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JPH11174959A - ラベル基材、ラベル及びその製造方法と製造装置 - Google Patents

ラベル基材、ラベル及びその製造方法と製造装置

Info

Publication number
JPH11174959A
JPH11174959A JP9363600A JP36360097A JPH11174959A JP H11174959 A JPH11174959 A JP H11174959A JP 9363600 A JP9363600 A JP 9363600A JP 36360097 A JP36360097 A JP 36360097A JP H11174959 A JPH11174959 A JP H11174959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
label
porous layer
ink
layer
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9363600A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuneyuki Amano
恒行 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP9363600A priority Critical patent/JPH11174959A/ja
Publication of JPH11174959A publication Critical patent/JPH11174959A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種のプリンタを介しインク情報を臨機に付
与してラベルを発行でき、そのインク情報の耐擦過性や
耐引き掻き性、耐水性や耐溶剤性等の耐薬品性、色濃度
や彩度に優れ、付着した汚染も容易に除去できるラベル
を形成できるラベル基材の開発。 【解決手段】 少なくとも多孔質層(1)と接着層
(2)を有する積層体(3)からなり、前記多孔質層が
表面に位置して表面を無孔質化できる素材からなるラベ
ル基材、前記基材の多孔質層にインク情報(4)を有
し、かつその多孔質層の少なくとも表面が無孔質化処理
(11)されてなるラベル、前記基材の多孔質層にイン
クを付与浸透させた後、その多孔質層の表面を無孔質化
処理するラベルの製造方法、及びラベル基材にインクジ
ェット方式又は熱転写方式の印刷機構を介しインク情報
を付与してラベルを製造するための装置であり、その印
刷部とラベル排出部との間に加熱加圧機構を有するラベ
ル製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、耐擦過性等の耐久性に優
れるインク情報を付与できるラベル基材、及びそのラベ
ルとその製造方法と製造装置に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、紙や布等の多孔性基材の多孔質層
内にインクを浸透させてなるプリンタや複写機等による
ラベルが知られていた。かかるラベルは、インクが多孔
質層内に浸透することで多孔質層にて保護され、付与し
たインク情報が摩擦や擦過や引き掻き等で消失しにくい
利点を有する。
【0003】しかしながら、多孔質層そのものは擦過や
引き掻き等に弱くて容易に損壊し、その損壊と共にイン
ク情報も消失する問題点があった。また、多孔質層にイ
ンク可溶性の液体が浸入した場合にもインク情報が消失
したり、にじんだりする問題点もあった。従ってインク
情報の耐久性が、多孔質層の強度やインクの耐水性、耐
溶剤性、耐薬品性等に制約される難点があった。
【0004】さらに多孔質層の乱反射性が浸透したイン
クの色濃度や彩度を低下させ、前記の液体浸入性等が付
着した汚染の除去を困難とする問題点もあった。プラス
チックフィルム等の無孔質基材では、インク本来の色特
性を発揮させ得て、かかる色濃度や彩度の低下問題を伴
わず付着汚染の除去も容易であるが、前記したインク情
報の耐久性は多孔質基材の場合に及ばない。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、各種のプリンタを介し
インク情報を臨機に付与してラベルを発行でき、そのイ
ンク情報の耐擦過性や耐引き掻き性、耐水性や耐溶剤性
