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JPH11106520A - アンチブロッキング剤マスターバッチおよびそれを用いた二軸延伸ポリプロピレンフィルム - Google Patents

アンチブロッキング剤マスターバッチおよびそれを用いた二軸延伸ポリプロピレンフィルム

Info

Publication number
JPH11106520A
JPH11106520A JP28463697A JP28463697A JPH11106520A JP H11106520 A JPH11106520 A JP H11106520A JP 28463697 A JP28463697 A JP 28463697A JP 28463697 A JP28463697 A JP 28463697A JP H11106520 A JPH11106520 A JP H11106520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
acid
polypropylene resin
antiblocking agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28463697A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Hirayama
浩一 平山
Gen Kanai
玄 金井
Yasushi Itaba
康 板場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON POLYCHEM KK
Original Assignee
NIPPON POLYCHEM KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON POLYCHEM KK filed Critical NIPPON POLYCHEM KK
Priority to JP28463697A priority Critical patent/JPH11106520A/ja
Publication of JPH11106520A publication Critical patent/JPH11106520A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐ブロッキング性、外観、成形性に
おいて優れた二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造す
るためのアンチブロッキング剤マスターバッチおよびそ
れを用いた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの提供。 【解決手段】 (A)結晶性ポリプロピレン系樹脂10
0重量部、(B)個数分布から求められる平均粒子径が
0.5〜5μm、かつ、特定の粒径分布を有するアクリ
ル系アンチブロッキング剤0.5〜50重量部及び
(C)酸変性ポリプロピレン樹脂0.1〜10重量部か
らなるアンチブロッキング剤マスターバッチであり、さ
らに、前記マスターバッチを、ポリプロピレン系樹脂1
00重量部に対して、フィルム中の酸変性ポリプロピレ
ン樹脂含量が0.001〜0.09重量部となるように
配合して得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、耐ブロッ
キング性、外観、成形性に優れた二軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムを製造するためのアンチブロッキング剤マス
ターバッチおよびそれを用いた二軸延伸ポリプロピレン
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリプロピレンフィルムは食品
包装用等、広く利用されているが耐ブロッキング性が著
しく劣る欠点を有している。このような問題点を解決す
るために従来から多くの検討がなされており、無機系の
微粒子を添加する方法、(特公昭52−16134号公
報)、有機系の微粒子を添加する方法(特公昭50−3
6262号公報)などが提案されている。しかし、上記
方法ではフィルム延伸時に空孔(ボイド)が発生し透明
性が悪化する欠点を有している。このような問題点を解
決するため、特定の粒径の高分子微粒子を添加する方法
(特開平9−59446号公報)、特定の粒径の無機
系、有機系アンチブロッキング剤と酸変性低分子量ポリ
プロピレンを添加する方法(特開平6−73202号公
報)などが提案されている。しかしながら、特定の粒径
の高分子微粒子を含有したポリプロピレンフィルムにお
いても透明性の改良が不十分であったり、フィルム巻き
