有する転写シー
トを用いて凹凸表面への転写層の追従性を確保し、一
方、転写後に転写層上に、2液硬化型塗料によるトップ
コート層を形成し、トップコート層により耐久性を付与
することが特開平8−244399号公報等で提案され
ている。
においては、耐水性、耐候性等の耐久性の点で高物性が
要求される為、従来は、ウレタン系樹脂等による2液硬
化型塗料を用い、それを基材に直接塗装する等してい
る。しかし、塗装では単純な装飾しか出来ず、印刷によ
り装飾する場合には、凹凸基材に対しては、上記した様
な方法が用いられる。但し、転写層自体にウレタン系樹
脂等による2液硬化型樹脂インキによる硬化物を採用し
て転写シートを用いると、被転写面が平面の場合は良い
が、凹凸表面では転写層が追従しきれずに、割れ(クラ
ック)が入ってしまう。そこで、例えば、(活性水素含
有官能基等の反応性官能基を持たない)熱可塑性樹脂か
らなる通常のインキで形成した転写層を有する転写シー
トを用いて凹凸表面への転写層の追従性を確保し、一
方、転写後に転写層上に、2液硬化型塗料によるトップ
コート層を形成し、トップコート層により耐久性を付与
することが特開平8−244399号公報等で提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な従来の方法では、特公昭61−5895号公報に開
示の技術では、二次元的曲面までしか対応できず、ま
た、特開平5−139097号公報が提案する技術で
は、三次元的曲面も対応できるが、基本的に回転する熱
ローラのゴムによる弾性変形を利用して表面凹凸に追従
させる為に、浅いエンボス形状は良いとしても大きな表
面凹凸には適用できない。その上、凹凸基材の凹凸の隅
角部によって軟質のゴムローラが損耗し易い。また、転
写シートに発泡層を設ける構成では、転写シートが複雑
高価になり過ぎる。また、全体として平板状の基材に限
定されるといった問題があった。
様な従来の方法では、特公昭61−5895号公報に開
示の技術では、二次元的曲面までしか対応できず、ま
た、特開平5−139097号公報が提案する技術で
は、三次元的曲面も対応できるが、基本的に回転する熱
ローラのゴムによる弾性変形を利用して表面凹凸に追従
させる為に、浅いエンボス形状は良いとしても大きな表
面凹凸には適用できない。その上、凹凸基材の凹凸の隅
角部によって軟質のゴムローラが損耗し易い。また、転
写シートに発泡層を設ける構成では、転写シートが複雑
高価になり過ぎる。また、全体として平板状の基材に限
定されるといった問題があった。
【0005】また、耐久性等の点で高物性が要求される
場合に、前記した様に転写層自体は反応性官能基を持た
ない熱可塑性樹脂組成物からなる通常のインキで形成し
た転写シートを用い、これに2液硬化型塗料によるトッ
プコート層を組み合わせた構成では、転写シートとトッ
プコート層とが化学結合で結合していない為、層間密着
力が不足し、耐水性、耐候性、耐溶剤性等の耐久性が充
分に得られない。そこで、転写シートの転写層をアクリ
ルポリオール等の活性水素を有する反応性の官能基であ
る活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹脂を用いたイン
キで形成し、転写後の転写層上に、2液硬化型塗料によ
るトップコート層を形成し、転写層中の前記活性水素含
有官能基とトップコート層の2液硬化型塗料を反応させ
て、転写層とトップコート層との密着性を層間の化学結
合によって向上させることを試みた。しかし、耐水性、
耐候性、耐溶剤性等の耐久性は良くなるが、これらアク
リルポリオール等による転写層は耐久性を出す為に樹脂
が脆い為に、凹凸形状に急激に成形されると割れが起こ
ることがあった。例えば、図13の如く、目地溝付きの
凹凸基材の目地溝以外の部分である天面部にのみに、固
体粒子衝突圧を転写圧に利用して転写する場合、固体粒
子が衝突する部分はいくら目地溝内部にまで転写シート
が完全に成形されなくても衝突圧が加わるので、目地溝
上の転写層の割れや剥脱が発生することがあった。ま
た、図14の如く、目地溝と天面部との接続部となる隅
角部がある凹凸基材では、固体粒子衝突圧による転写
や、弾性体ローラによる転写、或いは真空成形転写等で
も、隅角部で転写層の割れや剥脱が発生することがあっ
た。目地溝内部まで転写しなくても、目地溝部分の転写
層が剥脱すれば、剥脱した転写層はゴミとなって目地溝
内部等に堆積し、都合が悪い。そこで、今度は上記転写
層の樹脂中に可塑剤を添加したところ、転写時の割れや
剥脱は改善できたが、可塑剤を含有している為に今度は
再び耐久性が低下するという問題が発生した。また、こ
のような転写層とトップコート層間の層間密着力の問題
は、転写に先立ち凹凸基材に下塗り層や接着剤層を形成
しておく場合に、これら層と転写層との関係に於いても
発生した。
場合に、前記した様に転写層自体は反応性官能基を持た
ない熱可塑性樹脂組成物からなる通常のインキで形成し
た転写シートを用い、これに2液硬化型塗料によるトッ
プコート層を組み合わせた構成では、転写シートとトッ
プコート層とが化学結合で結合していない為、層間密着
力が不足し、耐水性、耐候性、耐溶剤性等の耐久性が充
分に得られない。そこで、転写シートの転写層をアクリ
ルポリオール等の活性水素を有する反応性の官能基であ
る活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹脂を用いたイン
キで形成し、転写後の転写層上に、2液硬化型塗料によ
るトップコート層を形成し、転写層中の前記活性水素含
有官能基とトップコート層の2液硬化型塗料を反応させ
て、転写層とトップコート層との密着性を層間の化学結
合によって向上させることを試みた。しかし、耐水性、
耐候性、耐溶剤性等の耐久性は良くなるが、これらアク
リルポリオール等による転写層は耐久性を出す為に樹脂
が脆い為に、凹凸形状に急激に成形されると割れが起こ
ることがあった。例えば、図13の如く、目地溝付きの
凹凸基材の目地溝以外の部分である天面部にのみに、固
体粒子衝突圧を転写圧に利用して転写する場合、固体粒
子が衝突する部分はいくら目地溝内部にまで転写シート
が完全に成形されなくても衝突圧が加わるので、目地溝
上の転写層の割れや剥脱が発生することがあった。ま
た、図14の如く、目地溝と天面部との接続部となる隅
角部がある凹凸基材では、固体粒子衝突圧による転写
や、弾性体ローラによる転写、或いは真空成形転写等で
も、隅角部で転写層の割れや剥脱が発生することがあっ
た。目地溝内部まで転写しなくても、目地溝部分の転写
層が剥脱すれば、剥脱した転写層はゴミとなって目地溝
内部等に堆積し、都合が悪い。そこで、今度は上記転写
層の樹脂中に可塑剤を添加したところ、転写時の割れや
剥脱は改善できたが、可塑剤を含有している為に今度は
再び耐久性が低下するという問題が発生した。また、こ
のような転写層とトップコート層間の層間密着力の問題
は、転写に先立ち凹凸基材に下塗り層や接着剤層を形成
しておく場合に、これら層と転写層との関係に於いても
発生した。
【0006】なお、転写層を熱可塑性樹脂で構成せず
に、1液硬化型樹脂インキ等による未硬化物でまだ熱可
塑性を呈する状態の転写層とすれば、凹凸表面にも転写
でき、そして転写後に硬化すれば転写層自体の耐久性が
向上する。しかし、硬化性樹脂を半硬化で使用する必要
があり、転写シート等の取扱い、温度等の転写条件の管
理に注意する必要がある。その上、転写後にトップコー
ト層を施したり、凹凸基材に事前に下塗り塗装や接着剤
層を施しておく場合には、これら転写層に接する層と転
写層との層間密着力を充分なものとしないと、優れた耐
久性は得られない。
に、1液硬化型樹脂インキ等による未硬化物でまだ熱可
塑性を呈する状態の転写層とすれば、凹凸表面にも転写
でき、そして転写後に硬化すれば転写層自体の耐久性が
向上する。しかし、硬化性樹脂を半硬化で使用する必要
があり、転写シート等の取扱い、温度等の転写条件の管
理に注意する必要がある。その上、転写後にトップコー
ト層を施したり、凹凸基材に事前に下塗り塗装や接着剤
層を施しておく場合には、これら転写層に接する層と転
写層との層間密着力を充分なものとしないと、優れた耐
久性は得られない。
【0007】そこで、本発明は、大きな三次元的凹凸表
面にも転写でき、表面装飾性、耐久性に優れた化粧材が
得らる転写シート、及びそれを用いた曲面転写方法を提
供することである。特に、曲面転写方法においては、転
写圧の押圧に特殊形状の治具を必要とせず、ゴムローラ
等部品の損耗による交換の必要の無い曲面転写方法を提
供することである。
面にも転写でき、表面装飾性、耐久性に優れた化粧材が
得らる転写シート、及びそれを用いた曲面転写方法を提
供することである。特に、曲面転写方法においては、転
写圧の押圧に特殊形状の治具を必要とせず、ゴムローラ
等部品の損耗による交換の必要の無い曲面転写方法を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の凹凸基材用の転写シートでは、支持体
及び転写層に熱可塑性樹脂を用い、且つ転写層の熱可塑
性樹脂中に活性水素含有官能基を持つ反応性可塑剤を含
有する構成とした。この結果、支持体及び転写層を構成
する熱可塑性樹脂によって、転写シート全体としての凹
凸表面への追従性が得られる。また、反応性可塑剤によ
って、転写層を転写時は追従性を更に良好に、しかも転
写後は、転写層に接する層がイソシアネート基等を含有
する場合に、反応性可塑剤を反応させて、可塑剤の耐久
性への悪影響を少なくし、また、層間での化学結合によ
り、層間密着力を良好にした。この結果、転写層の転写
時の追従性と転写後の高物性の両立が図れる。転写層に
接する層は、例えば、転写後の転写層上に設ける事がで
きるトップコート層や、凹凸基材に予め設ける事ができ
る下塗り層や接着剤層等である。
すべく、本発明の凹凸基材用の転写シートでは、支持体
及び転写層に熱可塑性樹脂を用い、且つ転写層の熱可塑
性樹脂中に活性水素含有官能基を持つ反応性可塑剤を含
有する構成とした。この結果、支持体及び転写層を構成
する熱可塑性樹脂によって、転写シート全体としての凹
凸表面への追従性が得られる。また、反応性可塑剤によ
って、転写層を転写時は追従性を更に良好に、しかも転
写後は、転写層に接する層がイソシアネート基等を含有
する場合に、反応性可塑剤を反応させて、可塑剤の耐久
性への悪影響を少なくし、また、層間での化学結合によ
り、層間密着力を良好にした。この結果、転写層の転写
時の追従性と転写後の高物性の両立が図れる。転写層に
接する層は、例えば、転写後の転写層上に設ける事がで
きるトップコート層や、凹凸基材に予め設ける事ができ
る下塗り層や接着剤層等である。
【0009】また、本発明の曲面転写方法としては、上
記転写シートの転写層を凹凸基材に転写する際に、転写
後の転写層上に更にトップコート層を設けるか、転写前
に予め下塗り層及び/又は接着剤層を凹凸基材に設け且
つ転写後にトップコート層を設けるか、或いは転写前に
予め下塗り層及び/又は接着剤層を設ける曲面転写方法
であって、上記トップコート層、下塗り層、接着剤層の
うち少なくとも転写層に接する層を、イソシアネート基
を含有する硬化性樹脂によって形成し、該硬化性樹脂が
含有するイソシアネート基と、転写層中の反応性可塑剤
が有する活性水素含有官能基とを反応させる様にした。
その結果、転写層の追従性を確保し、転写後は可塑剤の
耐久性への悪影響を少なくし且つ層間での化学結合によ
り層間密着力を良好にし、耐久性を良好にした。特にト
ップコート層を設ける場合は、耐水性や耐溶剤性等のよ
り優れた耐久性が実現する。なお、転写シートの転写層
の熱可塑性樹脂自体も、活性水素含有官能基を有する熱
可塑性樹脂とすれば、その活性水素含有官能基もイソシ
アネート基と反応させ、転写層自体の耐久性及び他層と
の層間密着力をより良好にできる。
記転写シートの転写層を凹凸基材に転写する際に、転写
後の転写層上に更にトップコート層を設けるか、転写前
に予め下塗り層及び/又は接着剤層を凹凸基材に設け且
つ転写後にトップコート層を設けるか、或いは転写前に
予め下塗り層及び/又は接着剤層を設ける曲面転写方法
であって、上記トップコート層、下塗り層、接着剤層の
うち少なくとも転写層に接する層を、イソシアネート基
を含有する硬化性樹脂によって形成し、該硬化性樹脂が
含有するイソシアネート基と、転写層中の反応性可塑剤
が有する活性水素含有官能基とを反応させる様にした。
その結果、転写層の追従性を確保し、転写後は可塑剤の
耐久性への悪影響を少なくし且つ層間での化学結合によ
り層間密着力を良好にし、耐久性を良好にした。特にト
ップコート層を設ける場合は、耐水性や耐溶剤性等のよ
り優れた耐久性が実現する。なお、転写シートの転写層
の熱可塑性樹脂自体も、活性水素含有官能基を有する熱
可塑性樹脂とすれば、その活性水素含有官能基もイソシ
アネート基と反応させ、転写層自体の耐久性及び他層と
の層間密着力をより良好にできる。
【0010】また、上記曲面転写方法においては、転写
シートで凹凸基材に転写する転写方法は特に限定されな
いが、曲面転写方法に関する第2の発明では、その転写
方法として、固体粒子の衝突圧を転写圧に利用する様に
した。その結果、大きな三次元凹凸表面にも転写でき、
且つ転写圧の押圧に特殊形状の治具を必要とせず、ゴム
ローラ等部品の損耗による交換の必要の無い転写方法と
した。具体的には、転写シートを凹凸基材へ押圧して圧
接する手段として、転写シートの支持体側に固体粒子を
衝突させ、その衝突圧を利用した。すなわち、凹凸表面
を有する凹凸基材の凹凸表面側に、転写シートの転写層
側を対向させ、該転写シートの支持体側に固体粒子を衝
突させ、その衝突圧を利用して、凹凸基材の凹凸表面へ
の転写シートの圧接を行い、転写層が凹凸基材に接着
後、転写シートの支持体を剥離除去することで、転写層
を凹凸基材に転写する様にした。
シートで凹凸基材に転写する転写方法は特に限定されな
いが、曲面転写方法に関する第2の発明では、その転写
方法として、固体粒子の衝突圧を転写圧に利用する様に
した。その結果、大きな三次元凹凸表面にも転写でき、
且つ転写圧の押圧に特殊形状の治具を必要とせず、ゴム
ローラ等部品の損耗による交換の必要の無い転写方法と
した。具体的には、転写シートを凹凸基材へ押圧して圧
接する手段として、転写シートの支持体側に固体粒子を
衝突させ、その衝突圧を利用した。すなわち、凹凸表面
を有する凹凸基材の凹凸表面側に、転写シートの転写層
側を対向させ、該転写シートの支持体側に固体粒子を衝
突させ、その衝突圧を利用して、凹凸基材の凹凸表面へ
の転写シートの圧接を行い、転写層が凹凸基材に接着
後、転写シートの支持体を剥離除去することで、転写層
を凹凸基材に転写する様にした。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の曲面転写方法の実
施の形態を説明する。先ず、図1は本発明の一形態を示
す概念図である。すなわち、支持体1と転写層2とから
なる転写シートSとして、支持体1は熱可塑性樹脂から
なり、転写層2が活性水素含有官能基(活性水素を有す
る官能基)を持つ反応性可塑剤を熱可塑性樹脂中に含有
してなる構成の転写シートを用いる。なお、同図に示す
形態では、凹凸基材Bにはその凹凸表面に予め、下塗り
層又は/及び接着剤層からなる層3を設けておく。つま
り、下塗り層又は/及び接着剤層3は、下塗り層のみ、
接着剤層のみ、凹凸基材側に下塗り層その上に接着剤層
のいずれかである(なお、これらを総称して基材処理層
と呼称する)。下塗り層は、例えば、目止めや接着性向
上等を目的とした層である。下塗り層、接着剤層のうち
少なくとも転写層に接する層はイソシアネート基を含有
する硬化性樹脂で形成してある。また、転写層に接しな
い層でも硬化性樹脂で形成するのが好ましい。また、転
写層の熱可塑性樹脂も活性水素含有官能基を有する熱可
塑性樹脂を用いることが好ましい。そして、前記転写シ
ートSを用いて、凹凸基材Bに転写層を転写する。転写
の方法は基本的には特に限定されないが、図1の形態で
は固体粒子の衝突圧を利用する。すなわち、転写シート
Sの転写層2側を、凹凸基材Bの凹凸表面側に対向させ
て〔図1(A)〕、転写シートSの支持体1側に多数の
固体粒子Pを衝突させ、その衝突圧を利用して、転写シ
ートSを凹凸基材Bに押圧して、転写シートSを凹凸基
材Bの凹凸表面へ追従成形させ、転写シートSを凹凸基
材Bに圧接する〔図1(B)〕。転写層の凹凸基材への
接着は、凹凸基材に接着剤層を設けない場合は、少なく
とも転写層を構成する熱可塑性樹脂の熱融着により行わ
れる。そして、転写シートの転写層2が、凹凸基材Bに
接着した後、転写シートSの支持体1を凹凸基材Bから
剥離除去する事で、先ず、転写層2が凹凸基材Bの凹凸
表面(図1例示の形態では基材処理層上)に転写された
一応の化粧材Dが得られる〔図1(C)〕。転写層は熱
可塑性樹脂から構成されているので、凹凸基材の凹凸表
面への良好な形状追従性を以て転写が行われることにな
る。しかも、また、凹凸基材に形成れさた下塗り層又は
接着剤層中のイソシアネート基と、転写層中の活性水素
含有官能基とを化学反応させてウレタン結合等の化学結
合を生成させる。その結果、反応性可塑剤は化学結合に
より、転写後はその耐久性への悪影響を少なくし且つ層
間での化学結合により層間密着力に寄与させ、また転写
時は通常の可塑剤として転写層の追従性に寄与させるこ
とができる。転写層の熱可塑性樹脂も活性水素含有官能
基を有する樹脂とした場合は、層間密着力は両層が化学
結合により一体化してより強固になり、より優れた耐久
性が得られる。
施の形態を説明する。先ず、図1は本発明の一形態を示
す概念図である。すなわち、支持体1と転写層2とから
なる転写シートSとして、支持体1は熱可塑性樹脂から
なり、転写層2が活性水素含有官能基(活性水素を有す
る官能基)を持つ反応性可塑剤を熱可塑性樹脂中に含有
してなる構成の転写シートを用いる。なお、同図に示す
形態では、凹凸基材Bにはその凹凸表面に予め、下塗り
層又は/及び接着剤層からなる層3を設けておく。つま
り、下塗り層又は/及び接着剤層3は、下塗り層のみ、
接着剤層のみ、凹凸基材側に下塗り層その上に接着剤層
のいずれかである(なお、これらを総称して基材処理層
と呼称する)。下塗り層は、例えば、目止めや接着性向
上等を目的とした層である。下塗り層、接着剤層のうち
少なくとも転写層に接する層はイソシアネート基を含有
する硬化性樹脂で形成してある。また、転写層に接しな
い層でも硬化性樹脂で形成するのが好ましい。また、転
写層の熱可塑性樹脂も活性水素含有官能基を有する熱可
塑性樹脂を用いることが好ましい。そして、前記転写シ
ートSを用いて、凹凸基材Bに転写層を転写する。転写
の方法は基本的には特に限定されないが、図1の形態で
は固体粒子の衝突圧を利用する。すなわち、転写シート
Sの転写層2側を、凹凸基材Bの凹凸表面側に対向させ
て〔図1(A)〕、転写シートSの支持体1側に多数の
固体粒子Pを衝突させ、その衝突圧を利用して、転写シ
ートSを凹凸基材Bに押圧して、転写シートSを凹凸基
材Bの凹凸表面へ追従成形させ、転写シートSを凹凸基
材Bに圧接する〔図1(B)〕。転写層の凹凸基材への
接着は、凹凸基材に接着剤層を設けない場合は、少なく
とも転写層を構成する熱可塑性樹脂の熱融着により行わ
れる。そして、転写シートの転写層2が、凹凸基材Bに
接着した後、転写シートSの支持体1を凹凸基材Bから
剥離除去する事で、先ず、転写層2が凹凸基材Bの凹凸
表面(図1例示の形態では基材処理層上)に転写された
一応の化粧材Dが得られる〔図1(C)〕。転写層は熱
可塑性樹脂から構成されているので、凹凸基材の凹凸表
面への良好な形状追従性を以て転写が行われることにな
る。しかも、また、凹凸基材に形成れさた下塗り層又は
接着剤層中のイソシアネート基と、転写層中の活性水素
含有官能基とを化学反応させてウレタン結合等の化学結
合を生成させる。その結果、反応性可塑剤は化学結合に
より、転写後はその耐久性への悪影響を少なくし且つ層
間での化学結合により層間密着力に寄与させ、また転写
時は通常の可塑剤として転写層の追従性に寄与させるこ
とができる。転写層の熱可塑性樹脂も活性水素含有官能
基を有する樹脂とした場合は、層間密着力は両層が化学
結合により一体化してより強固になり、より優れた耐久
性が得られる。
【0012】化粧材Dとしてはこのままでも良いが、更
に転写後の転写層上に耐久性や意匠性付与の為にトップ
コート層を施す。トップコート層はイソシアネート基を
含有する硬化性樹脂で形成し、転写層中の活性水素含有
官能基と、イソシアネート基とを化学反応させてウレタ
ン結合等の化学結合を生じさせ、トップコート層と転写
層とを化学結合により一体化させる〔図1(D)〕。化
学結合は、一般的な接着で起きると予想される極性基間
の水素結合よりも結合エネルギーが大きく、その結果、
はるかに強い層間密着力を実現できる。この為、転写層
とその表裏の層との密着性を強固にでき、凹凸表面への
転写と耐水性、耐候性、耐溶剤性や耐熱性等の優れた耐
久性との両立が実現される。
に転写後の転写層上に耐久性や意匠性付与の為にトップ
コート層を施す。トップコート層はイソシアネート基を
含有する硬化性樹脂で形成し、転写層中の活性水素含有
官能基と、イソシアネート基とを化学反応させてウレタ
ン結合等の化学結合を生じさせ、トップコート層と転写
層とを化学結合により一体化させる〔図1(D)〕。化
学結合は、一般的な接着で起きると予想される極性基間
の水素結合よりも結合エネルギーが大きく、その結果、
はるかに強い層間密着力を実現できる。この為、転写層
とその表裏の層との密着性を強固にでき、凹凸表面への
転写と耐水性、耐候性、耐溶剤性や耐熱性等の優れた耐
久性との両立が実現される。
【0013】なお、転写層を構成する熱可塑性樹脂自体
も、上記反応性可塑剤同様に活性水素含有官能基を持つ
樹脂を用いる事がより好ましい。これは、転写層の樹脂
自体も転写層に接する層中のイソシアネート基との反応
に関与させてウレタン結合等の化学結合を層間で生じさ
せて、より強固な層間密着力を実現できるからである。
また、転写層の構成樹脂自体による耐久性向上も図れ
る。ただ、転写層の熱可塑性樹脂に、活性水素含有官能
基を持たない樹脂を用いても、反応性可塑剤を用いる事
によって得られる、転写時の追従性と転写後の耐久性と
の両立効果は、享受することが出来る。また、反応性可
塑剤の使用によって、もともとより耐久性のある熱可塑
性樹脂の樹脂選定も可能となる。
も、上記反応性可塑剤同様に活性水素含有官能基を持つ
樹脂を用いる事がより好ましい。これは、転写層の樹脂
自体も転写層に接する層中のイソシアネート基との反応
に関与させてウレタン結合等の化学結合を層間で生じさ
せて、より強固な層間密着力を実現できるからである。
また、転写層の構成樹脂自体による耐久性向上も図れ
る。ただ、転写層の熱可塑性樹脂に、活性水素含有官能
基を持たない樹脂を用いても、反応性可塑剤を用いる事
によって得られる、転写時の追従性と転写後の耐久性と
の両立効果は、享受することが出来る。また、反応性可
塑剤の使用によって、もともとより耐久性のある熱可塑
性樹脂の樹脂選定も可能となる。
【0014】なお、上述の如く、本発明の曲面転写方法
では、得られる転写物の層構成に於いて、大別して次の
トップコート層有り且つ凹凸基材への下塗り層及び接
着剤層無し、トップコート層有り且つ凹凸基材への下
塗り層及び/又は接着剤層有り、トップコート層無し
且つ凹凸基材への下塗り層及び/又は接着剤層有りの3
形態がある。耐久性の点では及びのトップコート層
有りの形態がの形態より優れる。また、実用上の問題
への対処として凹凸基材の材質等により下塗り層及び
/又は接着剤層の形態も必要である。また、の形態で
はトップコート層は無いのでトップコート層による耐久
性は期待出来ないが、下塗り層及び/又は接着剤層と転
写層との層間密着力向上による耐久性が得られ、且つそ
れを転写時の転写層の追従性と両立する事ができる。そ
して、との違いである凹凸基材への下塗り層及び/
又は接着剤層の有無は、実用上の凹凸基材の材質やその
表面凹凸等により適宜選択する形態であり、は、下塗
り層及び/又は接着剤層を凹凸基材に施す場合でも、耐
久性が得られる形態となる。
では、得られる転写物の層構成に於いて、大別して次の
トップコート層有り且つ凹凸基材への下塗り層及び接
着剤層無し、トップコート層有り且つ凹凸基材への下
塗り層及び/又は接着剤層有り、トップコート層無し
且つ凹凸基材への下塗り層及び/又は接着剤層有りの3
形態がある。耐久性の点では及びのトップコート層
有りの形態がの形態より優れる。また、実用上の問題
への対処として凹凸基材の材質等により下塗り層及び
/又は接着剤層の形態も必要である。また、の形態で
はトップコート層は無いのでトップコート層による耐久
性は期待出来ないが、下塗り層及び/又は接着剤層と転
写層との層間密着力向上による耐久性が得られ、且つそ
れを転写時の転写層の追従性と両立する事ができる。そ
して、との違いである凹凸基材への下塗り層及び/
又は接着剤層の有無は、実用上の凹凸基材の材質やその
表面凹凸等により適宜選択する形態であり、は、下塗
り層及び/又は接着剤層を凹凸基材に施す場合でも、耐
久性が得られる形態となる。
【0015】以下、さらに本発明を詳述する。
【0016】〔凹凸基材〕凹凸基材Bは、その被転写面
が凹凸を成す基材である。なかでも、固体粒子衝突圧を
用いる形態の本発明の曲面転写方法が真価を発揮するの
は、特にその凹凸が三次元的で大きな凹凸を有する凹凸
基材である。従来の回転接触する押さえ治具(前述の特
公昭61−5895号公報)や、ゴム製の転写ローラ
(前述の特開平5−139097号公報参照)では、そ
の回転軸による方向性を本質的に有しているために、適
用できる表面凹凸形状が制約される。即ち前者では、1
軸方向にのみ曲率を有する二次元的凹凸に限定され、ま
た、後者では2軸方向に曲率を有する三次元的凹凸への
転写が可能でもその三次元形状は任意の方向に均質に適
用できない。例えば、木目導管柄の長手方向は、転写シ
ートの送り方向に平行にしないと、導管凹部には旨く転
写できない。しかも、後者は基材形状は平板状に事実上
限定され、それ以外は基材形状毎にその都度合わせた特
殊形状の転写ローラとでもしない限り不可能である。と
ころが、固体粒子衝突圧を用いる形態の本発明の曲面転
写方法では、後述の様に、流体的に振る舞うことができ
る固体粒子群の衝突圧を利用するため、表面凹凸の三次
元的形状に対して圧力印加領域の面的な方向性を本質的
に持たない。(この方向性とは、圧力が印加される凹凸
基材上のポイントの時間的位置変化の方向のことであ
る。)従って、転写シートや凹凸基材の送り方向に凹凸
がある形状を持つ凹凸基材でも構わない。すなわち、送
り方向のみ又は幅方向のみ等と1方向にのみ凹凸がある
二次元的凹凸、送り方向及び幅方向の両方等と2方向に
凹凸がある三次元的凹凸にも適用できることを意味す
る。なお、固体粒子群の衝突圧が方向性を持たない点
は、枚葉の転写シートを凹凸基材上に載置し一つずつ圧
接密着する様に、固体粒子を噴出する噴出器を移動、又
は噴出器固定で転写シートと凹凸基材とを移動させて、
衝突圧が印加される領域が移動していく様子を考えれ
ば、容易に理解できる。
が凹凸を成す基材である。なかでも、固体粒子衝突圧を
用いる形態の本発明の曲面転写方法が真価を発揮するの
は、特にその凹凸が三次元的で大きな凹凸を有する凹凸
基材である。従来の回転接触する押さえ治具(前述の特
公昭61−5895号公報)や、ゴム製の転写ローラ
(前述の特開平5−139097号公報参照)では、そ
の回転軸による方向性を本質的に有しているために、適
用できる表面凹凸形状が制約される。即ち前者では、1
軸方向にのみ曲率を有する二次元的凹凸に限定され、ま
た、後者では2軸方向に曲率を有する三次元的凹凸への
転写が可能でもその三次元形状は任意の方向に均質に適
用できない。例えば、木目導管柄の長手方向は、転写シ
ートの送り方向に平行にしないと、導管凹部には旨く転
写できない。しかも、後者は基材形状は平板状に事実上
限定され、それ以外は基材形状毎にその都度合わせた特
殊形状の転写ローラとでもしない限り不可能である。と
ころが、固体粒子衝突圧を用いる形態の本発明の曲面転
写方法では、後述の様に、流体的に振る舞うことができ
る固体粒子群の衝突圧を利用するため、表面凹凸の三次
元的形状に対して圧力印加領域の面的な方向性を本質的
に持たない。(この方向性とは、圧力が印加される凹凸
基材上のポイントの時間的位置変化の方向のことであ