等の耐薬品性、色濃度や彩度に優れ、付着した汚染も容
易に除去できるラベルを形成できるラベル基材の開発を
課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は、少なくとも多孔質層と接
着層を有する積層体からなり、前記の多孔質層が表面に
位置して、その少なくとも表面を無孔質化できる素材か
らなることを特徴とするラベル基材、及びそのラベル基
材における多孔質層にインク情報を有し、かつその多孔
質層の少なくとも表面が無孔質化処理されてなることを
特徴とするラベルを提供するものである。
【0007】また本発明は、前記のラベル基材における
多孔質層にインクを付与浸透させた後、その多孔質層の
少なくとも表面を無孔質化処理することを特徴とするラ
ベルの製造方法、及びラベル基材にインクジェット方式
又は熱転写方式の印刷機構を介しインク情報を付与して
ラベルを製造するための装置であり、その印刷部とラベ
ル排出部との間にサーマルヘッド、加熱ロール又は加熱
プレス機構からなる加熱加圧機構を有することを特徴と
するラベル製造装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】本発明によれば、各種のプリンタを介しイ
ンク情報を臨機に付与してラベルを発行でき、そのイン
ク情報が多孔質層内に浸透し、かつ表面の無孔質化層で
保護されて耐擦過性、耐引き掻き性、耐水性、耐溶剤性
等の耐薬品性、色濃度、彩度に優れる高耐久性のラベル
を形成することができる。また付着した汚染を容易に払
拭できて耐汚染性に優れ、墨汁等が浸透付着してインク
情報の判読を阻害することなども防止することができ
る。さらに多孔質層の無孔質化により別個のカバー素材
を必要としない利点も有している。
【0009】
【発明の実施形態】本発明のラベル基材は、少なくとも
多孔質層と接着層を有する積層体からなり、前記の多孔
質層が表面に位置して、その少なくとも表面を無孔質化
できる素材からなる。その例を図1(a)、図2(a)
に示した。1が多孔質層、2が接着層であり、21は必
要に応じて設けられるセパレータ、6は必要に応じて設
けられる補強基材、61は接着層である。
【0010】なお図1(a)、図2(a)では、多孔質
層1にインク情報4を付与した状態を示しており、図1
(b)、図2(b)では、その多孔質層1における表面
を無孔質化層11としてラベルとしたものを接着層2を
介して被着体5に接着した状態を示している。
【0011】ラベル基材は、少なくとも多孔質層と接着
層を有する積層体からなり、その多孔質層をインク受容
層として表面に有する適宜な形態物であってよい。ちな
みにその例としては、図1に例示の如く多孔質層1と接
着層2との重畳形態、多孔質層1と補強基材6と接着層
2との重畳形態や、図2に例示の如く多孔質層1と補強
基材6が接着層61を介して接着し、それに接着層2が
付加した重畳形態、補強基材に含浸した状態の多孔質層
と接着層との重畳形態などがあげられる。
【0012】多孔質層は、例えば加熱による溶融処理や
溶剤による溶解処理などの適宜な方式で少なくとも表面
を無孔質化できるものからなっていればよい。ちなみに
その例としては、熱可塑性樹脂等からなる適宜な繊維の
1種又は2種以上を用いてその繊維を水中等で絡み合わ
せ、シート状に堆積脱水させてなる紙構造に準じたもの
があげられる。
【0013】また延伸処理法等による多孔質フィルムや
乳化液等のポリマー分散液の塗工膜、除去用微粒子混入
のポリマー液の塗工層よりその混入微粒子を溶出処理等
により除去したものや、ポリマーの溶剤による溶液を塗
工しその塗工層が溶剤を含有して未乾燥の状態にある内
に、塗工層に当該溶剤とは相溶性でポリマーは溶解しな
い凝固用溶剤を噴霧して当該塗工層を固化させたものな
ども多孔質層の例としてあげられる。
【0014】前記した凝固用溶剤噴霧方式による多孔質
層の形成方式は、多数の微細繊維が多数の微小な結節部
を形成しつつ立体的に展開してなる状態の多孔質層、す
なわち多数の微細繊維を種々の方向に派生する点(微小
な結節部)が微小距離で三次元空間に群在し、その点間
を前記派生の多数の微細繊維が連結する状態の連通構造
の多孔質層を形成でき、インク浸透性等のインク情報の
形成性に優れる利点などを有している。
【0015】なお前記の凝固用溶剤と相溶性を示して凝
固用溶剤との混合でポリマーを不溶化するポリマー用の
溶剤としては、例えばN−メチル−2-ピロリドンや
