JPH11141601A - 車 軸 - Google Patents
車 軸Info
- Publication number
- JPH11141601A JPH11141601A JP30571997A JP30571997A JPH11141601A JP H11141601 A JPH11141601 A JP H11141601A JP 30571997 A JP30571997 A JP 30571997A JP 30571997 A JP30571997 A JP 30571997A JP H11141601 A JPH11141601 A JP H11141601A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wheel
- vibration
- axle
- resonance
- dynamic damper
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60G—VEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
- B60G2202/00—Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
- B60G2202/20—Type of damper
- B60G2202/25—Dynamic damper
Landscapes
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 車輪の共振に起因する車室内騒音を効果的に
低減する。 【解決手段】 車輪の回動軸の移動に一致して移動し、
車輪を回動可能に支持する車輪支持部材にダイナミック
ダンパ30を装着する。遊動輪のマクファーソンストラ
ット式サスペンションであれば、アクスルキャリア18
が前記車輪支持部材に相当する。振動がサスペンション
の各部材に伝達し分散する前に、これを抑えられるの
で、効果的に車室内騒音と低減することができる。
低減する。 【解決手段】 車輪の回動軸の移動に一致して移動し、
車輪を回動可能に支持する車輪支持部材にダイナミック
ダンパ30を装着する。遊動輪のマクファーソンストラ
ット式サスペンションであれば、アクスルキャリア18
が前記車輪支持部材に相当する。振動がサスペンション
の各部材に伝達し分散する前に、これを抑えられるの
で、効果的に車室内騒音と低減することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の車輪から車
室内に侵入する騒音の低減技術に関し、特に車輪の共
振、共鳴に起因する騒音の低減技術に関する。
室内に侵入する騒音の低減技術に関し、特に車輪の共
振、共鳴に起因する騒音の低減技術に関する。
【0002】
【従来の技術】車両走行時には、路面の凹凸や車輪のタ
イヤのトレッドパターンの凹凸などにより発生する振動
が、サスペンションの部材などを介して車体に入力し、
各部材の共振系を励起し、騒音を発生する。特に、車体
を構成する鋼板が共振する場合、大きな車室内騒音を発
生する。車輪の振動は、サスペンションアーム、サスペ
ンションリンク、サスペンションスプリング、ショック
アブソーバなどの車体側の取付点から車体に入力するの
で、経路が複雑で多数あり、発生源の振動を減じない
と、十分な騒音低減効果を期待できない。
イヤのトレッドパターンの凹凸などにより発生する振動
が、サスペンションの部材などを介して車体に入力し、
各部材の共振系を励起し、騒音を発生する。特に、車体
を構成する鋼板が共振する場合、大きな車室内騒音を発
生する。車輪の振動は、サスペンションアーム、サスペ
ンションリンク、サスペンションスプリング、ショック
アブソーバなどの車体側の取付点から車体に入力するの
で、経路が複雑で多数あり、発生源の振動を減じない
と、十分な騒音低減効果を期待できない。
【0003】発生源、すなわち車輪の振動、特に車輪共
振時の振動を抑えるために、車輪のホイールのリムの外
周、すなわちタイヤの内部にリング状のダイナミックダ
ンパを設け、共振の振幅を減じる技術が特開昭54−1
48969号公報に記載されている。
振時の振動を抑えるために、車輪のホイールのリムの外
周、すなわちタイヤの内部にリング状のダイナミックダ
ンパを設け、共振の振幅を減じる技術が特開昭54−1
48969号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、車両走行時に
おいて、車輪は単に回転しているだけではなく、その回
転軸が車両進行方向に移動している。したがって、車輪
上のある点の軌跡は、トロコイドを描くことになり、そ
の点は、周期的に変化する慣性力を受けることになる。
前記公報に記載されたダイナミックダンパのウエイト部