る。)従って、転写シートや凹凸基材の送り方向に凹凸
がある形状を持つ凹凸基材でも構わない。すなわち、送
り方向のみ又は幅方向のみ等と1方向にのみ凹凸がある
二次元的凹凸、送り方向及び幅方向の両方等と2方向に
凹凸がある三次元的凹凸にも適用できることを意味す
る。なお、固体粒子群の衝突圧が方向性を持たない点
は、枚葉の転写シートを凹凸基材上に載置し一つずつ圧
接密着する様に、固体粒子を噴出する噴出器を移動、又
は噴出器固定で転写シートと凹凸基材とを移動させて、
衝突圧が印加される領域が移動していく様子を考えれ
ば、容易に理解できる。
【0017】また、固体粒子衝突圧を転写圧に用いる場
合、凹凸基材は全体として(包絡面形状が)平板状の板
材だけでなく、断面が円弧状に凸又は凹に送り方向又は
幅方向に湾曲した二次元的凹凸を有する基材でも良く、
またその湾曲面にさらに細かい三次元的な表面凹凸があ
ってもよい。また、凹凸基材の円弧状等の二次元的な凹
凸に対して、それを例えば幅方向として、或いは送り方
向として転写するかは作業性等を考慮して任意にでき
る。また、特に固体粒子衝突圧を転写圧に用いる場合、
大柄な凹凸に重畳して微細な凹凸を有する凹凸表面の凹
凸基材、或いは凹凸表面の凹部底部や凹部内側面に転写
すべき面を有する凹凸基材も可能である。前記大柄な凹
凸と微細な凹凸とは、例えば図12(B)の如く凹凸基
材の凹凸が大柄な凹凸401、402とその凸部402
上にある微細な凹凸403とからなるもので、大柄の凹
凸形状は段差が1〜10mm、凹部の幅が1〜10m
m、凸部の幅が5mm以上のもので構成されるものであ
り、微細な凹凸形状は、段差及び幅ともに大柄な凹凸形
状よりも小さく、具体的には段差が0.1〜5mm程
度、凹部の幅及び凸部の幅が0.1mm以上で、大柄な
凹凸形状の凸部の幅の1/2未満程度である。大柄な凹
凸と微細な凹凸との組み合わせの凹凸から成り、且つ三
次元的な表面凹凸を持つ化粧材の凹凸模様の具体例とし
ては、例えば、大柄な凹凸として目地、溝等を有するタ
イル、煉瓦、石等の二次元配列模様を有し、その上に微
細な凹凸としてスタッコ調、リシン調等の吹き付け塗装
面の凹凸模様、花崗岩の劈開面やトラバーチン大理石板
等の石材表面の凹凸等の石目調凹凸模様、或いは大柄な
凹凸模様として目地、溝、簓、サネ等を有する羽目板模
様、浮造木目板模様を有し、その上に微細凹凸として導
管溝、ヘアライン等を有する木目調の凹凸模様が挙げら
れる。なお、凹凸面を構成する各面は、平面のみから、
曲面のみらか、或いは平面と曲面の組み合わせと任意で
ある。従って、本発明の凹凸基材上の曲面とは、断面が
下駄の歯形の様に複数の平面のみから構成される曲面を
持たない凹凸面も意味する。また、本発明でいう曲率と
は、立方体の辺或いは頂点の周辺の様に角張っている曲
率無限大(曲率半径=0)の場合も包含する。なお、凹
凸基材表面を所望の凹凸とするには、プレス加工、エン
ボス加工、押し出し加工、切削加工、成形加工等によれ
ば良い。
合、凹凸基材は全体として(包絡面形状が)平板状の板
材だけでなく、断面が円弧状に凸又は凹に送り方向又は
幅方向に湾曲した二次元的凹凸を有する基材でも良く、
またその湾曲面にさらに細かい三次元的な表面凹凸があ
ってもよい。また、凹凸基材の円弧状等の二次元的な凹
凸に対して、それを例えば幅方向として、或いは送り方
向として転写するかは作業性等を考慮して任意にでき
る。また、特に固体粒子衝突圧を転写圧に用いる場合、
大柄な凹凸に重畳して微細な凹凸を有する凹凸表面の凹
凸基材、或いは凹凸表面の凹部底部や凹部内側面に転写
すべき面を有する凹凸基材も可能である。前記大柄な凹
凸と微細な凹凸とは、例えば図12(B)の如く凹凸基
材の凹凸が大柄な凹凸401、402とその凸部402
上にある微細な凹凸403とからなるもので、大柄の凹
凸形状は段差が1〜10mm、凹部の幅が1〜10m
m、凸部の幅が5mm以上のもので構成されるものであ
り、微細な凹凸形状は、段差及び幅ともに大柄な凹凸形
状よりも小さく、具体的には段差が0.1〜5mm程
度、凹部の幅及び凸部の幅が0.1mm以上で、大柄な
凹凸形状の凸部の幅の1/2未満程度である。大柄な凹
凸と微細な凹凸との組み合わせの凹凸から成り、且つ三
次元的な表面凹凸を持つ化粧材の凹凸模様の具体例とし
ては、例えば、大柄な凹凸として目地、溝等を有するタ
イル、煉瓦、石等の二次元配列模様を有し、その上に微
細な凹凸としてスタッコ調、リシン調等の吹き付け塗装
面の凹凸模様、花崗岩の劈開面やトラバーチン大理石板
等の石材表面の凹凸等の石目調凹凸模様、或いは大柄な
凹凸模様として目地、溝、簓、サネ等を有する羽目板模
様、浮造木目板模様を有し、その上に微細凹凸として導
管溝、ヘアライン等を有する木目調の凹凸模様が挙げら
れる。なお、凹凸面を構成する各面は、平面のみから、
曲面のみらか、或いは平面と曲面の組み合わせと任意で
ある。従って、本発明の凹凸基材上の曲面とは、断面が
下駄の歯形の様に複数の平面のみから構成される曲面を
持たない凹凸面も意味する。また、本発明でいう曲率と
は、立方体の辺或いは頂点の周辺の様に角張っている曲
率無限大(曲率半径=0)の場合も包含する。なお、凹
凸基材表面を所望の凹凸とするには、プレス加工、エン
ボス加工、押し出し加工、切削加工、成形加工等によれ
ば良い。
【0018】凹凸基材の材質は任意であり、例えば、板
材であれば、ケイ酸カルシウム板、押し出しセメント
板、ALC(軽量発泡コンクリート)板、GRC(硝子
繊維強化コンクリート)板、石綿セメント板、木質セメ
ント板等の非陶磁器窯業系板の無機系材料、木材単板や
木材合板、パーティクルボード、或いは木質中密度繊維
板(MDF)等の木質板等の木質系材料、また、鉄、ア
ルミニウム、銅等の金属板等の金属系材料、或いは、陶
磁器やガラス等のセラミックス、ポリプロピレン、AB
S樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成形品等の各種材料か
らなる物でも良い。特に耐久性が要求される用途では、
前記列記した各種非陶磁器窯業系板等の無機系材料から
なる凹凸基材は好適である。なお、後述の様に固体粒子
加速流体として液体を用い、該液体と共に固体粒子を噴
出させる場合は、該液体に対して不溶性且つ非吸収性の
物が好ましい。例えば金属板、樹脂成形品、陶磁器やガ
ラス等のセラミックス等である。
材であれば、ケイ酸カルシウム板、押し出しセメント
板、ALC(軽量発泡コンクリート)板、GRC(硝子
繊維強化コンクリート)板、石綿セメント板、木質セメ
ント板等の非陶磁器窯業系板の無機系材料、木材単板や
木材合板、パーティクルボード、或いは木質中密度繊維
板(MDF)等の木質板等の木質系材料、また、鉄、ア
ルミニウム、銅等の金属板等の金属系材料、或いは、陶
磁器やガラス等のセラミックス、ポリプロピレン、AB
S樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成形品等の各種材料か
らなる物でも良い。特に耐久性が要求される用途では、
前記列記した各種非陶磁器窯業系板等の無機系材料から
なる凹凸基材は好適である。なお、後述の様に固体粒子
加速流体として液体を用い、該液体と共に固体粒子を噴
出させる場合は、該液体に対して不溶性且つ非吸収性の
物が好ましい。例えば金属板、樹脂成形品、陶磁器やガ
ラス等のセラミックス等である。
【0019】〔下塗り層〕凹凸基材の被転写面には、下
塗り層(ベースコート)を設けておくことができる。下
塗り層は、凹凸基材の保護(外部から水分等の滲み込み
防止)、凹凸基材内部からの流出成分(水分、アルカリ
分、可塑剤など)の遮断、凹凸や多孔質への充填(目止
め)による平滑化(シーラ層)、隠蔽性の付与、装飾、
転写層との接着性向上(易接着プライマー層など)、応
力の吸収・緩和等のいずれか一つ以上を目的とする層で
ある。なお、この下塗り層は、接着剤層の機能と兼用し
た層としても良い。この様な下塗り層は、その上に更に
接着剤層を設けてから、転写シートを圧接して転写する
場合には、つまり、転写層と直接に接触しない場合に
は、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の通常の熱可
塑性樹脂、或いは熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑
性ウレタン系樹脂等の熱可塑性樹脂、或いは硬化性ポリ
エステル系樹脂等の各種樹脂を用いる事ができる。但
し、接着剤層を凹凸基材に設けずに、転写層と直接に接
触させる場合には、下塗り層をイソシアネート基を含有
する硬化性樹脂(組成物)で形成しておくことが、転写
後に優れた耐久性が得られる点で好ましい。すなわち、
そのイソシアネート基と、転写層中に含有する反応性可
塑剤の活性水素含有官能基(転写層に活性水素含有官能
基を持つ熱可塑性樹脂を用いる場合は、その活性水素含
有官能基も)との化学反応でウレタン結合等の化学結合
を生じさせて、下塗り層と転写層とを化学結合で一体化
させ、層間密着力向上による優れた耐久性が得られるか
らである。また、下塗り層自体が層内架橋により耐久性
に優れた硬化樹脂層となる。更に、転写層の熱可塑性樹
脂にも活性水素含有官能基を有する樹脂を用いる場合に
は、該樹脂の活性水素含有官能基も前記イソシアネート
基と反応させてウレタン結合等の化学結合を生じさせ事
ができるので、さらなる層間密着力向上、及び該樹脂自
体の耐久性向上よるによる優れた耐久性が得られる。な
お、下塗り層を転写層と直接に接触させない場合にも、
1液硬化型や2液硬化型等のウレタン樹脂等の硬化性樹
脂を用いる事が耐久性の点で好ましい。但しこの場合
は、転写層との反応用としてイソシアネート基を残す必
要はない。
塗り層(ベースコート)を設けておくことができる。下
塗り層は、凹凸基材の保護(外部から水分等の滲み込み
防止)、凹凸基材内部からの流出成分(水分、アルカリ
分、可塑剤など)の遮断、凹凸や多孔質への充填(目止
め)による平滑化(シーラ層)、隠蔽性の付与、装飾、
転写層との接着性向上(易接着プライマー層など)、応
力の吸収・緩和等のいずれか一つ以上を目的とする層で
ある。なお、この下塗り層は、接着剤層の機能と兼用し
た層としても良い。この様な下塗り層は、その上に更に
接着剤層を設けてから、転写シートを圧接して転写する
場合には、つまり、転写層と直接に接触しない場合に
は、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の通常の熱可
塑性樹脂、或いは熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑
性ウレタン系樹脂等の熱可塑性樹脂、或いは硬化性ポリ
エステル系樹脂等の各種樹脂を用いる事ができる。但
し、接着剤層を凹凸基材に設けずに、転写層と直接に接
触させる場合には、下塗り層をイソシアネート基を含有
する硬化性樹脂(組成物)で形成しておくことが、転写
後に優れた耐久性が得られる点で好ましい。すなわち、
そのイソシアネート基と、転写層中に含有する反応性可
塑剤の活性水素含有官能基(転写層に活性水素含有官能
基を持つ熱可塑性樹脂を用いる場合は、その活性水素含
有官能基も)との化学反応でウレタン結合等の化学結合
を生じさせて、下塗り層と転写層とを化学結合で一体化
させ、層間密着力向上による優れた耐久性が得られるか
らである。また、下塗り層自体が層内架橋により耐久性
に優れた硬化樹脂層となる。更に、転写層の熱可塑性樹
脂にも活性水素含有官能基を有する樹脂を用いる場合に
は、該樹脂の活性水素含有官能基も前記イソシアネート
基と反応させてウレタン結合等の化学結合を生じさせ事
ができるので、さらなる層間密着力向上、及び該樹脂自
体の耐久性向上よるによる優れた耐久性が得られる。な
お、下塗り層を転写層と直接に接触させない場合にも、
1液硬化型や2液硬化型等のウレタン樹脂等の硬化性樹
脂を用いる事が耐久性の点で好ましい。但しこの場合
は、転写層との反応用としてイソシアネート基を残す必
要はない。
【0020】イソシアネート基を含有する硬化性樹脂と
しては、1液硬化型や2液硬化型等のウレタン樹脂を用
いると良い。2液硬化型ウレタン樹脂では、例えばポリ
オール等の樹脂主剤とイソシアネート(化合物)とから
なる樹脂(組成物)を用い、完全硬化させずに、一部未
反応のイソシアネート基が転写シート圧接時には残って
いる様にする。イソシアネート基を少なくともその一部
が未反応で残す様にするには、下塗り層の形成段階で
は、イソシアネート基の反応をできるだけ抑え、転写層
中の活性水素含有官能基との反応分を残しておくと良
い。或いは、イソシアネートをこれと反応する樹脂主剤
中の官能基よりも多めの当量数とする方法等も有効な手
段である。また、下塗り層を接着剤層と兼用する場合
は、ある程度の加熱で可塑性する等して接着性を発現
し、圧着により転写層が密着するものが良い。なお、通
常の熱可塑性樹脂中に該熱可塑性樹脂とは反応しないイ
ソシアネート化合物を含有させても、該イソシアネート
化合物は転写層中の活性水素含有官能基と化学結合させ
ることはできるが、この場合、下塗り層の熱可塑性樹脂
自体はそのまま熱可塑性樹脂として残るので、下塗り層
自体も硬化性樹脂層となる方が、耐久性に優れる。
しては、1液硬化型や2液硬化型等のウレタン樹脂を用
いると良い。2液硬化型ウレタン樹脂では、例えばポリ
オール等の樹脂主剤とイソシアネート(化合物)とから
なる樹脂(組成物)を用い、完全硬化させずに、一部未
反応のイソシアネート基が転写シート圧接時には残って
いる様にする。イソシアネート基を少なくともその一部
が未反応で残す様にするには、下塗り層の形成段階で
は、イソシアネート基の反応をできるだけ抑え、転写層
中の活性水素含有官能基との反応分を残しておくと良
い。或いは、イソシアネートをこれと反応する樹脂主剤
中の官能基よりも多めの当量数とする方法等も有効な手
段である。また、下塗り層を接着剤層と兼用する場合
は、ある程度の加熱で可塑性する等して接着性を発現
し、圧着により転写層が密着するものが良い。なお、通
常の熱可塑性樹脂中に該熱可塑性樹脂とは反応しないイ
ソシアネート化合物を含有させても、該イソシアネート
化合物は転写層中の活性水素含有官能基と化学結合させ
ることはできるが、この場合、下塗り層の熱可塑性樹脂
自体はそのまま熱可塑性樹脂として残るので、下塗り層
自体も硬化性樹脂層となる方が、耐久性に優れる。
【0021】2液硬化型ウレタン樹脂(組成物)の樹脂
主剤としては、イソシアネート基と反応する官能基とし
て、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカ
プト基等を有する化合物を使用できる。官能基は水酸基
が代表的であり、その化合物の具体例としては、ポリウ
レタン分野にて従来公知の各種ポリオールが挙げられ
る。ポリオールとしては、例えばポリ(エチレンアジペ
ート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ネオペン
チルアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペー
ト)、ポリ(ブチレンアゼラエート)、ポリ(ブチレン
セバケート)、ポリカプロラクトン等のポリエステルポ
リオール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオ
キサイド、ポリ(テトラメチレンエーテル)等のポリエ
ーテルポリオール、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポ
リ(ヘキサメチレンカーボネート)等のポリカーボネー
トポリオール、或いはアクリルポリオール、ウレタンポ
リオール、或いはフッ素系ポリオール、アクリルシリコ
ーン系ポリオール等を使用できる。これらの中で、凹凸
基材が特に前記セメント系(ALC等)、ケイ酸カルシ
ウム板等のアルカリ性基材の場合には、アクリルポリオ
ールが耐アルカリ性の点で好ましい。
主剤としては、イソシアネート基と反応する官能基とし
て、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカ
プト基等を有する化合物を使用できる。官能基は水酸基
が代表的であり、その化合物の具体例としては、ポリウ
レタン分野にて従来公知の各種ポリオールが挙げられ
る。ポリオールとしては、例えばポリ(エチレンアジペ
ート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ネオペン
チルアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペー
ト)、ポリ(ブチレンアゼラエート)、ポリ(ブチレン
セバケート)、ポリカプロラクトン等のポリエステルポ
リオール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオ
キサイド、ポリ(テトラメチレンエーテル)等のポリエ
ーテルポリオール、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポ
リ(ヘキサメチレンカーボネート)等のポリカーボネー
トポリオール、或いはアクリルポリオール、ウレタンポ
リオール、或いはフッ素系ポリオール、アクリルシリコ
ーン系ポリオール等を使用できる。これらの中で、凹凸
基材が特に前記セメント系(ALC等)、ケイ酸カルシ
ウム板等のアルカリ性基材の場合には、アクリルポリオ
ールが耐アルカリ性の点で好ましい。
【0022】また、イソシアネート(化合物)として
は、ポリウレタン分野にて従来公知の脂肪族(乃至は脂
環式)又は芳香族のポリイソシアネートを得られる転写
製品の要求物性に応じて適宜選択使用する。例えば、脂
肪族(乃至は脂環式)系としては、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の2価の
イソシアネート、芳香族としては、2,4−トリレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート、水素添加トリレンジイソシアネート等の2価のイ
ソシアネート、或いは、デスモシュールR(Bayer 社
製、トリレンジイソイアネートの付加体の商品名)、デ
スモシュールL(Bayer 社製、トリレンジイソイアネー
トの付加体の商品名)等の3価のイソシアネート、トリ
レンジイソシアネートの三量体の重合体等の4価以上の
イソシアネート等が使用できる。また、デスモシュール
L等の様に各種の付加体(アダクト)も使用できる。な
お、外装用途等の耐候性を必要とする場合には、脂肪族
(乃至は脂環式)系が好ましい。
は、ポリウレタン分野にて従来公知の脂肪族(乃至は脂
環式)又は芳香族のポリイソシアネートを得られる転写
製品の要求物性に応じて適宜選択使用する。例えば、脂
肪族(乃至は脂環式)系としては、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の2価の
イソシアネート、芳香族としては、2,4−トリレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート、水素添加トリレンジイソシアネート等の2価のイ
ソシアネート、或いは、デスモシュールR(Bayer 社
製、トリレンジイソイアネートの付加体の商品名)、デ
スモシュールL(Bayer 社製、トリレンジイソイアネー
トの付加体の商品名)等の3価のイソシアネート、トリ
レンジイソシアネートの三量体の重合体等の4価以上の
イソシアネート等が使用できる。また、デスモシュール
L等の様に各種の付加体(アダクト)も使用できる。な
お、外装用途等の耐候性を必要とする場合には、脂肪族
(乃至は脂環式)系が好ましい。
【0023】また、1液硬化型ウレタン樹脂(組成物)
としては、例えば、イソシアネート基を含有するウレタ
ンプレポリマー等がある。このイソシアネート基含有ウ
レタンプレポリマーは、前記各種ポリオールに上記各種
イソシアネートを過剰に反応させれば得られる。後述す
る湿気硬化型接着剤としてのウレタンプレポリマーもイ
ソシアネート基を持つ為、この1液硬化型ウレタン樹脂
(組成物)として使用できる。
としては、例えば、イソシアネート基を含有するウレタ
ンプレポリマー等がある。このイソシアネート基含有ウ
レタンプレポリマーは、前記各種ポリオールに上記各種
イソシアネートを過剰に反応させれば得られる。後述す
る湿気硬化型接着剤としてのウレタンプレポリマーもイ
ソシアネート基を持つ為、この1液硬化型ウレタン樹脂
(組成物)として使用できる。
【0024】下塗り層を形成するには、凹凸基材の凹凸
表面の凹凸が大きい場合は、軟質ゴムローラやスポンジ
ローラを使用したロールコート、或いはフローコート、
スプレーコート等の塗工法が好ましい。
表面の凹凸が大きい場合は、軟質ゴムローラやスポンジ
ローラを使用したロールコート、或いはフローコート、
スプレーコート等の塗工法が好ましい。
【0025】〔転写シート〕転写シートSは支持体と転
写移行する転写層とからなる。本発明の転写シートで
は、支持体は熱可塑性樹脂から構成し、且つ転写層は熱
可塑性樹脂中に活性水素含有官能基を持つ反応性可塑剤
を含有した構成とする。また、より好ましくは、転写層
を構成する熱可塑性樹脂自体も、活性水素含有官能基を
含有する熱可塑性樹脂から構成する。すなわち、支持体
及び転写層が熱可塑性樹脂からなり、転写層が活性水素
含有官能基を持つ熱可塑性樹脂中に活性水素含有官能基
を持つ反応性可塑剤を含有してなる、凹凸基材用の転写
シートとする。なお後述の様に液体を固体粒子加速流体
に用い、液体と共に固体粒子を噴出する場合は、支持体
や転写層には、該液体に対して不溶性の物を用いる。
写移行する転写層とからなる。本発明の転写シートで
は、支持体は熱可塑性樹脂から構成し、且つ転写層は熱
可塑性樹脂中に活性水素含有官能基を持つ反応性可塑剤
を含有した構成とする。また、より好ましくは、転写層
を構成する熱可塑性樹脂自体も、活性水素含有官能基を
含有する熱可塑性樹脂から構成する。すなわち、支持体
及び転写層が熱可塑性樹脂からなり、転写層が活性水素
含有官能基を持つ熱可塑性樹脂中に活性水素含有官能基
を持つ反応性可塑剤を含有してなる、凹凸基材用の転写
シートとする。なお後述の様に液体を固体粒子加速流体
に用い、液体と共に固体粒子を噴出する場合は、支持体
や転写層には、該液体に対して不溶性の物を用いる。
【0026】(支持体)上記支持体には、凹凸基材が三
次元的凹凸表面の場合にも適用できる様にする為に、少
なくとも転写時には延伸性の有る物として、熱可塑性樹
脂を用いる。転写シート全体の延伸性は、主に支持体の
延伸性に支配されるからである。熱可塑性樹脂が有する
延伸性により固体粒子の衝突圧等による転写圧を印加時
に、凹凸基材表面の凹部内部まで転写シートを追従させ
て密着し転写することができる。支持体に用いる熱可塑
性樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂フィルムを使
用できる。熱可塑性樹脂フィルムは、装飾層等の転写層
形成時には延伸性が殆どなく、転写時には、加熱により
充分な延伸性を発現し、且つ冷却後は変形した形状を保
持し続け、弾性による形状の復元を生じない。支持体の
具体例としては、延伸性の点で、従来多用されている2
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムでも、表面
凹凸形状次第で、加熱条件、衝突圧条件等の設定によっ
て、必要充分な延伸性を発現させることができるので曲
面転写は可能だが、低温、低圧でより延伸性が発現し易
いもの例えば、ポリブチレンテレフタレート、又はテレ
フタレートイソフタレート共重合体等の共重合体ポリエ
ステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメ
チルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ナイロン等の各種熱可塑性樹脂の低延伸又は無延伸
のフィルム、或いは、ポリプロピレン系等のポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーのフィルムも好ましい支持
体である。なお、支持体は、これら樹脂の単体のフィル
ムの他、混合物のフィルムや、単体又は混合物のフィル
ムの積層体等が使用できる。支持体の厚さは、通常20
〜200μmである。
次元的凹凸表面の場合にも適用できる様にする為に、少
なくとも転写時には延伸性の有る物として、熱可塑性樹
脂を用いる。転写シート全体の延伸性は、主に支持体の
延伸性に支配されるからである。熱可塑性樹脂が有する
延伸性により固体粒子の衝突圧等による転写圧を印加時
に、凹凸基材表面の凹部内部まで転写シートを追従させ
て密着し転写することができる。支持体に用いる熱可塑
性樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂フィルムを使
用できる。熱可塑性樹脂フィルムは、装飾層等の転写層
形成時には延伸性が殆どなく、転写時には、加熱により
充分な延伸性を発現し、且つ冷却後は変形した形状を保
持し続け、弾性による形状の復元を生じない。支持体の
具体例としては、延伸性の点で、従来多用されている2
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムでも、表面
凹凸形状次第で、加熱条件、衝突圧条件等の設定によっ
て、必要充分な延伸性を発現させることができるので曲
面転写は可能だが、低温、低圧でより延伸性が発現し易
いもの例えば、ポリブチレンテレフタレート、又はテレ
フタレートイソフタレート共重合体等の共重合体ポリエ
ステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメ
チルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ナイロン等の各種熱可塑性樹脂の低延伸又は無延伸
のフィルム、或いは、ポリプロピレン系等のポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーのフィルムも好ましい支持
体である。なお、支持体は、これら樹脂の単体のフィル
ムの他、混合物のフィルムや、単体又は混合物のフィル
ムの積層体等が使用できる。支持体の厚さは、通常20
〜200μmである。
【0027】また、支持体には必要に応じ、その転写層
側に転写層との剥離性を向上させる為、離型層を設けて
も良い。この離型層は支持体を剥離時に支持体と共に転
写層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シ
リコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこ
れらを含む混合物が用いられる。また、剥離性の調整の
為に、支持体の転写層側の面にコロナ処理、オゾン処理
等を行っても良い。
側に転写層との剥離性を向上させる為、離型層を設けて
も良い。この離型層は支持体を剥離時に支持体と共に転
写層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シ
リコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこ
れらを含む混合物が用いられる。また、剥離性の調整の
為に、支持体の転写層側の面にコロナ処理、オゾン処理
等を行っても良い。
【0028】また、転写層に接する側の支持体面に凹凸
模様を設ければ、転写後の転写層表面に凹凸模様を賦形
することもできる。凹凸模様は、例えば、砂目、梨地、
ヘアライン、万線状溝、花崗岩の劈開面の凹凸模様、木
目導管溝、木目年輪模様、布目の表面テクスチュア、皮
絞、文字、幾何学模様等である。なお、凹凸模様の形成
は、支持体の樹脂シートに対して、熱プレスによるエン
ボス加工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工をした
り、或いは支持体に、離型性の有る樹脂をバインダーと
するインキ(2液硬化型ウレタン、シリコーン樹脂等か
らなる)を用いて所望の凹凸模様に、シルクスクリーン
印刷等で盛り上げ印刷して賦形層を設け、賦形層を有す
る支持体とする方法等がある。なお、賦形層は上記離型
層の機能を有する。
模様を設ければ、転写後の転写層表面に凹凸模様を賦形