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミドの如きアミド系溶剤、ヘキサンやヘプタン、シ
クロヘキサンやシクロヘプタン、ベンゼンやトルエン、
キシレンやアセトンの如き炭化水素系溶剤などが用いら
れる。
【0016】また凝固用溶剤としては、例えば水、メタ
ノールやエタノール、プロパノールの如きアルコール
類、エチレングリコールやプロピレングリコールの如き
グリコール類などが用いられる。ポリマー溶液には必要
に応じて、塗工性の向上等を目的とした増粘剤や親水性
の付与を目的とした親水性付与剤、形成される多孔質層
の強度や隠蔽性の向上、多孔構造の調節や、着色化によ
る付与インク情報とのコントラストの向上、耐熱性の向
上等を目的に充填剤や白色顔料等の着色剤や酸化防止剤
などの適宜な添加剤や薬剤などが配合される。
【0017】多孔質層の形成材としては、ラベル基材の
使用目的などに応じて適宜なものを用いてよく、特に限
定はない。一般にはプラスチック、特に熱可塑性樹脂が
用いられる。ちなみにその例としては、ポリエチレンや
ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体やエチ
レン・酢酸ビニル共重合体の如きオレフィン系樹脂、ポ
リスチレンやポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体やポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラールやポ
リビニルホルマール、ポリビニルアセタールやポリ水酸
化ビニルの如きビニル系樹脂、エチルセルロースや酢酸
セルロースの如きセルロース系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレーやポリエチレンナフタレートの如きポリエステ
ル系樹脂、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素系樹脂が
あげられる。
【0018】また、ポリウレタン系樹脂やポリアミド系
樹脂、キシレン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリ
メチルメタクリレートやポリアクリレートの如きアクリ
ル系樹脂、アセタール系樹脂やポリ塩化ビニリデン、ス
チレン・イソプレン共重合体やスチレン・ブタジエンゴ
ム、ニトリルゴムやポリブタジエン、アクリルゴム・ス
チレン・アクリロニトリル共重合体やEPDM・スチレ
ン・アクリロニトリル共重合体の如きゴム系ポリマー、
ポリイミドやポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
ルスルホンやポリエーテルイミド、ポリスルホンやポリ
フェニレンサルファイド、ポリアミドイミドやポリエス
テルイミドなども多孔質層の形成材の例としてあげられ
る。多孔質層の形成には、2種以上のプラスチックをブ
レンドして用いることもできる。
【0019】加熱により無孔質化する際の低エネルギー
性や耐薬品性、汎用性などが望まれる用途の場合には、
ポリエチレンやポリプロピレンの如きオレフィン系樹脂
などが特に好ましく用いうる。また耐候性等が望まれる
屋外用途の場合には、フッ素系樹脂等のプラスチックや
アクリルゴム・スチレン・アクリロニトリル共重合体、
EPDM・スチレン・アクリロニトリル共重合体等のゴ
ム系ポリマーなどが好ましく用いられる。
【0020】本発明において多孔質層は、その孔にイン
クが浸透した状態のインク情報を形成することを目的と
するものである。インクの浸透性や鮮明なインク情報の
形成性などの点より好ましい多孔質層は、その孔の平均
孔径が50μm以下、就中0.01〜40μm、特に0.
05〜20μmで、最大孔径が100μm以下、就中80
μm以下、特に50μm以下のものである。
【0021】また、インクの浸透性や層の強度などの点
より好ましい多孔質層は、気孔率、すなわち多孔質層に
占める孔の容積率が30〜90%、就中35〜85%、
特に40〜80%のものである。なお孔は、独立孔又は
/及び連続孔のいずれの状態で存在していてもよいが、
インクの浸透性などの点より少なくとも層厚方向に連通
性を有していることが好ましい。
【0022】多孔質層には、その孔中へのインクの浸透
性の向上等を目的に、例えばプラズマ処理やコロナ処
理、ケミカルエッチング処理などの表面処理を施すこと
もできる。また多孔質層内への界面活性剤の配合や、多
孔質層表面に界面活性剤のコート層を設ける方式もイン