分もこの周期的に変化する力を受ける。これによって、
ダイナミックダンパの共振が発生し、これが車体に伝達
し、新たな騒音源となる場合がある。
おいて、車輪は単に回転しているだけではなく、その回
転軸が車両進行方向に移動している。したがって、車輪
上のある点の軌跡は、トロコイドを描くことになり、そ
の点は、周期的に変化する慣性力を受けることになる。
前記公報に記載されたダイナミックダンパのウエイト部
分もこの周期的に変化する力を受ける。これによって、
ダイナミックダンパの共振が発生し、これが車体に伝達
し、新たな騒音源となる場合がある。
【0005】また、ダイナミックダンパは、共振時、制
振対象の部材と逆位相で振動することによって制振効果
を達成するものであるが、タイヤの転動によって、振動
の向きが刻々と変化し、前記の制振効果が期待できな
い。
振対象の部材と逆位相で振動することによって制振効果
を達成するものであるが、タイヤの転動によって、振動
の向きが刻々と変化し、前記の制振効果が期待できな
い。
【0006】さらに、ダイナミックダンパを装着するこ
とによって、車輪のバランスを崩し、振動を発生させる
可能性もある。
とによって、車輪のバランスを崩し、振動を発生させる
可能性もある。
【0007】本発明は、前述の問題を解決するためにな
されたものであり、車輪の共振にかかる振動を効果的に
抑制し、これに起因する騒音を低減することを目的とす
る。
されたものであり、車輪の共振にかかる振動を効果的に
抑制し、これに起因する騒音を低減することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明にかかる車軸は、車輪回動軸の移動に一致
して移動し、車輪を回動可能に支持する車輪支持部材
に、ダイナミックダンパが取り付けられている。
めに、本発明にかかる車軸は、車輪回動軸の移動に一致
して移動し、車輪を回動可能に支持する車輪支持部材
に、ダイナミックダンパが取り付けられている。
【0009】前記車輪支持部材は、振動源すなわち車輪
に近く、サスペンションを構成する各部材と、車輪を構
成する部材を連結する部材であり、振動が分散する前
に、これを減衰させることによって、振動の車体への侵
入を効果的に抑えることができる。また、車輪と共に回
転する部材ではないので、回転、転動による振動が発生
することもない。
に近く、サスペンションを構成する各部材と、車輪を構
成する部材を連結する部材であり、振動が分散する前
に、これを減衰させることによって、振動の車体への侵
入を効果的に抑えることができる。また、車輪と共に回
転する部材ではないので、回転、転動による振動が発生
することもない。
【0010】車輪支持部材は、車両懸架方式が車軸懸架
方式か独立懸架方式か、またかじ取り機構を含むかなど
により、それぞれ異なる。以下、車輪支持部材の具体例
をあげる。
方式か独立懸架方式か、またかじ取り機構を含むかなど
により、それぞれ異なる。以下、車輪支持部材の具体例
をあげる。
【0011】独立懸架方式 独立懸架方式を採用した車両のかじ取り機構を含む車軸
の場合、車輪と共に回動するホイールハブをベアリング
を介して支持し、キングピン周りに旋回するステアリン
グナックルが車輪支持部材に相当する。かじ取り機構を
含まない車軸の場合、車輪と共に回動するホイールハブ
をベアリングを介して支持する、アクスルキャリア(ハ
ブキャリアとも呼ばれる)が車輪支持部材に相当する。
の場合、車輪と共に回動するホイールハブをベアリング
を介して支持し、キングピン周りに旋回するステアリン
グナックルが車輪支持部材に相当する。かじ取り機構を
含まない車軸の場合、車輪と共に回動するホイールハブ
をベアリングを介して支持する、アクスルキャリア(ハ
ブキャリアとも呼ばれる)が車輪支持部材に相当する。
【0012】前記のステアリングナックルは、キングピ
ン周りに旋回するハブキャリアということもできる。ま
た、フルトレーリング式、セミトレーリング式のサスペ
ンションなどのトレーリングアームやマクファーソンス
トラット式のストラット下部などのように、ハブキャリ
アが他の部品と一体となっている場合も、この部品が車
輪支持部材に相当する。
ン周りに旋回するハブキャリアということもできる。ま
た、フルトレーリング式、セミトレーリング式のサスペ
ンションなどのトレーリングアームやマクファーソンス
トラット式のストラット下部などのように、ハブキャリ
アが他の部品と一体となっている場合も、この部品が車
輪支持部材に相当する。
【0013】車軸懸架方式 車軸懸架方式を採用した車両の車軸の場合、アクスルハ
ウジングが車輪支持部材に相当する。特に、かじ取り機
構を含むものにあっては、ステアリングナックルも車輪
支持部材に相当する。ステアリングナックルには、タイ
ロッドなどが結合されているので、ここからの入力を考