することもできる。凹凸模様は、例えば、砂目、梨地、
ヘアライン、万線状溝、花崗岩の劈開面の凹凸模様、木
目導管溝、木目年輪模様、布目の表面テクスチュア、皮
絞、文字、幾何学模様等である。なお、凹凸模様の形成
は、支持体の樹脂シートに対して、熱プレスによるエン
ボス加工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工をした
り、或いは支持体に、離型性の有る樹脂をバインダーと
するインキ(2液硬化型ウレタン、シリコーン樹脂等か
らなる)を用いて所望の凹凸模様に、シルクスクリーン
印刷等で盛り上げ印刷して賦形層を設け、賦形層を有す
る支持体とする方法等がある。なお、賦形層は上記離型
層の機能を有する。
【0029】(転写層)転写層は、少なくとも装飾層か
ら構成し、更に適宜、剥離層、接着剤層等も転写層の構
成要素とすることもある。接着剤層を有する構成では、
転写の際に転写シート又は凹凸基材の片方又は両方に接
着剤を施すことを省略できる。転写層は、熱可塑性樹脂
から構成し、且つ反応性可塑剤を該熱可塑性樹脂中に含
有させる。また、より好ましくは、該熱可塑性樹脂も、
活性水素含有官能基を含有する樹脂から構成する。この
結果、転写後に転写層の表裏に接するトップコート層や
下塗り層や接着剤層として、イソシアネート基を含有す
る硬化性樹脂を用いれば、反応性可塑剤や熱可塑性樹脂
が有する活性水素含有官能基と該イソシアネート基とで
ウレタン結合等の化学結合を生じさせ、転写層の表裏に
接する層と転写層とを一体化させることができ、耐久性
が向上する。転写層が剥離層、接着剤層等を含んだ複数
層構成の場合はこれら各層の全層に熱可塑性樹脂を用い
ることが好ましいが、しかし、当然の事ながら、最低
限、反応性可塑剤を含有させる層は、複層を構成する層
のうち、トップコート層や凹凸基材に施した下塗り層や
接着剤層でイソシアネート基を含有する硬化性樹脂を用
いた層と接する層である。例えば、転写層の接着剤層に
は、凹凸基材側にイソシアネート基を含有する硬化性樹
脂からなる下塗り層や接着剤層を凹凸基材最表面層とし
て予め設けておく場合は、転写層の接着剤層を構成する
後述の熱可塑性樹脂中に、活性水素含有官能基を持つ反
応性可塑剤を含有させておく。また、接着剤層を設けず
装飾層のみの場合には、装飾層を構成する後述の熱可塑
性樹脂中に反応性可塑剤を含有させておく。剥離層等も
同様である。
ら構成し、更に適宜、剥離層、接着剤層等も転写層の構
成要素とすることもある。接着剤層を有する構成では、
転写の際に転写シート又は凹凸基材の片方又は両方に接
着剤を施すことを省略できる。転写層は、熱可塑性樹脂
から構成し、且つ反応性可塑剤を該熱可塑性樹脂中に含
有させる。また、より好ましくは、該熱可塑性樹脂も、
活性水素含有官能基を含有する樹脂から構成する。この
結果、転写後に転写層の表裏に接するトップコート層や
下塗り層や接着剤層として、イソシアネート基を含有す
る硬化性樹脂を用いれば、反応性可塑剤や熱可塑性樹脂
が有する活性水素含有官能基と該イソシアネート基とで
ウレタン結合等の化学結合を生じさせ、転写層の表裏に
接する層と転写層とを一体化させることができ、耐久性
が向上する。転写層が剥離層、接着剤層等を含んだ複数
層構成の場合はこれら各層の全層に熱可塑性樹脂を用い
ることが好ましいが、しかし、当然の事ながら、最低
限、反応性可塑剤を含有させる層は、複層を構成する層
のうち、トップコート層や凹凸基材に施した下塗り層や
接着剤層でイソシアネート基を含有する硬化性樹脂を用
いた層と接する層である。例えば、転写層の接着剤層に
は、凹凸基材側にイソシアネート基を含有する硬化性樹
脂からなる下塗り層や接着剤層を凹凸基材最表面層とし
て予め設けておく場合は、転写層の接着剤層を構成する
後述の熱可塑性樹脂中に、活性水素含有官能基を持つ反
応性可塑剤を含有させておく。また、接着剤層を設けず
装飾層のみの場合には、装飾層を構成する後述の熱可塑
性樹脂中に反応性可塑剤を含有させておく。剥離層等も
同様である。
【0030】(反応性可塑剤)活性水素含有官能基を持
つ反応性可塑剤の、該活性水素含有官能基としては、水
酸基、カルボキシル基、アミノ基等があるが、水酸基が
代表的であり、また取扱い、物性等の点で使い易い。こ
の様な反応性可塑剤としては、例えばアジピン酸ポリエ
ステル、アゼライン酸ポリエステル等の(脂肪族の)ポ
リエステル系の反応性可塑剤が挙げられる。これらは、
活性水素含有官能基として水酸基を持たせることができ
る。ポリエステル系の反応性可塑剤は、重合型高分子可
塑剤(ポリメリック型)であり、重合時に積極的に水酸
基等の活性水素含有官能基を残したものである。例え
ば、末端に水酸基を有するアジピン酸ポリエステルは、
好ましい結果を与える反応性可塑剤の一つである。分子
量が大き過ぎると可塑剤としての作用効果が低下し、ま
た小さ過ぎるとイソシアネート基と反応させた後の層間
密着力等による耐久性向上効果が低下する。ただ、反応
性可塑剤を含有させる熱可塑性樹脂のガラス転移温度等
の物性も耐久性に関係するので、分子量は該熱可塑性樹
脂との関係で適宜選択する。例えば、重量平均分子量1
500〜2500程度のアジピン酸ポリエステルは好ま
しい結果を与える。反応性可塑剤の添加量は、それが添
加される樹脂100重量部に対して、1〜50重量部の
範囲である。樹脂のガラス転移温度にもよるが、多すぎ
ると、ベタつき、ブロッキングが発生し、少なすぎると
効果が得られない。
つ反応性可塑剤の、該活性水素含有官能基としては、水
酸基、カルボキシル基、アミノ基等があるが、水酸基が
代表的であり、また取扱い、物性等の点で使い易い。こ
の様な反応性可塑剤としては、例えばアジピン酸ポリエ
ステル、アゼライン酸ポリエステル等の(脂肪族の)ポ
リエステル系の反応性可塑剤が挙げられる。これらは、
活性水素含有官能基として水酸基を持たせることができ
る。ポリエステル系の反応性可塑剤は、重合型高分子可
塑剤(ポリメリック型)であり、重合時に積極的に水酸
基等の活性水素含有官能基を残したものである。例え
ば、末端に水酸基を有するアジピン酸ポリエステルは、
好ましい結果を与える反応性可塑剤の一つである。分子
量が大き過ぎると可塑剤としての作用効果が低下し、ま
た小さ過ぎるとイソシアネート基と反応させた後の層間
密着力等による耐久性向上効果が低下する。ただ、反応
性可塑剤を含有させる熱可塑性樹脂のガラス転移温度等
の物性も耐久性に関係するので、分子量は該熱可塑性樹
脂との関係で適宜選択する。例えば、重量平均分子量1
500〜2500程度のアジピン酸ポリエステルは好ま
しい結果を与える。反応性可塑剤の添加量は、それが添
加される樹脂100重量部に対して、1〜50重量部の
範囲である。樹脂のガラス転移温度にもよるが、多すぎ
ると、ベタつき、ブロッキングが発生し、少なすぎると
効果が得られない。
【0031】(装飾層)装飾層はグラビア印刷、シルク
スクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の各種方
法、材料で絵柄等を印刷した絵柄層を部分的或いは全面
に形成した層等であり、用途に合わせたものを用いる。
絵柄としては、凹凸基材の表面凹凸に合わせて、木目模
様、石目模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、
皮絞模様、文字、幾何学模様、全面ベタ等を用いる。な
お、絵柄層用インキは、バインダー等からなるビヒク
ル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加
剤からなる。インキは溶剤系、水系のどちらでも良い。
バインダーには、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、熱
可塑性ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリオレ
フィン等の熱可塑性樹脂の単体又はこれらを含む混合物
を用いる。なお、樹脂系にもよるが、転写シートをロー
ル状態に保存時にブロッキングせず、且つ転写時の転写
シートの伸びに十分追従できる様に、ガラス転移温度が
50〜90℃程度の熱可塑性樹脂が好ましい。着色剤の
顔料としては、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄
鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラック、キナクリド
ン、イソインドリノン、フタロシアニンブルー等の有機
顔料を用いる。また、装飾層には、必要に応じ、隠蔽ベ
タを用いる。隠蔽ベタの装飾層は通常チタン顔料を高濃
度で用いる為に、特に脆い。しかし、反応性可塑剤を含
有させることによって、脆さによる割れや剥脱は大幅に
改善される。
スクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の各種方
法、材料で絵柄等を印刷した絵柄層を部分的或いは全面
に形成した層等であり、用途に合わせたものを用いる。
絵柄としては、凹凸基材の表面凹凸に合わせて、木目模
様、石目模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、
皮絞模様、文字、幾何学模様、全面ベタ等を用いる。な
お、絵柄層用インキは、バインダー等からなるビヒク
ル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加
剤からなる。インキは溶剤系、水系のどちらでも良い。
バインダーには、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、熱
可塑性ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリオレ
フィン等の熱可塑性樹脂の単体又はこれらを含む混合物
を用いる。なお、樹脂系にもよるが、転写シートをロー
ル状態に保存時にブロッキングせず、且つ転写時の転写
シートの伸びに十分追従できる様に、ガラス転移温度が
50〜90℃程度の熱可塑性樹脂が好ましい。着色剤の
顔料としては、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄
鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラック、キナクリド
ン、イソインドリノン、フタロシアニンブルー等の有機
顔料を用いる。また、装飾層には、必要に応じ、隠蔽ベ
タを用いる。隠蔽ベタの装飾層は通常チタン顔料を高濃
度で用いる為に、特に脆い。しかし、反応性可塑剤を含
有させることによって、脆さによる割れや剥脱は大幅に
改善される。
【0032】また、好ましくは、バインダーの熱可塑性
樹脂には、活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹脂を用
いる。この活性水素含有官能基としては、水酸基、カル
ボキシル基、アミノ基等がある。なかでも、水酸基は反
応性、物性等の点で好ましい。この様な活性水素含有官
能基を持つ熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリルポ
リオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリ
オール等の各種ポリオール、或いは、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール樹脂、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかで
も、凹凸基材が前記ALC等のセメント系板、ケイ酸カ
ルシウム板等のアルカリ性の無機材料からなる場合等
で、耐久性として耐アルカリ性、耐加水分解性が要求さ
れる場合は、アクリルポリオールは好ましい樹脂の一つ
である。ただ、アクリルポリオールからなる樹脂は、印
刷可能なガラス転移温度は50℃以上であるが、このよ
うな樹脂はいずれも脆い。この為、反応性可塑剤等の可
塑剤を添加しないと、転写シートを表面凹凸に成形転写
する場合、転写層の伸びが大きい部分で、割れや剥脱し
てしまう。特に、低温で転写する場合、顕著である。し
かし、本発明では、反応性可塑剤を添加する事により樹
脂に柔軟性を持たせることができる。その結果、アクリ
ルポリオール、特にガラス転移温度50℃以上のものか
らなる活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹脂等を用い
ても、転写層の割れや剥脱が生じない。
樹脂には、活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹脂を用
いる。この活性水素含有官能基としては、水酸基、カル
ボキシル基、アミノ基等がある。なかでも、水酸基は反
応性、物性等の点で好ましい。この様な活性水素含有官
能基を持つ熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリルポ
リオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリ
オール等の各種ポリオール、或いは、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール樹脂、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかで
も、凹凸基材が前記ALC等のセメント系板、ケイ酸カ
ルシウム板等のアルカリ性の無機材料からなる場合等
で、耐久性として耐アルカリ性、耐加水分解性が要求さ
れる場合は、アクリルポリオールは好ましい樹脂の一つ
である。ただ、アクリルポリオールからなる樹脂は、印
刷可能なガラス転移温度は50℃以上であるが、このよ
うな樹脂はいずれも脆い。この為、反応性可塑剤等の可
塑剤を添加しないと、転写シートを表面凹凸に成形転写
する場合、転写層の伸びが大きい部分で、割れや剥脱し
てしまう。特に、低温で転写する場合、顕著である。し
かし、本発明では、反応性可塑剤を添加する事により樹
脂に柔軟性を持たせることができる。その結果、アクリ
ルポリオール、特にガラス転移温度50℃以上のものか
らなる活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹脂等を用い
ても、転写層の割れや剥脱が生じない。
【0033】(剥離層)また、剥離層を、支持体乃至は
離型層と装飾層との間の剥離性を調整する為、また、転
写後の装飾層の表面保護の為(トップコート層を設けな
い場合)等に、これら層間に設けるのは、従来公知の転
写シートと同様である。剥離層には例えば上記絵柄層用
インキのバインダー樹脂として挙げた活性水素含有官能
基を持つる又は持たない熱可塑性樹脂を用いる。なお、
この剥離層は転写時に装飾層と共に凹凸基材側に転写さ
れ、装飾層の表面を被覆する。また、転写層のうち、転
写後に表面側となる層には、後でトップコート層を設け
る場合に、トップコート層の塗工時に、塗液の滲み込み
による接着力向上の目的で、体質顔料を添加しても良
い。体質顔料としては、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カ
ルシウム等を用いる。
離型層と装飾層との間の剥離性を調整する為、また、転
写後の装飾層の表面保護の為(トップコート層を設けな
い場合)等に、これら層間に設けるのは、従来公知の転
写シートと同様である。剥離層には例えば上記絵柄層用
インキのバインダー樹脂として挙げた活性水素含有官能
基を持つる又は持たない熱可塑性樹脂を用いる。なお、
この剥離層は転写時に装飾層と共に凹凸基材側に転写さ
れ、装飾層の表面を被覆する。また、転写層のうち、転
写後に表面側となる層には、後でトップコート層を設け
る場合に、トップコート層の塗工時に、塗液の滲み込み
による接着力向上の目的で、体質顔料を添加しても良
い。体質顔料としては、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カ
ルシウム等を用いる。
【0034】(その他)また、転写シートには、転写時
に転写シートと凹凸基材との間に残留する空気を排除し
易くする手段として、必要に応じて転写シート全層を貫
通する小孔を多数転写シートに穿設しても良い。
に転写シートと凹凸基材との間に残留する空気を排除し
易くする手段として、必要に応じて転写シート全層を貫
通する小孔を多数転写シートに穿設しても良い。
【0035】〔接着剤〕接着剤は、転写シートの転写層
を構成する接着剤層としてや、凹凸基材上の接着剤層と
して、事前に施すか、又は転写の直前にオンライン塗工
やオフライン塗工で施す。凹凸基材に施す場合には、転
写シート転写層の接着剤層を省略できる。接着剤を施す
形態は大別して次のからの3形態がある。 接着剤を凹凸基材側に施す場合は、接着剤にはイソシ
アネート基を含有する硬化性樹脂を用いる。接着剤を
転写シート側に施し且つ凹凸基材側に下塗り層及び/又
は接着剤層を設けておく場合には、転写シートに施す接
着剤には活性水素含有官能基を持つ反応性可塑剤を熱可
塑性樹脂中に含有する物を用い、そして凹凸基材側に設
ける該層の最表層にイソシアネート基を含有する硬化性
樹脂を用いる。なお、接着剤を転写シート側に施す場
合でも、凹凸基材側に下塗り層及び/又は接着剤層を設
けておかない場合には、転写シート側に施す接着剤に
は、活性水素含有官能基を持つ反応性可塑剤を熱可塑性
樹脂中に含有する物を用いる必要はない。
を構成する接着剤層としてや、凹凸基材上の接着剤層と
して、事前に施すか、又は転写の直前にオンライン塗工
やオフライン塗工で施す。凹凸基材に施す場合には、転
写シート転写層の接着剤層を省略できる。接着剤を施す
形態は大別して次のからの3形態がある。 接着剤を凹凸基材側に施す場合は、接着剤にはイソシ
アネート基を含有する硬化性樹脂を用いる。接着剤を
転写シート側に施し且つ凹凸基材側に下塗り層及び/又
は接着剤層を設けておく場合には、転写シートに施す接
着剤には活性水素含有官能基を持つ反応性可塑剤を熱可
塑性樹脂中に含有する物を用い、そして凹凸基材側に設
ける該層の最表層にイソシアネート基を含有する硬化性
樹脂を用いる。なお、接着剤を転写シート側に施す場
合でも、凹凸基材側に下塗り層及び/又は接着剤層を設
けておかない場合には、転写シート側に施す接着剤に
は、活性水素含有官能基を持つ反応性可塑剤を熱可塑性
樹脂中に含有する物を用いる必要はない。
【0036】(凹凸基材側に設ける場合)また、上記
の凹凸基材上に接着剤層として設ける場合は、接着剤に
はイソシアネート基を含有する硬化性樹脂(組成物)を
用いる。この結果、該イソシアネート基と、転写層中に
含有する反応性可塑剤の活性水素含有官能基(転写層に
活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹脂を用いる場合
は、その活性水素含有官能基も)との化学反応でウレタ
ン結合等の化学結合を生じさせて、接着剤層と転写層と
を化学結合で一体化させ、層間密着力向上による優れた
耐久性が得られるからである。また、下塗り層自体が層
内架橋により耐久性に優れた硬化樹脂層となる。更に、
転写層の熱可塑性樹脂にも活性水素含有官能基を有する
樹脂を用いる場合には、該樹脂の活性水素含有官能基も
前記イソシアネート基と反応させてウレタン結合等の化
学結合を生じさせ事ができるので、さらなる層間密着力
向上、及び該樹脂自体の耐久性向上よるによる優れた耐
久性が得られる。
の凹凸基材上に接着剤層として設ける場合は、接着剤に
はイソシアネート基を含有する硬化性樹脂(組成物)を
用いる。この結果、該イソシアネート基と、転写層中に
含有する反応性可塑剤の活性水素含有官能基(転写層に
活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹脂を用いる場合
は、その活性水素含有官能基も)との化学反応でウレタ
ン結合等の化学結合を生じさせて、接着剤層と転写層と
を化学結合で一体化させ、層間密着力向上による優れた
耐久性が得られるからである。また、下塗り層自体が層
内架橋により耐久性に優れた硬化樹脂層となる。更に、
転写層の熱可塑性樹脂にも活性水素含有官能基を有する
樹脂を用いる場合には、該樹脂の活性水素含有官能基も
前記イソシアネート基と反応させてウレタン結合等の化
学結合を生じさせ事ができるので、さらなる層間密着力
向上、及び該樹脂自体の耐久性向上よるによる優れた耐
久性が得られる。
【0037】イソシアネート基を含有する硬化性樹脂と
しては、1液硬化型や2液硬化型等のウレタン樹脂を用
いると良い。2液硬化型ウレタン樹脂では、例えば樹脂
主剤とイソシアネート(化合物)とからなる樹脂(組成
物)を用い、完全硬化させずに、一部未反応のイソシア
ネート基が転写シート圧接時には残っている様にする。
イソシアネート基を少なくともその一部が未反応で残す
様にするには、接着剤層の形成段階では、イソシアネー
ト基の反応をできるだけ抑え、転写層中の活性水素含有
官能基との反応分を残しておくと良い。或いは、イソシ
アネートをこれと反応する樹脂主剤中の官能基よりも多
めの当量数とする方法等も有効な手段である。なお、接
着剤層は、ある程度の加熱で可塑性する等して接着性を
発現し、圧着により転写層が密着するものが良い。な
お、通常の熱可塑性樹脂中に該熱可塑性樹脂とは反応し
ないイソシアネート化合物を含有させても、該イソシア
ネート化合物は転写層中の活性水素含有官能基と化学結
合させることはできるが、この場合、接着剤層の熱可塑
性樹脂自体はそのまま熱可塑性樹脂として残るので、接
着剤層自体も硬化性樹脂層となる方が、耐久性に優れ
る。
しては、1液硬化型や2液硬化型等のウレタン樹脂を用
いると良い。2液硬化型ウレタン樹脂では、例えば樹脂
主剤とイソシアネート(化合物)とからなる樹脂(組成
物)を用い、完全硬化させずに、一部未反応のイソシア
ネート基が転写シート圧接時には残っている様にする。
イソシアネート基を少なくともその一部が未反応で残す
様にするには、接着剤層の形成段階では、イソシアネー
ト基の反応をできるだけ抑え、転写層中の活性水素含有
官能基との反応分を残しておくと良い。或いは、イソシ
アネートをこれと反応する樹脂主剤中の官能基よりも多
めの当量数とする方法等も有効な手段である。なお、接
着剤層は、ある程度の加熱で可塑性する等して接着性を
発現し、圧着により転写層が密着するものが良い。な
お、通常の熱可塑性樹脂中に該熱可塑性樹脂とは反応し
ないイソシアネート化合物を含有させても、該イソシア
ネート化合物は転写層中の活性水素含有官能基と化学結
合させることはできるが、この場合、接着剤層の熱可塑
性樹脂自体はそのまま熱可塑性樹脂として残るので、接
着剤層自体も硬化性樹脂層となる方が、耐久性に優れ
る。
【0038】2液硬化型ウレタン樹脂(組成物)の樹脂
主剤としては、イソシアネート基と反応する官能基とし
て、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカ
プト基等を有する化合物を使用できる。官能基は水酸基
が代表的であり、その化合物の具体例としては、ポリウ
レタン分野にて従来公知の各種ポリオールが挙げられ
る。ポリオールとしては、例えばポリ(エチレンアジペ
ート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ネオペン
チルアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペー
ト)、ポリ(ブチレンアゼラエート)、ポリ(ブチレン
セバケート)、ポリカプロラクトン等のポリエステルポ
リオール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオ
キサイド、ポリ(テトラメチレンエーテル)等のポリエ
ーテルポリオール、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポ
リ(ヘキサメチレンカーボネート)等のポリカーボネー
トポリオール、或いはアクリルポリオール、ウレタンポ
リオール、或いはフッ素系ポリオール、アクリルシリコ
ーン系ポリオール等を使用できる。
主剤としては、イソシアネート基と反応する官能基とし
て、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカ
プト基等を有する化合物を使用できる。官能基は水酸基
が代表的であり、その化合物の具体例としては、ポリウ
レタン分野にて従来公知の各種ポリオールが挙げられ
る。ポリオールとしては、例えばポリ(エチレンアジペ
ート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ネオペン
チルアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペー
ト)、ポリ(ブチレンアゼラエート)、ポリ(ブチレン
セバケート)、ポリカプロラクトン等のポリエステルポ
リオール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオ
キサイド、ポリ(テトラメチレンエーテル)等のポリエ
ーテルポリオール、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポ
リ(ヘキサメチレンカーボネート)等のポリカーボネー
トポリオール、或いはアクリルポリオール、ウレタンポ
リオール、或いはフッ素系ポリオール、アクリルシリコ
ーン系ポリオール等を使用できる。
【0039】また、イソシアネート(化合物)として
は、ポリウレタン分野にて従来公知の脂肪族(乃至は脂
環式)又は芳香族のポリイソシアネートを得られる転写
製品の要求物性に応じて適宜選択使用する。例えば、脂
肪族(乃至は脂環式)系としては、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の2価の
イソシアネート、芳香族としては、2,4−トリレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート、水素添加トリレンジイソシアネート等の2価のイ
ソシアネート、或いは、デスモシュールR(Bayer 社
製、トリレンジイソイアネートの付加体の商品名)、デ
スモシュールL(Bayer 社製、トリレンジイソイアネー
トの付加体の商品名)等の3価のイソシアネート、トリ
レンジイソシアネートの三量体の重合体等の4価以上の
イソシアネート等が使用できる。また、デスモシュール
L等の様に各種の付加体(アダクト)も使用できる。な
お、外装用途等の耐候性を必要とする場合には、脂肪族
(乃至は脂環式)系が好ましい。
は、ポリウレタン分野にて従来公知の脂肪族(乃至は脂
環式)又は芳香族のポリイソシアネートを得られる転写
製品の要求物性に応じて適宜選択使用する。例えば、脂
肪族(乃至は脂環式)系としては、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の2価の
イソシアネート、芳香族としては、2,4−トリレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート、水素添加トリレンジイソシアネート等の2価のイ
ソシアネート、或いは、デスモシュールR(Bayer 社
製、トリレンジイソイアネートの付加体の商品名)、デ
スモシュールL(Bayer 社製、トリレンジイソイアネー
トの付加体の商品名)等の3価のイソシアネート、トリ
レンジイソシアネートの三量体の重合体等の4価以上の
イソシアネート等が使用できる。また、デスモシュール
L等の様に各種の付加体(アダクト)も使用できる。な
お、外装用途等の耐候性を必要とする場合には、脂肪族
(乃至は脂環式)系が好ましい。
【0040】また、1液硬化型ウレタン樹脂(組成物)
としては、例えば、イソシアネート基を含有するウレタ
ンプレポリマー等がある。このイソシアネート基含有ウ
レタンプレポリマーは、前記各種ポリオールに上記各種
イソシアネートを過剰に反応させれば得られる。後述す
る湿気硬化型接着剤としてのウレタンプレポリマーもイ
ソシアネート基を持つ為、この1液硬化型ウレタン樹脂
(組成物)として使用できる。
としては、例えば、イソシアネート基を含有するウレタ
ンプレポリマー等がある。このイソシアネート基含有ウ
レタンプレポリマーは、前記各種ポリオールに上記各種