取り時に高分子微粒子が脱落して巻取りロールを汚す問
題を有している。また、透明性改良効果が発現する程の
量の酸変性低分子量ポリプロピレンを使用すると、フィ
ルム成形時にその成形性が劣る問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性、耐
ブロッキング性、外観、成形性において優れた二軸延伸
ポリプロピレンフィルムを製造するためのアンチブロッ
キング剤マスターバッチおよびそれを用いた二軸延伸ポ
リプロピレンフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】本発明者らは、上記課題を解決するために
鋭意研究の結果、アンチブロッキング剤のフィルム中へ
の添加をマスターバッチ形式とし、さらに該マスターバ
ッチに、特定形状のアクリル系アンチブロッキング剤お
よび特定量の酸変性ポリプロピレンを添加することによ
り、酸変性ポリプロピレンのフィルム中への添加量を抑
え、フィルムの成形性を確保することができ、さらに酸
変性ポリプロピレンによりフィルム中のボイドの発生が
抑制され、上記アンチブロッキング剤マスターバッチを
用いて製造した二軸延伸ポリプロピレンフィルムは優れ
た透明性、耐ブロッキング性、外観等を有することを見
出し、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(A)結晶性ポリプ
ロピレン系樹脂100重量部、(B)個数分布から求め
られる平均粒子径が0.5〜5μmであり、かつ下記式
により算出される粒径の変動係数が30%以下であるア
クリル系微粒子からなるアクリル系アンチブロッキング
剤0.5〜50重量部及び(C)酸変性ポリプロピレン
樹脂0.1〜10重量部からなるアンチブロッキング剤
マスターバッチであり、さらに、前記マスターバッチ
を、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、フィ
ルム中の酸変性ポリプロピレン樹脂含量が0.001〜
0.09重量部となるように配合して得られる二軸延伸
ポリプロピレンフィルムである。 粒径の変動係数(%)=粒径の標準偏差(μm)/平均
粒径(μm)×100
【0006】
【発明の実施の形態】
I.アンチブロッキング剤マスターバッチ 本発明のアンチブロッキング剤マスターバッチは、
(A)結晶性ポリプロピレン系樹脂、(B)アクリル系
アンチブロッキング剤及び(C)酸変性プロピレン樹脂
からなる。各成分及び製造方法について以下に説明す
る。
【0007】1.原料成分 (A)結晶性ポリプロピレン系樹脂(PP) 本発明で用いる結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、
プロピレンの単独重合体、もしくはエチレン、ブテン、
ヘキセンなどの他のα−オレフィンとの共重合体を挙げ
ることができる。プロピレン単独重合体が最も好ましい
が、共重合体の中ではプロピレンと40重量%以下の他
のα−オレフィンとの共重合体が好ましく、更には30
重量%以下、特に20重量%以下のエチレン又はブテン
との共重合体が好ましい。該共重合体はランダム共重合
体でもブロック共重合体でも良い。これら結晶性プロピ
レン重合体は単独でも、複数の混合物として使用するこ
とができる。本発明の結晶性プロピレン系樹脂は、アイ
ソタクチックインデックス(II)が40以上、好まし
くは60以上、特に80以上のものが良い。プロピレン
単独重合体では、IIが90以上、特に95以上のもの
が好適である。また、メルトフローレート(MFR)
は、0.5〜30g/10分、特に1〜20g/10分
のものがフィルム物性および成形性の点で好ましい。
【0008】(B)アクリル系アンチブロッキング剤 本発明で用いるアクリル系アンチブロッキング剤は、モ
ノマーを乳化重合、懸濁重合などの方法で重合して得ら
れたアクリル系微粒子である。モノマーとしてはアクリ
ル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸n−ブチルなどが挙げられる。こ
れらのモノマーを1種あるいは複数種併用して合成す
る。また、上記モノマーに架橋性アクリル系モノマー
(トリアクリル酸トリメチロールプロパン、ジメタクリ
ル酸エチレングリコールなど)を共重合させ架橋構造を
付与するのが望ましい。上記アクリル系モノマーとスチ
レン、o−スチレン、m−スチレン、p−スチレン等の
スチレン系モノマーやプロピレン、エチレン等のモノマ
ーとの共重合体を使用することも可能である。
【0009】本発明で用いるアクリル系微粒子の形状
は、耐ブロッキング性を発現させるために球状が好まし
い。また、平均粒径は0.5〜5μm、好ましくは0.