慮すれば、ステアリングナックルを制振することがより
好ましい。
ウジングが車輪支持部材に相当する。特に、かじ取り機
構を含むものにあっては、ステアリングナックルも車輪
支持部材に相当する。ステアリングナックルには、タイ
ロッドなどが結合されているので、ここからの入力を考
慮すれば、ステアリングナックルを制振することがより
好ましい。
【0014】また、車軸懸架方式であっても、ド・ディ
オン型などアクスルハウジングを持たない形式の場合
は、左右の車輪を連結するビーム部材が車輪支持部材に
相当する。
オン型などアクスルハウジングを持たない形式の場合
は、左右の車輪を連結するビーム部材が車輪支持部材に
相当する。
【0015】以上は、具体例であるが、車輪支持部材が
これらに限定されるものではない。
これらに限定されるものではない。
【0016】また、車輪からの振動伝達経路となる車輪
回動軸の近くの部材であって、振動が分散する前の位置
に配設された部材を車輪支持部材とすることが好まし
い。これによって振動を効果的に低減できる。
回動軸の近くの部材であって、振動が分散する前の位置
に配設された部材を車輪支持部材とすることが好まし
い。これによって振動を効果的に低減できる。
【0017】ダイナミックダンパは、おもりと、このお
もりを制振対象の部材と結合するばね部材を含む。ま
た、ばね部材は減衰特性を有することが好ましい。おも
りは適切な質量を有するものであれば、材料などは問わ
ないが、密度が高く、低価格であることが好ましい。こ
の意味では、鋳鉄などが好適である。密度については、
必要な質量を得るためのスペースを小さくするために高
密度であることが望まれる。ばね部材は、所定のばね定
数を有するものであれば、鋼材などで形成されたコイル
ばね、板ばね、ねじり棒ばねなどはもちろん、ゴム材料
で形成されたものであっても良い。ゴム材料で形成する
場合、その成分や、断面形状などを調整することで、圧
縮・伸張方向や剪断方向など、方向ごとにばね定数をあ
る程度独立して調整できる。また、ばね部材に加えて、
減衰特性を有する部材を別個に設け、独立して減衰係数
を調整することも可能である。
もりを制振対象の部材と結合するばね部材を含む。ま
た、ばね部材は減衰特性を有することが好ましい。おも
りは適切な質量を有するものであれば、材料などは問わ
ないが、密度が高く、低価格であることが好ましい。こ
の意味では、鋳鉄などが好適である。密度については、
必要な質量を得るためのスペースを小さくするために高
密度であることが望まれる。ばね部材は、所定のばね定
数を有するものであれば、鋼材などで形成されたコイル
ばね、板ばね、ねじり棒ばねなどはもちろん、ゴム材料
で形成されたものであっても良い。ゴム材料で形成する
場合、その成分や、断面形状などを調整することで、圧
縮・伸張方向や剪断方向など、方向ごとにばね定数をあ
る程度独立して調整できる。また、ばね部材に加えて、
減衰特性を有する部材を別個に設け、独立して減衰係数
を調整することも可能である。
【0018】ダイナミックダンパのおもりの質量とばね
定数は、制振したい振動の周波数に、ダイナミックダン
パの共振周波数が一致するように定めるのが一般的であ
る。しかし、ゴム部材が有する減衰特性とのマッチング
により、最適な制振効果が得られるダイナミックダンパ
の共振周波数は必ずしも制振対象の共振周波数に一致し
なくてもよい。
定数は、制振したい振動の周波数に、ダイナミックダン
パの共振周波数が一致するように定めるのが一般的であ
る。しかし、ゴム部材が有する減衰特性とのマッチング
により、最適な制振効果が得られるダイナミックダンパ
の共振周波数は必ずしも制振対象の共振周波数に一致し
なくてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。図1およ
び図2には、マクファーソンストラット式サスペンショ
ンの車軸付近の概略構成図であり、図1が正面図、図2
が側面図である。車輪10は、タイヤ12と、タイヤ1
2を支持しホイールハブ14に結合されたホイール16
を含んでいる。ホイールハブ14は、図示しないベアリ
ングを介し、アクスルキャリア18に回動可能に支持さ
れている。アクスルキャリア18は、図示するように上
下に二股に分かれており、その上部にはコイルスプリン
グ(不図示)とショックアブソーバを含むストラット2
0の下端が結合されている。ストラット20の上端は、
車体に固定されている。また、アクスルキャリア18の
下端には、車両の左右方向に延びる2本のロワーリンク
22が結合点で旋回可能に結合されている。ロワーリン
ク22の他端は、サスペンションサブフレーム24(図
4参照)に、結合点で旋回可能に結合されている。ロワ
ーリンク22は、アクスルキャリア18の、すなわち車
輪10の上下方向の動きを許容しつつ、主に車両左右方