イソシアネートを過剰に反応させれば得られる。後述す
る湿気硬化型接着剤としてのウレタンプレポリマーもイ
ソシアネート基を持つ為、この1液硬化型ウレタン樹脂
(組成物)として使用できる。
【0041】また、1液硬化型ウレタン樹脂(組成物)
として、湿気硬化型感熱溶融型接着剤も用いることがで
きる。この湿気硬化型感熱溶融型接着剤は、自然放置に
より空気中の水分で硬化反応が進行するので、作業安定
性の点で転写直前に施す。また、湿気硬化型感熱溶融型
接着剤は、転写直後は、通常の感熱溶融型接着剤同様の
接着力だが、自然放置により空気中の水分で架橋・硬化
反応が徐徐に進行する為に、最終的にクリープ変形及び
熱溶融がなく耐熱性等に優れ、大きな接着力が得られ
る。但し、転写終了後に湿気で接着剤の架橋・硬化を進
行させる為、湿気を含む空気中に転写後の化粧材を放置
して養生する。養生の際の好ましい雰囲気条件は、大
体、相対湿度50%RH以上、気温10℃以上である。
温度・相対湿度とも高い方が、より短時間で硬化が完了
する。標準的な硬化完了時間は、通常の場合、20℃、
60%RHの雰囲気中で10時間程度である。
として、湿気硬化型感熱溶融型接着剤も用いることがで
きる。この湿気硬化型感熱溶融型接着剤は、自然放置に
より空気中の水分で硬化反応が進行するので、作業安定
性の点で転写直前に施す。また、湿気硬化型感熱溶融型
接着剤は、転写直後は、通常の感熱溶融型接着剤同様の
接着力だが、自然放置により空気中の水分で架橋・硬化
反応が徐徐に進行する為に、最終的にクリープ変形及び
熱溶融がなく耐熱性等に優れ、大きな接着力が得られ
る。但し、転写終了後に湿気で接着剤の架橋・硬化を進
行させる為、湿気を含む空気中に転写後の化粧材を放置
して養生する。養生の際の好ましい雰囲気条件は、大
体、相対湿度50%RH以上、気温10℃以上である。
温度・相対湿度とも高い方が、より短時間で硬化が完了
する。標準的な硬化完了時間は、通常の場合、20℃、
60%RHの雰囲気中で10時間程度である。
【0042】湿気硬化型感熱溶融型接着剤は、分子末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分と
する組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両
末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソ
シアネートプレポリマーであり、常温で固体の熱可塑性
樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同士が
空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、そ
の結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じて、
この尿素結合に更に分子末端のイソシアネート基が反応
して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を起
こす。分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマ
ーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的には、ウ
レタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル結合を
有するポリエステル骨格、ポリブタジン骨格等である。
適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用すること
で、接着剤物性を調整できる。なお、分子鎖中にウレタ
ン結合ある場合は、このウレタン結合とも末端イソシア
ネート基が反応して、アロファネート結合を生じて、こ
のアロファネート結合によっても架橋反応を起こす。
にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分と
する組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両
末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソ
シアネートプレポリマーであり、常温で固体の熱可塑性
樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同士が
空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、そ
の結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じて、
この尿素結合に更に分子末端のイソシアネート基が反応
して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を起
こす。分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマ
ーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的には、ウ
レタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル結合を
有するポリエステル骨格、ポリブタジン骨格等である。
適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用すること
で、接着剤物性を調整できる。なお、分子鎖中にウレタ
ン結合ある場合は、このウレタン結合とも末端イソシア
ネート基が反応して、アロファネート結合を生じて、こ
のアロファネート結合によっても架橋反応を起こす。
【0043】ポリイソシアネートプレポリマーの具体例
としては、例えば、ポリオールに過剰のポリイソシアネ
ートを反応させた分子末端にイソシアネート基を有し、
且つ分子鎖中にウレタン結合を有するポリウレタン骨格
の、ウレタンプレポリマーがある。また、特開昭64−
14287号公報に開示されている様な、ポリイソシア
ネートに、ポリエステルポリオールと、ポリブタジエン
骨格を有するポリオールとを任意の順序で加え付加反応
させて得られた、ポリエステル骨格とポリブタジエン骨
格とがウレタン結合により結合された構造を有し且つ分
子末端にイソシアネート基を有する結晶性ウレタンプレ
ポリマー、或いは、特開平2−305882号公報に開
示されている様な、ポリカーボネート系ポリオールとポ
リイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以
上のイシソアネート基を有するポリカーボネート系ウレ
タンプレポリマー、ポリエステル系ポリオールとポリイ
ソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上の
イシソアネート基を有するポリエステル系ウレタンプレ
ポリマー等が挙げられる。
としては、例えば、ポリオールに過剰のポリイソシアネ
ートを反応させた分子末端にイソシアネート基を有し、
且つ分子鎖中にウレタン結合を有するポリウレタン骨格
の、ウレタンプレポリマーがある。また、特開昭64−
14287号公報に開示されている様な、ポリイソシア
ネートに、ポリエステルポリオールと、ポリブタジエン
骨格を有するポリオールとを任意の順序で加え付加反応
させて得られた、ポリエステル骨格とポリブタジエン骨
格とがウレタン結合により結合された構造を有し且つ分
子末端にイソシアネート基を有する結晶性ウレタンプレ
ポリマー、或いは、特開平2−305882号公報に開
示されている様な、ポリカーボネート系ポリオールとポ
リイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以
上のイシソアネート基を有するポリカーボネート系ウレ
タンプレポリマー、ポリエステル系ポリオールとポリイ
ソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上の
イシソアネート基を有するポリエステル系ウレタンプレ
ポリマー等が挙げられる。
【0044】また、湿気硬化型感熱溶融型接着剤として
は、上記各種ポリイソシアネートプレポリマーの他に、
各種物性を調整する為に、上記必須反応成分に更に、必
要に応じて、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、可塑剤、充填
剤等の各種副材料添加することもできる。これらの副材
料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
低分子量ポリエチレン、変性ポリオレフィン、アタクチ
ックポリプロピレン、線状ポリエステル、エチレン−エ
チルアクリレート(EAA)等の熱可塑性樹脂、テルペ
ン−フェノール樹脂、アビエチン酸ロジンエステル等の
粘着付与剤、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、
アルミナ等の微粉末からなる充填剤(体質顔料)、着色
顔料、硬化触媒、水分除去剤、貯蔵安定剤、老化防止剤
等である。
は、上記各種ポリイソシアネートプレポリマーの他に、
各種物性を調整する為に、上記必須反応成分に更に、必
要に応じて、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、可塑剤、充填
剤等の各種副材料添加することもできる。これらの副材
料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
低分子量ポリエチレン、変性ポリオレフィン、アタクチ
ックポリプロピレン、線状ポリエステル、エチレン−エ
チルアクリレート(EAA)等の熱可塑性樹脂、テルペ
ン−フェノール樹脂、アビエチン酸ロジンエステル等の
粘着付与剤、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、
アルミナ等の微粉末からなる充填剤(体質顔料)、着色
顔料、硬化触媒、水分除去剤、貯蔵安定剤、老化防止剤
等である。
【0045】(転写シート側に設ける場合:その1)先
ず、前記の接着剤を転写シート側に施し且つ凹凸基材
側に下塗り層及び/又は接着剤層を設けておく場合に
は、転写シート側に設ける接着剤には活性水素含有官能
基を持つ反応性可塑剤を熱可塑性樹脂中に含有する物を
用いる。この結果、転写層が接する凹凸基材側の下塗り
層や接着剤層中のイソシアネート基と、、転写層中の活
性水素含有官能基とが化学反応してウレタン結合等の化
学結合を生じさせる事ができ、凹凸基材側に設けた接着
剤層と、転写層とを化学結合で一体化させ、層間密着力
向上による優れた耐久性が得られる。なお、接着剤層中
に顔料等の着色剤を添加すれば、全面ベタのインク層か
らなる装飾機能を有する接着剤層ともいえる。
ず、前記の接着剤を転写シート側に施し且つ凹凸基材
側に下塗り層及び/又は接着剤層を設けておく場合に
は、転写シート側に設ける接着剤には活性水素含有官能
基を持つ反応性可塑剤を熱可塑性樹脂中に含有する物を
用いる。この結果、転写層が接する凹凸基材側の下塗り
層や接着剤層中のイソシアネート基と、、転写層中の活
性水素含有官能基とが化学反応してウレタン結合等の化
学結合を生じさせる事ができ、凹凸基材側に設けた接着
剤層と、転写層とを化学結合で一体化させ、層間密着力
向上による優れた耐久性が得られる。なお、接着剤層中
に顔料等の着色剤を添加すれば、全面ベタのインク層か
らなる装飾機能を有する接着剤層ともいえる。
【0046】転写層の一部となる接着剤層中に含有させ
る反応性可塑剤としては、前述した転写層中に含有させ
る反応性可塑剤を用いることができる。
る反応性可塑剤としては、前述した転写層中に含有させ
る反応性可塑剤を用いることができる。
【0047】反応性可塑剤を含有させる熱可塑性樹脂と
しては、例えば、感熱型接着剤、ホットメルト接着剤、
粘着剤による感圧型接着剤等として用いられている従来
公知の熱可塑性樹脂を用いる事ができる。この様な、熱
可塑性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、熱可塑
性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ダイマー
酸とエチレンジアミンとの縮重合により得られるポリア
ミド樹脂等が挙げられる。
しては、例えば、感熱型接着剤、ホットメルト接着剤、
粘着剤による感圧型接着剤等として用いられている従来
公知の熱可塑性樹脂を用いる事ができる。この様な、熱
可塑性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、熱可塑
性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ダイマー
酸とエチレンジアミンとの縮重合により得られるポリア
ミド樹脂等が挙げられる。
【0048】なお、用いる熱可塑性樹脂自体にも活性水
素含有官能基を有する熱可塑性樹脂を用いると、該樹脂
の活性水素含有官能基を、凹凸基材側の下塗り層や接着
剤層が含有するイソシアネート基と反応させてウレタン
結合等の化学結合を生じさせ事ができるので、さらなる
層間密着力向上、及び該樹脂自体の耐久性向上よるによ
る優れた耐久性が得られる。この活性水素含有官能基と
しては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等がある。
なかでも、水酸基は反応性、物性等の点で好ましい。こ
の様な活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹脂として
は、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオ
ール、ポリウレタンポリオール等の各種ポリオール、或
いは、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
等が挙げられる。なかでも、凹凸基材が無機材料からな
る場合等で、耐久性として耐アルカリ性、耐加水分解性
が要求される場合は、アクリルポリオールは好ましい樹
脂の一つである。ただ、アクリルポリオールからなる樹
脂は、塗工可能なガラス転移温度は50℃以上である
が、このような樹脂はいずれも脆い。この為、反応性可
塑剤等の可塑剤を添加しないと、転写シートを表面凹凸
に成形転写する場合、転写層の伸びが大きい部分で、割
れや剥脱してしまう。特に、低温で転写する場合、顕著
である。しかし、本発明では、反応性可塑剤を添加する
事により樹脂に柔軟性を持たせることができる。その結
果、アクリルポリオール、特にガラス転移温度50℃以
上のものからなる活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹
脂等を用いても、転写層の割れや剥脱が生じない。
素含有官能基を有する熱可塑性樹脂を用いると、該樹脂
の活性水素含有官能基を、凹凸基材側の下塗り層や接着
剤層が含有するイソシアネート基と反応させてウレタン
結合等の化学結合を生じさせ事ができるので、さらなる
層間密着力向上、及び該樹脂自体の耐久性向上よるによ
る優れた耐久性が得られる。この活性水素含有官能基と
しては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等がある。
なかでも、水酸基は反応性、物性等の点で好ましい。こ
の様な活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹脂として
は、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオ
ール、ポリウレタンポリオール等の各種ポリオール、或
いは、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
等が挙げられる。なかでも、凹凸基材が無機材料からな
る場合等で、耐久性として耐アルカリ性、耐加水分解性
が要求される場合は、アクリルポリオールは好ましい樹
脂の一つである。ただ、アクリルポリオールからなる樹
脂は、塗工可能なガラス転移温度は50℃以上である
が、このような樹脂はいずれも脆い。この為、反応性可
塑剤等の可塑剤を添加しないと、転写シートを表面凹凸
に成形転写する場合、転写層の伸びが大きい部分で、割
れや剥脱してしまう。特に、低温で転写する場合、顕著
である。しかし、本発明では、反応性可塑剤を添加する
事により樹脂に柔軟性を持たせることができる。その結
果、アクリルポリオール、特にガラス転移温度50℃以
上のものからなる活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹
脂等を用いても、転写層の割れや剥脱が生じない。
【0049】(転写シート側に設ける場合:その2)次
に、前記の接着剤を転写シート側に施すが、凹凸基材
側に下塗り層及び/又は接着剤層を設けておかない場合
には、転写シート側に施す接着剤には、活性水素含有官
能基を持つ反応性可塑剤を熱可塑性樹脂中に含有する物
を用いる必要はない。なぜならば、凹凸基材側の表面に
イソシアネート基を有する化合物を期待できないからで
ある。したがって、この様な場合に用いる接着剤として
は、例えば、感熱型接着剤、湿気硬化型感熱溶融型接着
剤、ホットメルト接着剤、湿気硬化型ホットメルト接着
剤、2液硬化型接着剤、電離放射線硬化型接着剤、或い
は粘着剤による感圧型接着剤等の各種の接着剤を使用で
きる。感熱型接着剤としては、従来公知の、熱可塑性樹
脂を用いた熱融着型(感熱溶融型接着剤)、及び熱硬化
性樹脂を用いた熱硬化型のいずれの接着剤でも用いるこ
とができる。熱融着型接着剤に用いる熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル
樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ダイマー酸とエチレンジ
アミンとの縮重合により得られるポリアミド樹脂等が用
いられる。熱硬化型接着剤に用いる熱硬化性樹脂として
は、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、熱硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられ
る。
に、前記の接着剤を転写シート側に施すが、凹凸基材
側に下塗り層及び/又は接着剤層を設けておかない場合
には、転写シート側に施す接着剤には、活性水素含有官
能基を持つ反応性可塑剤を熱可塑性樹脂中に含有する物
を用いる必要はない。なぜならば、凹凸基材側の表面に
イソシアネート基を有する化合物を期待できないからで
ある。したがって、この様な場合に用いる接着剤として
は、例えば、感熱型接着剤、湿気硬化型感熱溶融型接着
剤、ホットメルト接着剤、湿気硬化型ホットメルト接着
剤、2液硬化型接着剤、電離放射線硬化型接着剤、或い
は粘着剤による感圧型接着剤等の各種の接着剤を使用で
きる。感熱型接着剤としては、従来公知の、熱可塑性樹
脂を用いた熱融着型(感熱溶融型接着剤)、及び熱硬化
性樹脂を用いた熱硬化型のいずれの接着剤でも用いるこ
とができる。熱融着型接着剤に用いる熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル
樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ダイマー酸とエチレンジ
アミンとの縮重合により得られるポリアミド樹脂等が用
いられる。熱硬化型接着剤に用いる熱硬化性樹脂として
は、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、熱硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられ
る。
【0050】(接着剤共通事項)なお、凹凸基材側や転
写シート側へ施す接着剤に用いる上記各種樹脂には、更
に、必要に応じて、各種添加剤を添加することもでき
る。これらの添加剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の微粉末からな
る体質顔料(充填剤)、有機ベントナイト等のチキソト
ロピック付与剤(特に凹凸段差の大きい凹凸基材に施す
場合、接着剤が凸部から凹部へ流入する事を防止する為
に添加すると良い。)等である。なお、固体粒子加速流
体に液体を用いる場合には、該液体に対して不溶性の接
着剤を用いる。
写シート側へ施す接着剤に用いる上記各種樹脂には、更
に、必要に応じて、各種添加剤を添加することもでき
る。これらの添加剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の微粉末からな
る体質顔料(充填剤)、有機ベントナイト等のチキソト
ロピック付与剤(特に凹凸段差の大きい凹凸基材に施す
場合、接着剤が凸部から凹部へ流入する事を防止する為
に添加すると良い。)等である。なお、固体粒子加速流
体に液体を用いる場合には、該液体に対して不溶性の接
着剤を用いる。
【0051】接着剤を、転写シート等のシートや凹凸基
材に施すには、接着剤の種類により適宜、水、有機溶剤
等の溶媒(又は分散媒)に溶解(又は分散)した溶液
(又は分散液)の形態で、或いは熱溶融した熱可塑性組
成物、又は室温液状の未硬化樹脂を無溶剤の樹脂液の形
態(凹凸基材への場合)で施す。塗工法としては、従来
公知の塗工法であるグラビアロールコート等による溶液
塗工や、アプリケータ等による熔融塗工(溶融塗工)法
により施せば良い。希釈溶剤を添加せずに用いれば、溶
剤乾燥は不要である。例えば、感熱溶融型接着剤は、そ
れぞれ無溶剤のホットメルト接着剤として使用できる。
また、凹凸基材側の接着剤層としてなら電離放射線硬化
型接着剤なども無溶剤で施すことができる。ホットメル
ト型接着剤として使用する場合は無溶剤なので、転写直
前の塗工でも溶剤乾燥が不要で、高速生産できる。な
お、接着剤の塗布量は、接着剤の組成、凹凸基材の種類
及び表面状態で異なるが、通常10〜200g/m
2 (固形分)程度である。なお、凹凸基材に接着剤を施
す場合、施す面は凹凸面である為に、特にその凹凸が大
きい場合には、軟質ゴムローラやスポンジローラを使用
したロールコート、或いはフローコート、スプレーコー
ト等は好ましい塗工法である。また、もしもここで、凹
凸表面の凸部のみをロールコート等で部分的に塗工すれ
ば、塗工部分のみ転写層を転写する部分転写を行う事も
できる。
材に施すには、接着剤の種類により適宜、水、有機溶剤
等の溶媒(又は分散媒)に溶解(又は分散)した溶液
(又は分散液)の形態で、或いは熱溶融した熱可塑性組
成物、又は室温液状の未硬化樹脂を無溶剤の樹脂液の形
態(凹凸基材への場合)で施す。塗工法としては、従来
公知の塗工法であるグラビアロールコート等による溶液
塗工や、アプリケータ等による熔融塗工(溶融塗工)法
により施せば良い。希釈溶剤を添加せずに用いれば、溶
剤乾燥は不要である。例えば、感熱溶融型接着剤は、そ
れぞれ無溶剤のホットメルト接着剤として使用できる。
また、凹凸基材側の接着剤層としてなら電離放射線硬化
型接着剤なども無溶剤で施すことができる。ホットメル
ト型接着剤として使用する場合は無溶剤なので、転写直
前の塗工でも溶剤乾燥が不要で、高速生産できる。な
お、接着剤の塗布量は、接着剤の組成、凹凸基材の種類
及び表面状態で異なるが、通常10〜200g/m
2 (固形分)程度である。なお、凹凸基材に接着剤を施
す場合、施す面は凹凸面である為に、特にその凹凸が大
きい場合には、軟質ゴムローラやスポンジローラを使用
したロールコート、或いはフローコート、スプレーコー
ト等は好ましい塗工法である。また、もしもここで、凹
凸表面の凸部のみをロールコート等で部分的に塗工すれ
ば、塗工部分のみ転写層を転写する部分転写を行う事も
できる。
【0052】また、接着剤をホットメルト接着剤として
用いる場合で、更に凹凸基材の凹凸形状に転写シートを
追従変性させて転写する場合には、必然的に転写シート
の支持体として、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性樹
脂シートの様に室温乃至加熱状態で熱可塑性或いはゴム
弾性を呈する物を選ぶ必要があるが、これは別の観点か
ら観ると支持体に耐熱性が低い物を選ばざるを得ないと
いう事を意味する。故に、該接着剤を熔融塗工して転写
シートとする場合、接着剤層を厚く塗工すると、熔融塗
工時の熱で支持体が軟化し、また、接着剤塗工装置にお
いて加熱状態のアプリケータローラにシートが粘着し、
引きずられてシートが伸びたり、歪んだり、或いは巻き
込まれたりすることがある。そこで、この様な場合に
は、シートに接着剤を直接に熔融塗工せず、離型シート
(セパレータ)経由で接着剤を施して転写シートとする
と良い。すなわち、耐熱性及び離型性のある離型シート
に、接着剤を加熱熔融塗工後、塗工された接着剤により
離型シートと、転写シートになるシートとをニップロー
ラ等により一旦熱ラミネートし、次いで、剥離ローラ等
により離型シートのみをシートから剥離することで、シ
ートへの熱ダメージを少なくして、接着剤層が形成され
た転写シートとすることができる。なお離型シートには
延伸性等は不要で2軸延伸ポリエチレンテレフタレート
シート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、
ポリイミド等の耐熱性樹脂シートや紙等を基材として、
この表面をシリコーン樹脂、ポリメチルペンテン等の塗
工で、離型処理した従来公知の離型シートが使用でき
る。離型シートの厚みは通常50〜200μm程度であ
る。
用いる場合で、更に凹凸基材の凹凸形状に転写シートを
追従変性させて転写する場合には、必然的に転写シート
の支持体として、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性樹
脂シートの様に室温乃至加熱状態で熱可塑性或いはゴム
弾性を呈する物を選ぶ必要があるが、これは別の観点か
ら観ると支持体に耐熱性が低い物を選ばざるを得ないと
いう事を意味する。故に、該接着剤を熔融塗工して転写
シートとする場合、接着剤層を厚く塗工すると、熔融塗
工時の熱で支持体が軟化し、また、接着剤塗工装置にお
いて加熱状態のアプリケータローラにシートが粘着し、
引きずられてシートが伸びたり、歪んだり、或いは巻き
込まれたりすることがある。そこで、この様な場合に
は、シートに接着剤を直接に熔融塗工せず、離型シート
(セパレータ)経由で接着剤を施して転写シートとする
と良い。すなわち、耐熱性及び離型性のある離型シート
に、接着剤を加熱熔融塗工後、塗工された接着剤により
離型シートと、転写シートになるシートとをニップロー
ラ等により一旦熱ラミネートし、次いで、剥離ローラ等
により離型シートのみをシートから剥離することで、シ
ートへの熱ダメージを少なくして、接着剤層が形成され
た転写シートとすることができる。なお離型シートには
延伸性等は不要で2軸延伸ポリエチレンテレフタレート
シート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、
ポリイミド等の耐熱性樹脂シートや紙等を基材として、
この表面をシリコーン樹脂、ポリメチルペンテン等の塗
工で、離型処理した従来公知の離型シートが使用でき
る。離型シートの厚みは通常50〜200μm程度であ
る。
【0053】なお、接着剤に感熱溶融型接着剤等の感熱
型接着剤となる物を用い、転写圧として固体粒子衝突圧
を利用する場合、接着剤を活性化して熱融着させる為に
加熱するタイミングは、衝突圧印加前、衝突圧印加中、
或いは衝突圧印加前及び印加中などのいずれでも良い。
接着剤の加熱は転写シートや被転写基材を加熱して行
う。接着剤が施された材料(転写シートや被転写基材)
を加熱しても良く、接着剤が施されていない側の材料を
加熱しても良く、或いはこれら両方の材料を加熱しても
良い。また、衝突圧印加中の加熱には、加熱固体粒子
や、固体粒子加速用の流体を加熱流体として用いても良
い。一方、転写シートが被転写基材の表面形状に追従
し、成形され、接着剤が十分活性化すれば、冷風等の冷
却手段で接着剤の冷却を促進しても良い。冷風は、転写
シート側や被転写基材側から吹き付ける。また、冷却手
段として、冷却固体粒子、冷却流体も用いることもでき