7〜3μmである。平均粒径が0.5μm未満だと、耐
ブロッキング性が改良できず、また5μmを超えると、
酸変性ポリプロピレンを添加しても透明性、外観が劣る
ので、いずれも好ましくない。また、アクリル系アンチ
ブロッキング剤の粒径の変動係数は、30%以下、好ま
しくは20%以下である。30%を超えると、粗大粒子
の影響でボイドが発生し、酸変性ポリプロピレンを添加
しても透明性や外観に劣るので好ましくない。ここで、
粒径の変動係数とは、個数分布より求められる粒径の標
準偏差を個数分布より求められる平均粒径で除して求め
た値、すなわち、下式で求めた値である。 粒径の変動係数(%)=粒径の標準偏差(μm)/平均
粒径(μm)×100 粒径の変動係数は、粒度分布のバラツキを示す値であ
り、数値が大きい程、粒度分布がブロードであることを
表している。
【0010】(C)酸変性ポリプロピレン 本発明で用いる酸変性ポリプロピレンは、少なくとも一
部が酸変性されたポリプロピレンである。該酸変性ポリ
プロピレンの分子量は、好ましくは数平均分子量800
〜20,000、より好ましくは1,000〜18,00
0である。また、酸変性ポリプロピレンの酸価は、好ま
しくは3〜80mgKOH/g、より好ましくは10〜
60mgKOH/gである。本発明で用いる酸変性ポリ
プロピレンは、末端二重結合を有する低分子量ポリプロ
ピレンに、不飽和カルボン酸および/またはその無水物
を化学的に付加して合成するものであり、その軟化点が
130℃〜170℃、好ましくは140〜160℃であ
り、160℃での溶融粘度が3,000〜20,000c
ps、好ましくは5,000〜18,000cpsを示す
ものである。ここで好ましい末端二重結合を有する低分
子量ポリプロピレンとは、1,000炭素当たり1〜1
0、好ましくは2〜7の末端二重結合を有するものであ
る。末端二重結合が上記範囲未満のものでは、所望の酸
変性を行うことができない。また、末端二重結合が上記
範囲を超えると、酸変性低分子量ポリプロピレンの耐熱
性が低下するので好ましくない。
【0011】酸変性は、溶融グラフト法や溶液グラフト
法等で行うが、溶融グラフト法では通常100〜270
℃、好ましくは130〜240℃の温度、反応時間は通
常0.5〜30時間、好ましくは1〜20時間の条件下
に実施される。該酸変性によって得られたものは、不飽
和カルボン酸及び/又はその無水物が、好ましくは0.
1〜12重量%、特に好ましくは1〜10重量%の割合
で含有されていることが望ましい。このようなものであ
る限り、変性されたものを未変性のもので希釈したもの
であっても良い。酸変性剤の不飽和カルボン酸としては
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸などが挙げられる。不飽和カルボン酸無水物としては
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸な
どが挙げられ、これらの中でも無水マレイン酸を使用す
ることが望ましい。
【0012】2.アンチブロッキング剤マスターバッチ
の製造方法 本発明のアンチブロッキング剤マスターバッチは、上記
の(A)結晶性ポリプロピレン樹脂、(B)アクリル系
アンチブロッキング剤及び(C)酸変性プロピレンを配
合して製造する。配合比は結晶性ポリプロピレン100
重量部に対して、アクリル系アンチブロッキング剤は
0.5〜50重量部、好ましくは2〜25重量部であ
り、酸変性ポリプロピレンは0.1〜10重量部、好ま
しくは0.2〜5重量部である。アクリル系アンチブロ
ッキング剤の添加量が0.5重量部未満であると、耐ブ
ロッキング性を付与することができず、50重量部を超
えるとアンチブロッキング剤の不分散が発生する。ま
た、酸変性ポリプロピレンの添加量が0.1重量部未満
であると、透明性や外観の改良効果が得られ難く、10
重量部を超えると成形性不良を発生する。アンチブロッ
キング剤マスターバッチの製造方法は、上記(A),
(B)及び(C)をリボンブレンダー、ヘンシェルミキ
サー等により混合した後、押出し機で溶融混練する方法
などが挙げられる。その際、酸化防止剤、帯電防止剤、
滑剤等の公知の添加剤を適時配合することができる。
