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JPH1089106A - ターボ過給機付エンジン及びターボ過給機付エンジン搭載車のパワーユニット - Google Patents

ターボ過給機付エンジン及びターボ過給機付エンジン搭載車のパワーユニット

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Publication number
JPH1089106A
JPH1089106A JP8246556A JP24655696A JPH1089106A JP H1089106 A JPH1089106 A JP H1089106A JP 8246556 A JP8246556 A JP 8246556A JP 24655696 A JP24655696 A JP 24655696A JP H1089106 A JPH1089106 A JP H1089106A
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exhaust
valve
engine
turbocharger
opening
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Hisanori Nakane
久典 中根
Toshihide Yamamoto
寿英 山本
Keiji Araki
啓二 荒木
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Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B37/00Engines characterised by provision of pumps driven at least for part of the time by exhaust
    • F02B37/02Gas passages between engine outlet and pump drive, e.g. reservoirs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01NGAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
    • F01N13/00Exhaust or silencing apparatus characterised by constructional features ; Exhaust or silencing apparatus, or parts thereof, having pertinent characteristics not provided for in, or of interest apart from, groups F01N1/00 - F01N5/00, F01N9/00, F01N11/00
    • F01N13/08Other arrangements or adaptations of exhaust conduits
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型ターボ過給機を用いて低速過給性能を向
上しつつ、高速域における排気ポンピングロスを抑制し
て高速出力性能も向上する。 【解決手段】 低速過給性能の高い小型ターボ過給機1
0を備えるとともに、そのタービン11に通じる第1排
気通路3Aと、上記タービン11を通らない下流側排気
通路に通じる第2排気通路3Bと、各排気通路3A,3
Bを開閉する第1排気弁5A及び第2排気弁5Bを備え
る。そして、少なくとも最高出力回転数域において第1
排気弁5Aがピストン下死点前に開いて排気行程後半に
閉じ、第2排気弁5Bが排気行程前半に開いてピストン
上死点以後に閉じ、かつ、両排気弁の開弁期間がオーバ
ラップする開弁オーバラップ期間の中心が排気行程の中
期となるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターボ過給機を備
えるとともに、気筒毎の排気通路を分割してその一部の
排気通路を通る排気ガスのみがタービンに導かれるよう
にしたターボ過給機付エンジンと、これを用いたパワー
ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、排気通路に設けられたタービ
ンと、吸気通路に設けられて上記タービンに連結された
コンプレッサとで構成されるターボ過給機により、吸気
の過給を行うようにしたターボ過給機付エンジンは一般
に知られており、この種のターボ過給機において燃費改
善等を図る構造は種々提案されている。
【0003】例えば特公昭63−44936号公報に
は、ターボ過給機のタービンに排気を導く第1の排気通
路に加え、上記タービンを通らない下流側排気通路に排
気を導く第2の排気通路を形成し、第1の排気通路を開
閉する排気弁を通常の排気弁開閉タイミングで開閉させ
るとともに、第2の排気通路を開閉する第3弁を排気行
程の後期に開くようにしたターボ過給機付エンジンが示
されている。
【0004】この過給機付エンジンは、比較的高速側の
運転域で過給能力が高くなるような通常のターボ過給機
を用いた場合の高速高負荷域での排圧上昇を抑制するも
のであって、一般の過給機付エンジンに設けられている
ウエストゲートバルブを用いた過給圧制御手段の代り
に、上記第3弁により排気行程後期に排気ガスの一部を
上記第2の排気通路に流出させて、タービンを通さずに
排出させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に示されてい
る従来の過給機付エンジンにおいては、第1の排気通路
を開閉する排気弁が一般のエンジンの排気弁と略同様に
排気行程の期間中開いているのに対し、上記第3弁は排
気行程後期に開かれ、かつ、開弁期間及びバルブリフト
量が上記排気弁と比べてかなり小さく設定されている。
なお、上記第3弁は開閉時期が進角装置により遅進され
て、高速もしくは高負荷運転時ほど進角されるようにな
っているが、その進角状態のときでも排気行程後期に開
弁し、かつ開弁期間及びバルブリフト量が上記排気弁と
比べてかなり小さいことに変りはない。