クの浸透性の向上等に有効である。
【0023】図2に例示の如くラベル基材は、多孔質層
1をインク受容層として補強基材6にラミネートしたも
のであってもよい。多孔質層と補強基材とのラミネート
は、例えば補強基材上に多孔質層を塗工形成する方式や
含浸形成する方式、多孔質層と補強基材を接着剤を介し
て又は加熱下に接着する方式、プラスチックフィルムを
押出成形しつつそれをロール等を介し多孔質層と圧着し
て密着させる方式などの適宜な方式で行うことができ、
特に限定はない。
【0024】補強基材としては、ラベル基材の使用目的
などに応じて例えば、紙や不織布、布や金属箔、ネット
や樹脂フィルム、それらの複合体などの適宜な材質や形
態等からなるものを用いうる。補強基材の選択で、曲面
密着性等の柔軟さや耐熱性などの物性を適宜に調節で
き、付与するインク情報とのコントラストの向上等をそ
の補強基材を介して行うこともできる。
【0025】ちなみに前記した紙としては、例えば上質
紙やアート紙、コート紙やグラシン紙の如き天然紙、ポ
リプロピレン合成紙などがあげられる。また樹脂フィル
ムとしては、上記多孔質層の形成材料として例示したプ
ラスチックからなるもののほか、エポキシアクリル系樹
脂やウレタンアクリル系樹脂、ポリエステルアクリル系
樹脂やアクリル酸エステル系樹脂、アルキッドアクリル
系樹脂やシリコーンアクリル系樹脂、ポリエン/ポリチ
オール型スピラン系樹脂やアミノアルキッド系樹脂等の
紫外線硬化系樹脂からなるものなどもあげられる。多孔
質層や補強基材の厚さは、ラベル基材の使用目的などに
応じて適宜に決定することができる。一般にはインクの
浸透量や薄型化などの点より、3〜500μm、就中5
〜300μm、特に7〜200μmの厚さとされる。
【0026】なお多孔質層や補強基材や接着層等のラベ
ル基材形成層には、種々の添加剤ないし薬剤等を1種又
は2種以上含有させることができる。その例としては、
耐久性の向上等を目的とした紫外線吸収剤や酸化防止剤
や老化防止剤、付与するパターンとのコントラストの向
上等を目的とした白色顔料等の着色剤やその他の充填剤
などがあげられる。下地の隠蔽によるインク情報の良認
識性などの点よりは、補強基材や接着層等の多孔質層以
外の少なくとも一層が不透明層として形成されているこ
とが好ましい。なお補強基材上に多孔質層を形成する場
合、基材との密着力の向上等を目的にプライマー層等の
中間層を設けることもできる。
【0027】ラベル基材の非印刷側裏面に設ける接着層
は、ラベルの被着体への接着固定を目的とする。接着層
は、適宜な接着剤にて形成しうるが、接着作業の簡便性
などの点よりは粘着層が好ましい。その粘着層の形成に
は、例えばゴム系やアクリル系、シリコーン系やビニル
アルキルエーテル系、ポリビニルアルコール系やポリビ
ニルピロリドン系、ポリアクリルアミド系やセルロース
系、ウレタン系やポリエステル系、ポリアミド系などの
適宜な粘着剤を1種又は2種以上用いうる。
【0028】粘着層の付設は、ドクターブレード法等の
適宜な塗工方式で多孔質層や補強基材に直接付設する方
式、あるいはセパレータ上に粘着層を形成してそれを多
孔質層や補強基材に移着する方式などの適宜な方式で行
うことができる。付設する粘着層の厚さは、使用目的に
応じて決定でき一般には1〜500μmとされる。なお
設けた粘着層に対しては、それを被着体に接着するまで
の間、セパレータ等で仮着カバーして汚染等を防止する
ことが好ましい。
【0029】本発明のラベル基材は、上記した如くイン
クの内部浸透性(吸収性)を示すことから、種々の印刷
方法、就中、印刷時に液状のインクにより印刷する方法
によるラベル用紙として好ましく用いることができる。
ラベルは、ラベル基材の多孔質層にインク情報ないしパ
ターンを付与することにより形成することができる。
【0030】インク情報の付与方法は任意で、例えば手
書法や印刷法、マスクを介したインク塗布法などの適宜
な方法を採ることができる。また印刷法にては、スクリ
ーン印刷法やグラビア印刷法のほか、熱溶融型や熱昇華
型、熱転写型やインクジェット型、XYプロッタ型やワ
イヤドット型、インパクト型の如き各種のプリンタによ
る印刷法も採ることができ、印刷法について特に限定は
なく適宜なものを用いうる。
【0031】就中、インクジェット方式や熱転写方式、
電子写真方式などのオンデマンド印刷による印刷法が印
刷精度やインクの内部浸透性、ラベルの臨機形成性など
の点より好ましい。前記の熱転写方式や電子写真方式に
ても、熱転写方式では熱転写時に、電子写真方式では定
