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JPH11131760A - 畳 床 - Google Patents

畳 床

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Publication number
JPH11131760A
JPH11131760A JP29221997A JP29221997A JPH11131760A JP H11131760 A JPH11131760 A JP H11131760A JP 29221997 A JP29221997 A JP 29221997A JP 29221997 A JP29221997 A JP 29221997A JP H11131760 A JPH11131760 A JP H11131760A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tatami
tatami floor
thermoplastic resin
core material
tatami mat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29221997A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Mori
省治 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Petrochemicals Co Ltd filed Critical Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority to JP29221997A priority Critical patent/JPH11131760A/ja
Publication of JPH11131760A publication Critical patent/JPH11131760A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量且つ薄型であり、機械的強度に優れ、反
りや収縮がほとんど起こることなく、他の構成部材との
縫着において縫い締まりを良くするための裏面材を必要
としない畳床を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる網状体を内在させ
たパーティクルボードを芯材として用いることを特徴と
し、前記芯材と畳床を形成する他の構成部材とを縫糸に
より網状体に引っかけ縫合して一体化した畳床。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家屋の板敷き床や
座敷等に設置する建材畳床、特に厚みの薄い畳床に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】畳は非常に古くから使用されており、厚
みが統一されていないと家屋の設計上や床の生産におい
て不便であるために、その厚みはボード畳においてもほ
ぼ55mmに統一されていた。しかしながら、最近の家
屋では薄く敷物に近い薄畳が用いられるようになり、重
量も軽くて持ち運びが便利なものが好まれている。畳を
薄くするには、畳表の厚みはほぼ一定であるため、畳床
を薄くすることとなる。このような畳床用の芯材として
は、従来からベニヤ合板、プラスチック段ボール、発泡
プラスチックボード、インシュレーションボード(繊維
板)等に緩衝材や滑り止め材料を貼り合わせた複合板が
用いられており、建材畳床としては、ポリスチレンフォ
ーム板およびインシュレーションボードのみを積層した
ものや、上記芯材に稲わらやポリスチレンフォーム板を
組み合わせたものが用いられている。
【0003】しかし、上記のような従来の畳床の芯材に
おいて、ベニヤ合板は機械的強度は強いが反り易く、強
度が強いために四辺で畳表を傷つけ易く移動中において
も傷つき易い、等の問題がある。プラスチック段ボール
や発泡プラスチックボードは、温度による縮みが発生し
たり、保形性に劣るので大きな荷重がかかると押圧変形
し、畳表の張力に敗けて全体が反ったり歪んだりする。
インシュレーションボードは、薄くなると製造が難しく
折れ易いうえに、製造の際の含水率、大気の湿度の影響
で寸法変化を起こし易い。したがって薄くしても十分な