【0006】このような過給機付エンジンによると、低
速域での出力向上に有利な小型ターボ過給機を用いた場
合等に、高速出力等の面で課題が残されていた。
【0007】すなわち、一般に用いられているターボ過
給機では低速域で過給性能が低下し易く、これと比べ、
タービンの厚さや径を小さくした小型ターボ過給機を用
いれば、排気流量の少ない低速域でもタービンに流入す
る排気ガスの圧力が高められることにより過給性能が高
められる。ところが、このように低速域で過給性能が高
い小型ターボ過給機を用いると、排気流量の多い高速域
で排圧の上昇により排気ポンピングロスの増大を招き易
く、上記従来装置のようにタービンを通らない第2の排
気通路及びこの通路を開閉する第3弁を設けた構造によ
る場合でも、第3弁の開弁時期が排気行程後半で、か
つ、開弁期間及びバルブリフト量が上記排気弁と比べて
かなり小さいため、排圧の上昇を充分に抑制できない。
このため、結局、ウエストゲートバルブを多用せざるを
得なくなり、ウエストゲートバルブから高圧の排気のエ
ネルギーが排出されることによるロスが増大し、高速出
力の向上があまり期待できなくなる。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑み、低速過給性
能向上に有利な小型ターボ過給機を用いた場合等でも、
高速域における排気ポンピングロスを抑制して高速出力
性能を向上することができるターボ過給機付エンジンを
提供し、またこのターボ過給機付エンジンを用いて出力
性能及び燃費性能等の向上に有利なパワーユニットを提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
気筒毎の排気通路が、ターボ過給機のタービンに通じる
第1排気通路と上記タービンを通らない下流側排気通路
に通じる第2排気通路とに分けられ、第1排気通路を開
閉する第1排気弁の開弁時期が第2排気通路を開閉する
第2排気弁の開弁時期よりも早くなるように設定されて
いるターボ過給機付エンジンであって、少なくとも最高
出力回転数域における上記各排気弁の開閉タイミング
を、第1排気弁がピストン下死点前に開いて排気行程後
半に閉じ、第2排気弁が排気行程前半に開いてピストン
上死点以後に閉じ、かつ、両排気弁の開弁期間がオーバ
ラップする開弁オーバラップ期間の中心が排気行程の中
期となるように設定したものである。
【0010】このエンジンによると、少なくとも最高出
力回転数域においては、排気行程で上記第1排気弁のみ
が開弁している期間、及び開弁オーバラップ期間の途中
までの期間に、排気ガスが主に第1排気通路からタービ
ンに導かれ、ブローダウンエネルギーが有効にタービン
に与えられる一方、開弁オーバラップ期間の途中から第
2排気弁が閉じるまでの間は排気ガスが主に第2排気通
路からタービンを通らない下流側排気通路に導かれる。
このため、最高出力回転数域でも充分に排気ポンピング
ロスが低減され、過給による出力向上が有効に達成され
る。
【0011】とくに、ターボ過給機が、最高過給圧規制
用のウエストゲートバルブがエンジンの最高出力回転数
の1/2以下の低速側で開弁する低速過給性能の高い小
型過給機であると(請求項2)、この過給機によって低
速出力が高められるとともに、上記のように最高出力回
転数域において排気ポンピングロスが低減され、高速出
力も充分に高められる。
【0012】この発明のエンジンにおける各排気弁の開
閉タイミングの好ましい設定としては、少なくとも最高
出力回転数域において上記第1排気弁の開弁から上記第
2排気弁の閉弁までの総排気期間に対して上記開弁オー
バラップ期間が1/3以上となるように設定する(請求
項3)。
【0013】また、少なくとも最高出力回転数域におい
て上記第1排気弁の開弁期間が上記開弁オーバラップ期
間の2倍よりも短くなるように設定する(請求項4)。
【0014】また、少なくとも最高出力回転数域におい
て上記第1排気弁のみが開いている期間と上記開弁オー
バラップ期間と上記第2排気弁のみが開いている期間と
が、いずれも、上記第1排気弁の開弁から上記第2排気
弁の閉弁までの総排気期間に対して30%以上となるよ
うに設定する(請求項5)。
【0015】このような設定によると、燃焼室内の排気
ガスが第1排気通路に流出する状態から第2排気通路に
流出する状態への移行がスムーズに行われ、排気ポンピ
ングロスの低減等の作用が良好に得られる。
【0016】さらに、第1排気弁の開口面積比と第2排
気弁の開口面積比とが略同一となるように設定しておけ
ば(請求項6)、排気行程途中までの第1排気通路への
排気ガスの流出及び排気行程途中からの第2排気通路へ
の排気ガスの流出が良好に行われる。
【0017】各気筒に対して上記第1,第2の2つの排
気弁と2つの吸気弁とを設け、上記第1,第2排気弁を
ともに吸気弁の弁径よりも大径としておけば(請求項
7)、第1排気弁のみが開いている期間や第2排気弁の
みが開いている期間にも、燃焼室からの排気ガスの流出
が良好に行われる。
【0018】上記各排気弁のバルブリフト特性はエンジ
ンの低速域から高速域にまでわたって一定であってもよ
い(請求項8)。また、上記各排気弁のバルブリフト特
性を運転状態に応じて変更するバルブリフト特性可変手
段を設けてもよく、この場合、エンジンの高速域では上
記各排気弁の開弁期間及びバルブリフト量を略同一とす
る一方、エンジンの低速域では高速域と比べて第1排気
弁の開弁期間及びバルブリフト量を大きく、かつ第2排
気弁の開弁期間及びバルブリフト量を小さくするように
変更すればよい(請求項9)。
【0019】本発明のターボ過給機付エンジンをディー
ゼルエンジンに適用すれば(請求項10)、ディーゼル
エンジンは拡散燃焼が行われることによりガソリンエン
ジンと比べて低速高負荷域でノッキングが生じにくいこ
とから、小型ターボ過給機を用いること等による低速高
負荷域での高過給化が有効に達成される。そして、低速
高負荷域での高過給化により、スモークが低減され、出
力向上とともに燃費及びエミッションが改善される。
【0020】また、本発明のターボ過給機付エンジンを
直噴式ガソリンエンジンに適用し、少なくとも低速低負
荷域及び低速高負荷域でリーンバーン運転を行うように
すれば(請求項11)、燃費が改善されるとともに、リ
ーン化によりノッキングが抑制されて、とくに低速高負
荷域で高過給が行われつつリーンバーン運転されること