着時に加熱溶融されてインクが液状化され、インクが多
孔質層の内部に浸透したインク情報が形成される。従っ
て固体状のインクにてもそれを加熱溶融する方式などに
より液状化することで、多孔質層の内部にインクが浸透
したインク情報を形成することができる。
【0032】なお前記においてインクやインクシートな
どについては適宜なものを用いうる。また付与するイン
ク情報は任意で、印字パターンや絵柄パターン、バーコ
ードパターンなどの文字や図形や記号等からなる任意な
情報を付与してよい。なお識別ラベル等を形成する場合
などには、ラベル基材とインク情報とに良好なコントラ
スト、ないし色調の相違が形成されるようにすることが
好ましい。ラベル基材は、長尺シートやその巻回体、単
品シートや打抜きシートなどの適宜な形態で印刷に供す
ることができる。
【0033】本発明によるラベルは、図1(b)や図2
(b)に例示した如く、ラベル基材の多孔質層1にイン
ク情報4を付与形成した後、その多孔質層の少なくとも
表面を無孔質化処理して無孔質化層11を形成したもの
である。かかる無孔質化層の形成により、それがインク
情報の保護層として機能して耐擦過性や耐引き掻き性、
耐水性や耐溶剤性等の耐薬品性に優れる高耐久性のラベ
ルとすることができる。また無孔質化により多孔質に基
づく光の乱反射による白色化や不透明化ないし半透明化
が緩和されて透明化され、インク本来の色濃度や彩度が
再現される。
【0034】従ってラベルの形成は、多孔質層に適宜な
方式でインクを浸透させた後、その多孔質層の少なくと
も表面を例えば多孔質層可溶性の溶剤と接触させる溶解
方式や加熱による溶融方式などの適宜な方式で無孔質化
処理することにより行うことができる。先に付与したイ
ンク情報の温存性などの点より好ましい無孔質化処理方
式は、加熱による溶融方式、特に加熱加圧による溶融押
圧方式である。従ってかかる加熱方式や加熱加圧方式
は、熱可塑性樹脂からなる多孔質層に好ましく適用する
ことができる。
【0035】なお前記の加熱加圧方式には、例えば加熱
プレス方式やサーマルヘッド押圧方式、加熱ロール方式
などの適宜な加熱加圧手段を採用することができる。上
記の如く、多孔質層の無孔質化による方法は、別個のカ
バー素材を必要とせず、その実用上の利点が大きい。
【0036】上記において多孔質層の無孔質化処理は、
インク情報付与後の適宜な段階で行いうるが、ラベルの
製造をオンデマンド印刷方式にて行う場合には、多孔質
層の無孔質化処理を終えた完成ラベルの状態で製造装置
より排出されることがラベルの製造効率などの点より好
ましい。
【0037】前記のオンデマンド印刷方式によるラベル
製造装置において、多孔質層の無孔質化処理を終えた完
成ラベルの状態で排出する製造装置の形成は、例えばラ
ベル基材にインクジェット方式又は熱転写方式の印刷機
構を介しインク情報を付与してラベルを製造する装置に
おける印刷部とラベル排出部との間にサーマルヘッド、
加熱ロール又は加熱プレス機構からなる加熱加圧機構を
配置することにより行うことができる。
【0038】かかるラベル製造装置を図3に例示した。
これによれば、ラベル基材3をその巻回体31より順次
繰出しつつ、印刷データに基づいてインク情報4を付与
する印刷機構7に導入してラベル基材の多孔質層1に所
定の印刷を行った後、後続の加熱加圧機構8に導入して
多孔質層の表面を無孔質化11し、ついでカット機構9
に導入してラベル基材を所定の寸法で切断し、目的のラ
ベル10を連続形成することができる。
【0039】前記図例の装置では、印刷機構7がプラテ
ンロール71の上に配置したサーマルヘッド72とイン
クリボン73とその繰出しリール74と巻取りリール7
5からなる熱転写式のものよりなる。また加熱加圧機構
8がピンチ式に配置したヒートロール81とメタルロー
ル82からなり、ラベル基材の順送り機構を兼ねてい
る。ヒートロールとしては、シリコーンゴムロールやフ
ッ素樹脂コートロールの如く溶融樹脂が付着しにくいも
のが好ましい。
【0040】前記では、熱転写式の印刷機構を例示した
が、本発明においてはインクジェット式の印刷機構など
とすることもできる。また加熱加圧機構についてもサー
マルヘッド方式や加熱プレス機構などとすることもでき
る。さらに加熱加圧機構とは別個の適宜な順送り機構を
例えばラベル基材の巻回体と印刷機構の間などの適宜な
位置に配置することもできる。
【0041】加えてカット機構は、必要に応じて設ける
ことができ、そのカット機構は、ラベル基材を所定の寸