【0013】II.二軸延伸ポリプロピレンフィルム 本発明における二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、ポ
リプロピレン樹脂100重量部に対して、上記のアンチ
ブロッキング剤マスターバッチを、フィルム中の酸変性
ポリプロピレン含量が0.001〜0.09重量部とな
るように配合する。酸変性ポリプロピレンが0.001
重量部未満であるとボイド発生抑制効果が得られず、透
明性の改良が困難である。0.09重量部を超えるとフ
ィルム製膜時の成形性不良が発生する。配合の際、酸化
防止剤、帯電防止剤、滑剤等の公知の添加剤を適時配合
することができる。
【0014】二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、リボ
ンブレンダー、ヘンシェルミキサー等により結晶性ポリ
プロピレンと前記アンチブロッキング剤マスターバッチ
を混合した後、例えば同時又は逐次二軸延伸法やインフ
レーション法により製造することができる。中でも以下
に示す逐次二次延伸法が好ましい。前記アンチブロッキ
ング剤マスターバッチを含有するポリプロピレン樹脂組
成物を、Tダイで溶融成形を行い原反シートを成形し、
その後ロール周速差を利用して縦延伸を行う。具体的に
は通常90〜150℃、好ましくは105〜140℃の
温度で、回転数の異なる2本のロール間に原反シートを
通過させて、ロールの回転方向(縦方向)に3〜8倍、
好ましくは4〜6倍に延伸する。次いで、縦方向延伸フ
ィルムをテンダーオーブンの中で3〜12倍、好ましく
は6〜11倍に横延伸する。
【0015】引き続き、この二軸延伸フィルムを通常1
20〜170℃の温度で熱セットすることが望ましい。
更に、印刷適性の向上、帯電防止剤のブリードを促進さ
せる目的で、コロナ放電処理を施すこともできる。この
ようにして得られた二軸延伸フィルムの厚みは、特に限
定されないが、通常200μm以下であり、5〜100
μmが好ましく、更に好ましくは10〜50μmであ
る。本発明の二軸延伸フィルムは単層フィルムあるいは
積層フィルムとして用いてもよい。積層フィルムを得る
方法としては、多層共押出法やドライラミネート法など
が挙げられる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例における物性の測定は以下の方法
で行った。 (1)MFR:JIS K6758(230℃ 2.1
6Kg荷重)に準拠し測定した。 (2)アンチブロッキング剤の平均粒径及び粒径の変動
係数:アニオン性界面活性剤中に約10%の濃度になる
ようにアンチブロッキング剤を混合した。超音波分散機
を使用して十分にアンチブロッキング剤を分散させた。
分散の状態は顕微鏡で観察し、凝集しているようであれ
ば界面活性剤を追添し分散させた。得られた分散液をコ
ールター社製コールター・マルチタイザーを用いて平均
粒径及び標準偏差の測定を行った。ここで、平均粒子径
及び変動係数は個数分布より算出される値を用いた。 (3)HAZE:ASTM−D−1003に準拠して、
フィルムを4枚重ねて測定した。 (4)像鮮明性:スガ試験機製、写像性測定器を用いて
測定した。数値の大きい方が像鮮明性が良好である。
【0017】(5)ブロッキング性:2枚のフィルムの
接触面積が40cm2になるように重ねて、2枚のガラ
ス板の間に置き、2kgの荷重をかけて40℃の雰囲気
中で24時間放置した後、引張試験機を用いて引張速度
150mm/分にて引き剥がして、その最大荷重を読み
取って評価した。 (6)外観:位相差顕微鏡でフィルム内部のボイドの発
生状況を倍率100倍で観察し、発生の度合を目視にて
以下の基準で評価した。 ◎:ボイドの発生がほとんど無い ○:ボイドが僅かに発生している △:ボイドの発生が多い ×:ボイドの発生がかなり多い
【0018】(7)成形性:二軸延伸フィルムを成形す
る際の、押出し機のシリンダー温度の振れを指標として
評価した。 ○:温度の振れが無い △:温度が僅かに振れているが、成形には問題がない ×:温度の振れが激しく、成形不良が発生する (8)アンチブロッキング剤の脱落性:フィルムを20
000m長さに成形した時の巻取りロールに付着するア
ンチブロッキング剤粉の発生量を目視にて評価した。 ○:粉の発生が無い △:粉の発生が認められる ×:粉の発生が非常に多い
【0019】実施例1 MFRが2.3、IIが96.2の結晶性ポリプロピレ