で出力及び燃費性能が向上される。
【0021】さらにこのエンジンにおいて、排気通路の
下流側に触媒装置を備え、第2排気通路からタービンに
通らずに下流側へ流れる排気ガス及びタービンをバイパ
スするウエストゲート通路に流れる排気ガスが上記触媒
装置に導かれるように構成すれば(請求項12)、触媒
装置が暖機しにくいリーン運転状態でも、上記第2排気
通路及びウエストゲート通路から、タービンに熱が奪わ
れない排気ガスが触媒装置へ導かれ、触媒装置の暖機が
促進される。
【0022】また、請求項13に係る発明は、気筒毎の
排気通路が、ターボ過給機のタービンに通じる第1排気
通路と上記タービンを通らない下流側排気通路に通じる
第2排気通路とに分けられ、第1排気通路を開閉する第
1排気弁の開弁時期が第2排気通路を開閉する第2排気
弁の開閉時期よりも早くなるように設定されているター
ボ過給機付エンジンであって、エンジンを少なくとも低
速低負荷域でリーンバーン運転を行う直噴式ガソリンエ
ンジンとし、排気通路の下流側に触媒装置を備えるとと
もに、上記タービンをバイパスするウエストゲート通路
にウエストゲートバルブを設けて、このウエストゲート
バルブがエンジンの最高出力回転数の1/2以下の低速
側で開弁するようにし、かつ、排気通路の下流側に触媒
装置を備え、上記第2排気通路からタービンに通らずに
下流側へ流れる排気ガス及び上記ウエストゲート通路に
流れる排気ガスが上記触媒装置に導かれるように構成し
たものである。
【0023】この装置によると、低速域でのリーンバー
ンによる燃費改善、過給による出力確保、高速域での排
気ポンピングロス低減等が図られるとともに、触媒装置
の暖機性が良好に保たれる。
【0024】上記のようなターボ過給機付エンジンと無
段変速機とを備え、定常走行ラインが低速高負荷側の過
給域を通るように上記無段変速機の変速制御特性を設定
したターボ過給機付エンジン搭載車のパワーユニットに
よると(請求項14)、過給等により低速高負荷域の低
燃費化が促進され、かつ、その低速高負荷側の低燃費領
域の使用頻度が高められる。
【0025】このパワーユニットにおいて、少なくとも
低速高負荷側の過給域でリーンバーン運転を行うように
すれば(請求項15)、燃費がより一層改善される。
【0026】また、請求項16に係る発明は、気筒毎の
排気通路が、ターボ過給機のタービンに通じる第1排気
通路と上記タービンを通らない下流側排気通路に通じる
第2排気通路とに分けられ、第1排気通路を開閉する第
1排気弁の開弁時期が第2排気通路を開閉する第2排気
弁の開閉時期よりも早くなるように設定されているター
ボ過給機付エンジンと、無段変速機とを備え、定常走行
ラインが低速高負荷側の過給域を通るように上記無段変
速機の特性を設定するとともに、上記低速高負荷側の過
給域でリーンバーン運転を行うようにしたものである。
【0027】この発明によると、過給が効果的に行わ
れ、過給により低速高負荷域の出力、燃費等が良好に保
たれ、かつ、その低速高負荷側の低燃費領域の使用頻度
が高められる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明の一実施形態によるターボ
過給機付エンジンとこれを用いたパワーユニットを示し
ている。当実施形態のエンジンはディーゼルエンジンで
あり、最高出力回転数は4000rpm程度となってい
る。
【0029】この図において、1はエンジン本体であっ
て、複数の気筒(図示の例では4気筒)を備えており、
このエンジン本体1と吸気系及び排気系等でエンジンが
構成されている。また、10はターボ過給機であって、
排気通路中に介設されたタービン11と、このタービン
11にシャフト13を介して連結されて吸気通路中に介
設されたコンプレッサ12とで構成されている。
【0030】上記エンジン本体1の各気筒の燃焼室2に
は、燃料噴射ポンプから供給される燃料を噴射する噴射
ノズル(図示省略)が具備されるとともに、気筒毎の排
気通路3A,3Bの上流端側の排気ポート4A,4B及
び気筒毎の吸気通路6の下流端側の吸気ポート7が燃焼
室2に開口している。気筒毎の排気通路は、第1排気通
路3Aと第2排気通路3Bとに分けられ、これら第1,
第2排気通路3A,3Bの各上流端側の第1,第2排気
ポート4A,4Bが燃焼室2に開口し、この第1,第2
排気ポート4A,4Bに第1,第2排気弁5A,5Bが
配設されている。また、当実施形態では吸気ポート7も
各気筒に2つずつ配設され、各吸気ポート7にそれぞれ
吸気弁8が配設されている。
【0031】排気系において、気筒毎の各第1排気通路
3Aは集合され、その集合部下流の第1集合排気通路1
5Aが上記タービン11の排気入口側に接続されてい
る。上記タービン11の排気出口側には、タービン下流
側排気通路16が接続されている。また、気筒毎の各第
2排気通路3Bは集合され、その集合部下流の第2集合
排気通路15Bは、上記タービン11を通らずに、下流
端部が上記タービン下流側排気通路16に合流してい
る。
【0032】上記タービン11の排気入口側の上流と排
気出口側の下流との間には、タービン11をバイパスす
るウエストゲート通路17が形成され、このウエストゲ
ート通路17に最高過給圧規制用のウエストゲートバル
ブ18が介設されている。このウエストゲートバルブ1
8はダイヤフラム装置等からなるアクチュエータ19に
より過給圧等に応じて作動されるようになっている。
【0033】一方、吸気系においては、エアクリーナ2
2を介して吸気を導入する上流側吸気通路21がターボ
過給機10のコンプレッサ12の吸気入口側に接続され
るとともに、ターボ過給機10のコンプレッサ12の吸
気出口側に接続された吸気通路23がインタークーラ2
4を経てサージタンク25に達しており、サージタンク
25の下流側に気筒毎の吸気通路6が配設されている。
【0034】また、当実施形態のエンジンにおいて用い
られているターボ過給機10は低速過給性能の高い小型
ターボ過給機からなっており、この小型ターボ過給機
は、高速側で過給性能が高くなる通常のターボ過給機と
比べ、タービン11の径もしくは厚さまたはその両方が
小さくされることにより、比較的排気量の少ない低速域
でもタービン上流側の排気圧力が上昇して排気エネルギ
ーが与えられ易い構造となっている。このような小型タ
ーボ過給機によると、エンジンの最高出力回転数の1/