強度を有し、かつ弾性があり、変形しない芯材を用いた
畳床が求められてきた。
【0004】また、畳床においては、積層した複数の構
成材料を適度の可トウ性、弾性復元性を持たせて一体化
することが必要であり、構成部材を接着により一体化し
たものは、畳床としての性能が劣るものとなり不適当で
ある。そこで縫糸により縫い合わすことにより一体化す
る方法が一般的に採用されるが、縫着の際の縫い締まり
を安定的に維持するためには、裏面に紙クロスやクロス
ラミ品等の裏面材を設ける必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の欠点を解消しようとするものであり、軽量且つ
薄型であり、機械的強度に優れ、反りや収縮がほとんど
起こることのない畳床であり、芯材と畳床を形成する他
の構成部材との縫着において縫い締まりを良くするため
の裏面材を必要としない畳床を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、パーティクル
ボードの内部に補強材として熱可塑性樹脂からなる網状
体を挿入した畳床の芯材を用いることにより、薄くても
機械的強度に優れた畳床が容易に得られること、および
前記網状体に引っかけて縫合することにより縫着するた
めの裏面材を用いないでも芯材と他の構成材料が容易に
一体化されることを見出した。
【0007】すなわち、本発明の第1は、熱可塑性樹脂
からなる網状体を内在させたパーティクルボードを芯材
として用いたことを特徴とする畳床に関するものであ
る。
【0008】また本発明の第2は、前記熱可塑性樹脂か
らなる網状体を内在させたパーティクルボードからなる
芯材の少なくとも一枚と畳床を形成する他の構成部材と
を縫糸により網状体に引っかけて縫合したことを特徴と
する畳床に関するものである。
【0009】本発明の畳床の芯材に用いられるパーティ
クルボードは、家具や建材用途に広く用いられている木
質系のボードである。一般的には木材の切屑小片を粉砕
したパーティクルフレークおよび/または微粉を乾燥し
た後、接着剤配合液をこのパーティクルフレークおよび
/または微粉に均一に塗布混合し、例えば2.5mmお
よび0.70〜0.78のような所定の厚さ並びに密度
になるようにフォーミングし、加熱成形する方法によっ
て製造される。このパーティクルボードは従来のインシ
ュレーションボードに比べ強度に優れ、薄いものも容易
に製造可能である。このようなパーティクルボードは、
従来芯材として用いられてきたベニヤ合板、プラスチッ
ク段ボール、発泡プラスチックボード、およびインシュ
レーションボード等に比べ、反りや収縮が起こりにく
く、保形性に優れるが、畳床の芯材としてこれだけで使
用した場合には、曲げ強度、衝撃強度、および柔軟性等
の機械的強度が不十分であり、畳床の芯材としての十分
な品質を備えていない。そこで、本発明においては、パ
ーティクルボードの内部に補強材として網状体を内在さ
せることにより、さらに機械的強度が向上し優れた畳床
の芯材となるものである。
【0010】パーティクルボードの内部に網状体を内在
させる方法としては、特に限定されるものではないが、
例えば特開平3−61005号公報に開示された熱ロー
ル圧締式パーティクルボード製造システムにより、1本
または2本以上の回転ロールを使用してパーティクルボ
ードの内部に網状体を挿入し成形する方法が用いられ
る。この方法においては回転ロールの位置を変更するこ
とにより任意の箇所に網状体を挿入することができ、回
転ロールの数を増やすことにより2枚以上の網状体を挿
入することも可能である。
【0011】本発明の芯材として用いるものは、通常パ
ーティクルボード中に1枚の網状体を挿入するが、その
挿入位置はパーティクルボードの厚み方向において任意
の位置でよいが下方に挿入されると、この網状体を内在
させたパーティクルボードを芯材として用いて畳床とし
た場合に、縫い合わせた際の縫い締まりにより効果的で
ある。
【0012】パーティクルボードに挿入される熱可塑性
樹脂からなる網状体は、強化支持層として使用可能な網
目状のものであれば特に限定されるものではない。ま
た、網目の大きさも特に制限はなく、パーティクルボー
ドの製造の際パーティクルフレークおよび/または微粉
が通過できるものであればよい。例えば、網目が方形状
であるとすると1〜8mm程度、好ましくは5mm程度
である。
【0013】上記網状体としては、例えば一軸または二
軸配向された穴明きフィルム、パンチングフィルム、各