向の動きを規制する。また、アクスルキャリア18の下
端には、車両前後方向に延びるストラットロッド26も
結合点で旋回可能に結合され、これの他端は、車体また
はサブフレームに結合点で旋回可能に結合される。
実施形態という)を、図面に従って説明する。図1およ
び図2には、マクファーソンストラット式サスペンショ
ンの車軸付近の概略構成図であり、図1が正面図、図2
が側面図である。車輪10は、タイヤ12と、タイヤ1
2を支持しホイールハブ14に結合されたホイール16
を含んでいる。ホイールハブ14は、図示しないベアリ
ングを介し、アクスルキャリア18に回動可能に支持さ
れている。アクスルキャリア18は、図示するように上
下に二股に分かれており、その上部にはコイルスプリン
グ(不図示)とショックアブソーバを含むストラット2
0の下端が結合されている。ストラット20の上端は、
車体に固定されている。また、アクスルキャリア18の
下端には、車両の左右方向に延びる2本のロワーリンク
22が結合点で旋回可能に結合されている。ロワーリン
ク22の他端は、サスペンションサブフレーム24(図
4参照)に、結合点で旋回可能に結合されている。ロワ
ーリンク22は、アクスルキャリア18の、すなわち車
輪10の上下方向の動きを許容しつつ、主に車両左右方
向の動きを規制する。また、アクスルキャリア18の下
端には、車両前後方向に延びるストラットロッド26も
結合点で旋回可能に結合され、これの他端は、車体また
はサブフレームに結合点で旋回可能に結合される。
【0020】以上の構成の車軸において、車輪10が転
動することによって、タイヤ12のトレッドパターンの
凹凸や路面28の凹凸により、車輪10が加振されスト
ラット20やロワーリンク22、ストラットロッド26
などのサスペンション部品を介して車体に入力する。路
面28から車輪10への入力の周波数が車輪10の有す
る振動系の共振周波数と一致すると、車輪10が共振
し、この振動が前記の伝達経路を伝って車体に入力す
る。車輪10の振動系の共振のうち、問題となるのは、
タイヤ12の弾性によって生じるタイヤ弾性共振、タイ
ヤ12内部に閉じこめられた空気の共振であるタイヤ空
洞共鳴、ホイールハブ14を支持するベアリングがばね
となって、車輪10全体が振動する車輪共振である。
動することによって、タイヤ12のトレッドパターンの
凹凸や路面28の凹凸により、車輪10が加振されスト
ラット20やロワーリンク22、ストラットロッド26
などのサスペンション部品を介して車体に入力する。路
面28から車輪10への入力の周波数が車輪10の有す
る振動系の共振周波数と一致すると、車輪10が共振
し、この振動が前記の伝達経路を伝って車体に入力す
る。車輪10の振動系の共振のうち、問題となるのは、
タイヤ12の弾性によって生じるタイヤ弾性共振、タイ
ヤ12内部に閉じこめられた空気の共振であるタイヤ空
洞共鳴、ホイールハブ14を支持するベアリングがばね
となって、車輪10全体が振動する車輪共振である。
【0021】本実施形態では、これらの共振のうち、少
なくともひとつの共振周波数に設定されたダイナミック
ダンパ30が、この共振周波数に対し十分剛な部材であ
るアクスルキャリア18に取り付けられている。ダイナ
ミックダンパ30は、おもり32と、このおもり32と
アクスルキャリア18の間に介在するゴムばね34を有
している。ダイナミックダンパ30の共振周波数は、ゴ
ムばね34の形状や、組成を調整することで、ある程度
振動の方向ごとに調整が可能である。前述の3種の共振
は、それぞれタイヤ弾性共振は上下方向に、タイヤ空洞
共鳴は前後方向と上下方向に、車輪共振が左右方向に主
に現れるので、各々の周波数と、ダイナミックダンパ3
0の方向ごとの共振周波数と減衰定数を各共振の振動低
減効果の得られるように調整を行う。本実施形態のダイ
ナミックダンパ30の上下方向の特性は、上下方向に現
れるタイヤ空洞共鳴を制振するために、ゴムばね34の
ばね定数と減衰定数から共振周波数を225Hzに調整
されている。図3に本実施形態で使用したダイナミック
ダンパの周波数特性を示す。本ダンパの場合、減衰定数
が大きいため、制振効果が得られる周波数(250H
z)が振幅レベルがピークとなる共振周波数(225H
z)とずれているが、位相が250Hz付近でほぼ−1
80度となるため制振効果が大きくできる。
なくともひとつの共振周波数に設定されたダイナミック
ダンパ30が、この共振周波数に対し十分剛な部材であ
るアクスルキャリア18に取り付けられている。ダイナ
ミックダンパ30は、おもり32と、このおもり32と
アクスルキャリア18の間に介在するゴムばね34を有
している。ダイナミックダンパ30の共振周波数は、ゴ
ムばね34の形状や、組成を調整することで、ある程度
振動の方向ごとに調整が可能である。前述の3種の共振