2以下の低速域で過給圧の上昇に応じてウエストゲート
バルブ18が開かれ、典型的なものでは最高出力回転数
の40%以下(最高出力回転数が4000rpmのディ
ーゼルエンジンでは1600rpm程度)でウエストゲ
ートバルブ18が開かれ始める。
【0035】上記エンジンの出力軸には変速機が接続さ
れて、エンジンと変速機とでパワーユニットが構成され
る。当実施形態ではこのパワーユニットにおける変速機
が無断変速機30からなっている。この無断変速機30
は、例えば入力側プーリ31と出力側プーリ32とこれ
らのプーリ31,32間に懸け渡されたベルト33とを
備えるとともに、上記両プーリ31,32のプーリ比の
変更によって変速比を無段階に変更し得るようになって
いる。無断変速機30の出力側には終減速機35が接続
され、この終減速機35に車軸36を介して車輪37が
連結されている。なお、無断変速機30は、上記のよう
な構造のものに限らず、例えばトロイダル型変速機等も
採用し得る。
【0036】図2は燃焼室2に対する吸・排気ポートの
開口部分及び吸・排気弁を示しており、この図のよう
に、当実施形態では、第1排気弁5Aと第2排気弁5B
の弁径が略同一(両排気ポート4A,4Bの開口面積が
略同一)とされるとともに、各排気弁5A,5Bの弁径
が各吸気弁8の弁径よりも大(排気ポート4A,4Bの
開口面積が吸気ポート7の開口面積よりも大)となって
いる。
【0037】上記ターボ過給機付エンジンにおける第1
排気弁5A、第2排気弁5B及び吸気弁8の開閉タイミ
ングを、図3によって説明する。なお、以下の説明にお
いて、BDCはピストン下死点、TDCはピストン上死
点をそれぞれ意味し、またBBDCは下死点前、ABD
Cは下死点後、BTDCは上死点前、ATDCは上死点
後をそれぞれ意味する。また開弁時期、閉弁時期、開弁
期間、開弁オーバラップ期間などをいうときの角度はク
ランク角である。
【0038】上記第1排気弁5Aは、BDCより前に開
かれて、排気行程後半(ABDC90°からTDCまで
の間)に閉じられ、第2排気弁5Bは、排気行程前半
(BDCからABDC90°までの間)に開かれてTD
Cまたはそれより後に閉じられる。上記各排気弁5A,
5Bは、開弁期間及びリフト量が略同一とされることに
より、開口面積比が略同一とされている。そして、第1
排気弁5Aの開弁から第2排気弁5Bの閉弁までの総排
気期間に対して上記開弁オーバラップ期間が1/3以上
となり、また、第1排気弁5Aの開弁期間が開弁オーバ
ラップ期間の2倍よりも短くなるように設定されてい
る。あるいは、第1排気弁5Aのみが開いている期間
と、上記開弁オーバラップ期間と、第2排気弁5Bのみ
が開いている期間とが、いずれも、上記総排気期間の3
0%以上となるように設定されている。
【0039】要するに、第1排気弁5Aのみが開いてい
る期間と、上記開弁オーバラップ期間と、第2排気弁5
Bのみが開いている期間とが略同等となるように、第
1,第2排気弁5A,5Bの開閉タイミングが設定され
ている。具体的に一例を示すと、第1排気弁5Aの開弁
時期VO1がBBDC50°、同閉弁時期VC1がBT
DC60°、第2排気弁5Bの開弁時期VO2がABD
C30°、同閉弁時期VC2がATDC10°となって
いる。従って、第1排気弁5Aの開弁期間は170°、
第2排気弁5Bの開弁期間は160°、開弁オーバラッ
プ期間は90°である。そして、当実施形態では、上記
各排気弁5A,5Bのバルブリフト特性が一定となって
いる。
【0040】吸気弁8の開閉タイミングは一般のエンジ
ンと同程度であり、例えば開弁時期IOがTDC付近、
閉弁時期ICがABDC40°に設定されている。
【0041】また、上記パワーユニットにおける無段変
速機30の変速比制御特性は、低速高負荷側の過給域で
定常走行が行われるように設定されている。すなわち、
無段変速機30の制御においては、出力回転数及びスロ
ットル開度等に応じた変速比制御のマップが設定され、
このマップに基づいて変速比の制御が行われ、この場合
に、無段変速機30は変速比制御特性の設定の自由度が
比較的高い。そして、後に詳述するように、低速高負荷
側の過給領域では燃費率が低くなることから、図8に示
すように、定常走行ラインが低速低負荷側から低速高負
荷側の過給領域を通って高速高負荷側に至るように、変
速比制御特性が設定されている。
【0042】以上のような当実施形態による作用を、次
に説明する。
【0043】排気行程では、先ずBDC以前に第1排気
弁5Aが開弁し、総排気期間のうちの最初の1/3程度
の期間(上記具体例によるとBBDC50°〜ABDC
30°の期間)は第1排気弁5Aのみが開いていて、こ
の期間に燃焼室2から流出する排気ガスは全て第1排気
通路3Aを通ってタービン10に送られる。次いで、排
気行程前半に第2排気弁5Bが開弁し、さらに排気行程
後半に第2排気弁5Aが閉弁し、その間の開弁オーバラ
ップ期間(上記具体例によるとABDC30°〜BTD
C60°の期間)は両排気弁5A,5Bが開いていて、
排気ガスが第1排気通路3Aと第2排気通路3Bとに分
流する状態となる。ただし、開弁オーバラップ期間の途
中までは第1排気弁5Aに比べて第2排気弁5Bのバル
ブリフト量が小さいために排気ガスが第1排気通路3A
に多く流れる。
【0044】こうして、排気行程初期から上記開弁オー
バラップ期間の途中までの期間に燃焼室2から流出する
排気ガスは主にタービン11に導かれ、排気ガスのブロ
ーダウンエネルギーが有効にタービン11に与えられ
る。
【0045】上記開弁オーバラップ期間の途中からは第
2排気弁5Bのバルブリフト量が大きくなることにより
排気ガスが第2排気通路3Bに多く流れ、また、第1排
気弁5Aが閉弁してからTDCもしくはそれより後の時
期までの期間(上記具体例によるとBTDC60°〜A
TDC10°の期間)は、第2排気弁5Bのみが開いて
いて、この期間に燃焼室2から流出する排気ガスは全て
第2排気通路3Bに流れる。こうして、開弁オーバラッ
プ期間の途中から排気行程終期までの期間には、排気ガ
スが主に第2排気通路3Bから第2集合排気通路15B
を経て、タービン11を通らずにその下流の排気通路1
6へ流れる。
【0046】このようにして、ターボ過給機10に排気
エネルギーが与えられつつ、排圧上昇が抑制され、とく
に、上記ターボ過給機10として、ウエストゲートバル