種ネット等も用いることができるが、望ましくは、スプ
リットウェブ、スリットウェブおよび一軸配向多層テー
プから選ばれる少なくとも1種の一軸配向体を、配向軸
が交差するように経緯積層しまたは織成してなる不織布
若しくは織布、およびそれらをさらに複合したものが用
いられる。
【0014】上記のスプリットウェブは、多層インフレ
ーション法、多層Tダイ法等の押出成形法により製造し
た好ましくは2層以上の多層フィルムを、縦方向(長さ
方向)または横方向(幅方向)に延伸して延伸方向に断
続的に多数の割れ目を入れた一軸配向された網状のフィ
ルムであり、スリットウェブは上記多層フィルムに縦ま
たは横に多数のスリット(切れ目)を入れた後に、スリ
ット方向に延伸した一軸配向された網状のフィルムであ
る。また、一軸配向多層テープは、上記多層フィルムを
裁断前および/または後に、縦または横方向に一軸延伸
したものである。
【0015】上記一軸配向体からなる不織布および織布
とは、より具体的には、例えばスプリットウェブを経緯
積層し熱圧着した不織布、スリットウェブを経緯積層し
熱圧着した不織布、スプリットウェブとスリットウェブ
を経緯積層し熱圧着した不織布、スプリットウェブまた
はスリットウェブと一軸配向多層テープとを配向軸が交
差するように経緯積層した不織布等が挙げられ、織布と
しては一軸配向多層テープを織成したもの等が挙げられ
る。
【0016】一軸配向体からなる不織布としては、上記
のようにスプリットウェブ、スリットウェブおよび一軸
配向多層テープから選ばれる少なくとも1種の一軸配向
体を配向軸が交差するように経緯積層したものが好まし
いが、用途によっては配向をランダムまたは同一方向に
して積層してもよい。
【0017】さらにこれらの織布または不織布は複合積
層されて用いることもできる。
【0018】上記一軸配向体は、単層構造であってもよ
いが、結晶性の第1の熱可塑性樹脂の層の少なくとも片
面に、第1の熱可塑性樹脂より低い融点(または軟化
点)を有する第2の熱可塑性樹脂の層を付与して形成す
る多層延伸体であることが望ましい。第2の熱可塑性樹
脂は、前記(a)〜(c)等の一軸配向体を経緯積層ま
たは織成する際の一軸配向体同士の接着層になるだけで
なく、その融点(または軟化点)によっては、パーティ
クルボードと網状体との接着剤としても作用する。
【0019】上記網状体を構成する第1の熱可塑性樹脂
としては、結晶性を有し、延伸などにより分子配向を示
す樹脂を使用するのが好ましく、高密度および中密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−
4−メチルペンテン−1、ポリヘキセン−1等のα−オ
レフィンの単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体
等のα−オレフィン相互の共重合体等のポリオレフィン
類、ナイロン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタ
レートなどの単独重合体、共重合体およびこれら同士ま
たはこれらを主体とした他の樹脂との混合物が用いられ
る。
【0020】上記第1の熱可塑性樹脂より融点(または
軟化点)の低い第2の熱可塑性樹脂としては、第1の熱
可塑性樹脂との組み合わせに応じて種々選択できるが、
高密度、中密度および低密度ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体および
エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共
重合体およびエチレン−メタクリル酸エチル共重合体等
のエチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン
−(マレイン酸またはそのエステル)共重合体、ポリプ
ロピレシ、プロピレン−エチレン共重合体等のプロピレ
ン系重合体、不飽和カルボン酸で変性したポリオレフィ
ン等が挙げられる。さらに、これらの樹脂と他のポリオ
レフィン系樹脂の混合物であってもよく、例えばプロピ
レンとエチレン、1−ブテン等とのランダム共重合体に
高密度ポリエチレンまたはエチレン−α−オレフィン共
重合体等のポリエチレン系樹脂を混合したもの等が用い
られる。製造上の理由および一軸配向体の延伸または圧
延により増大した強度の低下を防ぐ理由から、第2の熱
可塑性樹脂と上記第1の熱可塑性樹脂との融点(または