は、それぞれタイヤ弾性共振は上下方向に、タイヤ空洞
共鳴は前後方向と上下方向に、車輪共振が左右方向に主
に現れるので、各々の周波数と、ダイナミックダンパ3
0の方向ごとの共振周波数と減衰定数を各共振の振動低
減効果の得られるように調整を行う。本実施形態のダイ
ナミックダンパ30の上下方向の特性は、上下方向に現
れるタイヤ空洞共鳴を制振するために、ゴムばね34の
ばね定数と減衰定数から共振周波数を225Hzに調整
されている。図3に本実施形態で使用したダイナミック
ダンパの周波数特性を示す。本ダンパの場合、減衰定数
が大きいため、制振効果が得られる周波数(250H
z)が振幅レベルがピークとなる共振周波数(225H
z)とずれているが、位相が250Hz付近でほぼ−1
80度となるため制振効果が大きくできる。
【0022】本実施形態の車軸およびサスペンションの
特性を図4に示す装置により測定した。サスペンション
の各部材の車体側結合点は、車体を模擬した試験用フレ
ーム36の所定位置に、車体に搭載されたときと同様の
アライメントとなるように結合されている。一方の車輪
10は、加振機38上に載置されている。加振機38の
振動により、車輪の転動などによる入力を模擬する。図
5には、図4に示す装置によりストラット頭頂部で測定
された周波数特性を示す。横軸は周波数、縦軸は伝達関
数(イナータンス)である。実線で示されるダンパ装着
時の特性は、破線で示される非装着時の特性に対して、
イナータンスが3〜5dB低減していることが確認でき
る。
特性を図4に示す装置により測定した。サスペンション
の各部材の車体側結合点は、車体を模擬した試験用フレ
ーム36の所定位置に、車体に搭載されたときと同様の
アライメントとなるように結合されている。一方の車輪
10は、加振機38上に載置されている。加振機38の
振動により、車輪の転動などによる入力を模擬する。図
5には、図4に示す装置によりストラット頭頂部で測定
された周波数特性を示す。横軸は周波数、縦軸は伝達関
数(イナータンス)である。実線で示されるダンパ装着
時の特性は、破線で示される非装着時の特性に対して、
イナータンスが3〜5dB低減していることが確認でき
る。
【0023】図6および図7は、本実施形態の車軸、サ
スペンションを採用した車両が車速60km/hで、通
常の路面を走行したときのダイナミックダンパ30の効
果を示す図である。振動レベルで2〜3dBの低減効
果、車室内の騒音においても、特に共振周波数領域で3
dBの低減効果が確認できる。
スペンションを採用した車両が車速60km/hで、通
常の路面を走行したときのダイナミックダンパ30の効
果を示す図である。振動レベルで2〜3dBの低減効
果、車室内の騒音においても、特に共振周波数領域で3
dBの低減効果が確認できる。
【0024】以上の実施形態においては、上下方向のタ
イヤ空洞共鳴の周波数にダイナミックダンパの周波数を
調整したが、タイヤ弾性共振の一次共振周波数(80〜
100Hz)に調整し、この周波数の車室内騒音を低減
することも可能である。
イヤ空洞共鳴の周波数にダイナミックダンパの周波数を
調整したが、タイヤ弾性共振の一次共振周波数(80〜
100Hz)に調整し、この周波数の車室内騒音を低減
することも可能である。
【0025】また、ダイナミックダンパ30の装着位置
は、図1などに示す位置に限らず、車輪と同等な振動を
行う、すなわち車輪の移動と一致して移動する部材であ
れば、アクスルキャリア18以外であってもよい。図1
および図2に示すマクファーソンストラット式サスペン
ションであれば、ストラット20の下端は、アクスルキ
ャリア18に固定結合されるので、図8に示すように、
この部分にダイナミックダンパ40を設けることも可能
である。
は、図1などに示す位置に限らず、車輪と同等な振動を
行う、すなわち車輪の移動と一致して移動する部材であ
れば、アクスルキャリア18以外であってもよい。図1
および図2に示すマクファーソンストラット式サスペン
ションであれば、ストラット20の下端は、アクスルキ
ャリア18に固定結合されるので、図8に示すように、
この部分にダイナミックダンパ40を設けることも可能
である。
【0026】さらに、図9や図10に示すように、ダイ
ナミックダンパ42,44の向きを変え、異なる振動方
向の共振に対応することもできる。
ナミックダンパ42,44の向きを変え、異なる振動方
向の共振に対応することもできる。
【0027】さらに、図11に示すように、複数のダイ
ナミックダンパ46,48,50を装着して、多数ある
共振点に対応するよう構成することも可能である。
ナミックダンパ46,48,50を装着して、多数ある
共振点に対応するよう構成することも可能である。
【0028】さらに、図12に示すように、ゴムばね−
おもり−ゴムばね−おもりと2段重ねのダイナミックダ
ンパ52を装着し、各段の調整周波数を異なるものとす