ブがエンジンの最高出力回転数の1/2以下の低速側で
開弁するような低速過給性能の高い小型過給機が用いら
れるとともに、各排気弁5A,5Bの開閉タイミングが
上記のように設定されていることにより、低速出力が向
上されるとともに、高速域でも排気ポンピングロスが充
分に抑制されて高速出力が確保される。
【0047】このような作用を、図4〜図8を参照しつ
つ、より詳しく説明する。
【0048】図4は排気行程中の筒内圧力の変化を示し
ている。この図において、θ1は排気弁開時期であり、
この時期から排気流出に伴って筒内圧力が低下し、排気
行程終期に排気通路内の排気圧力P2(約2Kgf/cm2
と同程度にまで下がる。この筒内圧力変化の過程におい
て、筒内圧力が上記排気圧力P2の2倍程度の臨界圧P
1(約4Kgf/cm2)以上である間は、排気通路側の圧力
変動がピストンに与える排気抵抗に殆ど影響を及ぼさ
ず、つまりこの期間に排気通路側の圧力が上昇しても排
気ポンピングロスは殆ど増加しない。そして、当実施形
態のようなターボ過給機付エンジンにおいて、最高出力
回転数域(4000rpm程度)では、排気弁開時期か
ら約120°で上記臨界圧P1となる。
【0049】従って、図3に示すように各排気弁5A,
5Bの開閉タイミングが設定されていると、最高出力回
転数域では、筒内圧力が上記臨界圧P1となる時期θ2
が開弁オーバラップ期間の途中となり、この時期θ2ま
での期間は排気ガスが主にタービン11に送られて、タ
ービン11の抵抗により排気通路の圧力が上昇するもの
の筒内圧力が上記臨界圧よりも高いためピストンに与え
る排気抵抗の増加を招かず、またこの時期θ2以後の、
筒内圧力が臨界圧よりも低くなる期間は排気ガスが主に
第2排気通路3Bに流れてタービン11を通らないため
排気通路の圧力が低くなり、排気ポンピングロスが低減
される。なお、前記の特公昭63−44936号公報に
示されている排気弁開閉タイミングによると、第2排気
通路を開閉する弁の開時期が、最高出力回転数域で筒内
圧力が上記臨界圧P1となる時期θ2よりもかなり遅い
ため、高速域で排気ポンピングロスの増大を招くことと
なる。
【0050】また、図5は上記第1排気弁5Aの開弁期
間Aと第2排気弁5Bの開弁期間Bとの比(A/B)
と、ポンピングロス(Pfp)、過給圧(Pin)及び平均
有効圧(Pe)との関係を示している。このデータは、
開弁オーバラップ期間は90°とし、最高出力回転数域
(4000rpm程度)での全負荷の場合について、シ
ミュレーションで求めたものである。
【0051】この図のように、上記比(A/B)が大き
くなる(第1排気弁5Aの開弁期間の割合が大きくな
る)につれ、過給圧(Pin)及びポンピングロス(Pf
p)が大きくなるが、A/B=1を越えるあたりから、
ウエストゲートバルブ18の開度が大きくなって過給圧
(Pin)は横ばいとなり、平均有効圧(Pe)は緩やか
に低下する。従って、上記比(A/B)を1付近とし、
つまり第1排気弁5Aの開弁期間と第1排気弁5Bの開
弁期間とを同程度とすることが、高速出力向上に有利と
なる。
【0052】図6は、両排気弁5A,5Bの開弁オーバ
ラップ期間の大きさと、ポンピングロス(Pfp)、過給
圧(Pin)及び平均有効圧(Pe)との関係を、最高出
力回転数域(4000rpm程度)での全負荷の場合に
ついて示している。
【0053】この図のように、開弁オーバラップ期間が
小さくなると、燃焼室2内の排気ガスが第1排気通路3
Aに流出する状態から第2排気通路3Bに流出する状態
への移行がスムーズに行われないため筒内圧力が上昇し
てポンピングロス(Pfp)が増加するとともに、第1排
気弁5Aの開弁期間が相対的に小さくなるため過給圧
(Pin)も上昇しない。そして、開弁オーバラップ期間
を大きくしていくと、90°程度で過給圧(Pin)が最
も高くなる。開弁オーバラップ期間が90°よりもさら
に大きくなれば、第2排気通路3Bへ排気ガスが流出し
易くなるので過給圧(Pin)が次第に低下するが、ポン
ピングロス(Pfp)も低下するので、平均有効圧(P
e)の急激な落ち込みはない。
【0054】図7はエンジン回転数に応じた全負荷時の
平均有効圧の変化の特性を、上記第1排気弁5Aの開弁
期間割合(総排気期間に対する第1排気弁5Aの開弁期
間の割合)を種々変えた場合について示している。この
図において、Pe1は上記開弁期間割合が60%の場合の
特性、Pe2は上記開弁期間割合が70%の場合の特性、
Pe3は上記開弁期間割合が80%の場合の特性であり、
これらの場合のいずれにおいても開弁オーバラップ期間
は90°としている。また、Pe0は高速側で過給性能が
高くなる通常のターボ過給機を用いた一般的なターボ過
給機付エンジンによる特性である。
【0055】この図のように、通常のターボ過給機を用
いた一般的なターボ過給機付エンジンによると、低速域
での出力が低い(Pe0)。また、小型ターボ過給機を用
いて図1のように排気系を構成したエンジンにおいて
は、上記開弁期間割合を小さくするとタービン11への
排気エネルギーの供給が少なくなるため過給性能が充分
に高められず(Pe1)、一方、上記開弁期間割合を大き
くし過ぎると低速出力は高められるが高速域では排気ポ
ンピングロスが増大するために出力が低下する(Pe
3)。そして、この図によると上記開弁期間割合を70
%程度とすることにより、低速から高速までにわたって
出力を高めることができるような最適な特性が得られる
(Pe2)。
【0056】これら図4〜図7に示すデータから理解さ
れるように、両排気弁5A,5Bの開閉タイミングを図
3のように設定し、つまり両排気弁5A,5Bの開弁期
間を同程度とするとともに、第1排気弁5AがBDC前
に開いて排気行程後半に閉じ、第2排気弁5Bが排気行
程前半に開いてTDC以後に閉じるようにして、開弁オ
ーバラップ期間の中心が排気行程の中期となり、かつ、
開弁オーバラップが総排気期間の30%以上(好ましく
は90°程度)となるように設定すれば、小型ターボ過
給機の特質を生かして低速出力を高めつつ、高速域でも
充分に出力を高めることができる。
【0057】この場合、上記のようなバルブ開閉タイミ
ングの設定とともに、上記両排気弁5A,5Bの弁径が
同程度とされ、かつ、各排気弁5A,5Bの弁径が吸気
弁8の弁径よりも大きくされることにより、第1排気弁