る。冷却促進は、被転写基材の凹凸表面の凹部内部にま
で追従成形された転写シートが衝突圧開放後に復元力が
ある場合に戻るのも防止する。
型接着剤となる物を用い、転写圧として固体粒子衝突圧
を利用する場合、接着剤を活性化して熱融着させる為に
加熱するタイミングは、衝突圧印加前、衝突圧印加中、
或いは衝突圧印加前及び印加中などのいずれでも良い。
接着剤の加熱は転写シートや被転写基材を加熱して行
う。接着剤が施された材料(転写シートや被転写基材)
を加熱しても良く、接着剤が施されていない側の材料を
加熱しても良く、或いはこれら両方の材料を加熱しても
良い。また、衝突圧印加中の加熱には、加熱固体粒子
や、固体粒子加速用の流体を加熱流体として用いても良
い。一方、転写シートが被転写基材の表面形状に追従
し、成形され、接着剤が十分活性化すれば、冷風等の冷
却手段で接着剤の冷却を促進しても良い。冷風は、転写
シート側や被転写基材側から吹き付ける。また、冷却手
段として、冷却固体粒子、冷却流体も用いることもでき
る。冷却促進は、被転写基材の凹凸表面の凹部内部にま
で追従成形された転写シートが衝突圧開放後に復元力が
ある場合に戻るのも防止する。
【0054】〔トップコート層〕なお、転写後の化粧材
の表面に、耐久性、或いは意匠感等を付与する為に、更
に透明なトップコート層を設けても良い。特に耐久性の
点ではトップコート層を設ける事が好ましい。トップコ
ート層は、イソシアネート基を含有する硬化性樹脂(組
成物)で形成しておくことが、転写後に優れた耐久性が
得られる点で好ましい。すなわち、そのイソシアネート
基と、転写層中に含有する反応性可塑剤の活性水素含有
官能基(転写層に活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹
脂を用いる場合は、その活性水素含有官能基も)との化
学反応でウレタン結合等の化学結合を生じさせて、トッ
プコート層と転写層とを化学結合で一体化させ、層間密
着力向上による優れた耐久性が得られるからである。ま
た、トップコート層自体が層内架橋により耐久性に優れ
た硬化樹脂層となる。更に、転写層の熱可塑性樹脂にも
活性水素含有官能基を有する樹脂を用いる場合には、該
樹脂の活性水素含有官能基も前記イソシアネート基と反
応させてウレタン結合等の化学結合を生じさせ事ができ
るので、さらなる層間密着力向上、及び該樹脂自体の耐
久性向上よるによる優れた耐久性が得られる。
の表面に、耐久性、或いは意匠感等を付与する為に、更
に透明なトップコート層を設けても良い。特に耐久性の
点ではトップコート層を設ける事が好ましい。トップコ
ート層は、イソシアネート基を含有する硬化性樹脂(組
成物)で形成しておくことが、転写後に優れた耐久性が
得られる点で好ましい。すなわち、そのイソシアネート
基と、転写層中に含有する反応性可塑剤の活性水素含有
官能基(転写層に活性水素含有官能基を持つ熱可塑性樹
脂を用いる場合は、その活性水素含有官能基も)との化
学反応でウレタン結合等の化学結合を生じさせて、トッ
プコート層と転写層とを化学結合で一体化させ、層間密
着力向上による優れた耐久性が得られるからである。ま
た、トップコート層自体が層内架橋により耐久性に優れ
た硬化樹脂層となる。更に、転写層の熱可塑性樹脂にも
活性水素含有官能基を有する樹脂を用いる場合には、該
樹脂の活性水素含有官能基も前記イソシアネート基と反
応させてウレタン結合等の化学結合を生じさせ事ができ
るので、さらなる層間密着力向上、及び該樹脂自体の耐
久性向上よるによる優れた耐久性が得られる。
【0055】イソシアネート基を含有する硬化性樹脂と
しては、1液硬化型や2液硬化型等のウレタン樹脂を用
いると良い。なお、イソシアネート基は、転写層中の活
性水素含有官能基と化学結合させる為に、トップコート
層中にある該イソシアネート基と反応し得る反応性官能
基よりも多めの当量数とする。なお、通常の熱可塑性樹
脂中に該熱可塑性樹脂とは反応しないイソシアネート化
合物を含有させても、該イソシアネート化合物は転写層
中の活性水素含有官能基と化学結合させることはできる
が、この場合、トップコート層の熱可塑性樹脂自体はそ
のまま熱可塑性樹脂として残るので、トップコート層自
体も硬化性樹脂層となる方が、耐久性に優れる。
しては、1液硬化型や2液硬化型等のウレタン樹脂を用
いると良い。なお、イソシアネート基は、転写層中の活
性水素含有官能基と化学結合させる為に、トップコート
層中にある該イソシアネート基と反応し得る反応性官能
基よりも多めの当量数とする。なお、通常の熱可塑性樹
脂中に該熱可塑性樹脂とは反応しないイソシアネート化
合物を含有させても、該イソシアネート化合物は転写層
中の活性水素含有官能基と化学結合させることはできる
が、この場合、トップコート層の熱可塑性樹脂自体はそ
のまま熱可塑性樹脂として残るので、トップコート層自
体も硬化性樹脂層となる方が、耐久性に優れる。
【0056】2液硬化型ウレタン樹脂(組成物)の樹脂
主剤としては、イソシアネート基と反応する官能基とし
て、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカ
プト基等を有する化合物を使用できる。官能基は水酸基
が代表的であり、その化合物の具体例としては、ポリウ
レタン分野にて従来公知の各種ポリオールが挙げられ
る。ポリオールとしては、例えばポリ(エチレンアジペ
ート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ネオペン
チルアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペー
ト)、ポリ(ブチレンアゼラエート)、ポリ(ブチレン
セバケート)、ポリカプロラクトン等のポリエステルポ
リオール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオ
キサイド、ポリ(テトラメチレンエーテル)等のポリエ
ーテルポリオール、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポ
リ(ヘキサメチレンカーボネート)等のポリカーボネー
トポリオール、或いはアクリルポリオール、ウレタンポ
リオール、或いはフッ素系ポリオール、アクリルシリコ
ーン系ポリオール等を使用できる。
主剤としては、イソシアネート基と反応する官能基とし
て、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカ
プト基等を有する化合物を使用できる。官能基は水酸基
が代表的であり、その化合物の具体例としては、ポリウ
レタン分野にて従来公知の各種ポリオールが挙げられ
る。ポリオールとしては、例えばポリ(エチレンアジペ
ート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ネオペン
チルアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペー
ト)、ポリ(ブチレンアゼラエート)、ポリ(ブチレン
セバケート)、ポリカプロラクトン等のポリエステルポ
リオール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオ
キサイド、ポリ(テトラメチレンエーテル)等のポリエ
ーテルポリオール、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポ
リ(ヘキサメチレンカーボネート)等のポリカーボネー
トポリオール、或いはアクリルポリオール、ウレタンポ
リオール、或いはフッ素系ポリオール、アクリルシリコ
ーン系ポリオール等を使用できる。
【0057】また、イソシアネート(化合物)として
は、ポリウレタン分野にて従来公知の脂肪族(乃至は脂
環式)又は芳香族のポリイソシアネートを得られる転写
製品の要求物性に応じて適宜選択使用する。例えば、脂
肪族(乃至は脂環式)系としては、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の2価の
イソシアネート、芳香族としては、2,4−トリレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート、水素添加トリレンジイソシアネート等の2価のイ
ソシアネート、或いは、デスモシュールR(Bayer 社
製、トリレンジイソイアネートの付加体の商品名)、デ
スモシュールL(Bayer 社製、トリレンジイソイアネー
トの付加体の商品名)等の3価のイソシアネート、トリ
レンジイソシアネートの三量体の重合体等の4価以上の
イソシアネート等が使用できる。また、デスモシュール
L等の様に各種の付加体(アダクト)も使用できる。な
お、外装用途等の耐候性を必要とする場合には、脂肪族
(乃至は脂環式)系が好ましい。
は、ポリウレタン分野にて従来公知の脂肪族(乃至は脂
環式)又は芳香族のポリイソシアネートを得られる転写
製品の要求物性に応じて適宜選択使用する。例えば、脂
肪族(乃至は脂環式)系としては、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の2価の
イソシアネート、芳香族としては、2,4−トリレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート、水素添加トリレンジイソシアネート等の2価のイ
ソシアネート、或いは、デスモシュールR(Bayer 社
製、トリレンジイソイアネートの付加体の商品名)、デ
スモシュールL(Bayer 社製、トリレンジイソイアネー
トの付加体の商品名)等の3価のイソシアネート、トリ
レンジイソシアネートの三量体の重合体等の4価以上の
イソシアネート等が使用できる。また、デスモシュール
L等の様に各種の付加体(アダクト)も使用できる。な
お、外装用途等の耐候性を必要とする場合には、脂肪族
(乃至は脂環式)系が好ましい。
【0058】また、1液硬化型ウレタン樹脂(組成物)
としては、例えば、イソシアネート基を含有するウレタ
ンプレポリマー等がある。このイソシアネート基含有ウ
レタンプレポリマーは、前記各種ポリオールに上記各種
イソシアネートを過剰に反応させれば得られる。前述し
た湿気硬化型接着剤としてのウレタンプレポリマーもイ
ソシアネート基を持つ為、この1液硬化型ウレタン樹脂
(組成物)として使用できる。
としては、例えば、イソシアネート基を含有するウレタ
ンプレポリマー等がある。このイソシアネート基含有ウ
レタンプレポリマーは、前記各種ポリオールに上記各種
イソシアネートを過剰に反応させれば得られる。前述し
た湿気硬化型接着剤としてのウレタンプレポリマーもイ
ソシアネート基を持つ為、この1液硬化型ウレタン樹脂
(組成物)として使用できる。
【0059】なお、トップコート層に用いる塗料中に
は、必要に応じて、艶調整剤等として、シリカ、カオリ
ン、アルミナ、炭酸カルシウム、クレー、沈降性硫酸バ
リウム等の体質顔料を添加しても良い。また、着色顔料
を添加して半透明の着色層としたり、或いはパール顔料
やアルミフレーク等の光輝性顔料を添加して光輝性の着
色層として良い。また、ベンゾトリアゾール、超微粒子
酸化セリウム等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラ
ジカル捕捉剤等の光安定剤、滑剤等も添加しても良い。
塗工はスプレー塗装、フローコート、軟質ゴムロールや
スポンジロールを使用したロールコート等を用いれば良
い。トップコート層の膜厚は1〜100μm程度であ
る。(以下、次の文書ファイルに続く)
は、必要に応じて、艶調整剤等として、シリカ、カオリ
ン、アルミナ、炭酸カルシウム、クレー、沈降性硫酸バ
リウム等の体質顔料を添加しても良い。また、着色顔料
を添加して半透明の着色層としたり、或いはパール顔料
やアルミフレーク等の光輝性顔料を添加して光輝性の着
色層として良い。また、ベンゾトリアゾール、超微粒子
酸化セリウム等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラ
ジカル捕捉剤等の光安定剤、滑剤等も添加しても良い。
塗工はスプレー塗装、フローコート、軟質ゴムロールや
スポンジロールを使用したロールコート等を用いれば良
い。トップコート層の膜厚は1〜100μm程度であ
る。(以下、次の文書ファイルに続く)
【0060】〔転写方法〕上述した本発明の転写シート
を用いる曲面転写方法としては、その転写圧の印加手段
は特に特に限定されず、曲面転写可能な従来公知のいか
なる転写方法でも良い。但し、本発明ではイソシアネー
ト基を残存する硬化性樹脂を凹凸基材の下塗り層や接着
剤層、転写後のトップコート層として設けるので、水を
利用した転写方法は、水がイソシアネート基と反応する
ので避けた方が良い。特に、凹凸基材にイソシアネート
基を残存する硬化性樹脂を凹凸基材に設ける場合であ
る。ただ、トップコート層の場合は、転写後に水を乾燥
させれば、水の利用も可能である。
を用いる曲面転写方法としては、その転写圧の印加手段
は特に特に限定されず、曲面転写可能な従来公知のいか
なる転写方法でも良い。但し、本発明ではイソシアネー
ト基を残存する硬化性樹脂を凹凸基材の下塗り層や接着
剤層、転写後のトップコート層として設けるので、水を
利用した転写方法は、水がイソシアネート基と反応する
ので避けた方が良い。特に、凹凸基材にイソシアネート
基を残存する硬化性樹脂を凹凸基材に設ける場合であ
る。ただ、トップコート層の場合は、転写後に水を乾燥
させれば、水の利用も可能である。
【0061】従来公知の転写法としては、例えば次のよ
うな方法がある。 従来技術で述べた特開平5−139097号公報等の
所謂ゴムローラを用いる慣用のローラ圧転写法、 特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号
公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基材
の長軸方向に、転写シートを間に必要に応じ適宜接着剤
層を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーに
より、柱状基材を構成する複数の側面に順次化粧シート
を加圧接着して転写層を転写してゆく、所謂ラッピング
加工方法による転写方法、 特公昭56−45768号公報(オーバーレイ法)、
特公昭60−58014号公報(真空プレス法)等に記
載されるように、成形品等の立体形状物品の表面に転写
シートを、間に必要に応じ適宜接着剤を介して対向又は
載置し、立体形状物品側からの真空吸引による圧力差に
より転写シートの転写層を立体形状物品の表面に転写す
る、所謂真空成形積層法を利用した真空成形転写法、等
である。
うな方法がある。 従来技術で述べた特開平5−139097号公報等の
所謂ゴムローラを用いる慣用のローラ圧転写法、 特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号
公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基材
の長軸方向に、転写シートを間に必要に応じ適宜接着剤
層を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーに
より、柱状基材を構成する複数の側面に順次化粧シート
を加圧接着して転写層を転写してゆく、所謂ラッピング
加工方法による転写方法、 特公昭56−45768号公報(オーバーレイ法)、
特公昭60−58014号公報(真空プレス法)等に記
載されるように、成形品等の立体形状物品の表面に転写
シートを、間に必要に応じ適宜接着剤を介して対向又は
載置し、立体形状物品側からの真空吸引による圧力差に
より転写シートの転写層を立体形状物品の表面に転写す
る、所謂真空成形積層法を利用した真空成形転写法、等
である。
【0062】〔固体粒子衝突圧による転写〕しかし、曲
面転写方法としては、固体粒子の衝突圧を転写圧に利用
する方法が、凹凸基材の表面凹凸が大きい場合に、より
好ましい方法である。以下、この方法について詳述す
る。
面転写方法としては、固体粒子の衝突圧を転写圧に利用
する方法が、凹凸基材の表面凹凸が大きい場合に、より
好ましい方法である。以下、この方法について詳述す
る。
【0063】(固体粒子)固体粒子Pとしては、ガラス
ビーズ、セラミックビーズ、炭酸カルシウムビーズ、ア
ルミナビーズ、ジルコニアビーズ、アランダムビーズ、
コランダムビーズ等の無機粉体である非金属無機粒子、
鉄、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄合金、アルミニウム、
又はジュラルミン等のアルミニウム合金、チタン、亜鉛
等の金属ビーズ等の金属粒子、或いは、フッ素樹脂ビー
ズ、ナイロンビーズ、シリコーン樹脂ビーズ、ウレタン
樹脂ビーズ、尿素樹脂ビーズ、フェノール樹脂ビーズ、
架橋ゴムビーズ等の樹脂ビーズ等の有機粒子等を使用す
ることができる。形状は球形状が好ましいが、回転楕円
体形状、多面体形状、鱗片状、無定形、その他の形状の
ものでも用い得る。固体粒子の粒径としては、通常10
〜1000μm程度である。
ビーズ、セラミックビーズ、炭酸カルシウムビーズ、ア
ルミナビーズ、ジルコニアビーズ、アランダムビーズ、
コランダムビーズ等の無機粉体である非金属無機粒子、
鉄、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄合金、アルミニウム、
又はジュラルミン等のアルミニウム合金、チタン、亜鉛
等の金属ビーズ等の金属粒子、或いは、フッ素樹脂ビー
ズ、ナイロンビーズ、シリコーン樹脂ビーズ、ウレタン
樹脂ビーズ、尿素樹脂ビーズ、フェノール樹脂ビーズ、
架橋ゴムビーズ等の樹脂ビーズ等の有機粒子等を使用す
ることができる。形状は球形状が好ましいが、回転楕円
体形状、多面体形状、鱗片状、無定形、その他の形状の
ものでも用い得る。固体粒子の粒径としては、通常10
〜1000μm程度である。
【0064】なお、固体粒子は加熱手段や冷却手段を兼
用することもできる。加熱された加熱固体粒子を用いれ
ば、接着剤の加熱活性化やその架橋硬化の促進、或いは
転写シートの加熱による延伸性の向上を、転写シートの
押圧と共に行うこともできる。この場合、衝突圧印加前
に他の加熱方法で、ある程度まで転写シート、凹凸基材
を加熱しておいても良い。また、固体粒子は、接着後の
冷却促進目的で、接着時の接着剤の温度よりも低温の固
体粒子を、冷却固体粒子として用いる事もできる。ま
た、固体粒子はその一部又は全部を加熱固体粒子、冷却
固体粒子として用いたり、加熱固体粒子を衝突させた
後、冷却固体粒子を衝突させる等と、併用しても良い。
また、他の加熱方法で転写シートや凹凸基材、接着剤等
の加熱を要するものを充分に加熱しておき、これに冷却
固体粒子を用いて、転写シートの成形と接着及び冷却を
殆ど同時に行うこともできる。固体粒子を加熱又は冷却
するには、固体粒子の貯蔵をホッパ等の形態のタンクに
貯蔵する場合は、タンク内やタンク外壁の設けた、電熱
ヒータ、加熱蒸気、冷媒等による加熱手段、冷却手段で
行えば良い。また、固体粒子輸送管の外壁にこれら手段
を設けて、輸送管にて加熱又は冷却しても良い。或い
は、固体粒子の加速に流体を用いる場合では、冷却又は
加熱した流体を用いて、該流体からの熱伝導で固体粒子
を冷却又は加熱することもできる。その場合、流体も転
写シートに衝突させることで、流体も固体と共に加熱又
は冷却手段とすることができる。或いは、前記流体が液
体で該液体と共に固体粒子を貯蔵するタンクを用いる場
合では、貯蔵中に固体粒子及び液体を冷却、加熱しても
良い。
用することもできる。加熱された加熱固体粒子を用いれ
ば、接着剤の加熱活性化やその架橋硬化の促進、或いは
転写シートの加熱による延伸性の向上を、転写シートの
押圧と共に行うこともできる。この場合、衝突圧印加前
に他の加熱方法で、ある程度まで転写シート、凹凸基材
を加熱しておいても良い。また、固体粒子は、接着後の
冷却促進目的で、接着時の接着剤の温度よりも低温の固
体粒子を、冷却固体粒子として用いる事もできる。ま
た、固体粒子はその一部又は全部を加熱固体粒子、冷却
固体粒子として用いたり、加熱固体粒子を衝突させた
後、冷却固体粒子を衝突させる等と、併用しても良い。
また、他の加熱方法で転写シートや凹凸基材、接着剤等
の加熱を要するものを充分に加熱しておき、これに冷却
固体粒子を用いて、転写シートの成形と接着及び冷却を
殆ど同時に行うこともできる。固体粒子を加熱又は冷却
するには、固体粒子の貯蔵をホッパ等の形態のタンクに
貯蔵する場合は、タンク内やタンク外壁の設けた、電熱
ヒータ、加熱蒸気、冷媒等による加熱手段、冷却手段で
行えば良い。また、固体粒子輸送管の外壁にこれら手段
を設けて、輸送管にて加熱又は冷却しても良い。或い
は、固体粒子の加速に流体を用いる場合では、冷却又は
加熱した流体を用いて、該流体からの熱伝導で固体粒子
を冷却又は加熱することもできる。その場合、流体も転
写シートに衝突させることで、流体も固体と共に加熱又
は冷却手段とすることができる。或いは、前記流体が液
体で該液体と共に固体粒子を貯蔵するタンクを用いる場
合では、貯蔵中に固体粒子及び液体を冷却、加熱しても
良い。
【0065】(固体粒子による衝突圧印加)固体粒子を
転写シートに衝突させて衝突圧を印加し、転写シートを
凹凸基材に押圧するには、固体粒子を噴出する固体粒子
噴出手段から固体粒子を転写シートに向かって噴出させ
て、転写シートに衝突圧を印加する。固体粒子噴出手段
としては、粒子加速器として例えば、回転する羽根車を
用いた噴出器や、吹出ノズルを用いた噴出器を用いる。
羽根車による噴出器は、羽根車の回転により固体粒子を
加速し噴出するものである。吹出ノズルによる噴出器
は、固体粒子加速流体を用いて、固体粒子を高速の該流
体の流体流で加速、搬送させて該流体と共に噴出するも
のである。羽根車や吹出ノズルには、サンドブラスト或
いはショットブラスト、ショットピーニング等とブラス
ト分野にて使用されているものを流用できる。例えば羽
根車には遠心式ブラスト装置、吹出ノズルには加圧式や
吸引式ブラスト装置、ウェットブラスト装置等である。
遠心式ブラスト装置は羽根車の回転力で固体粒子を加速
し噴出する。加圧式ブラスト装置は、圧縮空気に混合し
ておいて固体粒子を、空気と共に噴出する。吸引式ブラ
スト装置は、圧縮空気の高速流で生ずる負圧部に固体粒
子を吸い込み、空気と共に噴出する。ウェットブラスト
装置は、固体粒子を液体と混合して噴出する。また、固
体粒子噴出手段としては、吹出ノズルや羽根車以外に
も、重力による自由落下を利用して固体粒子を加速する
方法、磁性体粒子を磁場によって加速する方法等を採用
することも可能である。なお、羽根車、重力、磁場を用
いた固体粒子噴出手段の場合は、真空中で固体粒子を転
写シートに向かって噴出させる事も可能である。
転写シートに衝突させて衝突圧を印加し、転写シートを
凹凸基材に押圧するには、固体粒子を噴出する固体粒子
噴出手段から固体粒子を転写シートに向かって噴出させ
て、転写シートに衝突圧を印加する。固体粒子噴出手段
としては、粒子加速器として例えば、回転する羽根車を
用いた噴出器や、吹出ノズルを用いた噴出器を用いる。
羽根車による噴出器は、羽根車の回転により固体粒子を
加速し噴出するものである。吹出ノズルによる噴出器
は、固体粒子加速流体を用いて、固体粒子を高速の該流
体の流体流で加速、搬送させて該流体と共に噴出するも
のである。羽根車や吹出ノズルには、サンドブラスト或
いはショットブラスト、ショットピーニング等とブラス
ト分野にて使用されているものを流用できる。例えば羽
根車には遠心式ブラスト装置、吹出ノズルには加圧式や
吸引式ブラスト装置、ウェットブラスト装置等である。
遠心式ブラスト装置は羽根車の回転力で固体粒子を加速
し噴出する。加圧式ブラスト装置は、圧縮空気に混合し
ておいて固体粒子を、空気と共に噴出する。吸引式ブラ
スト装置は、圧縮空気の高速流で生ずる負圧部に固体粒
子を吸い込み、空気と共に噴出する。ウェットブラスト
装置は、固体粒子を液体と混合して噴出する。また、固
体粒子噴出手段としては、吹出ノズルや羽根車以外に
も、重力による自由落下を利用して固体粒子を加速する
方法、磁性体粒子を磁場によって加速する方法等を採用
することも可能である。なお、羽根車、重力、磁場を用
いた固体粒子噴出手段の場合は、真空中で固体粒子を転
写シートに向かって噴出させる事も可能である。
【0066】(羽根車)図2〜図5に、噴出器の粒子加
速器として用い得る羽根車の一例の概念図を示す。これ
らは、ブラスチング分野にて使用されている遠心式ブラ
スト装置に該当する。図面では、羽根車812は、複数
の羽根813がその両側を2枚の側面板814で固定さ
れ、且つ回転中心部は羽根813が無い中空部815と
なっている。更に、この中空部815内に方向制御器8
16を内在する。方向制御器816は、外周の一部が円
周方向に開口した開口部817を有し中空筒状で羽根車
812の回転軸芯と同一回転軸芯で、羽根車とは独立し
て回動自在となっている。羽根車使用時は、方向制御器
の開口部を適宜の方向に向くように固定しておく。更
に、この方向制御器の内部に、内部中空で羽根車812
の回転軸芯と同一回転軸芯のもう一つの羽根車が散布器
818として内在する(図4参照)。散布器818は外
側の羽根車812と共に回転する。そして、前記側面板
814の回転中心には回転軸819が固定され、回転軸
819は、軸受820で回転自在に軸支され電動機等の
回転動力源(図示略)によって駆動回転され、羽根車8
12が回転する。また回転軸819は、羽根813を間
に有する2枚の側面板814間には貫通しておらず、軸
無しの空間を形成している。そして、散布器818の内
部に固体粒子Pがホッパ等から輸送管を通って供給され
る。通常、固体粒子は、羽根車の上方(直上又は斜上
方)から供給する。散布器内に供給された固体粒子は散
布器の羽根車で外側に飛び散る。飛び散った固体粒子
は、方向制御器816の開口部817によって許された
方向にのみ放出され、外側の羽根車812の羽根813
と羽根813との間に供給される。そして、羽根813
に衝突し、羽根車812の回転力で加速され、羽根車か
ら噴出する。
速器として用い得る羽根車の一例の概念図を示す。これ
らは、ブラスチング分野にて使用されている遠心式ブラ
スト装置に該当する。図面では、羽根車812は、複数
の羽根813がその両側を2枚の側面板814で固定さ
れ、且つ回転中心部は羽根813が無い中空部815と
なっている。更に、この中空部815内に方向制御器8
16を内在する。方向制御器816は、外周の一部が円
周方向に開口した開口部817を有し中空筒状で羽根車
812の回転軸芯と同一回転軸芯で、羽根車とは独立し
て回動自在となっている。羽根車使用時は、方向制御器
の開口部を適宜の方向に向くように固定しておく。更
に、この方向制御器の内部に、内部中空で羽根車812
の回転軸芯と同一回転軸芯のもう一つの羽根車が散布器
818として内在する(図4参照)。散布器818は外
側の羽根車812と共に回転する。そして、前記側面板
814の回転中心には回転軸819が固定され、回転軸
819は、軸受820で回転自在に軸支され電動機等の
回転動力源(図示略)によって駆動回転され、羽根車8
12が回転する。また回転軸819は、羽根813を間
に有する2枚の側面板814間には貫通しておらず、軸
無しの空間を形成している。そして、散布器818の内
部に固体粒子Pがホッパ等から輸送管を通って供給され
る。通常、固体粒子は、羽根車の上方(直上又は斜上
方)から供給する。散布器内に供給された固体粒子は散
布器の羽根車で外側に飛び散る。飛び散った固体粒子
は、方向制御器816の開口部817によって許された
方向にのみ放出され、外側の羽根車812の羽根813
と羽根813との間に供給される。そして、羽根813
に衝突し、羽根車812の回転力で加速され、羽根車か
ら噴出する。
【0067】なお、固体粒子の噴出方向は、図2〜図3
では略鉛直下方であるが、図6(B)の様に水平方向、
或いは斜下方(図示略)等としても良い。図5(A)及
び図5(B)に方向制御器816の開口部817の向き
の設定より固体粒子の噴出方向を調整する噴出方向制御
の概念図を示す(図5(A)、(B)では方向制御器は
それぞれ図示の位置で固定されている)。なお、方向制
御器816は、その開口部の円周方向、幅方向の大きさ
を調整することで、固体粒子の噴出量を調整することも