ることもできる。
おもり−ゴムばね−おもりと2段重ねのダイナミックダ
ンパ52を装着し、各段の調整周波数を異なるものとす
ることもできる。
【0029】さらに、ゴムばねとおもりからなるダイナ
ミックダンパに替えて、図13に示すような板ばね56
とおもり58を有するダイナミックダンパ54とするこ
ともできる。板ばね56は、サンドイッチ制振鋼板を用
いることで、おもり58の振幅を抑制することができ
る。
ミックダンパに替えて、図13に示すような板ばね56
とおもり58を有するダイナミックダンパ54とするこ
ともできる。板ばね56は、サンドイッチ制振鋼板を用
いることで、おもり58の振幅を抑制することができ
る。
【0030】以上、車輪支持部材がアクスルキャリアま
たはストラットである場合について説明したが、他の車
軸構成、サスペンション形式の場合、これに応じてダイ
ナミックダンパを取り付ける部材、すなわち車輪支持部
材は異なることになる。
たはストラットである場合について説明したが、他の車
軸構成、サスペンション形式の場合、これに応じてダイ
ナミックダンパを取り付ける部材、すなわち車輪支持部
材は異なることになる。
【図1】 本実施形態の車軸およびサスペンションの一
部の概略構成を示す正面図である。
部の概略構成を示す正面図である。
【図2】 本実施形態の車軸およびサスペンションの一
部の概略構成を示す側面図である。
部の概略構成を示す側面図である。
【図3】 本実施形態のダイナミックダンパの振動特性
を示す図である。
を示す図である。
【図4】 振動特性の試験装置の概要を示す図である。
【図5】 図4の試験装置で測定した、本実施形態の車
軸の振動特性を示す図である。
軸の振動特性を示す図である。
【図6】 本実施形態の車軸を搭載した車両の実走行で
測定した振動特性を示す図である。
測定した振動特性を示す図である。
【図7】 本実施形態の車軸を搭載した車両の実走行で
測定した車室内騒音特性を示す図である。
測定した車室内騒音特性を示す図である。
【図8】 ダイナミックダンパの装着位置の変更例を示
す図である。
す図である。
【図9】 ダイナミックダンパの装着方向を変更し、制
振すべき振動の方向を変更した例を示す図である。
振すべき振動の方向を変更した例を示す図である。
【図10】 ダイナミックダンパの装着方向を変更し、
制振すべき振動の方向を変更した例を示す図である。
制振すべき振動の方向を変更した例を示す図である。
【図11】 複数のダイナミックダンパを装着した例を
示す図である。
示す図である。
【図12】 2段重ねのダイナミックダンパを装着した
例を示す図である。
例を示す図である。
【図13】 制振鋼板の板ばねとおもりからなるダイナ
ミックダンパを装着した例を示す図である。
ミックダンパを装着した例を示す図である。
10 車輪、12 タイヤ、14 ホイールハブ、16
ホイール、18 アクスルキャリア(車輪支持部
材)、20 ストラット、28 路面、30〜54ダイ
ナミックダンパ。
ホイール、18 アクスルキャリア(車輪支持部
材)、20 ストラット、28 路面、30〜54ダイ
ナミックダンパ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 稔章 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鶴見 康昭 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 城戸 一郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 車体に対し、サスペンションを介して車
輪を支持する車軸であって、 車輪回動軸の移動に一致して移動し、車輪を回動可能に
支持する車輪支持部材と、 当該車輪支持部材に取り付けられたダイナミックダンパ
と、を有する車軸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30571997A JPH11141601A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 車 軸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30571997A JPH11141601A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 車 軸 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11141601A true JPH11141601A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=17948534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30571997A