5Aのみが開いている期間や第2排気弁5Bのみが開い
ている期間にも燃焼室2からの排気の流出が良好に行わ
れ、過給性能の向上及び排気ポンピングロス低減等の作
用が有効に発揮される。
【0058】また、ディーゼルエンジンに適用した当実
施形態によると、ディーゼルエンジンは拡散燃焼が行わ
れることによりガソリンエンジンと比べて低速高負荷域
でノッキングが生じにくいことから、低速高負荷域での
高過給化に有利であり、このような低速高負荷域での高
過給化により、スモークが低減され、燃費及びエミッシ
ョンも改善される。しかも、ディーゼルエンジンは最高
出力回転数が4000rpm程度とガソリンエンジンと
比べて低いので、小型ターボ過給機を用いた場合の最高
出力回転域での排気ポンピングロス抑制にも有利であ
る。
【0059】さらに、このエンジンと無段変速機とが組
み合わされて、無段変速機の変速比制御特性が図8のよ
うに設定されることにより、燃費性能がより一層向上さ
れる。具体的に説明すると、同図中に細い実線で示した
曲線は等燃費率ラインであって、この図のように燃費率
の低い領域(bmin )は低速高負荷域にあり、とくに、
等実施形態のエンジンでは上記のように低速高負荷域で
の高過給化によりこの領域でのより一層の低燃費化が図
られる。そして、このように低速高負荷域での低燃費化
が図られつつ、定常走行ラインがこの領域を通るように
無段変速機の変速比制御特性が設定されていることによ
り、低燃費領域での運転の頻度が高められる。
【0060】なお、上記実施形態では、第1排気弁5A
及び第2排気弁5Bのバルブリフト特性を全運転域で固
定としているが、図9に示すように、バルブリフト特性
可変手段40を設け、運転状態に応じて第1排気弁5A
及び第2排気弁5Bのバルブリフト特性を変更するよう
にしてもよい。
【0061】すなわち、上記バルブリフト特性可変手段
40は、例えば第1排気弁5Aに対して高速用及び低速
用の2種のカム41,42をカムシャフトに配設し、カ
ム41,42と排気弁5Aとの間のロッカーアーム等
に、一方のカム41で排気弁5Aを駆動する状態と他方
のカム42で排気弁5Aを駆動する状態とに切換える連
係切換機構を設け、また、同様に第2排気弁5Bに対し
て高速用及び低速用の2種のカム43,44をカムシャ
フトに配設し、カム43,44と排気弁5Bとの間のロ
ッカーアーム等に、連係切換機構を設けている。
【0062】そして、図11に示すように、所定境界ラ
インより高速側の領域では高速用のカム41,43によ
り高速用バルブリフト特性で排気弁5A,5Bが駆動さ
れ、所定境界ラインより低速側の領域では低速用のカム
42,44により低速用バルブリフト特性で排気弁5
A,5Bが駆動される。
【0063】上記高速用バルブリフト特性は図10中に
実線(V1H,V2H)で示すように設定され、つまり、
前記の実施形態のバルブリフト特性(図3)と同様に、
第1排気弁5AがBDC前に開いて排気行程後半に閉
じ、第2排気弁5Bが排気行程前半に開いてTDC以後
に閉じ、かつ、開弁オーバラップ期間の中心が排気行程
の中期となるように設定されている。一方、上記低速用
バルブリフト特性は図10中に破線(V1L,V2L)で
示すように設定され、つまり、第1排気弁5AがBDC
前からTDC以後までにわたる総排気期間だけ開かれる
一方、第2排気弁5Bは実質的に開かず、バルブの閉固
着を避けるための作動だけを行うようになっている。
【0064】なお、ターボ過給機、排気通路及び吸気通
路等の構成は図1に示す実施形態と同様であるため、図
9ではこれらの図示を省略する。
【0065】当実施形態によると、高速域では第1排気
弁5A及び第2排気弁5Bが上記高速用バルブリフト特
性で作動され、前記実施形態と同様の作用で過給が行わ
れつつ排気ポンピングロスが低減される。また、低速域
では、第1排気弁5Aが総排気期間だけ開かれる一方、
第2排気弁5Bが実質的に開かれないため、総排気期間
中に燃焼室2から流出する排気ガスはタービンに導か
れ、低速域での過給作用が高められる。
【0066】図12は本発明のさらに別の実施形態を示
し、この実施形態では本発明を直噴式のガソリンエンジ
ンに適用している。すなわち、エンジンの各気筒の燃焼
室には、点火プラグ51が設けられるとともに、燃焼室
内に直接燃料を噴射供給するインジェクタ52が設けら
れている。上記インジェクタ52からの燃料噴射量はコ
ントロール(ECU)53により制御される。このEC
U53は、吸入空気量を検出するエアフローメータ5
4、エンジン回転数を検出する回転数センサ55、空燃
比を検出するリニアO2 センサ56等からの信号を受
け、運転状態に応じた目標空燃比となるようにインジェ
クタ52からの燃料噴射量を制御する。
【0067】上記ECU53による空燃比制御は、少な
くとも低速高負荷時にリーンバーン運転を行うように
し、具体的には、低回転低負荷側の領域で成層燃焼を行
わせることにより空燃比を大幅にリーンとする一方、低
回転高負荷域でも過給により出力性能を満足し得るよう
にしながら空燃比を理論空燃比よりリーンに設定してい
る。
【0068】ターボ過給機10、排気通路及び吸気通路
等の構成は図1に示した実施形態とほぼ同様であって、
気筒別に第1,第2排気通路3A,3Bが形成されてそ
の上流側の第1,第2排気ポート4A,4Bに第1,第
2排気弁5A,5Bが設けられるとともに、各第1排気
通路3Aが集合した第1集合排気通路15Aがタービン
11に接続され、各第2排気通路3Bが集合した第2集
合排気通路15Bはタービン11を通らずに下流端がタ
ービン下流側排気通路16に接続されており、また、最
高過給圧規制のため、タービン11をバイパスするウエ
ストゲート通路17及びウエストゲートバルブ18が設
けられている。
【0069】さらに、上記タービン下流側排気通路16
には、ウエストゲート通路17及び第2集合排気通路1
5Bが合流する部分より下流側に、排気浄化用の触媒装
置57が設けられている。
【0070】上記各排気弁5A,5Bは前記の実施形態
と同様に図3に示すようなバルブリフト特性で作動さ
れ、あるいは、図9〜図11に示すように運転状態に応
じて高速用と低速用のバルブリフト特性に変更される。
【0071】また、当実施形態でもエンジンに接続され
る変速機は無段変速機30からなり、かつ、図8のよう
に定常走行ラインが低速高負荷域を通るように変速比制