法で切断するものであればよく、切断刃をカム等を介し
制御して間歇動作させ、それにより所定寸法に切断する
機構などの適宜な機構にて形成することができる。また
切断は、ラベル基材の全幅にわたるものであってもよい
し、手等を介して容易に分離できる繋ぎ代を残してバラ
ケを予防した状態などのラベル基材の部分に対するもの
などであってもよい。
【0042】従って本発明の製造装置は、印刷部とラベ
ル排出部との間に加熱加圧機構を付加配置する点を除い
て、従来に準じた構造の、すなわちラベル基材に印刷機
構を介しインク情報を付与してラベルを製造する構造の
適宜な装置とすることができる。
【0043】
【実施例】実施例1 厚さ50μmの白色PETフィルムのコロナ処理面上
に、ポリアミド系ホットメルト接着剤溶液を塗布し乾燥
させて5g/m2の接着層を形成し、その上に厚さ26
μm、平均孔径0.2μm、最大孔径0.5μm、気孔率
65%の多孔質フィルム(セルガード社製、K−81
7)を配置して115℃の加熱ロールを介し接着した。
【0044】一方、撹拌機、窒素注入口、冷却管を備え
た三ツ口フラスコにブチルアクリレート100部(重量
部、以下同じ)、アクリル酸3部、ベンゾイルパーオキ
シド0.2部及びトルエン200部を入れ、窒素置換下
に70℃で6時間反応させ、その反応液に重合体100
部あたり多官能ポリウレタン(日本ポリウレタン社製、
コロネートL)3部を加えて調製したアクリル系粘着剤
溶液を、厚さ38μmのPETフィルムをシリコーン系
剥離剤で処理してなるセパレータ上に塗布し120℃で
3分間乾燥硬化させて20g/m2の粘着層を形成し、
その粘着層を前記多孔質フィルムを接着した白色PET
フィルムのPETフィルム露出面上に配置してハンドロ
ールを介しラミネートしてラベル基材を得た。
【0045】次にインクジェットプリンタ(セイコーエ
プソン社製、MJ−930C、以下同じ)における印字
部とラベル排出口の間に、シリコーンゴム製ヒートロー
ルとメタルロールをピンチ式に配置した加熱加圧機構を
設けてなる装置に、ラベル基材を装着しその多孔質層に
水性インクによるカラー印刷を行った後、それを前記加
熱加圧機構を介し180℃で加熱加圧処理して多孔質層
の表面を無孔質化し、ラベルを得た。
【0046】実施例2 実施例1で得たラベル基材の多孔質層に油性インクのマ
ジック(ゼブラ社製、マッキー、以下同じ)にて図形を
手書きしそれをプレス装置を介し1.0kgf/cm2、18
0℃、15秒間の条件で加熱加圧処理して多孔質層の表
面を無孔質化し、ラベルを得た。
【0047】比較例1 加熱加圧機構を設けずに、従って加熱加圧処理による多
孔質層表面の無孔質化処理を施さないほかは実施例1に
準じてラベルを得た。
【0048】比較例2 加熱加圧処理による多孔質層表面の無孔質化処理を施さ
ないほかは実施例2に準じてラベルを得た。
【0049】比較例3 ラベル基材として、紙ラベル(コクヨ社製、タックタイ
トル)を用いたほかは実施例1に準じてラベルを得た。
【0050】比較例4 ラベル基材として、市販のインクジェット用ラベル(花
王社製、光沢フィルム糊付)を用い、加熱加圧機構を有
しない装置にて、従って加熱加圧処理による多孔質層表
面の無孔質化処理を施さないほかは実施例1に準じてラ
ベルを得た。
【0051】評価試験 実施例、比較例で得たラベルについて下記の特性を調べ
た。 印刷適性 印刷状態より正常な印刷が可能であるか否かを判定し
た。
【0052】色濃度 比較例1,2の場合を基準(3)として、印刷されたイ
ンク情報の色濃度を1(淡)〜5(濃)の5段階で目視
評価した。
【0053】耐水性 ラベルに水滴を滴下して1分後、水を含浸させたウエス
にてラベルの表面を約2kgfの荷重で50往復擦り、付
与したインク情報のにじみ状態より耐性を判定した。
【0054】耐溶剤性 ラベルにトルエンを滴下して1分後、トルエンを含浸さ
せたウエスにてラベルの表面を約2kgfの荷重で50往
復擦り、付与したインク情報のにじみ状態より耐性を判
定した。
【0055】耐擦過性 砂消しゴムにてラベルの表面を約2kgfの荷重で50往
復擦り、付与したインク情報の残存状態より耐性を判定
した。
【0056】耐汚染性 ラベルにコーヒを滴下して1分後ウエスにて拭き取り、
その汚染状態より耐性を判定した。
【0057】前記の結果を次表に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラベル例の断面図
【図2】他のラベル例の断面図
【図3】ラベル製造装置例の部分拡大説明図