軟化点)の差は少なくとも5℃以上であることが好まし
く、さらに好ましくは10〜50℃の範囲である。
【0021】第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂
との一般的な組み合わせの例としては、高密度ポリエチ
レンと低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンとエチ
レン−酢酸ビニル共重合体、アイソタクチックポリプロ
ピレンと非晶性エチレン−プロピレン共重合体、アイソ
タクチックポリプロピレンと低密度ポリエチレンを主成
分とするポリプロピレンとの混合物などが挙げられる。
【0022】本発明で用いられる芯材はそれだけで薄畳
用畳床として用いてもよいが、通常、各種プラスチック
発泡体や他のボード、およびシート等を積層して畳床と
される。例えば、芯材の表面にプラスチック発泡体を裏
面に滑り止め用の裏シートを積層一体化して畳床とす
る。この場合において、プラスチック発泡体と芯材との
固定は畳床としての性能上、縫糸により縫着することが
好ましいが、裏シートは接着剤による固定でもよい。
【0023】また、芯材を複数枚重ねて畳床を形成する
場合には、これらの芯材は縫糸によりしっかりと縫着一
体化されなければならない。こうした縫糸による縫着に
おいて、本発明の網状体が挿入されたパーティクルボー
ドを芯材とした畳床は、芯材自体に縫着するための部
材、すなわち網状体が内在しているので、従来のように
芯材同士または芯材と畳床を構成する他の構成部材とを
縫着するための紙クロスやクロスラミ品等の裏打材を設
ける必要がない。
【0024】本発明の畳床は、その表側に畳表を積層す
れば薄畳が完成する。本発明の畳床を用いて製造される
薄畳の総厚みは、一般的に10〜20mmのものであ
り、好ましくは15mm程度のものであり、この場合に
おける本発明の畳床としての厚みは一般的に5〜15m
m、好ましくは10mm程度のものである。
【0025】畳表は通常畳床の端部で縫着されるが、畳
の厚さが薄いために縫着が困難な場合や、畳表がプラス
チック製の場合には接着剤あるいは接着テープ、ステー
プル等を用いて固定してもよい。
【0026】本発明の畳床を用いて薄畳とする場合に、
さらにクッション性を向上させるために、畳床と畳表の
間に不織布等のクッション材を設けてもよく、畳床の裏
側においては、滑り止め用としてゴム製の保護シート
を、また数箇所にゴム製の止め具を固着してもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいてさ
らに詳細に説明する。
【0028】図1は本発明の畳床を縫着した状態を示す
部分断面図の一例である。本発明の畳床1aにおいて
は、パーティクルボード2の厚み方向の下方に熱可塑性
樹脂からなる網状体3を挿入させた畳床の芯材4を用
い、芯材4の表側にはプラスチック発泡体5を、芯材4
の裏側には滑り止め用の裏シート6が積層されている。
プラスチック発泡体5は縫糸7により縫い合わすことに
よって芯材4に固定されている。縫着方法は特に限定さ
れるものではなく、一般的な製畳装置が用いられ、縫糸
7により、上方からミシンにて畳床1の長手方向(幅方
向でもよい)に上面より針を落して縫い上げられる。ま
た、裏シート6は、ホットメルト等の接着剤8を介して
芯材4の裏側に固定される。畳床1aにおいては、プラ
スチック発泡体5と芯材4は、縫糸7により芯材4中に
内在された網状体3に引っかけられてしっかりと縫着固
定されているので、縫い締まりもよく、縫穴が拡がるこ
ともない。
【0029】図2(A)は、本発明の畳床1aを用いた
薄畳の一例を示す断面図である。図1の場合と同様にパ
ーティクルボード2の厚み方向の下方に熱可塑性樹脂か
らなる網状体3を挿入させた畳床の芯材4を用い、芯材
4の表側にはプラスチック発泡体5を、裏側には滑り止
め用の裏シート6を積層した。図1の場合と同様に、芯
材4とプラスチック発泡体5を縫糸7により網状体3に
引っかけて縫い合わすことによりしっかりと縫着一体化
し、裏シート6はホットメルト等の接着剤8により芯材
4の裏側に固定して畳床1aとした。この畳床1aに畳
表10を積層することにより薄畳9aが完成する。畳表
10は接着剤または接着テープにより芯材4に固着され
る。畳表10の端部は折り返されて固着されるが、この
折り返し部分は下面に当たり、その部分だけ厚くなって