御特性が設定されている。
【0072】この実施形態によっても、小型ターボ過給
機10が用いられることによって低速出力が高められる
とともに、上記のように各排気弁5A,5Bのバルブリ
フト特性等が設定されることにより高速域での出力も充
分に確保される等の作用は、前記の実施形態と同様であ
る。
【0073】さらに当実施形態では、低速高負荷域で、
高過給化が図られつつリーバーンが行われることによ
り、燃費性能が大幅に向上される。その上、この低速高
負荷の低燃費領域で定常運転が行われるように無段変速
機30の変速比制御特性が設定されていることにより、
低燃費領域の使用頻度が高められる。
【0074】また、このように過給が行われるとともに
低速の高過給域までリーンバーンが行われるエンジンで
は、リーンバーンによって排気温度上昇が妨げられると
ともに、タービン通過時に排気ガス温度が低下するた
め、排気通路中に設けられる触媒装置57の暖機性が阻
害され易いという傾向がある。これに対し、当実施形態
のように、小型ターボ過給機10を用いることでウエス
トゲートバルブ18が低速域から開かれるようにすると
ともに、タービン11を通らないウエストゲート通路1
7及び第2集合排気通路15Bの合流部分の下流に触媒
装置57を設けておけば、低速域でも上記ウエストゲー
ト通路17及び第2集合排気通路15Bから比較的高温
の排気ガスが触媒装置57に導かれ、触媒装置57の暖
機が促進される。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明は、ターボ過給機の
タービンに通じる第1排気通路と、上記タービンを通ら
ない下流側排気通路に通じる第2排気通路と、各排気通
路を開閉する第1排気弁及び第2排気弁を備えるととも
に、少なくとも最高出力回転数域において第1排気弁が
ピストン下死点前に開いて排気行程後半に閉じ、第2排
気弁が排気行程前半に開いてピストン上死点以後に閉
じ、かつ、両排気弁の開弁期間がオーバラップする開弁
オーバラップ期間の中心が排気行程の中期となるように
設定しているため、ブローダウンエネルギーを上記ター
ビンに有効に与えるようにしつつ、最高出力回転数域で
も排気ポンピングロスを充分に低減し、有効に出力を向
上することができる。
【0076】とくに、低速過給性能の高い小型ターボ過
給機を用いつつ、排気通路の構成及び第1,第2排気弁
の開閉タイミングの設定を上記のようにすれば、上記小
型ターボ過給機によって低速域での過給作用が高められ
るとともに、この小型ターボ過給機を用いる場合に生じ
易い高速域での排気ポンピングロス増大による出力低下
を有効に防止することができ、高速出力も充分に高める
ことができる。
【0077】より具体的には、少なくとも最高出力回転
数域において上記開弁オーバラップ期間が総排気期間の
1/3以上となるように設定し、あるいは、少なくとも
最高出力回転数域において上記第1排気弁のみが開いて
いる期間と上記開弁オーバラップ期間と上記第2排気弁
のみが開いている期間とが、いずれも、上記第1排気弁
の開弁から上記第2排気弁の閉弁までの総排気期間に対
して30%以上となるように設定することにより、上記
効果が充分に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるターボ過給機付エン
ジンの全体概略図である。
【図2】第1,第2排気弁と吸気弁の配置及び大きさの
関係を示す要部概略平面図である。
【図3】第1排気弁、第2排気弁及び吸気弁のバルブリ
フト特性を示す図である。
【図4】排気弁開弁後の筒内圧力の変化を示す図であ
る。
【図5】両排気弁の開弁期間の比と過給圧、ポンピング
ロス及び平均有効圧との関係を示す図である。
【図6】開弁オーバラップ期間と過給圧、ポンピングロ
ス及び平均有効圧との関係を示す図である。
【図7】エンジン回転数と平均有効圧との関係を、第1
排気弁の開弁期間割合等を種々変えた場合について示す
図である。
【図8】無段変速機の変速比制御による定常走行ライン
と等燃費率ラインを示す図である。
【図9】各排気弁のバルブリフト特性を可変とした実施
形態を示す要部の概略図である。
【図10】バルブリフト特性可変とする場合の各排気弁
の高速用と低速用のバルブリフト特性を示す図である。
【図11】バルブリフト特性を運転状態に応じて変更す
る場合の領域設定を示す図である。
【図12】本発明のさらに別の実施形態を示すターボ過
給機付エンジンの全体概略図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 燃焼室 3A 第1排気通路 3B 第2排気通路 5A 第1排気弁 5B 第2排気弁 10 ターボ過給機 11 タービン 12 コンプレッサ 17 ウエストゲート通路 18 ウエストゲートバルブ 30 無段変速機 40 バルブリフト特性可変手段 57 触媒装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02B 37/18 F02B 37/12 302G 37/12 302F 302 F02D 23/00 K 23/02 Z F02D 23/00 29/00 H 23/02 41/04 305C 29/00 45/00 301E 41/04 305 F16H 61/10 45/00 301 F16H 9/00 E F16H 61/10 F02B 37/12 301A // F16H 9/00 301Z F16H 59:24 59:40

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気筒毎の排気通路が、ターボ過給機のタ
    ービンに通じる第1排気通路と上記タービンを通らない
    下流側排気通路に通じる第2排気通路とに分けられ、第
    1排気通路を開閉する第1排気弁の開弁時期が第2排気
    通路を開閉する第2排気弁の開弁時期よりも早くなるよ
    うに設定されているターボ過給機付エンジンであって、
    少なくとも最高出力回転数域における上記各排気弁の開
    閉タイミングを、第1排気弁がピストン下死点前に開い
    て排気行程後半に閉じ、第2排気弁が排気行程前半に開
    いてピストン上死点以後に閉じ、かつ、両排気弁の開弁
    期間がオーバラップする開弁オーバラップ期間の中心が