できる。なお、図3に於いては、回転軸819は側面板
814の外側のみで中空部815にまで貫通していない
構成となっているが、この他、中空部の直径より細い回
転軸を該中空部にまで貫通させたり、外周に固体粒子通
り抜け用の開口部を設けた中空筒状の回転軸の内部自身
を中空部とする構成などでも良い(図示略)。羽根81
3の形は、図2〜図5の様な長方形の平板(直方体)が
代表的であるが、この他、湾曲曲面板、スクリュープロ
ペラ等のプロペラ形等を用いる事も可能であり、用途、
目的に応じて選択する。又、羽根の数は2枚〜10枚の
範囲から通常は選択する。羽根車の形状、枚数、回転速
度、及び固体粒子の質量や供給速度と供給方向、方向制
御器の開口部サイズ及び向きの組み合わせにより、加速
された固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射密
度、噴出拡散角等を調整する。
では略鉛直下方であるが、図6(B)の様に水平方向、
或いは斜下方(図示略)等としても良い。図5(A)及
び図5(B)に方向制御器816の開口部817の向き
の設定より固体粒子の噴出方向を調整する噴出方向制御
の概念図を示す(図5(A)、(B)では方向制御器は
それぞれ図示の位置で固定されている)。なお、方向制
御器816は、その開口部の円周方向、幅方向の大きさ
を調整することで、固体粒子の噴出量を調整することも
できる。なお、図3に於いては、回転軸819は側面板
814の外側のみで中空部815にまで貫通していない
構成となっているが、この他、中空部の直径より細い回
転軸を該中空部にまで貫通させたり、外周に固体粒子通
り抜け用の開口部を設けた中空筒状の回転軸の内部自身
を中空部とする構成などでも良い(図示略)。羽根81
3の形は、図2〜図5の様な長方形の平板(直方体)が
代表的であるが、この他、湾曲曲面板、スクリュープロ
ペラ等のプロペラ形等を用いる事も可能であり、用途、
目的に応じて選択する。又、羽根の数は2枚〜10枚の
範囲から通常は選択する。羽根車の形状、枚数、回転速
度、及び固体粒子の質量や供給速度と供給方向、方向制
御器の開口部サイズ及び向きの組み合わせにより、加速
された固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射密
度、噴出拡散角等を調整する。
【0068】また、図6は、羽根車の別の一例を示す概
念図である。同図の羽根車812aは、複数の平板状の
羽根813aがその両側を2枚の側面板814aで固定
された構造である。通常、固体粒子Pは、羽根車の上方
(直上又は斜上方)から供給する。また、側面板814
aは回転軸819aに対して幅方向の噴出方向の規制も
する。羽根車の形状、枚数、回転速度、及び固体粒子の
質量や供給速度と供給方向の組み合わせにより、加速さ
れた固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射密
度、噴出拡散角等を調整する。固体粒子の噴出方向は鉛
直下方(図示略)、水平方向(図6)、或いは斜下方
(図示略)等が可能である。また、上記した羽根車81
2、812a等の羽根車には、更に必要に応じ、固体粒
子の噴出取出部分のみ開口させ、それ以外の羽根車周囲
を被覆する噴出ガイド(不図示)を備える事で、固体粒
子の噴出方向を揃えたりする固体粒子噴出方向制御をす
ることもできる。噴出ガイドの開口部の形状は、例え
ば、中空の円柱状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾
状等である。噴出ガイドは、単一開口部を有するもので
も良いし、或いは内部がハニカム(蜂の巣)状に区画さ
れたものでも良い。
念図である。同図の羽根車812aは、複数の平板状の
羽根813aがその両側を2枚の側面板814aで固定
された構造である。通常、固体粒子Pは、羽根車の上方
(直上又は斜上方)から供給する。また、側面板814
aは回転軸819aに対して幅方向の噴出方向の規制も
する。羽根車の形状、枚数、回転速度、及び固体粒子の
質量や供給速度と供給方向の組み合わせにより、加速さ
れた固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射密
度、噴出拡散角等を調整する。固体粒子の噴出方向は鉛
直下方(図示略)、水平方向(図6)、或いは斜下方
(図示略)等が可能である。また、上記した羽根車81
2、812a等の羽根車には、更に必要に応じ、固体粒
子の噴出取出部分のみ開口させ、それ以外の羽根車周囲
を被覆する噴出ガイド(不図示)を備える事で、固体粒
子の噴出方向を揃えたりする固体粒子噴出方向制御をす
ることもできる。噴出ガイドの開口部の形状は、例え
ば、中空の円柱状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾
状等である。噴出ガイドは、単一開口部を有するもので
も良いし、或いは内部がハニカム(蜂の巣)状に区画さ
れたものでも良い。
【0069】羽根車812、812a等の羽根車の寸法
は、通常直径5〜60cm程度、羽根の幅は5〜20c
m程度、羽根の長さは、ほぼ羽根車の直径程度、羽根車
の回転数は500〜5000〔rpm〕程度である。固
体粒子の噴出速度は10〜50〔m/s〕程度、投射密
度は10〜150〔kg/m2 〕程度である。
は、通常直径5〜60cm程度、羽根の幅は5〜20c
m程度、羽根の長さは、ほぼ羽根車の直径程度、羽根車
の回転数は500〜5000〔rpm〕程度である。固
体粒子の噴出速度は10〜50〔m/s〕程度、投射密
度は10〜150〔kg/m2 〕程度である。
【0070】また、羽根車の羽根の材質は、セラミッ
ク、或いはスチール、高クロム鋳鋼、チタン、チタン合
金等の金属等から適宜選択すれば良い。固体粒子は羽根
に接触して加速されるので、羽根には、耐摩耗性のよい
高クロム鋳鋼、セラミックを用いると良い。
ク、或いはスチール、高クロム鋳鋼、チタン、チタン合
金等の金属等から適宜選択すれば良い。固体粒子は羽根
に接触して加速されるので、羽根には、耐摩耗性のよい
高クロム鋳鋼、セラミックを用いると良い。
【0071】(吹出ノズル)固体粒子を流体と共に噴出
する固体粒子噴出手段として、図7に吹出ノズルを用い
た噴出器840の一例の概念図を示す。なお、同図に示
す噴出器840は固体粒子加速流体として気体を用い、
固体粒子噴出時に該気体と固体粒子を混合して噴出する
形態の噴出器の一例である。同図の噴出器840は、固
体粒子Pと流体Fを混合する誘導室841と、誘導室8
41内に流体Fを噴出する内部ノズル842と、ノズル
開口部843から固体粒子P及び流体Fを噴出する吹出
ノズル部844からなる。圧縮機又は送風機(不図示)
から適宜加圧タンク(不図示)を経て送られる流体F
を、内部ノズル842から噴出し誘導室841を経てノ
ズル844のノズル開口部843から噴出する際に、噴
出器内の誘導室841にて、高速で流れる流体流の作用
で負圧を作り、この負圧により固体粒子を流体流に導き
混合し、流体流で固体粒子を加速、搬送して、ノズル8
44のノズル開口部843から流体流と共に噴出するも
のである。なお、吹出ノズルには、固体粒子加速流体と
して液体を用いる吹出ノズル等もある。液体の場合は、
例えばポンプ(不図示、流体が液体の場合)により、流
体と固体粒子とを加圧タンク(不図示)に混合貯蔵して
おき、この混合液を吹出ノズルのノズル開口部から噴出
するもの等が使用される。
する固体粒子噴出手段として、図7に吹出ノズルを用い
た噴出器840の一例の概念図を示す。なお、同図に示
す噴出器840は固体粒子加速流体として気体を用い、
固体粒子噴出時に該気体と固体粒子を混合して噴出する
形態の噴出器の一例である。同図の噴出器840は、固
体粒子Pと流体Fを混合する誘導室841と、誘導室8
41内に流体Fを噴出する内部ノズル842と、ノズル
開口部843から固体粒子P及び流体Fを噴出する吹出
ノズル部844からなる。圧縮機又は送風機(不図示)
から適宜加圧タンク(不図示)を経て送られる流体F
を、内部ノズル842から噴出し誘導室841を経てノ
ズル844のノズル開口部843から噴出する際に、噴
出器内の誘導室841にて、高速で流れる流体流の作用
で負圧を作り、この負圧により固体粒子を流体流に導き
混合し、流体流で固体粒子を加速、搬送して、ノズル8
44のノズル開口部843から流体流と共に噴出するも
のである。なお、吹出ノズルには、固体粒子加速流体と
して液体を用いる吹出ノズル等もある。液体の場合は、
例えばポンプ(不図示、流体が液体の場合)により、流
体と固体粒子とを加圧タンク(不図示)に混合貯蔵して
おき、この混合液を吹出ノズルのノズル開口部から噴出
するもの等が使用される。
【0072】ノズル開口部の形状は、中空の円柱状、多
角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等の形状のものを用
いる。吹出ノズルは、単一開口部を有するものでも良い
し、或いは内部がハニカム(蜂の巣)状に区画されたも
のでも良い。流体圧は吹付圧力で通常0.1〜100k
g/cm2 程度である。流体流の流速は、液流では通常
1〜20m/秒程度、気流では通常5〜80m/秒程度
である。誘導室やノズル部等の噴出器の材質は、セラミ
ック、スチール、チタン、チタン合金等から流体の種類
によって適宜選択すれば良い。なお、固体粒子は噴出器
内壁を通過するので、固体粒子に金属ビーズや無機粒子
を用いる場合には粒子が硬質であるので、耐摩耗性のよ
いセラミックを用いると良い。流体が液体の場合は、
錆、溶解、腐食等を生じない材料を選ぶ。
角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等の形状のものを用
いる。吹出ノズルは、単一開口部を有するものでも良い
し、或いは内部がハニカム(蜂の巣)状に区画されたも
のでも良い。流体圧は吹付圧力で通常0.1〜100k
g/cm2 程度である。流体流の流速は、液流では通常
1〜20m/秒程度、気流では通常5〜80m/秒程度
である。誘導室やノズル部等の噴出器の材質は、セラミ
ック、スチール、チタン、チタン合金等から流体の種類
によって適宜選択すれば良い。なお、固体粒子は噴出器
内壁を通過するので、固体粒子に金属ビーズや無機粒子
を用いる場合には粒子が硬質であるので、耐摩耗性のよ
いセラミックを用いると良い。流体が液体の場合は、
錆、溶解、腐食等を生じない材料を選ぶ。
【0073】(流体)流体Fは、固体粒子加速流体とし
て、固体粒子を該流体流によって加速、搬送して、該流
体と共に固体粒子を固体粒子噴出手段から噴出させる場
合(吹出ノズル等)に用いる。流体Fは固体粒子を加速
する固体粒子加速流体である。流体には気体、液体とも
に利用可能であるが、通常は取扱いが容易な気体を用い
る。気体としては、空気が代表的であるが、炭酸ガス、
窒素等でも良い。液体としては、必ずしも限定されない
が、不燃性、乾燥の容易性、無毒性、低価格、入手の容
易性、等の転写からは水が好ましい材料の一つである
が、本発明ではイソシアネート基を有する層を形成する
関係上、水以外の、フロン、グリセリン、シリコン油等
の不燃性で、且つイソシアネート基と反応しない液体を
使用した方が良い。液体を(気体もそうであるが)転写
シートに固体粒子と共に衝突させることができる。当然
の事ならがら、液体は気体よりも密度が高い為、気体よ
りも液体の方が、流体流で固体粒子を加速する場合に加
速し易く、しかも液体が転写シートに衝突する場合に、
気体と等速度の衝突でも、衝突圧は気体に比べてより大
きく且つ実用性のある衝突圧が得られる。(また、固体
粒子との密度差も少ないので固体粒子の搬送もし易
い。)従って、液体の場合は、転写圧として固体粒子の
衝突圧以外に、液体の衝突圧も利用でき、その分より大
きな転写圧を印加でき、その結果、転写シートを凹凸基
材の表面凹凸形状へ追従させ成形する成形効果により大
きなものが得られる。また、衝突圧印加時の加熱又は冷
却手段として流体を用いる場合、気体よりも液体の方が
比熱が大きいので、より大きな加熱又は冷却効果が得ら
れる。また、液体が水の様な電気伝導体の場合は、気体
の場合に比べて静電気帯電に対する防爆対策もより容易
となる。
て、固体粒子を該流体流によって加速、搬送して、該流
体と共に固体粒子を固体粒子噴出手段から噴出させる場
合(吹出ノズル等)に用いる。流体Fは固体粒子を加速
する固体粒子加速流体である。流体には気体、液体とも
に利用可能であるが、通常は取扱いが容易な気体を用い
る。気体としては、空気が代表的であるが、炭酸ガス、
窒素等でも良い。液体としては、必ずしも限定されない
が、不燃性、乾燥の容易性、無毒性、低価格、入手の容
易性、等の転写からは水が好ましい材料の一つである
が、本発明ではイソシアネート基を有する層を形成する
関係上、水以外の、フロン、グリセリン、シリコン油等
の不燃性で、且つイソシアネート基と反応しない液体を
使用した方が良い。液体を(気体もそうであるが)転写
シートに固体粒子と共に衝突させることができる。当然
の事ならがら、液体は気体よりも密度が高い為、気体よ
りも液体の方が、流体流で固体粒子を加速する場合に加
速し易く、しかも液体が転写シートに衝突する場合に、
気体と等速度の衝突でも、衝突圧は気体に比べてより大
きく且つ実用性のある衝突圧が得られる。(また、固体
粒子との密度差も少ないので固体粒子の搬送もし易
い。)従って、液体の場合は、転写圧として固体粒子の
衝突圧以外に、液体の衝突圧も利用でき、その分より大
きな転写圧を印加でき、その結果、転写シートを凹凸基
材の表面凹凸形状へ追従させ成形する成形効果により大
きなものが得られる。また、衝突圧印加時の加熱又は冷
却手段として流体を用いる場合、気体よりも液体の方が
比熱が大きいので、より大きな加熱又は冷却効果が得ら
れる。また、液体が水の様な電気伝導体の場合は、気体
の場合に比べて静電気帯電に対する防爆対策もより容易
となる。
【0074】(衝突圧印加形態)噴出器は、1個のみの
使用でも衝突圧印加領域の面積次第では可能だが、要求
する面積が大きい場合には複数用いて、転写シートに衝
突する固体粒子の衝突領域が所望の形状となる様にする
と良い。例えば、転写シート及び凹凸基材の送り方向に
直交して幅方向に一直線状に複数列を配置して、幅方向
に直線状で幅広の帯状形状の衝突領域とする。或いは、
図8(A)の噴出器32の配置は千鳥格子状の配置であ
り、図8(B)は一列配置だが、幅方向中央部は送り方
向の上流側で衝突する様にした配置である。図8(B)
の配置では、転写シートの凹凸基材への衝突圧による圧
接は幅方向中央部から始まり、順次、幅方向両端部に向
かって圧接されて行く。この様にすると、幅方向中央部
に空気を抱き込んだまま、転写シートが凹凸基材に密着
することを防止できる。図8の様に噴出器を幅方向に複
数個配列する場合には、個々の噴出器の加圧領域が互い
に一部重複し、全幅にわたってもれなく加圧できる様に
配列することが好ましい。図8(B)にそのような配列
の一例を示す。該図に於いて、点線部分が加圧領域を示
す。また、衝突圧印加時間を長くするには、噴出器は、
転写シート及び凹凸基材の送り方向に向かって2列以上
配置する多段配置が好ましい。
使用でも衝突圧印加領域の面積次第では可能だが、要求
する面積が大きい場合には複数用いて、転写シートに衝
突する固体粒子の衝突領域が所望の形状となる様にする
と良い。例えば、転写シート及び凹凸基材の送り方向に
直交して幅方向に一直線状に複数列を配置して、幅方向
に直線状で幅広の帯状形状の衝突領域とする。或いは、
図8(A)の噴出器32の配置は千鳥格子状の配置であ
り、図8(B)は一列配置だが、幅方向中央部は送り方
向の上流側で衝突する様にした配置である。図8(B)
の配置では、転写シートの凹凸基材への衝突圧による圧
接は幅方向中央部から始まり、順次、幅方向両端部に向
かって圧接されて行く。この様にすると、幅方向中央部
に空気を抱き込んだまま、転写シートが凹凸基材に密着
することを防止できる。図8の様に噴出器を幅方向に複
数個配列する場合には、個々の噴出器の加圧領域が互い
に一部重複し、全幅にわたってもれなく加圧できる様に
配列することが好ましい。図8(B)にそのような配列
の一例を示す。該図に於いて、点線部分が加圧領域を示
す。また、衝突圧印加時間を長くするには、噴出器は、
転写シート及び凹凸基材の送り方向に向かって2列以上
配置する多段配置が好ましい。
【0075】また、衝突圧は、必ずしも衝突領域内で全
て均一にする必要はない。図9は、転写シートの搬送方
向に直交する幅方向の中央部が最大の衝突圧で、幅方向
両端部に行くに従って衝突圧が低下する山型圧力分布の
設定例である。この設定は、圧が高い所(同図では中央
部)から低い所(同図では両側部)に向かって順次段階
的に圧接が進行することを助ける。但し、図9の如き圧
力分布とする場合、凹凸基材上に於ける衝突圧は、所望
の凹凸面への転写が完全に行えて、なお且つ圧過剰によ
る転写シートの歪み、凹凸基材の変形、破損等の生じな
い適正圧力範囲内に全て納まる様に調整する。なお、ゴ
ム製転写ローラによる曲面転写方法では、転写ローラの
中央部直径を太めとすれば、圧力的には中央部は強くで
きるが、中央部と両端部とで円周長が異なってしまい、
接触して圧印加され転写シートの送りを均一に出来な
い。衝突圧の調整は、噴出器から転写シートに衝突する
固体粒子の速度、単位時間当たりの衝突する固体粒子
数、投射量、及び1粒子の質量を制御することで調整す
る。これらのうち、固体粒子の速度を調整するには、例
えば羽根車を用いる噴出器の場合は、羽根車の回転数、
羽根車の直径等で調整する。また、吹出ノズルを用いる
噴出器の場合は、バルブの開閉量、バルブに連結する固
体粒子を搬送する管の内径の大小、圧力調整器(レギュ
レータ)等を用いて噴出器直前の流体圧(流体単体、又
は流体と固体粒子との混合物)の調整により、噴出する
固体粒子及び流体流の速度を制御することで調整する。
て均一にする必要はない。図9は、転写シートの搬送方
向に直交する幅方向の中央部が最大の衝突圧で、幅方向
両端部に行くに従って衝突圧が低下する山型圧力分布の
設定例である。この設定は、圧が高い所(同図では中央
部)から低い所(同図では両側部)に向かって順次段階
的に圧接が進行することを助ける。但し、図9の如き圧
力分布とする場合、凹凸基材上に於ける衝突圧は、所望
の凹凸面への転写が完全に行えて、なお且つ圧過剰によ
る転写シートの歪み、凹凸基材の変形、破損等の生じな
い適正圧力範囲内に全て納まる様に調整する。なお、ゴ
ム製転写ローラによる曲面転写方法では、転写ローラの
中央部直径を太めとすれば、圧力的には中央部は強くで
きるが、中央部と両端部とで円周長が異なってしまい、
接触して圧印加され転写シートの送りを均一に出来な
い。衝突圧の調整は、噴出器から転写シートに衝突する
固体粒子の速度、単位時間当たりの衝突する固体粒子
数、投射量、及び1粒子の質量を制御することで調整す
る。これらのうち、固体粒子の速度を調整するには、例
えば羽根車を用いる噴出器の場合は、羽根車の回転数、
羽根車の直径等で調整する。また、吹出ノズルを用いる
噴出器の場合は、バルブの開閉量、バルブに連結する固
体粒子を搬送する管の内径の大小、圧力調整器(レギュ
レータ)等を用いて噴出器直前の流体圧(流体単体、又
は流体と固体粒子との混合物)の調整により、噴出する
固体粒子及び流体流の速度を制御することで調整する。
【0076】(噴出器の凹凸基材に対する配置方法)羽
根車を用いた噴出器の場合は、固体粒子の噴出方向は、
原理的に羽根車回転軸に平行方向にはあまり広がらず、
該回転軸に直交方向に広がる傾向がある。一方、吹出ノ
ズルの場合は、噴出する固体粒子の広がりは、羽根車に
よる噴出器の場合よりも広がりが少なく、且つ広がって
も通常はどの方向にも均一で等方的である。このような
噴出器の特性を考慮して、噴出器の配置は決めれば良
い。しかし、一つ噴出器で所望の衝突領域の大きさに出
来ない時は、噴出器を複数用いれば良い。この様に、複
数の噴出器を凹凸基材の被転写面に対して配置する場合
は、各噴出器は凹凸基材に平行にし、且つ各噴出器の噴
出方向が凹凸基材の法線方向になる様な配置が基本であ
る。この様な平行配置は、凹凸基材の被転写面の包絡面
に垂直に固体粒子を衝突させ、基本的に衝突圧を最大に
有効利用できるからである。従って、例えば、図10の
様に、凹凸基材Bの被転写面の包絡面(の搬送方向に直
角の断面形状)が円型になる円筒状の凸曲面であれば、
複数の噴出器32を用意し各噴出器が主とし受け持つ個
別の衝突面(凸曲面の接平面)に対して、略垂直に固体
粒子が衝突する様に、噴出器の向きを近接する凹凸基材
面の包絡面の法線方向にして配置すると良い。この様に
噴出器の配置は、対象とする凹凸基材の凹凸形状に合わ
せて、噴出器の噴出方向を固体粒子がなるべく垂直に衝
突する様に合わせると良い。ただ、噴出器の向きは、転
写シート支持体側面に対して必ずしも垂直にする必要は
ない。また、噴出器は多めに設けておき、製造する凹凸
基材によっては、一部の噴出器は停止させても良い。
根車を用いた噴出器の場合は、固体粒子の噴出方向は、
原理的に羽根車回転軸に平行方向にはあまり広がらず、
該回転軸に直交方向に広がる傾向がある。一方、吹出ノ
ズルの場合は、噴出する固体粒子の広がりは、羽根車に
よる噴出器の場合よりも広がりが少なく、且つ広がって
も通常はどの方向にも均一で等方的である。このような
噴出器の特性を考慮して、噴出器の配置は決めれば良
い。しかし、一つ噴出器で所望の衝突領域の大きさに出
来ない時は、噴出器を複数用いれば良い。この様に、複
数の噴出器を凹凸基材の被転写面に対して配置する場合
は、各噴出器は凹凸基材に平行にし、且つ各噴出器の噴
出方向が凹凸基材の法線方向になる様な配置が基本であ
る。この様な平行配置は、凹凸基材の被転写面の包絡面
に垂直に固体粒子を衝突させ、基本的に衝突圧を最大に
有効利用できるからである。従って、例えば、図10の
様に、凹凸基材Bの被転写面の包絡面(の搬送方向に直
角の断面形状)が円型になる円筒状の凸曲面であれば、
複数の噴出器32を用意し各噴出器が主とし受け持つ個
別の衝突面(凸曲面の接平面)に対して、略垂直に固体
粒子が衝突する様に、噴出器の向きを近接する凹凸基材
面の包絡面の法線方向にして配置すると良い。この様に
噴出器の配置は、対象とする凹凸基材の凹凸形状に合わ
せて、噴出器の噴出方向を固体粒子がなるべく垂直に衝
突する様に合わせると良い。ただ、噴出器の向きは、転
写シート支持体側面に対して必ずしも垂直にする必要は
ない。また、噴出器は多めに設けておき、製造する凹凸
基材によっては、一部の噴出器は停止させても良い。
【0077】(チャンバ使用での連続転写の一形態)と
ころで、固体粒子を実際に使用する場合、前述した様
に、固体粒子を周囲の雰囲気中に飛散させずに且つ循環
再利用するのが好ましい。そこで、次に、本発明の曲面
転写方法の一形態として、チャンバを使用して固体粒子
の飛散防止及び循環再利用をしながら連続転写を行う曲
面転写装置の一例の概念図を示す図11に従い、本発明
を更に詳述する。
ころで、固体粒子を実際に使用する場合、前述した様
に、固体粒子を周囲の雰囲気中に飛散させずに且つ循環
再利用するのが好ましい。そこで、次に、本発明の曲面
転写方法の一形態として、チャンバを使用して固体粒子
の飛散防止及び循環再利用をしながら連続転写を行う曲
面転写装置の一例の概念図を示す図11に従い、本発明
を更に詳述する。
【0078】同図の装置は、長尺の転写シートSを用
い、包絡面が平板状の凹凸基材Bに、装飾層等を順次連
続的に転写する装置である。同図装置は、凹凸基材Bを
搬送する基材搬送装置10と、転写シートSを供給する
シート供給装置20と、チャンバ33内において固体粒
子Pを噴出器32から噴出して、転写シートの支持体側
に衝突させて衝突圧を順次印加し、転写シートを凹凸基
材に押圧する衝突圧印加部30を備える。噴出器32
は、例えば前記した羽根車利用のものである。チャンバ
33は、転写シート及び凹凸基材の出入口を除いて、衝
突圧にさらされる転写シート及び凹凸基材、噴出器の少
なくとも開口部を外部から覆い、固体粒子を外部の作業
雰囲気中に漏らさないようにしている。この為、チャン
バ内部は、好ましくは外部よりも気圧を低く(負圧)す
る。
い、包絡面が平板状の凹凸基材Bに、装飾層等を順次連
続的に転写する装置である。同図装置は、凹凸基材Bを
搬送する基材搬送装置10と、転写シートSを供給する
シート供給装置20と、チャンバ33内において固体粒
子Pを噴出器32から噴出して、転写シートの支持体側
に衝突させて衝突圧を順次印加し、転写シートを凹凸基
材に押圧する衝突圧印加部30を備える。噴出器32
は、例えば前記した羽根車利用のものである。チャンバ
33は、転写シート及び凹凸基材の出入口を除いて、衝
突圧にさらされる転写シート及び凹凸基材、噴出器の少
なくとも開口部を外部から覆い、固体粒子を外部の作業
雰囲気中に漏らさないようにしている。この為、チャン
バ内部は、好ましくは外部よりも気圧を低く(負圧)す
る。
【0079】更に同図装置は、転写シートを加熱するシ
ート加熱装置40をチャンバ内で噴出器より上流側に、
凹凸基材を加熱する基材加熱装置41をチャンバ外上流
側に、凹凸基材に接着剤の塗工や下地塗装等を適宜行う
基材塗工装置50を基材加熱装置の上流側に、剥離ロー
ラ60をチャンバ外下流側に、チャンバ下流側で剥離ロ
ーラ上流側に、転写シート上に残留した固体粒子を吹き
飛ばす除去装置70(風冷による冷却装置70を兼用)
を備え、更に、転写シートと凹凸基材との予備的密着を
促進する吸引排気装置90等も備えた装置となってい
る。
ート加熱装置40をチャンバ内で噴出器より上流側に、
凹凸基材を加熱する基材加熱装置41をチャンバ外上流
側に、凹凸基材に接着剤の塗工や下地塗装等を適宜行う
基材塗工装置50を基材加熱装置の上流側に、剥離ロー
ラ60をチャンバ外下流側に、チャンバ下流側で剥離ロ
ーラ上流側に、転写シート上に残留した固体粒子を吹き
飛ばす除去装置70(風冷による冷却装置70を兼用)
を備え、更に、転写シートと凹凸基材との予備的密着を
促進する吸引排気装置90等も備えた装置となってい
る。
【0080】先ず、同図の装置では、板状の凹凸基材B
を、駆動回転ローラ列等からなる基材搬送装置10で一
枚ずつ搬送し、基材塗工装置50により下塗り層や接着
剤層を所望の部分に塗工形成する。もしも、塗液に溶剤
分がある場合は、次の基材加熱装置41で凹凸基材及び
接着剤を加熱すると共に、蒸発成分を揮発乾燥させる。
なお、基材塗工装置50及び基材加熱装置41を複数連
結して、下塗り層と接着剤層との塗工形成を、転写と同
時に連続的に行っても良い。そして、凹凸基材Bは、加
熱装置41で加熱された後、衝突圧印加部30のチャン
バ33内に搬送、供給される。この際、凹凸基材上に形
成した下塗り層や接着剤層中のイソシアネート基は、完
全反応せずに残る程度の加熱とする。
を、駆動回転ローラ列等からなる基材搬送装置10で一
枚ずつ搬送し、基材塗工装置50により下塗り層や接着
剤層を所望の部分に塗工形成する。もしも、塗液に溶剤
分がある場合は、次の基材加熱装置41で凹凸基材及び
接着剤を加熱すると共に、蒸発成分を揮発乾燥させる。
なお、基材塗工装置50及び基材加熱装置41を複数連
結して、下塗り層と接着剤層との塗工形成を、転写と同
時に連続的に行っても良い。そして、凹凸基材Bは、加
熱装置41で加熱された後、衝突圧印加部30のチャン
バ33内に搬送、供給される。この際、凹凸基材上に形
成した下塗り層や接着剤層中のイソシアネート基は、完
全反応せずに残る程度の加熱とする。
【0081】転写シートSは、シート送出装置21、シ
ート支持装置22、シート排出装置23等からなるシー
ト供給装置20により張力が加えられ、シート送出装置
21にセットされた供給ロールから巻き出され、ガイド
ローラを経て衝突圧印加部30のチャンバ33内に入
る。なお、転写時に接着剤を転写シートに施す場合は、
転写シートがシート送出装置21から衝突圧印加部30
に供給される間に、接着剤塗工装置(図示せず)で接着
剤を塗工し、更に溶剤乾燥を要す場合は、乾燥装置(図
示せず)乾燥後に、衝突圧印加部に供給する。
ート支持装置22、シート排出装置23等からなるシー
ト供給装置20により張力が加えられ、シート送出装置
21にセットされた供給ロールから巻き出され、ガイド
ローラを経て衝突圧印加部30のチャンバ33内に入
る。なお、転写時に接着剤を転写シートに施す場合は、
転写シートがシート送出装置21から衝突圧印加部30