段差が生じる。この段差は、薄畳では相当の比率とな
る。そこでこの折り返し部にあたる部分には裏シート6
を設けないように裏シート6に切り欠きを設けてその切
り欠き部分に畳表10の折り返し部を没入すれば厚みの
均一化が図れる。すなわち、裏面が平滑になるように段
差分の厚みの滑り止め用の裏シート6を設けるとよい。
このようにして製造される薄畳9の総厚みは、12〜1
5mm程度のものである。
【0030】図2(B)は、畳床1aの長手方向の部分
断面図であり、網状体3に引っかけられて縫い合わされ
た状態を示すものである。畳床1aにおいては、縫糸7
は芯材4中に内在された網状体3により固定されるの
で、芯材4とプラスチック発泡体5の縫い締まりが良
く、縫い穴も拡がりも見られない。
【0031】図3(A)は本発明の畳床1bを用いた薄
畳の他の一例を示す断面図である。パーティクルボード
2の厚み方向の上方に網状体3を挿入した畳床の芯材4
と芯材4より薄く、畳表10の厚み程度の他の芯材13
が重ね合わせてある。芯材13には畳表10の折り返し
部分に切り欠きが設けられている。芯材4および芯材1
3、そして芯材4の表側にはプラスチック発泡体5を積
層して縫着一体化して畳床1bとした。芯材13もパー
ティクルボード11の内部に網状体12を有するもので
あるが、この芯材13はかなり薄いものであるため網状
体12の挿入位置の特定はできない。図2の場合と同様
に畳床1bの表側に畳表10が、裏側には滑り止め用に
裏シート6がホットメルト接着剤8を介して設けられ薄
畳9bが完成する。このようにして製造される薄畳9b
の総厚みは、15〜18mm程度のものである。
【0032】図3(B)は、畳床1bの長手方向の部分
断面図であり、網状体3に引っかけられて縫い合わされ
た状態を示すものである。畳床1bにおいては、縫糸7
は芯材4中に内在された網状体3、および芯材13に内
在された網状体12により固定されるので、芯材4、芯
材13およびプラスチック発泡体5の縫い締まりが良
く、縫い穴も拡がりも見られない。
【0033】図4(A)は、本発明の畳床1cを用いた
薄畳の一例を示す断面図である。図2の場合と同様にパ
ーティクルボード2の厚み方向の下方に熱可塑性樹脂か
らなる網状体3を挿入させた畳床の芯材4を用い、芯材
4の表側にはプラスチック発泡体5を、裏側には滑り止
め用の裏シート6を積層した。ここで、図2の場合とは
異なり、芯材4とプラスチック発泡体5さらに裏シート
6も縫糸7により網状体3に引っかけて縫い合わすこと
によりしっかりと縫着一体化し畳床1cとした。この畳
床1cに図2の場合と同様にして畳表10を積層し、薄
畳9cが完成する。このようにして製造される薄畳9c
の総厚みは、13〜15mm程度のものである。
【0034】図4(B)は、畳床1cの長手方向の部分
断面図であり、網状体3に引っかけられて縫い合わされ
た状態を示すものである。畳床1cにおいては、縫糸7
は芯材4中に内在された網状体3により固定されるの
で、芯材4、プラスチック発泡体5および裏シート6の
縫い締まりが良く、縫い穴も拡がりも見られない。
【0035】図5(A)は、本発明に用いる網状体を形
成する一軸配向体の一例として、フィルムを縦に一軸延
伸し、縦方向に割繊したスプリットウェブ14を示す部
分拡大斜視図である。熱可塑性樹脂を原料とするスプリ
ットウェブ14は、第1の熱可塑性樹脂と、第1の熱可
塑性樹脂より低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂を用
い、多層インフレーション法、多層Tダイ法等の押出成
形により製造した少なくとも2層以上の多層フィルム
を、縦方向(長さ方向)に伸長倍率1.1〜15、好ま
しくは3〜10に延伸した後、同方向に千鳥掛けにスプ
リッターを用いて割繊(スプリット処理)したものであ
る。これにより、前記多層フィルムは、網状のフィルム
となり、さらに網目は拡幅されて網状のスプリットウェ
ブ14となる。スプリットウェブ14は、幅方向全体に
わたって縦方向に強度を有する一軸配向体である。ま
た、図中15は幹織維、16は枝繊維である。
【0036】図5(B)は、図5(A)のB部の拡大斜
視図であり、スプリットウェブ14は、第1の熱可塑性
樹脂17の両面に第2の熱可塑性樹脂18が積層された
3層構造からなるものである。
【0037】図6(A)は、本発明に用いる網状体を形
成する一軸配向体の他の例として、フィルムに横方向に
多数のスリットを入れたのち横方向に一軸延伸したスリ