【符号の説明】
3:ラベル基材 1:多孔質層 11:無孔質化層 2:接着層 21:セパレータ 6:補強基材 61:接着層 4:インク情報 5:被着体 7:印刷機構 8:加熱加圧手段 9:カット機構 10:ラベル

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも多孔質層と接着層を有する積
    層体からなり、前記の多孔質層が表面に位置して、その
    少なくとも表面を無孔質化できる素材からなることを特
    徴とするラベル基材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、積層体が多孔質層と
    接着層の間に支持基材を有するラベル基材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、接着層が粘着
    層からなるラベル基材。
  4. 【請求項4】 請求項3において、粘着層をセパレータ
    にて仮着カバーしてなるラベル基材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において、積層体を形成す
    る多孔質層以外の少なくとも一層が不透明体であるラベ
    ル基材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5において、多孔質層が熱可
    塑性樹脂を成分とするラベル基材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6において、多孔質層が界面
    活性剤を含有する、若しくは表面に界面活性剤層を有す
    る、又はプラズマ処理されたラベル基材。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7において、多孔質層が紫外
    線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤又は充填剤の1種又
    は2種以上を含有するラベル基材。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8において、多孔質層が平均
    孔径0.01〜20μm、最大孔径50μm以下の少なく
    とも層厚方向に連通性の孔を有して、気孔率が30〜9
    0%であるラベル基材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9に記載のラベル基材にお
    ける多孔質層にインク情報を有し、かつその多孔質層の
    少なくとも表面が無孔質化処理されてなることを特徴と
    するラベル。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9に記載のラベル基材にお
    ける多孔質層にインクを付与浸透させた後、その多孔質
    層の少なくとも表面を無孔質化処理することを特徴とす
    るラベルの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11において、印刷時に液状の
    インクを用いるラベルの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12において、インク
    の付与をインクジェット方式、熱転写方式、又は電子写
    真方式にて行うラベルの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項11〜13において、無孔質化
    処理を加熱方式若しくは加熱加圧方式又は多孔質層可溶
    性の溶剤との接触方式にて行うラベルの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14において、加熱加圧手段が
    加熱プレス方式、サーマルヘッド押圧方式又は加熱ロー
    ル方式である製造方法。
  16. 【請求項16】 ラベル基材にインクジェット方式又は
    熱転写方式の印刷機構を介しインク情報を付与してラベ
    ルを製造するための装置であり、その印刷部とラベル排
    出部との間にサーマルヘッド、加熱ロール又は加熱プレ
    ス機構からなる加熱加圧機構を有することを特徴とする
    ラベル製造装置。
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