に供給される間に、接着剤塗工装置(図示せず)で接着
剤を塗工し、更に溶剤乾燥を要す場合は、乾燥装置(図
示せず)乾燥後に、衝突圧印加部に供給する。
【0082】さらに、転写シートSはチャンバ33内に
入ったところで図11(B)に示す如く、幅方向両端を
シート支持装置22で挟持されつつ(図11(A)では
図示略)、その転写層側の面を搬送される凹凸基材B側
に向ける様に対向して凹凸基材Bの上方を僅かに空間を
開けて(衝突圧等を作用させない何もしない状態の場
合)、搬送される凹凸基材Bと平行に等速度で移送さ
れ、衝突圧を受けて凹凸基材Bに接触させるまでの間、
両者の間隙を維持しながら搬送される。シート支持装置
22は、凹凸基材の横幅よりも広幅とした転写シートの
両端を表裏両面から挟持しながら転写シートの移送に合
わせて回転するベルト等から成る。ここでは凹凸基材は
包絡面が略平板状なので、シート支持装置による上記間
隙にて、衝突圧による転写シートの凹凸基材への完全な
接触は、幅方向中央部では時間的に先に幅方向の両端近
傍は遅れて行われる様にしてある。これは、凹凸基材と
転写シート間(特にその中央部付近)に空気を残して密
着しない様にするための策の一つである。なお、転写シ
ートを凹凸基材の近傍を等速度で移送する際に、凹凸基
材に対して僅かに離すか又は接触状態として移送するか
は、凹凸基材の表面凹凸の形状、凹凸基材の予熱温度
と、転写シートの熱変形性、固体粒子の衝突圧、接着剤
の活性化温度等を適宜勘案して選択する。そして、シー
ト支持装置で挟持搬送されて衝突圧の印加を受けるまで
に、ヒータ加熱、赤外線加熱、誘電加熱、誘導加熱、熱
風加熱等によるシート加熱装置40で、転写シートは加
熱されて軟化し、衝突圧印加時に延伸され易くなる。な
お、同図ではシート加熱装置はチャンバ内に設けてある
ので、熱風加熱の場合は、風量は少なくした方が良い。
それは、空気をチャンバ内に入れることになり、後述す
る様な、チャンバ内の負圧の維持を邪魔し、また、固体
粒子を攪拌するからである。なお、基材加熱装置で加熱
されて衝突圧印加部に供給される凹凸基材によっても、
転写シートは間接的に加熱される。シート加熱装置によ
る加熱は、転写シートの予熱不要時は省略できる。
入ったところで図11(B)に示す如く、幅方向両端を
シート支持装置22で挟持されつつ(図11(A)では
図示略)、その転写層側の面を搬送される凹凸基材B側
に向ける様に対向して凹凸基材Bの上方を僅かに空間を
開けて(衝突圧等を作用させない何もしない状態の場
合)、搬送される凹凸基材Bと平行に等速度で移送さ
れ、衝突圧を受けて凹凸基材Bに接触させるまでの間、
両者の間隙を維持しながら搬送される。シート支持装置
22は、凹凸基材の横幅よりも広幅とした転写シートの
両端を表裏両面から挟持しながら転写シートの移送に合
わせて回転するベルト等から成る。ここでは凹凸基材は
包絡面が略平板状なので、シート支持装置による上記間
隙にて、衝突圧による転写シートの凹凸基材への完全な
接触は、幅方向中央部では時間的に先に幅方向の両端近
傍は遅れて行われる様にしてある。これは、凹凸基材と
転写シート間(特にその中央部付近)に空気を残して密
着しない様にするための策の一つである。なお、転写シ
ートを凹凸基材の近傍を等速度で移送する際に、凹凸基
材に対して僅かに離すか又は接触状態として移送するか
は、凹凸基材の表面凹凸の形状、凹凸基材の予熱温度
と、転写シートの熱変形性、固体粒子の衝突圧、接着剤
の活性化温度等を適宜勘案して選択する。そして、シー
ト支持装置で挟持搬送されて衝突圧の印加を受けるまで
に、ヒータ加熱、赤外線加熱、誘電加熱、誘導加熱、熱
風加熱等によるシート加熱装置40で、転写シートは加
熱されて軟化し、衝突圧印加時に延伸され易くなる。な
お、同図ではシート加熱装置はチャンバ内に設けてある
ので、熱風加熱の場合は、風量は少なくした方が良い。
それは、空気をチャンバ内に入れることになり、後述す
る様な、チャンバ内の負圧の維持を邪魔し、また、固体
粒子を攪拌するからである。なお、基材加熱装置で加熱
されて衝突圧印加部に供給される凹凸基材によっても、
転写シートは間接的に加熱される。シート加熱装置によ
る加熱は、転写シートの予熱不要時は省略できる。
【0083】一方、固体粒子Pはホッパ31からチャン
バ33内にある噴出器32に供給され、そこで図2〜図
4の様な羽根車によって加速されてチャンバ33内で転
写シートSに向かって噴出する。そして、転写シート
は、噴出器から噴出する固体粒子の衝突にさらされる。
衝突時の固体粒子の単位時間当たりの運動量の変化分
が、転写シートを凹凸基材へ押し付ける衝突圧となる。
ここでは、凹凸基材は包絡面が略平板状なので、固体粒
子は転写シートの支持体側に概ね垂直に衝突させる分を
主体成分とし、凹凸基材及び転写シートが搬送される全
幅を衝突領域とする。そして、凹凸基材及び転写シート
が搬送されるにつれて、長手方向の全領域が順次衝突圧
にさらされて行く。なお、シート支持装置は、固体粒子
が、転写シートの幅方向両端から回り込んで、転写シー
トと凹凸基材間に流入する事も防止する。そして、転写
シートは、固体粒子衝突圧で凹凸基材に押圧され、凹凸
基材の凹凸表面の凹部内へも転写シートは延ばされて変
形することで、凹凸基材の凹凸表面形状に追従して成形
されて、活性化している接着剤により転写層が凹凸基材
に密着する。転写シートが密着した凹凸基材は、衝突圧
開放前から転写シートがチャンバ外に出るまでの間に放
冷等により冷却する。
バ33内にある噴出器32に供給され、そこで図2〜図
4の様な羽根車によって加速されてチャンバ33内で転
写シートSに向かって噴出する。そして、転写シート
は、噴出器から噴出する固体粒子の衝突にさらされる。
衝突時の固体粒子の単位時間当たりの運動量の変化分
が、転写シートを凹凸基材へ押し付ける衝突圧となる。
ここでは、凹凸基材は包絡面が略平板状なので、固体粒
子は転写シートの支持体側に概ね垂直に衝突させる分を
主体成分とし、凹凸基材及び転写シートが搬送される全
幅を衝突領域とする。そして、凹凸基材及び転写シート
が搬送されるにつれて、長手方向の全領域が順次衝突圧
にさらされて行く。なお、シート支持装置は、固体粒子
が、転写シートの幅方向両端から回り込んで、転写シー
トと凹凸基材間に流入する事も防止する。そして、転写
シートは、固体粒子衝突圧で凹凸基材に押圧され、凹凸
基材の凹凸表面の凹部内へも転写シートは延ばされて変
形することで、凹凸基材の凹凸表面形状に追従して成形
されて、活性化している接着剤により転写層が凹凸基材
に密着する。転写シートが密着した凹凸基材は、衝突圧
開放前から転写シートがチャンバ外に出るまでの間に放
冷等により冷却する。
【0084】一方、転写シートへの衝突に供された後の
固体粒子は、その一部はシート支持装置22の側面を迂
回して、チャンバ33の下部に落下する。また、残りの
部分は転写シート支持体上に載置されたまま下流側に移
送された後、チャンバ33とは基材搬送装置10の上部
のみ別室に区画された第2チャンバ71に入る。そし
て、そこでは、スリットノズル状の除去装置(兼冷却装
置)70から転写シート及び凹凸基材上に向かって空気
を吹き付け、転写シート上に残留する固体粒子を転写シ
ート端部から第2チャンバ71下部に吹き落とす。ま
た、除去装置70から吹き出す空気には室温の空気を使
い、その空気を冷風として、固体粒子除去と同時に、凹
凸基材及び転写シートを、転写シートの支持体が剥離可
能な温度にまで冷却させる。従って、除去装置は転写シ
ートや接着剤、凹凸基材等の冷却装置の役割も果たす。
チャンバの下部に集まった固体粒子は、そこからドレン
管34で吸引され元のホッパ31に収集される。また、
固体粒子の回収搬送用としてチャンバ中の空気も、固体
粒子と共にドレン管34で吸引され、ホッパ上部の気流
と固体粒子の分離装置35に搬送される。該分離装置3
5では図示の如く、気流で搬送されて来た固体粒子は水
平方向に装置空洞内に放出され、気体に対して密度の大
きい固体粒子は自重で下方に落下し、気体はそのまま水
平に流れて、フィルターで気流と共に移動しようとする
残余の固体粒子を濾過した上で、真空ポンプ36で系外
に排出される。この様にして固体粒子が、転写シート及
び凹凸基材が出入りするチャンバ出入口開口部から、空
気と共に周囲に流出しない様にする。また、固体粒子の
チャンバ系外への流出防止、及び固体粒子のチャンバか
らホッパへの逆流防止には、チャンバ内を外部より低圧
にすると良い。このチャンバの圧力調整は、前記真空ポ
ンプ36の排気量、更に気体を吹き出す除去装置(兼冷
却装置)からチャンバ内に入る気体量、及び排風機(図
示せず)をチャンバに適宜接続してその排気量等による
チャンバ外に流出する気体量と、噴出器から固体粒子と
共にチャンバ内に入る気体量(特に、気体を固体粒子加
速流体として用いる吹出ノズル等の噴出器の場合)、更
に送風機(図示せず)をチャンバに適宜接続してチャン
バ内に入れる気体量(特に、羽根車による噴出器の場
合)等とのバランスを調整する事で行う。
固体粒子は、その一部はシート支持装置22の側面を迂
回して、チャンバ33の下部に落下する。また、残りの
部分は転写シート支持体上に載置されたまま下流側に移
送された後、チャンバ33とは基材搬送装置10の上部
のみ別室に区画された第2チャンバ71に入る。そし
て、そこでは、スリットノズル状の除去装置(兼冷却装
置)70から転写シート及び凹凸基材上に向かって空気
を吹き付け、転写シート上に残留する固体粒子を転写シ
ート端部から第2チャンバ71下部に吹き落とす。ま
た、除去装置70から吹き出す空気には室温の空気を使
い、その空気を冷風として、固体粒子除去と同時に、凹
凸基材及び転写シートを、転写シートの支持体が剥離可
能な温度にまで冷却させる。従って、除去装置は転写シ
ートや接着剤、凹凸基材等の冷却装置の役割も果たす。
チャンバの下部に集まった固体粒子は、そこからドレン
管34で吸引され元のホッパ31に収集される。また、
固体粒子の回収搬送用としてチャンバ中の空気も、固体
粒子と共にドレン管34で吸引され、ホッパ上部の気流
と固体粒子の分離装置35に搬送される。該分離装置3
5では図示の如く、気流で搬送されて来た固体粒子は水
平方向に装置空洞内に放出され、気体に対して密度の大
きい固体粒子は自重で下方に落下し、気体はそのまま水
平に流れて、フィルターで気流と共に移動しようとする
残余の固体粒子を濾過した上で、真空ポンプ36で系外
に排出される。この様にして固体粒子が、転写シート及
び凹凸基材が出入りするチャンバ出入口開口部から、空
気と共に周囲に流出しない様にする。また、固体粒子の
チャンバ系外への流出防止、及び固体粒子のチャンバか
らホッパへの逆流防止には、チャンバ内を外部より低圧
にすると良い。このチャンバの圧力調整は、前記真空ポ
ンプ36の排気量、更に気体を吹き出す除去装置(兼冷
却装置)からチャンバ内に入る気体量、及び排風機(図
示せず)をチャンバに適宜接続してその排気量等による
チャンバ外に流出する気体量と、噴出器から固体粒子と
共にチャンバ内に入る気体量(特に、気体を固体粒子加
速流体として用いる吹出ノズル等の噴出器の場合)、更
に送風機(図示せず)をチャンバに適宜接続してチャン
バ内に入れる気体量(特に、羽根車による噴出器の場
合)等とのバランスを調整する事で行う。
【0085】なお、液体を固体粒子加速流体に用いた吹
出ノズルを噴出器とする場合は、冷却装置とは別にその
上又は下流に、或いは冷却装置自身と兼用で、乾燥機を
設けて、例えば室温又は温風の空気を吹きつけて、液体
を乾燥、又は吹き飛ばして除去する。また、接着剤等に
電離放射線硬化性樹脂を用い硬化させる場合は、噴出器
と剥離ローラ間に、水銀灯(紫外線光源)等の電離放射
線照射装置を設けて、少なくとも剥離可能な程度まで硬
化させる。
出ノズルを噴出器とする場合は、冷却装置とは別にその
上又は下流に、或いは冷却装置自身と兼用で、乾燥機を
設けて、例えば室温又は温風の空気を吹きつけて、液体
を乾燥、又は吹き飛ばして除去する。また、接着剤等に
電離放射線硬化性樹脂を用い硬化させる場合は、噴出器
と剥離ローラ間に、水銀灯(紫外線光源)等の電離放射
線照射装置を設けて、少なくとも剥離可能な程度まで硬
化させる。
【0086】そして、密着した凹凸基材と転写シートと
が、除去装置70で固体粒子除去と強制冷却されて第2
チャンバ71を出た後、転写シート(の支持体)を、剥
離ローラ60により凹凸基材から剥離除去する。その結
果、転写シートの転写層として装飾層等が凹凸基材の凹
凸表面に転写形成された状態の、化粧材Dが得られる。
一方、剥離ローラ通過後の転写シート(の支持体)は、
シート排出装置23に排出ロールとして巻き取る。
が、除去装置70で固体粒子除去と強制冷却されて第2
チャンバ71を出た後、転写シート(の支持体)を、剥
離ローラ60により凹凸基材から剥離除去する。その結
果、転写シートの転写層として装飾層等が凹凸基材の凹
凸表面に転写形成された状態の、化粧材Dが得られる。
一方、剥離ローラ通過後の転写シート(の支持体)は、
シート排出装置23に排出ロールとして巻き取る。
【0087】更に、この化粧剤Dの表面にトップコート
層を設けるには、別ライン又は同じラインに設けた(不
図示)塗工装置で、トップコート層を塗工形成する。そ
して、転写層中の活性水素含有官能基と、転写層と接す
るトップコート層中のイソシアネート基や、或いは凹凸
基材側に設けておいた接着剤層或いは下塗り層中にイソ
シアネート基を含有させた場合には、室温放置、加熱養
生等により、これら層のイソシアネート基と転写層の活
性水素含有官能基と化学反応を進行させてウレタン結合
等の化学結合を生じさせ、転写層と表裏で接する層とを
一体化する処理を行い、最終的な化粧材を得る。
層を設けるには、別ライン又は同じラインに設けた(不
図示)塗工装置で、トップコート層を塗工形成する。そ
して、転写層中の活性水素含有官能基と、転写層と接す
るトップコート層中のイソシアネート基や、或いは凹凸
基材側に設けておいた接着剤層或いは下塗り層中にイソ
シアネート基を含有させた場合には、室温放置、加熱養
生等により、これら層のイソシアネート基と転写層の活
性水素含有官能基と化学反応を進行させてウレタン結合
等の化学結合を生じさせ、転写層と表裏で接する層とを
一体化する処理を行い、最終的な化粧材を得る。
【0088】〔チャンバ使用時の接着剤等の加熱方法〕
以上、本発明の曲面転写方法の一形態として、チャンバ
内で固体粒子を衝突させる曲面転写方法の一例を説明し
たが、チャンバ使用時に於ける、接着剤活性化や転写シ
ート延伸性向上等の為の加熱方法を更に説明する。
以上、本発明の曲面転写方法の一形態として、チャンバ
内で固体粒子を衝突させる曲面転写方法の一例を説明し
たが、チャンバ使用時に於ける、接着剤活性化や転写シ
ート延伸性向上等の為の加熱方法を更に説明する。
【0089】転写シートの加熱手段は任意であり、衝突
圧印加前の加熱では、例えばヒータ加熱、赤外線加熱、
誘電加熱、誘導加熱、熱風加熱等を用いる。図11の装
置は、衝突圧印加前の加熱を、加熱後は冷却されない様
に噴出器直前で行うべくチャンバ33内にシート加熱装
置40を設けた例である。ただ、チャンバ内で加熱しそ
の手段に熱風加熱を用いる場合は(後述する凹凸基材の
加熱でも同様だが)、吹き付け風量は少なくした方が良
い。それは、空気をチャンバ内に入れることになり、固
体粒子加速用に空気を用いる場合も含めて、固体粒子回
収用の真空ポンプの負荷増になり、また固体粒子の流れ
を攪乱することになるからである。また、シート加熱は
図11に例示の様にチャンバ33内で行う以外に、加熱
による転写シートの伸びが転写シート搬送に支障を来さ
ない様にすれば、チャンバの外部、或いはチャンバの内
部及び外部の両方で行っても良い。また、加熱は転写シ
ートの裏面側、表面側、表裏両面のいずれから行っても
良い。なお、シート加熱は、シート支持装置によって幅
方向両端を支持されてから行うのが好ましい。その前で
は、シートが送り方向に伸びたり、下方に垂下して、移
送に支障を来し易い。次に、衝突圧印加中の加熱手段で
は、加熱固体粒子、固体粒子加速流体を用いる場合はそ
の加熱流体も使用できる。また、噴出器の間隙に分散し
て熱源を設けて加熱しても良い。もちろん、衝突圧の印
加中及び印加前の加熱を併用できるし、衝突圧印加中の
加熱のみの場合もある。
圧印加前の加熱では、例えばヒータ加熱、赤外線加熱、
誘電加熱、誘導加熱、熱風加熱等を用いる。図11の装
置は、衝突圧印加前の加熱を、加熱後は冷却されない様
に噴出器直前で行うべくチャンバ33内にシート加熱装
置40を設けた例である。ただ、チャンバ内で加熱しそ
の手段に熱風加熱を用いる場合は(後述する凹凸基材の
加熱でも同様だが)、吹き付け風量は少なくした方が良
い。それは、空気をチャンバ内に入れることになり、固
体粒子加速用に空気を用いる場合も含めて、固体粒子回
収用の真空ポンプの負荷増になり、また固体粒子の流れ
を攪乱することになるからである。また、シート加熱は
図11に例示の様にチャンバ33内で行う以外に、加熱
による転写シートの伸びが転写シート搬送に支障を来さ
ない様にすれば、チャンバの外部、或いはチャンバの内
部及び外部の両方で行っても良い。また、加熱は転写シ
ートの裏面側、表面側、表裏両面のいずれから行っても
良い。なお、シート加熱は、シート支持装置によって幅
方向両端を支持されてから行うのが好ましい。その前で
は、シートが送り方向に伸びたり、下方に垂下して、移
送に支障を来し易い。次に、衝突圧印加中の加熱手段で
は、加熱固体粒子、固体粒子加速流体を用いる場合はそ
の加熱流体も使用できる。また、噴出器の間隙に分散し
て熱源を設けて加熱しても良い。もちろん、衝突圧の印
加中及び印加前の加熱を併用できるし、衝突圧印加中の
加熱のみの場合もある。
【0090】また、凹凸基材に下塗り層や接着剤層を施
し、基材加熱装置41等で溶剤分を加熱乾燥するのであ
れば、そこで凹凸基材は加熱され、また、加熱された凹
凸基材から間接的に転写シートもある程度加熱できる。
従って、転写シートの加熱も必要な場合でも、凹凸基材
からの間接的加熱や、固体粒子や固体粒子加速流体によ
る加熱で充分な場合には、転写シート専用のシート加熱
装置は省略することもできる。
し、基材加熱装置41等で溶剤分を加熱乾燥するのであ
れば、そこで凹凸基材は加熱され、また、加熱された凹
凸基材から間接的に転写シートもある程度加熱できる。
従って、転写シートの加熱も必要な場合でも、凹凸基材
からの間接的加熱や、固体粒子や固体粒子加速流体によ
る加熱で充分な場合には、転写シート専用のシート加熱
装置は省略することもできる。
【0091】次に、凹凸基材の加熱は、衝突圧印加前、
或いは衝突圧印加中、或いは衝突圧印加前及び印加中の
いずれでも良い。凹凸基材を加熱することで、転写シー
トを熱して延伸性向上を図る場合に、熱せられた転写シ
ート温度が低下するのを防止できる。また、凹凸基材側
から転写シートを加熱することもできる。凹凸基材の加
熱は、チャンバの外部又は内部、或いは外部及び内部で
行えば良い。外部及び内部の加熱では、充分な予熱が必
要な場合でも、長い搬送距離を使って加熱することがで
きる。長い基材加熱装置をチャンバの内部に設ける為
に、チャンバ自身の内容積が大きくなるならば、基材加
熱装置の一部又は全部をチャンバの外部に設けて、チャ
ンバの内容積を小さくした方が、固体粒子の飛散、回収
等を考慮した取扱上は有利だからである。チャンバの内
部で加熱する利点は、衝突圧印加の直前まで、或いは衝
突圧印加中までも、加熱できることであり、特に熱容量
が大きい凹凸基材をその被転写面近傍のみ効果的に予熱
しようとする場合等である。なお、上流側に配置した基
材塗工装置による塗装や接着剤を乾燥すべく、溶剤分や
水分を蒸発させる役割も持たせた基材加熱装置の場合
は、チャンバ内部に配置するのは好ましくない。チャン
バ内に充満した蒸発した溶剤や水分の排気手段が必要と
なり、また溶剤の場合は防爆対策を考慮する必要も生じ
る。このような目的の基材加熱装置は、チャンバの外部
に配置するか、内部に配置したとしても、外部に蒸発用
の基材加熱装置(乾燥炉)を別に配置することが好まし
い。もちろん、下塗り層の塗工は別ラインで行う形態と
すれば、基材加熱装置を乾燥装置と兼用する必要はな
い。凹凸基材の加熱手段としては、誘導加熱や誘電加熱
は基材内部から加熱できるが、一方、ヒータ加熱、赤外
線加熱、熱風加熱は、凹凸表面側からの加熱が効率的で
ある。また、凹凸基材は裏面側からも加熱してもよい。
チャンバの開口部に凹凸基材が搬送された後に、衝突圧
印加直前又は印加中まで加熱するならば、基材裏面側か
らの加熱は、装置スペース的にも好ましい。衝突圧印加
中加熱は、衝突圧印加部上流側での加熱に加えて、噴出
器の間隙に分散して熱源を設けてもよい(転写シートを
通しての加熱となる)。
或いは衝突圧印加中、或いは衝突圧印加前及び印加中の
いずれでも良い。凹凸基材を加熱することで、転写シー
トを熱して延伸性向上を図る場合に、熱せられた転写シ
ート温度が低下するのを防止できる。また、凹凸基材側
から転写シートを加熱することもできる。凹凸基材の加
熱は、チャンバの外部又は内部、或いは外部及び内部で
行えば良い。外部及び内部の加熱では、充分な予熱が必
要な場合でも、長い搬送距離を使って加熱することがで
きる。長い基材加熱装置をチャンバの内部に設ける為
に、チャンバ自身の内容積が大きくなるならば、基材加
熱装置の一部又は全部をチャンバの外部に設けて、チャ
ンバの内容積を小さくした方が、固体粒子の飛散、回収
等を考慮した取扱上は有利だからである。チャンバの内
部で加熱する利点は、衝突圧印加の直前まで、或いは衝
突圧印加中までも、加熱できることであり、特に熱容量
が大きい凹凸基材をその被転写面近傍のみ効果的に予熱
しようとする場合等である。なお、上流側に配置した基
材塗工装置による塗装や接着剤を乾燥すべく、溶剤分や
水分を蒸発させる役割も持たせた基材加熱装置の場合
は、チャンバ内部に配置するのは好ましくない。チャン
バ内に充満した蒸発した溶剤や水分の排気手段が必要と
なり、また溶剤の場合は防爆対策を考慮する必要も生じ
る。このような目的の基材加熱装置は、チャンバの外部
に配置するか、内部に配置したとしても、外部に蒸発用
の基材加熱装置(乾燥炉)を別に配置することが好まし
い。もちろん、下塗り層の塗工は別ラインで行う形態と
すれば、基材加熱装置を乾燥装置と兼用する必要はな
い。凹凸基材の加熱手段としては、誘導加熱や誘電加熱
は基材内部から加熱できるが、一方、ヒータ加熱、赤外
線加熱、熱風加熱は、凹凸表面側からの加熱が効率的で
ある。また、凹凸基材は裏面側からも加熱してもよい。
チャンバの開口部に凹凸基材が搬送された後に、衝突圧
印加直前又は印加中まで加熱するならば、基材裏面側か
らの加熱は、装置スペース的にも好ましい。衝突圧印加
中加熱は、衝突圧印加部上流側での加熱に加えて、噴出
器の間隙に分散して熱源を設けてもよい(転写シートを
通しての加熱となる)。
【0092】〔接着剤の強制冷却〕また、接着剤が少な
くともその初期段階で熱融着型の場合は、転写シートが
凹凸基材に密着後に接着剤を強制冷却すれば、凹部内部
にまで追従、成形された転写シートの固着化を促進し
て、転写シートに復元力がある場合に圧解放後、転写シ
ートが元の形状に戻ることを防止し、転写シート(の支
持体)の剥離除去をより早くできるので、転写抜け防止
や生産速度向上が図れる。この為には、衝突圧印加中
に、衝突圧を開放しないまま冷却固体粒子を用いたり、
或いは固体粒子加速流体を用いる場合は冷却流体を用い
たり、衝突圧印加後に、風冷等の他の冷却手段を用いて
接着剤層を冷却すると良い。凹凸基材の熱容量が大の場
合は、冷却固体粒子及び冷却流体以外にも、低温流体の
吹き付け、基材搬送用のローラやベルトコンベア等の冷
却により、凹凸基材を裏面から冷却できる。或いは、チ
ャンバ内でのこれら冷却の後にチャンバ外で、或いはチ
ャンバ内では冷却せずにチャンバ外のみで、表や裏から
の冷風吹き付け等で冷却しても良い。
くともその初期段階で熱融着型の場合は、転写シートが
凹凸基材に密着後に接着剤を強制冷却すれば、凹部内部
にまで追従、成形された転写シートの固着化を促進し
て、転写シートに復元力がある場合に圧解放後、転写シ
ートが元の形状に戻ることを防止し、転写シート(の支
持体)の剥離除去をより早くできるので、転写抜け防止
や生産速度向上が図れる。この為には、衝突圧印加中
に、衝突圧を開放しないまま冷却固体粒子を用いたり、
或いは固体粒子加速流体を用いる場合は冷却流体を用い
たり、衝突圧印加後に、風冷等の他の冷却手段を用いて
接着剤層を冷却すると良い。凹凸基材の熱容量が大の場
合は、冷却固体粒子及び冷却流体以外にも、低温流体の
吹き付け、基材搬送用のローラやベルトコンベア等の冷
却により、凹凸基材を裏面から冷却できる。或いは、チ
ャンバ内でのこれら冷却の後にチャンバ外で、或いはチ
ャンバ内では冷却せずにチャンバ外のみで、表や裏から
の冷風吹き付け等で冷却しても良い。
【0093】〔支持体の剥離〕なお、支持体を剥離する
タイミングは、衝突圧の解除以降、支持体が剥離時応力
で切断や塑性変形をし無い程度に冷却し、接着剤層が冷
却や硬化反応で固化し転写シートが凹凸基材に固着した
時点以降に行えば良い。
タイミングは、衝突圧の解除以降、支持体が剥離時応力
で切断や塑性変形をし無い程度に冷却し、接着剤層が冷
却や硬化反応で固化し転写シートが凹凸基材に固着した
時点以降に行えば良い。
【0094】〔空気抜き〕また、衝突圧印加前に、転写
層や凹凸基材上の接着剤層等となる接着剤が加熱された
としても活性状態とならないならば、或いは活性状態に
なる前の時間的過程が使えるならば、凹凸基材と転写シ
ートとの非粘着の接触を行えるので、転写シートを凹凸
基材の凹凸表面に接触させて、転写シートと凹凸基材間
の空隙の空気を強制的に抜き取る、「空気抜き」をする
と良い。空気抜きで、転写シートと凹凸基材間の空気が
転写時に残留する「エア噛み」、更にはそれに起因する
転写抜けを防げる。空気抜きは、例えば図11の装置で
は、吸引排気ノズル91及び真空ポンプ92等からなる
吸引排気装置90で行う。吸引排気ノズル91は、転写
シートの転写層側で、且つ搬送される凹凸基材の搬送方
向に沿う両辺に隣接する両側に(図11(B)参照)、
凹凸基材の搬送方向に沿って設け、転写シートと凹凸基
材間の空気を、真空ポンプ92で吸引し排気すれば良
い。吸引排気ノズル91の開口部外周は例えばブラシで
囲いブラシ先端を凹凸基材及び転写シートに接触させれ
ば、それらの搬送に支障なく空気抜きできる。また、空
気抜きは衝突圧印加中まで行うのが良い。なお、空気抜
きと転写シートの予熱とのタイミングは、転写シートが
予熱されて軟化する速度、軟化の度合いにもより、どち
らを先に開始しても良いが、両方を同時に開始しても良
い。空気抜きは、凹凸基材の被転写面が例えば岩肌調や
スタッコ調等の凹凸面の場合は効果的である。
層や凹凸基材上の接着剤層等となる接着剤が加熱された
としても活性状態とならないならば、或いは活性状態に
なる前の時間的過程が使えるならば、凹凸基材と転写シ
ートとの非粘着の接触を行えるので、転写シートを凹凸
基材の凹凸表面に接触させて、転写シートと凹凸基材間
の空隙の空気を強制的に抜き取る、「空気抜き」をする
と良い。空気抜きで、転写シートと凹凸基材間の空気が
転写時に残留する「エア噛み」、更にはそれに起因する
転写抜けを防げる。空気抜きは、例えば図11の装置で
は、吸引排気ノズル91及び真空ポンプ92等からなる
吸引排気装置90で行う。吸引排気ノズル91は、転写
シートの転写層側で、且つ搬送される凹凸基材の搬送方
向に沿う両辺に隣接する両側に(図11(B)参照)、
凹凸基材の搬送方向に沿って設け、転写シートと凹凸基
材間の空気を、真空ポンプ92で吸引し排気すれば良
い。吸引排気ノズル91の開口部外周は例えばブラシで
囲いブラシ先端を凹凸基材及び転写シートに接触させれ
ば、それらの搬送に支障なく空気抜きできる。また、空
気抜きは衝突圧印加中まで行うのが良い。なお、空気抜
きと転写シートの予熱とのタイミングは、転写シートが
予熱されて軟化する速度、軟化の度合いにもより、どち
らを先に開始しても良いが、両方を同時に開始しても良
い。空気抜きは、凹凸基材の被転写面が例えば岩肌調や
スタッコ調等の凹凸面の場合は効果的である。
【0095】〔その他〕以上、本発明の曲面転写方法を
説明して来たが、本発明は上記説明に限定されるもので
はない。例えば、図11の装置による曲面転写方法の説
明では、転写シートの凹凸基材への圧接は、長尺帯状の