ットウェブを示す部分拡大図である。熱可塑性樹脂を原
料とするスリットウェブ19は前記多層フィルムの両耳
部を除く部分に、横方向(幅方向)に、例えば熱刃など
により平行に千鳥掛け等の断続したスリットを形成した
後、横方向に伸長倍率1.1〜15倍、好ましくは3〜
10倍に延伸して網状のフィルムとし、さらに網目を拡
げた網状体であり、横方向に強度を有するものである。
好ましくは、多層フィルムを縦方向に1.1〜3倍程度
に圧延等で微配向した後、熱刃で横方向に千鳥掛けにス
リット処理を施し、横延伸を行う。
【0038】図6(B)は、図6(A)のB部の拡大斜
視図であり、スリットウェブ19は、第1の熱可塑性樹
脂17の両面に第2の熱可塑性樹脂18が積層された3
層構造からなっている。
【0039】さらに、図7は、網状体を形成する一軸配
向体の他の例として、一軸配向多層テープを示す部分拡
大斜視図である。熱可塑性樹脂を原料とする一軸配向多
層テープ20は、第1の熱可塑性樹脂と、第1の熱可塑
性樹脂より低い融点を有する第2の熱可塑性樹脂とを用
い、多層インフレーション法、多層Tダイ法等の押出成
形により製造した少なくとも2層以上の多層フィルムを
裁断前および/または後に、縦および/または横方向に
伸長倍率1.1〜15倍、好ましくは3〜10倍に一軸
配向し、裁断して多層の延伸テープとしたものである。
一軸配向多層テープ20も、前記と同様に第1の熱可塑
性樹脂17の両面に第2の熱可塑性樹脂18が積層され
た3層構造からなるものである。
【0040】図8〜図10は本発明で用いる熱可塑性樹
脂からなる網状体の具体例である。図8は、図5のスプ
リットウェブ14と図6のスリットウェブ19を積層し
た不織布21の部分平面図である。図9は、図5のスプ
リットウェブ14を90°方向に2枚積層した不繊布2
1の部分平面図である。図10は一軸配向多層テープ2
0を2組積層した不織布21の部分平面図であり、図1
1は、一軸配向多層テープ20を織成した織布22の部
分斜視図である。これらの通気性一軸配向体の一例であ
る不織布21の具体的な例としては「日石ワリフ
(T)」(商品名、登録商標、日石プラスト(株)製)
を挙げることができる。
【0041】また、本発明における網状体としては、縦
糸および緯糸を交差させ、その交点において融着するこ
とにより製網して得られる一軸延伸または二軸延伸した
熱可塑性樹脂製延伸ネットも用いられる。この場合にお
ける熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリアミド等が用いられるが、ポ
リプロピレンの使用が最も好ましい。熱可塑性樹脂製延
伸ネットの具体的な例としては「日石コンウェッドネッ
ト」(商品名、日石シートパレットシステム(株)製」
を挙げることができる。
【0042】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するために以下に
実施例および比較例を挙げて説明する。
【0043】実施例および比較例 パーティクルボードの製造 長さ、幅および厚さの範囲を制御したパーティクルチッ
プの含水率を4〜7%とし、接着剤、離型剤、粘度調整
剤および硬化剤を混合し、網状体として日石ワリフMS
−T(商品名、登録商標、日石プラスト(株)製)、目
付量30g/m 2、厚み0.16mmを、形成されるパ
ーティクルボードの厚み方向の上方または下方に内在さ
せるように、特開平3−60015号公報に記載された
方法に準じてパーティクルボードを作成した。
【0044】このようにして製造したパーティクルボー
ドの機械的強度を評価した。比較のために、網状体を用
いることなく、同様の仕様を有するパーティクルボード
を製造し同様に評価した。
【0045】
【表1】 上表の実施例と比較例との対比により、曲げ強度および
シャルピー強度において両者間に顕著な差があることが
認められた。
【0046】薄畳の製造 上記実施例および比較例で製造した網状体を内在したパ
ーティクルボードおよび網状体を内在しないパーティク
ルボードを芯材として用いて薄畳を製造した。薄畳の製
造は、図1に示すように、芯材4の表側に厚み3.0m
mのプラスチック発泡体を、縫糸7によって網状体3に
引っかけて縫合することにより一体化した。そして芯材
4の裏側には厚み4.0mmの滑り止め用の裏シート6
をホットメルト接着剤8を介して接着した。
【0047】この様にして製造された畳床に、厚さ2.