ン(PP)の単独重合体100重量部に対して酸化防止
剤としてBHT0.18重量部及びペンタエリスリチル
−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕(Ir1010)
0.05重量部、中和剤としてカルシウムステアレート
0.1重量部、及びアクリル系アンチブロッキング剤
(AB剤)として平均粒径2.5μm、粒径の変動係数
16.6%の架橋PMMA微粒子25重量部、酸変性ポ
リプロピレン(無水マレイン酸変性PP、数平均分子量
15000、酸価26mgKOH/g)1.0重量部を
添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、45mmφ
二軸押出し機で造粒し、アンチブロッキング剤マスター
バッチ(AB剤MB樹脂)を得た。
【0020】一方、MFRが2.3、IIが96.2の
結晶性PP100重量部に対して酸化防止剤としてBH
T0.18重量部及びペンタエリスリチル−テトラキス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕(Ir1010)0.05重量
部、中和剤としてカルシウムステアレート0.1重量
部、及び帯電防止剤としてポリオキシエチレンアルキル
アミン脂肪酸エステル1.1重量部を添加し、ヘンシェ
ルミキサーで混合した後、65mmφ押出機で造粒し
た。上記樹脂100重量部に対してAB剤MB樹脂を
0.5重量部添加し、リボンミキサーで混合した後、2
80℃の樹脂温度で溶融・押出し、30℃の冷却ロール
で急冷してシート状フィルムにし、縦方向5倍、横方向
10倍に逐次延伸して最終的に20μmの延伸フィルム
を得た。AB剤、MB樹脂、延伸フィルムの組成を表1
及び表2に示し、得られた延伸フィルムの特性を表3に
示す。
【0021】実施例2〜4 MB樹脂への酸変性PPの添加量、MB樹脂へのAB剤
の添加量または延伸フィルムへのMB樹脂の添加量を表
1及び表2に示す様に変更した以外は、実施例1と同様
の方法で二軸延伸フィルムを得た。AB剤、MB樹脂、
延伸フィルムの組成を表1及び表2に示し、得られた延
伸フィルムの特性を表3に示す。
【0022】実施例5 AB剤の種類を架橋メタクリル酸メチル−スチレン共重
合微粒子(スチレン含量20%、平均粒径1.8μm、
粒径の変動係数20%)に変更し、表1及び表2に示す
添加量にした以外は、実施例1と同様の方法で延伸フィ
ルムを得た。AB剤、MB樹脂、延伸フィルムの組成を
表1及び表2に示し、得られた延伸フィルムの特性を表
3に示す。
【0023】比較例1〜2 MB樹脂への酸変性PPの添加を無添加にし、延伸フィ
ルムへのMB樹脂の添加量を表2に示す様にしたこと以
外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸フィルムを得
た。AB剤、MB樹脂、延伸フィルムの組成を表1及び
表2に示し、得られた延伸フィルムの特性を表3に示
す。
【0024】比較例3 MB樹脂への酸変性PPの添加量を15重量部とし、延
伸フィルムへのMB樹脂の添加量を変更した以外は、実
施例1と同様の方法で延伸フィルムを成形した。押出機
のシリンダー温度の振れが発生し、吐出量が不安定にな
り、フィルムを得ることができなかった。
【0025】比較例4 MFRが2.3、IIが96.2の結晶性PP100重
量部に対して酸化防止剤としてBHT0.18重量部及
びペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕(Ir1010)0.05重量部、中和剤としてカ
ルシウムステアレート0.1重量部、及びアクリル系ア
ンチブロッキング剤(AB剤)として平均粒径2.5μ
m、粒径の変動係数16.6%の架橋PMMA微粒子2
5重量部、酸変性ポリプロピレン(無水マレイン酸変性
PP、数平均分子量15000、酸価26mgKOH/
g)1.0重量部、帯電防止剤としてポリオキシエチレ
ンアルキルアミン脂肪酸エステル1.1重量部を添加
し、ヘンシェルミキサーで混合した後、65mmφ押出
し機で造粒した。上記樹脂を280℃の樹脂温度で溶融
・押出し、30℃の冷却ロールで急冷してシート状フィ
ルムにし、縦方向5倍、横方向10倍に逐次延伸して延