    排気行程の中期となるように設定したことを特徴とする
    ターボ過給機付エンジン。
  2. 【請求項2】 上記ターボ過給機は、最高過給圧規制用
    のウエストゲートバルブがエンジンの最高出力回転数の
    1/2以下の低速側で開弁する低速過給性能の高い小型
    過給機であることを特徴とする請求項1記載のターボ過
    給機付エンジン。
  3. 【請求項3】 少なくとも最高出力回転数域において上
    記第1排気弁の開弁から上記第2排気弁の閉弁までの総
    排気期間に対して上記開弁オーバラップ期間が1/3以
    上となるように設定したことを特徴とする請求項1また
    は2記載のターボ過給機付エンジン。
  4. 【請求項4】 少なくとも最高出力回転数域において上
    記第1排気弁の開弁期間が上記開弁オーバラップ期間の
    2倍よりも短くなるように設定したことを特徴とする請
    求項1または2記載のターボ過給機付エンジン。
  5. 【請求項5】 少なくとも最高出力回転数域において上
    記第1排気弁のみが開いている期間と上記開弁オーバラ
    ップ期間と上記第2排気弁のみが開いている期間とが、
    いずれも、上記第1排気弁の開弁から上記第2排気弁の
    閉弁までの総排気期間に対して30%以上となるように
    設定したことを特徴とする請求項1または2記載のター
    ボ過給機付エンジン。
  6. 【請求項6】 第1排気弁の開口面積比と第2排気弁の
    開口面積比とが略同一となるように設定したことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載のターボ過給機付
    エンジン。
  7. 【請求項7】 各気筒に対して上記第1,第2の2つの
    排気弁と2つの吸気弁とを設け、上記第1,第2排気弁
    をともに吸気弁の弁径よりも大径としたことを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載のターボ過給機付エン
    ジン。
  8. 【請求項8】 上記各排気弁のバルブリフト特性をエン
    ジンの低速域から高速域にまでわたって一定としたこと
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のターボ過
    給機付エンジン。
  9. 【請求項9】 エンジンの高速域では上記各排気弁の開
    弁期間及びバルブリフト量を略同一とする一方、エンジ
    ンの低速域では高速域と比べて第1排気弁の開弁期間及
    びバルブリフト量を大きく、かつ第2排気弁の開弁期間
    及びバルブリフト量を小さくするように、上記各排気弁
    のバルブリフト特性を運転状態に応じて変更するバルブ
    リフト特性可変手段を設けたことを特徴とする請求項1
    〜8のいずれかに記載のターボ過給機付エンジン。
  10. 【請求項10】 エンジンがディーゼルエンジンである
    請求項1〜9のいずれかに記載のターボ過給機付エンジ
    ン。
  11. 【請求項11】 エンジンが直噴式ガソリンエンジンで
    あって、少なくとも低速低負荷域及び低速高負荷域でリ
    ーンバーン運転を行うようにしたことを特徴とする請求
    項1〜9のいずれかに記載のターボ過給機付エンジン。
  12. 【請求項12】 排気通路の下流側に触媒装置を備え、
    第2排気通路からタービンに通らずに下流側へ流れる排
    気ガス及びタービンをバイパスするウエストゲート通路
    に流れる排気ガスが上記触媒装置に導かれるように構成
    したことを特徴とする請求項11記載のターボ過給機付
    エンジン。
  13. 【請求項13】 気筒毎の排気通路が、ターボ過給機の
    タービンに通じる第1排気通路と上記タービンを通らな
    い下流側排気通路に通じる第2排気通路とに分けられ、
    第1排気通路を開閉する第1排気弁の開弁時期が第2排
    気通路を開閉する第2排気弁の開閉時期よりも早くなる
    ように設定されているターボ過給機付エンジンであっ
    て、エンジンを少なくとも低速低負荷域でリーンバーン
    運転を行う直噴式ガソリンエンジンとし、排気通路の下
    流側に触媒装置を備えるとともに、上記タービンをバイ
    パスするウエストゲート通路にウエストゲートバルブを
    設けて、このウエストゲートバルブがエンジンの最高出
    力回転数の1/2以下の低速側で開弁するようにし、か
    つ、排気通路の下流側に触媒装置を備え、上記第2排気
    通路からタービンに通らずに下流側へ流れる排気ガス及
    び上記ウエストゲート通路に流れる排気ガスが上記触媒
    装置に導かれるように構成したことを特徴とするターボ
    過給機付エンジン。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれかに記載の
    ターボ過給機エンジンと無段変速機とを備え、定常走行
    ラインが低速高負荷側の過給域を通るように上記無段変
    速機の変速制御特性を設定したことを特徴とするターボ
    過給機付エンジン搭載車のパワーユニット。
  15. 【請求項15】 少なくとも低速高負荷側の過給域でリ
    ーンバーン運転を行うようにしたことを特徴とする請求
    項14記載のターボ過給機付エンジン搭載車のパワーユ
    ニット。
  16. 【請求項16】 気筒毎の排気通路が、ターボ過給機の
    タービンに通じる第1排気通路と上記タービンを通らな
    い下流側排気通路に通じる第2排気通路とに分けられ、
    第1排気通路を開閉する第1排気弁の開弁時期が第2排
    気通路を開閉する第2排気弁の開閉時期よりも早くなる
    ように設定されているターボ過給機付エンジンと、無段
    変速機とを備え、定常走行ラインが低速高負荷側の過給
    域を通るように上記無段変速機の特性を設定するととも
    に、上記低速高負荷側の過給域でリーンバーン運転を行
    うようにしたことを特徴とするターボ過給機付エンジン
    搭載車のパワーユニット。
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