転写シート及び枚葉の凹凸基材を用い、両者を一体的に
搬送移動させつつ、固定の噴出器で固体粒子衝突圧を連
続印加する形態であったが、転写シートの凹凸基材への
圧接は、その時だけ転写シート及び凹凸基材を停止させ
て、基材一個ごとに間欠的に行っても構わない(これら
に対して例えば噴出器を移動させる)。また、凹凸基材
及び転写シートともに枚葉の形態で供給する形態でも構
わない。また、噴出器の固体粒子噴出方向と転写シート
及び凹凸基材との位置関係は、両者ともに水平面内に載
置し、その上方から鉛直方向に真下に固体粒子を噴き出
す位置関係に限定されない。転写シート支持体側面と噴
出方向が垂直関係を維持したとしても、転写シートの載
置又は搬送方向は、水平面内以外にも、斜面内、鉛直面
内(図6(B))等があり、また転写シートが水平面内
でも、支持体側が下側、すなわち、下から上に固体粒子
を噴出させ衝突させても良い。もちろん、転写シート支
持体面に対して角度をもって固体粒子を噴出しても良
い。また、衝突圧印加前に、弾性体ローラによる転写シ
ートの凹凸基材への押圧を予備的に行っても良い。ま
た、チャンバ内は窒素等の不活性ガスを充満させて、接
着剤等に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合に、空気中
の酸素、水蒸気等が該樹脂の硬化を阻害するのを防止し
ても良い。
説明して来たが、本発明は上記説明に限定されるもので
はない。例えば、図11の装置による曲面転写方法の説
明では、転写シートの凹凸基材への圧接は、長尺帯状の
転写シート及び枚葉の凹凸基材を用い、両者を一体的に
搬送移動させつつ、固定の噴出器で固体粒子衝突圧を連
続印加する形態であったが、転写シートの凹凸基材への
圧接は、その時だけ転写シート及び凹凸基材を停止させ
て、基材一個ごとに間欠的に行っても構わない(これら
に対して例えば噴出器を移動させる)。また、凹凸基材
及び転写シートともに枚葉の形態で供給する形態でも構
わない。また、噴出器の固体粒子噴出方向と転写シート
及び凹凸基材との位置関係は、両者ともに水平面内に載
置し、その上方から鉛直方向に真下に固体粒子を噴き出
す位置関係に限定されない。転写シート支持体側面と噴
出方向が垂直関係を維持したとしても、転写シートの載
置又は搬送方向は、水平面内以外にも、斜面内、鉛直面
内(図6(B))等があり、また転写シートが水平面内
でも、支持体側が下側、すなわち、下から上に固体粒子
を噴出させ衝突させても良い。もちろん、転写シート支
持体面に対して角度をもって固体粒子を噴出しても良
い。また、衝突圧印加前に、弾性体ローラによる転写シ
ートの凹凸基材への押圧を予備的に行っても良い。ま
た、チャンバ内は窒素等の不活性ガスを充満させて、接
着剤等に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合に、空気中
の酸素、水蒸気等が該樹脂の硬化を阻害するのを防止し
ても良い。
【0096】〔化粧材〕本発明で得られる化粧材は、外
壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装材、壁面、天井等
の建築内装材、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具、
箪笥等の家具の表面材、弱電・OA機器のキャビネッ
ト、或いは自動車等の車両内装材等の各種分野で用いら
れ得る。特に、耐久性に優れたものが得られるので、外
装用途等は適している。
壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装材、壁面、天井等
の建築内装材、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具、
箪笥等の家具の表面材、弱電・OA機器のキャビネッ
ト、或いは自動車等の車両内装材等の各種分野で用いら
れ得る。特に、耐久性に優れたものが得られるので、外
装用途等は適している。
【0097】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を更に説
明する。
明する。
【0098】(凹凸基材の用意)先ず、三次元的表面凹
凸を有する凹凸基材Bとして図12(A)の平面図及び
図12(B)の要部斜視図に例示する様な、大柄な凹凸
として深さ1.5mm、開口幅5mmの目地の溝状凹部
401と、煉瓦積み模様の平坦凸部402とを有し、微
細な凹凸として平坦凸部上に深さが0.1〜0.5mm
の範囲に分布する梨地調の微細凹凸403を有する、大
柄な凹凸と微細な凹凸とが重畳した三次元的表面凹凸を
有する厚さ12mmの押し出しセメント板を用意した。
そして、この凹凸基材に、下塗り層としてシーラ塗装と
ベースコート塗装を行った。シーラ塗装は湿気硬化型ウ
レタン樹脂シーラーをスプレー塗装し、その後、ベース
コート塗装として、大日本塗料株式会社製の商品名「V
セランベース」(アクリルポリオールとイソシアネート
からなる2液硬化型ウレタン塗料)をスプレー塗装し
た。なお、下塗り層の形成はオフラインで別の装置で行
った。また、この下塗り層は、接着剤層も兼用する層で
ある。シーラ塗装及びベースコート塗装からなる下塗り
層は、未反応のイソシアネート基が残り、下塗り層中に
イソシアネート基が含有する状態で、次の転写シートに
よる転写を行った。
凸を有する凹凸基材Bとして図12(A)の平面図及び
図12(B)の要部斜視図に例示する様な、大柄な凹凸
として深さ1.5mm、開口幅5mmの目地の溝状凹部
401と、煉瓦積み模様の平坦凸部402とを有し、微
細な凹凸として平坦凸部上に深さが0.1〜0.5mm
の範囲に分布する梨地調の微細凹凸403を有する、大
柄な凹凸と微細な凹凸とが重畳した三次元的表面凹凸を
有する厚さ12mmの押し出しセメント板を用意した。
そして、この凹凸基材に、下塗り層としてシーラ塗装と
ベースコート塗装を行った。シーラ塗装は湿気硬化型ウ
レタン樹脂シーラーをスプレー塗装し、その後、ベース
コート塗装として、大日本塗料株式会社製の商品名「V
セランベース」(アクリルポリオールとイソシアネート
からなる2液硬化型ウレタン塗料)をスプレー塗装し
た。なお、下塗り層の形成はオフラインで別の装置で行
った。また、この下塗り層は、接着剤層も兼用する層で
ある。シーラ塗装及びベースコート塗装からなる下塗り
層は、未反応のイソシアネート基が残り、下塗り層中に
イソシアネート基が含有する状態で、次の転写シートに
よる転写を行った。
【0099】(転写シートの用意)転写シートSは支持
体に厚さ25μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(二
村化学工業株式会社製)の片面に、転写層となる装飾層
として該凹凸面形状と位置同調したセメントの目地を有
する煉瓦調の絵柄を順次グラビア印刷したものを用意し
た。用意した転写シートは、表1の如く、絵柄インキの
バインダー組成を変えたものを4種類用意した。絵柄イ
ンキのバインダーの熱可塑性樹脂としては、表1の如
く、活性水素含有官能基を持たないアクリル樹脂(ガラ
ス転移温度Tg=70℃)や、アクリルポリオール(ガ
ラス転移温度Tg=70℃)を用い、これに反応性可塑
剤を添加した物、添加しない物など、表1の如く4種類
用意した。なお、着色顔料としては、弁柄、イソインド
リノン、カーボンブラック、チタン白を用いた。転写シ
ートAは熱可塑性樹脂はアクリル樹脂(Tg=70)で
可塑剤添加せず、転写シートBは熱可塑性樹脂は活性水
素含有官能基を持つアクリルポリオール(Tg=70)
で可塑剤添加せず、転写シートCは転写シートBと同じ
アクリルポリオールだが、ポリエステル系の活性水素含
有官能基を持たない可塑剤を樹脂100重量部に対して
20重量部添加、転写シートDは転写シートBと同じア
クリルポリオールだが、活性水素含有官能基を持つ反応
性可塑剤としてアジピン酸系ポリエステル(大日本イン
キ化学工業株式会社製 ポリサイザーW−860)を樹
脂100重量部に対して20重量部添加したものであ
る。
体に厚さ25μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(二
村化学工業株式会社製)の片面に、転写層となる装飾層
として該凹凸面形状と位置同調したセメントの目地を有
する煉瓦調の絵柄を順次グラビア印刷したものを用意し
た。用意した転写シートは、表1の如く、絵柄インキの
バインダー組成を変えたものを4種類用意した。絵柄イ
ンキのバインダーの熱可塑性樹脂としては、表1の如
く、活性水素含有官能基を持たないアクリル樹脂(ガラ
ス転移温度Tg=70℃)や、アクリルポリオール(ガ
ラス転移温度Tg=70℃)を用い、これに反応性可塑
剤を添加した物、添加しない物など、表1の如く4種類
用意した。なお、着色顔料としては、弁柄、イソインド
リノン、カーボンブラック、チタン白を用いた。転写シ
ートAは熱可塑性樹脂はアクリル樹脂(Tg=70)で
可塑剤添加せず、転写シートBは熱可塑性樹脂は活性水
素含有官能基を持つアクリルポリオール(Tg=70)
で可塑剤添加せず、転写シートCは転写シートBと同じ
アクリルポリオールだが、ポリエステル系の活性水素含
有官能基を持たない可塑剤を樹脂100重量部に対して
20重量部添加、転写シートDは転写シートBと同じア
クリルポリオールだが、活性水素含有官能基を持つ反応
性可塑剤としてアジピン酸系ポリエステル(大日本イン
キ化学工業株式会社製 ポリサイザーW−860)を樹
脂100重量部に対して20重量部添加したものであ
る。
【0100】
【表1】
【0101】(固体粒子衝突圧による転写)次に、上記
転写シートA〜Dを用い前記凹凸基材に転写し、この順
に比較例1、2、実施例1、2とした。転写は、図11
に示す様な装置で、噴出器には図2〜図4の様な羽根車
を用いた噴出器を使用し、上記凹凸基材Bを、その凹凸
面を上にして搬送用ローラ列からなる基材搬送装置10
上に載置して搬送し、電熱線ヒータによる輻射熱を用い
た基材加熱装置41で、接着剤及び凹凸基材を加熱し
て、衝突圧印加部30に供給した。一方転写シートS
も、シート供給装置20により、その支持体側を上にし
て、しかも絵柄の目地部と凹凸基材の目地状の溝状凹部
とが位置合わせ(見当合わせ)される様にして衝突圧印
加部に供給した。凹凸基材Bが衝突圧印加部のチャンバ
33に入ったところで、転写シートを凹凸基材に接近さ
せた。そして、1対のエンドレスベルト状のシート支持
装置22で転写シートの幅方向両端を表裏で挟持した。
その状態で、転写シートの支持体側から電熱線ヒータに
よる輻射熱を用いたシート加熱装置40で、転写シート
の予熱、接着剤の活性化、凹凸基材の加熱を行った。
転写シートA〜Dを用い前記凹凸基材に転写し、この順
に比較例1、2、実施例1、2とした。転写は、図11
に示す様な装置で、噴出器には図2〜図4の様な羽根車
を用いた噴出器を使用し、上記凹凸基材Bを、その凹凸
面を上にして搬送用ローラ列からなる基材搬送装置10
上に載置して搬送し、電熱線ヒータによる輻射熱を用い
た基材加熱装置41で、接着剤及び凹凸基材を加熱し
て、衝突圧印加部30に供給した。一方転写シートS
も、シート供給装置20により、その支持体側を上にし
て、しかも絵柄の目地部と凹凸基材の目地状の溝状凹部
とが位置合わせ(見当合わせ)される様にして衝突圧印
加部に供給した。凹凸基材Bが衝突圧印加部のチャンバ
33に入ったところで、転写シートを凹凸基材に接近さ
せた。そして、1対のエンドレスベルト状のシート支持
装置22で転写シートの幅方向両端を表裏で挟持した。
その状態で、転写シートの支持体側から電熱線ヒータに
よる輻射熱を用いたシート加熱装置40で、転写シート
の予熱、接着剤の活性化、凹凸基材の加熱を行った。
【0102】次いで、固体粒子Pとして平均粒径0.4
mmの球形の亜鉛球を、噴出器32から噴出させ、転写
シートの支持体側に衝突させて、転写シートを凹凸基材
に圧接した。噴出器の羽根車の回転数は3600〔rp
m〕、固体粒子の噴出速度は40〔m/s〕であった。
そして、転写シートが目地の凹部内にまで延ばされて熱
融着し、チャンバ33から続いてその下流側に設けた第
2チャンバ71内に於いて冷却装置70で20℃の冷風
を吹き付けて、接着剤を冷却して接着温度以下に冷却す
ると共に、転写シート上に残留した固体粒子を転写シー
ト端部からチャンバ下部に向かって落として除去した
後、転写シートの支持体を剥離ローラ60で剥がし取
り、トップコート層が未形成の化粧材Dを得た。化粧材
は表面凹凸に追従して絵柄が転写されていた。
mmの球形の亜鉛球を、噴出器32から噴出させ、転写
シートの支持体側に衝突させて、転写シートを凹凸基材
に圧接した。噴出器の羽根車の回転数は3600〔rp
m〕、固体粒子の噴出速度は40〔m/s〕であった。
そして、転写シートが目地の凹部内にまで延ばされて熱
融着し、チャンバ33から続いてその下流側に設けた第
2チャンバ71内に於いて冷却装置70で20℃の冷風
を吹き付けて、接着剤を冷却して接着温度以下に冷却す
ると共に、転写シート上に残留した固体粒子を転写シー
ト端部からチャンバ下部に向かって落として除去した
後、転写シートの支持体を剥離ローラ60で剥がし取
り、トップコート層が未形成の化粧材Dを得た。化粧材
は表面凹凸に追従して絵柄が転写されていた。
【0103】更に、この化粧材の転写層の表面に、大日
本塗料株式会社製の商品名「Vセラントップ」(アクリ
ルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの混
合物)を、全面にスプレー塗装後、加熱乾燥して100
g/m2 (固形分基準)のトップコート層を形成した。
その後、40℃1週間養生して、最終的な化粧材とし
た。これによって、転写層中の熱可塑性樹脂及び反応性
可塑剤が水酸基を持つ場合は、下塗り層及びトップコー
ト層中のイソシアネート基との化学反応を進行させてウ
レタン結合等の化学結合を生じさせた。
本塗料株式会社製の商品名「Vセラントップ」(アクリ
ルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの混
合物)を、全面にスプレー塗装後、加熱乾燥して100
g/m2 (固形分基準)のトップコート層を形成した。
その後、40℃1週間養生して、最終的な化粧材とし
た。これによって、転写層中の熱可塑性樹脂及び反応性
可塑剤が水酸基を持つ場合は、下塗り層及びトップコー
ト層中のイソシアネート基との化学反応を進行させてウ
レタン結合等の化学結合を生じさせた。
【0104】(弾性体ローラによる転写)前記転写シー
トA〜Dを用い前記凹凸基材に転写し、この順に比較例
3、4、実施例3、4とした。用いた弾性体ローラは、
鉄芯にシリコーンゴムを被覆したJISゴム硬度70度
のローラである。そして、表面温度130℃で、転写速
度5m/分で転写した。
トA〜Dを用い前記凹凸基材に転写し、この順に比較例
3、4、実施例3、4とした。用いた弾性体ローラは、
鉄芯にシリコーンゴムを被覆したJISゴム硬度70度
のローラである。そして、表面温度130℃で、転写速
度5m/分で転写した。
【0105】(性能比較)上記実施例及び比較例の、転
写適性、耐久性を評価した結果を表2に示す。なお、耐
久性は次の様にして試験評価した。 耐温水性:60℃温水に8時間浸漬後、取り出して室
温で16時間放置するる操作を10サイクル繰り返した
後の外観を目視観察した。 耐シンナー性:シンナーを滴下して外観を目視観察し
た。
写適性、耐久性を評価した結果を表2に示す。なお、耐
久性は次の様にして試験評価した。 耐温水性:60℃温水に8時間浸漬後、取り出して室
温で16時間放置するる操作を10サイクル繰り返した
後の外観を目視観察した。 耐シンナー性:シンナーを滴下して外観を目視観察し
た。
【0106】
【表2】 ○:良好 △:やや良好 ×:不良
【0107】表1の如く、転写シートDによる実施例2
及び4では、転写層中の反応性可塑剤と熱可塑性樹脂
と、転写層と表裏で接する層中のイソシアネート基とを
化学結合させてあるので、転写時の転写層の割れも無
く、耐久性も良好な結果を示した。また、可塑剤が反応
性可塑剤でない転写シートCによる実施例1及び3で
は、転写時の割れは無く良好だが、耐久性は難点があ
り、用途を限定すれば使用できる結果が得られた。ま
た、可塑剤を用いない転写シートBによる比較例2及び
4では、耐久性は良いが、転写時の割れが発生し転写不
良となった。また、アクリルポリオールではないが同じ
ガラス転移温度のアクリル樹脂で可塑剤無添加の転写シ
ートAによる比較例1及び3では、耐久性も悪く、転写
時の割れが発生し転写不良となった。
及び4では、転写層中の反応性可塑剤と熱可塑性樹脂
と、転写層と表裏で接する層中のイソシアネート基とを
化学結合させてあるので、転写時の転写層の割れも無
く、耐久性も良好な結果を示した。また、可塑剤が反応
性可塑剤でない転写シートCによる実施例1及び3で
は、転写時の割れは無く良好だが、耐久性は難点があ
り、用途を限定すれば使用できる結果が得られた。ま
た、可塑剤を用いない転写シートBによる比較例2及び
4では、耐久性は良いが、転写時の割れが発生し転写不
良となった。また、アクリルポリオールではないが同じ
ガラス転移温度のアクリル樹脂で可塑剤無添加の転写シ
ートAによる比較例1及び3では、耐久性も悪く、転写
時の割れが発生し転写不良となった。
【0108】
【発明の効果】 本発明によれば、大きな三次元的凹凸表面が装飾され
た化粧材が容易に得られる。もちろん、窓枠、サッシ等
の二次元的凹凸も可能であり、平板状の板材以外にも、
瓦の様に全体として(包絡面形状が)波うち形状のも
の、或いは凸又は凹に湾曲した形状のものでも容易に得
られる。 しかも、大柄な凹凸表面の凸部上、凹部内(底部や凸
部と底部の連結部分である側面)も転写できる。また、
大柄な凹凸の凸部上に、更に微細な凹凸模様(例えば、
ヘアライン、梨地等)が有る場合でも、その微細凹凸の
凹部内にまで、転写にて装飾できる。 更に、転写層に反応性可塑剤を用いているので、柔軟
性、伸び易さを付与でき、転写時に凹凸基材の凹凸表面
に転写シートが追従成形される時に、転写層の割れや剥
脱が防止でき、良好な転写性、柄追従性が得られる。そ
の結果、凹凸基材の凹凸表面に確実に転写層を転写でき
る。特に、固体粒子衝突圧を用いる曲面転写方法では、
目地溝には転写せず、天面部の凹凸面のみに転写する場
合に、目地溝の直上部での転写層の割れや剥脱を防げ
る。また、角の有る凹凸面に転写する場合にも有効であ
り、角部での転写層の割れや剥脱を防げる。 更に、トップコート層或いは凹凸基材側の下塗り層や
接着剤層と、転写層が接する構成にて、これら層中のイ
ソシアネート基と転写層中の反応性可塑剤とを反応させ
てウレタン結合等の化学結合を生じさせるので、表面凹
凸への追従・成形性を維持しつつ耐久性等の表面物性に
優れた化粧材が得られる。特に、従来の転写ローラによ
る転写では不可能な大きな表面凹凸への転写が可能な固
体粒子衝突圧を転写圧として用いる曲面転写方法では、
その大きな表面凹凸への追従・成形性と表面物性との両
立は従来の転写ローラ以上により難しい課題であるが、
これを容易に解決できる。 また、従来のゴムローラ押圧方式の様に、凹凸基材の
凹凸部によるローラ等部品の損耗も無い。 以上の結果、従来に無く極めて意匠性に優れた化粧材
が得られる。
た化粧材が容易に得られる。もちろん、窓枠、サッシ等
の二次元的凹凸も可能であり、平板状の板材以外にも、
瓦の様に全体として(包絡面形状が)波うち形状のも
の、或いは凸又は凹に湾曲した形状のものでも容易に得
られる。 しかも、大柄な凹凸表面の凸部上、凹部内(底部や凸
部と底部の連結部分である側面)も転写できる。また、
大柄な凹凸の凸部上に、更に微細な凹凸模様(例えば、
ヘアライン、梨地等)が有る場合でも、その微細凹凸の
凹部内にまで、転写にて装飾できる。 更に、転写層に反応性可塑剤を用いているので、柔軟
性、伸び易さを付与でき、転写時に凹凸基材の凹凸表面
に転写シートが追従成形される時に、転写層の割れや剥
脱が防止でき、良好な転写性、柄追従性が得られる。そ
の結果、凹凸基材の凹凸表面に確実に転写層を転写でき
る。特に、固体粒子衝突圧を用いる曲面転写方法では、
目地溝には転写せず、天面部の凹凸面のみに転写する場
合に、目地溝の直上部での転写層の割れや剥脱を防げ
る。また、角の有る凹凸面に転写する場合にも有効であ
り、角部での転写層の割れや剥脱を防げる。 更に、トップコート層或いは凹凸基材側の下塗り層や
接着剤層と、転写層が接する構成にて、これら層中のイ
ソシアネート基と転写層中の反応性可塑剤とを反応させ
てウレタン結合等の化学結合を生じさせるので、表面凹
凸への追従・成形性を維持しつつ耐久性等の表面物性に
優れた化粧材が得られる。特に、従来の転写ローラによ
る転写では不可能な大きな表面凹凸への転写が可能な固
体粒子衝突圧を転写圧として用いる曲面転写方法では、
その大きな表面凹凸への追従・成形性と表面物性との両
立は従来の転写ローラ以上により難しい課題であるが、
これを容易に解決できる。 また、従来のゴムローラ押圧方式の様に、凹凸基材の
凹凸部によるローラ等部品の損耗も無い。 以上の結果、従来に無く極めて意匠性に優れた化粧材
が得られる。
【図1】本発明の一形態を説明する概念図。
【図2】羽根車を用いた噴出器の一形態を説明する概念
図(正面図)。
図(正面図)。
【図3】図2の羽根車部分の斜視図。
【図4】図2の羽根車内部を説明する概念図。
【図5】羽根車にて噴出方向を調整する説明図。
【図6】羽根車を用いた噴出器の別の形態を説明する概
念図であり、(A)は正面図、(B)は側面図。
念図であり、(A)は正面図、(B)は側面図。
【図7】吹出ノズルによる噴出器の一形態を説明する概
念図。
念図。
【図8】噴出器の各種配置形態を示す平面図。(A)は
千鳥格子状に並べた配置、(B)は中央部は上流側にし
て、両端になるにつれて下流側にずらした配置。
千鳥格子状に並べた配置、(B)は中央部は上流側にし
て、両端になるにつれて下流側にずらした配置。
【図9】衝突圧に幅方向分布を設けた説明図。
【図10】噴出器の向きの一形態を示す流れ方向からみ
た側面図。
た側面図。
【図11】本発明の曲面転写方法を実施し得る曲面転写
装置の一形態の概念図で、(A)は基材搬送方向の側面
から見た図で、(B)は(A)の装置の噴出器部分を基
材搬送方向から見た概略装置図。
装置の一形態の概念図で、(A)は基材搬送方向の側面
から見た図で、(B)は(A)の装置の噴出器部分を基
材搬送方向から見た概略装置図。
【図12】凹凸基材の三次元表面凹凸の一例を示す説明
図であり、(A)は平面図、(B)は要部斜視図。
図であり、(A)は平面図、(B)は要部斜視図。
【図13】転写時の転写層の割れ等の転写不良を説明す
る断面図。
る断面図。
【図14】転写時の転写層の割れ等の転写不良を説明す
る断面図。
る断面図。
1 支持体 2 転写層 3 下塗り層又は/及び接着剤層 4 トップコート層 10 基材搬送装置 20 シート供給装置 21 シート送出装置 22 仮固定ローラ 23 シート排出装置 30 衝突圧印加部 31 ホッパ 32 噴出器 33 チャンバ 34 ドレン管 35 分離装置 36 真空ポンプ 40 シート加熱装置 41 基材加熱装置 50 基材塗工装置 60 剥離ローラ 70 除去装置(兼冷却装置) 71 第2チャンバ 401 溝状凹部 402 平坦凸部 403 微細凹凸 812、812a羽根車 813、813a 羽根 814、814a 側面板 815 中空部 816 方向制御器 817 開口部 818 散布器 819、819a 回転軸 820 軸受 840 吹出ノズルを用いた噴出器 841 誘導室 842 内部ノズル 843 ノズル開口部 844 ノズル B 凹凸基材 D 化粧材 F 流体 P 固体粒子 S 転写シート
フロントページの続き (72)発明者 菅 玲子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 岡本 優 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 支持体及び転写層が熱可塑性樹脂からな
り、且つ転写層の熱可塑性樹脂中に活性水素含有官能基
を持つ反応性可塑剤を含有してなる、凹凸基材用の転写
シート。 - 【請求項2】 請求項1記載の転写シートを用いて、転
写層を凹凸基材に転写する際に、転写後の転写層上に更
にトップコート層を設けるか、転写前に予め下塗り層及
び/又は接着剤層を凹凸基材に設け且つ転写後にトップ
コート層を設けるか、或いは転写前に予め下塗り層及び
/又は接着剤層を設ける曲面転写方法であって、 上記トップコート層、下塗り層、接着剤層のうち少なく
とも転写層に接する層を、イソシアネート基を含有する
硬化性樹脂によって形成し、該硬化性樹脂が含有するイ
ソシアネート基と、転写層中の反応性可塑剤が有する活
性水素含有官能基とを反応させる、曲面転写方法。 - 【請求項3】 転写シートによる凹凸基材への転写を、
凹凸基材の凹凸表面側に、転写シートの転写層側を対向
させ、該転写シートの支持体側に固体粒子を衝突させ、
その衝突圧を利用して、凹凸基材の凹凸表面への転写シ
ートの圧接を行い、転写層が凹凸基材に接着後、転写シ
ートの支持体を剥離除去することで、行う、請求項2記
載の曲面転写方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18715297A JPH1120397A (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 凹凸基材用の転写シート及びそれを用いた曲面転写方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18715297A JPH1120397A (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 凹凸基材用の転写シート及びそれを用いた曲面転写方法 |
Publications (1)
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ID=16201040
Family Applications (1)
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JP18715297A Withdrawn JPH1120397A (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 凹凸基材用の転写シート及びそれを用いた曲面転写方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012006344A (ja) * | 2010-06-28 | 2012-01-12 | Oike Ind Co Ltd | 転写材セット及び該転写材セットを用いた転写方法 |
JP2013018159A (ja) * | 2011-07-08 | 2013-01-31 | Fujitsu Ltd | 筺体の製造方法 |
JP2018530357A (ja) * | 2015-06-29 | 2018-10-18 | エルブイエムエイチ レシェルシェ | 人の肌または爪を装飾するための物品およびこのような物品を用いる方法 |
JP2020032646A (ja) * | 2018-08-30 | 2020-03-05 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
-
1997
- 1997-06-30 JP JP18715297A patent/JPH1120397A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11344098B2 (en) | 2015-06-29 | 2022-05-31 | L V M H Recherche | Article for decorating a person's skin or nail and method using such an article |
JP2020032646A (ja) * | 2018-08-30 | 2020-03-05 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
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