伸フィルムの成形を行った。押出機のシリンダー温度の
振れが発生し、吐出量が不安定になり、フィルムを得る
ことができなかった。
【0026】比較例5 アンチブロッキング剤の種類を変更し(架橋PMMA微
粒子、平均粒径1.9μm、粒径の変動係数37.3
%)、表1に示した配合処方で実施例1と同様の方法で
延伸フィルムを得た。AB剤、MB樹脂、延伸フィルム
の組成を表1及び表2に示し、得られた延伸フィルムの
特性を表3に示す。
【0027】比較例6 アンチブロッキング剤の種類を不定形シリカ(平均粒径
4.5μm)に変更し、表1に示した配合処方で実施例
1と同様の方法で延伸フィルムを得た。AB剤、MB樹
脂、延伸フィルムの組成を表1及び表2に示し、得られ
た延伸フィルムの特性を表3に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】表3から明らかなように、実施例1〜5で
得られた本発明のアンチブロッキング剤マスターバッチ
を用いたポリプロピレン二軸延伸フィルムは、いずれも
優れた透明性、ブロッキング性、外観及び成形性を示
し、高品質であった。一方、比較例1で得られた延伸フ
ィルムはブロッキング性がやや劣り、外観が劣ってお
り、比較例2で得られた延伸フィルムは良好なブロッキ
ング性を示したが、透明性・外観に劣っており、比較例
5で得られた延伸フィルムはAB剤の粒度分布が広いた
め、透明性・外観に劣るものであり、比較例6で得られ
た延伸フィルムは透明性・ブロッキング性・外観に劣
り、いずれも低品質であった。
【0032】
【発明の効果】本発明のアンチブロッキング剤マスター
バッチは、結晶性ポリプロピレンに特定形状のアクリル
系アンチブロッキング剤及び酸変性ポリプロピレンを特
定量配合した構成であるので、それを用いた二軸延伸ポ
リプロピレンフィルムは、透明性・外観・耐ブロッキン
グ性に優れ、かつ製膜時に押出し不良を発生しないなど
成形性に優れている。また、本発明の二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムは、巻取り時のロールの汚れが発生せ
ず、操業性の良好なフィルムであり、各種包装用フィル
ムとして工業的に極めて有用性のある延伸フィルムであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33:08 23:26) B29K 23:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)結晶性ポリプロピレン系樹脂10
    0重量部、(B)個数分布から求められる平均粒子径が
    0.5〜5μmであり、かつ下記式により算出される粒
    径の変動係数が30%以下であるアクリル系微粒子から
    なるアクリル系アンチブロッキング剤0.5〜50重量
    部及び(C)酸変性ポリプロピレン樹脂0.1〜10重
    量部からなるアンチブロッキング剤マスターバッチ。 粒径の変動係数(%)=粒径の標準偏差(μm)/平均
    粒径(μm)×100
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂100重量部に対
    して、(A)結晶性ポリプロピレン系樹脂100重量
    部、(B)個数分布から求められる平均粒子径が0.5
    〜5μmであり、かつ下記式により算出される粒径の変
    動係数が30%以下であるアクリル系微粒子からなるア
    クリル系アンチブロッキング剤0.5〜50重量部及び
    (C)酸変性ポリプロピレン樹脂0.1〜10重量部か
    らなるアンチブロッキング剤マスターバッチを、フィル
    ム中の酸変性ポリプロピレン樹脂含量が0.001〜
    0.09重量部となるように配合して得られる二軸延伸
    ポリプロピレンフィルム。 粒径の変動係数(%)=粒径の標準偏差(μm)/平均
    粒径(μm)×100
JP28463697A 1997-10-01 1997-10-01 アンチブロッキング剤マスターバッチおよびそれを用いた二軸延伸ポリプロピレンフィルム Pending JPH11106520A (ja)

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