Pending JPH11141601A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 車 軸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11141601A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003104021A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Bridgestone Corp | 車両用サスペンション装置 |
JP2007290590A (ja) * | 2006-04-26 | 2007-11-08 | Yamaha Motor Co Ltd | 自動二輪車 |
KR100892452B1 (ko) | 2005-11-10 | 2009-04-10 | 닛산 지도우샤 가부시키가이샤 | 인휠 드라이브 유닛의 서스펜션 장치 |
WO2019194023A1 (ja) | 2018-04-02 | 2019-10-10 | Ntn株式会社 | インホイールモータ駆動装置の動力線配線構造 |
-
1997
- 1997-11-07 JP JP30571997A patent/JPH11141601A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003104021A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Bridgestone Corp | 車両用サスペンション装置 |
KR100892452B1 (ko) | 2005-11-10 | 2009-04-10 | 닛산 지도우샤 가부시키가이샤 | 인휠 드라이브 유닛의 서스펜션 장치 |
JP2007290590A (ja) * | 2006-04-26 | 2007-11-08 | Yamaha Motor Co Ltd | 自動二輪車 |
WO2019194023A1 (ja) | 2018-04-02 | 2019-10-10 | Ntn株式会社 | インホイールモータ駆動装置の動力線配線構造 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4052705B2 (ja) | 液体封入ブッシュ | |
US8087682B2 (en) | Suspension device for a wheel and method for supporting a wheel | |
US20030234504A1 (en) | Wheel suspension for a motor vehicle | |
CA2754287A1 (en) | Vehicle suspension | |
JPH0342322A (ja) | 自動車のサスペンション装置 | |
US6446993B1 (en) | Control arm bushing | |
US20050241899A1 (en) | Vibration absorber for a pneumatically tired wheel | |
JPH0194005A (ja) | 車両用懸架装置 | |
CA2584220A1 (en) | Spare tire mass damper | |
JP2002137615A (ja) | 自動車のサスペンション装置 | |
JPH11141601A (ja) | 車 軸 | |
JP2000211332A (ja) | リアサスペンション装置 | |
JP4998136B2 (ja) | 後輪用サスペンション装置 | |
JPH0382614A (ja) | 車両のサスペンション装置 | |
JPH1016525A (ja) | 車両用リヤサスペンション | |
JPH0788129B2 (ja) | サスペンシヨン装置 | |
JPH0569853A (ja) | サブフレームの振動制御装置 | |
JP3069022B2 (ja) | 車両の後輪懸架装置 | |
JP2003106366A (ja) | サスペンション装置 | |
JPH07132720A (ja) | サスペンションメンバの取付構造 | |
JP2920087B2 (ja) | 車両の操向駆動輪懸架装置 | |
JPH0514644B2 (ja) | ||
JP3082627B2 (ja) | サスペンション構造 | |
JP3969367B2 (ja) | 自動車のマルチリンク式後輪サスペンション装置 | |
JP2002046443A (ja) | 車両用リアサスペンション構造 |