5mmを有する畳表を積層して、厚み12.0mmの薄
畳とし、畳床の縫着の状態を調べた。
【0048】上記した縫着状態の評価においては、網状
体を内在させた実施例のパーティクルボードを芯材とし
た畳床において、芯材と他の構成部材との縫着における
縫い締まりが極めて良好であり、発泡体層に形成される
糸穴が糸の進行方向に拡がる不具合もないことが確認さ
れた。これに対して、網状体を内在させることなく製造
した比較例のパーティクルボードを芯材とした畳床にお
いては、他の構成部材との縫い締まりが良好でなく、発
泡体層に形成される糸穴の糸の進行方向に拡がる傾向が
見られ、これに起因する種々の問題の発生が予想され
た。
【0049】また、本発明の熱可塑性樹脂からなる網状
体を内在させたパーティクルボードを芯材として用いた
畳床よりなる薄畳の貯蔵、移送および利用においては、
長期間の利用においても、芯材層の疲労破壊による薄畳
としての品質低下もなく、また薄畳の施設の繰り返しに
よる品質低下も認められず、網状体を内在しないパーテ
ィクルボードを用いた場合に対比して実用上の顕著な差
異が認められた。
【0050】
【発明の効果】熱可塑性樹脂からなる網状体を内在させ
たパーティクルボードを芯材として用いることにより、
軽量且つ薄型であり、機械的強度に優れ、反りや収縮が
ほとんど起こることのない優れた畳床が得られる。また
この畳床は前記芯材と他の構成部材との縫着において縫
い締まりを良くするための裏面材を必要としないのでコ
ストや製造上においても有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の畳床の縫着状態を示す部分断面図の一
例である。
【図2】本発明の畳床1aを用いた薄畳の一例を示す断
面図である。
【図3】本発明の畳床1bを用いた薄畳の他の一例を示
す断面図である。
【図4】本発明の畳床1cを用いた薄畳の他の一例を示
す断面図である。
【図5】(A)は網状体を形成するスプリットウェブを
示す部分拡大図の一例であり、(B)はその部分拡大斜
視図である。
【図6】(A)は網状体を形成するスリットウェブを示
す部分拡大斜視図の一例であり、(B)はその部分拡大
斜視図である。
【図7】網状体を形成する一軸配向多層テープを示す部
分拡大斜視図の一例である。
【図8】スプリットウェブとスリットウェブを積層した
不織布の部分平面図の一例である。
【図9】スプリットウェブを90°方向に2枚積層した
不織布の部分平面図である。
【図10】一軸配向多層テープを2組積層した不織布の
部分平面図である。
【図11】一軸配向多層テープを織成した織布の部分斜
視図である。
【符号の説明】 1,1a,1b,1c 畳床 2、11 パーティクルボード 3、12 網状体 4、13 芯材 5 発泡体 6 裏シート 7 縫糸 8 ホットメルト接着剤 9a,9b,9c 薄畳 10 畳表 14 スプリットウェブ 15 幹繊維 16 枝繊維 17 第1の熱可塑性樹脂 18 第2の熱可塑性樹脂 19 スリットウェブ 20 一軸配向多層テープ 21 不織布 22 織布

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる網状体を内在させ
    たパーティクルボードを芯材として用いたことを特徴と
    する畳床。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂からなる網状体を内在
    させたパーティクルボードからなる芯材の少なくとも一
    枚と畳床を形成する他の構成部材とを縫糸により網状体
    に引っかけて縫合したことを特徴とする請求項1に記載
    の畳床。
JP29221997A 1997-10-24 1997-10-24 畳 床 Pending JPH11131760A (ja)

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